2012年05月25日

外しか使えない

 ボールをポゼッションしながら、前進し、チャンスを狙う。

不確実なロングボールに頼るのではなく。

適当にボールを蹴って、体をぶつけ合うことに、快感を覚える。

守備を固めて、カウンターで一瞬の隙を狙う。

それらは、おそらく我々が好きなスタイルではないでしょう。








 パスをつなぎ、ドリブルでボールを運ぶ。

相手陣形の穴を探し、穴を作り出し。

日本が目指すのは、このスタイルのはずです。

日本代表の試合を観ていると、このスタイルは継続されています。

監督が代わっても、ボールをつなぐことは変わらない。

日本に、ボールをつなぎながら、崩し、ゴールを狙うスタイルが定着してきたのでしょうか。








 ただ、大切な部分が、まだ出来ていないようです。

そして、短いパスをつないでいる位置が低い、という現象が起こっています。

DFラインと中盤の低い位置とではボールは回る。

そこから先には、なかなか進めない。

後ろで回して、中盤につける、また、後ろに返して、サイドを変える。

時に、無理やり突破を図り、つぶされてしまう。

この繰り返しです。







 高い位置にボールを運べているシーンも、もちろんあります。

その多くは、外経由で、サイドの高い位置に運んでいます。

相手DF、MFのラインは崩れていないため、簡単に応対されてしまいます。

クロスは上がるのですが、弾き返されてしまう。

クロスの精度が低いだけが、原因ではない。

相手のDFを振り回せていないから、楽に対応されてしまっているのです。








 この原因は、相手の中盤MFのラインと、最終ラインとの間に入れていないこと。

ここにボールが入ることができれば、相手の応対は変わってきます。

一度中に、集結しなければならないのです。

そこから、外にボールを出せば、さらなる対応が必要です。

今度はサイドにスライド、もしくはラインアップをする。

個々にボールが入れば、相手はピンチになる!?と警戒を強めます。

この、一度、中に集結させ、ボールホルダーに意識を集中させること。

これで、相手を疲弊させ、応対を遅れさせる、マークを外すことが可能になる。

すると、ポゼッションしながらゴールに迫ることも、数多く出来るでしょう。








 今の代表には、中でボールを受ける、ピボットが不足している。

この受けるプレーが最も上手いのは、香川選手でしょうか。

その香川選手を、センターの位置で使わないのは、もったいない気がします。

そして、中のピボットに、ボールをつけるタイミングが合わせれない出し手が多い。

このプレーは、一撃必殺のプレーではない。

一度出来たからではなく、何度も何度も繰り返す。

無理なら戻して、やり直す。

可能なら、「ターン!」して前方向に進んでいく。

真綿で相手の首を絞め殺すように、じわじわと相手の足を奪っていく。

このプレーの次に、大きなチャンスが生まれることも多い。

外経由だけでなく、中を使いながら、ボールを運びたい。
posted by フットボールコーチ at 14:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月22日

近くて遠い、11M。

 PK戦。

コイントス、ロシアンルーレットのようなもの。

フットボールの実力を表すものではない。

オシムさんは、監督の時に、直視せずにロッカールームに向かったとの話も。






 PKの蹴り方は、幾つかの種類に分類できます。

・蹴るコースを予め決めておく。

・GKの動きを観察し、GKの飛んだ逆に蹴る。(いわゆる、ころころPKもこの分類)

・そのミックス(GKの逆に蹴ろうとするのだが、待つタイプのGKなら自分の決めていたコースに)






GKも、飛ぶタイミングで、幾つかのタイプに分かれます。

・ボールが蹴りだされる前に飛び始める(全部左、左右交互と決めて飛ぶGKも)

・キックのギリギリまで飛ばずに、キックの瞬間に飛ぶ(軸足のつま先や蹴り足の面を観察)

・飛んでくるボールに反応する、全くヤマを張らず反応のみで

もちろん、スカウティング情報は持った上でです。

直前で蹴る方向を変える選手もいるので、スカウティングに全てを任せれない。

キッカーとGKとの間には、ずっーと、駆け引きが繰り返されている。






 素晴らしいGKは、PKの阻止率も高いものがある。

5本中2本も3本も止めて、勝利に結びつける。

PKの決定率が、7割〜9割くらいでしょうか。

5本中、1本止めれば、御の字です。

統計的事実を上回ってくる、グレートなGKがいる。(その日だけかも?!)

実際に、ペナルティーマークにボールを置いて、後ろに下がる。

すると、GKが大きく見えてしまうことも・・・。









 ただ、キッカーが圧倒的に有利な状況であることは揺るがない事実です。

11Mの距離で、強いボールをいいコースに蹴れば、GKは間に合わない。

人間の反応速度+動作のスピード、これよりも飛んでくるボールが到達する方が速いのです。

ボールがサイドネットに飛ぶ。

ボールが、ゴールの上3分の1に飛ぶ。

インステップだろうと、インサイドだろうと、プロの選手なら難しいことではない。

ましてや、世界のトップオブトップの選手なら、簡単なキックでしょう。








 仮に120分プレーをしていたとしても、たった1本狙った場所に蹴るだけ。

たった1本蹴るだけなのに、ポストにぶつけてしまう。

さらには、枠にすら飛ばないことすらある。

何が原因なのでしょうか。

身体的疲労や、ストレスによる消耗が、技術レベルを押し下げてしまった。

ただしその状況は、キッカーもGKも同じ条件です。








 ここで起きている大きな問題の一つに、心の状態が挙げられます。

普段は入るはずのPK。

ここ一番の試合で失敗してしまうには、技術的な原因か、心理的な原因のどちらかがあります。

そもそも、狙ったコースに、強いボールを蹴ることが出来ない。

狙ったコースに強いボールを蹴れるのだが、明らかに見え見えである。

これは、トレーニングで、技術的な部分をクリアにしておかなければならない。








 もう一方、心に障害物とでも言いますか、問題を抱えている場合もあります。

外してしまったら、、、

以前に外してしまったから、、、

GKが素晴らしい、、、

成功してしまったら、今の自分の状況とは変わってしまう、、、

このような問題は、本人が意識していない部分で起こってしまっている。

心の中ではなく、心の奥底、無意識の中にある。

失敗への恐怖、成功への恐れ、過緊張。







 PKを決めるためには、心の部分にも配慮すべきです。

例えば、トレーニングの時、試合に近い状況を作ってみること。

決められた準備、行動(ルーティン)をとり、日常を作る。

自分に向けて、ポジティブなトークを行う。

筋肉を緩める、呼吸法で、リラックスを試みる。

選手一人一人が、自分にあった方法をとり、PKに対する心の障害を取り除く。

PKを蹴ることに、集中できない理由があるはずです。

集中できない理由を取り除く作業を、選手と、コーチとが試合前に行う。

その上で、ペナルティーマークの前に立てれば、成功率は高まるはずです。








 余談ですが、私は、ルーティンを行います。

ボールを必ず両手でセットする。

ボールだけをジッと見て、右足から後ろに真っ直ぐ5歩下がる。

その後、左に2歩ずれて、レフェリーの笛を待つ。

すると、ちょうどいい程度に緊張し、集中力を高めておくことが出来るのです。

それぞれの選手にぴったり合った方法が、何かあるはずです。

PKは単なるロシアンルーレットではなく。

技術を発揮する場所であり、メンタルゲーム。
posted by フットボールコーチ at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月18日

イングランド1位、イタリア2位、スペイン3位、。。

 2011〜12シーズンが佳境に迫ってきました。

いよいよ、UEFAチャンピオンズリーグも決勝戦です。

バルセロナ、レアルマドリーが準決勝で敗れました。

決勝戦でクラシコの再現か!?との思惑は外れてしまいました。






 ここ数年、リーガエスパニョーラの勢い、注目度がとても高まっています。

その中心になるのが、間違いなくFCバルセロナ。

そしてそのバルサのリーグ連覇を止めた、レアルマドリーCF。

スペイン代表も、真の無敵艦隊と化しています。

スペインこそが一番だ。

そんな風潮が高まっている中での、今回の敗退です。








 でもそれは、珍しいことではありません。

ここ10年の、チャンピオンズリーグのファイナリストをみてみます。

すると、イングランドが7チームが進出で1位。

5チーム進出のイタリアが2位に続きます。

スペインは、3チームの進出に留まり、3位にすぎません。

ちなみにいずれもバルセロナで、全て勝利を収めているのは素晴らしい結果です。






 
 そして、バルセロナが越えれなかった壁は、もう一つあります。

1989〜90シーズン、1990〜91シーズンのACミランを最後に連覇をしたチームはありません。

今回のバルセロナこそが、その20年間のジンクスを破ってくれる。

多くの人間が予想し、期待していたのではないでしょうか。

クラブワールドカップでの、圧倒的な勝利。

ライバルであるはずのレアルを、クラシコで繰り返し撃破。

結果だけでなく、内容も圧倒的。

今年のバルサならば!!









 ヨーロッパで勝ち続けることが、いかに難しいことなのか。

あのバルサでも、レアルでも、決勝にすら進むことが出来ない。

チャンピオンズリーグのファイナリストは、ここ10年で6カ国のチーム。

ヨーロッパリーグのファイナリストにいたっては、ここ10年で8カ国のチーム。

多くの国のチームが、ファイナリストに名を連ねています。

そこまで、層が厚く、競争が激しいのがヨーロッパのフットボールシーン。

激しい競争が進化を生み、他の地域を寄せ付けない強さを生んでいるのでしょう。







 明日は、決勝。

多くの選手が欠場し、残念ではあります。

そもそも、バルセロナが敗れた時点で、興味を失った方すらいるかもしれません。

それでも、世界最高レベルの戦いは、観る価値があるはずです。

バイエルンが、ホームの地で見事にカップを掲げるのか。

それとも、チェルシーの悲願が達成なるのか。

キックオフが、楽しみでなりませんね。
posted by フットボールコーチ at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月15日

5.15

 1993年5月15日。

この日付は、胸に刻み続けられるものだと思っていました。

残念ながら、勝手な思い込みだったかもしれません。

もちろん、Jリーグが開幕した、あの日です。





 当時私は、テレビの前で釘付けになっていました。

ライトアップされた、国立競技場。

大きな旗が10チーム分、揺れ動く。

盛大なコンサートか、オリンピックの開会式か。

あの光景は、一瞬で目に焼きつけられました。

そして、緑輝く芝生の上で、ベルディ対マリノスの試合が始まります。

画面の向こうでは、全てがキラキラと輝いていました。

恐ろしいばかりの熱が、伝わってきたように感じていました。

あの感情は、20年経っても、忘れることが出来ません。








 今日、スクールの生徒さんに聞いてみました。

「今日、何の日か知ってるよね!?」

「・・・・。」「さあ、。」

私は、耳を疑いました。

初心者対象のクラスとは言え、誰一人知らないなんて。

Jリーグが開幕した、あの日は過去のものとなっているのでしょうか。







 このやり取りのなかに、Jリーグが抱えている問題点もあるように感じました。

雑誌サッカーダイジェストでは、5月15日を大きく取り上げていました。

ところが、WEBでは、他の一つの記事同様の小さな扱い。

香川の移籍問題や、ヨーロッパのフットボールシーンの方が大きくスペースを割かれています。

Jリーグは、ローカルな内輪な盛り上がりに留まってしまってはいないか?

一般のテレビや新聞、ネットでは何事もなかったのかのような反応。

それでは、思い出さなくても仕方ないのかもしれませんね。

何とも、寂しい・・・。








 J1、J2合わせて40チーム。

毎週末20箇所で、最低でも数千人、多いと数万人の人間が観戦に訪れている。

Jリーグ開幕以前では、想像出来なかった拡がりです。

プロスポーツと言えば、野球しかなかった、野球すらも無かった土地。

それが今や、2週間に1回は、プロの試合を観戦することが出来るのです。

スタジアムの周辺は、ちょっとしたお祭り的な盛り上がりもあるでしょう。

この辺りは、Jリーグが目標とする地域密着が上手く行っている証です。

20年でチーム数が4倍に増え、倒産はわずかに1チーム。

かなり優秀に、成長を見せていますよね。







 ところが、その一方で、注目度や、一般の関心は、相当落ち込んでいる。

テレビで試合は無い、新聞での取り扱いも試合結果だけ。

目にするのは、日本代表(なでしこ)と、海外サッカー、海外での活躍。

全てのベースになっているはずの、Jリーグが置いてけぼりになっている。

20年前にキラキラしていたものは、どこに行ってしまったのでしょうか。

Jリーグバブル崩壊と共に、消えてしまったのでしょうか。








 先日、私の指導するチームの一つに、新人選手を迎えることになりました。

なんと、1993年生まれ!!

あの開幕時に生まれて、もう大人になっている。

生まれた時から、プロのサッカーが当たり前のように存在している。

そして、記憶がおぼろげな頃から、日本代表はワールドカップに出場を続けている。

我々のように、暗黒時代を知らない世代です。

ガラガラのスタンド、つまらないボールの蹴り合い、枯れた芝や、ぼこぼこのピッチ。

東アジアでも最弱?ワールドカップなど、遠い遠い国のお話。

こんな話をしても、信じてもらえないかもしれません。

すでに、次の世代が、活躍を始めているのです。

新しい世代の選手は、我々とはフットボールの捉え方が違うのではないでしょうか。

ボール扱いは巧みになり、単純な蹴り合いの試合は少なくなりました。

この先、どのように変化していくのでしょうか。








 日本でも、ちゃんとフットボール文化が根付きつつあるのでしょう。

Jリーグが歩んできた20年は、大きな価値があるものです。

ワールドカップに当たり前のように出場し、本大会での活躍を期待できる。

海外で、多くの日本人選手が、ピッチを駆け回る。

子供たちが、小さい頃からボールを扱い始める。

この流れが、30年50年、100年と続いていくこと。

勤勉に進歩を願い、努力を続けること。

その時には、もっともっと、フットボールの文化がある国になっているでしょう。

この根っこは、自分たちの地域、足元から。
posted by フットボールコーチ at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月11日

要求に応え続ける

 初めて仲間に入れてもらったチームで試合をする。

味方の特徴も知らない。

当然、自分のことも知ってもらっていない。

そんな時、どうやってチームの一員として認めてもらうのか?

目の覚めるようなシュートを決めれば良いのでしょうが、そう簡単には・・。







 私はいつも、このように考えています。

自分の出来る得意なプレーを、実際に見せて、印象付ける。

ストロングポイントをアピールするとでも言い換えれるでしょう。

いくら言葉を重ねても、なかなか伝わらない。

これ!という自分の武器を、見せようとするのです。

何でもしようとして、ウィークポイントを出してしまってはならない。

評価が0から始まるのですから、マイナスになってしまう。

オレはこれが出来る!!

プレーで表現して、自分の価値を高めようとします。









 具体的には、私の場合は、やはり守備でしょうか。

予測に基づくコーチングと、アプローチ、カバーリング、1対1の戦い。

積極的に声を掛けながら、集団行動を取ろうと促します。

すると、守備のバランスがとれ、守るのが楽になってきます。

ボールを何度か奪取すれば、バッチリでしょう。

「信頼できる、助けてくれる」と思ってもらう。

攻撃では、常に気の利いたポジショニングを取ろうとする。

いち早くサポートに入ることや、スペースを埋めてあげ、声を掛けること。

いいポジションでボールを受けたら、シンプルにボールをつなぐ。

「いつも出しやすいところにいるな」と思ってもらう。

「動き出せば、ボールを出してくれる」と思ってもらう。










 一方、試合が始まって、空気を読む、無難なプレーに終始する。

ミスをすることなく、何とか仲間に入ろうと。

そんな選手は、誰も見てくれない。

ましてや初めて来た選手なら、優先度は低いまま。

実績が無いのだから、それも仕方の無いこと。

チームにおける信頼度は高まらず、時間だけが過ぎていく。









 昨日、同僚と共に、朝一から草サッカーに参加してきました。

初めて呼んでもらったチームで、私たちのプレーや能力は未知数だったでしょう。

最初はやはり、分かってもらえない時間が過ぎていきました。

私たちが加入する前の戦い方を続けようとします。

もちろん、それが自然の流れなのですが。

私は、いつものように、自分の得意なプレーを繰り返して行きました。









 そして、今回は、新たに意識したことがありました。

それは、味方の要求に対して、一つずつ全てに応えようとしたことです。

口では、何も言ってくれません。

日本人ですから、初対面の人間には、あまり。

そこで、選手の特徴や能力、くせを探し、何をしたがっているのかを読み取ろうとしました。

どのようなプレーが成功し、どのようなエラーを犯してしまうしまうのか。

これも、同様に読み取ろうとしました。

一つ一つのプレーが発っしています。

いわば、味方の無言の要求を感じ取ろうとしたのです。









 すると、時間の経過と共に、信頼度の高まりをグングン感じました。

初めて参加したチームとは思えないほどです。

今までに経験した以上に、早く打ち解けれた感覚を得ました。

試合中、攻守に渡って、プレーに関わることが出来たのです。

顔を出せばボールはくれるし、声を掛ければ素早く反応してくれます。

プレーするたびに、古い仲間に対する温かい目を感じたのは、気のせいではないはずです。









 試合も見事、勝利を収めました。

何でも、その相手には初勝利だったらしく、ものすごく感謝されました。

次の試合へのお誘いをもらったのも、素直にうれしかったです。

気持ちよい試合の時間を送るための努力が、報われた瞬間でもありました。

味方の要求に丁寧に応えて行きながら、自分の良さを出す。

バランスは難しいところですが、取り組む価値はあるようです。
posted by フットボールコーチ at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月08日

想定外。

 試合中に、どれだけ相手を意識しているのか? 

自分の得意なプレーを出すことに全力を注ぐのか。

相手の状態を観察しながら、次のアクションを考えるのか。

その2つを組み合わせて行くのか。

相手の変化に気付けるのか。

あえて、見てみぬフリをするのか。







 例えば、じゃんけんをする。

グーを出して勝った。

次は?

グーを続けるのか、それともパー・チョキに変えて勝負するのか?

その時に何を考えているのか?

相手の立場に立って考えると、チョキを出して負けたことになる。

ならば、・・・。

じゃんけんなら、相手の出方を予測しながら次の一手を考える。

子供でも、当たり前のように、考えながら遊んでいます。







「とりわけ順調に行っているときこそ、何かが失敗した時の対処について考えていなければならない。

 カウンターシンキングとでもいうか。

 試合で間違いが起きてしまってから「想定外だった」という言い訳はプロとしては失格だ。」

オシム氏の書籍からの抜粋です。

カウンターシンキングとは、

…現状と反対のことを想定して、あらかじめ対処法を考えておく思考方法

まずは相手を観ろ!ということでしょうか。







 オシム氏は、コーチの心得についてこの思考法を取り上げています。

監督たるもの、常に準備を怠ってはならない。

明日のことを考え、、明日のことを、今準備しておかなければならない。

もちろん、準備をして、どのように現場で柔軟に対応することも説いています。

それも、いい準備があるからこそ、対応することが出来るのではないでしょうか。









 この思考法は、選手にも、求められている。

試合前に準備した、チーム戦術がハマって、相手は困っている。

ハーフタイムを迎え、チームはいい雰囲気。

トレーニングの成果をお互い噛み締め、自信を深めているのかもしれない。

もし、相手がそれに応対して、次なる一手を打ってきたら、どうするのか?

コーチの指示があるまで、やられ続けるのか。

それとも、相手の出方を観て、相手の変化に対応したプレーが出来るのか。







 GW中に、たくさんの試合をしてきました。

その後、落ち着いて、試合を振り返ってみました。

すると、オシム氏のこの一節が、思い浮かんだのです。

私にも、指導する選手にも、このカウンター思考がもっと必要である。

そのためにも、よりいい準備を進めねば。

そして、試合においては相手をもっと観察する。

まるで、じゃんけんや将棋、オセロの次の一手を考えるように。
posted by フットボールコーチ at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月27日

基礎の確かさ。・・・その2

 チームや、プレーヤーのレベルを高めるためには、基礎の確かさが求められます。

全てのプレーにおいて、ベースとなる部分があるから、応用が輝く。

それは、もちろん攻撃の局面に留まりません。

守備においても、ベースを高めなくてはならない。







 基礎技術の確かさは、守備の時にも多く見て取れます。

これが現れている一つの例が、シュートブロックです。

相手のシュートを、DFが体に当てて、ボールを止めるプレー。

「シュートを無理やり打つから・・・。」

「足を出しただけ、そこにいただけでしょ。」

このプレーには、その程度の認識しかないかもしれません。

シュートブロックの多さも、トップレベルの試合を観て気付くポイントの一つです。

何が彼らと違うのでしょうか?







 このプレーは、基礎の確かさが生み出している素晴らしいプレー。

DFの鉄則。

どうすれば、ゴールを守り、ボールを奪うことができるのか?!

ボールを持っている選手をマークしている。

では、どこに立つのか?

・ボールとゴールを結んだ線上に立つ

相手選手がボールを持っているならば、背中でゴールの中心を感じること。

・そして、ボールをしっかりと注視し続ける








 本当は、ボールにプレッシャーをかけたい。

でも、相手がいい形でボールを持っていたら、近寄れない。

ヘタに飛び込むと、外されてしまうかもしれない。

ボールを奪うのは、厳しい局面。

でも、ゴールは守りたい。

ここで助けてくれるのが、ボールとゴールとを結んだ線上に立っていること。

ボールを動かされても、細かくポジショニングを修正。

グッとボールを注視していることで、シュートブロックが可能になります。







 
 特に、自陣深くまで攻め込まれた時。

その局面では、このポジショニングがとても必要になってくる。

正しいポジショニングを取ることで、相手の選択肢を奪うことも可能になる。

相手がシュートを打つ、ドリブル突破を図るタイミングが遅れてくるでしょう。

そして、正しいポジションからプレッシャーをかけるチャンスを見逃さない。

最後は勇気を持って、体を張ってゴールを死守する。








 シュートブロックを、より可能にする応用技術もあります。

体の向きを変える(半身⇒真横)。

相手のシュートのタイミングを制限する駆け引き。

スライディングで間合いを拡げること。

ただ、そんな応用ばかりを追いかける前に、身につけなければならない基礎がある。

DFの基礎中の基礎であるが、どこまで徹底できているのか?

ボールを奪えたからOKでなく、ゴールを守れたからOKなのか。

基礎を確かに実行し続けるから、いい守備が繰り返し生まれる。
posted by フットボールコーチ at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月24日

基礎の確かさ。

 チャンピオンズリーグもセミファイナル、各国リーグも終盤戦。

いよいよ、今シーズンも佳境を迎えています。 

ヨーロッパのフットボールシーンを観ていて、気付かされることがたくさんあります。

華麗なパスワーク、最新の戦術、キラ星のようなスターたち。

ゴールシーンなどは、まねなど出来ないのではないか?!

ため息が出るようなプレーや、超人的な身体操作。

そのベースとなるのは、基礎の確かさです。







 例えば、トップ・オブ・トップになると、50M級のロングパスが展開されている。

センターバックや、中盤の深い位置から、サイド目掛けて。

タッチラインいっぱいに開いたサイドプレーヤーにロングパス。

糸を引くようなきれいな回転で、ボールが飛んでいきます。

適当にボールを蹴り、ボールに行き先を聞くキックではありません。

ボールの弾道、ボールの回転も計算されたキック。

10M〜20Mのレベルに留まらない。







 そして、そのボールを、当たり前のように、一発でボールコントロール。

勢いを吸収して、足元にボールを置き、次のプレーに入ります。

それが、胸の高さに来ても、ボールの勢いをスッと殺します。

ボールは、ほとんど胸で弾みません。

確かなコントロールで、相手DFがチャレンジする余地を与えないのです。

彼らは、あまりにも簡単にボールをコントロールしてしまいます。






 観ていて、このプレーがハイレベルであることに気付かないかもしれない。

このコントロールは、そんなに簡単なものではない。

もちろん、40M・50Mのロングパスを、狙ったその場所へ蹴るのもです。

蹴るのも、止めるのも、かなりのハイレベルです。

ボールを「止める・蹴る」というのは、フットボールの基本中の基本。

でも、そこまで追求して高みを目指すことが出来ているのかどうか?

どれだけ周りが観えていても、どんなにいい決断を下しても。

ボールを止める、蹴るが出来ないのなら、そのイメージも絵に描いたモチに過ぎない。

そもそも、ボールが届かない50M先なら、選択肢にも入ってこないのではないか。






 その逆の考え方もあります。

そこまでのボールを蹴れる選手がいるから、このプレーが生まれる。

長いボールでも止める技術があるから、そのキックを蹴ることが出来る。

高いレベルの技術が、豊富なアイデアを産む助けになっている。

相手DFを困らせるアイデアを実行する、高い基礎技術。








 
 育成年代で、基礎技術を身につける重要性は、当たり前に認識されている。

では、子供の頃から、何を身に付けていくのか?

何をどの水準まで身につければいいのか?

リフティングに、向かい合って投げてもらったボールをリターン。

基礎技術は、これだけでは身に付かない。

世界のトップレベルは、試合でどのようなプレーを見せているのか。

どの程度のレベルのプレー水準を求められているのか。

そこから逆算して、本当に基礎となるものを磨いていかなければならない。







 トップレベルでは、ボールを50M先まで、狙った場所に蹴り分けている。

そして、そのボールをワンタッチで、自分の得意な場所に置いている。

基礎中の基礎である、「止める蹴る」の重要性はいつの時代も変わらない。

目標は、ここまでのレベルに到達すること。

リフティングの回数を喜ぶだけでは、・・・。

その先にある、基礎技術の習得を目標にしたい。
posted by フットボールコーチ at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月20日

新たな一歩を。

 私の家の郵便受けに、待ちに待った知らせが届きました。

日本サッカー協会からの封筒です。

2011年度公益財団法人日本サッカー協会公認B級コーチ養成講習会判定結果

全課程修了者として認められましたことをご通知とあります。

つまり合格通知!







 準指導員を取得したのが、16年前。

それから指導の世界に、本格的に足を入れ、今に至ります。

ただ、草の根の活動ばかりをしてきました。

元プロ選手でなく、協会のお手伝いもできず。

日々の活動は素晴らしく充実していました。

それが逆に、B級を受講するところから離れていってる?

思いはあるものの、かなわない憧れのように感じる時期もありました。







 もう一度思い立ち、だめもとで都道府県協会のトライアルに申し込んだのが一昨年の秋。

一昨年の冬にトライアルを受け、翌春に合格通知。

7月に始まったB級養成講習会が12月に終了。

そして、やっとこの4月に合格通知を頂きました。

トライアルの申し込みから1年半が経っていました。

そして、準指導員(現C級)から数えると16年。








「意志のあるところに、道はある」

Where there is a will, there is a way.

私の好きな言葉です。

この言葉を信じていて、本当に良かった。

日々の指導・活動に関わってくれた方、みんなに感謝。








 それと同時に、満足してしまいそうな自分が嫌になりました。

私が勝手に心の師と仰いでいる方が、口癖にしている言葉があります。

これを今一度胸に、刻みつけたい。









「もう一息 もう一息と言ふ処でくたばっては何事もものにならない。
        
 もう一息 それにうちかってもう一息 それにも打ち克って もう一息。
        
 もう一息 もうだめだ それをもう一息 勝利は大へんだ だがもう一息。」

 武者小路実篤「もう一息」





 


 自分は、まだまだ満足するレベルではない。

勉強が足りない。

新たな一歩を歩まねば。

もう一息!です。
posted by フットボールコーチ at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月17日

途中でやめる

今、私が再度読んでいる本で、興味深い内容がありました。

…一流選手はプレーをやめられる。

「優れた選手は自分の判断した選択肢がダメだと思ったとき、

 瞬間的にやめて違うプレーを選択することができる。」







 このままパスを出したら引っかかる、ことに気がついた。

シュートを打とうとしたらGKが寄せて来てコースがない、

相手に寄せていったが、このまま寄せ続けるとワンタッチで外されてしまう、

一度、認知し、決断を下し、実行しようとしたプレー。

そのままの流れで、プレーを続けてしまう。

例え、ミスが予見できたとしても。

「このまま行ったら取られそう(失敗しそう)と何となく分かっていても、

 凡人は一度脳で行こうと決めてしまったら止めることができない。」

技術の引き出しがあれば、プレーをやめて自分の選択肢を捨てる。

著書は、Jリーガーでさえも、プレーをやめることができないとも書いています。






 さらにここでは、有名な考え方も否定しています。

「『ボールが来る前に、2つ3つのアイデアを用意しておきなさい』と教える指導者がいるが、

 ワシはその考え方を信じていない。ウソだろうと思っている」

中盤より後ろの、余裕があるエリアではあるが、アタッキングサードでは無理。

「最初のプレーが無理だと分かった瞬間、一連の流れとして何ができるか。

 その次のアイデアを0.1秒でパッとひらめいているはずだ。」

局面が変化する中では、次次とアイデアを出していかなければ、と。

その代表例が、チャビやイニエスタであるとも書かれていました。






 この文章を読んで、バルサやスペイン代表での、彼らのプレーが思い浮かびます。

真っ先に思い浮かんだプレーが、その場で一周回るボールタッチ。

ボールをサイドに展開しようと、キックモーションに入る。

するとキックフェイントで、インサイド(アウトサイド)で3〜4回触りながら回転。

まるで、コンパスのように一周して、逆を向いてしまいます。

おそらく、最初は、向いていたサイドに、本当にパスを出そうとしたのでしょう。

そのパスが効果的では無い、と判断を下し、次のアイデアを実行した。








 また、何気なくドリブルをしている。

次の瞬間、スルーパスを出す。

昨年のチャンピオンズリーグの先制点のようなシーン。

ゆったりとドリブルで進む、からのアウトでのスルーパス。

おそらく、ドリブルしながら、アイデアを浮かばせてはやめ、浮かばせてはやめ。

この繰り返しをしていたのではないでしょうか。








 守備の局面で考えてみます。

自分がオフのマークをしている相手選手。

ここの足元にパスが来た。

インターセプトできるくらい、距離は十分に詰めている。

ボールの移動中にチャレンジしようと・・。

次の瞬間、相手選手が数歩ボールに寄って、ワンタッチで方向を変えフリック。

狙っていた場所にボールはすでにない。

それなのに勢いあまって、アプローチしてしまい、その場の足を刈ってしまう。

そうではなく、相手の動きを察知し、「止まって観る」というアイデアをすぐさま出せるかどうか?





 

 分かっている、見えているけど、つい・・・。

まずは、比較的余裕のあるエリアで、プレーをやめようとしてみる。

そして、出来るだけ速く、次のアイデアを閃かせる。

局面が変わったのに、無理やりプレーしないこと。

プレーをやめる、勇気をもつ。

著者が活躍していたのは、30年も前のことですが、色あせない考え方です。

さすが、中村俊輔に、10億円の価値があった選手と言わせるだけはありますね。





引用…「サイドアタッカー」著者金田喜稔、発行出版芸術社
posted by フットボールコーチ at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする