2009年11月06日

自分にはね返ってくる

 ナビスコカップ決勝後のセレモニーで、事件が起こりました。

試合に敗れた、川崎フロンターレの選手たちの態度が、問題のようです。

準優勝のメダルを外す選手たち。

ガムをかむ選手、握手を拒む選手。



 

 Jリーグのトップである、鬼武チェアマンの発言が契機となり、一気に問題化しました。

「許せない態度。負けたのは己の責任。」

「すべての人に対して失礼。賞金を返してほしいくらいだ。」

かなり強く怒りを表しています。

その結果、チームとしても、個人としても、厳しい制裁を受けてしまいます。



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 この問題を、観点を変えて考えてみます。

スポーツマンの成長、フットボーラーの成長というものです。




 スポーツマンにとって、メンタルの強さは、必要不可欠なものです。

心のコンディショニングを整えることが、好パフォーマンスにつながる。

過度の緊張や、気の緩みで、試合中に失敗をしてしまう経験は、誰もがあるはずです。




 つまり、トレーニングを積み重ね、試合の経験をしていくだけでは、一流にはなれない。

スポーツマンとして成長していくためには、メンタル面に目を向ける必要があるのです。

メンタルの成長と、スポーツマンとしての成長は深い相関関係にあります。






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 ミラーイメージの法則という考え方があります。

ここでのミラーは、鏡のミラーです。

メンタルと、鏡との関係とは?





 一流の選手ほど、相手に敬意をはらっています。

当然のように、ライバルにも賞賛の言葉を送ります。

「彼の能力は素晴らしい。」

「ライバルとの競い合いがあったからこそ、自分が成長できた。」

こんな言葉を耳にしませんか?

彼らは、キレイ事で口にしているのではありません。

意識はしているかもしれませんが、本心からの言葉です。




 相手に対する言動は、それがそのまま自分に返ってくる。

「失敗してしまえ!」

「お前なんか、大したことない!」

マイナスの言葉を口にすれば、自分のメンタルの状態はマイナスになります。

プラスの言葉や思いなら、それは自分にとってもプラスになるのです。

自分のメンタルの状態、セルフイメージが大きくも、小さくもなるのです。

まるで、鏡に向かっているかのように。

これが、ミラーイメージの法則と名付けられているものです。




 日本でも同じ考えが昔からあります。

言葉には力がある。

言葉は、言霊である。

いい言葉を口にするか、悪い言葉を口にするのか。





 これらのことは、セルフイメージのある特徴から来るものです。

セルフイメージは、自分も相手も区別がつかないのです。

負のミラーイメージによって、セルフイメージが小さくなってしまう。

それは、メンタルの状態が悪いことを表します。

つまり、スポーツマンとして退化してしまうことなのです。

相手と共に、自分自身も成長していく、いいイメージ。







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 FC東京、川崎フロンターレ、どちらが勝ってもおかしくない白熱した試合でした。

90分間、ピッチの中で、両者共に熱く戦っていました。

スタンドの観客、テレビを観た視聴者も、満足する内容だったことでしょう。

あのゴールが入っていたら、あのプレーが成功すれば。

ほんの紙一重の差だったはずです。

カップ戦のファイナルに相応しい試合内容でした。




 セレモニーでの川崎の選手たちの行動を考えてみます。

後、ほんの一歩でタイトルに届かない、悔しい気持ちは分かります。

今回の試合に勝利した、対戦相手に対する敬意をはらえていたでしょうか?

相手を、最大限に称え、祝う気持ちを伝えれていたのか?




 残念ながら、セルフイメージを大きくするチャンスは逃してしまったようです。

自分の言葉や行動は、自分にはね返って来てしまうのですから。
posted by フットボールコーチ at 23:54| Comment(1) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月30日

日本の長所・短所

 ある雑誌の記事を紹介します。

海外のクラブチームが、日本のチームと対戦しました。

トップチームではなく、20歳以下の育成年代のチームです。

国内で、海外で様々なフェスティバルに参加し、多くの試合を重ねました。

この記事では、日本チームの長所・短所を率直に答えてくれています。

なんとなくの印象ではなく、実際に目にしたコーチやスカウトからの言葉です。



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 長所が多く、挙げられています。

・理解力の高さや、取り組む姿勢

・中盤での組み立て、ボールのつなぎ方

・走り続けられる持久力や、俊敏性

・ディシプリンを守り、1つにまとまって戦うこと



日本のフル代表にも通ずる部分が多くあります。

どこかで耳にしたことのある内容です。

我々日本人の、特徴なのでしょうか。





 そして、個々の能力についても、賛辞が送られていました。

何人かの選手が、遠くない将来、ヨーロッパのビッグクラブでプレーするのでは?!

(U−17日本代表チームに対して)

エースの宇佐美選手は、かなりの注目を集めたようです。

私は、14歳の時の彼を数日間、目にしたことがあります。

U−14ナショナルトレセンでのことです。

その時から、雰囲気は、際立っていました。

まだまだ欠点もあるようですが、可能性を大いに感じる選手でもありました。






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 欠点も挙げてくれています。

いずれも、耳が痛い内容です。

ズバリ言い当てられているからこそ、耳が痛いのでしょう。




・試合運びがヘタ

・ピッチの上で戦えれていない

・後半になると、足が止まる

・おとなしい。

・リズムやスピードの変化が無い

・身体をぶつけるなど、コンタクトプレーが弱い
(アンフェアではなく、フェアプレーの中で)





 これらの弱点を、さらけ出してしまったのが、今回のU−17ワールドカップではないでしょうか。

失点シーンを思い出します。

試合のスコアを思い出します。

上記の指摘が、そのまま当てはまっているのが、悔しいところです。





 そこで、身体をぶつけて戦っていれば!

その時間帯は、失点を絶対にしてはならない!

後半の戦い方を、チームで統一出来ていれば!

足が止まっても、出来ることはなかったか!






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 今夜、遅くに、グループリーグ最終戦、メキシコとの対戦があります。

メキシコは、育成に力を入れており、近年結果を出しています。

U−17ワールドカップでは、優勝しています。

今回のU−17日本代表チームも、分が悪い相手です。




 長所が出るのか?

それとも、またまた短所をさらけ出してしまうのか?

勝たなければ突破は出来ない、追い込まれた状況です。

なかなか経験できないほどの、緊張感ある試合でしょう。

それでも怯まず、積極的な試合を展開して欲しいです。

さらに多くの経験をするために、グループリーグを突破してもらいたいですよね。

 
posted by フットボールコーチ at 23:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月27日

試合を想定して

 選手を改善、向上させるために、コーチは何が出来るのか?

実際にプレーをするのは、選手です。

いくらコーチがフットボールを熟知していたとしても、実際にプレーすることは出来ない。

どんな働きかけが出来るのか?

どんな環境を与えることが出来るのか?



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 先日、トレーニングで、こんなメニューをしました。

サイドに開いた選手に、中央のコーチからパスが配球される。

開いた選手は、横からのパスを受けて、ボールコントロール。

そして、縦パスをレシーバーに通す。

DFは1人しか付かず、しかも少し離れた場所からスタートさせる。




 ボールコントロールさえ間違えなければ、まず成功する程度の負荷です。

何度か、繰り返していくうちに、成功率が上がってきました。

ボールの移動中に、DFのアプローチを観始めた。

相手の位置を観て、決断を下すことが出来始めたのです。

簡単すぎるかもしれませんが、このグループはフットボールを始めて日が浅いのです。

選手は、DFが前に立つだけで、過度のプレッシャーを感じるほどです。

ですから、寄せてくるDFを観て、コントロール出来た!のは、大きな進歩なのです。



 
 実は、このトレーニングには、1つ工夫をしていました。

縦方向に、ゴールを置いておいたのです。

相手を観てのボールコントロール、そして縦パスを通すのが、メニューの目的でした。

ゴールは、直接、必要とはしていないのです。

それでも、意味があって、わざわざゴールを設定しました。





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 トレーニングが、選手を改善・向上させるための主たる方法になります。

質の高いトレーニングの積み重ねこそが、選手を導いてくれるはず。




 コーチは考えなければならない。

目の前の選手たちに、どんなトレーニングが必要なのかを。

同じトレーニングをし続けていても、選手の成長には限りがあるでしょう。

だから、選手を観ることから、全てが始まるはずです。




 フットボールには、ありとあらゆる無数の状況が起こりうる。

選手たちに不足している部分、身に付けさせたい部分を切り取って、メニューを考案する。

もちろん、全く同じ状況は起こらないでしょう。

しかしながら、試合を分析し、一部分を切り取る。

そして、必要な部分を読み取って、トレーニングメニューを組み立てる。






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 メニューを考える時には、たくさんのことを考慮に入れるようにしています。

ピッチのサイズ・種類、用具、天候などの環境要因。

待ち時間が出来るだけ起こらないようにするためには?

選手のレベルと、トレーニングのレベルのマッチングは?

考え始めると、際限がありません。
 



 その中でも、強く意識していることがあります。

「試合をいかにイメージしながら、トレーニングを行うことが出来るかどうか?」

トレーニングに、いかにリアリティを持たせることが出来るのかどうか?

このように言いかえることもできるのかもしれません。







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 最もリアリティのあるトレーニングは、試合です。

クラマーさんが、「試合は最良の師である」と言葉を残しています。

ただし、最良の師であるはずの試合にも、欠点がいくつかあります。




 チームによっては、試合をする人数を揃えれない、グラウンドを用意できないでしょう。

また、再現性、連続性の観点から言っても、少なくなってしまいます。

仮に、浮き球のボールコントロールを課題にしているとします。

1試合に、何回そんなシーンが出てくるでしょうか?

ポジション、試合の展開によって、かなりむらがありますよね。



 だからこそ、その状況をコーチが「切り取る」必要があるのです。

ある状況を切り取って、トレーニングメニューを組むことで、繰り返し再現されるでしょう。

数分で、何十回もボールコントロールのトレーニングをすることが出来るはずです。

課題も、明確に(Clarity)なりますよね。




 注意すべき点は、場面を切り取ることの弊害です。

明確になるのですが、リアリティが無くなってしまう。

ゲームの状況をイメージしづらい点です。

向かい合ってパス交換する絵(対面パス)思い浮かべてください。

ここから、試合をイメージすることは、難しいでしょう。

再現性は、抜群なのですが・・・。




 リアリティを失っても、反復させるのか?

それとも、再現性・連続性が低くても、リアリティを追求するのか?

どうにかして、同時に達成する方法は無いのか?

私の、毎日の悩みの1つでもあります。






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 最初に紹介した、トレーニングメニューがあります。

ここで、ゴールを設定した理由を、分かっていただけましたよね。

単調に、数をこなすことだけが目的にすり替わってしまうのを避けるためでした。





「試合を想定するように!」選手に言うだけではなく。

トレーニングしながら、試合の状況を少しでもイメージしやすいように。

そのために、ゴールを設定をしたのです。





 さて、選手の頭に、心に、どれだけ響いたのか?

また、観察しなくてはなりません。
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2009年10月23日

理想の試合

 先日、フットボールのテレビ番組を観ました。

フットボールと言っても、「アメリカンフットボール」です。

アメリカンフットボールの最高峰、NFLを取り上げた番組です。

フットボールとは名前が付いているものの、サッカー・フットサルとは大きく異なりますよね。




 そうは言っても、共通点もあります。

試合が進むにつれて、選手がヒートアップしていくこと。

そして反則や、不測の事態が起こってしまう。

そのためにレフリーがいることです。

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 アメリカンフットボールは、正直ルールが難しい。

ボールの無いところでの接触プレーも多い。

何よりも、日本人の多くにとっては、身近なスポーツではないでしょう。

もしかすると、とっつきにくいスポーツなのかもしれません。

一度そのよさに気づけば、どんどんはまっていくスポーツなのですが。



 


 特徴的なことの1つが、レフリーだと思っています。

何か反則があったときに、マイクを使って、説明してくれます。

アメリカのスポーツなので、興行的、テレビ的な配慮なのでしょうか。

このシステムは、ものすごく、分かりやすい。

サッカー・フットサルに、このエッセンスだけでも取り入れることが出来ればいいのに。

一般レベルでのルールの誤認や、勘違いが少しは減るのではないでしょうか。







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 テレビ番組の話に戻ります。

そこでは、NFLの審判部長を取り上げていました。

試合当日の彼は、多忙そのものです。

何台ものテレビを同時に映し出す部屋にこもります。

なんと、13試合全てをリアルタイムで確認。

各試合毎に、アシスタントがいるものの、常時目を光らせなければなりません。




 レフリーの間違いを遠隔から指摘。

さらには、テレビ中継での解説のミスまで、直接電話で指摘していました。

珍しい事象が起きると、彼の元に電話が掛かってきます。

その対処方法を、マスコミが聞いてくるのです。

試合終了後も、全ての試合のスコアをチェックします。

その仕事ぶりは、想像をはるかに超えるものです。

普段目にすることが出来ない、審判部の仕事。

彼らは、間違いなく試合を影で支えていました。






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 その仕事に感服していると、彼へのインタビューが始まりました。

(理想の試合は?)

「翌日の新聞に、レフリーのことが一切書かれていないこと。」

「試合はレフリーのものではなく、選手のものだから。」

当たり前なのですが、当たり前には行われていない現実があります。




 もしかすると、彼はきれい事を並べているだけかもしれません。

実際は、選手のことを、小馬鹿にして笑っているかもしれません。

でも私は彼の言葉を信じたい。

フットボールに携わる全てのレフリーが、彼の言葉・思いを共有してくれることを願います。
posted by フットボールコーチ at 23:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月20日

生まれながらに

 先日、日本を代表する、国際的な選手が引退しました。

テニスの杉山愛選手です。

彼女は、17年間戦い続けた。

そして、4大大会への連続試合出場のギネス記録も打ち立てた。

「テニスへの愛情、パッションが人一倍大きかった」

彼女はそう答えています。

テニスを好きであり続けることが出来た。

それは、コーチが最高の仕事をした、証でもあります。




 彼女の活躍の軌跡を追いかけてみると、コーチの存在が強く映りました。

彼女の母でもある杉山芙沙子コーチです。

芙沙子コーチ自身は、テニス経験がほとんど無いそうです。

トッププロのコーチとしては、かなり特殊なスタートを切っています。

最高の仕事をしたコーチに、興味がわいてきました。




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 元々、学生時代から、熱心にサポートしていたようです。

車での送り迎えや、弁当作り。

プロとなっても、マネージャーとして海外遠征に同行し、サポートを続けていました。

2001年、杉山愛から、コーチを依頼。

テニス人生27年、プロ生活17年を支え続けたのが、母、芙沙子氏だそうです。





 2人の間には、固い信頼関係があります。

それは、2人の話しからもうかがえます。

ただ、それと、コーチと選手との関係になるのとは、別です。

メンタル部分のサポートは出来ても、戦略・技術・身体の部分はどうなのでしょう?






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 そんな心配は無用のようです。

身体のメカニズムやフォームを見極め、的確にアドバイス。

試合を分析し、事象を報告し、改善点を即座に伝える。

芙沙子氏には、鋭い「目」があったようです。

彼女自身がプレーした、様々なスポーツ経験がベースになっている。




 そして、アドバイスの基準となる、芯も持ち合わせていました。

これは、27年間の付き合いだからこそ、持つことが出来たのでしょう。

「リズミカルで小気味のいいテニス」

杉山愛選手が子供の頃から目指している、理想のテニス。

これに近づけるためには何が必要か?

その基準に照らし合わせて、コーチングしていくのです。






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 「ネイティブコーチ」と言う言葉があります。

ビジネスコーチングの世界で使う用語です。

元々!人を育てたり、能力を引き出す力を持った人。

彼らを「ネイティブコーチ」と呼びます。




 大多数の人々は、ネイティブコーチの持つ力を学んでいく。

コーチングスキルを身につけていく。

元々持っているのではなく、学んでいくことで、身につけるのです。




 杉山芙沙子氏は、ネイティブコーチの1人だと推察されます。

天性のコーチング能力に恵まれたのでしょう。

もちろん、そこから努力と経験を積み重ね、さらにコーチとして成長していったはずです。






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 こんな言葉もあります。

「名選手は名監督(コーチ)にあらず」

なんとなく、頭では分かっているこの言葉。

ネイティブコーチ、コーチングスキルの学習と言う考え方を使えば、簡単に説明できます。



 さらに付け加えると、名選手としての成功が足を引っ張ることもあるのです。

自分が成功した経験を、そのまま押し付けてしまう。

時代や、環境、取り組む人間そのものが違うのにも関わらずです。

他のやり方を、模索することは、プライドが邪魔してしまうのでしょうか?






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 私が以前、発達・教育関係の書籍を読んだ時に、杉山家の話が出ていました。

そこに紹介されたエピソードや、フレーズは心を打たれるものが多くありました。




「私は、子供より長く生きているが、母親としては子供と同じ0歳から」

「子供が靴を履くのに時間が掛かっていても、あえて手を出さず見守っている。

 子供のためのお出かけなのに、親が自分の都合でせかしてどうする。」

「私はこう考えるけど、あなたはどう思う?」
(何か決断を求める時、何か誤った行動をとってしまった時)




 そこから、はっきりとしたものが見えてきます。

・子供に考えさせ、決断させる。

・親の考えを押し付けない。

・親の都合で子供を振り回さない。



 「親」の部分をコーチに、「子供」を選手に置き換えるとどうでしょう。

子育ての時から、優秀なコーチだったのですね。
posted by フットボールコーチ at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月16日

世界一を目指す心

 日本選手が、世界一の栄冠を勝ち取りました。

仕事が終わり、たまたまテレビを観ると、世界選手権の真っ最中でした。

テレビ画面の向こうで躍動する選手たち。

超人のような、彼らの動き。

あっという間に、夢中になっていました。

その中でも、ひときわ目立つアスリート、内村選手がいたのです。



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 15日にロンドンで体操の世界選手権男子個人総合が行われました。

そこで内村航平が初優勝を果たしたのです。

6種目中、4種目でトップの得点。

2位以下に、大差をつけての栄冠でした。



 6種目全てを揃えなくてはならないのが男子個人総合。

床・あん馬・跳馬・平行棒・つり輪・鉄棒の6種目です。

この個人総合こそが、キングの称号に相応しい。

私などはそう思うのですが、最近の流れはそうではないようです。

各種目に、それぞれスペシャリストがいて、団体と種目別のタイトルを狙う。

これが、当たり前の考え方のようです。

今回優勝した内村選手も、昨年のインタビューでは、そのような内容を答えていました。

何はともあれ、素晴らしいの一言です。



 ここまで書きましたが、体操は、全くの専門外です。

オリンピックで応援するくらいでしょう。

幼い頃、日本選手の活躍が頭に焼き付いています。

当然のように、メダルを獲得していたのが、私の幼い頃の記憶です。

一時期低迷していたようですが、最近また復活を果たしたようです。

日本体操界の復活への取り組みは、簡単なものではなかったはずです。

我々フットボール界にとっても、学ぶべき部分があるかもしれません。






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 内村選手の演技を観ていて、抱いた感想は二つあります。

(専門外なので、素人のような内容になることをお許しください。)

まずは、スピード感です。

一つ一つの演技からは、他を圧倒するスピードを感じました。

正確な動作・姿勢が求められる体操。

スピードだけを求めていては、高い得点はでないでしょう。

技を正確に出し、力強くダイナミックな動きをし、ビシッと着地を決める。

これを、ハイスピードの中で。




 最後の6種目の演技は、かなりの疲労の中で行われているようです。

大きなミスを連発する選手、明らかにスピードダウンする選手が見られました。

内村選手は、最後の鉄棒でもスピード感は変わりませんでした。

明らかに、他の選手と違うスピードで、大技を成功させていくのです。

爽快、快感、テレビを見ているだけなのに、こちらまで誇らしくなっていきました。




 次には、細やかさです。

足先まで神経が、行き渡っているかのように、ピンと伸びています。

空中でも、ひざがくっ付いて離れない。

倒立が、とにかく美しいです。

速い動きから突然ピタッと止まる表現がありました。

この時には、本当に一瞬身体が止まります。 



 海外の選手を見ていると、あまりこだわれていないように感じました。

もちろん、こだわっているはずです。

手足も長く、見栄えもするはずなのですが、それほど美しくないのです。

内村選手の前後の選手を見ていると、その差は歴然としていました。

もう1人、日本から出場していた田中選手からは、こだわりを強く感じました。







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 おそらく、私が感じたことなど、世界では常識だと思います。

スピード感・ダイナミックさと正確さの追求や、細部までのこだわり。

表現していく中でも欠かせない要素のはずです。

それなのに、勝負を分かつポイントになり得ている。





 追求していく程度。

細かい違いまでも、我々は感じることが出来るのではないか?

もしかすると、他人には気づかれないかもしれない。

それにこだわり、追求していくことが出来る。

この作業を苦に感じることなく、価値を見出すことが出来る。

もしかすると、日本の持つ大きな大きなストロングポイントではないか?





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 フットボールのチームを作り上げていく時はどうだろうか?

選手が育っていく過程ではどうだろうか?

我々の深いところには、追求し続けることへの「心」がある。

大きな自信のようなものを、受け取りました。




 まだまだ行ける、もう一息、もう一息。
posted by フットボールコーチ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月09日

影のMVP候補

 「神は細部に宿る」

完璧主義者の仕事ぶりを表現する時に、しばしば用いられる慣用句です。

手先が器用で、細やかな心遣い、求められた以上に忠実な仕事。

考え方そのものも、我々日本人にしっくり来る言葉のように思っています。




 フットボールの理解が深い選手と話している時、感じます。

指導に真摯に携わり続けているコーチと時間をすごしているときにも、感じます。

「よく観てるな、よく気づいてるな」

彼らは、細部を外していないのです。

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 鹿島アントラーズ対川崎フロンターレの再試合がありました。

雨天で中断していた、残り約20分間の1本勝負です。

3対1の川崎リードの状況から、再開です。

プロのアスリートが、20分間の短時間を、フルパワーで戦う。

なかなか観られるものではないので、とても注目していました。

録画しておいてのテレビ観戦ですが、楽しむことが出来ました。



 当日は、台風が近付いている情報が、飛び交っていました。

私も、同じ時間に、外のコートでスクールを開催していました。

風が少しづつ強くなり、弱い雨ですが止むことはありません。

「再試合のコンディションは大丈夫?」

雨・風は大丈夫そうでしたが、スタンドがガラガラで寂しそうでした。







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 試合は、両チーム共にロングボールを蹴りあう展開に終始しました。

相手チームのプレッシャーの厳しさ、出足の速さを警戒してなのでしょう。

J1では、お目に掛かれない様な展開です。

一昔前のサッカー、一昔前の大学・高校サッカーと言えば、伝わるでしょうか。



 両チーム共に、ロングボールは多用するものの、コンセプトが違いました。

川崎は、ボールを奪うと、相手サイドバックの後ろに、蹴りこみます。

おそらく狙いは、自陣ゴールから最も遠い場所にボールを送り込む。

出来れば、リスクの低いその場所でボールキープをする。

全ては、時計の針を進め、2点差を使って勝ちきろうとするためでしょう。




 残念ながら、あまりボールをキープすることは出来ません。

川崎が押し上げるよりも、鹿島がボールを拾う方が速い。

川崎が狙ってコーナー付近に蹴れないように、鹿島の前線がプレッシャーを掛ける。

思ったよりも時計の針は進みません。

ゴールから遠い場所で試合を行いたいのですが、攻め返される結果となってしまいました。




 一方の鹿島のロングボールは、有効に機能していました。

ロングボールと共に、裏への飛び出しがセットになっていたからです。

ロングボールを低い位置から前線に入れる。

それと同時に、その背後に走り出す人間が必ずいました。

ボールをこぼれる、そろしてくれることを信じて、飛び出す。

誰かがボールに競り合うと、その裏まで走り抜ける。

数十Mのスプリントを、繰り返し繰り返し続けていました。



 おそらく、この形は前日までの非公開トレーニング通りなのでしょう。

長いボールを蹴ることを分かっている。

競ったら、裏に抜け出すことも分かっている。

分かっているもの同士のプレーには、信頼が産まれます。

その信頼が、連動性を加速してくれます。

セットプレーからでしたが、再開後すぐのプレーはまさにこの形。

川崎守備陣は、下がってしまい、受身一方になってしまいまいした。




 それでも、川崎の選手たちは、最後まで身体を張り続けていました。

GKのスーパーセーブ、DFの必死のクリア、そしてポストにも助けられました。

鹿島の、あの迫力あるパワープレーを、なんとかしのぎきりました。

両チームが、20分間で全てを出し切ろうと戦う姿は、一見の価値があるものでした。






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 結果は、鹿島が1点を返したものの、及びませんでした。

川崎が3対2で勝利しました。

この試合には、惜しくもヒーローになり損ねたメンバーがいました。

その仕事は、まさに影のMVPと呼ぶに相応しいものでした。

ヒーローになり損ねたメンバーとは、ボールボーイです。



 マルチボールシステムが導入され、複数のボールを用いて試合を開催しています。

ボールがピッチの外に大きく出た。

その時が、ボールボーイの出番です。

予備のボールを素早く渡し、時間の損失を防ぎます。

このマルチボールシステムのおかげで、プレーイングタイムは間違いなく伸びています。




 この再開試合は、カシマサッカースタジアムで開催されました。

20分間で2点以上を獲らなければならない、鹿島アントラーズのホームです。

遂行不可能にも見える、このミッション。

守りを固めて来るであろう、川崎をどう崩すのか?

とにかく彼らにとっての最大の障害は、時間でしょう。

少しでも長い時間攻撃をしたい。

ボールがピッチの外で転がっている時間などは、数秒でも惜しい。




 ボールボーイの彼らの仕事は、最高でした。

ボールが外に出た瞬間、スローインをするであろう選手に、投げ渡します。

彼らも分かっていたはずです。

この再開試合における、時間の価値というものを。

もしかしたら、チームからの強烈な指導があったのかも知れません。

とにかく、その素早さは、尋常ではありませんでした。

明らかに、ボールボーイも一緒に戦っている。

「いち早くボールを渡して、攻めてもらうんだ!」

熱い意思のこもった、ボールの補充でした。




 それに気づいた私は、途中から、ボールボーイのプレイに夢中になっていました。

「速い!」

何度観ても、どの場所からでも、ボールボーイはいい仕事をしていました。

もし鹿島が勝つか、引き分けに持ち込んでいたら、賞賛を浴びるにふさわしいメンバーでした。




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 球団スタッフが指示したのでしょうか?

それとも、監督からの指示でしょうか?

はたまた、ボールボーイ自身が、自ら考えて動いたのでしょうか?




 勝利のために何が必要か?

いい準備をして臨むことが、いい結果に結びつく可能性を高めてくれる。

ただし、試合はピッチの中でだけ行われているのではない。

見落としがちな細かいポイントすら、高めることができる。

勝ち点は逃したものの、鹿島の細部までのいい準備を見せてもらいました。

リーグ3連覇を目指す資格がある、いい準備です。 
posted by フットボールコーチ at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月29日

環境の違いが、種目の違いに

 フットサルC級ライセンス指導者講習会を受講した時の話です。

「サッカーとフットサルとの違いを理解してください。」

講習会での大きなテーマの1つでした。

フットサルには、サッカーとは異なる側面を持つ。

それを決める大きなものとして、プレーする環境が挙げられました。





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 サッカーと、フットサルとの環境の違いはどこにあるのか?

当たり前のことばかりでも、挙げていくことで違いを明確にすることが出来ます。




 まずは、ボールが違う。

サッカーでは、5号球(中学年代以上)

フットサルでは、4号球。

しかも、弾まないローバウンドのものを使用します。




  次に、ピッチの表面が違います。

サッカーでは、芝。、もしくは土。

フットサルでは、フローリング(民間では人工芝も多く見られます)




 プレーヤーの数も、もちろん違います。

サッカーは、11名(交代には制限があります)。

フットサルは、5名。

さらに、ベンチ入りのメンバーは、制限無く交代が可能です。




 試合時間も違います。

サッカーは、90分のランニングタイム。

フットサルは、40分(笛が鳴るたびに時計が止まるプレーイングタイム)。






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 このような環境の違いから、各要素で求められるものが変わってくる。

技術、フィジカル、戦術、メンタル。

それらをよく理解して、指導にあたるように。

これが、講習会での主たる内容でした。

 

 今さらながら比較してみると、環境面では大きな違いが見られます。

始めたばかりのプレーヤーなら、あまり左右されないかもしれません。

フットサルを12〜15歳までして、サッカーの世界にそれから飛び込んでくる。

近年のブラジルでの流れです。

これを見ていると、トップトップのレベルまで辿りつけば、これまた同じなのでしょうか?



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 サッカーとフットサル、共通点は、もちろん大きなものがあります。

足で扱う球技であること。

GKが存在し、ゴールを奪い合うこと。

同じピッチ内に、味方と相手が混在していること。



 私は、サッカーも、フットサルも両方とも指導しています。

自分自身が、プレーすることもあります。

プレッシャーの厳しさは、明らかに違います。

フットサルのほうが、コートのどこでも、プレシャーが厳しい。



 ただし、ボールのコントロールは、フットサルの方が楽です。

小さく、弾まないボールは、トラップもボールタッチも容易です。

そして、イレギュラーバウンドは、ほとんどありません。

ボールを注視しなくても、コントロールが出来るほどです。

言い方は悪いのですが、ごまかしが効きます。






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 サッカーとフットサルの環境面での違いを認識すること。

JFAの指導者講習会で求められるくらい、おおきな要因になり得ます。

つまり、環境が違うと、球技として違う特性を有するのです。







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 テレビのチャンネル(CS)を回していると、サッカーの試合をしていました。

南米のカップ戦、コパ・スダメリカーナです。

南米クラブNO.1を決める大会が、コパ・リベルタドーレス。

その次の価値を持つタイトルとされています。

残念ながら、日本ではマイナーな大会にしか過ぎません。




 テレビを観ていると、ついつい釘付けになってしまいます。

クラブ名は知っているものの、知らない選手も数多い試合でした。

それなのに、繰り広げられる試合は、レベルの高いものでした。

しかも、ヨーロッパやJリーグとは、明らかに違う試合運びです。




 そこで一番気になるのは、スピード感です。

ゆっくりの展開と、一気にスピードを上げる展開とのメリハリ。

「今、勝負に来たな!」

画面にも、選手の気持ちが伝わってくる、スピードの緩急の違いです。




 注目したのは、彼らの足元です。

スパイクの半分ほどが、芝に埋まっています。

かなり深い芝です。

通常日本では、スパイクがほとんど隠れない程度の芝生の長さです。





 これだけ深いと、地面にあるボールのスピードは、かなり弱まってしまいます。

浮き球をコントロールして、近くに落とせば、止まってくれます。

浮き球を蹴る、すくうのも、容易です。

ただし、、グラウンダーのパスを回して、相手を置き去りにするのは、困難になるでしょう。

強く出しても、、芝の抵抗で弱まってしまいますから。



 これと正反対なのが、FCバルセロナの本拠地、カンプノウ。

短く芝を刈りそろえ、しかも試合前に水をまくのは、有名です。

彼らのプレースタイル、ボールをグラウンダーでつないでいく。

汗をかかないボールをとことん走らせて、相手チームを走らせる。

このスタイルならば、深い芝は、不適格ですよね。





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 これだけ、ピッチコンディションが違うのに、同じ競技になってしまう。

環境面は、明らかに違う。

求められる技術にも、違いが出て来ますよね。




 サッカー競技規則には、こう書いていました。

第一条の一番初めでした。

「フィールドの表面

…試合は、競技会規定に基づき、天然あるいは人工の表面のフィールドで行うことができる。」



 与えられた環境の中で、自分のベストパフォーマンスを出さなくてはならない。

自分が、自分たちが苦手な環境であっても、それは言い訳にならない。

サッカーの奥深さを、改めて思い知らされました。
posted by フットボールコーチ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月25日

本番を迎えるために

 先日に引き続き、またもFMラジオ出演のオファーをいただきました。

2回目のオファーは、うれしいものです。

実績や、名前を買って一度はオファーしたものの、2回目は・・・。

1回目の仕事を、評価してもらえた!何よりの証しになるからです。



 普段指導している、スクールでも同じです。

次も行きたい!コーチングを受けたい!と思ってもらえるかどうか!?

一度きりの指導なら、何とかごまかすことも、可能かもしれません。

2回目、3回目という複数回のオファーというのは、心からうれしいですね。

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 今回は、前回よりも、落ち着いて収録を終えることが出来ました。

2回目、という自信めいたものがあったせいでしょうか。

現場の空気に圧倒されることもありませんでした。





 収録を終え、マイクのある部屋を出ます。

ディレクターの方と、雑談が始まりました。

お互い、フットボールは大好きなので、会話の内容も決まってきます。

当該のJチームの話も、当然出てきます。

私の口からは、なぜか流暢に言葉が次から次へと出てきます。



 
 ふと気づきました。

「これは、話題に出てくるであろうから、下調べしていた内容だ」

手持ちのファイルを開いてみると、その通り。

びっしりと書き込んでいた内容をベースに、雑談しているのです。




 本番を気後れすることなく乗り切れた理由も、その時分かりました。

最近の試合を、VTRで見返していたこと。

試合を観て感じたことを、まとめていたこと。

つまり、ばっちり予習をして、収録本番を迎えることが出来たのです。

いい準備が出来ていたから、自信を持って、本番のマイクに向かえたのです。






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 我々指導者は、さいころを振って、当日のトレーニング内容を決めるわけにはいかない。

前もって、指導内容を組み立てて行きます。

そのためには、チームや、選手を理解できていないと、組み立てようがありません。

前日までの試合や、トレーニング、チーム状態や、選手心理を観察します。



 
 そして、今、誰に、何が、どのように、どれくらい、必要なのか?

そのためのトレーニングメニューは?(どういう刺激を与えようか?)

時間は?サイズは?人数は?待ち時間を減らすためには?必要な用具は?

こうして、当日のトレーニングメニュー(指導案)が完成します。

いい準備を終わらせているから、自信を持って指導のピッチに立つことが出来る。






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 オシム監督の、有名なエピソードがあります。

ジェフ時代のことです。

コーチが、トレーニングの前日に質問に行きました。

「準備をするので、明日のメニューを教えてください。」

オシム監督は、逆に質問を返したそうです。

「明日の準備を、どうして今日聞くのか?!」



 彼の意図は、こうでした。

トレーニング直前の選手の動きや、表情を観る。

それを観てから、メニューを決めていった。

だから、前日にメニューを伝えることは出来ない。

しかも、全く同じメニューは、ほとんどしていないとか。

彼には、それを可能にするだけの引き出しが、あったのでしょう。



 全てのコーチが、オシム監督のようになれるわけではありません。

いきなり、彼の真似をしようと思っても、難しい。

思いつきのメニューを組んでいては、上手く行くこともあれば、失敗することもあるでしょう。

それでは、選手に対して、責任を果たすことは出来ていない。

だから、前もっての準備が必要になる。






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 ただし、忘れてはならないのは、即興性でしょう。

用意した原稿を読み上げるだけの、ラジオ放送。

国営放送のニュースなら、事実を正確にを伝えるのが仕事です。

それが目的なら、いいのかもしれません。

ただし、そんなものに、面白みを感じてくれるリスナーはいないでしょう。

即興でのやり取りや、掛け合い。

せっかくの生放送なのだから、失ってはもったいないですよね。



 パーソナリティや、ディレクターの方も、後押ししてくれました。

「思い切って話してください」

「好きなことを話してくださって結構ですよ」

その言葉を後ろ盾にして、自分の考えを発言させてもらいました。

上手く話せたかは別にして、悔いなく話すことは出来たのです。






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 フットボールの指導現場でも、即興性は、もちろん求められます。

今、この瞬間に、何が起こっているのか?

時間通りに、メニューどおりに進行することは、目的ではありません。

プレーヤーやチームに、いい変化を起こさせること。

そのための指導案であり、コーチングのはずです。





 これを取り違えてしまっては、コーチの自己満足に過ぎません。

選手の反応を観て、どの引き出しを開けるのか?

どのフォルダから、引っ張り出して来るのか?

これがまさに、コーチにも求められる即興性の部分だと、肝に銘じています。

同じトレーニングを行っても、コーチングによって、その結果は変わってくるでしょう。

いい結果が出ることもあれば、悪い結果になってしまうこともあります。




「選手にクリエイティブに成れと言うなら、まずコーチがクリエイティブになる必要がある」

これは、JFA主催の指導者講習会に行けば、必ず1度は目に耳にする言葉です。







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 余談となってしまいますが、新たな発見がありました。

アナウンサーの方が、目の前でニュース・お知らせを読んでいました。

すると、マイクの真正面と、口とが、若干ずれているように見えたのです。

本番後に、その理由を質問しました。

「ずらしているのではなく、声が一番入りやすい場所を探しているため」

やはりプロは、違いました。

マイクの向こう側にいる、リスナーを意識してしゃべっていた。

新たな発見があるから、新しい体験は貴重なものです。

今回も、このオファーに感謝です。
posted by フットボールコーチ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月18日

未来を映す試合

 サッカーは、45分ハーフで行われるのが正式なルールです。

イングランド人と試合をしようとすると、彼らはしばしば、ここにこだわりを発揮します。

「45分でないものは、フットボールではない」

たとえ、草サッカーの試合であってもです。

その主張を聞くたびに、うんざりしていました。

正直、45分ハーフは長い・・・。

 


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 育成年代ならどうでしょうか。

少年少女は、身体がまだ未発達です。

45分ハーフを走り続ける体力は、まだ備わっていないのです。

小学生なら全国大会でも20分ハーフ、中学生でも30分ハーフです。







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 地域の社会人リーグだと、30分ハーフなどで試合が行われていることもあります。
 
30分だと、試合の流れが、行ったり来たりすることが少ないようです。

勢いをつかんだチームが、そのまま押し切ることが可能です。

つかんだ勢いと体力に任せて、ハーフを走りぬくのです。




 私が所属している、社会人リーグがあります。

地域の1部リーグです。

そこでは、以前は30分ハーフで開催していました。

ところが、数年前から5分延びて、35分ハーフになりました。




 たった5分の違いですが、この5分は大きな違いでした。

勢いだけで、乗り切ることが難しくなったのです。

試合の主導権が、行ったり、来たり。

今は耐えよう、今は攻め時だ。

試合を読む目がさらに必要となったのです。

この瞬間、どちらに流れが来ているのか?




 イングランド人は、このことを体験的に分かっているのでしょう。

流れを読むことが、フットボールの楽しいところである。

もしかしたら、フットボールそのものだと捉えているかもしれません。

だから、「45分ハーフでないものは!」の主張につながって来るのでしょうか。

プロでもない我々は、45分・90分を走り続けることは不可能です。

だから、試合を大局的にとらえる、感じる能力が求められる。





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 仮に、普段からトレーニングをしている大人同士が、20・30分ハーフで戦ったらどうなるのか?

そんな空想が、10月7日に実現されます。

J1、鹿島対川崎の雨天順延による、再試合です。

20分ハーフどころか、20分1本勝負。

試合中断時からの再開です。



 様々な再開方法が取りざたされていました。

決まってみれば、最も、フェアなところに落ち着きました。

多くの人間が納得できる、再開方法だと思います。




 ところが、プレーする人間は大変です。

身体を鍛え上げている、プロ選手同士。

しかも、優勝を争っている、強豪チーム同士の対決です。

キックオフと同時に、とんでもない走り合いが予想されます。

ピストルの弾が放たれたような、勢いで走り続ける。

彼らには、それが可能なはずです。




 監督は、同じ指示を出すでしょう。

「この20分で全てを出し尽くせ、今日は90分じゃないんだ!」

中盤どころか、ピッチ内のあらゆる場所で、すさまじいつぶし合いが観られるでしょう。

フリーでボールを受ける人間など、GKを含めても存在しないのではないでしょうか。



 この再試合では、走ることが出来る選手たちが、走り続けます。

激しく、常軌を逸するプレッシャーの中で、平然とボールを扱える選手は、誰なのでしょうか?

本当にスキルフルな選手を、見極めるチャンスかもしれません。

ちょっと技術が高い程度の選手では、通用しないはずです。



 その中で、遂行することが出来る戦術とは?

有効な、戦術的行動とは、何なのでしょうか?

どうやって、ボールをつなぎ、シュートまで結びつけるのか?

どこで、どのようにボールを奪うのか?

もしかすると、10年先、20年先の未来を目にするチャンスなのかもしれません。





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 フットボールは、年々進化を遂げてきました。

用具、技術、戦術、ルールもです。

中でも各段に発達したのは、選手のフィジカル面ではないでしょうか。




 たった、20年ほど前の試合を観ていても、違いは歴然です。

その当時のピッチには、アスリートとはとても呼べないような選手も立っていました。

世界トップレベルの試合のピッチにです。

体力の不足を、技術で補う。

その選手が走れない分を、他の選手が走る。

現在は、走ることを免除されている選手は、圧倒的に少なくなっています。






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 リーガエスパニョーラ2002〜2003年シーズンで、同じような光景がありました。

レアル・ベティス対レアル・マドリー戦です。

最近、改めてピックアップされているこのカード。

停電のため、残り47分を残して、試合が中断されました。




 残り47分を、後日改めて、戦いました。

この再試合、とにかく、速い!ことが印象に残っています。

せわしない程に、速いのです。



 トップの選手が、45分強に限るとと、どれだけ走れるのかが見えました。

普段は、走れないのではなくて、走っていない。

走るべきタイミング、流れを探している。
 
まさに、試合の流れを読んでいるのでしょう。






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 1970〜80年代に活躍した、ヨハン・クライフ氏が現代フットボールに警鐘を鳴らしています。

「ボールをコントロール出来ず、ボールを追いかけて走るなら、それはフットボールではない。」

「キックや、リフティングでさえ、ろくに出来ないプロ選手すらいる。」

フィジカルばかりを重視する、現代フットボールに対する批判です。



 ブレーキを失くしたように走り続け、プレッシャーを掛け続ける選手たち。

そんな試合を見ても、彼は同じことを口にするのでしょうか?

10月7日の再試合は、今年最高に注目すべき試合かもしれません。

我々は、フットボールの未来を目にするかもしれません。
posted by フットボールコーチ at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする