2017年11月19日

おそらく、厳しい

 おそらく、厳しい戦いになる。

それが、私の予想です。






 10年ぶりの、ACL決勝を戦う、浦和レッズ。

彼らの決勝進出を支えたのは、攻撃よりも、堅く集中した守備。

ボールホルダーを自由にさせず、激しく、粘り強い。

マークをはっきりと決め、目の前の選手をマーク。

ゾーンと言うよりも、人に対する意識が強い。

マークの役割を一人一人がはっきりと決め、ボールが入る前から、マークを始める。








 準決勝では、これがハマる。

なぜ、ブラジル代表のオスカル、フッキを擁する攻撃を止めれたのか。

その理由は、上海の攻撃の特徴。

彼らの攻撃は、1人称、2人称の単純なもの。

破壊力は抜群でも、次の展開は読みやすい。

ボールを持った選手を自由にさせなければ、大丈夫。

3人目、4人目が関わるコンビネーションが皆無。

浦和の守備のやり方は、上海の攻撃を止めるのに、向いていたのです。










 では、決勝の相手は?

個の能力は、上海の方が、上でしょう。

特に、スペシャルな選手が、上海にはいましたからね。

でも、コンビネーションは、決勝の、アルヒラルが勝る。

サウジアラビア代表とも言える、攻撃陣は、連携面で勝ると思います。

となると、浦和レッズは、振り回される可能性が高まってしまう。

より、後手に回される戦いが予想されます。

1Stレグで、何とか、最少失点で終える。

アウェイゴールも、出来れば欲しい。






 1STレグで勝てる可能性は、準決勝よりも、低いと、私は見ています。

外れて欲しい、この予想。

外れたら、笑ってください。
posted by プロコーチ at 00:16| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月10日

ここで見せてくれなくては。

 ハリルホジッチ監督。

強豪国相手こそ、力を発揮させてくれる監督さん。

JFAは、そう信じて、彼を登用したはずです。

ブラジルワールドカップにおける、アルジェリア代表の大躍進。

チーム全体が一体となり、走り、戦うチームでした。

躍動!その言葉が、本当に似合う組織を作りあげた、ハリルホジッチ監督。

この再現を、それ以上を目標に、日本代表は歩んでいます。








 今回の、欧州遠征。

そこでは、ブラジル、ベルギーと、本大会でも注目される強豪国との対戦ですね。

本当に、楽しみで、楽しみで。

また、このリールというスタジアムがいいですね。

昨年のユーロの際に訪れましたが、新しいスタジアムで、快適。

少し、交通の便は良くないですが、行ってしまえば、素晴らしい会場です。

しかも、ハリルホジッチ監督のホームとも言える、都市。

いい戦いをするための、すべての要素が揃っていると言えます。

ブラジル相手に勝てるとは言いませんが、見ごたえのある、熱い戦いを観たいものです。








 二つのオプションを準備しているはずです。

一つは、高い位置で奪ってショートカウンター。

もう一つは、自陣に閉じこもって、ロングカウンター。

いずれにしても、自分たちでボールを保持する気は、あまりないはずです。




 おそらく、ブラジルは、4バック。

中盤は、逆三角形の、前2枚で後ろのボランチ1枚。

もしくは、ドイス(2枚)ボランチで、トップ下を置く。

それに対して、日本はどう戦うのか?

イメージは、先日のオーストラリア戦でしょう。

4バックに対して、3枚のFW。

中央の大迫もしくは杉本。

サイドに乾(原口)、浅野(久保)。

この3枚で、高い位置からボールを追い回す。

そして、縦パスを出されたら、サイドバック、もしくは中盤と連携しプレスバック。

中盤は、相手の形に合わせて、完全にハメに来るでしょう。


この前6人で、ボールを奪って、ショートカウンター。







 この6人を超されると、自陣のペナルティボックスまで、撤退でしょう。

スペースを埋める。

中央は、センターバックと中盤の5人で、ブロックを形成する。

そして、サイドのスペースは、ウイングが下がって対応でしょうね。

サイドのスペースも埋めてしまう。

結果、9人で守り、我慢するのでしょう。

浅野と、乾は、いつも50M以上の上下動を繰り返すことを求められる。

中盤は、前で潰し、後ろを埋める。

ここも同じく、50Mの上下動です。

そう考えると、香川も本田も、ポジションありませんね。











 ブラジルからチャンスを作るなら、サイドバックでしょう。

彼らは、普通の国のアタッカーよりも、攻撃力を有しています。

彼らに、DFという意識は、そこまでありません。

高い位置をとり、ビルドアップに、崩しに、そしてフィニッシュにまで顔を出す。

そこを、我慢。

奪ったら、サイドバックの裏のスペースを狙う。

しつこく、サイドバックの裏を狙い続ければ、中央がポッカリ空く可能性が。











 と言っても、絵に描いた餅ですね。

きれいごとを言っても、彼らには通用しない。

守ってばかりのチームは、ブラジルと戦えない。

試合巧者の彼らに、気がつけば、やられてしまう。

いかに、戦い、切り替え、仲間のために走れるか?

2014年のアルジェリア代表のようになれるか?

結果よりも、躍動感、走っているか?

必見ですね。

それが出来ないなら、いまのチームに、ロシア大会での躍進はありません。
posted by プロコーチ at 18:01| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月08日

キャッチボール(対面パス)

 トランプ大統領が来日しました。

相手の懐に飛び込んだ安倍首相は、良い関係を築いているそうですね。

日本では、大統領をどのように、歓待するのか?

多くの興味が集まりました。

和食に、ゴルフ。

2人は、仲良さそうですね。

それをベースに、国同士も、良い方向に進んでほしいものです。









 そして、過去のやり取りも、思い出されました。

私が気になるのが、小泉首相時代の、ブッシュ大統領とのエピソードです。

グローブとボールとを送られた、小泉首相。

予定になかった、キャッチボールを始めました。

実は、予測できないアクシデントが恐れて、キャッチボールはさせないようにしよう。

事務方同士では、そのような取り決めがあったそうなのです。

でも、2人がキャッチボールを成功させた。

これがきっかけになって、良い関係が築かれていったとのことです。










 キャッチボール。

仮に自分から始めるとして、相手に向かってボールを投げる。

相手がボールを受け取る。

そして、自分に向かってボールを投げてくる。

自分が受け取る。

これで、1度、キャッチボールが完了します。

キャッチボールと一言で言っても、最低限、これだけのアクションがあります。

ボールが行ったり来たりすることだけを、意味していませんよね。

キャッチボールを成功させるには、2人の間に、成功させようとする明確な意思が必要なのです。

何をいまさら?!とお思いでしょうか。

キャッチボールは、簡単ではないのです。

これを、2人組の対面パスに置き換えても同じことです。






 全く、相手のキャッチボールの能力が分かっていない。

まず、どのような距離でするのか?

小さい子供なら、ほんの数M。

大人ならもっと長い距離ですし、熟練者ならさらに長い距離になるでしょう。

そして、相手の身長に合わせて、受け取りやすいであろう、胸を目掛けて投げる。

その時の強さは、どれくらいの強さなのか?

自分の力を誇示したいなら、強い威力のボールを投げるでしょう。

とは言え、あまりに弱々しいボールを投げるのは、相手を馬鹿にする結果にもなり得ます。

お互いが、心地よい強さで、ボールを投げ合いたいですね。

受け取ったボールを、どのタイミングで投げ返すのか?

相手が投げ終わって、受け取る準備が出来ているのかを確認しなければならない。

お互いが、このように、相手の事を尊重し、想像力を働かせ続けること。

キャッチボールを成功させると言うことは、コミュニケーションを成功させることなのです。









 終わるタイミングも簡単ではありません。

キャッチボールを始めておいて、勝手に終わるわけにはいかない。

せっかく、コミュニケーションが円滑に取れている。

それなのに、突然、キャッチボールを一方的に終わらせる。

それは、コミュニケーションを断絶してしまうことを意味します。

ボールを受け取った側は、何とも言えない、モヤモヤを抱いたままでしょうね。

お互いに、終わりにしよう、と言う共通理解も必要になるのです。

対面パスも同じですね。











 どうでしょうか?

今まで、相手のこと、自分の事、お互いの事を考えて、パス交換をしていましたか?

いいパス交換が出来るなら、それは、いいコミュニケーションが取れている証拠でしょう。

もし、2人との間に、信頼関係が無いのなら。

例えば、新しくチームに入って来た選手と。

自分が、新たな環境に飛び込んだ時。

もしくは、ちょっとしたボタンの掛け違えをしてしまった相手と。

対面パスをしながら、話をしてみてはどうですか?

ボールを通じたコミュニケーションを、まず成功させてみてください。

新たな信頼関係を構築する、スタート地点には立てるはずですよ。

posted by プロコーチ at 18:57| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月27日

槙野のステップ

 ACL準決勝2ndレグ、浦和レッズが勝ち抜けましたね。

破壊力のある、上海の攻撃を0点に抑えての勝利。

10年ぶりとなる、決勝進出を決めました。

ここしばらく、アジアでの壁を打ち破れなかった、Jクラブ。

浦和レッズのサポーターではないのですが、嬉しい気持ちになりますね。








 上海の攻撃と言えば、圧倒的な個の力。

2014年ブラジルワールドカップのレギュラーが、二人。

オスカル・フッキは、ヨーロッパのトップシーンに、いつでも戻れるレベル。

パウリーニョがバルサに入り、ヨーロッパでの戦いに戻りました。

彼らも、その可能性は、常にあるでしょう。

もう一人のエウケソンも、レベルの高い選手です。

5年目となるアジアの戦いを理解し、決定力も高い。

嫌な選手ですよね。

その3人が中心となり、ゴールに迫ってくる。

サッカー理解も、個人技も、ゴールへの意識も高い、アタッカーです。

中でも、フッキのシュート、突破の力は、別格。

1stレグのゴール。

複数と対峙しても、なぎ倒しながら、地を這うミドルシュート。

世界レベルの個とは、このようなものか!

恐ろしささえ感じる、ゴールでしたね。









 2試合を通じて、浦和レッズは、フッキ対策を施しました。

槙野を左サイドバックで起用。

右サイドでのプレーが好きなフッキとのマッチアップ。

この二人の1対1での勝敗が、試合の勝敗を左右する。

それほど重要な仕事を、槙野は託されていました。

ちなみに、遠藤も右サイドバックで使われてました。

DFの4バックには、センターバックが4枚並んでいる。

サイドバックには、攻撃の厚みを作ることよりも、まずは守備。

センターバックのカバー、サイドでの1対1、クロスの対応。

ここで後手に回ることがないように!という監督の意図でしょうね。











 何度も、フッキ対槙野の1対1が繰り返されました。

左足で突っかけながら、槙野の反応を探る、フッキ。

中央にカットインしてからのシュート。

もしくは縦に抜け出して、ライン深くまで侵入。

この狙いを持って、堂々と、仕掛け続けていきました。

しかしながら、ことごとく、槙野が防いでいきました。

体を入れる、足を出す、シュートブロック。

槙野の目の前で、フッキが好きなようにプレーできた対決は、皆無。

この対決は、槙野の完勝といえるのではないでしょうか。











 この完勝劇を、何度も、映像でチェックしてみました。

間合いに気を付けながら、プレーしているのが、よく伝わります。

近づきすぎると、突破される。

もしくは、腕や体で押さえつけられる。

離れすぎると、シュートやクロスを自由に打たれてしまう。

槙野本人も、スカウティングの成果があったと答えています。

フッキの好きな間合いには、持ち込ませなかったのが、一つの勝因。









 それを支えたのが、槙野のステップワークです。

3つのステップを効果的に使い分けていました。

・下がりながらサイドステップ

・クロスステップで下がる

・その場で速く細かくステップ




・下がりながらサイドステップ

相手がゆっくり仕掛けてくるなら、下がりながらサイドステップ。

間合いを保ちながら、次のアクションに備えます。

ここで、ステップや体重移動を間違えると、フッキは一気に仕掛けてきます。

斜め後ろにサイドステップで下がるのですが、出来るだけ細かくステップを踏みたい。

頭の上下動を起こさないように、ステップを踏む。

ジャンプしてしまい、足が宙に浮かんでいる瞬間など、あってはならない。

そして、左右の重心移動が相手にバレないくらい、素早く。

ブラジル人に、体重移動の失敗を見せてしまうと、それは敗北を、即、意味します。

彼らは、それを起こそうと、常に狙い、探り、局面を有利に運ぼうとしているから。




・クロスステップで下がる。

フッキが、槙野に向かって仕掛けてくる。

スピードがさらに乗っているならば、クロスステップで下がる。

サイドステップだと、間合いが詰まり過ぎてしまう。

懐に、DFが思ったよりも早く入られる。

すると上半身が伸び切ってしまう。

伸びなくても、かかとに体重がかかってしまう。

その瞬間に左右に揺さぶられると、反転が遅れてしまう。

これを防ぐためには、自分で間合いをコントロールしたい。

だから、クロスステップでスピードを上げて、自ら後ろに下がる。

イメージは、相手のスピードを吸収していくイメージ。




・その場で速く細かくステップ

ボールを足元におさめれば、フッキは、堂々と見えませんか?

今の時間を、まるで楽しんでいるかのような。

それこそが、ブラジル人アタッカーの、存在価値。

局面での戦いに勝利し続けたからこそ、今の地位がある。

相手DFが目の前、手の届きそうな距離だとしても、それは変わらない。

上半身を揺さぶり、ステップを踏み、腕を動かし、フェイントを入れる。

全ては、変化の観察。

突破の瞬間を作り出し、探っている。

DFが、「だまされないぞ!」とばかりに全く反応しないのも、それも変化。

フッキに変化を見せてしまう、イコールDFの敗北です。

変化をしないようにするためのステップ、それがその場での速く細かくステップ。

その場で、足を左右に高速で動かす。

タカタカタカッ。

ドタドタ、バタバタ、とことこ、ではなく。

これももちろん、頭を上下動してはならない。









 この3種類のステップを的確に駆使して、1対1に臨んだ槙野。

繊細に、素早く、かつ、迷いなく大胆に。

あの試合の槙野のパフォーマンスを支えたのは、ステップワーク。

世界のドリブラーと対峙する場面を見てみたくなりました。
posted by プロコーチ at 16:16| Comment(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月05日

審美眼とは

 実は、私の実家は、和食器の店を営んでいます。

母が、40数年前に立ち上げ、今に至ります。

私も、小さい頃から、お店をちょろちょろしていました。

母の仕入れに付いていって、全国を回っていました。

母の店が大好きで、店番や接客などのお手伝いもさせてもらいました。










 母は、私に、色々な経験をさせてくれました。

博物館、美術館、仲間のお店、仕入先さん。

とにかく、たくさんの器を見る機会をくれました。

そして、物心もつかないうちから、食器を使わせてくれていました。

落として割ってしまうことも、あったと思います。

それでも、プラスチック製ではなく、本物の器を持たせてくれていました。

「いいものを、たくさん見なさい。」

「いいものを、使いなさい。」

これが母の口癖でした。






 
 最近、あるテレビ番組を観ていました。

一般の方が、自慢の品を持ち込み、専門家が評価額をつける。

もう何年も続いている、有名なあれです。

すると、すこし汚れた壺が出てきました。

由来は、隣の農家の物置で眠っていたのを、タダで譲り受けた。

その壺を掃除したら、気になる文様が出てきた。

家族でちょっと旅行に行く費用くらいになればな〜、と。


「どう思う?」

一緒にテレビを観ていた、仲間が聞いてきました。

その仲間は、私の実家のことを知っています。

私は、『高いかどうかは分からないけど、好きな感じ。」と答えました。

すると、なんと!250万円の鑑定が。

古い信楽焼らしく、驚きの価格がつけられました。










 続いて、自信満々のおじさんが、持ち込みました。

古い織部焼で、珍しい黒い釉薬を使っている。

骨董品の蒐集が趣味で、家にあふれるくらいの骨董品があるらしいのです。

骨董市で手に入れたもので、その時は、身震いがするほどだったそうです。

そのおじさんが、自分の器につけた値段は、800万円!

再び、仲間が聞いてきました。

「さっきは当たったけど、これは?」

私は、外しにくくて、嫌だなぁと思いながらも、器を見てみました。

『高いものなのかもしれないけど、俺は、好きではない。欲しいとも思わない。』

そう、答えました。

鑑定の結果は?残念ながら3000円、、、。

「すごいね!」

実は内心は、ホッとしながら、このやり取りを終えました。










 母の教えの通りでした。

「いいものを、たくさん見なさい。」

この教えには続きがあります。

「そうすると、自分の中で価値観が定まってくる。
 自分が好きだと思ったもの、それがいいものですよ。」










 UEFAチャンピオンズリーグが今年も開幕しています。

これが、世界の最高峰です。

各国のリーグも、盛り上がってきています。

もちろん、Jリーグ。

優勝争いが、佳境を迎えていますね。

こういった試合を、たくさん、たくさん観ること。

フットボールがよく分からないという前に。

まずは、「いいものを、たくさん観る」

自分の中で、価値が定まり、知らず知らずに審美眼が身に付くはず。

その道50年の大ベテランの教えです。



posted by プロコーチ at 01:58| Comment(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月22日

収穫と課題

 守備について、どこまで深く考えれているのか?

点を決めさせなければ、OK?

どんどんプレッシャーをかけて、ボールを奪えればバッチリ?

守備について、もう少し、深く試合をを見るようにしたい。







 この時に、頭の中を整理して、見てみること。

その時に助けになってくれるのが、ピッチを縦に分割する。

4つに分けて考える。

3つに分ける考え方。

いずれにしても、ボールがある場所によって、どうなっているのかを確認する。




 例えば、日本代表の守備。

ハリルホジッチ監督が、守備の組織を構築しています。

高い位置での守備から、ゴールに直線的に向かっていく攻撃。

守備、守備から攻撃の切り替わり、攻撃。

チャンスの時には、3つの局面が流れるように、移行できている。

ただし、これは、ピッチの一番高い位置での話です。

オーストラリア戦の2点目は、まさにその典型です。

原口が奪い、井手口が決めたあのゴールです。








 上手くいったのは、オーストラリアの戦い方を、丸裸にしたから。

ハリルホジッチ監督を中心とした指導陣が分析し、戦略を練った。

それが、バッチリはまった。

オーストラリアは1-3-4-2-1。

GK,3枚のセンターバック、2枚のディフェンシブハーフ、両ワイドのアタッカー。

2枚のトップ下(シャドー)に1トップ。

ここに対して、日本は、前から、責任を明確にして臨みました。

相手の3バックに対して、日本の3トップが。

相手の2枚のディフェンシブハーフに対して、日本のインサイドハーフ2枚。

相手の両ワイドに、日本の両サイドバック。

一番前から、人数をピッタリ合わせて、ボールを奪いに行きました。

これが、ドンピシャはまりましたね。











 ただし、ミドルサード(真ん中の3分の1)より後ろは、まだ未完成。

特にディフェンディングサード(後ろの3分の1)ですね。

ここの守備は、中途半端な対応が目立ちます。

どのスペースを押さえて、どこで人に行くのか?

ボールはどこに追い込んで行き、どこで囲い込むのか。

まだ、定まっていないように見えます。

特に、両サイドバックと、中盤のライン。

ここが、人に行き過ぎるせいで、大事なスペースが押さえれていない。










 ここのバランスを取っているのが、長谷部と、吉田。

この2人が、個人的にバランスを取っているに過ぎない。

だから、2人が判断を間違えると、守備は壊れてしまう。

2人のうち、どちらかが、出場できないと、そもそも守備の組織を作れていない。

サウジアラビア戦が、その悪い例。

サイドバックがボールに食いつきすぎるシーンが、、。

そのせいで、センターバックの横のスペースを、助けてカバーできない。

中盤の選手が、目の前の人や、ボールに気を取られてしまう。

どのスペースが危険なのかを、感じ合い、伝え合い、先につぶしておきたい。










 このままでは、自陣に閉じこもって、時間を稼ぐ。

押し込まれた時に、何とか耐える。

そのような時間帯が増える、ワールドカップ本選が、心配です。

今後の強化試合で、高めていってくれることを、信じたいです。

まだ、その部分は手をつけていないだけで、これから伸びる部分だと。
posted by プロコーチ at 15:46| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月27日

勝利を求めて!

    サッカー王国ブラジル。
日本では、こう呼ばれています。

彼ら自身は、「フットボールの国」と呼ぶようです。

いずれにせよ、産まれた時から、ボールと共に生きています。

大人になっても、フットボール好きは変わりません。









  そして、産まれた時から変わらないものが、もう1つ。

応援しているクラブです。

どのクラブが好きなの?

と聞くと、〜〜が好きと教えてくれます。

理由は、とてもシンプルです。

例えば、親がパルメイラスが好き、お祖父さんの代からクルゼイロ。

家族全員、クルゼイレンセ(クルゼイロサポーター)なのです。

熱狂的なサポーターの中には、体ですさまじい忠誠心を表しています。

クラブのエンブレムや、マスコットのタトゥーを彫っています。

私も実際、何人も何人も、このタトゥーを目にしてきました。

我々には、ちょっと考えられない感覚かも知れません。











 芸術的な、美しい試合を愛しているブラジル人。

82年のブラジル代表が素晴らしい。

94年は、世界一になったけど、あのスタイルは好まない。

いや、俺は、97年のRoRoコンビが。

すぐ、仲間内で、討論になるのです。

ペレが一番。

俺は、ジーコが好き。

ネイマールは、ペレになれる。

個々の選手の評価も、討論の対象です。









 でも、やはり、勝負にこだわる彼ら。

応援しているクラブと言えども、それは同じ。

3連敗したら、監督を変えろ!の声が大きく上がります。

クルゼイロでも、ありました。

国内リーグ2連覇した後、国外に選手を引き抜かれました。

スペインに、中国、中東…。

主力級は、根こそぎ。

迎えた翌シーズンは、成績が上がってきません。

すると、監督がスパッと首を切られたのです。

2連覇させたばかりの監督と言えど、容赦ありませんでした。









  勝負にこだわる姿勢は、良いことだと思います。

勝負にこだわる姿勢が、球際の強さを生む。

ゴールに向かう意識を強める。

プロ選手になり、家族を食べさせる!決意をする。

そして、勝利を皆と分かち合う。

ですが、あまりにこだわり過ぎると、短期的な結果を求めるように。

長期的な視野に立って、チーム運営をすることが難しくなってしまうのです。









  今回のブラジル滞在で、2試合を観戦しました。

両方とも、クルゼイロの試合をホームで観戦。

ミネイロンと呼ばれる、大きなスタジアム。

ワールドカップやオリンピックでも使用されていて、6万人を収容します。

まずは、ブラジレイロンと呼ばれる国内リーグ。

クルゼイロは、リーグ戦、現在7位。

悪くはないですが、良くもありません。

対戦相手は、スポルチ。

知らないですよね?

フラメンゴや、サンパウロのようなビッグクラブではありません。

観客は、たったの1万人。

それでも、盛り上げようとしてましたが、スタジアムは空席が目立ちます。

ちなみに2対0で、クルゼイロが勝利。








  その、3日後です。

再び、ミネイロンへ。

今度は、コパドブラジルと呼ばれるカップ戦でグレミオとの対決。

日本なら、天皇杯でしょうか。

クルゼイロは準決勝まで勝ち上がりました。

アウェイの1STレグは0対1で敗戦。

この試合で、決勝進出が決まります。

すると、数日前から、クラブのスタッフがそわそわしていました。

「水曜日だな!」

「お前もミネイロンに行くのか?!」

「必ず勝つぞ。」









 迎えた当日。

スタジアムの周りは、お祭り騒ぎ。

多数のサポーターが、2時間前からスタジアムを囲んでいます。

花火が上がり、歌を歌う。

スタジアムに詰めかけた観客、なんと56000人。

この人数で、愛するクラブに声援を送り続けます。

試合は、PK戦を制してクルゼイロが見事、勝ち上がりました。

相手はPKを2回もポストにぶつけてしまいました。

5万人の大ブーイングが、プレッシャーを与えたのでしょうか?!

クラブも、サポーターも、至福の時間を迎えたのです。








  勝負にこだわるサポーターの声で、勝利を手繰り寄せた。

5万人を越える大ブーイングは、迫力ありました。

あの雰囲気は、言葉では表しようのないくらい、すさまじい空気。

でも、3日前の国内リーグでは、たったの1万人。

46000人は、どこから現れたのでしょうね。

本当に愛していると言うなら、いつも、あの雰囲気を作ればいいのに。

決勝戦は、おそらく6万人が詰めかけるはずです。

これもまた、ブラジルなのでしょうね。












posted by プロコーチ at 16:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月22日

我慢できない?

 ブラジル遠征中です。
 
小学生同士で試合をしました。

子どもたちは、いいですね。

言葉など分かっていないのですが、すぐにコミュニケーションを取り始めます。

ブラジルの子供たちの、人懐っこさに助けられながらも、日本人も少しずつ。

名前、年齢、あいさつ、数字などを教えあいます。









 ブラジルの子供たちの多くは、自分を表現しようとしますね。

攻撃にしても、守備にしても。

自分が、これをしたい!

その気持ちが、強くあふれています。

外から見ていても、感じ取れます。

上手い・下手、出来る・出来ないではない。

体の奥の方から、情熱が湧き出ているようです。










 その姿を、ブラジルの指導者は、見守っています。

ポジションも、判断も、無茶苦茶な選手が、ごろごろ。

それでも、選手を、じっと見ています。

成功しても、失敗しても、気にも留めない様子。

指示もほとんど、出しません。

そのチームがU10〜11だったことも、理由にあるでしょう。

ちなみにレベルは、ブラジルの平均レベルのスクールだそうです。









 1試合15分。

それを、4回行いました。

セットの休憩ごとに、ミーティングは開かれています。

そこで、話されていることは、大した内容ではありません。

けが人の有無や疲れ具合を確認。

次のセットのメンバーを発表。

「トレーニングしていることを、出してこい。」

その程度ですね。
















 彼らのプレーの特徴があります。

それは、ゴールめがけて、グイグイ進んでいくことです。

遠くからでも、多少無理そうに見えても、シュート。

前に飛び出して、パスを要求。

ボールを持ったら、目の前のDFと勝負のドリブル。

とにかく、ゴールへ、ゴールへと進む意識が強い。

守備は、相手の足元に、飛び込む。

襲い掛かるといった方がいいかも。

抜かれることは、あまり恐れない。

奪い返したい!その気持ちが守備の源泉でしょう。









 そのような、雑に見えるプレーをしても、怒鳴るコーチはいません。

ピッチ上の子供たちは、やらされている感覚は、感じないでしょうね。

のびのびと、自分が好きなフットボールをプレイしている。

ただ、その一点。

だから、失敗しても、ベンチの顔色をチラ見することはない。

失敗を恐れて、プレーが小さくなることもない。

何度も、取られて、何度も取り返して。










 ちなみに、ゴールへの強い意識がある中でも、パスをつないで試合を進めようとしていました。

ドリブルだけで試合を進めることは、ありません。

そして、ピッチの場所に応じたプレーを、少しずつ、理解している様子も見られます。

クルゼイロのスタイルである、パスをつないで、ゴールを目指す。

ドリブルも、パスも、シュートもある攻撃。

自由に見える彼らも、日々のトレーニングで、習慣を身に着けているようです。

そして、その根底に、ゴールを目指すという情熱がある。

私の眼には、なんとも、いい感じのバランスに映りました。









「コーチがパスを求めていても、シュートでしょ。」

「ここは、ドリブル、行っちゃうでしょ。」

子どもたちから、そんな声が聞こえてきそう。

それでも、我慢強く、見守っているコーチ。

長い目で育てる!強い意志。

それが、文化なのでしょうね。


posted by プロコーチ at 13:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

変化を恐れるひな鳥。

 ブラジルに研修、引率で来ています。

サッカーキャンプの優秀選手に、留学希望者。

中学生2人、小学生が8人。

彼らともに、クルゼイロの育成施設「toca1」でお世話になります。

それにしても、うらやましい。

その年代から、ブラジルを体験できる。

自分も、16歳の時に、初めてブラジルにサッカー留学に行きました。

夏休みの1.5か月弱という、短い期間。

それでも、その後の人生が、大きく変わるような衝撃を受けました。

挑戦している小学生や中学生にとっては、チャンスですよね。











 このチャンスを生かすか、無駄にするかの違いは、何か?

自分が連れて行って思うのは、本人そのものにあるのではないか。

最も無駄にする可能性が高いのは、環境の変化を受け入れない子ども。

「家のご飯が食べたい。」

「言葉が通じない。」

「普段とは、コーチに言われることが違う。」

今までに自分が育った環境と比べ、違いになげく。

いつもだったら、もっと上手く行くのに?!

やっぱり、日本が、自分の住んでいる環境が良かった。

ブラジルに行った意味が、これでは薄れてしまいます。

自分から、変化するチャンスをつぶしてしまっている。











 もう一つは、大事に育てられすぎている子供。

普段から、手をかけられすぎているのでしょうか。

最近は、6ポケットとか言う言葉もありますね。

我々の子供時代に比べて、子供一人に投下する手間やお金が大きくなっている。

傾向として、そのような子供は、自分で何もしなくなっています。

まるで、ひな鳥が口を開けて餌を待っているように。

口を開けていれば、親鳥が、せっせ、せっせと餌を運んで来てくれる。

「コーチ、時間。」

「コーチ、スパイク忘れた。」

そのような子供は、最小限の単語で、物事を伝えてきます。

おそらく、その先は、常日頃、察してもらっているのでしょうね。

このような選手も、環境の変化や、アクシデントに弱いです。

転ばぬ先の杖が無くなると、転んだ後の対応に困ってしまうのです。













 短い期間とは言え、お預かりする子供たち。

少しでも有意義な時間を過ごしてもらいたい。

そして、少しでも、いい変化を起こしてもらいたい。

ブラジルの食事や、環境を受け入れる努力を、共にしていく。

わざと丁寧でない接し方、察してあげない行動を取る。

さて、今年の子供たち10人に、いい変化が起きるのでしょうか。

楽しみに、頑張ります。
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2017年08月15日

解放させる。

 クルゼイロのコーチたちは、エリート集団です。

そもそも、ビッグクラブで働いている、そのエンブレムを身に着けている。

それだけで、大きな誇り。

胸を張って、街中を歩きます。

その本体のコーチたるや、日本人の想像を超えるほどの、エリートなのです。

でも、その彼らは、全く、偉ぶる素振りを見せません。

笑顔が素敵で、フレンドリーであり、我々を尊重しくてくれます。









 日本の子供たちは、居心地よさそうに、トレーニングしていました。

南米人が醸し出す、楽し気で、開放的な空気を感じているのでしょうか。

あまり接したことがない、ブラジル人であっても、こわ張っていない様子。

コーチ側が、一方的な、権威主義的な態度を取っていないからでしょう。

こういう風にやってごらん、と促されると、素直に取り組んでいきます。

傍で見ていても、本当に、良い関係を築いています。

その信頼関係が、早い上達を生みます。

そして、上達を選手自身も感じているから、さらにコーチに近づいていく。

好循環が生まれていました。









 それでも、日本人は、まじめですね。

空気を読み合って、行動しようとしています。

集合して、コーチの話を聞く態度は、素晴らしい。

この部分は、「規律正しく、我々を尊敬してくれている。」と高評価です。

でも、この規律正しさが、プレーに制限を加えている、言わば足かせにもなっています。

失敗が許されない?

集団の、何となくの意思からはみ出したプレーは許されない?

心のどこかで、ブレーキをかけているようにも見えます。








 ある日、面白いトレーニングがありました。

「ミニゲームをしよう。」

用意するものは、ボールだけ。

ビブスも、マーカーも、コーンも、ゴールも、あえて用意しません。

自分たちの持ち物で、ピッチを作り、ゴールを作ります。

水筒、シューズ入れ、ウェア、なんでもOK。

ピッチの準備が出来たら、靴を脱いで、ソックスも脱いで、ハダシになります。

そう、ストリートサッカーを味わってもらうためです。

ちなみに、ブラジル国内でも、ストリートサッカーは減少しています。

都市化が進み、車社会が進んだ影響と聞きました。











 子供たちは、ざわざわと、落ち着かない様子。

でも、コーチたちは、特に、何も言いません。

3人組程度のチーム分けを手伝っただけで、後は、選手に自主的に始めてもらいます。

恐る恐る、試合が始まります。

とその時、スピーカーのスイッチをON。

軽快な、ラテンの音楽をかけるのです。

思わず、踊りたくなるような音楽がかかります。

すると、ハダシの子供たちのプレーも、変わっていきます。

持っている技や、フェイント、相手を驚かすようなプレーを、やりたがるのです。

今まで、正確に止め、運び、蹴ろうとしていた姿とは、正反対。

まるで、自分たちで押し殺していた、内側の深いところにあった何かが、飛び出してきたようです。

心が解放され、プレーで表現をし始めたのです。

コーチたちも、音楽に合わせ、体を揺らして、笑顔で見守っていました。

「それを待っていたんだよ!」と言わんばかりの表情です。










 日本人は、真面目過ぎる。

我々は、自己表現が下手。

そんなレッテルが貼られています。

自分たちも、それでいいと思っていたのかもしれない。

コーチや親が、子供たちの、まじめに取り組む姿を期待している。

子供たちも、それに必死で応えようとしているのではないでしょうか。

実は、本当の姿は、そうでないのかもしれない。

心が解放された、子供たちのプレーは、エネルギッシュで、ダイナミック。

そして、ボールを蹴る喜びにあふれていました。










 この喜びを知らない子供たちは、大きくなったら、いつか、引退してしまうのでしょう。

スポーツには、引退などなく、形を変えて、一生楽しめるもののはずなのに。

真面目に、真剣に取り組むことは、素晴らしいことです。

競技の世界で生きていき、プロを目指すならば、当然の態度です。

でも、心からの喜びを知ることも、同時に必要であると思いませんか?

それを知っている人間は、いくつになっても、フットボールを楽しめるでしょう。
posted by プロコーチ at 02:47| Comment(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする