2019年12月06日

自分でやるぞ

 少し前になりますが、日本代表の親善試合。

何とも、消化不良でした。

五輪世代の試合も同じく。

全く通用しないわけではないのです。

ただ、何かが足りない。

負けているのにも関わらず。

自分がレギュラーを保証されていない立ち位置だと、分かっているはずなのにも関わらず。

淡々と、自分の役割をこなすように見えてしまいます。








 その一つの答えを、目の当たりにしました。

先日、仲間と試合を楽しみました。

もう6〜7年でしょうか。

月に数回、真剣に楽しんでいます。

まだ現役大学体育会の選手や、元プロの選手が何人も混じるレベルの高さ。

刺激はあるのですが、気を抜いている暇がない。

体を張って守備をして、味方につなぐのが精いっぱい。

ここでプレーを認められているかが、分かりやすい指標になっています。












 そこに、外国人の選手が混じっていました。

初めて見る顔。

誰かが、誘って連れてきてくれたようです。

イタリアのクラブのユニフォームを着ていたので、イタリア人かなと思いました。

試合が始まると、その彼が何とも目立つのです。

ボールを持てば、前に、ゴールに。

ドリブルやパスで、前進しようと試みます。

前が詰まったら、思い切りよくサイドチェンジ。

キックはパワフルで、気持ちよく伸びて行きます。

ボールを奪われたら、ダッシュで切り替え。

奪い返すまで、しつこくボールに食らいつきます。











 そう、とにかく、自分でやるぞ!

プレーの意欲に満ち溢れていました。

ボールタッチは、正確ですが、繊細さやリズミカルのものはありません。

フェイントもほとんどしない。

日本人的な、上手いプレーは出来ないのか?見せないのか?

でも、常に前を向こうとする。

そして、前に進もうとする。

シュートも、積極的に、打っていきます。

ちなみに、私見ですが、誰かに似ていました。

酒井高徳の若いころのプレーにそっくり。













 
 外国人の彼のプレーも、酒井高徳も、日本の平均的な選手とは全く違いました。

双方、上手さは感じないのですが、とにかく目立ちます。

失敗を恐れず、積極的に、プレーに関わり続ける。

自分がボールに触りたい。

自分でゴールに向かう。

そして、自分でボールを奪う。

フットボールの目的を、根っこの部分で、理解し、表現できている。

よく見る日本の上手いと呼ばれる選手たち。

ボールをうまいことつないで行けば、いいよね。

コースを切って、中央に通させなければいいよね。

その違いは、一目瞭然。














 ちなみに彼は、スペイン人でした。

しかも、かなり有名なスクールのコーチとして、来日していました。

そのスクールは、賢くプレーさせることで有名なのですが、彼のプレーは、ちょっと雰囲気が違いました。

私も、違う機会に、そのスクールを、

何度も見させていただいのですが、あまり強度が高いトレーニングは行っていませんでした。

そのイメージがあったので、彼の仕事を聞いて、再び驚きました。

根っこの深いところで、フットボールの目的を理解している選手が、

賢くプレーするならば、相手にとっては脅威の存在になるのでしょうね。














 さあ、自分の目の前の選手は、自分でやる意欲にあふれているのでしょうか?

賢さや上手さばかりを求めていても、ダメでしょうね。

自分でやるぞ!

そんな選手を育てるサポートをしていかなくては。
posted by プロコーチ at 16:05| Comment(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月16日

突き抜けろ。

 日本の希望の星となっている。

久保建英。

バルサの育成組織で少年時代を過ごし、Jリーグに帰還。

それだけでも漫画のようなストーリーでした。

さらに、世界中の選手の憧れのクラブである、レアルマドリードと契約。

弱冠18歳。

この若武者の未来を、誰もが期待しているでしょう。











 実は、私は、そこまでの期待を持てていません。

特に現在のプレーを観ると。

彼の特徴は何か?

それは、賢さと技術の高さ。

賢さの特徴は、DFとDFとの間でのプレー。

ライン間も、横の人と人との間も。

そこに入り込み、ボールを受ける。

技術の特徴は、細かいボールタッチ。

顔を上げて、ボールを見ないで、細かいタッチを繰り返し、DFの先手を取る。

あれをされると、守っている方は困りますよね。












 とても洗練されている選手です。

まるで、10年以上のプロのキャリアのある、中堅〜ベテラン選手のようです。

それを18歳で平然とこなすのですから、未来が楽しみになるのでしょう。

本当に、素晴らしい選手だと思います。

でも、天才と言う形容は、当てはまらない。

なぜなら、彼のプレーを観ていて、ビックリしたことが無いからです。

「そんな所を見てたの?!」

「そのタイミングでパス!!」

と言う、発想やプレーの創造性を感じ、驚かされることがない。

今のままでは、5年後も10年後も同じプレーをしているようなイメージが浮かびます。














 今、彼は、レンタルで所属しているマジョルカで苦労している。

そこは、バルサやレアルのように、主導権を握って試合を進めるチームでは無い。

攻撃の選手に、気の利いたパスを求めてはいない。

求められるのは、ゴールに直結したプレー。

シュートを決める、アシストをする、相手をドリブルで突破する。

守備なら、体をぶつけて、自分の力で奪い取る選手が必要とされる。

コースを切って、追い込む守備では物足りない。

長い距離を走って、味方の穴を埋め、激しく相手に寄せて、寄せきるブレーです。











 この攻守において求められているプレーは、今まで彼が見せていたプレーとは、少し違いますね。

とてもいい経験になると思います。

マジョルカで、求められているプレーを発揮できれば、グンと成長できるでしょう。

上手いだけでなく、怖い選手に。

気の利いたプレーに加え、試合を決めれる選手に。

能力の高く、賢く、メンタルの強い彼だからこそ、期待しています。

突き抜けろ!

昔、あんな選手がいたよね、みたいに振り返りたくはありません。
posted by プロコーチ at 00:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月19日

本質の確認…攻撃

 盛り上がっていますね。

ラグビーワールドカップ。

私も何とかチケットを購入し、観戦してきました。

ラグビーのルール分かるの?などと聞かれます。

子供のころから、実はテレビで観ていました。

松尾、平尾、堀越、今泉、吉田。

新日鉄釜石、神戸製鋼、早稲田対明治は記憶にあります。











 でも、変わりましたね。

一番は、ゲームのテンポ。

もっと、ボールの周辺で、ぶつかり合い、もみ合いが長かった。

だからこそ、ミスターラグビー平尾さんの、あのステップがより輝いて見えました。

今は、どの選手も、走れる、闘える、ぶつかれる。

バックスの選手が大きくたくましく、フォワードの選手は素早くなっています。

それは、日本のラグビーが成長した証であるでしょうし、ラグビーという競技そのものの進歩。

我々のフットボールと同じで、より高いレベルのフィジカルが求められている。

より速く、よりたくましく、でも高いテクニックと判断は大切に。













 私が観戦したのは、熊谷の競技場です。

ラグビー専門の競技場だけあって、選手が近い!

柏や三ツ沢、昔の神戸中央で観ているような臨場感。

横国だと、テレビ映えはするのでしょうが、あの熱はないでしょうね。

それも、我々と同じでした。

フィジカルコンタクトが繰り返される分、さらに熱さが伝わって来ました。











 ラグビーは、前方向に進むことが難しい。

手でのパスは自分の横、後ろのみ。

前に進む方法は、キックか、ボールを持って突進の2択。

ボールを横に動かすのは、そこまで難しくない。

相手DFも、ルールで定められているので、ボールより後ろで待っていますから。

でも、横に動かすだけでは、すぐに詰まってしまう。

追い詰められて、前方に逃げ出すようなキック。

相手にボールを奪われて、攻撃のチャンスを失ってしまいます。














 フットボール的な考えしか出来ませんが、大切なことが見えました。

それは、ゴールに向かって進むこと。

ゴールに向かって突っ込んでいく。

すると、相手DFがそこに集まってくる。

ボール周辺にサポートをして、すぐに新たな展開をする。

相手を集結させておいて、展開する。

相手の反応、我々で言うところのスライドが遅れたら、さらに前に進んでいく。

この前に進む、つまりゴールに向かうことがキーポイントではないか。











 パスが目的になってしまう。

そんな攻撃は怖くない。

ボールを失わずに、前に進む。

ボールホルダーは、まずゴールに向かう。

それ以外の14人は、サポートをする。

ボール近くは、次の受け手に。

ボールの遠くの選手は、広がって幅を作る。

先にポジションを取ることで、相手DFに反応させる。

この繰り返しで、攻撃のベースが成り立っている印象。














 これは、フットボールにも通じる本質です。

まず、ゴールに向かう。

だから、相手選手がゴールを守ろうと集結してくる。

だから、他が空いてくる。

忘れてはならない本質を教えてもらいました。



posted by プロコーチ at 12:18| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月23日

テクニックの引き出しを増やす

 テクニック。

試合中に、観て、考え、判断した結果を、実行に移す手段です。

どんなにいいアイデアが浮かんだとしても、実行する能力が無ければ、絵に描いた餅に過ぎない。

少し極端ですが、ボールが30m飛ばすのが精いっぱいの選手が、ロングシュートを決めることは不可能。

そうなると、自分の持っている解決方法をよく分かっていることも、いい選手の条件と言えますね。

この種類の武器を持っているのだから、この局面では、この解決方法がいいのでは?

もちろん、特別な解決方法を持っていることは、いい選手の大切な条件であることも、間違いありません。

つまり、素晴らしい武器と、その武器を素早く的確に選ぶ能力が揃えば、本当に素晴らしい選手ですね。












 日本の若武者が、たくさんヨーロッパの舞台に挑戦しています。

ここ数年、一気に増えて来ていますね。

厳しい競争の世界に飛び込んで、勝負していくことは、レベルアップの大きなチャンスですよね。

その一人である、オランダ・トゥエンテでプレーする中村 敬斗。

世代別代表でも活躍を見せてくれた、素晴らしい選手。

ボールを運べ、パスも出せ、決定力もある。

宝石のような、攻撃的な選手です。













 彼が、先日のオランダリーグで見せたあるプレーが、少し話題になりました。

点も奪い、大活躍していた中村敬斗。

試合の前半の終了間際、相手選手に対するスライディングタックルが、危険と判断され、一発レッドで退場していしまいました。

VARによる判定で、レッドカードが示されました。

その瞬間、信じられないと、中村敬斗は驚きの表情を浮かべていました。

様々な意見もあるようですが、私は、退場も仕方のないジャッジだと思いました。

なぜなら、ボールを保持している選手に向かって、スピードに乗って、足裏を見せたままスライディング。

ボール方向には行って、ボールにも当たっていますが、相手の足に、スライディングした足裏が強く接触。

衝撃を逃がすためもあったでしょうが、相手選手は数Mほど吹き飛びました。

試合を裁いた主審は、「「スパイクの裏を見せており、典型的な足を壊しにいくプレー」

「スピードがなかったり、足が伸びていなかったらで議論が起きることは分かるが、残念ながらこの場合はレッドカードだ」

とインタビューに答えています。














 このスライディングタックル。

そもそも、スライディングの種類が適切ではなかったのです。

彼が見せたスライディングは、現在、主流となっているもの。

最近の若い選手が行うスライディングは、この種類しか出来ない選手が多数派の印象です。

野球のスライディングに似ている、あれです。

軸足を内側に折り畳み、スライディングする足を伸ばして、すべっていく。

この方法のメリットは、滑った後、立ち上がるのが速いのです。

このスライディングで、シュートブロックやクロスに対してブロックに行く。

もしくは、こぼれたボールを巻き込むようにして自分のものにする。

汎用性が高いのも、主流になっている理由だと考えられます。

広まり始めた当初は、クイックスライディングと呼ばれることもありました。

2000年以降だと記憶しています。















 このクイックスライディングには、デメリットもあります。

ボールを持っている選手に対して、チャレンジする。

いわゆるスライディングタックルには、不向きなのです。

そのポイント向かってに直線的に、足裏を向けて、素早く滑るのがこのスライディング。

ボールを足元に保持している選手にそのプレーをしたら、当然危険ですよね。

シュートブロックなどの、ボールのコースに入るには最適です。

ですので、スライディングタックルが許されていなかったフットサルでは、昔からよく目にしていたのが、これです。

つまり、中村選手が選んだ技術の選択そのものが、適切ではなかったのです。














 ボールを保持している選手に、スライディングで奪いにいくなら、違うタイプのスライディングがおすすめです。

軸足を外側に折り曲げる。

ハードルの足のような形にして滑るスライディング。

昔は、この形が主流でした。

この形で、ボールを奪いに行く。

奪いに行き、ボールに接触するのは、自分の足(スパイク)ではなく、自分の太ももの付け根。

足先で行くのではなく、深いタックルで、ボールを奪いに行く。

これでも、真正面から行くとしばしばファールになってしまいます。

斜め、真横からなら、ファールには、なりにくいです。

もちろん、深く行くと言っても、まずはボールに的確にヒットしなければなりません。

今や、少数派になってしまった、このスライディングですが、身に付けたい技術の一つではないでしょうか。












 他にも、アウトで外に弾き出すスライディングもあります。

スライディングも、一つではないのです。

キックやドリブルに、様々な種類があり、それを状況で使い分けるように。

スライディングも、状況に合わせて使い分けることが求められるのです。

テクニックの引き出しを増やすことで、様々な状況で、最適な技術を選択することが可能になる。

これしかない!というのではなく、テクニックの引き出しを増やしたい。

そして、スライディングもテクニックの一つ。
posted by プロコーチ at 03:29| Comment(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月06日

日本とブラジルの違いを

 日本は、海外の優れたものを学び、それを力に変えてきました。

政治、経済、モノづくり、文化、そしてスポーツ。

オリジナルを生み出すというよりも、アレンジしてきたものの方が、多いように思います。

それが良い、悪いと言いたいわけではありません。

我々のフットボールにおいても、同じことが言えるでしょう。

イングランドから学び、ドイツから学び、ブラジルから学びました。

今は、ヨーロッパに再び回帰していますね。

フランスやスペイン、そしてドイツなどから学び、力に変えようとしています。














 私は、最先端のフットボールシーンであるヨーロッパから学ぶことは、当然のようにたくさんあります。

でも、まだまだ、ブラジルを始めとした南米から学ぶことも考えています。

ただ、学ぶにおいても、そのままオリジナルを導入することは反対です。

なぜなら、ここは日本であり、その学んでいる国ではないからです。

トレーニングを受ける対象である選手は、日本人。

それならば、日本と言う環境に適した伝え方をするべきです。

日本で、日本の家族に育てられ、日本の環境で育った選手たち。

ヨーロッパや、南米の選手とは価値観や文化が、そもそも異なっていますよね。














 それを改めて感じる瞬間がありました。

ブラジルのクラブで、日本人とブラジル人の子供たちで、合同トレーニングをしている時でした。

当日のテーマは、守備の改善。

W-UPから、簡単なトレーニング、徐々に難しく、応用的になっていきます。

少し複雑なトレーニングになっていったので、戸惑っている子供もいました。

トレーニングが、一区切り。

トレーニングが進んで行き、残すは、ゲーム形式のみ。

そこで、コーチが選手全員を集めて、ピッチ上でミーティングが始まりました。















 コーチが質問を投げかけました。

「ヘイ、*+‘>。今日はどんなトレーニングをしたの?」

ある選手を指名して、優しく問いかけたのです。

すると、一斉に、声が上がりました。

「今日は、守備だよ。」「相手からボールを奪ったよ。」「2対2をしたよ。」

指名されていない選手が、当てられてもいないのに、発言を始めたのです。

コーチが、片腕を水平に伸ばして、発言を制しました。

「私は*+‘>に、聞いているんだよ。」

すると、子供たちは静かになりました。

でも、指名された選手が、あまり理解できていないような解答をするやいなや、

「ハイ!」「俺、俺!」

またもや、周りの選手が手を挙げて、意見を出そうとしたのです。

そして、元々指名されていた子が、答えるのを、周りで助けるようにして、何人もの選手で回答を導き出しました。













 次に、日本の子供が当てられました。

「では、あなたは今日のトレーニングをして、どう感じた?」

私が、子供に日本語に訳して、伝えてあげました。

当てられた子供は、なかなか発言できません。

「間違ってもいいから、自分で感じたことを日本語で答えてごらん。」

と、私が助け船を出しました。

すると、か細い声ながらも、ゆっくりと、自分の考えを発しました。

その間、周りの日本人の子供たちは、じっと黙って待っていました。

私は、このくっきりとしたコントラストが、とても興味深く感じ、じっくりと観察していました。














ブラジルの子供たち

・間違っていても、意見を発する。

・自分の順番は、自分で勝ち取る。

・仲間と共に、良い方向に進んでいこうとする。

(この3番目の仲間と共にと言うのは、このクラブがエリート集団ゆえに出来たことかもしれません、、。)

日本の子供たち

・間違いをおそれて、発言を控える。

・順番は待っていれば、自分の番が来ると信じ、待っている。

・仲間の成功を見守る。











 これだけ、違う子供たち。

そこに、同じ手法で指導をしても、上手くいくわけがありませんよね。

その違いを理解して、伝えること。

それが出来なければ、せっかくブラジルで学んだことも、役に立たないでしょう。

ヨーロッパが!ブラジルが!と学ぶことは大切。

でも、目的地は同じでも、そこへ進んでいく手法は、違う。

なぜなら、出発地そのものが違うから。

posted by プロコーチ at 17:34| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月07日

南米って、そうなんだ...4

 日本人が、得意なプレーは増えました。

特に、繊細で速いボールタッチ。

これは、ブラジルの高いレベルと比べても、遜色ありません。

ボールタッチの種類、繊細さ、スピード。

そして、左右差の少なさ。

日本人選手、指導者の日々の成果でしょう。








 ちなみに、ブラジルの選手。

中でもドリブルを武器にしている選手。

子供の頃から、感覚の違いを感じます。

少し、表現が難しいのですが…。

独特と言えばいいのでしょうか。

ボールタッチは、複雑なことはしません。

リズムが急に変わる。

スピードが変わる。

そこにボディフェイントが混じる。

何よりも、DFとの間合いを制している。

あの感覚は、指導で身につけられるのか?!

永遠の課題の1つです。











 とは言え、これはブラジルでも全員が出来るわけでは無いようです。

では、何が我々に足りないのか?!

その1つが、トカボーラ。

これが出来るのが、ブラジルのほとんどの選手。

日本の多くの子供たちは、出来ていません。

自ら、ボールに向かってプレーすること。

競り合い、浮き球、ルーズボール。

完璧にコントロールされていないボール。

日本の子供たちは、自分のところに来るのを待っています。

苦手な子は、腰が引けるような姿勢で、ボールを処理しようとしている。








 ブラジルでは、全く違います。

子供の頃から、ボールに自ら向かっていきます。

体ごと、ボールに近づいていきます。

ボールが浮いているなら、空を飛びながらでも。

そこに相手がいても、遠慮はありません。

身を守りながら、体ごとボールに向かいます。

このような強さを小学生年代からでも出来るのです。

このボールは俺のだ!

誰にも譲らないぞ!

強い意思を、全身から感じます。










 フットボールが、生活にある。

さらにその生活をよくするために、フットボールを。

ボールと共に人生を過ごしている。

その強さを持った選手の中で、何が出来るのか?

遊びで上手いプレーを見せるだけなのか。

それとも激しい寄せの中でも、テクニックを発揮出来るのか?

日常に、トカボーラがあるか無いか。

ブラジルとの差を埋める、大きなヒント。
posted by プロコーチ at 10:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月04日

南米って、そうなんだ…3

 ヨーロッパで始まった、現代のフットボールは歴史が長いですね。

100年を超えるクラブがたくさんあります。

日本だと、明治時代の後半です。

南米も同じくらい歴史があり、100年を超えています。

例えば、先日のコパアメリカ、初開催は1916年。

いずれも、何世代にわたって、フットボールが身近にあり続けている。











 南米では、男の子が産まれると、サッカーボールをプレゼントしてあげる。

珍しいことではなく、当たり前の光景です。

ブラジルで、歩き出してまもない子供が、ボールを蹴っている光景は、しばしば目にします。

周りも、それを、微笑ましい光景として、温かく見守っている。

特に騒ぐでもなく、日常よくある、そんな空気です。

さあ、やるぞ!とボールを蹴り始めるというより、ボールは蹴るでしょ、サッカーするでしょ。

息を吸うように、ボールを蹴っている。












 ブラジルのクラブで働いているスタッフに、「あなたのサッカーキャリアは?」と聞いてみました。

ちなみに、一緒にボールを蹴ったのですが、かなり強いシュート力を持っている彼です。

返ってきた言葉に驚きました。

「サッカー選手で生計を立てることは難しい、

 私は子供のころから勉強して、将来それを武器にやって行こうとしていた。」

さらに、重ねて聞いてみました。「アマチュアのキャリアは?学生時代は?」

「仲間とたまにボールは蹴るけど、チームに所属したことはない。」

キャリアは、未経験者の初心者に等しいレベルでした。

日本なら、部活で少なからず経験しているであろう、それくらいのプレーは見せていたのに!

フッチボウ(サッカー)の国、ブラジルの実力は、驚くほどに高いのです。













 そして、贔屓にしているクラブについて、そんな会話になります。

私の友人が付き合っている彼女を紹介してくれました。

家族や恋人を大切にする彼らは、しばしば私に紹介してくれます。

彼女からの束縛は、かなり激しいのがブラジルではノーマルだそうで。

一日に10回は、メッセージのやり取りがあるそうです。

とても仲良さそうに、お互い尊重し合っている、いい関係に見えます。

ところが、「彼女は私のライバルクラブが好きなんだ。」

「この人は、好きなクラブさえ同じなら完璧なのに。」

冗談ぽく話してはいるのですが、そこは決して譲らないポイント。

恋人に合わせて、応援するクラブを変えることは考えられない。

産まれてすぐに、お父さんが応援するクラブのユニフォームでくるんであげる。

お父さんもおじいちゃんに、同じように。

家族代々、同じクラブのサポーターであり続ける。

まるで、何かの宗教のように、心の深くまで入っている、変わらない譲れない部分。













 スタジアムや、バール、家のテレビで、サッカーの試合を観戦する。

大声で叫び、泣きそうな顔で落ち込む。

相手の汚いプレーや、ミスに対しては容赦ないブーイング。

味方を信じて、野太い声で後押しをする。

日本の応援も、かなり盛り上がっていますよね。

でも、南米の応援からは、もっと人生叫びのようなものを感じます。

この瞬間!と言う時の声の迫力や、タイミングがそれを表しています。

腹から、その音を感じます。

まるで、和太鼓の演奏を、すぐそばで聞いた時のような迫力です。














 今、ブラジルに滞在しています。

ブラジルでサッカーの仕事をしていると、改めてその歴史を感じさせてくれます。

自分自身、俺はサッカーが好きだ!胸を張って言えます。

でも、それはブラジルでは、それほど特別に好きな部類ではないですね。

産まれた時から、フッチボウと共に生きている人々。

その歴史は、長く深い。
posted by プロコーチ at 09:46| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月25日

南米のサッカーて、そうなんだ…2

「南米は、利き足ばかり使うんですよね?」

サッカーに関する記事を、よく読んでいる、勉強している人に言われます。

最近も、特集されていました。

それは、一部正しく、一部違うと思っています。

昔は、利き足偏重の傾向が、今よりもさらに強かったのではないでしょうか。

特にレフティーの選手。

左利きの選手が、体をねじりながらでも、左足のアウトで。

さらには、右足側にあるボールを、足を交差させてラボーナでキック。

私も30年前に、マラドーナのラボーナを見た時は、目を疑いました。

「そこまでして、得意な左足にこだわるのか!」









 南米からヨーロッパに行く流れは、昔からありますよね。

ジーコ、ファルカン、マラドーナ、フランチェスコリ。

当時は、南米でプロとして活躍して、何年も経って、キャリアを築いてから。

でも今は、10代のうちに、ヨーロッパにわたって行く。

人の流れが、活発になっています。

そして、情報の流れは、もっともっと活発になっています。

4年に1度のワールドカップが、世界のトレンドを作り上げる。

そんなにゆっくりとしたものでは無くなりました。

南米もヨーロッパも、目指す方向性やその手法に大きな違いが無くなってきています。












 それは、選手のプレーにも現れています。

利き足しか使わない。

利き足を磨けば、それでいい。

その考えは過去のものです。

それは実際のプレーを見れば分かりますよね。

左右どちらの足でもコントロールする。

左右どちらの足でもシュートを打つ。

ドリブルでも、利き足だけでは運ばない。

ヨーロッパでプレーしている選手だけではありません。











 ここで、気を付けなければならないことがあります。

南米の選手は、小さい時から、ボールをたくさん触っています。

誰に教わるでもなく、自然にボールと共に生まれ、育ち、大きくなりました。

彼らは、利き足で自在にボールを扱える。

利き足にあれば、ボールは、どのようにも運べ、隠せる、蹴れる。

その選手が、プロ選手となる過程で、苦手な側の足も磨いている。

最初から、両足を扱える選手は、ごくまれです。

(私は見たことがありません。)

利き足がスペシャルな選手が、自らの選択肢を増やすためにトレーニングで後天的に身に付けたもの。

この選択肢とは、プレーだけではありません。

自分がプレーするポジションもそうです。

そして、所属するクラブもそうです。

出来るプレー・ポジションが多いと、自分のフットボールライフが豊かになるはずです。














 利き足だけにこだわるなら、それでも構わないと思います。

それは、その方の考えですからね。

でも、間違いなく言えるのは、限定された場所でしかプレーできない恐れがあるということ。

自分でわざわざ、可能性を狭める必要はない。

利き足だけにこだわっていると、プレーを遅く、狭くしてしまう。

私が関わらせてもらっている、ブラジルのクラブでも、左右差なくボールを扱うことを、育成年代から取り組んでいます。

利き足だけにこだわる指導は、過去のものになってきている。

posted by プロコーチ at 02:21| Comment(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月20日

南米のサッカーて、そうなんだ…1

 コパアメリカ。

堪能出来ましたか?

南米のサッカーが、ここまで話題に上がる時期は、ここ最近無かったのではないでしょうか。

近年、世界のフットボールシーンと言えば、ヨーロッパ。

チャンピオンズリーグ好試合、クラシコ、各国のダービーマッチ。

誰が活躍して、どのような戦術で、審判のジャッジが、応援が。

世界のスタンダードは、ヨーロッパにこそある!

それが、世界も、日本も当たり前の価値観のようですね。







 旧トヨタカップ、現クラブワールドカップ。

一昔前は、ヨーロッパと南米、どちらが勝つのか!?

手に汗を握る熱戦が繰り広げられていました。

まさに、クラブ世界一決定戦の名前にふさわしい、戦いでした。

戦績を見てみます。

80年代は、南米7勝、ヨーロッパ3勝。

90年代に逆転、南米3勝、ヨーロッパ7勝。

2000年代は、南米2勝、ヨーロッパ3勝。

ここまでは、ヨーロッパ有利になりつつある趨勢の中でも、南米勢が意地を見せる展開でした。

ここ最近は、クラブワールドカップと名前が変わり、レギュレーションも変わりました。

それ以降は、南米4勝、ヨーロッパ10勝。

ここ6大会は、ヨーロッパのクラブが連勝中。

圧倒的なクラブの力の差を、ヨーロッパ勢が見せつけています。












 そのヨーロッパのクラブで、南米の選手がたくさん活躍しています。

アタッカーだけに限らず、DF、GKまでも。

今回のコパアメリカでも、各国のエース級や、主力のほとんどはヨーロッパのクラブに在籍していましたね。

その彼らが、見せてもくれたし、魅せてもくれました。

我々日本代表にいい経験の場を与えてくれました。

そして、ヨーロッパのフットボールか、Jリーグが基準の日本人サポーター。

ここに向けて、素晴らしい授業をしてくれた。

今回のコパアメリカは、そのように感じています。

正直、まだ力の差がありましたね。

20年前のコパアメリカでは、1分け2敗、勝ち点1しか取れず、グループリーグ敗退。

今回のコパアメリカでは、2分け1敗、勝ち点2で、同じくグループリーグ敗退。

20年で我々は、進歩したつもりでいました。

ワールドカップ常連国、たくさんの選手がヨーロッパで活躍している。

でも、増えた勝ち点は、たったの1。

実質U23代表だったとは言え、悔しさが残ります。










 南米サッカーを観て、・・・・なんですね。

たくさんの感想や疑問を聞かせてもらいました。

その中から、幾つかを取り上げて、少しだけ解説していきたいと思います。



posted by プロコーチ at 02:27| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月21日

ブラジル留学

 今から、30年ほど前の話です。

日本のサッカー界に、小さな流行がありました。

それはブラジル留学です。

その前は、ごく一部の選手がドイツに留学する流れはあったようです。

30年前、それは三浦知良選手のブラジルでの活躍、帰国、読売クラブ・日本代表での活躍。

ワールドカップも、オリンピックも全く想像できない、暗い日本サッカー界。

暗闇を照らしてくれる、一筋の光のように感じてました。

少なくとも、私は、その他とは違うカッコ良さに憧れました。

その憧れを持った少年が、サッカー雑誌の広告を見て、ブラジルに飛び込んでいったのです。

今ではそれが、スペインに行く流れなのでしょうが、当時は断トツでブラジルでした。













 ブラジルでの刺激は、当時田舎の高校生だった私にとっては、強烈でした。

ワールドカップに出たこともない日本の、しかも田舎の高校生。

それが、ワールドカップを当時3回も制していたブラジルに行くのですから。

このような思いを持った中高生が、日本中から集まりました。(30人ぐらい留学生がいたのでしょうか。)

派遣先のクラブでのトレーニングを経て、サンパウロの様々なクラブと試合をしました。

州の2部や3部、三浦カズ選手が活躍した、ジャウーとも試合をしました。

何も分からずに、ただただガムシャラに試合を続けました。

当然、ブラジル人の方が圧倒的にレベルが高い。

それらならば、彼らのプレーをたくさん観察しよう。

そして、出来なくてもいいので、取り入れていこう。















 初めて、相手に認められた瞬間がありました。

それは、右サイドバックで出場した時の試合です。

一つ前の試合の時に、ブラジル人のサイドバックの守備を観察してました。

すると彼らは、相手に前を向かさないように、相手の体に後ろから、低くガンガン押し当てる?ぶつける?

まるで、相撲の立ち合いのようにプレッシャーをかけ続けていました。

(今は反則の基準が厳しくなったので、後ろからのチャージに今よりは寛容だった当時とは違います)

これだ!

私は、左ウイング、黒人選手だったはず、を徹底的にマークしに行きました。

後ろから、低く、ガンガンぶつかり続けました。

何度も、クルっとかわされ、抜き去られました。

それでもスピードには自信があって、何とか追いつく時もありました。

間に合わず、そのままクロスを上げられもしました。

それでも懲りることなく、プレッシャーに行き続けました。

普段の倍?ほど疲れて、試合後は、芝の上に座りこんでいました。

すると、相手の左ウイングが私のそばに来て、何かを話しています。

(やばい、ぶつかり過ぎて、怒らせてしまった?!)

意味が分からないので、困っていると、先輩の日本人選手が訳してくれました。

「お前の守備をほめてくれているぞ、いいプレッシャーでプレーしづらかったらしい。」













 南米の選手は、マークは厳しい。

そして、審判の基準が緩かったり、あいまいだったりします。

少しでもボールを持ちすぎると、足ごとボールを刈られたり、体ごと吹っ飛ばされたりは当たり前です。

そのような環境の中で、小さい頃から試合を積み重ねているのが、南米の選手です。

30年前の私のプレッシャーは、少しだけ、ブラジルの基準に近づけたようです。

だから、対戦相手が認めてくれた。

直に目にしたから気づけた。

体で体感したから、身をもって分かることが出来た。

あの基準を知れただけでも、私のブラジルでの時間は無駄ではなかった。

今でも、そう思います。

30年たって、ブラジルのトップクラブのトレーニングを目にするようになりました。

当時とは、少し変わっていますね。

でも、局面での厳しさ、球際の強さは変わりませんね。

ちなみに、攻撃面では、全く貢献できませんでした。

下手くその悲しいところです。












 コパアメリカを戦う、日本代表。

彼らは、ブラジル留学中なのでしょうか?

この前のチリ戦。

南米の基準に、やられてしまいましたね。

勇気の無い試合。

勇気のないプレーの選択の繰り返し。

いいプレーもたくさんありました。

でもその多くは、チリの選手が強度を下げた残り約30分以降。

キックオフからそこまでは、何とも腰の引けた、接触を怖がっているように感じました。

はっきり言うと逃げのプレーを選択し続けていました。

唯一、中島選手だけが、堂々とボールを受け、勇気を持っていつも通りの仕掛けを見せてくれていました。












 話題の久保選手。

18歳としては、素晴らしいと思います。

特に、残り30分で、相手がゆるめてくれてからは、ポジショニングもプレーの選択も相手に怖さをあたえてもいたでしょう。

それ以前は、なんてことはない、ただの普通の選手。

後半の途中から入ってきた、三好、阿部の両選手。

彼らのパフォーマンスと、久保選手を比べて、久保選手が上!と言えるでしょうか?

18歳には未来があるからと、期待値が高くなって、判断基準が甘くなるのは、プロ選手に失礼です。

ペレは、17歳でワールドカップに出場し、ゴールも決め、優勝しています。

エムバペは18歳でチャンピオンズリーグでゴールを決め、19歳でワールドカップで優勝しました。

若くて上げて良いのは、移籍金。

選手の評価は、年齢に関係なく公平な物差しを持たないと、おかしなことになってしまいます。













 1国を代表し、日の丸を漬けている選手が、留学とはおかしな話です。

でも、とてつもなく、いい経験をしているはずです。

おそらく、一生に一度しか味わえない環境。

親善試合や、日本での試合では味わえない、威圧感。

母国の国民の前で、みっともない試合は見せれないと、本気でぶつかってくる、胸板の分厚い選手。

長い芝も、少し暗く感じる照明も、レフェリーの基準も、観客の反応も、全てが将来の糧になるでしょう。

本気で、それらに立ち向かうから、本物の体験となり、将来の血肉となる。

残り最低2試合は戦えます。

さて、若き日本代表は、南米基準にアジャストし、さらに凌駕することが出来るのでしょうか。






posted by プロコーチ at 02:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする