2017年08月27日

勝利を求めて!

    サッカー王国ブラジル。
日本では、こう呼ばれています。

彼ら自身は、「フットボールの国」と呼ぶようです。

いずれにせよ、産まれた時から、ボールと共に生きています。

大人になっても、フットボール好きは変わりません。









  そして、産まれた時から変わらないものが、もう1つ。

応援しているクラブです。

どのクラブが好きなの?

と聞くと、〜〜が好きと教えてくれます。

理由は、とてもシンプルです。

例えば、親がパルメイラスが好き、お祖父さんの代からクルゼイロ。

家族全員、クルゼイレンセ(クルゼイロサポーター)なのです。

熱狂的なサポーターの中には、体ですさまじい忠誠心を表しています。

クラブのエンブレムや、マスコットのタトゥーを彫っています。

私も実際、何人も何人も、このタトゥーを目にしてきました。

我々には、ちょっと考えられない感覚かも知れません。











 芸術的な、美しい試合を愛しているブラジル人。

82年のブラジル代表が素晴らしい。

94年は、世界一になったけど、あのスタイルは好まない。

いや、俺は、97年のRoRoコンビが。

すぐ、仲間内で、討論になるのです。

ペレが一番。

俺は、ジーコが好き。

ネイマールは、ペレになれる。

個々の選手の評価も、討論の対象です。









 でも、やはり、勝負にこだわる彼ら。

応援しているクラブと言えども、それは同じ。

3連敗したら、監督を変えろ!の声が大きく上がります。

クルゼイロでも、ありました。

国内リーグ2連覇した後、国外に選手を引き抜かれました。

スペインに、中国、中東…。

主力級は、根こそぎ。

迎えた翌シーズンは、成績が上がってきません。

すると、監督がスパッと首を切られたのです。

2連覇させたばかりの監督と言えど、容赦ありませんでした。









  勝負にこだわる姿勢は、良いことだと思います。

勝負にこだわる姿勢が、球際の強さを生む。

ゴールに向かう意識を強める。

プロ選手になり、家族を食べさせる!決意をする。

そして、勝利を皆と分かち合う。

ですが、あまりにこだわり過ぎると、短期的な結果を求めるように。

長期的な視野に立って、チーム運営をすることが難しくなってしまうのです。









  今回のブラジル滞在で、2試合を観戦しました。

両方とも、クルゼイロの試合をホームで観戦。

ミネイロンと呼ばれる、大きなスタジアム。

ワールドカップやオリンピックでも使用されていて、6万人を収容します。

まずは、ブラジレイロンと呼ばれる国内リーグ。

クルゼイロは、リーグ戦、現在7位。

悪くはないですが、良くもありません。

対戦相手は、スポルチ。

知らないですよね?

フラメンゴや、サンパウロのようなビッグクラブではありません。

観客は、たったの1万人。

それでも、盛り上げようとしてましたが、スタジアムは空席が目立ちます。

ちなみに2対0で、クルゼイロが勝利。








  その、3日後です。

再び、ミネイロンへ。

今度は、コパドブラジルと呼ばれるカップ戦でグレミオとの対決。

日本なら、天皇杯でしょうか。

クルゼイロは準決勝まで勝ち上がりました。

アウェイの1STレグは0対1で敗戦。

この試合で、決勝進出が決まります。

すると、数日前から、クラブのスタッフがそわそわしていました。

「水曜日だな!」

「お前もミネイロンに行くのか?!」

「必ず勝つぞ。」









 迎えた当日。

スタジアムの周りは、お祭り騒ぎ。

多数のサポーターが、2時間前からスタジアムを囲んでいます。

花火が上がり、歌を歌う。

スタジアムに詰めかけた観客、なんと56000人。

この人数で、愛するクラブに声援を送り続けます。

試合は、PK戦を制してクルゼイロが見事、勝ち上がりました。

相手はPKを2回もポストにぶつけてしまいました。

5万人の大ブーイングが、プレッシャーを与えたのでしょうか?!

クラブも、サポーターも、至福の時間を迎えたのです。








  勝負にこだわるサポーターの声で、勝利を手繰り寄せた。

5万人を越える大ブーイングは、迫力ありました。

あの雰囲気は、言葉では表しようのないくらい、すさまじい空気。

でも、3日前の国内リーグでは、たったの1万人。

46000人は、どこから現れたのでしょうね。

本当に愛していると言うなら、いつも、あの雰囲気を作ればいいのに。

決勝戦は、おそらく6万人が詰めかけるはずです。

これもまた、ブラジルなのでしょうね。












posted by プロコーチ at 16:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月22日

我慢できない?

 ブラジル遠征中です。
 
小学生同士で試合をしました。

子どもたちは、いいですね。

言葉など分かっていないのですが、すぐにコミュニケーションを取り始めます。

ブラジルの子供たちの、人懐っこさに助けられながらも、日本人も少しずつ。

名前、年齢、あいさつ、数字などを教えあいます。









 ブラジルの子供たちの多くは、自分を表現しようとしますね。

攻撃にしても、守備にしても。

自分が、これをしたい!

その気持ちが、強くあふれています。

外から見ていても、感じ取れます。

上手い・下手、出来る・出来ないではない。

体の奥の方から、情熱が湧き出ているようです。










 その姿を、ブラジルの指導者は、見守っています。

ポジションも、判断も、無茶苦茶な選手が、ごろごろ。

それでも、選手を、じっと見ています。

成功しても、失敗しても、気にも留めない様子。

指示もほとんど、出しません。

そのチームがU10〜11だったことも、理由にあるでしょう。

ちなみにレベルは、ブラジルの平均レベルのスクールだそうです。









 1試合15分。

それを、4回行いました。

セットの休憩ごとに、ミーティングは開かれています。

そこで、話されていることは、大した内容ではありません。

けが人の有無や疲れ具合を確認。

次のセットのメンバーを発表。

「トレーニングしていることを、出してこい。」

その程度ですね。
















 彼らのプレーの特徴があります。

それは、ゴールめがけて、グイグイ進んでいくことです。

遠くからでも、多少無理そうに見えても、シュート。

前に飛び出して、パスを要求。

ボールを持ったら、目の前のDFと勝負のドリブル。

とにかく、ゴールへ、ゴールへと進む意識が強い。

守備は、相手の足元に、飛び込む。

襲い掛かるといった方がいいかも。

抜かれることは、あまり恐れない。

奪い返したい!その気持ちが守備の源泉でしょう。









 そのような、雑に見えるプレーをしても、怒鳴るコーチはいません。

ピッチ上の子供たちは、やらされている感覚は、感じないでしょうね。

のびのびと、自分が好きなフットボールをプレイしている。

ただ、その一点。

だから、失敗しても、ベンチの顔色をチラ見することはない。

失敗を恐れて、プレーが小さくなることもない。

何度も、取られて、何度も取り返して。










 ちなみに、ゴールへの強い意識がある中でも、パスをつないで試合を進めようとしていました。

ドリブルだけで試合を進めることは、ありません。

そして、ピッチの場所に応じたプレーを、少しずつ、理解している様子も見られます。

クルゼイロのスタイルである、パスをつないで、ゴールを目指す。

ドリブルも、パスも、シュートもある攻撃。

自由に見える彼らも、日々のトレーニングで、習慣を身に着けているようです。

そして、その根底に、ゴールを目指すという情熱がある。

私の眼には、なんとも、いい感じのバランスに映りました。









「コーチがパスを求めていても、シュートでしょ。」

「ここは、ドリブル、行っちゃうでしょ。」

子どもたちから、そんな声が聞こえてきそう。

それでも、我慢強く、見守っているコーチ。

長い目で育てる!強い意志。

それが、文化なのでしょうね。


posted by プロコーチ at 13:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

変化を恐れるひな鳥。

 ブラジルに研修、引率で来ています。

サッカーキャンプの優秀選手に、留学希望者。

中学生2人、小学生が8人。

彼らともに、クルゼイロの育成施設「toca1」でお世話になります。

それにしても、うらやましい。

その年代から、ブラジルを体験できる。

自分も、16歳の時に、初めてブラジルにサッカー留学に行きました。

夏休みの1.5か月弱という、短い期間。

それでも、その後の人生が、大きく変わるような衝撃を受けました。

挑戦している小学生や中学生にとっては、チャンスですよね。











 このチャンスを生かすか、無駄にするかの違いは、何か?

自分が連れて行って思うのは、本人そのものにあるのではないか。

最も無駄にする可能性が高いのは、環境の変化を受け入れない子ども。

「家のご飯が食べたい。」

「言葉が通じない。」

「普段とは、コーチに言われることが違う。」

今までに自分が育った環境と比べ、違いになげく。

いつもだったら、もっと上手く行くのに?!

やっぱり、日本が、自分の住んでいる環境が良かった。

ブラジルに行った意味が、これでは薄れてしまいます。

自分から、変化するチャンスをつぶしてしまっている。











 もう一つは、大事に育てられすぎている子供。

普段から、手をかけられすぎているのでしょうか。

最近は、6ポケットとか言う言葉もありますね。

我々の子供時代に比べて、子供一人に投下する手間やお金が大きくなっている。

傾向として、そのような子供は、自分で何もしなくなっています。

まるで、ひな鳥が口を開けて餌を待っているように。

口を開けていれば、親鳥が、せっせ、せっせと餌を運んで来てくれる。

「コーチ、時間。」

「コーチ、スパイク忘れた。」

そのような子供は、最小限の単語で、物事を伝えてきます。

おそらく、その先は、常日頃、察してもらっているのでしょうね。

このような選手も、環境の変化や、アクシデントに弱いです。

転ばぬ先の杖が無くなると、転んだ後の対応に困ってしまうのです。













 短い期間とは言え、お預かりする子供たち。

少しでも有意義な時間を過ごしてもらいたい。

そして、少しでも、いい変化を起こしてもらいたい。

ブラジルの食事や、環境を受け入れる努力を、共にしていく。

わざと丁寧でない接し方、察してあげない行動を取る。

さて、今年の子供たち10人に、いい変化が起きるのでしょうか。

楽しみに、頑張ります。
posted by プロコーチ at 11:10| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月15日

解放させる。

 クルゼイロのコーチたちは、エリート集団です。

そもそも、ビッグクラブで働いている、そのエンブレムを身に着けている。

それだけで、大きな誇り。

胸を張って、街中を歩きます。

その本体のコーチたるや、日本人の想像を超えるほどの、エリートなのです。

でも、その彼らは、全く、偉ぶる素振りを見せません。

笑顔が素敵で、フレンドリーであり、我々を尊重しくてくれます。









 日本の子供たちは、居心地よさそうに、トレーニングしていました。

南米人が醸し出す、楽し気で、開放的な空気を感じているのでしょうか。

あまり接したことがない、ブラジル人であっても、こわ張っていない様子。

コーチ側が、一方的な、権威主義的な態度を取っていないからでしょう。

こういう風にやってごらん、と促されると、素直に取り組んでいきます。

傍で見ていても、本当に、良い関係を築いています。

その信頼関係が、早い上達を生みます。

そして、上達を選手自身も感じているから、さらにコーチに近づいていく。

好循環が生まれていました。









 それでも、日本人は、まじめですね。

空気を読み合って、行動しようとしています。

集合して、コーチの話を聞く態度は、素晴らしい。

この部分は、「規律正しく、我々を尊敬してくれている。」と高評価です。

でも、この規律正しさが、プレーに制限を加えている、言わば足かせにもなっています。

失敗が許されない?

集団の、何となくの意思からはみ出したプレーは許されない?

心のどこかで、ブレーキをかけているようにも見えます。








 ある日、面白いトレーニングがありました。

「ミニゲームをしよう。」

用意するものは、ボールだけ。

ビブスも、マーカーも、コーンも、ゴールも、あえて用意しません。

自分たちの持ち物で、ピッチを作り、ゴールを作ります。

水筒、シューズ入れ、ウェア、なんでもOK。

ピッチの準備が出来たら、靴を脱いで、ソックスも脱いで、ハダシになります。

そう、ストリートサッカーを味わってもらうためです。

ちなみに、ブラジル国内でも、ストリートサッカーは減少しています。

都市化が進み、車社会が進んだ影響と聞きました。











 子供たちは、ざわざわと、落ち着かない様子。

でも、コーチたちは、特に、何も言いません。

3人組程度のチーム分けを手伝っただけで、後は、選手に自主的に始めてもらいます。

恐る恐る、試合が始まります。

とその時、スピーカーのスイッチをON。

軽快な、ラテンの音楽をかけるのです。

思わず、踊りたくなるような音楽がかかります。

すると、ハダシの子供たちのプレーも、変わっていきます。

持っている技や、フェイント、相手を驚かすようなプレーを、やりたがるのです。

今まで、正確に止め、運び、蹴ろうとしていた姿とは、正反対。

まるで、自分たちで押し殺していた、内側の深いところにあった何かが、飛び出してきたようです。

心が解放され、プレーで表現をし始めたのです。

コーチたちも、音楽に合わせ、体を揺らして、笑顔で見守っていました。

「それを待っていたんだよ!」と言わんばかりの表情です。










 日本人は、真面目過ぎる。

我々は、自己表現が下手。

そんなレッテルが貼られています。

自分たちも、それでいいと思っていたのかもしれない。

コーチや親が、子供たちの、まじめに取り組む姿を期待している。

子供たちも、それに必死で応えようとしているのではないでしょうか。

実は、本当の姿は、そうでないのかもしれない。

心が解放された、子供たちのプレーは、エネルギッシュで、ダイナミック。

そして、ボールを蹴る喜びにあふれていました。










 この喜びを知らない子供たちは、大きくなったら、いつか、引退してしまうのでしょう。

スポーツには、引退などなく、形を変えて、一生楽しめるもののはずなのに。

真面目に、真剣に取り組むことは、素晴らしいことです。

競技の世界で生きていき、プロを目指すならば、当然の態度です。

でも、心からの喜びを知ることも、同時に必要であると思いませんか?

それを知っている人間は、いくつになっても、フットボールを楽しめるでしょう。
posted by プロコーチ at 02:47| Comment(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月13日

熱中させる。

 好きこそ物の上手なれ。

「どんなことであっても、
 人は好きなものに対しては熱心に努力するので、上達が早いということ。」

                 引用…故事ことわざ辞典


 フットボール好きの気持ちを大切に、コーチングする。

そうすれば、選手たちは、どんどん成長していくでしょう。

我々コーチは、何をするのか。

まずは、じっと観察する。

そして、少しだけ、手助けをしてあげれば良いのではないでしょうか。








 では、苦手だと思っていること。

嫌いだと選手が感じているならば、どうすればいいのでしょうか?

大好きなシュートや、ドリブルは、子供たちは積極的に取り組みますよね。

一方、どうしても嫌がるようなプレーもありますよね。

でも、試合の中では、頻出するプレー。

放っておいては、ならない。

このヒントをクルゼイロのコーチから教わりました。







 ヘディング。

今の子供たちは、あまりトレーニングしていないのでしょうね。

ロケットが発射していくかのような両腕を閉じて、直立したままのフォーム。

目を閉じて、ボールを怖がってヘディング。

ボールタッチが得意な選手も、ヘディングとなると、レベルが落ちてしまいます。

私は子供たちに聞きました。

「1回のトレーニングで、ヘディングを何回くらいする?」

すると、驚きの答えが返ってきました。

最少は、0回。

多くても10回。

それでは、ヘディングが上達していないのも、当然です。










 サッカーキャンプの中で、毎回ヘディングに取り組む時間があります。

と言っても、二人組で向かい合って、手で投げてもらったボールをヘディング。

これを繰り返して、上達させる!のではありません。

最初は、現状を把握するために、向かい合ってヘディングしました。

すると、やはり、そのレベルは高くありません。

本当に、普段やっていないのでしょうね。




 さあ、クルゼイロ流のヘディングトレーニングが始まりました。

3種類ほどの、ゲーム性の高いトレーニングです。

そして、痛くならないように、ゴム製のリフティングボールから始めます。

これならば、仮に失敗しても、痛みは半減します。

バドミントン。

バレー。

サッカー。

点数を数えて、競争しながら。

子供たちは、笑いながら、嬉々として、ヘディングを繰り返します。

最後に、向かい合ってヘディングをしました。

びっくりするくらい、上達していました。

ボールをしっかり捉えて、強いボールが狙ったところに飛んでいきます。










 子供たちは、好きではない技術。

苦手意識を持っていたはずの技術に、前向きに取り組めました。

しかも、1時間もヘディングのトレーニングをしたのですが、嫌な顔になりません。

何百回も繰り返して、ヘディングに取り組みました。

その数と時間は、大人でもウンザリしてしまいますよね。

少なくとも、私は、やりたくありません。

でも、子供たちは魔法にかかったように、ヘディングを続けました。

そして、一気に上達したのです。










熱中すると、上達は早いです。

選手の心を動かすこと、コーチの大きな仕事の一つですね。





posted by プロコーチ at 23:16| Comment(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月12日

本当は大好き。

 ブログの更新を怠っていました。

すみません。

ようやく、仕事がひと段落したので、書かせてもらいます。





 今年も、ブラジルの名門クラブ「クルゼイロEC」を日本に招待。

4年目となる、クルゼイロサッカーキャンプ。

育成のプロフェッショナルを日本に招いて、小学生向けにサッカーキャンプを開催。

東京、大阪、埼玉、山口。

多くの選手に対して、指導。

準備も、イベントも、自分たちで作り上げるので、本当にやりがいがあります。

しかも、世界基準の指導に触れれるのですから、ありがたい限りです。









 4回目となると、クラブ側も、日本に対する理解が深まってきました。

最初は、ブラジルの子供に向けた、そのままをトレーニングしようとしていました。

もちろん、良い内容なのですが、日本の子供たちには受け入れられにくいものも、、。

それを、こちらから、日本の現状を伝え、彼らも子供から感じ取り。

少しずつ、さらに良いものに変化していきました。

今では、「この部分が、日本では足りない!」スペシャルメニューを作成してきます。










 参加する子供たちは、本当に変化していきます。

初日にできていなかった事が、時間を重ねるごとに、上達していく。

知らなかったこと、勘違いしていたこと。

そして、今まで、トレーニングしていなかったこと。

まるで、乾いたスポンジのように、吸収していく子供たち。

最終日には、初日とは、ガラッと変わった姿になっています。

ほんの、2時間×4日の8時間。

今まで、子供たちがトレーニングしていた時間に比べると、ごくわずか。

その何百倍も、トレーニングして来ていたことでしょう。

今までの努力が下地になっているのは、間違いありません。

良い刺激を与えると、良い方向に変化する。

毎年、プラスの変化を目にして、うれしい気持ちに感じています。









 これは、南米の指導者の特質なのでしょうか?

参加した子供たちは、笑顔にあふれています。

厳しいことを求める瞬間、キツイ言葉を投げかける瞬間もあります。

それでも、全体から、いい雰囲気が消えません。

子供たちは、サッカーを自らプレーしていました。

やらされている選手は、いませんでした。









 大人も、子供も、大好きだから、プレーしているのですよね。

それなのに、つらく苦しいものに耐えるような顔でだけプレーしている。

プロ選手、プロの手前にいる選手は、それが仕事・職業ですから。

当然、引き締まった表情になる。
 
その彼らでさえ、根っこの部分では、子供のころは、どうでしょうか?

誰よりも、フットボールが大好きだから、真剣に取り組んでいたはずです。









 子供のころに感じていた、とにかく大好き、だから上達したい!

ブラジル人指導者は、その部分を忘れてはならないと、改めて気づかせてくれました。





好きこそ物の上手なれ。

「どんなことであっても、
 人は好きなものに対しては熱心に努力するので、上達が早いということ。」

                 引用…故事ことわざ辞典




 
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2017年07月07日

ミスリードの原因は?

 少し前に、都道府県のトレセンのトレーニングを見てきました。

U15ですね。

間違いなく、日本でも有数のレベルの高さ。

ここから将来の代表選手が出てもおかしくない。

選手たちは、礼儀正しい子ばかり。

あいさつ、片付け、瞬間瞬間のふるまい。

いい意味で、よく躾けられた選手の集団でした。








 選手は、コーチの言葉を懸命に消化しようとしていました。

何か言われると、それを漏らさずに聞く。

コーチが求めているプレーを、いち早く表現しよう。

自分のしたいプレーよりも、コーチの求めるであろうプレーを。

やる気がみなぎって、いい空気を作っていました。

コーチとしては、あれだけ規律のある集団は、指導しやすいでしょうね。










 ただしそこから、少し残念な流れになりました。

守備についてです。

コーチはとにかく、球際を厳しく。

ボールに厳しく行くことを求め続けました。

「状況を見て、予測して」とは言いますが、この状況とはなにか?

コーチの頭の中は違ったかもしれませんが、選手たちはボールに行けるかどうか。

それが、最優先事項として、頭にあったでしょう。

なぜなら、ボールに寄せて奪えたらOK、ボールに行けなかったらダメ、という空気ですから。

すると、マンツーマンで、初めからマークをし続けるのです。

2対2でも、3対3になっても。










 そして、最後の締めくくりは、ゲームです。

5対5(4対4プラスGK)をハーフコートより、少し狭めの設定で行います。

この流れでゲームをすると、もちろん。

全ての局面でボールにプレッシャーをかけようとします。

DFが深い位置で持っても、GKに返しても。

全てのボールに、全選手が食いつき続けます。

1枚はがされると、カバーする選手は、間に合いません。

人についていくので、中央のスペースを明け渡しても、気が付いていません。

何度も、簡単な縦パスを通されてしまいます。









 コーチは、「人だけでなく、スペースも見ないと!」

大きい声でコーチングしますが、一度壊れた組織は、再構築されません。

それまでの1時間強をかけて、マンツーマンをベースとした守備をしていた選手。

もちろん、マンツーマンと言えども、危険なスペースを抑えておくのは、当然。

それを理解できていない選手たちは、未熟だったかもしれません。

人に行け!と言われても、危険なスペースを察知する。

ゴールを守るためには、当然なはずですが、、、。










 コーチは、選手の頭の中をのぞいているのか?

自分が伝えたいことばかりを、一方通行で伝えている指導はどうでしょう。

そのコーチのトレーニングセッションは、当たり外れが激しいはずです。

選手の共感を得られない可能性が、出てきます。

選手は、思うでしょう。

「言ってることは分かるけど、今はちょっと違うかも?!」

「それはそうだけど、何か違和感があるなあ。」

コーチングの最中、プレーをしているとき、そして、トレーニング終了後に振り返りながら。

選手の信頼を得ることは、難しい。











 選手をもっと見て、何が起きて、何を感じているのかを、理解したい。

頭の中までのぞけるくらいの、観察眼。

そうすれば、ミスリードは起こらないのではないでしょうか。
posted by プロコーチ at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月23日

何を成し遂げたのか?

 藤井 聡太

公式戦出場と公式戦勝利の史上最年少記録を更新。

そして、そのまま連勝記録を積み重ねました。

連勝記録で歴代1位タイの記録保持者。

さらに、プロ公式戦からの連勝記録で歴代単独1位。

天才棋士現る!!

連日マスコミに取り上げられていますね。








 





 清宮幸太郎

小学生の頃から、注目される、大柄のスラッガー。

早稲田実業高校で甲子園でも活躍。

高校通算、100本越えのホームランを打っています。

間違いなくプロで活躍する!

逸材として注目されています。

彼が出場する試合は、観客が増え、マスコミが押し掛けます。









 久保建英

バルサキャンプで認められ、そのままスペインへ。

バルサのカンテラに加入。

クラブのルール違反があり、日本に帰国。

FC東京の育成下部から、プロ契約を勝ち取る。

J3の試合に出場し、最年少記録を塗り替える。

日本のメッシと呼ばれ、将来の日本代表候補として嘱望されています。

こちらも、マスコミに繰り返し取り上げられ、取材規制されるほど。

久保フィーバーは、本当にすごいです。








 ここで、考えなくてはならないこと。

では、彼ら3人は、実際に何を成し遂げ、何を勝ち得たのでしょうか?

継続的に活躍しているのか?

手にしたタイトルは?

まるで彼らは、世界一に何度も成ったかのような取り上げられ方をされています。

実際は、数年後の将来に、活躍する確率が高い。

ただそれだけの、10代の少年たちです。








 この勘違いは、なぜ、どこから起きてしまっているのか。

我々の世代では起こりえなかった、何かを成し遂げてくれる期待。

昔憧れた選手の起こした奇跡の再現をしてくれると、夢を託している。

きっと、すごいことを成し遂げてくれるに違いない!!

我々は、彼らの輝かしい将来に、まぶしさを感じている。

その期待や夢は、多くの場合、裏切られていることも忘れて。










 今までに、天才少年と呼ばれていた選手は、たくさんいますよね。

久保建英の前の、Jリーグ最年少ゴールを決めたのは?

森本貴幸。

まだまだ現役で頑張っていますが、10数年前に期待された輝きでしょうか。


アトレティコマドリーのカンテラで戦っていた日本人選手もいますよね。

玉乃 淳。

ベルディのジュニアユースから才能が認められ、スペインへ。

3シーズンをスペインで過ごし、日本に復帰。

数年プロでプレーしましたが、大きなインパクトを残せていません。

引退してからの解説の方が、インパクトを残しているのかもしれません。


海外でも、同じような例はたくさんあります。

フレディー・アドゥー。

14歳でアメリカでプロ契約。

当時は、本当に騒がれていましたね。

デビューして数年は、将来メガクラブでの活躍が噂されていましたが、、。

まだ28歳ですが、全く話を聞かなくなりましたね。











 将来を期待し、想像を膨らませるのは、楽しいかもしれない。

でも、冷静に、判断する目を無くしてはならない。

そして、彼らが何かを成し遂げた時に、公平に、惜しまない賞賛を!
posted by プロコーチ at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月16日

シュート決めろよ!

「シュート決めろよ!」

試合やトレーニングで、選手がシュートを外しました。

すると、その選手に向かって、コーチが大声で怒鳴ります。

失敗したプレーをあげつらって、声を出す。

これで、いったい何が変わるというのでしょうかね。









 コーチの指導の失敗例の、最たるもの。

目の前の現象に対して、結果に対して、コーチングする。

それは、もはや、コーチングと呼べるものではない。

我々は、その結果がなぜ起きたのか?

プレーを一つ、二つ、三つとさかのぼって、考える必要がある。

そうすると、そこに、原因が浮かび上がってくる。

失敗には、理由がある。

目の前の現象を追いかけるだけでは、深い理解につながらないのです。

当然ですよね。









 イランで開催された、アジア最終予選。

イラク戦での失点シーン。

吉田、川島が、一部で戦犯扱いされています。

二人のミスで、、

特に、吉田でしょうか?!

「クリアしろよ!」









 その考えは、先ほどのコーチの失敗と同じ。

今野、遠藤、本田、長友、庄司、吉田、酒井、川島。

少なくとも、これだけの選手がミスをしています。

何度も、この失点シーンを確認してみてください。

特に、プレーを、いくつも、さかのぼって!

そうすることで、そこに、いくつもの原因が浮かび上がってくる。








 このように考えることが出来るかどうかで、フットボールの理解が深まるかどうかが決まります。


クリアしろよ、それだけではね、、、、。







posted by プロコーチ at 08:05| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月09日

まねしたわけでは無いでしょうが、、。

 チャンピオンズリーグの決勝戦。

予想外の大差になりましたね。

前半は同点で折り返したのですが、終わってみれば。







 レアルマドリードと、ユベントスとの間には、そこまでの差はなかったと思います。

決めるべき選手が決めたチームが勝利。

決めるべき選手を抑えられたチームが敗れてしまった。

みんなが、クリスチャーノロナウドに点を取らせるために動いていたように見えます。

FWのパートナーの二人からは、得点のニオイがしなかった。

でも、仕事はバッチリ。

ボールを前線で受けて、ためを作ったベンゼマ。

自由にピッチ上を動いて、攻撃のアクセントとなり続けたイスコ。

そして、この3人は、ペナルティエリアの幅を中心に動いていました。

3トップとは言えども、オランダのようにウイングが、サイドに張り出しているわけではない。

サイドに張り出して、両幅を大きく使って、中央を開ける意図は無かったようです。








 その仕事は、両サイドバックのカルバハルとマルセロが担っていました。

本当に高い位置まで進出して、攻撃に関与していました。

サイドバックという名前が相応しくないのです。

3トップが中央に、両サイドバックがサイドを高く。

この5人が、前線の攻撃を担当。

中からも、外からも、相手のゴールに迫って行きます。

それを支えるのが、中盤の3枚。

クロースとモドリッチの2人は、本当に賢くプレーします。

余計なプレーはしないので、ボールを奪われることが少ない。

右から左、左から右にボールを散らす。

前のスペースにボールを持ち出す。

派手ではないのですが、効いている選手でした。

カゼミロだけが、違う役割を持たされています。

ジダンが選手時代の、マケレレ役です。

相手を潰し、スペースを埋める。

前掛かりになるチームの中央を一人で守る、とてつもなく大きな役割。

チェルシーのカンテ、レアルのカゼミロ。

強いチームには、彼らのような超一流の汚れ役がいるのですね。

そして、GKのナバスと、CBのセルヒオラモスとバラン。

攻撃に偏ったチームの中で、大変な仕事量だったでしょうが、見事に守り切りました。

センターバックの2人が、カウンターアタックをさせない、最初のつぶしは、特に有効でした。

あれだけ広い範囲を守る機動力は、お見事。









 話は変わって、日本代表。

最終予選を控えた、対シリア戦を観ていると、気付きました。

ハリルホジッチ監督が、またも、新たな取り組みを見せているのです。

それは、今回のレアルマドリードと同じデザインを、ピッチに施している。

前回の1-4-1-4-1と並びだけは、似ています。

が、選手個々の持っている役割が違います。

相手を押し込んで、ボールも持ちながら試合を進める。

前線の5人(中央の3人プラス、両サイドの2人)

中盤の3人((組み立て役2人プラス、つぶし役の1人)

センターバックの2人とGK。

レアルマドリードのあれを、そのまま当てはめたかのようです。








 アジアでの戦い方を考えているのでしょう。

こちらがボールを持って、試合を進める。

相手は日本を警戒して、引き気味に来る。

その相手を崩すための、システムでしょう。

ハリルホジッチ監督は、指導力がない。

守備を固めて、奪ったら縦に速い攻撃しかできない。

そのように考えているなら、それは大きな間違いですね。

強いチームを相手にした時に、守備を固めて、奪ったら速い攻撃。

アウェイのオーストラリア戦で見せた、絶対にロースコアに持ち込む、負けない戦い方。

そして今回の、レアルマドリード型。

監督は、様々な状況に合わせて、戦い方を変化させて対応できるチーム力を高めようとしている。

本番に強いチーム作りを続けているのを感じますね。










 最終予選のイラク戦は、どの戦いを持ってくるのでしょう?

勝ち点3を取りにくるなら、今回のレアルマドリード型を出してくるのでしょう。

それとも、リスクを減らすために、まずは守備から入るのか?

試合開始のホイッスルが楽しみですね。
posted by プロコーチ at 07:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする