2008年07月04日

ボールを自在に扱えれるのか?

何度かこのコラムでも触れてきた、サッカーボール。
白と黒の、五角形と六角形の組み合わせで縫い合わされている。
こんなボールは、プロの試合では使われなくなっています。
特にこの数年で、目ざましい進化を遂げていますよね。
オールドプレーヤーにとっては、隔世の感があるのではないでしょうか。

私が小学生、中学生の頃には、本皮のボールが残っていました。
「公式戦の上の方では、このボールを使う」
今でも、覚えています。

表面が硬く、蹴ったら足に衝撃が残ります。
ヘディングをするのが怖い、痛い・・・。
特に水を吸って重たくなったボールは、トラップすらしたくないほど重量感でした。


そのボールが大きく変わったのが、2002年の日韓ワールドカップ。
この大会での使用球が「フィーバーノバ」
作りは、それほど変わっていない筈です。
皮の種類に秘密があったようです。

ものすごくボールが弾み、グンと空中で伸びました。
ドイツのカーン選手が、やたらパンチングを多用していました。
キャッチをするとボールの勢いに負けてしまう。
その恐れが少しでもあるときには、大きく弾く。
この判断に迷いがありませんでした。


2004年以降は、ボールを熱で張り合わせて作るタイプに変わりました。
すると、ボールは球体に近づくそうです。
さらに2006年からはプロペラのような形を組み合わせてボールを作っています。

 このボールの特徴は、とにかく飛ぶこと。
多少ボールの中心を外しても、なぜかボールは飛んで行きます。
思った距離の1.2〜1.5倍は飛んでいく感覚でしょうか。


 そして、曲がりにくいのも特徴のひとつ。
こすって、回転を掛けるのがカーブキックの蹴り方の1つ。
いくら回転を掛けても、曲がりにくい。
おそらく、前に飛んでいく力の方が大きいのでしょう。

 ここで意識するのは、ボールの中心。
こするよりも中心を少しだけ(数センチ)外して蹴る。
この蹴り方の方が、ボールに変化を生むようです。


 そして、最近流行のぶれ球。
ボールの中心を蹴り、わざと無回転でボールを蹴る。
グググ、と前に押し出すよううに強く蹴るのがポイント。
すると、空気の抵抗が大きくなり、ボールが不思議な軌道で飛んでいく。
野球で言うナックルのようなものだそうです。
最近のフリーキックでは、わざとこのぶれ球を蹴るのが1つのトレンドになっていますよね。

 蹴る時には、ボールにどれくらいの力を加えるか。
そして、どれだけ中心をずらすのか。


 ところが、トップ中のトップの選手たちも、まだこのボールを完全には使いこなせていない。
驚くようなキックミスが、今回のユーロでもかなり見られました。
このボールが登場して、まだ3年ほど。
頭では分かっている。
トレーニングなら狙ったとおりに蹴れる。
それでも試合のプレッシャーが掛かった中では、習得の浅さが感じられるのです。

 特に、ボールが思ったよりも飛びすぎる。
もう少し手前に、まいて落とすつもりのボール。
それが、ポーンと観客席まで届いてしまう。
ファーサイドにあわせようとしたボールが、誰もいないスペースまで飛んでいってしまう。

 最後の最後のラストパスでのずれは、あまりにも痛い。
おそらくとっさの瞬間には、テンションが高まりすぎる。
すると今まで、20年・30年続けていたキックの技術が顔を出してしまう。
昔からの蹴り方をしてしまい、ボールが思わず飛びすぎてしまっているのではないでしょうか。


 この種類のボールを、どれだけたくさん蹴りこんだのか。
おそらく小さい時から蹴り続けないと、身体の芯までは染み込ませることが出来ない。
技術とは、そういうものでしょう。

 
 最近の競泳界を席巻している、レーザーレーサー。
技術を身につけるためには、恵まれた環境、財力が必要になる世の中のようです。

 用具の進歩はいいのですが、置いていかれてしまうものが出てくるのには、
疑問を持ってしまいます。
サッカーにもその流れが。
何しろ、ボール一つ買うのに、2万円近くしてしまいますからね。

 サッカーの王様ペレ。
彼は、「ボールは丸い」
ボールが丸いことを理解できれば、上達していく。
そういった言葉を残しています。
時代は変わりました。
それだけでは、足りない世の中のようですよ。


posted by フットボールコーチ at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/102153122

この記事へのトラックバック