2009年06月16日

人を動かすエネルギー

 人は、何をエネルギーにして動いているのか?

車ならガソリン、蒸気機関車なら石炭。

医学的に考えるなら、口から栄養を摂取して、エネルギーに変換させて・・・。

進化の途中にある動物は、まさにそうでしょう。




 人間が動くためのエネルギーは、それに加えて、心の問題が大きくなってくる。

EMOTION(感情)からEを引いたら、MOTION(行動)になる。

使い古された例えかもしれませんが、分かりやすく表現されています。




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 日本代表チームのパフォーマンスが落ちています。

キリンカップでの、2回連続4対0での、快勝。

そして、ウズベキスタンに乗り込んで、タフな試合を勝ちきりました。

大きな目標の一つである、ワールドカップ出場権を勝ち取りました。



 ここまでの3試合の戦いぶりは、見ていて納得の出来るものでした。

プレッシャーの少ないキリンカップ、アウェーとは言え実力の劣るチーム。

いくらでも批判は言えるのですが、与えられた環境の中で、ベストを尽くした。

コーチも、選手も、何かを成し遂げようとしていました。

ポジションの確定していない選手たちは、アピールを続けていました。

それが、チームに活力を与えていました。






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 ところが、凱旋試合のはずのカタール戦では、低調なパフォーマンスに終始しました。

それまでの活力を、突然失ったかのような試合運びでした。

連戦、長距離移動に伴う疲労の蓄積が、全ての問題なのでしょうか?

それよりも、チームに変化が起こっていたのではないか?




 ウズベキスタン戦、試合後の選手コメントを聞いていて、ふと疑問が湧きました。

岡田監督のコメントとは、ずれが生じていたのです。

「これでワールドカップの出場権を取ったという事で、

ようやく我々の目標にチャレンジするスタートラインに立てたと。

これからがいよいよ我々のチャレンジだと。」

岡田監督は、これからが本番だ!とインタビューアーに答えていました。



 選手コメントの多くは、そうではありませんでした。

苦しい試合で、勝利を奪ったことの気持ちが一番に出ていました。

そして、ワールドカップの出場権を勝ち取ったことに力点が置かれていました。

岡田監督にとってはスタートラインですが、選手にとっては違うのではないか。

選手の心には1つのゴール(目標)という気持ちがあったのではないか?




 岡崎選手には、監督の気持ちが強く伝わっているようでした。

「ベスト4を目指すので、それまでに修正したい。

これで終わりじゃないですし、これから始まるので。」

試合後すぐの興奮状態でも、この気持ちを表現できる。

それは、本物の気持ちでしょう。






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 ところが、この気持ちを持つ選手で、チームを固めれてはいなかった。

それが、日本代表の現状ではないでしょうか。

選手コメントは、大きな課題を達成した安心感ようなものが多数を占めていました。

それが、カタール戦でのパフォーマンスを左右した部分は、大きいはずです。



 93年のドーハの時も、同じようなことがありました。

韓国戦に勝利し、満足し、泣いてしまった選手たち。

ラモス選手が、その姿を見て激怒していたのが、懐かしいです。

「何も勝ち取ってないよ!」

そのゆるい気持ちが、数日後のイラク戦での引き分け。

つまりドーハの悲劇につながった、一因とも言われています。







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 「心が変われば、行動が変わる」

 「行動が変われば、運命が変わる」

心を変えることが、自分の運命を決定付けていく。

指導の世界で、昔から言われています。



 例えば、チーム力には差があるチームが、ダービー戦でぶつかった。

実力差を越えて、接戦を繰り広げる。

実力的に低いチームが、劇的な勝利を収める。

心が、結果、運命までも変えてしまった、一例と言えませんか。




 コーチは、新たなエネルギーを選手に運ばなければならない。

心が強くなるための、エネルギーを。

運命を変えようと動き出す集団作りをしていく、それがこれからの仕事のはずです。



 おそらく、あらたな目標設定をすることで、この状況を打破するはずです。

チーム全員が迷い無く「ベスト4を目指す!」と言い切れる環境作り。

そして、ポジション・メンバー争いを仕掛け、お互いの競争を促す、環境作り。



 そうしないと、ワールドカップに出場しただけのチーム。

いい経験が出来ただけのチームになってしまう。

我々人間は、残念ながら弱い生き物です。

新たなエネルギー補給を、早く!
posted by プロコーチ at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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