2009年06月23日

センターバックに求めるもの

 フットボールの試合において、「こうでないとならない!」

攻撃はこうすべき、守備なら・・・。

定められたルール内で行われる限り、そんな決まりは存在しない。

コーチによって、要求や約束事が変わるのは当たり前。

コーチの部分を、クラブチーム、国の代表チーム、サポーター、マスコミに変えても同じです。

つまり、求められる選手の資質が、異なるのも当たり前なのである。

あえて言うなら、100%の正解は存在しないというのが、正解なのでしょうか。


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 世界には、長年にわたり、歴史を積み重ねているクラブチームや、代表チームがある。

そのチームには、厳然としたスタイルがある。

チームの歴史や重み、さらにはサポーターやマスコミが求めるスタイルです。

ポゼッションを求めるバルセロナ、常に芸術的で攻撃的であることを求めるブラジル代表。

0対0、もしくは1対0の試合に美学を求めるイタリア。



 全く同じプレーをしても、こちらでは褒められ、あちらでは叩かれる。

例えば、現在のブラジル代表。

率いるのは、日本でもおなじみのドゥンガ監督。

手堅い試合運びを行います。

チームのために!、闘える選手を選んでいるようです。

おそらく彼が、ヨーロッパでキャリアを重ねたことにも起因しているのでしょう。



 そのためか、ブラジル国内での人気が低い。

たとえ試合で負けなくても、批判される。

1対0で勝ち点3を奪っても、「イタリアみたいな戦い方でつまらない」と叩かれる。
 
ブラジルらしいと言えば、それまでなのですが。





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 チームの方向付けも、コーチによって、歴然とした違いがあります。

自分のやり方を押し付けるタイプのコーチ。

所属する選手に合わして、戦い方を決めていくコーチ。

足りない部分を、成長させるのに長けたコーチ。

足りない部分は、補強で埋めてしまうコーチ。


 実際の試合やリーグを戦わせる場面でも、違いが出てきます。

戦術家タイプ、育成が得意な教師タイプ、気持ちを盛り上げる演出家タイプ。

相手の良さを打ち消すのが得意なタイプ、自分たちの良さをとにかく出そうとするタイプ。

そして、守備の戦略、攻撃の戦略も、それぞれ違いがあります。

一年の中には、気候、ピッチによる、戦い方の違いも出てきます。



 これらのこと全てを組み合わせると、その可能性は無限に起きてしまうのです。
 




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 そして、これらの違いが、選手起用に現れる。

そのポジションの選手に、何の役割を求めるのか?

コーチによって、ガラッと異なってくるでしょう。

評価のポイントそのものが違うのです。




 では、センターバックに何を求めるのか?

守備のリーダとしての役割?それとも鉄壁のマーキング?



 
 以下は、テレビでもかなり有名な、ある指導者の意見です。

選手としても、指導者としても実績を残しており、これからさらに活躍されるであろう方です。

「中澤のような技術の低い選手は、代表にいらない。」

「止める・蹴るが出来ないではないか。」

攻撃の起点となるべきポジションなのに、その役割を果たせていない。

それが、低い評価の理由のようです。




 同じような理由で、オシム前監督も、中盤の選手を最終ラインで起用していました。

ジェフ時代には、信頼のおける選手を、海外から引っ張ってきていました。

プレッシャーを比較的受けない最終ライン。

ここでないと、ボールを落ち着かせることが出来ない瞬間が、現代フットボールには在る。

だから、GKにもDFにも、止める・蹴るの技術を求めたのでしょう。



 育成年代の代表チームでも、このポジションのコンバートがよく見られます。

ドリブルの得意な選手を、サイドバックにコンバートする。

展開力に優れた中盤の選手を、センターバックに抜擢する。

自分のチームでは、攻撃的な役割を持たされているにもかかわらずです。

これらはまさに、コーチの考え方が、選手起用に色濃く反映された例です。





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 もちろん、その考え方は、正解の1つでしょう。

「攻撃の始まりは後方(GK・DF)から、守備の始まりは前線から。」

攻めれないDFはいらない、守らないFWは必要ない。

これが現代、求められている考え方です。

甘えの許されないハードワークに、それに対する対応策、これを端的に表しています。



 が、中澤選手が必要ない、この意見には真っ向から反対したいです。

日本代表全ての選手の中で、失って最も困る選手が、彼ではないか?!

それくらい替えの利かない、素晴らしいセンターバックだと思っています。

守備における対人の強さに、数々の経験に基づく判断、セットプレー時の攻撃力。

現在、彼を越える選手は、誰だと言うのでしょうか?!

ただしこれも、私個人的な考え方に過ぎません。





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 例えば、阿部選手のオーストラリア戦でのマークについて、批判が上がっています。

2失点共に、ケーヒル選手のマークについていながら、決められてしまった。

そばに居たにもかかわらず、ボールに触ることすら出来なかった。

身体を精一杯に投げ出して、足先に、髪の毛にかすらせようとすることも出来なかった。

守備のスペシャリストではないことが、このプレーからははっきりと見て取れます。

ケーヒル選手が素晴らしいプレーをしたとは言え、残念です。



 プレーそのものについてもそうですし、起用がそもそも間違っているのでは?

批判は、岡田監督にも、向けられています。



 岡田監督は、マーキングを買っての、起用だったのでしょうか?

それならば、本職の選手が、2人もいました。

山口選手でもなく、槙野選手でもなく、ましてや呼ばれていない岩政選手や松田選手でもなく。

阿部選手よりも、人に強い選手、マーキング能力に長けた選手の選択肢はありました。






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 それでは、阿部選手には何の役割を求めていたのか?

少なくとも、守備のスペシャリストとしての役割ではないのでしょう。

そして、岡田監督の頭の中には、そのタイプの選手の評価が低いように、見えました。





 今回の敗戦で、その価値観に変化が起こるのかどうか?

ただし今までのような、コンバートが、トップレベルでは難しい。

通用するのは、若年層や、日本国内レベルまで。

オーストラリア相手に通用しないものは、トップトップのレベルでは難しい。

これが浮き彫りになってしまいました。



 
 理想と現実との間をいかに埋めるのか?

止めれない・蹴れない選手の技術を高めさせるのか?

それとも、守れないけど技術の高い選手の、守備力を上げるのか?

はたまた、選手に求めることそのものを、変えてしまうのか?

どのように、理想に近づけながらも、結果を残していくのでしょうか。

これも、コーチの腕の見せ所です。
posted by フットボールコーチ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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