攻撃はこうすべき、守備なら・・・。
定められたルール内で行われる限り、そんな決まりは存在しない。
コーチによって、要求や約束事が変わるのは当たり前。
コーチの部分を、クラブチーム、国の代表チーム、サポーター、マスコミに変えても同じです。
つまり、求められる選手の資質が、異なるのも当たり前なのである。
あえて言うなら、100%の正解は存在しないというのが、正解なのでしょうか。
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世界には、長年にわたり、歴史を積み重ねているクラブチームや、代表チームがある。
そのチームには、厳然としたスタイルがある。
チームの歴史や重み、さらにはサポーターやマスコミが求めるスタイルです。
ポゼッションを求めるバルセロナ、常に芸術的で攻撃的であることを求めるブラジル代表。
0対0、もしくは1対0の試合に美学を求めるイタリア。
全く同じプレーをしても、こちらでは褒められ、あちらでは叩かれる。
例えば、現在のブラジル代表。
率いるのは、日本でもおなじみのドゥンガ監督。
手堅い試合運びを行います。
チームのために!、闘える選手を選んでいるようです。
おそらく彼が、ヨーロッパでキャリアを重ねたことにも起因しているのでしょう。
そのためか、ブラジル国内での人気が低い。
たとえ試合で負けなくても、批判される。
1対0で勝ち点3を奪っても、「イタリアみたいな戦い方でつまらない」と叩かれる。
ブラジルらしいと言えば、それまでなのですが。
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チームの方向付けも、コーチによって、歴然とした違いがあります。
自分のやり方を押し付けるタイプのコーチ。
所属する選手に合わして、戦い方を決めていくコーチ。
足りない部分を、成長させるのに長けたコーチ。
足りない部分は、補強で埋めてしまうコーチ。
実際の試合やリーグを戦わせる場面でも、違いが出てきます。
戦術家タイプ、育成が得意な教師タイプ、気持ちを盛り上げる演出家タイプ。
相手の良さを打ち消すのが得意なタイプ、自分たちの良さをとにかく出そうとするタイプ。
そして、守備の戦略、攻撃の戦略も、それぞれ違いがあります。
一年の中には、気候、ピッチによる、戦い方の違いも出てきます。
これらのこと全てを組み合わせると、その可能性は無限に起きてしまうのです。
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そして、これらの違いが、選手起用に現れる。
そのポジションの選手に、何の役割を求めるのか?
コーチによって、ガラッと異なってくるでしょう。
評価のポイントそのものが違うのです。
では、センターバックに何を求めるのか?
守備のリーダとしての役割?それとも鉄壁のマーキング?
以下は、テレビでもかなり有名な、ある指導者の意見です。
選手としても、指導者としても実績を残しており、これからさらに活躍されるであろう方です。
「中澤のような技術の低い選手は、代表にいらない。」
「止める・蹴るが出来ないではないか。」
攻撃の起点となるべきポジションなのに、その役割を果たせていない。
それが、低い評価の理由のようです。
同じような理由で、オシム前監督も、中盤の選手を最終ラインで起用していました。
ジェフ時代には、信頼のおける選手を、海外から引っ張ってきていました。
プレッシャーを比較的受けない最終ライン。
ここでないと、ボールを落ち着かせることが出来ない瞬間が、現代フットボールには在る。
だから、GKにもDFにも、止める・蹴るの技術を求めたのでしょう。
育成年代の代表チームでも、このポジションのコンバートがよく見られます。
ドリブルの得意な選手を、サイドバックにコンバートする。
展開力に優れた中盤の選手を、センターバックに抜擢する。
自分のチームでは、攻撃的な役割を持たされているにもかかわらずです。
これらはまさに、コーチの考え方が、選手起用に色濃く反映された例です。
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もちろん、その考え方は、正解の1つでしょう。
「攻撃の始まりは後方(GK・DF)から、守備の始まりは前線から。」
攻めれないDFはいらない、守らないFWは必要ない。
これが現代、求められている考え方です。
甘えの許されないハードワークに、それに対する対応策、これを端的に表しています。
が、中澤選手が必要ない、この意見には真っ向から反対したいです。
日本代表全ての選手の中で、失って最も困る選手が、彼ではないか?!
それくらい替えの利かない、素晴らしいセンターバックだと思っています。
守備における対人の強さに、数々の経験に基づく判断、セットプレー時の攻撃力。
現在、彼を越える選手は、誰だと言うのでしょうか?!
ただしこれも、私個人的な考え方に過ぎません。
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例えば、阿部選手のオーストラリア戦でのマークについて、批判が上がっています。
2失点共に、ケーヒル選手のマークについていながら、決められてしまった。
そばに居たにもかかわらず、ボールに触ることすら出来なかった。
身体を精一杯に投げ出して、足先に、髪の毛にかすらせようとすることも出来なかった。
守備のスペシャリストではないことが、このプレーからははっきりと見て取れます。
ケーヒル選手が素晴らしいプレーをしたとは言え、残念です。
プレーそのものについてもそうですし、起用がそもそも間違っているのでは?
批判は、岡田監督にも、向けられています。
岡田監督は、マーキングを買っての、起用だったのでしょうか?
それならば、本職の選手が、2人もいました。
山口選手でもなく、槙野選手でもなく、ましてや呼ばれていない岩政選手や松田選手でもなく。
阿部選手よりも、人に強い選手、マーキング能力に長けた選手の選択肢はありました。
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それでは、阿部選手には何の役割を求めていたのか?
少なくとも、守備のスペシャリストとしての役割ではないのでしょう。
そして、岡田監督の頭の中には、そのタイプの選手の評価が低いように、見えました。
今回の敗戦で、その価値観に変化が起こるのかどうか?
ただし今までのような、コンバートが、トップレベルでは難しい。
通用するのは、若年層や、日本国内レベルまで。
オーストラリア相手に通用しないものは、トップトップのレベルでは難しい。
これが浮き彫りになってしまいました。
理想と現実との間をいかに埋めるのか?
止めれない・蹴れない選手の技術を高めさせるのか?
それとも、守れないけど技術の高い選手の、守備力を上げるのか?
はたまた、選手に求めることそのものを、変えてしまうのか?
どのように、理想に近づけながらも、結果を残していくのでしょうか。
これも、コーチの腕の見せ所です。
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