2013年04月26日

対人プレーの戦術

 バスケットボール、ハンドボールに学ぶことは多い。

ゴールを守り、ゴールを奪うことは、我々のフットボールと同じ。

大きな違いは、もちろん、手でボールを扱うこと。

手でプレーをする、最大の特徴は、ボールから自由になれること。

戦術的行動を取ることが、容易になります。

なぜなら、ボールを自分たちのタイミングで、出し、受けることが出来るからです。

相手を外すための工夫、フリーになる時間を作るための工夫です。









そのプレーの一つに、スクリーンプレーがあります。

ピック&ロールとも呼ぶようですが。

スクリーンとは、
過度の接触を起こすことなく、相手のプレーヤーの希望する場所への動きを、遅らせたり、制限する正当なプレーである。

引用…wikipedia、スクリーン(バスケットボール)


味方をフリーにするために、相手DFが邪魔。

相手DFの進路に入って、自分が通せんぼしてあげる。

通せんぼされたDFはぶつかってしまうか、遠回りを余儀なくされる。

自分が犠牲になって、味方をフリーにしてあげる。

フリーにしてもらった味方は、そのチャンスを逃さず、シュート、もしくは突破を図る。

バスケットボールの試合を観ていると、頻繁に出てくるプレーです。

バスケットボール経験者の方からすれば、何を今更というレベルの話でしょう。









 このプレーは、サッカー・フットサルでも見ることが出来ます。

例えば、戦術の進んだイタリアでは、育成年代に指導するグループ戦術の一つ。

ブロッコ。(ブロック)

攻撃2人対守備1人の局面。(2対2でも)

ボールを持っていない選手が、DFに近づいて進路を塞ぐ。

空いた道に、ドリブルで侵入していく。(シュートも)



アルゼンチンの考えを紹介してくれる亘崇詞さん。

指導者として、ベルディ、ベレーザなど様々なチームで活躍されています。

もしかすると、解説の方が有名なのでしょうか。

彼の原稿でも、同じような考え方が書かれていました。

同時に、日本ではあまり見ることがないけど、、と注釈がありました。



フットサル日本代表ミゲル・ロドリゴ監督。

彼の著書でも、紹介されています。

ブロック&コンティニュー。

フットサルで非常に重要な個人戦術がブロックである。

ボールを持っていない選手が、ボールを持った選手をマークするDFに

ファールにならない程度に体をぶつけて進路をふさぎ、ボールを持った選手を自由にする。

引用…フットサル戦術パーフェクトバイブル、(株)カンゼン









 このプレーが、チャンピオンズリーグ準決勝で使われていました。

バイエルンミュンヘン対バルセロナの1STレグ。

後半のバイエルン、ロッベンが3点目を奪ったシーンです。

右サイドでボールを持つと、中にカットインして左足でシュート!が大好きなロッベン。

彼が、またぎフェイントから、縦に突破し、シュートを決めた。

この時、応対しているジョルディ・アルバは、まだ完全に突破された訳ではなかった。

一瞬置いていかれそうになったが、まだ、スライディングをすればシュートを止められる!?

必死に内側から、ロッベンを追いかけて行きました。

その瞬間、バイエルン、ミュラーがDFの進路に入って来ました。

全く視野に入ってなかったジョルディアルバは、接触そして転倒してしまう。

フリーになったロッベンは、左足に持ち替えて、余裕を持ってシュート。









 見事なブロック。

バスケットボールならスクリーンプレーが発動された瞬間です。

後からスローで見直すと、ミュラーは途中からボールを受ける気は見えません。

ブロックするための明らかな意志を持って、ボールサイドに近づいて行っています。

顔の表情まで、知らんふりの演技をして、立ち止まっています。

「何も知らないよ、ぶつかって来たのはお前だろ」とでも言わんばかりの仕草でした。

バルサの選手は、反則をアピールして、何人も手を挙げています。

しかし、主審も、目の前で見ていた追加副審は、反則をとりませんでした。











 ただし、バスケットボールなら、反則を取られていたかもしれません。

反則になるか、ならないかの基準が幾つかあります。

その一つに、スクリーンをセットした後、移動したり体を寄せて、ディフェンダーの動きを妨害した。

静止してスクリーナーが見えない相手プレーヤーへ、通常の1ステップより近づいた位置にセットしてはならない。

わかりやすく言うと、定位置から動いてはならない。

オフェンスファールを取る時と同じように、自分の元々のポジションを取っていた!というアピールでしょうか。

見えていないジョルディアルバに、ミュラーは自ら近づいて行って、ぶつかっています。

イリーガルなスクリーンなのではないでしょうか。










 セットプレーでは、フットボールの世界でも、度々目にする、このブロック。

オープンプレーでも、有効であることが、大舞台で実証されました。

もしかすると、ここまで目立ってしまうと、レフェリーのチェックが厳しくなる??

それくらい鮮やかで、効果的なプレーでした。

こういった、個人・グループ戦術は、目立たないけど、試合を有利に運んでくれる。

証明してくれた、そんなゴールだったのではないでしょうか。
posted by プロコーチ at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/357397486
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック