2013年07月02日

積み重ねの成果

 5000回 VS 300.000回の差が現れた。

今回のコンフェデレーションズカップを見た、感想の一つです。

1回よりも、100回。

100回よりも、1000回。

繰り返し、その場面を体験している方が、成功率は上がってくるでしょう。

我々日本人で言えば、お箸の持ち方を、今更間違えない。

もしかすると、パスタの巻き方は、ぎこちない瞬間があるかもしれない。

その違いは、繰り返しの回数の差に、他ならない。








 プレッシャーがマックスになる、ゴール前のチャンスの瞬間。

相手DFは、必死の形相で、追いすがってくる。

GKは、大きな体で押し寄せてくる、待ち構えている。

味方の信頼に応えたい、心理的なプレッシャーも感じる。

その状況下で、冷静に技術を発揮することができる選手。

冷徹な殺し屋のように、一発で、確実に仕留める。

状況を見極め、どの技術を用いるべきなのか?

その瞬間の決断にも、間違いがない。










 これが、ブラジル代表の選手たちでした。

特に、センターFWを務めた、フレッジ選手(フルミネンセ所属)。

彼の決定力は、際立っていました。

ポストプレーをこなし、周りの選手が押し上げる時間を作る仕事もこなす。

彼が、体を張って、ボールをキープすることが、ブラジルの攻撃を分厚いものにしてくれました。

それだけでなく、コンスタントにゴールを重ね5試合で5得点。

見事、得点王に輝きました。









 彼のゴールは、ネイマール選手のような派手なシュートではありません。

華麗な!という形容は、おおよそ似合わないゴールです。

ただし、間違いなく、殺し屋の能力は研ぎ澄ませています。

決勝戦の先制点となったゴール。

右サイドから飛んできたクロスボール。

ジャンプしながら胸?でコントロールしようとしたが、2人のDFに挟まれ、転倒してしまう。

目の前には、GKカーシージャスが、体を広げ、壁のように迫ってくる。

フレッジは、寝転がったまま、ボールをインステップで捉えます。

しかも、GKの体の分だけ、ボールを浮かせるようにシュート。

最初は、偶然か?!とも疑いました。

ところが、蹴り足の足首は、きっちり固定されています。

さらに、フレッジは、一度もまばたきをせず、目をまん丸に開いたままです。

その局面の勝負を制するために、一瞬の油断もなく、仕留める。








 準決勝、ウルグアイ戦のゴール。

ネイマールが浮き玉のパスに抜け出し、胸トラップからシュート。

こぼれ球に素早く、反応し、走り込んできました。

ゴールの左側に、GKがずれたままポジショニング。

ゴールカバーのために、ウルグアイDFが2人張り付いています。

ここで、どんな選択をすべきなのか?

強いシュートを思い切り打ち込んで、運を天に任せる?

フレッジは、ジャンプしながら、ボレーシュートを打ちました。

右のアウトに薄く当て、ボレーシュート。

さほど強いシュートではありませんでしたが、サイドネットに吸い込まれて行きました。

どこまで狙ったのか、正直わかりませんが、明らかな意図は感じました。








 サッカー王国にブラジルに見る「決定力」育成法、APマリーニョ監修、東邦出版

最初に紹介した、5000回 VS 300.000回という数字です。

この本によると、7歳から14歳までの間の8年間。

ブラジルの子供は、120(1日)×365(毎日)×8(年)=300000回以上。

毎日4時間ミニゲームで遊び、2分に1回、ゴール前のシーンが訪れる。

日本の子供は、5(1日)×104(週2回)×8(年)=5000回未満。

この回数の差が、ゴール前での落ち着きの差となって、現れている。









 気持ちよく、打ち込むシュート練習。

フリーの、試合ではなかなか出てこない状況で、シュート。

これだと、ただのキック練習にしかなっていないのではないか。

真剣なゴール前の攻防を繰り返した経験。

その経験が、冷静な殺し屋のような、ストライカーを育ててくれる。

元々、才能をもった選手が、30万回の経験を踏むからこそ、フレッジのような選手が出てくる。

いつまでたっても、子供に11対11をさせている日本。

フットサルやスモールサイドゲームを育成年代で取り組んでいるかどうか。

フレッジが日本に生まれ落ちたとしても、あのような選手になれるのかどうか。

一度、真剣に考えなくてはならない問題ではないでしょうか。
posted by プロコーチ at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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