2013年11月09日

神の一歩

 2013U-17ワールドカップ。

日本は残念ながら敗れてしまいましたが、レベルの高い試合が続いているようです。

決勝は、ナイジェリア対メキシコでした。

どちらも、育成年代では結果を出しており、この年代では強豪と言えます。

決勝戦を観るにあたって、当然思い起こさせること。

それは、もし96ジャパンがこの舞台に立っていたら、どうなっていたのか?

対メキシコ、対ナイジェリア、相手を打ち負かすことが出来たのかどうか?








 私は特に、ナイジェリアの選手たちの身のこなし、ボールタッチに目を奪われました。

股関節の可動域が広いのか、体の平衡感覚に優れているのか?

元に入ろうが、体から離れてしまおうが、関係なくボールを支配下に置いてしまいます。

恐ろしく、反応が素早い。

どんな体勢からでも、次の一歩が出てくるのです。

ボールをコントロール出来る範囲が広い。

体が自在に動いて、ボールを広くコントロール出来るので、ボールと体とが一体化している。

メキシコからすれば、奪えているつもりでも、奪えていない。

抜いたつもり、外したつもりでも、ついてくる。

一人一人が、恐ろしい程にボールを持てるのです。

確かに、このような強烈な個と相対したら、1対1で勝負して勝てとは簡単に言えない。









 丸いボールは、どちらに転がるのか分からない。

だから、フットボールというスポーツは面白いとも言われます。
 
ナイジェリアの選手たちのボールタッチ。

彼らはボールが次にどこに転がるのか、予測出来ているのではないか。

そして、ある程度分かっているから、多少目測がズレたしても、対応が出来ている。

一言で言うと反応が速い。

ここからは、想像にしか過ぎないのですが、、。

その反応の速さを支える一つがピッチコンディションにあるのではないでしょうか。

彼らが育ったピッチは、決してカーペットのような芝や人工芝のピッチではないはずです。

アスファルトや、土のピッチすらあったでしょう。

芝といっても、穴ぼこだらけの、土のような、芝のようなピッチだったのではないか。

私が2010年に訪れた南アフリカでは、少なくともそのようなピッチを目にしました。










 バウンドが予測できないようなボコボコのピッチ。

そこでプレーし続けていると、何となく、次のバウンドが分かるようになる。

そしてとっさに、なぜか分からないけど、自分の足が一歩が伸びる。

神の一歩とも言える、まぐれにも等しい一歩。

ところが、それを続けていると、神でもまぐれでもなく、自然に一歩が出てくるのです。

それが、ボールタッチの懐の深さや、足がグッと伸びる感覚につながっている。

付け加えて言うと、コントロールミスをしてボールが浮いてしまった時の対応も慣れている。

相手を感じて体を入れる、腕を伸ばしハンドオフ。

これも、幼い頃からの積み重ねです。









 天才と言われ、今はアカデミーでコーチをされている、菊原志郎さん。

こんな伝説があります。

子供の頃、父親の発想で、階段を上り下りさせられていた。

もちろんボールと一緒に、団地の階段を上から下まで。

上に上がる時は、ヒョイヒョイとボールを持ち上げる感覚を養う。

下に降りる時は、足を差し出す感覚が養われる。

ボールが階段のどこに当たるかを見れば、ボールがどこにどれくらい弾むか。

最初は分からないけど、繰り返す内に、分かってくる。

ボールが行く先に、サッと足を差し出し、次につなげていく。

天才と呼ばれた志郎さんのボールタッチは、このようなところでも磨かれた。











 この伝説は、20年以上前のサッカーダイ*ェストに掲載されていました。

ナイジェリアの選手たちを観ていて、この伝説を思い出しました。

思い出して、家の階段で試してみました。

神の一歩は、そう簡単には出てきません。

物が壊れ、自分が怪我をするのが先か、神の一歩が出てくるのが先か。
posted by プロコーチ at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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