2016年01月14日

サイドを崩す

 今年も熱い戦いを見せてくれた、高校選手権。

制したのは東福岡。

決勝戦は意外なほどの大差でした。

プロに行っても通用するのでは?と思わせてくれる選手も、ちらほら。

ユースとの比較で、レベルの低下が言われています。

まだまだ、高校サッカーも健在ですね。

それどころか、クラブユースとの競い合いで、サッカーの質も高まっているように感じました。

守備を固めて、ボールを蹴飛ばすだけの、トーナメント仕様の戦術。

それでは、勝ち上がっていくことが出来ないのが、現在の選手権です。










 優勝した東福岡。

東福岡と言えば、サイドアタック。

スピードあふれるサイドアタックで、相手チームを切り裂いていく。

10数年前の印象でしょうか。

忘れられない選手と言えば、古賀誠史。

卒業後は、マリノスやアビスパで活躍しました。

本山、千代反田、山下など、他にも素晴らしい選手はたくさん輩出しています。

古賀は、左サイドをグイグイと切り裂いて、ドカーンとパンチの利いた左足のキック。

サイドアタックに特徴のある、東福岡らしい選手ではないでしょうか。









 今回のチームも、サイドアタックに特徴を見ることが出来ました。

それは、個人というよりも、サイドへの関わり方。

サイドの高い位置でボールを持った時に、周りの選手がどのように関わっていくのか?

サイドチェンジ、2列目の飛び出しなのでボールを受けた時には、目の前にはスペースが。

迷うことなく、ゴールに向かって、ボールを持ち出します。

では、サイドの高い位置でボールは受けたものの、相手SBに対応されている。

よく見かけるのは、味方のサイドバックが外を回ってオーバーラップラン。

数的有利を生かして、サイドの崩しを図ります。

これは、定番中の定番ですが、効果は大きいです。

瞬間的にでも、2対1を作ることが出来れば、サイドは崩せますからね。










 もちろん、東福岡も、このオーバーラップランは何回も見せてくれました。

印象的だったのは、違う崩しです。

それは、フットサルで言う「パラ(パラレラ)」「パラレル」の動きです。

中央の選手が、ボールを持った選手の前のスペースに向かって、中から外に斜めに走っていく。

サッカーでは、ダイアゴナルランと呼ぶこともありますね。

ボールは、中を警戒している選手をあざ笑うように、タテへパスを流す。

つまり、ラインに平行のパスコース(パラレル)に、パスを出す。

中は警戒していても、外は警戒が緩いことを活かした、このパラ。

フットサルのように、スペースがない状況でも、有効な崩しです。

これ一発でゴールまで!というのは厳しいですが、サイドをえぐるのは、難しくない。











 この動きをされると、守備側の対応が難しくなります。

出し手をマークしている対応、ランニングへの対応、この両方です。

出し手をマークしている、ONの対応はどうなっているのか?

守備者は、常にゴール方向を意識しながら、守備を行います。

つまり中。

中を厳しく警戒すればするほど、縦方向は空いてしまう。

縦が怖くても、中を空けてまで、縦をつぶすのは、最初から出来ない。

さらに付け加えると、自分の後ろを走っている選手を、背中で感じながら守備するのは、難しい。


 次に受け手、OFFの対応はどうなっているのか?

中央から外へのランニング。

これに付いて行ってしまうと、中央にスペースが生まれてしまう。

そうは言っても、マークを受け渡す味方は、存在しないことがほとんど。

マークを流すことも出来ず、中央を空けることも出来ず。

ジレンマを抱えながら、どちらかを諦めてしまう。

となれば、外のスペースへダイアゴナルに走っていった選手を諦めることが多いでしょう。











 つまり、守備側は、即興でこの動きに対してバランスをとることが難しいということです。

予め、この動きに対する、準備を話し合っておかなければならない。

どこまで付いていくのか?どっちのコースを切るのか?

私も、この動きを多用するチームとの対戦は、嫌なものです。

最低でも3人のDFが、意図を合わせなければ、穴が生まれてしまう。

賢いチームは、パラの戦術にとらわれず、その穴を突いてきます。

増々、対応が難しい、、。












 東福岡が見せてくれた、サイドアタック。

なかなか見ごたえがありました。

ただ、イチフナは、東福岡を自由にさせませんでした。

様々な工夫をしてサイドを崩そうとしましたが、かなり苦労していました。

パラもオーバーラップも、ドリブルも、さまざまな崩しを見せましたが、、。

結局、無得点のまま、80分が終わりました。

3回戦で見るには惜しいカードでした。

イチフナは早々に散りましたが、ファイナリストになっても、おかしくないレベル。

準決勝、決勝を見て、改めて感じました。

このような素晴らしいライバル関係が、お互いを高め合うのでしょう。

伝統高の復活、新しいチームの台頭。

来年の選手権が、今から楽しみです。

posted by プロコーチ at 01:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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