2016年07月01日

ポルトガル対ポーランドから

   レナトサンチェス
まだまだムラがありますが、いい選手です。
昨年までは、母国のベンフィカでプレー。
まだ、18歳の青年です。
既に、チャンピオンズリーグでも大活躍。
個人的に、昨シーズンは、ベンフィカに注目してました。
ベスト8に進出したクラブを、中盤で支えていました。


見た目が派手なので、勘違いされるかもしれません。
実は、とても堅実で、真面目。
生まれ持った何かに頼る選手ではありません。よくトレーニングされた選手です。
ボールを止める、蹴る、運ぶの技術が高い。
ボールを受けるために、相手DFを確認。
スペースを探しながら、ボールを要求します。
止める技術が高いので、DF間の狭い場所でも問題無し。
ボールを出して、そのまま止まらずに走る。
スペースがあれば、グンと持ち出して行きます。




現地で見ると、彼が、トレーニングされた選手だと分かりました。
戦術理解度が高く、遂行能力も高い。
右足が利き足だと思います。
でも、相手との距離や、寄せ方に合わせて、使う足を変える。
右足でブロックしながら、左足でプレー。
利き足だけに頼っていると、選択肢を減らしてしまう。
先制点は、右足でトラップ。
相手が右足側からプレッシャーに来る。
ファーストタッチで、左足の前に置く。
そのまま、迷うことなく左足を振り抜き、ゴール。
両足を高いレベルで使いこなせ!
そのような指導を受けて育ったはずです。

ポルトガルは、前後半で、中盤を変えて来ていました。
前半は流動的に、ポジションを変えていました。
4人が、中央寄りでプレーし、サイドのスペースを空けていました。
ダイヤモンドのイメージでしょうか。
サイドのスペースは、オーバーラップしてくるサイドバックが使う。
レナトサンチェスは、右寄りでプレー。
ただ、この作戦が全く機能しない。
両サイドに、常に2枚の枚数をかけるポーランド。
ポルトガルは、サイドに人を配置していない。
サイドの攻防で、ポルトガルは常に後手に回ってしまった。
ポーランドの先取点は、ミスもありましたが、その典型。

ちなみに、ポーランド。
10番のクリホビアクがビルドアップの鍵。
味方のセンターバックの間に、落ちる。
センターバックを開かせます。
そして、両方のサイドバックを高い位置につかせる。
サイドを崩して、中央の二人に点を取らせる。
レバンドフスキーと、ミリク。
チームのストロングポイントを最大限に活かす。


後半、ポルトガルは、中盤の構成を変更。
戦い方も変更。
4人がフラットに並びました。
サイドバックとサイドハーフとの連携を高めました。
サイドの二人が、縦関係を強化しました。
この作戦変更が、大当たり。
サイドのスペースを埋め、バランスが良くなりました。

レナトサンチェスは、左にポジションを変えました。
流動的な動きはしません。
タッチラインいっぱいに開く。
開いてボールを受けて、攻撃の起点になる。
サイドバックと連携してサイドの攻防で有利に立つ。
前半とは全く違うタスクを平然とこなしていました。





彼、レナトサンチェスの気持ちの強さを感じるシーンが2つありました。
1つは、先制点のシーン。
その直前に、右サイドからクロスを上げています。
比較的、余裕があったのですが、精度が低く、クリアされました。
すると、中に走り込んでいた、キャプテン・クリスチャーノロナウド。
激しい形相で、叱責しました。
「なんだ!そのボールは!!」
「もっといいボールを上げろ!」
とでも、叫んでいたかのようです。

すると、さらに、ベンチからも叱責されるレナトサンチェス。
こちらもまた、強い口調で言われていました。
単なる指示を受けていた様子ではありません。

彼の気持ちの強さが見えたのは、この時です。
この後、すぐに、先制点が生まれます。
冷静に、豪快に、同点に追い付くシュートを叩き込みました。
すると、ベンチを指差しながら、叫んでいます。
「見たか!!」
そして、クリスチャーノロナウドとも、ガッチリとハグ。
その堂々とした態度。
18歳には、見えませんでした。

もう1つは、PK戦のシーン。
2番手のキッカーとして登場。
ポーランドサポーターが待ち構える、目の前。
サポーターが地面を踏みつけて、スタンドを揺らします。
ブーイングに口笛を、容赦なく浴びせます。
彼は、顔色1つ変えず、平然としていました。
左の上隅に、強烈に決め、サポーターを黙らせたのです。




彼は、18歳にして、プロの競争の場に、身を置いています。
世界で最もレベルが高いとされる、チャンピオンズリーグにも出ています。
もう、一人のプロ選手として、競争をしているのです。
周りの、大人たちも、あえて厳しく求めているのでしょう。
「もっと出来る」
「それではダメだ」
有望だからこそ、厳しく接する。
そして、彼自身も、それに応えていく。
こうして、成長していくのでしょう。
伝統ある国は、選手の育て方を知ってますね。
勘違いから、潰れてしまった選手など腐るほどいるでしょう。



レナトサンチェス。
今後、彼は、どのような選手に育って行くのでしょうか?
単な良い選手で終わるのか。
それとも、伝説的な選手に登り詰めるのか。
まずは、試合中に消える時間帯を減らさなくては。
とにかく、楽しみな選手の一人です。





posted by プロコーチ at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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