2016年07月24日

試してみました。

 何度もお伝えしている、ユーロ2016。

今回の大会の特徴として、リアクション型チームの台頭が挙げられます。

優勝したポルトガルを始め、ウェールズ、アイスランドの躍進、イタリアの意地。

これら全て、リアクション型。

堅い守備から、カウンターアタックを武器としたチーム。

元々、このような戦いをしたいわけではないのかもしれない。

自分たちのチーム力と、対戦相手とのチーム力とを比べる。

結論が導き出されたのでしょう。

「自分たちがボールを持ちながら、試合を進めていくことは出来ない。」









 そのように守備を固めるために、どのような方法を選ぶのか?

モウリーニョ監督がインテルでチャンピオンズリーグを掴んだ、あの方法。

ゴール前に2台バスを停めた!と例えられました。

低い位置にフラットなDFラインを、4人で形成。

その前に、同じく4人でMFラインを引く。

8人で、ゴール前のスペースを圧縮させ、相手の侵入を許さない。

その系譜は、アイスランドや、アルバニアに受け継がれています。









 今回特徴的だったのは、ウェールズやイタリアに見られた方法です。

3人のセンターバックで、中央を固める。

さらに、両サイドのウイングバックを最終ラインに落として、5バックに。

その5人の前に、中盤のセンターの選手が門番のように待ち構える。

7人、8人で低い位置にブロックを形成します。

攻撃は、ある程度割り切って、守備を優先しています。

中央も、サイドも、バイタルエリアも、スペースを先に埋めてしまう。

さらには、前線の3人も、最終ライン近くまで守備に戻ることをいとわない。

相手のサイドバックがオーバーラップを仕掛けてきた時などは、躊躇なく後ろまで下がります。

ここまで、スペースを埋められて、人数を掛けられると、簡単には崩せませんよね。

そしてボールを奪ったら、前線の3人を起点に、カウンターアタック!

カウンターアタックがはまらなくても、何とかロースコアの展開に持ち込み、チャンスをうかがうのです。











 先日、帰国後すぐに、社会人リーグの公式戦がありました。

対戦相手は、リーグの強豪として名高い、何度も1部で優勝を重ねているチームです。

私は、仲間たちに、3バックの導入を提案しました。

「ボールを持てるチーム、パスをつないでくるチームには有効だ!」

仲間たちは、突然の提案でしたが、納得し、取り組んでくれました。

15年以上、4バックで戦っている我々です。

さて、どうなるのでしょうか?

学生時代には3バック全盛時代でしたので、自分自身馴染みありました。

長所も、短所も、身に染みてわかっています。

そして、何より、3バックの成功例を見てきたばかりですので、自信はありました。








 3バックの欠点と言われるのは、3センターバックの両脇のスペース。

ここをどのように、管理するのか?

そして、ウイングバックの選手に、どの高さでプレーさせるのか?

この2つが、試合を進めていく上での、大きなポイント。

・ビルドアップの能力が高いかどうか。

・ウイングバックの体力はどこまであるのか。

この条件を当てはめていくと、ウイングバックの高さが調節できます。

我々が選んだのは、こうです。

ボールサイドのウイングバックは、相手のサイドハーフにプレッシャーをかける。

逆サイドのウイングバックは、ストッパーの位置までは下がらない。

出来るだけ5バックにならずに、3バックで対応する。

では、3バックの両脇のスペースは、誰が管理するのか?

ボールサイドは、スイーパーに入る選手(私)が、全部カバーに行く。

ウイングバックの背後も、ストッパーの背後も、全部スイーパーがカバーします。

逆サイドのスペースは、ウイングバックが対応。

でも、そこは、ボールが入って、初めて落ちるように。








 対戦相手は、本当に強かったです。

ボールは動かせる。

一人一人が、判断しながら、ポジションを取りながら、攻撃を進めていく。

中央も、サイドも、広く使いながら、丁寧に組み立ててきます。

こちらの薄い場所を見つけ出し、フリーランニング、そしてパス。

唯一、ドリブルで仕掛けてくる選手が少なかったのが、欠点でしょうか。

チャンピオンチームにふさわしい、堂々たる試合を展開していきました。













 でも、これら全て、織り込み済みです。

粘り強く、対応。

普段よりも、多く声を掛け合いながら、組織を作りました。

マークの受け渡しや、ポジショニングを確認をこまめに。

そして最後は、体を張って、相手の侵入を許さない。

対戦相手も、中に入ってこれなくなりました。

少し力任せに、サイドからクロスを入れて、合わせる回数が増えてきました。

でも、単純にクロスを入れてくるだけではありません。

ファーサイドまでクロスを入れて、折り返して、走り込んできます。

我々のマークをずらしたいのでしょうね。

暑い中で、熱い試合が続きました。

ロースコアの展開。








 結果は、見事2対1で勝利!!

今まで、勝ったことがない相手でしたが、狙いがズバリ。

ロースコアの展開に持ち込み、カウンター2発で逆転勝利。

最後まで、全員が体を張って、ボールを奪い、ゴールを守りました。

時間の経過と共に、イライラする対戦相手。

こんなはずではなかった?!

我々にとっては、当初のプラン通り。

美しい試合ではないかもしれませんが、気持ちの入った試合だったのではないでしょうか。

まるで、私が観戦してきた、ウェールズ対ベルギーのような熱戦。

3バックが機能し、相手の自由を奪い続けたのです。

我々のチームに、1つオプションが増えたかもしれません。
posted by プロコーチ at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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