2016年08月01日

スタートの違い

 「日本人は規律正しい」

 「日本の子供は、規律正しい」

外国のコーチと仕事をすると、必ずといっていいほど、このように言われます。

ところが、試合においては、戦術的行動を取れない。

ピッチにおける約束事を守れない。

相手選手に囲まれても、ドリブルをして奪われる。

ゴールから遠い位置でも、近い位置でもプレーが変わらない。

規律正しいはずなのですが、規律を守れていない。








 おそらく我々は、儒教の教えが、生活に根付いている。

昔に比べると、薄れてきているでしょう。

人生の先輩方には、「近頃の若い者は!」とお叱りを受けていても。

まだまだ。

年長者を立てる、親を大切にする、先生の話を聞く。

当たり前のように、子供が小さいころから、教えられていることでしょう。

ですから、サッと集合し、コーチの話を聞いている。

この姿を見れば、規律正しい選手たちだと、思われるでしょうね。










 一方、個人の権利を最大限に主張する人々も、世の中には多数います。

個人が、自分の考えを強く持ち、自分の権利を主張する。

空気を読んでいては、自分の権利をそこねてしまう。

そうならないように、自分の考えを持ち、相手に伝えていく。

これは、フランスに訪れたとき、何度も感じました。

集団の利益よりも、まずは自分の利益。

自分の権利を脅かされないように、自分の権利を主張する。

スタジアムに向かう混雑、長距離移動の電車、満員のレストラン。

特殊な状況になっても、それは変わるようには感じられませんでした。









 先日、私のスクールにヨーロッパ生まれの選手が参加しました。

相手ボールになれば、常に、ボールを奪いにいく。

コースを切って、次に奪わせることはありません。

常に、狩人のように、ボールを狙っていました。

攻撃になれば、とにかく前進。

引っかかろうが、止められようが、とにかく前進。

ゴールに向かって突き進みます。

このような選手に、問いかける必要はなさそうです。

「サッカーの目的はなんですか?攻撃の目的はなんですか?」

常に、常にゴールに向かい、ボールを奪おうとしているからです。










 日本の選手は、こうはいきません。

横パスに逃げる、なんとなくドリブルをする。

守備になると、相手の前に立って、コースを切って、おしまい。

そのような選手には、常に発し続けなくてはならない。

「ゴール見てた!?今、前に行けたよね!?」

「もう少し寄せれなかった?」

空気を読みすぎる我々。

儒教の教えが、マイナスに働いてしまっているのでしょうか?

典型的な日本人に対しては、もっと、自分の権利を強く主張しても、いいのかもしれません。








 ヨーロッパからの受講生。

ボールタッチは固く、動きも滑らかではありません。

日本人が考える「うまい」選手ではないでしょう。

でも、間違いなく「怖い」選手でした。

彼に指導するなら、ポゼッションや、攻撃の優先順位を身につけさせたいですね。

そうなれば、怖さと賢さとを併せ持った、いいアタッカーになってくれるでしょう。










 もちろん、日本人の中にも、ボールを奪える、ゴールに向かえる選手もいます。

そして、その逆も。

スタートの違いを見ることで、指導のアプローチを変えていきたい。
posted by プロコーチ at 01:41| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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