2016年08月28日

40年以上前から、地域の人と共に。


 ブラジルでは、総合型スポーツクラブが多数あります。

地域に密着して、人々がスポーツと共に生きている。

私が研修中のクルゼイロも、sede campestreという名の総合型スポーツクラブを保有しています。

多くのフットボールクラブが、総合型のスポーツクラブを持っているようです。

日本では、標榜しながらも、未だ数少ないのが現状です。

あまり、イメージが浮かばないのかもしれません。











 例を挙げます。

家族が揃って、スポーツクラブにお出かけします。

施設のゲートをくぐるのは、家族一緒。

でもそこからは、別々に行動出来るのです。

お父さんと息子はグラウンドに向かいます。

お父さんは、仲間たちと試合をし、息子はサッカースクールに。

お母さんはフィットネスやプールに、お姉ちゃんはバレーボールやペタンクのコートへ。

もし、小さい子供がいれば、施設内にある託児所に預けることも可能です。

もちろん、一緒に過ごすための設備も整っています。

グラウンドのピッチの周辺や、プールの脇には、バールが併設されています。

そこで、軽食を取りながら、応援するのです。

試合を終えたお父さんが、仲間たちと一杯する姿もあるでしょうね。

シャワーを浴びて、更衣室で着替えて、家族で帰っていきます。











 今回は、ここを見学させてもらいました。

施設が完成して、46年経っているので、ピカピカ!というわけではありません。

ですが、多くのスタッフが、清掃、メンテナスを常にし続けています。

私が訪れた今回も、多くの場所で清掃が行われていました。

そして、バレーボールのラインを、ペンキを用いて引き直している最中でした。

丁寧に使っているためなのか、施設全体から、柔らかい愛情のようなものを感じるくらいです。

保有する施設、フットボールグラウンド2面、フットサルコート2面、屋内フットサルコート2面。

体育館、屋外バレーボールコート10面以上。

プール4か所(ウォータースライダー付き)、ペタンクコート8面、

会議室に多目的ホール、託児所にレストランに、バール(軽食、飲み物、お酒)。

入り口には、ガードマンが常駐し、会員カードをスキャンしなければ、通れないゲートが不審者を排除します。

入ってしまえば、スポーツの楽園が、そこにあるのです。










 入会金が3000ヘアイス。

日本円で90000円と高価ですね。

90000円払えば、家族全員が入会したことになります。

入ってしまえば、相当安価です。

月会費130ヘアイス、つまり4000円。

さらに、家族会員10ヘアイス(一人あたり)。

一人追加するごとに、たったの300円です。

平日7時から22時、休日7時から20時。

1回あたりの使用料は、もちろん無料。

現在の会員数は、5000人。

5000の家族が、豊かなスポーツライフを送っているのです。

今回も、子供を連れた家族、現役をリタイアしたであろう老夫婦にカップル。

ありとあらゆる層が、笑顔でスポーツをエンジョイしていました。













 我々日本では、学校体育の恩恵を受けて、成長してきました。

国が、日本国内の隅々にまで、学校を作ってくれました。

おかげで、識字率は高く、教育は行き届いています。

そして、地域の学校には、運動するための施設がたくさんあります。

ただ、学校を卒業すれば、その施設を使う機会が極端に減ってしまいます。

つまり運動イコール体育であり、学校でした。

最近は、施設開放事業が進んできています。

改めて、その恩恵を受けれる機会も増えてきたのではないでしょうか。










 でも、それは、まだまだ、個人のレベル。

ブラジル・クルゼイロでは違いました。

同じことを、ドイツのケルンででも、感じました。

2006年のワールドカップで訪れた時です。

やはり、家族とスポーツと地域とがが、リンクされている。

日本の我々は、家族と共に、スポーツを通じて時間を共有する習慣が広まっていない。

これが現状ではないでしょうか。

特に、都市部においては、地域との関わりが薄くはないでしょうか。

学校での運動会や文化祭の練習、子供たちの歓声に対して、クレームをつける住民。

保育園ができるといっては、反対運動が起きる。

マンションは建っても、公園の一つも作らない。












 この地域に根差した総合型のスポーツクラブでは、日本にあるものがありません。

それは、卒業であり、引退であり、補欠です。

卒業したら、プレーする環境を失ってしまう。

年齢が来れば、引退する。

プレーできる限られた年齢にもかかわらず、補欠のためにプレーができない。

フットボール、スポーツは、本来、人生を豊かにしてくれるものです。

限られた人間のみが、プレーすることを許されている状況。

もっともっと、裾野を広げることはできるはずです。

少しずつ、良い方向に変化しているとは思いますが、まだまだ。

40数年前から、その道を歩み、そして今もなお歩み続けている国があります。

正直、うらやましさを感じました。

ブラジル人は、我々日本人に語りかけます。

「日本という国は素晴らしい国だ、ブラジルは問題が多すぎる。」

社会システムの安定性や、経済の発展と継続、治安の良さ、教育水準の高さ、伝統的な日本。

我々が世界に誇るものは、たくさんあります。

その一つに、スポーツの豊かさを加えたい。

心から感じる、今回の視察でした。


posted by プロコーチ at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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