2016年08月31日

ブラジルの子供たち。

団子サッカーをどうとらえるか?

子供たちが、1つのボールに群がる。
両チームの選手が、まるでラグビーのモールを組むかのように。
エゴイストの年代である、未就学児は、特にそうでしょう。
いわゆる「団子サッカー」です。




賛成派のかたは、大きくなれば、解消されるだろう。
それならば、U12ではドリブルをどんどんさせよう。
ボールを奪われたら、奪い返す。
ボールに対する執着心も、養われる。
狭い局面でのボールコントロールが、身に付く。





反対派の意見は、異なります。
団子サッカーは、サッカーではない。
子供でも、サッカーそのものをプレーさせるべきだ。
ポジションや、役割を少しずつ理解させる。
その中で、常に判断させなければ、将来困る。
それぞれの意見は、このような感じでしょうか?




今回のブラジル研修。
ブラジルの子供たちは、どうだったと思いますか?
私の見る限り、団子サッカーはしていません。
小学生の年代、いくつかのグループ、年代を見ました。
団子サッカーには、一切なっていません。
1つのボールに何人もの子供が、攻守入り乱れて。
そのようなシーンは、ありませんでした。
と、言っても、整然と、大人のサッカーをしているわけでもない。
日本人ほどの規律は、感じられません。
それでも、団子サッカーにはならないのです。





1つ、大きな特長がありました。
とにかく、ゴールに向かうのです。
サイドバックだ!と、コーチに言われても、気づけばウイングの位置。
闘莉王のような、攻め上がるセンターバックも、当たり前。
中盤も同じです。
とにかく、ボールを持っていなくても、ゴールに向かう意識が強い。
俺が、俺が!点を獲るんだ。







ボールを持てば、どうなるか?
無理な距離でも、シュート。
目の前の相手をはがして、ラストパス。
低い位置でボールを持ったとしても、ゴール方向に向かいます。
とにかくゴールを意識したプレーなのです。
攻撃の目的である、ゴールへの意識がとにかく強い。
たいして、ボール扱いが巧みで無くても、同じです。
小さい王様が、ピッチ上に溢れていました。






守備になれば、どうでしょうか?
びっくりするほど、突っ込んできます。
抜かれることなど、恐れない。
浮き玉のルーズボールも、同じです。
どんどん、マイボールにすべく、突っ込みます。
仮に抜かれても、すぐに追いかけて来ます。
とにかく、相手との距離が近い。
そして、どんどん足を出し、ボールに向かいます。
守備の本質である、ボールを奪い返す!
この気持ちを、常に体で表現していました。






日本の子供たちは、苦戦しました。
普段は、抜かれないように待つDFとの対戦です。
その間合い、やり方に慣れすぎているのでしょう。
子供たちに、聞いてみると、
「フェイントを出す時間が無い。」
「外したつもりなのに、ボールが相手の足に当たる。」
突っ込んでくるタイプのDFに、戸惑ったのです。
ドリブルが引っ掛かり、フェイントも出せません。
相手のタイプが変わったのだから、その変化に対応してほしいのですが。





チームメイトに入ってくれるブラジル人選手。
彼らは、ポジションを守りません。
自分が、正しいと思う位置に、勝手に行ってしまいます。
点を獲れそうだと思えば、前に上がります。
ボールが、来そうな場所に、好きに入ってしまいます。
真面目な?日本人は、困惑します。
言葉も通じないからと、為されるがままでした。
ブラジルの子供たちは、小さい王様ですから、そうなりますよね。
本当に、不思議なほどに、自信に溢れているのです。







トレーニングや、ウォーミングアップでは、日本人が抜群でした。
コーチも、「素晴らしい」と褒めてくれます。
「あいつは、いい選手だ!」と絶賛してくれることも。
私の目で見ても、ボールを扱う能力は高い。
自在にボールを動かし、フェイントを繰り出します。
一方、ブラジルの子供たちは、ミスばかり。
コーチの指示も、聞いているのかどうか?
自分勝手なことをしている子供すら、いました。
ところが、試合で活躍するのは、ブラジルの子供達なのです。
悔しいのですが、怖いのは彼らであり、効いているのも彼らでした。






足りない部分を見せつけられました。
ボールと仲良くするだけが、技術だと思い込んではいないか?
やられないようにすることが、守備だと思っていないか?
ボールを守っていれば、攻撃していると思っていないか?
試合でミスをすると、負のサイクルに、はまっていきます。
狭い所に突っ込んでいき、ボールを奪われる。
パスに逃げようとして、かっさらわれる。
頑張っているのは伝わりますが、自分の良さも出せない。







クラブのコーチに、聞いてみました。
日本の子供たちをどう思うか?と聞いてみました。
すごく、褒めてくれます。
規律正しい、技術レベルも高い。
でも、、、と、続きます。
「日本の子供たちは、試合になると自信が感じられない」
「試合を読む目が身に付いてない。」
との意見でした。







ブラジルの子供と、日本の子供は違います。
家庭環境も、教育も、違います。
ブラジルの真似をそのまますれば良い、とはならないのです。
例えば、多くの日本の子供たちは、向学心を持っています。
ブラジルの食事、環境を受け入れよう。
と伝えれば、少しずつであっても、取り組んでいきます。
さらに、
自分のやりたいプレーをするために、相手を観察しよう。
自分のしたいプレーを、周りに分かってもらおう。
毎晩、ミーティングと、個人面談を重ねました。
すると、日に日に良くなっていきました。
最終日の試合は、前回互角の相手を圧倒したのです。
環境に適応し、少しずつ自分のプレーを出せたのでしょうね。





では、我々は普段、どのような指導をしていけばよいのか?
小さい王様を、育てる努力をすべきなのか?
団子サッカーを、どうとらえるのか?
答えを出すことは、難しい。
ゴールへの意識、ボールを奪い返す意識。
ここは間違いなく、全世界共通です。
必ず、子供の時分に持たせてあげたいポイントです。






さらに1つ、真似をしたいポイントがありました。
彼らからは、プレーをする喜びを感じます。
やってやるぞ!フッチボウが大好きだ!
プレーで、それを表現し続けているのです。
常に意欲的な姿は、見ていて嬉しくなります。
日本で辛そうにプレーしている子供を、目にしませんか?
もっと、もっと、大好きになって欲しい。
喜びをからだ一杯で、表現する選手。
いいですよね。
posted by プロコーチ at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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