2016年10月27日

ご冥福をお祈り申し上げます。

 スーパースターが、この世を去りました。

平尾誠二さん。

50代での早すぎる死。

サッカーにも詳しく、その著書の中でも、しばしば登場します。

グラウンドの上でも、現役を退いても、スマートな印象がありました。

私は、ラグビーは詳しくありません。

テレビで観戦する程度。

ようやくルールが分かるかな?くらいの関わりしかありません。

それでも、平尾誠二さんの偉大さは、感じていました。








 私の少年時代、世の中は、ラグビーが熱く盛り上がっていました。

寒い時期になると、テレビでは、ラグビーがしばしば放映されていました。

当時は、サッカーよりも、ラグビーの方が、メジャースポーツだったと記憶しています。

ここ数年、ワールドカップでの日本代表の活躍もあり、また注目されています。

今だと、五郎丸選手でしょうか。

私の世代だと、圧倒的に、平尾誠二さんでしたね。

タックルはもちろん、スクラムや、ラックなど、見るからに痛そう。

相撲取りのような人たちが、体をぶつけ合う競技。

勝手に、思い込んでいました。

でも、神戸製鋼の試合は違いました。

パスがつながり、知識が浅い人間が観戦しても楽しい、神戸製鋼の試合。

その中心にいたのが、平尾誠二さん、その人。

華麗なステップを踏み、相手陣内を切り裂いていくプレー。

30人の中で、誰よりも、キラキラしていました。












 高校、大学、社会人と、あらゆるカテゴリーで全国優勝をし続けた。

そして、チームの中心として、グラウンド上の監督のようにプレーし続けていました。

引退後、指導者の道を歩まれたのは、当然の流れでしょう。

そして、現場の指導に留まらず、多くの発信もされていました。

その内容から、素晴らしい人柄が感じ取れます。

そして、ラグビー関係者だけでなく、種目の違う我々も、大いに学ぶことがあります。

私も、何冊かの書籍を読み、勉強させてもらいました。

その中から、いくつかの言葉を紹介させていただきます。






「パスは借金するみたいなものだ。」

借金を返せないやつは、借金してはならない。

ちゃんと返せるというイメージがないとだめ。

パスを受けた選手が、(前に)抜けるという可能性があれば、パスをすればいい。

パスは一種の投資である。

儲かる見込みがあるから、投資する。

単純にAからBにボールを渡すことがパスの目的ではない。

AからBにボールが渡ることによって、現在より有利な状況を作る。

その行為がパスの本質である。







「メンタルタフネス。」

日本人に足らないもの。

世界のトップと、日本人選手の一番の違いであり、日本人に足らないもの。

ここぞ!という時に、頑張れるか否か。

きつくなると、なんだかんだ言い訳をして逃げてしまっている。

自分探しなどと言って逃げ回らず、困難に立ち向かう意思の強さ。









「コーチの立ち位置」

トレーニング中は、選手の視界に入るか入らないか微妙なところに立つのが、

選手にとって、いい緊張感を生むのではないか?

パス練習の時は、意識して選手の前に立つようにしていた。

腕組みでもしながら見ていると、選手はイヤでもコーチの視線を気にする。

でも、選手の視線は、ボールと、パスの受け手に行っていなくてはならない。

この状況は、ゲームの状況そのままじゃないですか。

ラグビーでは、どんな時も、意識を前に置いてプレーするのが基本。

選手はそれを習慣にしなくてはならない。

パス練習の時、監督が前に立つだけで、この習慣が身につくのです。






「情報収集能力」

試合中、目から入ってくる情報が、圧倒的に多い。

試合中の体の向きを見れば、その選手が優れているかが、すぐ分かる。

近いところしか見ていない選手は、容易に判断を間違える。

逆に、常にグラウンド全体に視野を広げていると、たくさんの情報を持っている。

ですから、瞬時に的確な判断をできる可能性が高くなる。









「情報を集め判断する力」

子供のころから、そういう訓練をしていたかどうかで、ずいぶん違う。

例えば、家族みんなで食べるショートケーキを買うときに、

なるべくバラエティに富んだ組み合わせにしておく。

まず子供に、好きなものを選ばせる。

もし、子供の口には合わないものであっても、「お前が選んだのだから食べなさい。」

すると、次からはもう少し注意するようになる。

それから食べ終わった後に、このケーキが幾らしたという値段の情報を与える。

そうすると、子供なりに「小さくて値が張るケーキはおいしいのではないか」

と予測を立てるようになる。

たかがケーキ選びですが、瞬時に判断しているのは、ラグビーのプレーと同じ。






「イメージ」

イメージをマネージメントし、マネージをイメージする。

イメージとマネージとをつなげる。

ラグビーには、静的なものと動的なものがある。

静的なマネージメントをしておき、それとは別にイメージは試合中に動き回る。

各プレーヤーがイマジネーションの中で、イメージを持つこと。

イメージは、マネージされた時に、加速する。







 経験と、深い洞察力とを積み重ねての、様々な知見。

改めて本を読み返すと、学ぶことばかりです。

まだまだ、日本のスポーツ界全体に、その能力を発揮してもらいたかったです。

平尾誠二さんのご冥福をお祈り申し上げます。



参考文献
型破りのコーチング、PHP新書

人は誰もがリーダーである、PHP新書

勝者のシステム、講談社

イメージとマネージ、集英社

いずれも平尾誠二著
posted by プロコーチ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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