2016年12月26日

本物と可能性。

 クラブワールドカップでは、貴重な数十分がありました。

世界王者である、レアルマドリーが、リードされる。

先制点を取ったものの、同点にされ、逆転される。

それまでは、観客も、レアルのスーパープレーを見に来ていた。

早々に鹿島が失点すると、増々、その傾向は強くなったように感じました。

ロナウドが小技を披露し、余裕を見せる。

ボールポゼッションをしながら、時間を進めていく。

まさに横綱相撲を取っていたはずのレアルマドリー。

ゲームプランが狂ったのでしょうね。








 前半を終えた段階で、リードしていない時点で、目算は大崩れだったでしょう。

そして、柴崎のスーパーゴール。

あれで、レアルの選手が目を覚ましました。

それまでは、正確無比なプレー。

少ないタッチで、落ち着いてボールを回しながら、ゲームを支配していた。

ところが、1対2になった瞬間、試合が変わりました。

サイドバックの位置がさらに高くなり、ほぼウイングの位置。

スピードを上げてゴールに迫る。

ボールタッチやパスが、少しだけ粗くなりました。

それ以上に、どう猛な、ゴールに向かう力に驚きです。

ゴールに向かうランニング、ゴールに向かうボールタッチ。










 そして、鹿島ボールになると、ボールへの寄せが、一歩厳しくなった。 

フィジカルコンタクトも増え、真剣にボールを奪いにきました。

イエローカードも辞さない、厳しさを見せつけます。

ボールを持っていても、ボールを持っていなくても、プレッシャーをかけてきます。

同点に追いつき、延長で逆転するまでの数十分間。

レアルがビッグクラブとの試合でしか見せない、本当の姿に近かったのではないでしょうか。









 私は幸運にも、この姿をスタジアムで目にしました。

テレビ画面を通じても、レアルの本気は伝わったのではないでしょうか?

我々は、ここから何を感じるべきなのか?

レアルが余裕を持ってプレーをしていた時に、スタジアムでの盛り上がったシーン。

それは、各選手が小技を見せた瞬間です。

分かりやすい、シザースや、ボールタッチ。

数十年前のトヨタカップで最も盛り上がったシーンが、オーバーヘッドキック。

それと、あまり、変わっていないのかもしれません。

日本では、技術を勘違いしてとらえている傾向があります。

サーカスのようなボールタッチは、試合では使えない。

ボールを止める、ボールを蹴る、仲間のために走る。

それをハイプレッシャーの中でも、スピードを上げて、繰り返すことができる。

それこそが、本物の技術のはずです。








 クリスティアーノロナウドが見せてくれましたよね。

彼のドリブル、フェイントのテクニックは、すごさを全く感じませんでした。

日本にいるブラジル人のほうが、完全に上ですね。

日本人選手でも、ロナウドより、足元のボール扱いの巧みな選手はいます。

そこではありません。

4点目。

ロナウドがハットトリックを決めた瞬間です。

トニクロースが、こぼれ球をミドルシュート。

100キロ近くあるスピードのボールが、ロナウドの足元に飛んできました。

それを足元に一発で止め、しかも前を向いてゴールに向かう。

次のタッチでゴールに向かい、左足でシュート。










 何気ない3タッチですが、本当にすごい。

あのボールを止めるだけでも大変なのに、一発で前を向き、ゴールに向かえる1タッチ目。

そして、DFから遠い側の逆足に向けボールを運んだ、2タッチ目。

GKの動きを見極め、ニア上に正確なキックで叩き込んだ、3タッチ目。

ただ止めるだけだと、シュートは打てなかった。

右足でシュートを打つためにボールを運んだら、DFに引っかっていたでしょう。

セオリー通り、ファーに打っていたら、GKにセーブされていたかもしれない。

相手選手、スペースを感じながら、自分のプレーを選択していく。

そして、それを実行していく力。

判断と技術とが、高いレベルで融合しているからこそ、生まれたシュート。

これこそが、本物の技術!

我々日本人に、レッスンしてくれたかのようです。









 JFAは、目標を持って行動しています。

2005年宣言。

それによると、2050年までに、サッカーファミリーが1000万人になる。

もう一つが、日本でワールドカップを開催し、日本代表が優勝する。

決勝戦の横浜では、熱狂的な盛り上がりは、ありませんでした。

安全に、時間通りに、イベントが進行していきました。

そして、開催国・ホームチームである、鹿島アントラーズが大躍進しました。

日本人が思う以上に、南米・ヨーロッパの人間は、アウェイを気にしているのかもしれない。

元々持っている力を、最大限に発揮できた鹿島。

この姿に、将来の日本代表を見た気がしました。
posted by プロコーチ at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/445332566
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック