2018年07月07日

どちらから始めるか?

 WーUPの見どころは、たくさんあります。

どれくらいの長さするのか?

何に重きを置くのか?

限られた時間の中で、取捨選択。

この取捨選択こそが、監督の腕の見せ所。

実際には、現場に監督は出てこずに、コーチが担当していますが。

例えば、ブラジルは、あまりピッチでたっぷりするイメージはありません。

スタジアム内にある、室内のスペースで体を動かしておく。

狭くても、そのスペースでボールを使うメニューも実施します。

「試合に向けて真面目やってるの?」と思うかもしれませんが、実はこっそりと。











 例えば、21時キックオフなら、選手たちが出てくるのが、20時15分。

大体、どのチームもキックオフの45分前くらいですね。

それより前に出てくるのが、GKチーム。

GKコーチと、3人のGKが一番にピッチに入場します。

ペナルティエリア内を、ジョッグ。

腕を回したり、サイドステップ、バックステップなど、体をほぐします。











 その後、何を始めるのか?

ここで、2タイプに分かれます。

昔ながらのやり方は、軽いキャッチボール。

正しい構えから、キャッチング。

投げてもらったボールをキャッチ。

軽く蹴ってもらったボールをキャッチ。

キックするボールを徐々に強くしていく。。

そして、コースも狙ってシュートストップ、クロスボールの対応など。

GKとしてのスペシャルなトレーニングを続けていく。











 もう一つのやり方は、足でのプレーから始める。

対面で短いボールをコントロール、パス。

浮き球を足で処理する。

胸でコントロールして、パス。

など、手を使わずにボールを処理するトレーニングから始めるチームも増えてきています。

そして、その時間も、少しずつ長くなっている印象があります。









 イングランドのGKのアップ。

彼らが足でのトレーニングに割く時間が、一番長かったです。

イングランドは、長いボールを蹴飛ばす印象があるかと思いますが、それは一昔前。

GKコーチと、2人の控えGKが、トレーニングパートナーです。

彼らが取り組んでいたのが、コントロールして角度を変える。

そして、正確なパス。

10Mほどの距離から、少しずつ距離を伸ばしていきます。

最後は50Mまで距離を伸ばしました。

距離が長くなると、パスもブレていきます。

何度も繰り返すうちに、キックの精度が上がり、コントロールが正確になっていきます。

この時間で、彼らが上達しているのではありません。

元々持っているものを、チューニングして使える状態に持っていっているイメージ。












 試合でも、GKも活用しながら、後方からビルドアップ。

GK、3人のセンターバック、アンカーの1人。

5人が、ユニットを組んで、パスを回して、組み立てます。

そして特徴的なのが、センターバックがボールを保持した時に、センターバック同士が斜め後ろに入らないこと。

ほぼ、横一直線に並んだままで、組み立てます。

相手FWが前からプレッシャーをかけてきたら、危ないようにも感じます。

でも、ここで積極的にGKを使います。

後ろで待つGKをボールサーバーの様に使うのです。

センターバック同士の中途半端な横パスを奪われると、一気に失点の大ピンチ。

そうならないように、お互い斜め後ろに入って、助け合うのが、旧来のやり方。

でも彼らは、斜め後ろに入って助けようとしない。

後ろはGKに完全に任せる。

その分、一つ前で出て行ったり、サイドに開く。

前進するための、積極的なポジションを取るのです。











 試合でも、5人でのユニットが、機能していました。

その最後方でカギとなるのが、GKピックフォードでした。

相手をドリブルでかわすようなトリッキーなプレーをするわけではありません。

彼が、正確にコントロール、そして精度の高いキックを繰り返す。

この約束を遂行するための、イングランドGK陣のアップだったのです。

試合でも、何度もパス&サポート。

様々な正確なパスを、手堅く通していきます。

センターバックも、何度も後ろにパス。

彼らのピックフォードへの信頼を感じます。

GKを活用することで、数的有利を作る。

現代のGKに求められている、大切なプレーの一つですよね。












 私がブラジルで観たリーグ戦でも、同じ光景がありました。

クルゼイロのGKのW-UP。

とことん、足を使ったプレーを繰り返していました。

グラウンダーだけでなく、浮き球の処理も、確認。

本当に長い時間を、足でのプレーにあてていました。

アップに費やした時間は、手を使ったプレーよりも、足でのプレーの方が長かったのです。

パスをつないで試合を作るスタイルのクルゼイロ。

GKも、もちろんフィールドプレーヤーレベルの足元が求められる。












 このように、何を、どのように、どれだけ時間を使っているのか?

それは、フィールドプレーヤーはもちろん、GKもです。

チームとして、何をしていきたいのか?

各プレーヤーに、どのような役割を持たせるのか?

我々は、試合前のミーティングを聞くことが出来ません。

でも、アップに大きなヒントがあります。

試合1時間前から始まっている戦いにも、注目してください。

posted by プロコーチ at 01:14| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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