2019年03月01日

体の向き

 私は、学生時代にアルバイトをしていました。

塾講師のアルバイトです。

最近はやりの、個別指導タイプではありません。

そもそも当時は、そのようなものは無かったですよね。

数十人の子供たちの前で、授業をするタイプの塾。

中学3年生に週2回、3年強、塾講師のアルバイトを続けました。

この時の経験が、今の、フットボールのコーチとしての指導に役立っています。










 その地域では、トップクラスの大手の塾。

全校合わせて、8000人ほど、生徒さんが在籍。

講師のレベルを高めるために、研修がたくさんありました。

模擬授業と呼ばれ、先輩の講師を前に授業をするのです。

我々コーチの世界でいう指導実践です。

この模擬授業は、当時つらかったです。

指導内容はもちろん、板書の内容、声のトーン、目の配り方、話すテンポ。

指摘される点は、多岐にわたりました。

知らないことばかり。

私が受けていた授業で、学校のたくさんの先生は、そのようなことを気にしていなかったのではないか。













 例えば、板書をする時の姿勢、体の向き。

小、中、高、大学。

全ての先生は、黒板に正対して、文字を書いていきます。

字を書くのですから、書く場所に向かって、体を正対させるものでしょう。

そして、文字を書きながら、授業を行う先生も数多くいますよね。

全ての時間とは言わないまでも、黒板に向かって話している時間は、少なからずあるはずです。

でも、これは、私が在籍していた塾の講師は、タブーとされていました。

「体を開いて、板書をしろ。」

黒板(ホワイトボードでしたが、、。)に体を向けず、生徒に体を向ける。

そのままの体勢で、腕を伸ばしてペンを持つ。

そして、生徒に顔を向け、目を合わせながら、文字を書くのです。

この体勢で、文字を書くのは、本当に難しい。

慣れないと、文字があっちゃこっちゃ向いて、読めない。

汚い板書は、もちろん許されません。

生徒の集中力を切らさないため、生徒の反応や行動を見逃さないため。













 この研修を通して学びました。

黒板の前で、言いたいこと、伝えたいことを一方的に言うのは、講師として失格である。

誰に向かって話をするのか?

誰に伝えて、誰に理解して欲しいのか?

その対象は、黒板でもないし、テキストでもありませんよね。

それならば、どこを向いて、どこに目を配るのかが大切。

学生時代に、このことを学べた経験は、本当に貴重なものでした。

そうやって考えると、学校の先生の授業が、高慢な態度にすら感じられてしまいます。

俺が話しているのだから、聞け、理解しろ。

分からない方に問題がある!とでも言っているかのようです。

伝え方に問題があるとは、想像していないのかもしれません。














 先日、小学校中学年の授業参観を、見学してきました。

内容は、学習発表会。

子供たちは、調べてきた内容をまとめ、発表します。

写真を大きくカラーコピーしてもらい、黒板に貼り付けます。

一人一人が、友達や、保護者の前で、発表していくのです。

黒板や、書いてきた原稿に向かって話し続けます。

2人を除いた、数十人の児童が、全く顔を上げません。

それでも、聞いている先生は、満足そうな表情をしながら、児童の発表を聞いていました。

10歳前後の子供なら、これで精一杯なのでしょうか?













 

 授業の最後に先生が子供たちに話しかけました。

「よく調べて発表できましたね。時間もピッタリで素晴らしいです。」

先生は、正しい内容を、正しく読み上げることを求めていた。

そして、時間通りに、進行させることを第一に考えていた。


例えば、次のような声掛けはどうでしょう。

「みなさんに、調べたことは伝わったかな?」

「お互い、新しい発見はあったかな?」

このような声掛けを、練習の時からしていたら、どうだったでしょうか。

子供たちも、伝わっていない!もっと伝えたい!という気持ちに少しでもなっていたかもしれません。

そうすれば、黒板に向かって、原稿を読み上げるだけの発表は減っていたでしょう。













 コミュニケーション能力。

プレゼンテーション能力。

子供のころから、少しずつ積み上げることも出来ますよね。

人前で表現する、自分の考えを伝える。

フットボールのプレーに、直結します。

我々がしている競技は、集団スポーツですから。
posted by プロコーチ at 23:31| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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