私が週に1度指導している、フットサルスクール。
今日、普段とは全く違う内容でトレーニングをしました。
トレーニングの半分を、ドッヂボールの時間に充てたのです。
ボールを投げる、捕る。
ルールの確認。
そして、戦略的に試合を進めること。
W-UPでボールを投げる動作をさせたのですが、全く出来ていなかったため、急きょ取り組みました。
聞くと、ドッヂボールをする回数が、少ないようです。
体育で少し、昼休みにたまに、。
私の小学生時代は、給食を急いで食べて校庭に飛び出して、スペースを確保に必死だった思い出なのですが。
30年以上経つと、小学生の流行は、変わりますよね。
私のスクールでは、いつも、小学生が、楽しそうにボールを追いかけています。
この時期に技術を身に付けさせること、技術の重要性を理解させることは、とても大切です。
ですが、その前に、もっと大切なことがあると考えて指導を続けています。
靴を揃える、荷物を整理整頓する、自分で準備・片付けをする。
床は、分担しながら雑巾がけ。
それが出来ていないと、トレーニングが始まりません。
小学校低学年の子供でも、自分で靴を揃えれるようになってきます。
失敗も、数回に1回はありますが、、、。
それが終われば、技術のトレーニング?
ではありません。
ボールを思うままに扱うことは大切です。
でもそのような専門的な技能を身に付ける前提になるのは、ベーシックな体の動かし方を出来るかどうか。
これがキーになると考えています。
立つ、走る、止まる、曲がる、飛ぶ、投げる、捕る、受け身などがそのベーシックな部分にあたります。
様々なステップワークも、ここに入ってきます。
つまり、自分の体を理解すること。
意のままに体を動かせることが出来るなら、フットサル・サッカーの専門的な技能の習得も早まるはずです。
鬼ごっこ、馬飛び、缶蹴り、昔遊びに代表されるような動き。
30年、40年前までは、どこでも当たり前のように目にした光景です。
つまり、毎日、コーディネーショントレーニングが自然と実施されていた。
でも、今は、そのような光景は、極端に減ってしまいました。
現に、毎年、文部科学省が行う新体力テスト。
子供の体力のピークは、昭和50年〜60年。
それ以降は、毎年低下傾向が続いてしまっています。
特に、低下傾向が顕著なのが、ボール投げです。
小学生はがソフトボール投げ、中学生はハンドボール投げを実施します。
子どもの体力水準がピークだった1985年度と今回の平均値を比べます。
小5男子が29・94メートル→22・52メートル、同女子が17・60メートル→13・93メートル。
中2男子が22・10メートル→20・51メートル、同女子が15・36メートル→12・88メートル。
明らかに下がってしまっています。
理由は、なんでしょうか?
考えられることは、我々のスポーツである、フットボール(サッカー・フットサル)が人気になったこと。
野球人気の低下の余波が、子供たちの記録にはっきりと表れている。
ドッヂボールが昼休みに流行っていないことも、その理由ではないかと推察されます。
とにかく子供たちは、ボールを投げるという動作を、身に付ける機会が減っているのです。
その根拠は、なんとなくのイメージではありません。
新体力テストの記録の中身を見ると、二極化が進んでいるのです。
つまり運動をするグループの点数は、ハッキリと、運動をしないグループを上回っている。
部活を始めとする運動習慣の有無が、記録の良し悪しを左右している。
ボール投げの点数が低いということは、ボールを投げる動作をしている人間が少ないことを意味していますよね。
ボールを蹴るのは、足だけではありませんよね。
腕も、体も、顔の向きも、軸足も。
ボールにパワーを伝えるように、全てが連動されていることが重要ですよね。
ボールを投げるのも、腕や、指先だけではない。
のですが、腕だけを振り回してボールを投げる子供たち。
ボールをつかめない(握力が無いと同時に、手が小さい)ので、投げる動作の途中で、ボールがこぼれてしまう。
うーん。
本当に、ボールを投げ慣れていません。
ボールの持ち方、軸の作り方、反対の手の使い方に、リズム。
少しずつではありますが、形になりましたが。
そして、いよいよドッヂボールの試合。
これも、大変でした。
1人1人がバラバラで、投げ合うだけ。
外野と連携しながら、相手を追い込んでいく。
どこで相手にぶつけるのか?
外野に何人配置して、誰を残しておくか?
全く、考えが及ばないようです。
少しだけ、デモを見せました。
外野と内野で連携しながら、ポジションを取りながら、試合を進める。
子供たちは、すぐに真似を始めました。
徐々に、戦略的に試合を進めていきます。
ボールの勢いが弱いので、ダイナミックな試合運びにはなりません。
それでも、子供たちなりに楽しみながら、熱く戦っていました。
ドッヂボールをしても、フットサルはうまくならないでしょう。
直接的な因果関係は、見つけづらい。
ですが、ボールを投げる動作、捕る動作の習得。
ひらりとドッヂングする動作。
そして、集団で試合を進める重要性。
これらを持つことは、今後の彼ら(彼女)にとって、マイナスにはなりませんよね。
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