2020年09月26日

データでは見えてこない。

「サッカー選手が終わったので好きなことを言ってもいいなら、(差が)正直広がったなと思っています。DAZNでパパッとやればCL決勝とJリーグの試合を見られるけど、違う競技だなと思うくらい、僕の中では違いがあります。怒られるかな?こんなこと言ったら」

…内田篤人引退会見より






 世界のトップで戦っていた内田篤人。

彼が言っている内容は、どういう意味なのか?

後日のインタビューで、日本のサッカーについて話していました。

「日本のサッカーはポゼッションをまずして、そこから攻撃」

ヨーロッパは、もっとボールの奪い合い、ゴールへの強い意欲が、まず先にある。

試合の捉え方そのものが違う、という話をしていました。









 日本では、あまり走らずに、試合を進めているのか?

実はそうではありません。

今年度の日程の厳しいJリーグ。

最も走行距離の長いクラブが横浜Fマリノス。

1試合平均で、120キロを超えています。

最も走っていないクラブが川崎フロンターレとヴィッセル神戸。

いずれも110キロ以下。

1人あたり、約1キロも走っていない。

走っていない川崎も神戸もボールを保持しながら試合を進めるタイプのクラブですね。









 ではヨーロッパのビッグクラブはどうなのか?

チャンピオンズリーグ。

マンチェスターシティは、毎年110キロ前後。

バルセロナで、ここ5年は105キロ程度しか走っていない。

日本だと、最下位レベルの走行距離なのです。

あれだけ走ってた印象のる今年のバイエルンミュンヘン

それでも111.6キロにしか過ぎません。

ガンガン走る印象のあるライプツィヒ、アトレチコマドリーも双方共に113キロ。

日本だと、ちょうど真ん中くらいの走行距離でした。









 では、なぜ日本のサッカーは、ヨーロッパと差が広がっていると内田篤人は感じているのか?

リーグ全体が、走って走って試合を進めているのに。

次にスプリント回数を見てみます。

単純に走った距離ではなく、スプリントをした回数。

いわゆるダッシュした回数ですね。

チャンピオンズリーグでの1試合平均だとどれくらいスプリントしているのか。

トップはアヤックスのFWの選手で、62回。

その後56回などと続きます。

日本だと、トップの選手でも、たったの42回しかスプリントしていません。

この差が、一つのヒントになるかもしれません。








 

 内田篤人のプレーしたドイツ。

彼らは1対1の勝敗を、歴史的にとても重要視してきました。

ツヴァイカンプフと言って、その勝率は、毎回発表されるほど。

1対1で戦わない選手は、監督からも同僚の選手からも信頼を得られない。

もちろん、サポーターからも支持されない。

シャルカー(シャルケサポーター)に愛された内田篤人。

もちろん、ツヴァイカンプフでも挑み、勝利したからでしょうね。








 同じく、ヨーロッパで戦っていた、ハリルホジッチ前日本代表監督。

彼は、日本のサッカーに、戦いを持ち込もうとしました。

「デュエル」、1対1の決闘とでもいえばいいのでしょうか。

そして、デュエルで勝利するためには、さらに強度を上げなければ!

そのような方向性を指し示してくれていました。

言葉としては、ツヴァイもデュエルも、2人での戦いを意味していますね。

目の前の相手に、何としても勝て!という意味合いも感じられます。










 違う競技とも言われるほど差が広がった。

その理由として考えれるのが、ゴールへの意欲であり、ボールを奪い取る意欲でしょうか。

ヨーロッパで長年活躍し続けている岡崎慎司。

岡崎がレスター時代に86回(しかも72分で途中交代!)のスプリント回数を記録しています。

ゴールに向かって、相手の背後を取るスプリントを繰り返している。

そして、相手からボールを奪い取るために、激しく追い回している。

その根っこにあるのは、相手からボールを奪うことが守備である。

ゴールを目指すことが、攻撃である。

それは教えられることではなく、脈々と受け継がれているもの。

ゴールへの意欲、ボールを奪う執着心。

ここにアプローチしない限り、日本は差を縮めることは難しいと考えます。
posted by プロコーチ at 00:33| Comment(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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