なんとしても、勝ち点1以上を奪わなくてはならない。
超強豪スペイン相手に、どのような試合をすれば良いのでしょうか。
そのためにスペインの指導、戦術を少しだけお勉強。
3つほど戦術のコンセプトを知れば、彼らの闘い方が見えてきます。
・デスマルケ(相手のマークを外すアクション)
・エントレリネアス(ライン間の意味、そこから相手のラインとラインの間を活用すること)
まずは、この2つは常時繰り返されています。
これ無くして、スペインのサッカーは成り立たないと言っても過言ではないでしょう。
マークを外してボールを受ける、人と人との間で受ける・受けようとする。
このふたつのアクションを活用しながら、ボールを保持し、相手の穴を作り出し、ゴールを目指しています。
ただ、これだけだど、整備された守備組織は崩せないことも出てきます。
相手が、集結し、バランスを取り続け、集中してマークを続けている状態です。
その時に大切になるのがもう一つのコンセプト、
・エスパシオリブレ(自由なスペースの意味、実際にはスペースを作り、代わりに他の選手に活用させるアクション)
ポジションチェンジまでは行かないのですが、動きを増やし、流動性を高めるのです。
ドイツに先取点を奪われた時の、PKを与えたシーンがイメージしやすいでしょう。
あの時は、サイドの選手が中に入って相手のマーク(酒井宏樹)きて、外にスペースを創出。
空いたスペースに後ろから選手が飛び出してきました。
絵に書いたようなエスパシオリブレの成功例です。
これらのアクションを繰り返す、スペイン。
どのように対抗すれば良いのでしょうか。
おそらく考えられるのは、1−9(5−4)−1の布陣を敷いて、人海戦術で守ること。
サンフレッチェスタイルですね。
元サンフレッチェのミキッチも、俺たちのやり方だ!と語っていたとか。
ドイツ戦の成功体験があるので、最初からか、途中から採用することは十分にありそうです。
これも一つの方法だど思います。
ここから点を奪うには、サイドアタッカー(ミキッチ、柏)の躍動と、2シャドー(ウタカや柴崎、ドゥグラス)の飛び出し。
この辺りがポイントになりそうです。
でも私のおすすめは、これではありません。
ガスペリーニ、ビエルサと書けば、勘のいい方ならピンと来ますね。
オールコートマンツーマン、もしくはマンツーマン主体の守備システムの構築です。
森保監督の師匠とも言える、ミシャ監督。
彼が、近年、川崎フロンターレや横浜マリノス対策で用いています。
ボールや人が流動的に動いても、目の前の選手についていく。
そうすれば、エントレリネアスも、エスパシオリブレも無効化できます。
そもそもスペースもライン間も無くしてしまうからです。
相手のミスを誘い、ボールを刈り取り、背後に飛び出してゴールを目指す。
ジェフ、代表のオシムさんも、このやり方をよく採用していましたね。
ダイナミックで躍動的で、見ている人を魅了してくれました。
戦力的に下回るチームの選択肢としては、いまだに有効だと思います。
ただ、マンツーマンでついていくときに、デスマルケには注意しなくてはならない。
1人マークを外されると、全部が狂ってしまうのがこのやり方。
ドリブル突破も同じ理由で許してはなりません。
おそらくこのやり方は採用しないでしょうが、このようなアイデアもあることを知ってほしい。
急に採用するのは、リスクが高すぎるからです。
この提案は私の個人的な趣向でしょう。
ただ一つだけ知ってて欲しいこと。
ご自分が体験した方法だけが、サッカーの全てではないということ。
世界には様々なサッカーが存在します。
様々なサッカーを知ることで、豊かになれると思います。
そのためにも、ワールドカップをたっぷり楽しんでください。