決勝戦は楽しみですが、お祭りの最後はさみしい気持ちにもなりますね。
フランス対アルゼンチンという、優勝経験がある国同士の対決。
試合を分けるポイントは、あのエースの2人です。
フランスにはエンバペ、アルゼンチンにはメッシ。
ここまで、5得点ずつ奪い、チーム内でも、大会全体でも得点王の2人。
どちらがゴールを決めて、チームを勝利に導くのか?
見どころは、そこだけではありません。
2人に共通している事があります。
それは、守備を免除されているということです。
一見、二人とも守備をしているようにも見えますが?
実際には、守備の局面では、最低限のことしかしていません。
自分の近くにボールが来たら、寄せる。
隣の選手が寄せたら、自分のスペースを埋める。
彼らのタスクはこれくらいでしょうか。
(ボールを奪われたら追いかける、このプレーはさぼらずにやってます。
ですが、攻撃から守備への移り変わりの局面ですので厳密には違います)
実は、このタスクすら、サボっています。
攻め残って、自分のポジションに戻らないこともしばしば。
自分のタスクを放棄していると言われても、仕方ないかもしれない。
でも、これは監督も、チームメイトも分かっている。
「あいつには、守備を期待しない。その代わり攻撃で決定的な仕事をしてくれればOK」
エースの2人が得点、決定機の創出という結果で応え続けている。
そこで、監督やチームメイトは、こう考えます。
「メッシの(エンバペ)の分まで守備のタスクを引き受けよう」
この考えは、相手に弱みを見せることにもなります。
アルゼンチンは、最前線のメッシが守備をしないため、前線からの守備が上手く行かない。
相手の最終ラインが余裕を持って、ボールをつなぎ、ボールを持ち出す。
ボールを受けたボランチも、背後から挟まれることもないので、彼らが周囲を観る時間が生まれている。
DFラインは下がり、ボールを奪う位置が低くなってしまう。
日本のFW前田や浅野があれだけ前線から走り回っていた姿とは、大違いですよね。
フランスの場合は、左サイドを崩されてしまう。
左のウイングに位置するエンバペ。
守備の局面になっても、ゆっくり歩いていることも。
その結果、左サイドの守備が後手に回ってしまう。
枚数も足りませんしね。
モロッコ戦では、相手のストロングポイントがまさにこの位置。
ハキミとジエシュの2人が面白いようにドリブルやパスで崩していました。
はっきり言って、フランスの左サイドの守備は崩壊。
他の試合でも後手に回ることはありましたが、ここまで崩されたのは初めて。
フランスのデシャン監督も我慢できずに、左サイドにテュラムを送り込みました。
エンバペを中央に回して、応急処置を施しました。
JFAの講習会では、この言葉を必ず耳にします。
現代のサッカーでは、守備を免除される選手はいない。
全員が攻撃に、守備に、積極的に関わらなければならない、と。
日本代表は、この言葉の通りに、全員で戦い、スペイン・ドイルを撃破し、ベスト16へ進出しました。
でも、アルゼンチンとフランスは、1人だけ守備を免除される選手を配置しています。
エースの彼らが試合を決定づけるプレーを見せるのか?
それともチームの穴になってしまうのか?
これが、試合の大きな分岐点になるでしょう。
さて、残り1試合楽しみましょう!!