2008年05月23日

今、その瞬間!!

UEFAチャンピオンズリーグのファイナルが行なわれました。
延長、PK戦までもつれこみましたが、勝者はマンチェスターユナイテッド。
年末のクラブワールドカップでの来日が楽しみですよね。
世界トップクラスの技術を持った集団ですからね。

チェルシー。
惜しくも敗れてしまいましたが、彼らも各国からキラ星のタレントを集めたチーム。
注目したいのは、チェルシーが同点に追いついたゴール。

右サイドバックのエシエン。
前線に攻めあがって、中央よりでロングシュート。

ちなみに彼は、様々なポジションをハイレベルでこなす素晴らしい能力の持ち主。
セントラルMF、サイドバックにセンターバック。
178センチと小柄なのですが、それを感じさせません。
「野牛(パイソン)」のあだ名はダテでは無いようです。

ロングシュートが、DFの足に2回?当たって、ボールがこぼれました。
そこに走りこんでいたのが、フランク・ランパード選手。
突然目の前に転がってきたにも関わらず、落ち着いてシュートを決めました。
トップスピードで走りこみながらも、上に浮かし、ふかすようなことも無く。

このプレーを観ていて、去年のクラブワールドカップを思い出しました。
ACミラン対ボカジュニオルズの1戦。
ミラン先取点のシーンです。

カカー選手がスピードに乗ってドリブル。
DFを3人引き連れながらも、強引にシュート。
一度は相手にブロックされました。
目の前に落ちたこぼれ球を拾って、シュートのようなパスのようなボールを中央に送りました。

そこに走りこんでいたのが、インザーギ選手。
彼はシュートを決めることだけを生きがいにしている。
そんな生粋の点取り屋。
突然出てきた!?ボールに、足を伸ばしてゴールに押し込みました。


この2つのゴールは、驚くようなスーパープレーではありません。
ところが、世界のトップ選手のメンタル、高い戦術眼、技術の全てが凝縮されているのです。

まずは、メンタル。
はっきり言って、ボールが出てくるかなどは分からない。
そんな状況です。
彼らは、絶対ボールが来る。
そう信じきってたに違いありません。
だからこそポジションを取り、体の向きを作っているのです。
それは、彼らのステップワークを見れば、証明できます。

ボールはDFの間を抜けてくる。
ボールは当たって、跳ねかえりが落ちてくる。
確率としては、ほんの数%にしかすぎない。
ただし、彼らの確信レベルは、100%を超えているかもしれない。
だからこそ、最高の準備をして、待ち構えれたのです。

そして、高い戦術眼。
本能のおもむくままプレーしていては、確率が下がってしまいます。
せっかくボールが目の前に来たとしてもです。

こぼれてきたボールを処理しやすい位置とは?
そのボールをシュートに結び付けれる位置とは?
シュートしやすい体の向きとは?

ポイントはボールを受けた瞬間、ゴールに向かえているかどうか。
彼らは、簡単にゴールを決めていますよね。
それは、このポイントをきっちりと押さえているから。


そして、最後に技術。
2本のシュートに共通するのは、正確さ。
とっさに来たボール。
当たり前のように、正確なインサイドキックでシュート。

その時、「インサイドでシュートを打とう」
彼らは考えていないはずです。
そんな余裕もおそらくは無いでしょう。

とっさに出てくるのです。
インサイドの面をキッチリと作る。
そしてボールを捉える。
これは、長年のトレーニングの成果。
習慣と言ってもいいでしょう。

その瞬間に必要なプレーを当たり前のようにする。
トップスピードに乗っていても。
DFに囲まれていても。
突然ボールがこぼれてきても。
これこそが、本物の技術。


突然出てきたように思える、こぼれ球。
メンタル・戦術眼・技術。
いい準備をすることで、簡単に決めることが出来る。


「この軌道のボールに対しては、こうって思い入れがある。
 この角度で来たら、こうシュートして、そしたらGKがこう反応して」
「焦らずに確実にゴールに置きに行けるよう、
 イージーボールを絶対点にむすびつけられるように」
現役時代に800点以上ゴールした、ジーコの言葉です。
彼が日本で最初に求めたのは、正確なインサイドキック。
この言葉には、3つの要素全てが隠れていませんか?



posted by フットボールコーチ at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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