日本代表対オマーン代表。
久しぶりに3対0の快勝。
試合の主導権を握り、決定機を量産。
流れの中から、2得点。
シュート数も、12対3と圧倒。
これだけ書くと、どんなに素晴らしい内容だったのか!?
勘違いしてしまうほど。
そんなに良い試合だったのか?
格段にチーム力はUPしたのでしょうか?
ポイントは、中盤に主力の選手を揃えることが出来た。
欧州で活躍する、中村・松井・長谷部選手。
彼らの所属する各国リーグの閉幕により、帰国し合流。
素晴らしい化学変化をもたらしてくれました。
技術も高く、戦術眼に優れている。
だからこそ、異国の地で、ポジションをしっかりと掴んでいる。
ただ、それだけでは化学変化をもたらすことは出来ない。
何よりも、海外で活躍し続けることはもっと出来ないでしょう。
彼らが日本代表にもたらした一番の力は、戦う気持ち。
プレー、対面する相手への激しさ。
試合を観ていて、まったりとしているな。
やる気あるのかこいつら。
そんな気持ちは思い浮かばなかったではないでしょうか。
それが現われていたのは、攻守の切り換えの瞬間。
自分が取られた時にはもちろん。
チームの誰かが取られた瞬間には、守備の体勢に入る。
そして、激しくボールに寄せていく。
その先導役となっていたのが、中村・松井・長谷部の3人といえるでしょう。
もちろん、最前線でボールを追いまわし、ゴールまで決めた大久保選手も素晴らしいパファーマンスでした。
さらに、球際の激しさも抜群でした。
ボールの前に立って、お終い。
「僕、守備していますよ」
誰かにアピールでもしているかのような、格好だけの守備。
彼らの守備はその対極。
スライディングすることもいとわなず、寄せ切っていました。
もう一歩、もう一歩と寄せて行く。
目の前に立ちふさがるだけに留まらない。
彼らのプレーを観ていて思い出したのは、ドイツでのワールドカップ。
現地で観た、世界のトップ選手たちの激しさ。
そんなに頑張るのか!?
スライディングしている回数の、やたら多いこと。
技術レベルの高いだけの選手は、もういらない。
「ハードワーク」
現代のフットボールを語る上でかかせない、大きなトレンド。
攻守に渡って、ボールにゲームに関わり続ける。
ボールが足元にある時だけ活躍する選手。
曲芸のようなボールコントロールしか出来ない選手。
彼らの出番は、トップレベルの試合ではほとんどありません。
一昔前なら、はっきりとした分業制で試合が行なわれていました。
1人のスターを輝かせる。
そのために、ボールを奪って、スターに渡す。
スターの守備の負担をいかにして減らすか?
スターと、それを取り巻く労働者の関係。
1980年後半のアルゼンチン代表。
マラドーナ選手の周りには、ブルチャガ選手のような労働者を配置。
また近年では、レアルマドリッド、フランス代表でもありました。
ジダン選手の負担を減らす、マケレレ選手。
最近では、こう言った片面の選手は使われにくい傾向にあります。
労働しか出来ない、スターの役しか出来ない。
もちろん、試合を決定付けるのは、スターの役目であることは変わっていない。
変わったのは、スター役に求められる仕事の量が増えたこと。
守備をしない、パスを出しても走らない、一昔前のプレーの対極。
高い技術を発揮しつつ、ピッチを走りまわる。
球際には激しく行くし、攻守の切り換えも当たり前のように行なう。
ドイツワールドカップで言えば、イタリアのピルロ選手。
アルゼンチンのリケルメ選手。
彼らは一昔前のプレーヤーとの印象がありました。
しんどいことは、周りに任せて、自分は美味しいところだけをいただく。
ところが現場で見た彼らは違いました。
守備の役割も全うするのです。
何よりも、自分から仕事を探して、プレーをしていました。
ボールを味方からパスしてもらうのを待つだけのプレーヤーではありませんでした。
当たり前のように、ピッチ狭しと走りまわっていました。
つい先日のチャンピオンズリーグのファイナルもそうでしたよね。
トップ中のトップの選手。
足がつるまで、ハードワークを続ける。
ハードワーク出来ない選手の居場所は無くなってきているようです。
今、トップレベルで求められているのは、ハードワークが出来、技術レベル戦術理解度の高い選手。
どちらか片面だけでは、通用しない。
それを、実際に肌で感じているのが、中村・松井・長谷部・大久保選手なのでしょう。
だからこそ、当たり前なんでしょうね。
スライディングするのも、球際に激しく行くのも。
その激しいプレー、メンタルを目の当たりにしたからこそ、チーム全体に波及したのでしょう。
監督がいくら指示を出すよりも、効果があるはずです。
自分が巧いなと認め、尊敬する選手がハードワークを行なっているのです。
彼らを良い気持ちで送りだし、ハードワークさせるように導いたのは、監督の手腕ですけど。
これで、ようやくチームとしてスタートラインに立てた。
そんな気がします。
世界を驚かす、世界で実績を残す。
そのためには、当たり前のことがようやく出来始めた。
これが、この試合最大の収穫でしょう。
これが本物であることを望みます。
暑く、環境の悪い、アウェイ戦。
そこで発揮できてこそ、本物ですよね。
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