2017年08月15日

解放させる。

 クルゼイロのコーチたちは、エリート集団です。

そもそも、ビッグクラブで働いている、そのエンブレムを身に着けている。

それだけで、大きな誇り。

胸を張って、街中を歩きます。

その本体のコーチたるや、日本人の想像を超えるほどの、エリートなのです。

でも、その彼らは、全く、偉ぶる素振りを見せません。

笑顔が素敵で、フレンドリーであり、我々を尊重しくてくれます。









 日本の子供たちは、居心地よさそうに、トレーニングしていました。

南米人が醸し出す、楽し気で、開放的な空気を感じているのでしょうか。

あまり接したことがない、ブラジル人であっても、こわ張っていない様子。

コーチ側が、一方的な、権威主義的な態度を取っていないからでしょう。

こういう風にやってごらん、と促されると、素直に取り組んでいきます。

傍で見ていても、本当に、良い関係を築いています。

その信頼関係が、早い上達を生みます。

そして、上達を選手自身も感じているから、さらにコーチに近づいていく。

好循環が生まれていました。









 それでも、日本人は、まじめですね。

空気を読み合って、行動しようとしています。

集合して、コーチの話を聞く態度は、素晴らしい。

この部分は、「規律正しく、我々を尊敬してくれている。」と高評価です。

でも、この規律正しさが、プレーに制限を加えている、言わば足かせにもなっています。

失敗が許されない?

集団の、何となくの意思からはみ出したプレーは許されない?

心のどこかで、ブレーキをかけているようにも見えます。








 ある日、面白いトレーニングがありました。

「ミニゲームをしよう。」

用意するものは、ボールだけ。

ビブスも、マーカーも、コーンも、ゴールも、あえて用意しません。

自分たちの持ち物で、ピッチを作り、ゴールを作ります。

水筒、シューズ入れ、ウェア、なんでもOK。

ピッチの準備が出来たら、靴を脱いで、ソックスも脱いで、ハダシになります。

そう、ストリートサッカーを味わってもらうためです。

ちなみに、ブラジル国内でも、ストリートサッカーは減少しています。

都市化が進み、車社会が進んだ影響と聞きました。











 子供たちは、ざわざわと、落ち着かない様子。

でも、コーチたちは、特に、何も言いません。

3人組程度のチーム分けを手伝っただけで、後は、選手に自主的に始めてもらいます。

恐る恐る、試合が始まります。

とその時、スピーカーのスイッチをON。

軽快な、ラテンの音楽をかけるのです。

思わず、踊りたくなるような音楽がかかります。

すると、ハダシの子供たちのプレーも、変わっていきます。

持っている技や、フェイント、相手を驚かすようなプレーを、やりたがるのです。

今まで、正確に止め、運び、蹴ろうとしていた姿とは、正反対。

まるで、自分たちで押し殺していた、内側の深いところにあった何かが、飛び出してきたようです。

心が解放され、プレーで表現をし始めたのです。

コーチたちも、音楽に合わせ、体を揺らして、笑顔で見守っていました。

「それを待っていたんだよ!」と言わんばかりの表情です。










 日本人は、真面目過ぎる。

我々は、自己表現が下手。

そんなレッテルが貼られています。

自分たちも、それでいいと思っていたのかもしれない。

コーチや親が、子供たちの、まじめに取り組む姿を期待している。

子供たちも、それに必死で応えようとしているのではないでしょうか。

実は、本当の姿は、そうでないのかもしれない。

心が解放された、子供たちのプレーは、エネルギッシュで、ダイナミック。

そして、ボールを蹴る喜びにあふれていました。










 この喜びを知らない子供たちは、大きくなったら、いつか、引退してしまうのでしょう。

スポーツには、引退などなく、形を変えて、一生楽しめるもののはずなのに。

真面目に、真剣に取り組むことは、素晴らしいことです。

競技の世界で生きていき、プロを目指すならば、当然の態度です。

でも、心からの喜びを知ることも、同時に必要であると思いませんか?

それを知っている人間は、いくつになっても、フットボールを楽しめるでしょう。
posted by プロコーチ at 02:47| Comment(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月20日

揃える意味

 とある高校のサッカー部にお邪魔しました。

指導者仲間が指導している高校です。

一人ひとり、人懐っこくて、ひたむきな選手たち。

ぐんぐん吸収してくれます。

まさに、乾いたスポンジのようです。

まだ、3〜4回ほど指導していませんが、明らかな変化が見られます。

育成年代の選手の変化は、指導するこちらが、驚かされます。








 つい、先日も、指導。

頭も、体にも、心にも刺激をいれて、変化を促しました。

最初は、ただただ頑張るだけだった選手。

2時間後には、ここが頑張りどころ!と表現し始めました。

今、何をすべきか?

この後、どうなりそうか?

そして、自分たちで声を掛け合い、積極的にプレーする。









 実は、トレーニング前に、気づいたことがありました。

それは、部室に併設されているトイレでのこと。

土足厳禁、の張り紙がありました。

少し観察していると、スパイクのまま入る選手は、一人もいません。

入り口で靴を脱いで、みな、トイレに入って行きます。

私もシューズを脱いで、トイレに入りました。

きれいに掃除された、使いやすいトイレでした。










 ただ、サンダルが5つほど設置されていました。

スリッパ代わりでしょうね。

このサンダルが、いろんな向き、左右バラバラ。

右足はこっち、なのに左足は向こう。

整理されていませんでした。

数十分後に、もう一度、トイレの入り口を確認すると、、。

状況は変わっていませんでした。










 最近、バッグや水筒などを、ピシッと揃えている光景を目にします。

あまりにも、必要以上?に揃っていることも多々ありますね。

度を超えたものは、揃えることが目的化されているようで、私はあまり好きではありませんが。

これは、自分のためですよね。

人の目は意識しているでしょうが、自分のための部分を感じてしまいます。

よそ様の邪魔にならないように、荷物をまとめていれば、十分ですよね。










 トイレのスリッパを並べることは、違います。

自分のためではなく、人のためです。

トイレを出る時に、スリッパを並べて置く。

そうすれば、次に使う人が気持ちよく、スムーズにトイレを使えるでしょう。

自分が出ていく流れで、スリッパを置いたら、次の人は使いにくいですよね。

一人一人、全員が、この気持ちを持てば、常にトイレのスリッパは揃っているでしょうね。









 フットボールに限らず、全ての集団スポーツで言えるでしょう。

次の人のために、自分が何をするか?

それを考え、気を配れる集団は強いでしょうね。

トイレのスリッパを揃えれるようになっても、そのチームが強くなれるかどうかは、分かりません。

でも、強いチームのトイレではどうでしょうか。

高い確率で、そこのスリッパは、揃っているでしょうね。


posted by プロコーチ at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月22日

両手で置く。

 ディ・マリアの素晴らしいフリーキック。

壁の上を、高速のカーブで抜き、ゴール。

GKはノーチャンスでしたね。

素晴らしいキックを見せた、ディ・マリアを褒めるしかないといったところでしょうか。






 先週行われたUEFAチャンピオンズリーグ、パリサンジェルマン対バルサ。

ここで、バルサを粉砕したパリサンジェルマン。

そのきっかけとなった、先制点が、このフリーキックです。

やや右サイド、ゴールまでの距離は20M。

左足のディ・マリアが最も狙いやすい位置ですね。









 この位置。

普段から、トレーニングしているポイントです。

彼が、フリーキックのトレーニングをしている映像を目にしました。

まさに、今回決めた位置にボールをセット。

ほんの少しずつ、ボールの位置をずらしながら、何本も蹴っています。

全て、壁の上を巻いて、落とす。

しかも、高速のスピードで。

何度蹴っても、ボールは同じような右上隅に向かっていきます。

それを見守っていたチームメイトも、感嘆の声をあげています。








 そのトレーニングを見て、あることに気づきました。

常に、同じ行動を、同じリズムで繰り返しているのです。

それは、キックの動作だけではありません。

ボールをセットするところから始まっています。

クラブスタッフが、ディ・マリアにボールを優しく転がして、渡します。

そのまま、足で止めて、セットできるくらいの優しいボールです。

それなのに、彼は、必ず、両手でボールを置きなおします。

ほぼ真横に助走をとり、ゴール方向を見て、構える。

そのままボールに近づき、キック。

シュートは、同じ位置に吸い込まれます。





 


 ラグビーの五郎丸選手のキックの前の動作。

野球のイチロー選手の、打席に立つまでの歩数、ストレッチ、バットの立て方。

クリスチャーノロナウドの、5歩下がって、両足を開いて構える。

これらは、全て、ルーティーンと呼ばれるものですよね。

同じ動作を繰り返して行うことで、技術のブレを減らす。

それは試合の時だけでなく、トレーニングの時から始まっている。

ゲン担ぎではありません。

毎回、同じ動作を、同じタイミングでしておく。

プレッシャーのかかる、大事な場面でも、それは変わらない。

平常心で、普段の技術を、存分に発揮できる。










 PK,FKのトレーニング。

必ず、試合で力を発揮できるようにしなくてはならない。

そうは言っても、個人の自主トレで、試合の状況を作ることは出来ません。

対戦相手を揃え、観客が入り、スポットライトを浴びる。

そのような大がかりなトレーニングは、プロ選手でも難しい。

だからこそ、「試合は最良の師である」とクラマーさんが仰るのです。










 我々ができることは、少しでも、試合の状況を想定しながらトレーニングすること。

まずは、必ず両手でボールを置いて、同じ助走(歩数、角度)で下がる。

そうすることで、質の高いトレーニングになる。

質の高いトレーニングを繰り返し、試合で技術を発揮できる選手。

ディ・マリアが、よい見本を示してくれました。
posted by プロコーチ at 17:05| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月20日

空中戦の勝者

 オーストラリア戦で、無類の空中戦の強さを誇った選手がいました。

小林悠選手です。

身長177センチと、特別高いわけではありません。

ちなみに、オーストラリアの選手の平均身長が、183センチ。

最も低い選手が、176センチでした。

つまり、身長だけを比べると、最下層に位置する選手。

それなのに、ことごとく、エアバトルを制した。

そして、ビッグセーブされてしまいましたが、惜しいヘディングシュートもありましたね。








 気になったので、彼の記録を調べてみました。

空中戦は、得意ともいえるし、不得意とも言えるデータが残っています。

今年、2016年シーズン、フロンターレでの試合データによると、、、。

自陣での空中戦での競り合いは、競り負けることが多い。

残念ながら、平均以下の強さ。

例えば、鳥栖の豊田選手や、ジュビロのジェイ選手。

彼らは、身長も高いですし、空中戦の強さを売りにしています。

小林は、動き出しの良さや、技術の高さで勝負している選手。

少なくとも私は、そういった印象でした。








 ところが、データによると、相手陣地に入った途端に、エアバトルを制する。

どれくらい強いか、例を挙げてみます。

横浜マリノスの中澤選手。

空中戦の強さで、のし上がって来たともいえる、センターバックですよね。

ちなみに身長は187センチ。

エアバトルを制し、ボールを跳ね返し続けている選手。

その中澤が、自陣で空中戦を制するのと、

ほぼ等しいくらい、小林選手も空中戦を制し、相手に競り勝っているのです。

10センチも低いのにも関わらずです。









 彼の空中戦の特徴は、落下地点に入らないことです。

矛盾するようですが、落下地点をとらえるのは、とても速いようです。

でも、ボールが落ちてくる場所、落下地点が分かっても、あえて、その真下には入らない。

空中の届くであろうポイントが分かったら、数M離れた場所で待機。

この、あえて、少しだけ離れた位置で待機しているのが、一番のポイントですね。

そこから、助走し、空中のポイント目掛けて、飛んでいきます。

競り合う相手は、ほぼその場からのジャンプ。

小林は、その相手がいても、恐れずに、飛び掛かるかのように、挑みかかります。

数M先から助走して、勢いをつけて、高くジャンプ。

腕の振り上げも、上手ですね。

うまく、全身のばねを、ジャンプ力に変換させています。

垂直飛び VS 走り高跳び、どちらが高く飛べますか?

小林は、常に走り高跳びをしていました。










 彼は、空中戦を制するための、大切な3つの要素を持っています。

・落下地点を見極める目。

・走り高跳びの感覚。

そして、何よりも大切なこと。

・競り合いを恐れない勇気。

自分よりも大きく、分厚い相手に挑みかかるのは、簡単なことではありません。

痛そうだ、ケガをしてしまうかもしれない。

恐怖心を持ってしまうと、空中戦を制することは出来ません。












 エアバトルに自信がない選手は、一度、彼の空中戦を観察してはどうでしょうか?

背が低いことを言い訳にする前に、やるべきことがある。

彼のプレーは、それを教えてくれていますよ。
posted by プロコーチ at 01:37| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月31日

ブラジルの子供たち。

団子サッカーをどうとらえるか?

子供たちが、1つのボールに群がる。
両チームの選手が、まるでラグビーのモールを組むかのように。
エゴイストの年代である、未就学児は、特にそうでしょう。
いわゆる「団子サッカー」です。




賛成派のかたは、大きくなれば、解消されるだろう。
それならば、U12ではドリブルをどんどんさせよう。
ボールを奪われたら、奪い返す。
ボールに対する執着心も、養われる。
狭い局面でのボールコントロールが、身に付く。





反対派の意見は、異なります。
団子サッカーは、サッカーではない。
子供でも、サッカーそのものをプレーさせるべきだ。
ポジションや、役割を少しずつ理解させる。
その中で、常に判断させなければ、将来困る。
それぞれの意見は、このような感じでしょうか?




今回のブラジル研修。
ブラジルの子供たちは、どうだったと思いますか?
私の見る限り、団子サッカーはしていません。
小学生の年代、いくつかのグループ、年代を見ました。
団子サッカーには、一切なっていません。
1つのボールに何人もの子供が、攻守入り乱れて。
そのようなシーンは、ありませんでした。
と、言っても、整然と、大人のサッカーをしているわけでもない。
日本人ほどの規律は、感じられません。
それでも、団子サッカーにはならないのです。





1つ、大きな特長がありました。
とにかく、ゴールに向かうのです。
サイドバックだ!と、コーチに言われても、気づけばウイングの位置。
闘莉王のような、攻め上がるセンターバックも、当たり前。
中盤も同じです。
とにかく、ボールを持っていなくても、ゴールに向かう意識が強い。
俺が、俺が!点を獲るんだ。







ボールを持てば、どうなるか?
無理な距離でも、シュート。
目の前の相手をはがして、ラストパス。
低い位置でボールを持ったとしても、ゴール方向に向かいます。
とにかくゴールを意識したプレーなのです。
攻撃の目的である、ゴールへの意識がとにかく強い。
たいして、ボール扱いが巧みで無くても、同じです。
小さい王様が、ピッチ上に溢れていました。






守備になれば、どうでしょうか?
びっくりするほど、突っ込んできます。
抜かれることなど、恐れない。
浮き玉のルーズボールも、同じです。
どんどん、マイボールにすべく、突っ込みます。
仮に抜かれても、すぐに追いかけて来ます。
とにかく、相手との距離が近い。
そして、どんどん足を出し、ボールに向かいます。
守備の本質である、ボールを奪い返す!
この気持ちを、常に体で表現していました。






日本の子供たちは、苦戦しました。
普段は、抜かれないように待つDFとの対戦です。
その間合い、やり方に慣れすぎているのでしょう。
子供たちに、聞いてみると、
「フェイントを出す時間が無い。」
「外したつもりなのに、ボールが相手の足に当たる。」
突っ込んでくるタイプのDFに、戸惑ったのです。
ドリブルが引っ掛かり、フェイントも出せません。
相手のタイプが変わったのだから、その変化に対応してほしいのですが。





チームメイトに入ってくれるブラジル人選手。
彼らは、ポジションを守りません。
自分が、正しいと思う位置に、勝手に行ってしまいます。
点を獲れそうだと思えば、前に上がります。
ボールが、来そうな場所に、好きに入ってしまいます。
真面目な?日本人は、困惑します。
言葉も通じないからと、為されるがままでした。
ブラジルの子供たちは、小さい王様ですから、そうなりますよね。
本当に、不思議なほどに、自信に溢れているのです。







トレーニングや、ウォーミングアップでは、日本人が抜群でした。
コーチも、「素晴らしい」と褒めてくれます。
「あいつは、いい選手だ!」と絶賛してくれることも。
私の目で見ても、ボールを扱う能力は高い。
自在にボールを動かし、フェイントを繰り出します。
一方、ブラジルの子供たちは、ミスばかり。
コーチの指示も、聞いているのかどうか?
自分勝手なことをしている子供すら、いました。
ところが、試合で活躍するのは、ブラジルの子供達なのです。
悔しいのですが、怖いのは彼らであり、効いているのも彼らでした。






足りない部分を見せつけられました。
ボールと仲良くするだけが、技術だと思い込んではいないか?
やられないようにすることが、守備だと思っていないか?
ボールを守っていれば、攻撃していると思っていないか?
試合でミスをすると、負のサイクルに、はまっていきます。
狭い所に突っ込んでいき、ボールを奪われる。
パスに逃げようとして、かっさらわれる。
頑張っているのは伝わりますが、自分の良さも出せない。







クラブのコーチに、聞いてみました。
日本の子供たちをどう思うか?と聞いてみました。
すごく、褒めてくれます。
規律正しい、技術レベルも高い。
でも、、、と、続きます。
「日本の子供たちは、試合になると自信が感じられない」
「試合を読む目が身に付いてない。」
との意見でした。







ブラジルの子供と、日本の子供は違います。
家庭環境も、教育も、違います。
ブラジルの真似をそのまますれば良い、とはならないのです。
例えば、多くの日本の子供たちは、向学心を持っています。
ブラジルの食事、環境を受け入れよう。
と伝えれば、少しずつであっても、取り組んでいきます。
さらに、
自分のやりたいプレーをするために、相手を観察しよう。
自分のしたいプレーを、周りに分かってもらおう。
毎晩、ミーティングと、個人面談を重ねました。
すると、日に日に良くなっていきました。
最終日の試合は、前回互角の相手を圧倒したのです。
環境に適応し、少しずつ自分のプレーを出せたのでしょうね。





では、我々は普段、どのような指導をしていけばよいのか?
小さい王様を、育てる努力をすべきなのか?
団子サッカーを、どうとらえるのか?
答えを出すことは、難しい。
ゴールへの意識、ボールを奪い返す意識。
ここは間違いなく、全世界共通です。
必ず、子供の時分に持たせてあげたいポイントです。






さらに1つ、真似をしたいポイントがありました。
彼らからは、プレーをする喜びを感じます。
やってやるぞ!フッチボウが大好きだ!
プレーで、それを表現し続けているのです。
常に意欲的な姿は、見ていて嬉しくなります。
日本で辛そうにプレーしている子供を、目にしませんか?
もっと、もっと、大好きになって欲しい。
喜びをからだ一杯で、表現する選手。
いいですよね。
posted by プロコーチ at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月01日

スタートの違い

 「日本人は規律正しい」

 「日本の子供は、規律正しい」

外国のコーチと仕事をすると、必ずといっていいほど、このように言われます。

ところが、試合においては、戦術的行動を取れない。

ピッチにおける約束事を守れない。

相手選手に囲まれても、ドリブルをして奪われる。

ゴールから遠い位置でも、近い位置でもプレーが変わらない。

規律正しいはずなのですが、規律を守れていない。








 おそらく我々は、儒教の教えが、生活に根付いている。

昔に比べると、薄れてきているでしょう。

人生の先輩方には、「近頃の若い者は!」とお叱りを受けていても。

まだまだ。

年長者を立てる、親を大切にする、先生の話を聞く。

当たり前のように、子供が小さいころから、教えられていることでしょう。

ですから、サッと集合し、コーチの話を聞いている。

この姿を見れば、規律正しい選手たちだと、思われるでしょうね。










 一方、個人の権利を最大限に主張する人々も、世の中には多数います。

個人が、自分の考えを強く持ち、自分の権利を主張する。

空気を読んでいては、自分の権利をそこねてしまう。

そうならないように、自分の考えを持ち、相手に伝えていく。

これは、フランスに訪れたとき、何度も感じました。

集団の利益よりも、まずは自分の利益。

自分の権利を脅かされないように、自分の権利を主張する。

スタジアムに向かう混雑、長距離移動の電車、満員のレストラン。

特殊な状況になっても、それは変わるようには感じられませんでした。









 先日、私のスクールにヨーロッパ生まれの選手が参加しました。

相手ボールになれば、常に、ボールを奪いにいく。

コースを切って、次に奪わせることはありません。

常に、狩人のように、ボールを狙っていました。

攻撃になれば、とにかく前進。

引っかかろうが、止められようが、とにかく前進。

ゴールに向かって突き進みます。

このような選手に、問いかける必要はなさそうです。

「サッカーの目的はなんですか?攻撃の目的はなんですか?」

常に、常にゴールに向かい、ボールを奪おうとしているからです。










 日本の選手は、こうはいきません。

横パスに逃げる、なんとなくドリブルをする。

守備になると、相手の前に立って、コースを切って、おしまい。

そのような選手には、常に発し続けなくてはならない。

「ゴール見てた!?今、前に行けたよね!?」

「もう少し寄せれなかった?」

空気を読みすぎる我々。

儒教の教えが、マイナスに働いてしまっているのでしょうか?

典型的な日本人に対しては、もっと、自分の権利を強く主張しても、いいのかもしれません。








 ヨーロッパからの受講生。

ボールタッチは固く、動きも滑らかではありません。

日本人が考える「うまい」選手ではないでしょう。

でも、間違いなく「怖い」選手でした。

彼に指導するなら、ポゼッションや、攻撃の優先順位を身につけさせたいですね。

そうなれば、怖さと賢さとを併せ持った、いいアタッカーになってくれるでしょう。










 もちろん、日本人の中にも、ボールを奪える、ゴールに向かえる選手もいます。

そして、その逆も。

スタートの違いを見ることで、指導のアプローチを変えていきたい。
posted by プロコーチ at 01:41| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月31日

いい失敗

ミスをするたびに、周囲の目が気になる。

プレーするたびに、ベンチやピッチサイドの様子をうかがってしまう。

自分のためにプレーをしていないように映る、選手が多くいます。

まるで、叱られる、怒られるのを恐れているかのように。

無難なプレーばかりを選択する。

それどころか、ボールに積極的に関わることを放棄してしまう。

うーん、寂しくなるような光景です。

これは、誇張でもなんでもありません。

様々なレベルで、しばしば目にする、選手の光景です。







 この動画をぜひ見てください。

テレビで盛んに流れているので、見たことがあるのではないでしょうか?

googleがこの新年から流している、TVCMです。






 動画の中では、大人も子供も、出演します。

楽器の演奏、化学の実験、そしてサッカーのテクニック。

彼ら、彼女たちは、ミスをしてしまいます。

熟練者も出てきますが、信じられないようなミスまでしてしまいます。

サッカーでは、リフティングの足技!が、ボールに乗っかってしまい、転倒です。

まるで、面白、ハプニング集のような映像が続きます。

そして最後に、一文が。

「今年も、たくさん失敗できるように。」










 失敗するのを恐れていると、そこそこのレベルにしかたどり着けない。

周りの目を気にせずに。

ピッチの外の目を恐れずに。

堂々と、積極的にチャレンジを続けること。

上達するための、唯一無二の方法です。

コーチも、選手も、同じですよね。

たくさんの準備をして、思い切ってチャレンジしていく。 

このCMは、大切なことを思い出させてくれます。

いい失敗を!!
posted by プロコーチ at 01:54| Comment(1) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月14日

その瞬間の基準に過ぎない

 ブラジルワールドカップで戦うメンバーが発表されました。

GK 東口
DF 駒野 太田 塩谷 闘莉王
MF(ディフェンシブ) 細貝 中村憲剛
MF 南野 原口 高萩
FW 豊田
SUB 佐藤寿人 高橋秀人 ハーフナーマイク 宇佐美 三浦知

なかなか、面白そうなチームが組めました。 







 ???

上記は、残念ながらブラジル行きのメンバーに選ばれなかった選手で構成した、裏代表です。

ブラジルで戦う姿が見たかった〜。

この選手がいれば、こんな戦い方が出来るのに!

この状況になったら、欲しいな!!

彼がいれば、こんな状態にならなかったのに・・・。

チームのために力を発揮してくれそうな頼もしい選手たちですよね。

ザッケローニ監督には、残念ながら、選ばれませんでした。





 

 日本代表!

選ばれた選手は、もちろん一人一人が素晴らしい選手。

ピッチの上でも、ピッチの外でも、代表チームのために全力を尽くしてくれるでしょう。

世界を驚かせてくれるかもしれない。

もし、監督が違う人間だったら、違うメンバーが並んでいたでしょう。

今回の代表チームに選ばれなかった選手が、悪い選手だ、という訳ではありません。

たまたま、この短期間の決戦のチームに選ばれなかっただけである。








 選手としての価値を否定された訳ではない。

たった一つの基準から外れたに過ぎません。

世の中には、たくさんの基準があります。

長さを測るもの。

重さを量るもの。

数を数えるもの。

温度計で計るもの。

どの基準を用いるのかで、当然序列も変わってきます。

それなのに、選ばれなかったと言うだけで、人間の価値を否定された!

落ち込んで、沈んでしまう。








 代表選手でなくても、我々一般人でも同じはず。

チームでスタメンで出れなかった。

セレクションに落ちてしまった。

トライアルに、、。

それは、その瞬間の基準に、たまたま合わなかっただけであり。

自分自身の価値が否定された訳ではない。

それならば、胸を張って、自分に出来ることを始めれば。

歩き始めれば、チャンスは、また来てくれる。

新たなチャンスを掴むために、自分を磨き、研ぎ始める。








 新たに歩き始めた、代表候補の選手が何人もいます。

愚痴をこぼすことなく、選ばれたメンバーに対する敬意を忘れない。

簡単なことではないはずです。

素晴らしい人間性ですよね。

もし、その基準を当てはめていたら、間違いなく代表選手でしょうね。
posted by プロコーチ at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月04日

勝ちグセ、負けグセ

 今年のJリーグは、サンフレッチェ広島が初優勝を遂げました。

自分たちのスタイルを持つチーム。

自前の選手が躍動するチームの優勝には、価値があると感じられます。

さらに、彼らには、クラブワールドカップの出場権も与えられました。

どのような戦いを見せてくれるか、楽しみです。

伸び伸びと、自分たちのスタイルを、貫いて欲しいですね。





 



 その一方で、降格してしまうチームもあります。

札幌、神戸、大阪。

シーズン当初のプランが壊れたのか、歯車が崩れてしまったのか?

何か、足りないモノがあったことは、間違いないはず。

来シーズン、J2で足りないものを取り戻し、復活出来るのでしょうか。










 降格が決まってすぐ、試合後のインタビュー。

とても、興味深い発言をしていた選手がいました。

ヴィッセル神戸の大久保選手です。

「柏も広島もJ2で勝ち癖をつけてそこが自信になってJ1優勝まで行けたと思う。」

そして、こうも話しました。

「一人ひとり自信を持ってプレーする事が大事だと思います。」

経験が豊富な彼は、チームの空気を感じていたのでしょう。

自信なく、何をしてもうまく行かない。

まるで、負けぐせがついているかのような空気を。







 人間の行動と、心の状態とは、密接な関係があります。

失敗ばかりを繰り返していると、やる気を失ってしまう。

いくら努力をしても、無駄だと、心が学習してしまっているのです。

この状態を「学習性無力感」と呼ぶそうです。

失敗ばかりを繰り返してしまい、それに気づいてしまう。

その原因が自分の至らなさだと考えてしまう。

すると、いくら努力をしたところで、成功しないと考えてしまう。








 アメリカの心理学者である、マーティン・セレグマン。

彼が、面白い実験をしています。

犬に足かせをし、逃げれない状況を作ります。

その状態で、電気ショックをかけ続けます。

すると、最初の頃は、必死に逃げようとしました。

ところが、逃げれないと分かると、逃げようとしなくなるのです。

しかも、足かせを外し、自由にしても、逃げようとしない。

逃げれる状態で電気ショックを与えても、逃げずに電気ショックを受け続ける。

長い間、努力が無駄であることを学習してしまった結果だそうです。

これが、「学習性無力感」です。







 J2に降格したチーム。

勝つことを忘れてしまっているチーム。

そのチームには、この「学習性無力感」が蔓延しているのでしょう。

負けるという電気ショックを受け続けてしまった?

いくら良い試合をしていても、最後には敗れている。

こんなはずではない!

必死に準備をし、試合でも全力で戦っているでしょう。

心がその状態では、パフォーマンスは伴ってこないのではないでしょうか







 ここで、大久保選手の言葉が思い出されます。

「J2で勝ち癖をつけて・・・」

戦う舞台は変わりますが、勝利を重ねること。

そうすることで、心が変わってくるはずです。

「自分たちはダメだ」 ⇒ 「自分たちは強い」

心が変われば、パフォーマンスが変わり、チームが変わるでしょう。

それを、「自己効力感」が高いと言うようです。







 失敗は、成功の元(種)という言葉があります。

失敗だけでは、電気ショックを受け続けた犬になってしまう。

成功を重ね、自分に自信をもつこと。

これも、大切なことのようです。
posted by プロコーチ at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月24日

本番で力を発揮する。

 ジュニアチームが、1dayのフットサル大会に出場しました。

ジュニアチーム、もう始動し始めて、1年と半年になります。

メンバーが少しずつ変わりながら、週に1回程度の活動をしています。

どのような刺激を与えればいいのか?

今、何を伝えることが、将来につながっていくのか?

大人の指導も面白いのですが、子供も楽しいですね。








 チームとして、協会に登録をしていません。

普段は、自分のチームで活動していて、それに加えてフットサルをしている。

彼(彼女)らにとっては、年に数回の大会が、数少ない実力を試す機会です。

今まで、5回大会に出場、2回優勝、3回最下位です。

結果だけを目標にはしていない!

でもそれは、大人の考え。

子供たちは、勝ちたい!優勝したい!

それが、自然な欲求なでしょう。

目の前の結果に対して、100%のパワーでトライしていく!!

その熱い気持ちを大切にしてあげたい。








 大会を見ていて、いくつか気づくことがありました。

子供達を観察すると、大きな気持ちの揺れ動きがありました。

初戦は、硬さが目立ちました。

決めれるべきシュートが3本くらいありました。

GKとの1対1、無人のゴールへのシュート。

それらが決まらず、終了間際には決勝ゴールを許してしまいました。

1対2での悔しい敗戦でした。

(実は堅くなっていたのは対戦相手も同じでした、

 グループを全勝で勝ち上がるし、次の試合では7点を奪って大勝!)



 さらに、全敗で迎えた、順位決定戦。

対戦相手も、全敗の相手。

実力的には互角のはずです。

勝たなくてはならない!とプレッシャーを感じてしまったのか?!

突然、ボールをつなげなくなります。

そして、フリーでもボールを蹴飛ばす。

無謀なドリブルを繰り返す。

結果、0対5の大敗でした。

メンタルが、パフォーマンスを左右することを目の当たりにしました。









 今回の大会は、0勝4敗、8チーム中の8位。

得点2、失点11。

数字だけで判断すると、無残な敗戦のように感じてしまいます。

でも、コートの上の子供たちは、明らかに成長を見せてくれました。

トレーニングで取り組んできた内容を、力いっぱい発揮しようとしていました。

それでも、残念ながら結果はついてきません。

フットボールは、難しいものです。








 暑い太陽の下でも、必死にくらいつく彼ら。

そんな彼らに、どんな手助けをしてあげることができるだろうか?

それは、もっと、質の高いトレーニングを提供することではないか。

試合でコンスタントに力を発揮するために。

試合のような緊張感や激しさを、トレーニングから求めていく。

それでも、フットボールを楽しむ気持ちは忘れずにしたい。
posted by プロコーチ at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月22日

近くて遠い、11M。

 PK戦。

コイントス、ロシアンルーレットのようなもの。

フットボールの実力を表すものではない。

オシムさんは、監督の時に、直視せずにロッカールームに向かったとの話も。






 PKの蹴り方は、幾つかの種類に分類できます。

・蹴るコースを予め決めておく。

・GKの動きを観察し、GKの飛んだ逆に蹴る。(いわゆる、ころころPKもこの分類)

・そのミックス(GKの逆に蹴ろうとするのだが、待つタイプのGKなら自分の決めていたコースに)






GKも、飛ぶタイミングで、幾つかのタイプに分かれます。

・ボールが蹴りだされる前に飛び始める(全部左、左右交互と決めて飛ぶGKも)

・キックのギリギリまで飛ばずに、キックの瞬間に飛ぶ(軸足のつま先や蹴り足の面を観察)

・飛んでくるボールに反応する、全くヤマを張らず反応のみで

もちろん、スカウティング情報は持った上でです。

直前で蹴る方向を変える選手もいるので、スカウティングに全てを任せれない。

キッカーとGKとの間には、ずっーと、駆け引きが繰り返されている。






 素晴らしいGKは、PKの阻止率も高いものがある。

5本中2本も3本も止めて、勝利に結びつける。

PKの決定率が、7割〜9割くらいでしょうか。

5本中、1本止めれば、御の字です。

統計的事実を上回ってくる、グレートなGKがいる。(その日だけかも?!)

実際に、ペナルティーマークにボールを置いて、後ろに下がる。

すると、GKが大きく見えてしまうことも・・・。









 ただ、キッカーが圧倒的に有利な状況であることは揺るがない事実です。

11Mの距離で、強いボールをいいコースに蹴れば、GKは間に合わない。

人間の反応速度+動作のスピード、これよりも飛んでくるボールが到達する方が速いのです。

ボールがサイドネットに飛ぶ。

ボールが、ゴールの上3分の1に飛ぶ。

インステップだろうと、インサイドだろうと、プロの選手なら難しいことではない。

ましてや、世界のトップオブトップの選手なら、簡単なキックでしょう。








 仮に120分プレーをしていたとしても、たった1本狙った場所に蹴るだけ。

たった1本蹴るだけなのに、ポストにぶつけてしまう。

さらには、枠にすら飛ばないことすらある。

何が原因なのでしょうか。

身体的疲労や、ストレスによる消耗が、技術レベルを押し下げてしまった。

ただしその状況は、キッカーもGKも同じ条件です。








 ここで起きている大きな問題の一つに、心の状態が挙げられます。

普段は入るはずのPK。

ここ一番の試合で失敗してしまうには、技術的な原因か、心理的な原因のどちらかがあります。

そもそも、狙ったコースに、強いボールを蹴ることが出来ない。

狙ったコースに強いボールを蹴れるのだが、明らかに見え見えである。

これは、トレーニングで、技術的な部分をクリアにしておかなければならない。








 もう一方、心に障害物とでも言いますか、問題を抱えている場合もあります。

外してしまったら、、、

以前に外してしまったから、、、

GKが素晴らしい、、、

成功してしまったら、今の自分の状況とは変わってしまう、、、

このような問題は、本人が意識していない部分で起こってしまっている。

心の中ではなく、心の奥底、無意識の中にある。

失敗への恐怖、成功への恐れ、過緊張。







 PKを決めるためには、心の部分にも配慮すべきです。

例えば、トレーニングの時、試合に近い状況を作ってみること。

決められた準備、行動(ルーティン)をとり、日常を作る。

自分に向けて、ポジティブなトークを行う。

筋肉を緩める、呼吸法で、リラックスを試みる。

選手一人一人が、自分にあった方法をとり、PKに対する心の障害を取り除く。

PKを蹴ることに、集中できない理由があるはずです。

集中できない理由を取り除く作業を、選手と、コーチとが試合前に行う。

その上で、ペナルティーマークの前に立てれば、成功率は高まるはずです。








 余談ですが、私は、ルーティンを行います。

ボールを必ず両手でセットする。

ボールだけをジッと見て、右足から後ろに真っ直ぐ5歩下がる。

その後、左に2歩ずれて、レフェリーの笛を待つ。

すると、ちょうどいい程度に緊張し、集中力を高めておくことが出来るのです。

それぞれの選手にぴったり合った方法が、何かあるはずです。

PKは単なるロシアンルーレットではなく。

技術を発揮する場所であり、メンタルゲーム。
posted by プロコーチ at 12:01| Comment(2) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月27日

イニシアチブを取れ!

 順番の回ってこないスポーツ。

打順があり、必ず自分の出番があるスポーツではない。

サッカー・フットサルでは、自分の存在や価値を、認識してもらわないと!

そうでなくては、ボール(順番)が来ない。

さらに、自分が何をしたいか!を周りにしってもらう必要がある。

自分が活躍するためには、得意なプレーをしってもらわなくては。

ウィークポイントで勝負をしてしまい、価値を下げるのか?

それとも、ストロングポイントを見せつけて、認めさせるのか?

これが、フットボールというスポーツで求められる資質。








 この春も、子供向けの面白いクリニックが開催されています。

ボカジャパンが開催する、スキルアップクリニックです。

これは、日本にボカジュニオルズの育成コーチを招き、指導を行うというもの。

スクールコーチなどではなく、育成のプロとして実績を残しているコーチです。

昨夏も、見学させてもらいましたが、とても興味深いものでした。

コンセプトが、「日本人の子供が特に不足している点を取り上げて指導する」

日本の子供たちに足りない部分を、アルゼンチンの指導者がピックアップする。

我々とは、違った切り取り方をするのが、また面白いところです。









 今回、2日目のテーマが、「イニシアチブをとれ!」

状況に合わせるだけではなく、自分に有利な状況を作り出すのも大切、とのこと。

ボールコントロール、体の使い方、ボールの蹴り方。

カリキュラムは、どんどん進んでいきます。

日本でもおなじみのメニューもあれば、そうでないものも。

やはり、根っこになる部分が違えば、モノの見方も違うようです。

それが、私が見学に行く大きな理由でもあります。









 クリニック中に、小さな事件がありました。

ファーストタッチのトレーニング。

コーチが説明し、デモンストレーションをしました。

そのデモは、アシスタントの日本人コーチが行ないました。

相手DFのプレッシャーによって、様々なコントロールがある。

4種類に分けて、説明がありました。








 そして、コーチが質問します。

「今の分かった人?!、手を挙げてごらん。」

20人を超える人数の子供たちが参加しています。

誰一人、手が挙がりません。

さらには、全員が、うつむいてしまいました。

アルゼンチンのコーチが、目を合わせようとしても目をそむけてしまいます。

それどころか、当てられないように、影に隠れる子供すらいました。









 他のスタッフが、冗談交じりに言いました。

「ほら手を挙げて、イニシアチブをとらないと!、主導権を握らないと!」

(当日のテーマが、イニシアチブを取れ!です・・・。)

それでも、誰一人、手を挙げようとはしませんでした。

スタッフの冗談も伝わらず、変な間が生まれてしまう始末です。









 そのボールコントロールは、難しいものではありませんでした。

証拠に、直後のトレーニングでは、ほとんどの子供たちが出来ていたからです。

つまり子供たちは、分かっていても手を挙げなかった。

仮に、分かっていないなら、分かっていない、と言えたはずです。

お互いあまり知らない間柄だったので、けん制しあったのでしょうか。

目立つことを恐れたのでしょうか。

これが、自分の学校、自分のチーム、家だったらどうなのでしょう。

同じ結果だった?!とは思えません。

子供たちは、誰も手を挙げないので、空気を読んだのでしょう。










 空気を読む。

日本人の良いところでもあります。

人の気持ちを慮らず、気持ちを踏みにじる人間は、尊敬できません。

その一方で、日本人の短所にもなり得る部分ではないでしょうか。

少なくとも、ピッチの上では、空気を読んで意見を控える余裕はない。

状況が、刻一刻と変わり続けるスポーツ。

順番待ちをしていても、順番が回ってこない。

それどころか、順番を飛ばされてしまうこともあるでしょう。

空気を読むのは、相手の意思を想像することに使うべきだと、私は考えます。

日本人選手が、イニシアチブを取れる日は、来るのでしょうか?
posted by プロコーチ at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月13日

笛が鳴るまで、

 「笛が鳴るまで、プレーをやめるな!」

何十年も前から、言われ続けている、フットボールの鉄則の一つです。

私も、昔から何度も言われてきましたし、言ってもきました。

反則があった、反則をされた、としてもプレーを止めてはならない。

セルフジャッジをするのではなく、レフェリーの笛が鳴るまでプレーを続けること。

いつでもレフェリーが、正しい?判定を下してくれるとは限らない。

明らかなハンドや、明らかな反則を見逃してしまうこともある。

ましてや、プレーヤーが、自分の価値観で反則を決めてしまうことは、もってのほか。

先人たちが、たくさんの痛い目を見てきたからこそ、この鉄則が受け継がれている。











 昨シーズン、UEFAチャンピオンズリーグでこんな事件がありました。

FCバルセロナ対FCコペンハーゲン戦でのことです。

第2GKのピント選手がバルサのゴールを守っていました。

1対1になりかけたのですが、相手FWセサル・サンティンが突然動きを止めました。

何とピントが主審の笛のような口笛を吹いたのです。

マルティンにオフサイドの反則があったと勘違いさせてプレーを止めさせたのです。

この行為の代償は大きく、2試合の出場停止処分を受けたのです。

このようなことがあるなら、笛が鳴っても、プレーを簡単に止めてはならないのでしょうか。

笛が鳴ってもなおプレーを続けていると、今度は自分が反則になってしまう。

だからこそ、ピントの口笛は、あってはならない行為だったのです。








 先日、指導している選手の紅白戦に、GKで出場しました。

試合に出る準備をほとんどせず、突然出場することになりました。

プレーをするために、集中力を高めておくこと時間も無く、ピッチに立ちました。

試合の中盤に、問題のシーンが起こりました。

中央を相手が攻めてきます。

攻守共に、何人かが密集し、せめぎ合っています。

そして、中央を突破されました。

味方DFが一枚食い下がっていますが、斜め後ろから何とか追いかけているにすぎない。








 次の瞬間、副審がフラッグを、パサッ!と上げました。

オフサイドなのでしょうか、はっきりと旗を高く上げています。

レフェリーは、旗を下げさせるような仕草もとらず、そのまま走っています。

「笛が鳴るのかな」と私は思い、少し集中を緩めてしまいました。

まだ、笛も鳴っていないのに!

相手選手は、味方DFと共に、ゴールにどんどん迫ってきます。

なぜか、笛は鳴りません。

そして、シュートを打たれてしまいました。

私は、構えてもいなく、シュートを決められてしまいました。

レフェリーが「ゴールイン」の声と共に、得点を認める笛を鳴らしました。

あっけないほど簡単に、失点してしまったのです。






 副審はオフサイドの判定。

もちろん最終判断は、主審にあります。

主審が判定を下して始めて、反則となる。

だから、笛が鳴るまで、プレーをやめてはならない。

この、当たり前のはずの鉄則を守れなかった。

勝手に、集中力を落としてしまった。

紅白戦とは言え、明らかな自分のミスで失点しまったのが、悔しい。







 笛が鳴るまで、プレーを止めない!

笛が鳴っても、次の対応を考える。

試合終了までは、集中力を高く維持し続けること!!

当たり前の鉄則が抜け落ちてしまった。

もう一度、心に深く、刻みなおす。
posted by プロコーチ at 09:31| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月19日

スコアボードを見ながら

 フットボールは、メンタルゲームでもあります。

人がプレーするのですから、当然でしょうか。

我々は、メンタルをエネルギーにして、体を動かしています。

精神状態が整っていると、いいパフォーマンスにつながるものです。

その逆の状態も、当然起こります。

先日、そのことを実感する瞬間がありました。








 私たちは、初めて小学生フットサル大会を企画しました。

普段は、成人を対象にしているので、新たな挑戦でした。

新しいことに挑戦するのは、簡単ではありませんね…。

開催したカテゴリーは2つ。

U−11とU−9。

前日までバタバタしていたのですが、何とか募集チームを埋めることが出来ました。

共に尽力してくれた方に、大きな感謝です。








 大会を企画するだけでなく、その大会にチームを参戦させる取り組みもしました。

7回トレーニングをして、大会に向けて、チーム作りを行いました。

1ヵ月半の間で、子供たちは、少しずつまとまって来ていました。

大会では、少しはいいパフォーマンスを発揮できる?!と淡い期待を抱いて試合に臨みました。

我がチームの子供たちは、熱いプレーの連続で、会場を沸かしてくれます。

自分たちよりも、格上に見えるチームに対しても、臆することなくぶつかって行きました。









 U−11チームでは、2試合を終わって、1分け1敗。

初戦は、先取点を取るも、同点に追いつかれる。

2試合目は、ロースコアの我慢の展開でしたが、失点してしまい、0対1で惜敗。


3試合目こそは!!ともう一度結束を確認して、キックオフ。

先に点を取り、3対1でリードしました。

後半になり、子供たちが、残り時間を意識し始めました。

得点差を守りたいのか、腰が引けた戦いになったのです。

今までの良さであった、全員で攻めて、全員で守ることが出来なくなってしまった。

すると、1点を返され、さらに同点ゴールも奪われ。

そのまま試合終了、勝利を逃してしまいました。









 また、もう1つのU−9チーム。

彼らは、初戦から快進撃を続け、3試合を終え、2勝1分け。

優勝も見えてきました。

「次勝ったら、優勝じゃない!?」


すでに優勝した気でいるのか、興奮気味に、子供同士で声を出し合っていました。

迎えた最終4試合目、それまでの勢いがどこにいってしまったのか?

終始リードされる展開。

終盤に盛り返しましたが、2−3で敗れてしまいました。

彼らは見事に大会を制したのですが、悔いの残る最終戦だったはずです。








 U−9/U−11両チーム共に、試合をしているのに、ボールを相手を観ていませんでした。

試合のスコアを気にして、スコアボードを見ながら試合を行っていたかのようです。

1つ1つのプレーに集中し、いいパフォーマンスをする。

そのために、ボールを観て、相手を観て、味方と戦うこと。

そこが抜け落ちてしまった時間は、いいパフォーマンスを発揮することが出来なかったのです。









 テニスなどのスポーツでも、このようなことはあるようです。

テニスをプレーする時は、当然ボールを観ますよね。

でも、実は多くのテニスプレーヤーが、スコアボードを見ながらプレーしているそうなのです。

「あと1ポイントで、ブレイク出来る」とか、「このポイントをを取られたら負ける」

など、ボールを観ることよりも、そちらに意識が持って行かれている。

当然なのですが、本当にスコアボードに目を向けながらボールを打つ人は、いません。

それなのに、まだ決まってもいないポイントのことを考えてプレーしてしまうのです。

今、ここにあるボールに集中して、打つことが何よりも重要なはず。

その積み重ねが、得点の積み重ねとなって表れる。









 話を戻して、U−11チームの最終戦。

残念ながら、試合前から、優勝の可能性は無くなってしまいました。

しかも、対戦相手は、3勝0敗で現在首位のチームです。

私は、試合前に、こう伝えました。

「今までの結果や、スコアボードを見ても、いい試合は出来ない。」

「目の前のプレーに集中して、対面する相手をやっつけるくらいの気持ちで!」

「最後の試合だから、最高のプレーをしよう!」

試合は、点を取っては取られての、派手な撃ち合いになりました。

さすが首位のチームは強く、エースの能力は抜群でした。

我チームの子供たちは、最後の最後までボールに喰らい付いていきます。

結果は、見事6-5で勝利!!

優勝チームに、唯一の黒星を土をつけることが出来たのです。

その時の、子供たちのいい表情は、今でも心に焼きついています。








 点数、時間などの経過を見て、試合をマネジメントする能力は、とても大切なものです。

大局を見て、今、何をすべきかを選手が考えながら試合を行う。

優れた選手・チームの証かもしれません。

ただ、その前に、スコアボードを見ながらは、試合が出来ないこと。

目の前の戦い、ボール、相手をグッと観ることの重要性を忘れてはならない。

何を考えていても、最終的には、意識をそちらに持っていかなくてはならないのです。

子供たちの熱い戦いから、改めて学ばせてもらいました。
posted by プロコーチ at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月02日

1人で準備する

 ある、体操教室を見学してきました。

そこでは、未就園児から受け入れています。

幼稚園年代の、お着替えの様子を見ていると、面白い光景を目にしました。




 自分からは何もせずに、ずっと直立不動の子供たちが何人もいるのです。

優しいお父さんやお母さんや、おばあさんにお任せです。

服を脱がせ、着させる、そしてたたんで、カバンに片付ける。

まるで、等身大の着せ替え人形でも見ているようです。

子供たちは、楽しそうに、友達と話したり、お菓子をほうばっています。





--------------------------------------------------------------------------------


 仲の良い家族の、ほほえましい光景に映ります。

私は突然、ある映像を思い出し、残念な気持ちになりました。

何年も前のテレビ番組でのことです。

フランス国立サッカー学院(INF)を取り上げていました。

JFAアカデミーのモデルになっていることでも有名な、全寮制のアカデミーです。

アンリ・アネルカなどが、卒業生として活躍しています。





 そこでは、親元を離れた少年たちが、寮生活を送りながら、プロ選手を目指している。

言わば、エリートの集団です。

それでも、グラウンドを離れた姿は、やんちゃな少年たちでした。

ダンスをしたり、カードをしたり、普通の子供たちと変わらないように見えました。





 週末には、親元に帰り、地元のチームで活動しています。

寮から、帰ってきた子供のカバンの中身が変わった。

「一番成長したのは、カバンの中がキレイになったこと」

ある少年の両親が、このことを一番喜んでいました。

ようやく、自立し始めたことを実感したのでしょう。






--------------------------------------------------------------------------------


 ピッチの上では、自分でプレーします。

誰かが助けてくれることがあるかもしれない。

誰かが助けてくれることが前提になっているチームは、強いのでしょうか?

助け合う必要性のない個人が、チームを組んでいる。

実際には難しいでしょうが、これが理想のひとつのはずです。




 伝説になっているような、常勝軍団が幾つかありました。

そこでは、チームメイト同士が一番のライバル。

トレーニングの時から、激しく削りあうのも当たり前。

口論するのも当たり前。

誰もが、自分に自信を持って、プレーをしている。

その個人が、1つにまとまる時、とてつもない力を発揮する。




 自分で認知する。

自分で判断する。

決断を下し、行動するのも、もちろん自分自身。







--------------------------------------------------------------------------------


 幼稚園も年長、年中さんになれば、1人で着替えられるはずです。

時間が無いからなのか、親が全てをしてしまっていた!

小さい時から、誰かが何かをしてくれる。

それが当たり前の生活を送っていては、どんな大人に成長するのだろう。






 もし子供に任せると、どうなるのか?

時間が掛かって、遅刻してしまう。

忘れ物をして、困ってしまう。

可愛そうだから、親が手を出してしまうのか。

何のために、体操教室に通っているのでしょう。

もし、「子供のため」と言うのなら、手を出すのをやめて、見守ってあげたらいいのに。






 海外で、国際試合で通用しない。

メンタルが弱い。

大きくなる前に、その前に家庭ですべきことがあったのかもしれない。

せっかくの成長のチャンスを逃している!光景でした。
posted by プロコーチ at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月06日

自分にはね返ってくる

 ナビスコカップ決勝後のセレモニーで、事件が起こりました。

試合に敗れた、川崎フロンターレの選手たちの態度が、問題のようです。

準優勝のメダルを外す選手たち。

ガムをかむ選手、握手を拒む選手。



 

 Jリーグのトップである、鬼武チェアマンの発言が契機となり、一気に問題化しました。

「許せない態度。負けたのは己の責任。」

「すべての人に対して失礼。賞金を返してほしいくらいだ。」

かなり強く怒りを表しています。

その結果、チームとしても、個人としても、厳しい制裁を受けてしまいます。



--------------------------------------------------------------------------------


 この問題を、観点を変えて考えてみます。

スポーツマンの成長、フットボーラーの成長というものです。




 スポーツマンにとって、メンタルの強さは、必要不可欠なものです。

心のコンディショニングを整えることが、好パフォーマンスにつながる。

過度の緊張や、気の緩みで、試合中に失敗をしてしまう経験は、誰もがあるはずです。




 つまり、トレーニングを積み重ね、試合の経験をしていくだけでは、一流にはなれない。

スポーツマンとして成長していくためには、メンタル面に目を向ける必要があるのです。

メンタルの成長と、スポーツマンとしての成長は深い相関関係にあります。






--------------------------------------------------------------------------------


 ミラーイメージの法則という考え方があります。

ここでのミラーは、鏡のミラーです。

メンタルと、鏡との関係とは?





 一流の選手ほど、相手に敬意をはらっています。

当然のように、ライバルにも賞賛の言葉を送ります。

「彼の能力は素晴らしい。」

「ライバルとの競い合いがあったからこそ、自分が成長できた。」

こんな言葉を耳にしませんか?

彼らは、キレイ事で口にしているのではありません。

意識はしているかもしれませんが、本心からの言葉です。




 相手に対する言動は、それがそのまま自分に返ってくる。

「失敗してしまえ!」

「お前なんか、大したことない!」

マイナスの言葉を口にすれば、自分のメンタルの状態はマイナスになります。

プラスの言葉や思いなら、それは自分にとってもプラスになるのです。

自分のメンタルの状態、セルフイメージが大きくも、小さくもなるのです。

まるで、鏡に向かっているかのように。

これが、ミラーイメージの法則と名付けられているものです。




 日本でも同じ考えが昔からあります。

言葉には力がある。

言葉は、言霊である。

いい言葉を口にするか、悪い言葉を口にするのか。





 これらのことは、セルフイメージのある特徴から来るものです。

セルフイメージは、自分も相手も区別がつかないのです。

負のミラーイメージによって、セルフイメージが小さくなってしまう。

それは、メンタルの状態が悪いことを表します。

つまり、スポーツマンとして退化してしまうことなのです。

相手と共に、自分自身も成長していく、いいイメージ。







--------------------------------------------------------------------------------



 FC東京、川崎フロンターレ、どちらが勝ってもおかしくない白熱した試合でした。

90分間、ピッチの中で、両者共に熱く戦っていました。

スタンドの観客、テレビを観た視聴者も、満足する内容だったことでしょう。

あのゴールが入っていたら、あのプレーが成功すれば。

ほんの紙一重の差だったはずです。

カップ戦のファイナルに相応しい試合内容でした。




 セレモニーでの川崎の選手たちの行動を考えてみます。

後、ほんの一歩でタイトルに届かない、悔しい気持ちは分かります。

今回の試合に勝利した、対戦相手に対する敬意をはらえていたでしょうか?

相手を、最大限に称え、祝う気持ちを伝えれていたのか?




 残念ながら、セルフイメージを大きくするチャンスは逃してしまったようです。

自分の言葉や行動は、自分にはね返って来てしまうのですから。
posted by プロコーチ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月04日

ラジオにて

 先日、貴重な体験をさせていただきました。
 
FMラジオの番組に生出演してほしい、との依頼をいただいたのです。

何事も人生勉強!とばかりに、引き受けました。

私は、お誘いを受ければ、積極的に参加しようと心がけています。

普段の生活では味わえない時間は、貴重な体験だと考えているからです。

声を掛けていただくうちが華ですしね。

--------------------------------------------------------------------------------


 始まる前までは、リラックスできていました。

一緒にお話しする、パーソナリティの方も、実は旧知のフットボール仲間。

対戦相手なので話したことは無かったのですが、顔とプレーは記憶していました。

これは、本当に偶然なのですが、顔を知っているだけで、安心できますよね。



 また、地方FMということで、全国に流されるわけではない。

このことも、少しは気を楽にしてくれていました。

顔も映らない、その地域にしか流れない。

大きな失敗は、回避できるはず!

自分にとっての有利な条件を並べて、安心させていました。






--------------------------------------------------------------------------------



 ところが、収録するスタジオに入った瞬間、心拍数が上がってしまいました。

スタジオ独特の雰囲気や、ガラス越しに外が見えること。

何よりも、マイクを前にして、座る。

この行為だけで、非日常の世界です。

そこに、生放送の緊張感が加わるのです!



 ふとした瞬間に、その緊張が取れました。

かっこいい声で、マイクに語りかけていたパーソナリティーが、「かんだ」のです。

それは、おそらく瞬間で、その後は何事も無かったように、進行していきました。

ただ、その瞬間、私の緊張も和らいでくれました。

「プロでもかむんだ」

それが分かっただけで、平常心を取り戻すことが出来ました。






--------------------------------------------------------------------------------


 フットボールの試合でも、緊張して力を出せないプレーヤーを、多く目にしてきました。

トレーニングの時には、力を発揮しているのに!?

アップの時には、いつものようにプレー出来ると感じたのに!?

試合になるとなぜか、いいパフォーマンスを発揮できないのです。



 たくさんの理由が考えられます。

コンディションを整えることが出来なかった。

試合独特の雰囲気に呑まれてしまった。

その日の、ファーストプレーでもミスをしてしまった。

コーチや仲間から、萎縮してしまうような声掛けがあってしまった。






--------------------------------------------------------------------------------



 1つの大きな理由に、こんなことが考えられます。

「対戦チームや、マッチアップしている相手を、リスペクトしすぎている」

相手を過大評価、(自分を過小評価)しすぎてしまっているのではないでしょうか。

その結果、負のサイクルに、はまってしまって行くのです。

ボールを持てば、ミスを繰り返す。

マークをすれば、流れが見えていないせいで、見失ってしまう。




 経験は、相手のほうが上かもしれない。

前回の対戦では、こてんぱんに敗れてしまっているかもしれない。

実績のあるクラブ、学校(以前所属)かもしれない。

我々は、特に、この名前に弱い傾向がありませんか?



 そんなものは、ピッチに立てば、全く関係ない話です。

名前があれば、ボールが自分の方に転がってくる訳も無く。

実績があるから、今日もいいプレーができる保証すらない。

相手だって、ミスもすれば、いいプレーもする。

時間が経てば疲れてくるだろうし、しつこいプレーにはうんざりしてくるはずです。

そう、同じ人間のはずです。




 これを忘れてしまって、必要以上にリスペクトしてしまう。

戦う前から、敗者のメンタリティで臨んでしまう。

これでは、自分のベストのパフォーマンスを発揮することは難しいでしょう。

試合で勝利を収める可能性も、低くなってしまう。

少なくとも、戦う前には、勝敗は決まっていないはずなのですから。






--------------------------------------------------------------------------------


 私の数十分のFM出演は、無事?!終了しました。

話した内容は、某Jリーグのチーム事情や、私の開催するスクールの内容です。

数十分もあったのですが、あっという間の時間でした。

予め自習していったことの半分も話すことは出来ませんでした。

それでも、思ったことは話せましたし、押し黙って困窮することも無かったはずです。

スタッフさん、パーソナリティーさんのアシストは、ありがたかったですね。


 
 私自身、必要以上にその場や相手をリスペクトすることなく、自分らしさを少しは発揮できたのかな。

甘い自己評価ですが、初めてのラジオ出演は、なんとか無事に終了しました。

良い経験をさせてもらい、感謝しなくてはなりませんね。

posted by プロコーチ at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月16日

人を動かすエネルギー

 人は、何をエネルギーにして動いているのか?

車ならガソリン、蒸気機関車なら石炭。

医学的に考えるなら、口から栄養を摂取して、エネルギーに変換させて・・・。

進化の途中にある動物は、まさにそうでしょう。




 人間が動くためのエネルギーは、それに加えて、心の問題が大きくなってくる。

EMOTION(感情)からEを引いたら、MOTION(行動)になる。

使い古された例えかもしれませんが、分かりやすく表現されています。




--------------------------------------------------------------------------------


 日本代表チームのパフォーマンスが落ちています。

キリンカップでの、2回連続4対0での、快勝。

そして、ウズベキスタンに乗り込んで、タフな試合を勝ちきりました。

大きな目標の一つである、ワールドカップ出場権を勝ち取りました。



 ここまでの3試合の戦いぶりは、見ていて納得の出来るものでした。

プレッシャーの少ないキリンカップ、アウェーとは言え実力の劣るチーム。

いくらでも批判は言えるのですが、与えられた環境の中で、ベストを尽くした。

コーチも、選手も、何かを成し遂げようとしていました。

ポジションの確定していない選手たちは、アピールを続けていました。

それが、チームに活力を与えていました。






--------------------------------------------------------------------------------


 ところが、凱旋試合のはずのカタール戦では、低調なパフォーマンスに終始しました。

それまでの活力を、突然失ったかのような試合運びでした。

連戦、長距離移動に伴う疲労の蓄積が、全ての問題なのでしょうか?

それよりも、チームに変化が起こっていたのではないか?




 ウズベキスタン戦、試合後の選手コメントを聞いていて、ふと疑問が湧きました。

岡田監督のコメントとは、ずれが生じていたのです。

「これでワールドカップの出場権を取ったという事で、

ようやく我々の目標にチャレンジするスタートラインに立てたと。

これからがいよいよ我々のチャレンジだと。」

岡田監督は、これからが本番だ!とインタビューアーに答えていました。



 選手コメントの多くは、そうではありませんでした。

苦しい試合で、勝利を奪ったことの気持ちが一番に出ていました。

そして、ワールドカップの出場権を勝ち取ったことに力点が置かれていました。

岡田監督にとってはスタートラインですが、選手にとっては違うのではないか。

選手の心には1つのゴール(目標)という気持ちがあったのではないか?




 岡崎選手には、監督の気持ちが強く伝わっているようでした。

「ベスト4を目指すので、それまでに修正したい。

これで終わりじゃないですし、これから始まるので。」

試合後すぐの興奮状態でも、この気持ちを表現できる。

それは、本物の気持ちでしょう。






--------------------------------------------------------------------------------



 ところが、この気持ちを持つ選手で、チームを固めれてはいなかった。

それが、日本代表の現状ではないでしょうか。

選手コメントは、大きな課題を達成した安心感ようなものが多数を占めていました。

それが、カタール戦でのパフォーマンスを左右した部分は、大きいはずです。



 93年のドーハの時も、同じようなことがありました。

韓国戦に勝利し、満足し、泣いてしまった選手たち。

ラモス選手が、その姿を見て激怒していたのが、懐かしいです。

「何も勝ち取ってないよ!」

そのゆるい気持ちが、数日後のイラク戦での引き分け。

つまりドーハの悲劇につながった、一因とも言われています。







--------------------------------------------------------------------------------



 「心が変われば、行動が変わる」

 「行動が変われば、運命が変わる」

心を変えることが、自分の運命を決定付けていく。

指導の世界で、昔から言われています。



 例えば、チーム力には差があるチームが、ダービー戦でぶつかった。

実力差を越えて、接戦を繰り広げる。

実力的に低いチームが、劇的な勝利を収める。

心が、結果、運命までも変えてしまった、一例と言えませんか。




 コーチは、新たなエネルギーを選手に運ばなければならない。

心が強くなるための、エネルギーを。

運命を変えようと動き出す集団作りをしていく、それがこれからの仕事のはずです。



 おそらく、あらたな目標設定をすることで、この状況を打破するはずです。

チーム全員が迷い無く「ベスト4を目指す!」と言い切れる環境作り。

そして、ポジション・メンバー争いを仕掛け、お互いの競争を促す、環境作り。



 そうしないと、ワールドカップに出場しただけのチーム。

いい経験が出来ただけのチームになってしまう。

我々人間は、残念ながら弱い生き物です。

新たなエネルギー補給を、早く!
posted by プロコーチ at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月01日

ハートで感じる。

 何かに真剣に取り組む。

大人になると、言い訳ばかりしてしまう。

頭で考えて、理論武装。

ハートで考える、それが好きか、嫌いかを。

やれるのか?やれないのか?自分にプレッシャーをかける。

夢に向かって、チャレンジし続ける、片山右京さんの活動とは。


--------------------------------------------------------------------------------


 夢にチャレンジし続けている素晴らしい人たち。

アスリートや、冒険家はもちろん、小説家や指揮者の文化系にも。

片山右京さん曰く、

「彼らは、胸の中に決断や衝動を持っている人たち。」

チャレンジし続け夢を追っていくことが、夢を実現するためには必要。

自分がまだゴールが見つけられなくても、胸の中に抱えている決断や衝動を大切にしよう。



 この想いを、子供たちにも伝えたい。

この4月から、片山右京チャレンジスクールなるものが開催されているそうです。

実際に、野外活動や、冒険を通して、子供たちに伝えていくスタイル。

言葉だけでなく、実際に体験させる。



 私が最も共感でき、書き記したいと思ったのは、以下のコンセプトを感じたからです。

・教え込むのではなく、気づかせ、掴み取らせる。

・達成感を味わって欲しい。

・やれば出来るんだ、壁を乗り越えて欲しい。

そのためには、「一所懸命」と「あきらめない」

この2つがあれば!





--------------------------------------------------------------------------------



 テレビ画面では、壁を全身を使ってよじ登る、クライミングに挑戦している姿が映ってました。

小中学生の子供たちには、少々つらそうです。

垂直よりも、厳しい壁もあるのです。

それでも、参加したメンバー全員が登りきった。



 子供たちの、疲れながらも、満足そうな表情はキラキラしてました。

達成感にあふれた顔です。

自信満々にも、誇らしげな顔にも映りました。

身体はくたくたなので、座り込んでいるのですが、表情は輝いていたのです。

 
 主催者は、負荷をもちろん計算していたはずです。

頑張れば成功する。

普通にやったり、甘く取り組めば、失敗する。

その程度の負荷を、子供たちに与えたのでしょう。

もちろん、成功体験を持たせるためにです。





--------------------------------------------------------------------------------



 負荷をコントロールされている。

夢中になっている子供たちには、そんなこと関係ありません。

「一所懸命」と「あきらめない」ことを本当にすれば、壁は乗り越えられる。

その達成感を、自分の手で掴み取ったことでしょう。

まさに、言葉でなく、身体で。

頭でなく、ハートで感じた。



 このことは、何をするにおいても、大きな自信になるはずです。

これを積み重ねることで、将来への自信になってくれればいいな。

そう思いながら、子供たちの表情を、眺めていました。






--------------------------------------------------------------------------------



 普段の、フットボールの活動が、こうはならないだろうか。

トレーニングや、ゲームが、壁になって立ちはだかる。

それを、「一生懸命」と「あきらめない」の精神で、プレーヤーが壁を乗り越えていく。

活動そのものが、チャレンジスクールになったら素晴らしいのに。

子供だけでなく、大人になってもです。


 そのまま、同じようには行かないでしょう。

特に、不器用な足をメインに使うスポーツなので、なかなか達成できない。

フットボールの特性が、現実の問題としてあります。

かなりの時間を要するのは、厳しいでしょう。



 ただし、一度達成感を味わうことが出来れば、フットボールにはまるはず。

何度も味わうことが出来れば、幾つになってもプレーを続けれるはず。

そうすれば、フットボールの喜びをハートで感じることが出来るのに!!

ハートで感じられるその日まで、「一所懸命」と「あきらめない」

熱すぎる文章で恐縮ですが、大切なことですよね。
posted by プロコーチ at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月03日

最後の一歩は、自分一人で

「なぜ、ミドルシュートを打たないのでしょうね?」

「届かないわけではないのに、どうして狙わないのかね?」

ここ数日、この質問をたくさん受けました。

様々な理由が考えられます。



 最終的には、心の部分に帰結する、私はそう考えます。

自分自身で、決断し実行する。

その責任を負う。

ここから避けているのではないか。



--------------------------------------------------------------------------------


 本当に、何度も質問を受けたのです。

私自身も、疑問に思っています。

なぜ、日本代表チームは、ミドルシュートを打たないのか?



 前回の試合(オーストラリア戦)の後も、選手が口々に語っていました。

今回の試合の後もそうですよね。

「もっとゴールの意識を持てばよかった」

「ミドルシュートを打つべきだ」


 
 選手たち自身も、気づいているのです。

ミドルシュートの重要性を。

そして、それが足りていないことも。





--------------------------------------------------------------------------------


 前にも同じことを書きました。

代表選手レベルで、ミドルシュートを打つ技術力が無い。

そんなことは、ありえない。



 30M、40Mなら地を這うようなシュートを何本でも打てるでしょう。

外から巻いたり、上から落としたりでも自在でしょう。

ミドルシュートを打つことは、技術の面では、問題ないはずです。

日本代表クラスの選手であれば!





--------------------------------------------------------------------------------


 こんな経験ありませんか?

遊びで、ミニゲームをしていた。

フットサルをしていた、でも構いません。

パッとコースが空いた瞬間、遠目からシュートを打った。

その瞬間、寒々とした空気に包まれる。

ゴールが決まったにもかかわらずです。



 周囲(自分の時も!?)は心の中で、次のように思っているのでしょうね。

「シュートか・・・。もっと、つなげよ。」

「崩さずにシュート打っても、つまんない。」

シュートが決まっても、これですからね。

外した時の心象は、さらに悪いものです。

 

 おそらく我々は、パスを回すのが好き。

パスを回して崩すのは、もっと好き。

フットボールに対して、そういう価値観を持ち合わせているのが多数派だと考えられます。

だから、低い位置からロングキックを蹴り続けるチームの評価されないのでしょう。





--------------------------------------------------------------------------------


 遊びのミニゲームやフットサルなら、それでもいいでしょう。

(ブラジル人なら、遊びだろうが徹底的に勝利を目指すのが、一般的ですが・・・。)

ただ、もし勝ちにこだわるのなら?

勝利するために、最も有効な方法を選ぶべきではないでょしうか。

たとえ、パスを優先するチームの中であっても。



 そして、その決断に対して、自分で責任を負う覚悟を持って欲しい。

もし、なぜパスしなかったんだ?と問いただされたとしも。

「俺は、あそこでは、シュートを打つべきだと考えたんだ」

「パスよりも、シュートの方が、よりゴールに近いと決断した」

自信を持って、こう答えていくメンタリティが欲しいのです。



 もしかして、責任逃れをしようとしている?

パスをつないでおけば、文句は言われないだろう。

そんな、後ろ向きのメンタリティで、戦っていけるのでしょうか。

誰かがシュートを打ってくれるのを待ち続けるのでしょうか。




--------------------------------------------------------------------------------


 ある詩を、ご紹介します。

 「地上には  大小の道がたくさん通じている。

 しかし、みな目指すところは同じだ。

 馬で行くことも  車で行くことも

 二人で行くことも  三人で行くこともできる。

 
 だが、最後の一歩は  自分一人で歩かねばならない。

 だから、どんな辛いことでも  

 一人でするということに勝る  知恵もなければ 能力もない。」


 ヘルマン・ヘッセの詩集にある「独り」という詩です。

彼は、ドイツに生まれた小説家であり、詩人であります。



 最後の一歩を歩く、その覚悟を持ってプレーする。

自分のプレーに責任を持って、プレーする。

有効なミドルシュートの源泉は、このメンタリティから生まれるのか。
posted by プロコーチ at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする