2017年10月27日

槙野のステップ

 ACL準決勝2ndレグ、浦和レッズが勝ち抜けましたね。

破壊力のある、上海の攻撃を0点に抑えての勝利。

10年ぶりとなる、決勝進出を決めました。

ここしばらく、アジアでの壁を打ち破れなかった、Jクラブ。

浦和レッズのサポーターではないのですが、嬉しい気持ちになりますね。








 上海の攻撃と言えば、圧倒的な個の力。

2014年ブラジルワールドカップのレギュラーが、二人。

オスカル・フッキは、ヨーロッパのトップシーンに、いつでも戻れるレベル。

パウリーニョがバルサに入り、ヨーロッパでの戦いに戻りました。

彼らも、その可能性は、常にあるでしょう。

もう一人のエウケソンも、レベルの高い選手です。

5年目となるアジアの戦いを理解し、決定力も高い。

嫌な選手ですよね。

その3人が中心となり、ゴールに迫ってくる。

サッカー理解も、個人技も、ゴールへの意識も高い、アタッカーです。

中でも、フッキのシュート、突破の力は、別格。

1stレグのゴール。

複数と対峙しても、なぎ倒しながら、地を這うミドルシュート。

世界レベルの個とは、このようなものか!

恐ろしささえ感じる、ゴールでしたね。









 2試合を通じて、浦和レッズは、フッキ対策を施しました。

槙野を左サイドバックで起用。

右サイドでのプレーが好きなフッキとのマッチアップ。

この二人の1対1での勝敗が、試合の勝敗を左右する。

それほど重要な仕事を、槙野は託されていました。

ちなみに、遠藤も右サイドバックで使われてました。

DFの4バックには、センターバックが4枚並んでいる。

サイドバックには、攻撃の厚みを作ることよりも、まずは守備。

センターバックのカバー、サイドでの1対1、クロスの対応。

ここで後手に回ることがないように!という監督の意図でしょうね。











 何度も、フッキ対槙野の1対1が繰り返されました。

左足で突っかけながら、槙野の反応を探る、フッキ。

中央にカットインしてからのシュート。

もしくは縦に抜け出して、ライン深くまで侵入。

この狙いを持って、堂々と、仕掛け続けていきました。

しかしながら、ことごとく、槙野が防いでいきました。

体を入れる、足を出す、シュートブロック。

槙野の目の前で、フッキが好きなようにプレーできた対決は、皆無。

この対決は、槙野の完勝といえるのではないでしょうか。











 この完勝劇を、何度も、映像でチェックしてみました。

間合いに気を付けながら、プレーしているのが、よく伝わります。

近づきすぎると、突破される。

もしくは、腕や体で押さえつけられる。

離れすぎると、シュートやクロスを自由に打たれてしまう。

槙野本人も、スカウティングの成果があったと答えています。

フッキの好きな間合いには、持ち込ませなかったのが、一つの勝因。









 それを支えたのが、槙野のステップワークです。

3つのステップを効果的に使い分けていました。

・下がりながらサイドステップ

・クロスステップで下がる

・その場で速く細かくステップ




・下がりながらサイドステップ

相手がゆっくり仕掛けてくるなら、下がりながらサイドステップ。

間合いを保ちながら、次のアクションに備えます。

ここで、ステップや体重移動を間違えると、フッキは一気に仕掛けてきます。

斜め後ろにサイドステップで下がるのですが、出来るだけ細かくステップを踏みたい。

頭の上下動を起こさないように、ステップを踏む。

ジャンプしてしまい、足が宙に浮かんでいる瞬間など、あってはならない。

そして、左右の重心移動が相手にバレないくらい、素早く。

ブラジル人に、体重移動の失敗を見せてしまうと、それは敗北を、即、意味します。

彼らは、それを起こそうと、常に狙い、探り、局面を有利に運ぼうとしているから。




・クロスステップで下がる。

フッキが、槙野に向かって仕掛けてくる。

スピードがさらに乗っているならば、クロスステップで下がる。

サイドステップだと、間合いが詰まり過ぎてしまう。

懐に、DFが思ったよりも早く入られる。

すると上半身が伸び切ってしまう。

伸びなくても、かかとに体重がかかってしまう。

その瞬間に左右に揺さぶられると、反転が遅れてしまう。

これを防ぐためには、自分で間合いをコントロールしたい。

だから、クロスステップでスピードを上げて、自ら後ろに下がる。

イメージは、相手のスピードを吸収していくイメージ。




・その場で速く細かくステップ

ボールを足元におさめれば、フッキは、堂々と見えませんか?

今の時間を、まるで楽しんでいるかのような。

それこそが、ブラジル人アタッカーの、存在価値。

局面での戦いに勝利し続けたからこそ、今の地位がある。

相手DFが目の前、手の届きそうな距離だとしても、それは変わらない。

上半身を揺さぶり、ステップを踏み、腕を動かし、フェイントを入れる。

全ては、変化の観察。

突破の瞬間を作り出し、探っている。

DFが、「だまされないぞ!」とばかりに全く反応しないのも、それも変化。

フッキに変化を見せてしまう、イコールDFの敗北です。

変化をしないようにするためのステップ、それがその場での速く細かくステップ。

その場で、足を左右に高速で動かす。

タカタカタカッ。

ドタドタ、バタバタ、とことこ、ではなく。

これももちろん、頭を上下動してはならない。









 この3種類のステップを的確に駆使して、1対1に臨んだ槙野。

繊細に、素早く、かつ、迷いなく大胆に。

あの試合の槙野のパフォーマンスを支えたのは、ステップワーク。

世界のドリブラーと対峙する場面を見てみたくなりました。
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2017年04月25日

遊ばれるな!

「遊ばれている。」

先日、あるトレーニングマッチを見学させてもらいました。

ジュニアユースですね。

他県ではありますが、県1部リーグ同士の試合。

ボールを空に蹴とばすシーンは、ほぼありません。

双方ともに、後ろから丁寧にビルドアップをしようとしていました。

観戦していて、好感の持てる試合でした。








 さらに付け加えると、ボールを持っていない部分。

多くの選手が、ボールを受ける、マークを外すための動きを行っています。

当たり前のことなのですが、ボールを持って初めて、プレーが始まる選手も少なくない。

それが、いまの育成年代の試合で、しばしば起こっています。

この試合は、そうではありませんでした。

ドリブルだけでなく、パスも有効に使いながら、攻撃の形ができていく。

見ていて、なかなか面白い試合でした。









 片方のチームの監督さんが、私の知人だったため、ご挨拶。

少し、話をさせてもらいました。

…どうですか?良くなって来てるのではないですか?

すると、少し渋い表情。

「まだまだですね。」

そして、さらに言葉が続きます。

「まだまだ、ボールに遊ばれている。」

「あれでは、自分のやりたいプレーは出来ていないよ。」










 もう少し聞いてみました。

…彼らはリフティング、すごく上手ですよね。だったら、ファーストタッチはミスしないでしょう?

(ちなみに、全員が最低でも数百回できるでしょう。)

「それが、実は全然だめで。」

「この前、二人組でリフティングのパスをさせたら、続かないんですよ。」

…チョンチョンばかりするからですかね?

「それもあるね、だから、コントロールできる幅が狭い。」

…サッカーバレー、苦手そうですね?

「そうね・・・。」

何のために、頑張ってリフティングを出来るようにしたのでしょう。

試合で使えない、リフティングの回数を伸ばすためだけのリフティングなのか?











「ボールに遊ばれている。」

刺激的なキーワードです。

ボールを止める、蹴る、運ぶ。

特に、止める、運ぶの部分でした。

意のままにボールを扱えていない。

ボールコントロールにミスが出てしまう。

だから、ボールの後を追って、自分がアクションしなければならなくっている。

理想とするのは、ボールを一発で思った場所にコントロール。

そして、常に体に吸い付いているように、ボールを運んで、移動していく。









 ジュニアユースになると、より戦術的な部分の向上が求められます。

では、戦術的行動を、見事に遂行するためには?

賢さ、見ることが、もちろん必要です。

その賢さ、見ることに加えて、ボールを思ったように扱う能力が求められます。

車の両輪のように、どちらかが欠けても、進まない。

それは、チームもそうですが、個人もそうですよね。








「ボールを意のままに!ボールに遊ばれるな!」





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2017年01月19日

手段と目的

 トゥキック。

ちょっと蹴るだけなら、もっとも簡単なキック。

ただし、多用していると、ボール蹴れない?と思われてしまいかねない。

トゥは、速いボール、遠くに飛ばすことが出来ます。

ただし、とにかく不安定です。

なぜか?

キックの際にインパクトする面が小さい。

そして、普段の使用頻度が少ないからだと、想像されます。









 ブラジルの選手は、代表レベルでも、しばしばトゥでのシュートを見せてくれますね。

2002年日韓ワールドカップでのロナウド。

最近では、パウリーニョにオスカル。

予備動作が少ないので、突然強いボールを飛ばすことができる。

つまり、相手GK,DFのタイミングをずらせますよね。

ブラジルのプロ選手の多くは、育成年代でフットサルのプレー経験がある。

その時に身につけたプレーが、自然に出てくるのでしょうね。








 私が、フットサルC級を6年前に受講した時のことです。

インストラクターのコーチが教えてくれました。

「トゥも蹴り分けろ。」

グラウンダーのキック、浮かせて高さを出すキック。

足のスイング、ボールにインパクトする位置を変える。

そうすれば、高さも蹴り分けることができるということでした。

少し考えれば、当然ですよね。









 さらに、続きました。

「「トゥ」を蹴りこんでますか?」

左足が蹴れない、高低を蹴り分けれない。

それは、ただ単にトレーニング不足ではないか?

他の技術と同じく、蹴って蹴って、蹴りこんでいるのかどうか。

たくさんボールを触っていれば、ボールタッチが向上する。

それならば、キックも蹴りこんだなら、上達するはず。

右足のインステップ、インサイド。

なぜ蹴れるのか?

それは、日々蹴りこんだからに違いないはずです。









 試合で目的を達成するためには、選択肢が多いほうがいいはずです。

インサイドだから素晴らしい。

インステップだから、ゴールの可能性がある。

誰が決めたのでしょうか?

パスを通すために、シュートを決めるために、可能性が高い方法を選択する。

試合で目的を達成するためには、選択肢が多いほうがいいはずです。

選択肢を言い換えるならば、武器と言い換えられます。

どれだけ素晴らしい武器であっても、警戒されてしまえば、通用しないかもしれない。

相手が予測していない武器を、突然使う。

こういった駆け引きが、求められているのが、我々のフットボールという競技。
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2017年01月16日

振りを速くするためのポイント

「止まるところがないと、加速しない。」

日本球界最速、大谷翔平投手の球速UPのポイントの一つ。





 右足で立ち、左足を前に踏み出していく。

その、踏み込んだ左足を地面で固定させる。

足を踏み出すと、体が前に進もうとする。

軸足を動かさないことで、体の動きにブレーキをかける。

そうすることで腕が加速し、球速が上がる。








「止まる所がないと、加速しない。」

大谷投手は、コメントしています。

彼の投球フォームをじっくり観察してみました。

大きく踏み出した左足。

グッと、地面に刺さって動きません。








 さらに観察。

左膝は、深く曲がっています。

その角度は、110〜120°くらいでしょうか。

ただ、地面に踏み込んだその角度から、それ以上曲がることはありません。

バチッと、強く踏み込んでいる。

太ももと、お尻で体全体を受け止めるイメージなのでしょうか。

投球動作が進むにつれ、膝が伸びていきます。

そして、手からボールが離れ、腕が最も速く振られています。

左足のブレーキを使って、ここが加速されていく。

すると、左足が、軽く跳ね上がり、すぐ横に再着地。









 キックの動作でも、この左足の使い方は参考になります。

ブレーキの使い方。

膝の使い方。

右足のスイングスピードを加速させるのを助けてくれるでしょう。

以前、元プロの選手に、キックの際のイメージを聞きました。

その彼は、「軸足の5本の指で地面をギュッとつかむ。」

なるほど、やはり、

「止まるところがないと、加速しない。」
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2016年09月23日

コーヒーとキック

 この夏、3週間、ブラジルに行かせてもらいました。

コーチの研修と、小中学生の引率を兼ねて。

契約しているクラブ、クルゼイロECの育成組織にお世話になりました。

刺激の多い毎日を過ごしました。

30数時間先にある、地球の裏側。
 
ただ行くだけでは、観光と同じ。

何を得るのか?






 新たな発見も多くありました。

一つ例を挙げるなら、ブラジルの進化でしょうか。

おそらく危機感を持っているのでしょう。

ヨーロッパの状況から学び、良い部分を取り入れようとしているのです。

例えば、腕にGPSを装着して、活動量、運動の強度を計測。

日々のトレーニングにフィードバックさせていました。

そして、ピッチサイドに、10M以上の高台を組んでいました。

ここから、全てのトレーニングを撮影。

選手のパフォーマンスを記録し、今後のトレーニングプランに活かしていく。

これらは、感覚に頼っていた部分の甘さを無くすため。

選手工場であり続けるための努力は、並大抵ではありませんでした。









 濃密な3週間を過ごすことが出来ました。

帰国後、翌日からすぐに仕事に戻ります。

1週間もすれば、日常に戻れるはずでした。

ところが、違和感を感じるのです。

一つは、コーヒー。

毎朝、ペーパードリップでコーヒーを淹れるのが日課です。

数年続けている日課なので、コーヒーを淹れる腕も上がりました。

はずでした。

朝、いつものように、コーヒーを淹れると美味しくない。

膨らみもなく、香りも弱い。

いい時間を過ごすはずのコーヒーブレイクが、残念な時間に変わってしまった、、。









 もう一つは、キック。

特に、ロングフィード。

シュパン、と蹴れないのです。

何となく、狙ったところには飛ぶ?

いや、キックに一伸びがありません。

インパクトの瞬間に、力が抜けていくような、妙な感覚すらあるのです。









 コーヒーとキック。

いずれも、約1か月、離れていました。

その間、技術のメンテナンスが出来ていなかったのです。

一度身に着けた技術は、忘れない。

忘れていないのでしょうが、何かが違う。

感覚を取り戻せない。

常に、トレーニングを続けなければならないのは、こういうことか!

自分自身を実験台にして、実証してしまいました。

早く、取り戻さなければ!!


posted by プロコーチ at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月16日

これも技術。

私が指導している成人向けのサッカースクール。

一つの特徴として、クラス分けをキッチリと行い、日々の活動をしています。

年齢や、性別ではなく、プレイヤーのレベルでクラス分けをしているのです。

基本的に、レベルが違うクラス同士は、試合もトレーニングも一緒には行いません。

ただし、年に1度だけ、すべてのクラスが戦う、カップ戦を行います。

カテゴリーの違う者同士が戦う、言わば、天皇杯のようなものでしょうか。

1次リーグから始まり、2次リーグ、3次リーグ(準決勝)、決勝。

一つでも上のステージを目指して、日ごろのトレーニングの成果を競い合います。










 もう一つの特徴として、各グループが自主運営で行うということです。

普段は、コーチが指導し、コーチのもとで活動をしています。

この時だけは、自分たちで目標、戦い方、システム、メンバー構成を決めていくのです。

全員均等に、出場するチーム。

一方で、主力となる選手は、出場時間を長くする。

それも、お互いに話し合って決めていきます。

セットプレーの工夫に、システムの変更。

もちろん、WーUPに時間の管理まで。

すでに10年以上、このカップ戦を続けています。

ボトムアップ理論という言葉など、聞いたことがない時ですね。

当時から、選手の自主性を重んじた活動です。

時には、話し合いが上手くいかず、ギクシャクすることもあるようですが、、。

それも含めて、いい経験の場だと思っています。












 一つ、面白いことがありました。

3次リーグを勝ち抜き、決勝進出を決めたチームの得点シーンです。

2試合共に、1対0で勝利。

その2ゴールともに、ヘディングが鍵になったのです。

1点目は、右サイドからクロスが上がりました。

そこに飛び込んだ選手が、ゴール上隅にたたきこみました。

DFもクリアをすべく落下点に入っていたのですが、競り勝って、見事なヘディングシュートでした。

2点目は、左サイドからのアーリークロス。

ヘディングでファーサイドに折り返しました。

そこに飛び込んだ選手が、シュートし、ゴール。

ヘディングの落としは、タイミングも場所も、ぴったり。

絵に描いたような、きれいなゴールでした。












 実は、このチーム。

週に一度のトレーニングをしています。

w-upの中で、毎回ヘディングを継続的に取り組んでいます。

パートナーが手で投げて返す、いわゆる基礎練形式ではありません。

二人組でヘディングだけでパスをつないで行きます。

フットサルコートの中心から、ゴール目掛けて進みます。

落としたら、やり直し、スタートに戻ります。

ゴールの近くまでいったら、ヘディングでバーにぶつけるのです。

これが、なかなか難しい。

いつも、10分くらいするのですが、一度も当たらないこともあります。

ゴール前まで運べても、12センチの幅は狭いようで。











 このトレーニングの特徴は、正確性を求められていること。

そして、ヘディングしやすいパスは、あまり来ないということでしょうか。

動いている味方に、パス。

ボールも、自分の額の前に来るとは限りません。

自らボールの落下点に入り、次の場所にパスをする。

ボールの勢い、高さ、仲間の身長、スペースを認識しながら、とっさに技術を発揮する。

私もあまり口を出しません。

自然に自分たちで、強さや、高さなどを調節しあって、バーを目指しています。

このトレーニングを続けて、半年は超え、1年近くなるでしょうか。

少しずつ、上達しているようで、バーに当たる回数も、増えてきています。













 今回の2ゴール両方に、ヘディングが絡んだ。

それは、偶然かもしれません。

でも、取り組んでいなければ、ヘディングのミスが起こったかもしれません。

当然のことですが、ヘディングも技術の一つ。

だとすれば、繰り返すことで、技術は高まります。

ヘディングに対して、ポジティブに取り組めない選手は、実際にいます。

特に、子供や、女性には、多いですね。

子供も、小学生の高学年になれば、ヘディングのトレーニングを始めても問題ないかと思います。

(脳の発育などが気になるのなら、もう少し大きくなってからでもいいのですが、)

浮き球を毎回トラップしていては、やられてしまいます。

守備においても、攻撃においても、ヘディングは必須の技術。

それは、今も、昔も変わりません。












 丸く、弾むボールを使うこの競技。

ヘディングは避けては通れない技術です。

以前に一緒にお仕事をさせてもらった、秋田豊さん。

秋田さんは、教えてくれました。

「俺は、ヘディングで、家を2軒建てた。」

最初にお会いしたとき、3時間、センターバックについて話を聞かせてもらいました。

そのうち、2時間がヘディングについての内容です。

ミートポイント、体の使い方、首の使い方、ポジショニング。

そして、大事な、相手との駆け引きの中で、技術を発揮すること。

ヘディングも極めれば、大きな武器になる。

改めて、勉強させてもらった、貴重な時間でした。






 足元のボールを扱うことだけが、技術ではない。

リフティングの技を身に着けることが、浮き球の扱いの全てではない。

きれいなことばかり、言っていられませんよね。

これからも、継続的に、ヘディングに取り組まなくては!
posted by プロコーチ at 13:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月21日

危機管理

 オリンピック最終予選が行われていますね。

我らが日本代表は、グループリーグを3連勝で1位突破。

多くの選手を試し、ターンオーバーさせながらの、予定通りのマネジメント。

手倉森監督は、プロの世界で、何年も戦って来ている。

十分とは言えない戦力をいかにやり繰りするのか?

経験値の高さを感じさせてくれます。

何より、チームに一体感がありますよね。









 今回の日本代表は、分かりやすい面白味にかけるチームかもしれない。

ボールを簡単に蹴り飛ばす。

クリアで逃げる。

縦パスの頻度。

一番は、守備の意識でしょう。

あれだけ、前線の選手が守備に奔走している。

コースを切って、簡単に蹴らせない。

短い縦パスには、プレスバックで挟みに来る。

何度も、何度も繰り返させます。

中盤も寄せていくアプローチのスピードは、最近のチームの中でぴか一ではないでしょうか。

あれだけ守備にパワーを注いでしまうと、攻撃に力が残るのか心配になるほどです。

それでも、チームのために走り続ける選手たち。

選考、価値観の共有、コンディショニングが成功しているから、この走りが可能になる。

監督・コーチ・スタッフの手腕によるところが大きいと思います。









 一つ、気になるプレーがありました。

それは、日本の失点シーン。

サウジアラビア戦で、PKで失点しました。

主審が中東のレフェリーだったため、同じ中東をひいきしたのではないか?

またもや、中東の笛か?との記事も出ていました。






 PKを与えたのは、CBの植田選手。

彼の貢献は素晴らしいのですが、不運ともいえる?PKを与えてしまいました。

ペナルティエリア内で腰くらいの浮き球。

右足で大きくクリアしようとしました。

その瞬間、サウジの選手が斜め後ろの死角から足をねじ込んできました。

植田選手はクリアしたものの、同時にサウジの選手の足も蹴ってしまった。

落下点に先に入り、プレーしようとしていたのは明らかに植田選手。

無理やり足を入れて来て、当たったからとは言え、PKはかわいそうにも感じます。






 でも、私は、約30年前に聞いた、教訓が頭に浮かびました。

日産自動車でプレーしていた、オスカーという名選手がいます。

ブラジル代表としてワールドカップにも2度、レギュラーのCBとして出場した名選手。

しかも、セレソンのキャプテン。

彼が雑誌で、ディフェンダーの心得を、実技も交えながら語っていました。

この記事に書いてあった内容を、いくつか鮮明に覚えています。

その一つが、クリアについてです。

「腰より上のボールは、全部ヘディングでクリアするように」

余計なファールトラブルを避けるために、足を高く上げない。

全部頭でクリアに行けば、ファールを取られることが無い。

なるほど!と思いながらも、腰くらいの高さは、ついつい足でプレーしがちです。

足の方が、遠くに飛びますしね。










 今回のPKを見て、もう一度オスカーの教えを思い出しました。

植田選手が、前に出ながら頭でクリアに言っていたら、どうでしょうか。

ファールを取られたのは、足を出してきたサウジの選手だったかもしれません。

古い古い教訓かもしれませんが、覚えておいて損はないので、書き記しました。

頭で行くのか、足で行くのか。

守備者としての危機管理ですね。

posted by プロコーチ at 01:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月06日

技術とは

 今年も、高校選手権が開催されています。

箱根駅伝と並び、お正月の風物詩ですよね。

昔から、サッカーのトップリーグは埋まらなくても、選手権は観客が詰め掛ける。

アマチュアの大会に、これだけの人が注目するのは、独特の文化と言えるでしょう。

そして、いまだに多くの人材を、プロへその多方面に輩出している。

選手権や箱根駅伝の果たしている役割は、大きなものがありますね。










 今回の選手権の1回戦、2回戦で、聖和学園が注目されました。

2014年の第一回全日本ユースU18のフットサル大会の優勝チームでもあります。

狭い局面を苦にしない。

それどころか、あえて狭いエリアで勝負する。

ボールをハンドリングする能力の高さは、チームこだわりなのでしょう。

曲芸のようなボールコントロールを見せてくれる動画も、有名です。

1回戦の野洲高校を7対1で撃破。

2回戦は、青森山田高校に大差をつけられ、0対5で敗戦。

それでも、2試合とも、試合会場の三ツ沢が溢れかえるくらいの、人気のチームでした。










 なぜ、そこまで注目され、人気になったのでしょうか?

日本人が「技術がある」と思うプレーを、たくさん見せてくれるからではないでしょうか。

日本人が、「上手い」「技術がある」という際に多くは、ドリブルとリフティング。

様々なタッチやフェイント、リフティングの回数に技。

最近では「ジンガ」と呼ばれ、連続したボールタッチを操ることも、ここに入ってきます。

(ちなみにこれは、本来のジンガではありません。)
(日本においてだけ使われる言葉で、ブラジルのGINGAとは、まるっきり別物)

実戦で、ここまで堂々と、ボールを操れるのは、積み重ねの賜物。

相当の努力をしたことが、目に浮かびます。

そして、会場では、「オー」「上手い!」など歓声が聞こえます。








 

 ブラジルで10年を過ごした同僚は、彼らについて、こう、評しました。

「相手をなめた足技ばかりしている。」

「もしブラジルのチームと対戦したら、数名壊されて没収試合だね(笑)。」

南米の試合では、ボールを持った選手を、自由にさせてくれません。

相手を浮き球で抜く、またを通す、足裏でこねる。

このようなプレーをすると、観客が湧きます。

ただし、無事には終わらないケースも多々あります。

次の瞬間、真後ろからになったとしても、やられたDFは削りに、潰しに行くでしょう。

ドリブルやフェイントの対応に慣れた南米のDFを抜くのは、簡単ではありません。

粘り強く対応され、体をぶつけられ、最後は削りに来られます。

それが、彼らの文化です。

だから、ブラジルでプロとして何シーズンも活躍した同僚は、違和感を感じたようです。

それは、客席の反応を含めてです。












 私もまた、違和感を感じました。

少し違う部分です。

それは、聖和学園のボールハンドリングが、技術のトップであるかのような評価です。

決して、彼らのボール扱いを低く見ているわけではありません。

あのレベルに達するまでの努力には、並大抵ではありません。

彼らには、本当に敬意を払いたいと思います。

でも、ボール運びや、フェイントだけが技術ではないですよね。

ストリートや舞台で見せる、大道芸。

フットボールのピッチで見せる、技術。

一番の違いは、相手がいて、味方がいて、ゴールがある中で、技術を発揮するかどうか。

もちろん、判断も伴いますし、状況の変化にも対応しなくてはなりません。

自分がこのプレーをしたいから、というのでは、フットボールからは遠ざかってしまう。











 野洲高校が優勝した2006年。

幸運にも、決勝戦をスタンドで観戦していました。

鹿児島実業から奪った決勝点は、フットボールそのものの要素が詰まっていました。

低い位置でボールを奪って、カウンターアタック。

ショートパスを数本つないで、40〜50Mの低い弾道でサイドチェンジ。

ボールを次のプレーに向かって、コントロール。(乾選手)

そのままボールを運びながら、クロスオーバーランした選手にヒールパス。

さらにつないで、中にグラウンダーで折り返して、中央で合わせる。

延長の後半に、止める、蹴る、運ぶ、全ての精度の高さ。

そして、全てが走りながら、動きながら行われている。

このゴールは、まさに、「技術が高い」と呼ぶに相応しいものではないでしょうか。











 今回の選手権にも、彼らを凌駕する技術を持った選手が、何人もいたからです。

例えば、市立船橋のセンターバックの4番が、グサッと入れる低い縦パス。

同じくイチフナの11番のセットプレーのキックの精度。

キックの精度で言えば、東福岡の10番のキックも素晴らしい。

応援席からは、「レーザービーム」という掛け声が掛かっていましたが、その通りの素晴らしさ。

大津高校の9番、東福岡の9番。

9番がふさわしい、背中で相手を背負ったままでも、ボールを収める能力。

桐光学園の9番は、ターゲットマンであり、ストライカーでもありました。

サイドからのクロスには、様々な種類の入り方、合わせ方が出来ています。

高校年代で、これだけ多くの種類を高いレベルで、自分の形を持っている。

かなりのレベルの高さを感じさせてくれました。










 攻撃の面だけを見ても、これだけの素晴らしい技術の持ち主がいました。

私が見落としているだけで、まだまだ、素晴らしい技術の持ち主もたくさん活躍していたのでしょう。

ボールを蹴る、止める、シュート、ヘディング。

これらも、間違いなくフットボールの技術ですよね。

これらを身につけるためにも、たくさんの積み重ねがあったことでしょう。

本当に、高い技術を持った選手。

試合で使える技術、つまり自分の武器を持った選手が、何人もいました。

ここを、見落としてはならないはずです。

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2015年08月06日

技術とは?

技術とは何か?

個の力を高める。

技術にこだわって。

この目的において、日本ではたくさんの時間を掛けています。

ボールを扱うという面においては、抜群に成長している。

ただ、判断の部分、戦術の理解、遂行能力が足りていないため、もう一伸び出来ていない。

そのように考えていました。




今、ブラジルに来ています。

小学生を連れて、短期留学の責任者として活動中です。

ブラジルまで行こう!というぐらいですから、サッカー大好きな子供たちです。

そして、サッカーに理解のある親御さんたちです。

おそらく熱心に、トレーニングをしているのでしょう。

自分のクラブの活動時間中だけではないはずです。

スクールにも通っていれば、家でも自主トレは欠かさない。







日々の積み重ねにより、ボール扱いのレベルはかなり高いです。

ブラジルに向かう途中、「リフティングの回数」の話になりました。

「リフティング何回出来る?」

1000回、2500回、800回、4000回!

一人を除いて、すごい数が出てきました。

さらには、フリースタイルの技、頭に乗せたり、足をグルっと回す。

そんな技すらも、俺は出来る!と自慢してくれるのです。

リフティングの回数は、ボールに触れている時間の長さだと思っています。

子供たちが、頑張っている姿を想像すると、頼もしく思えました。







ブラジルに着いて、トレーニングが始まりました。

その中で、2種類のボールが用意されました。

一つはサッカーボール。

もう一つは、リフティングボールです。

リフティングや、ボレー・トラップのトレーニングに用います。

サイズが、サッカーボールよりもかなり小さい。

ブラジルでは、定番のボールです。

少し違ったのは、ボールの材質です。

よくあるのは、ゴム製で、少し重いもの。

今回使用したものは、革製で、固い。

ボールが、あまり弾まないのです。









単純なリフティングのメニューは、あまりありません。

WーUPでも、さあ、リフティングというメニューにはならないのです。

私が滞在しているクラブの方針なのか、ブラジル全体がそうなのか?

浮き球を処理するメニューは、たくさんあります。

さて、リフティング系のメニューが始まりました。

このリフティングボールやサッカーボールを用いて、3人でリフティング。

指定された場所や、タッチ数でパス。

もちろん、地面には落とさずに。

このメニューを聞いたとき、安心して見ていました。

ほぼ全員が、何百回、何千回出来る集団ですからね。













ところが、あまり回数が続きません。

サッカーボールでも、リフティングボールでも、続かない。

あまり続かないので、コーチから指示が出ました。

「1バウンドしてもOK。」

自分の思っていない場所に、ボールが飛んでくる。

ひざよりも、頭よりも高い場所からボールが飛んでくる。

それだけで、一気に難易度が上がってしまったようです。

さらに、ボールの跳ね方、大きさが普段と違うことも、それに拍車をかけてしまった。

この後、サッカーバレーが始まりました。

やはり、上手く行きませんでした。











 クラブのコーチと、トレーニング後に話をしました。

「高いところから落ちてくるボールになれていないようだ。」

「試合では、いつも同じところにボールがあるわけではないのに、」

私は、彼らに、日本人たちが何百、何千出来る話をしました。

すると、驚き、そして褒めてくれました。

その後、我々にアドバイスをくれました。

「いつも、同じボールで、同じ高さで、同じ場所でリフティングをしていることは問題だ。」

「脳の中が固定されてしまい、様々な状況に対応することが出来なくなるぞ。」

「だから、ボールを変えたり、タッチを工夫したり、複数人でプレーすること」

「そうすれば、試合の様々な状況に対応することが出来るはずだ。」










 このアドバイスは、金言だと思います。

よく考えれば、当たり前のことなのですが、忘れてしまっている人もいるのではないでしょうか。

ブラジルクラブの下部組織の選手たち。

彼らは、遊ぶように空中でパスを続けていました。

回転をかけたり、ラボーナ、スコーピオン、ノールック、フェイント、肩、背中、、、。

ありとあらゆる発想で、仲間を驚かせていました。

私は、彼らにリフティングの回数を尋ねてみました。

「数えたことが無い」口々に答えます。

「2・300回かな」

日本人の10分の1!!!

でも、サッカーバレーで活躍しているのは、彼ら。

そして、試合でボールをコントロールできているのは、彼ら。

この事実から目を背けてはならない。
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2015年02月21日

4次元のクロス

 ボールをサイドに展開する。

サイドをドリブル、コンビネーションで深い位置まで持ち込む。

サイドからクロスを入れ、中央に選手が走りこむ。

中央で合わせてゴール!

攻撃の形として、とても分かりやすいですね。

いわゆる、サイドアタックです。

多くのチームが、取り組んでいるのではないでしょうか。









 ただし、残念ながら得点に結びついていないサイドアタックもよく目にします。

DFのレベルが低いと、意外と簡単にゴールになるのですが、、。

守備が組織され、集中力を持っている守備陣。

サイドを諦めても、ゴール前に引きこもる守備陣。

彼らを崩して、ゴールを奪うことは、簡単ではないようです。

例えば、ブラジルワールドカップでの日本対ギリシャ。

日本は、ギリシャのゴールを奪うために、クロスを22本を入れました。

さらに、アジアカップでのUAE戦。

この試合では、実に42本!!ものクロスを入れました。

ところが、いずれの2試合も、クロスがゴールに結びつくことはありませんでした。










 問題は、どこにあるのでしょうか?

日本人FWは背が低い。

大柄な海外のDFから、高さで競り勝って、ヘディングシュートを決めるのは難しいのではないか?!

ギリシャ戦で、豊田やハーフナーマイクがいれば・・・。

闘莉王がいれば。

確かに、身長の問題もあるでしょう。

イングランド元代表のクラウチのような2Mもの選手が待ち構えたら、決まる確率は上がるでしょう。

1990年イタリアワールドカップでは、ヘディングだけでハットトリックを決めた選手もいます。

トマス・スクラビー。

決勝トーナメントの1回戦コスタリカ戦で、ヘディングを3発叩きこみました。

ジェノアで三浦カズとプレーしていたので、覚えておられるかたもいるのではないでしょうか。

彼の身長は、193センチ。

やはり、身長が最大のキーファクターなのでしょうか?









 UEFAチャンピオンズリーグでの、レアルマドリード対シャルケの試合。

内田が先発するので、注目度の高かった試合です。

レアルマドリードの先制点のシーン。

左サイドから、中央を経由して、右サイドに展開。

右サイドバックのカルヴァハルがボールを、ペナルティエリアの角付近で受けました。

シャルケは7人で中央を固めています。

カルヴァハルにも、DFが寄せてきており、中や縦に切り込むのは厳しそうでした。

するとカルヴァハルは、左足に持ち替えて、クロスボール。

クリスティアーノロナウドが、ヘディングシュートを突き刺しました。









 見事なヘディングシュートでしたが、特筆すべきは、クロスボールの質です。

相手DFとGKの間。

そして、GKとDFとDFとの間。

エアポケットのように出来た、僅かな隙間にボールを配球。

クロスを入れる瞬間には、ロナウドは走りこもうとしていました。

タイミングを合わせるため、時間も調節。

縦の軸、横の軸、高さの軸、そして時間の軸。

4つ全ての軸を調整して、クロスボールを入れたのです。

全く崩れていないのに、ゴールを決めてしまいました。










 私がB級ライセンスを取得した時に、教えてもらった言葉があります。

クロス(攻撃)の講習を受けている時に、その言葉を耳にしました。

「クロスの質で、7割は決まるぞ!」

中の選手がどれだけいい動きをしてマークを外そうとも。

どれだけ長身の選手がいようとも。

そこにクロスボールが入って来なければ、シュートに結びつけることすらできない。

サイドからどのようなクロスを配球することが出来るのか!?

これが、サイドアタックの成功率を大きく左右するのです。









 「クロスを放り込む」

耳にしたことはありませんか?

そのような表現をしている時点で、成功率は疑問ですよね。

レアルマドリードのゴールのように、4つの軸を全てピッタリ合わせる。

ここまでの精度を求めていくことが、ゴールへ近づく道ではないでしょうか。
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2015年01月15日

スペースが無くても突破する

ドリブル突破をする。

・対峙する相手DFより足が速いこと。

・自分の周り、相手の背後にスペースがあること。

この二つが揃えば、ドリブルで突破することは容易です。

さほどボールコントロールが巧みでなくても、可能。

相手との駆け引きも、あまり必要ではありません。

ポーンとボールを相手の背後に蹴飛ばして、グンとスピードを上げれば抜き去れるでしょう。









 小学生の間は、身体能力に差があることがよく起こります。

そして、予防的にカバーリングをしている選手がいないことも、多々あります。

この2つの条件が揃うことが、多いのです。

その結果、成長の早い選手、足の速い選手がドリブラーとして活躍します。

彼らは、年齢を重ねるにつれて、名前を聞かなくなってしまいます。

年代が上がるにつれ、スペースが無くなり、身体能力の差が無くなっていくからです。

あれだけ大活躍した選手は、どこに行ったのか?

逆に、小学生の頃は、無名だったの、気が付けばガンガンドリブルで勝負できている選手もいます。

その違いは何なのでしょうか。










 全日本少年フットサル大会、バーモントカップの最終日を観戦してきました。

ベスト8に残っているチームは、様々でした。

フットサルを常にしているチーム。

普段はサッカーに取り組んでいるが、バーモントに合わせてフットサルをするチーム。

ここ5・6年は、サッカー系のチームが優勝しています。

今回の大会も、決勝戦はアントラーズつくばと江南南。

サッカー系同士の対決になりました。










 彼らにとって、フットサルに取り組んだことは、今後のプラスになるでしょう。

ボールを大きく持ち出していくだけでは、裏のスペースが無いため詰まってしまう。

強いシュートを適当に打つだけでは、GKに止められてしまう。

単純な横パスのミスが、失点につながってしまう。

このような体験は、普段の8人制、11人制では起こらないでしょう。

コートが狭く、常にプレッシャーのかかるフットサルならではの体験だったはずです。









 そして、試合が進むにつれて、ドリブル突破に工夫がみられるようになりました。

ただ単純に縦に進むだけでは無い、工夫をした、駆け引きをしたドリブル突破。

左右に体を振る。

キックフェイントで相手を動かす。

急ブレーキで相手を崩して、横にずらす。

相手をどのように動かすのか?

自分と、相手との間合いがどうなっているのか?

そして、その先のスペースは?カバーは?

様々な工夫が、至る所で起こり始める。

試合の中で、選手たちが成長していた証と言えます。











 残念だったのは、シュートの工夫が少なかったことです。

チームで、ファー詰めを意識させるのが、唯一の工夫でしょうか。

DFと駆け引きできる選手はいても、GKと駆け引き出来る選手は見えませんでした。

ゆっくりなら、その駆け引きも生まれるのでしょうが、フットサルではその余裕が一瞬しかない。

その一瞬で、相手をどう崩すのか?!

これは、もっともっと回数を積み重ねなければ、出来ないのでしょうね。










 バーモントカップで輝いた子供たちが、数年後にどのようなせんしゅになっているのか?

とても楽しみな選手が、2・3人いました。

こっそりと、チェックしておきます

posted by プロコーチ at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月12日

あのマークのように

「あのマークのように蹴る!」

先日、私のコーチ仲間から連絡がありました。

グラウンドの情報交換が目的だったのですが、少し話が膨らんでいきました。

お互いの私生活のこと、指導状況、迎えている大会のこと。

そのうち、私から質問してみました。

この質問をするに、最適な人間だと思ったからです。

話している彼は、プロ選手を何人も輩出しているチームのGKコーチを務めています。







 ゴールキックの飛距離を伸ばすためにはどうすればいいのか?

多くのことを、惜しげもなく語ってくれました。

・足の振りについて、その振りを高めるためのトレーニング、イメージ

・助走角度、理由

・インパクトのポイント、(足、ボール)

・軸足の踏み込み、(位置、深さ)







 その中で、何度も繰り返したフレーズがありました。

それは、彼の恩師にあたるコーチの教えだそうです。

恩師は、日本でも間違いなくトップクラスのGKコーチです。

教えとは、

「ゴールキックのフォロースルーは、高校選手権のマークのように」

高校選手権のロゴに使われている、人形があります。

ボールを大きく蹴り飛ばした後の、形をデフォルメされた人形です。

改めてそのマークを見ると、何とも大胆なキックフォームです。

ボールを蹴り飛ばした後、膝を伸ばし、頭の高さよりも高い。

ここまで勢いよく振り抜くことの重要性を、師匠は説いていたようです。









 ボールを捉えたい、気持ちが強くなりすぎると、このマークのようにならない。

ボールをの高度を抑えて蹴りたい時は、違う蹴り方になるはず。

それでも、このフォームに取り組む価値はあるでしょう。

蹴り足を、振り子のように、ムチのように振り切る。

そしてそのまま、ビュンとフォロースルーまで持っていく。

ゴールキックのように、飛距離と、高さを出したい時は有効なのでしょう。

このキックフォームの検証と習得、私の来年の課題になりそうです。
posted by プロコーチ at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月28日

感覚を研ぎ澄ます

 「あなたは、ボールを見ないで、サッカーができるか。」

刺激的なメッセージが、パンフレットに並びます。

ブラインドサッカー世界選手権2014が代々木で開催されました。

初めての観戦に向かいました。

私の知人が、ブラインドサッカーに携わっていたので、興味はあったのですが。

そして、やはり、この世界でもブラジルは大国でした。






 本当にボールが見えていないのか?

そう感じさせるほど、華麗なボールコントロール。

チームでの約束事が、見事なまでに遂行されている。

ボールから聞こえる鈴の音や、「ボイ!」の掛け声が響くコート。

そこで、わがままにプレーしている選手は、コートの上にいませんでした。

激しいフィジカルコンタクトは、観戦する人間の興奮を誘ってくれます。








 選手は、視覚以外の情報を、全身で集めています。

まずは音。

自分にボールが近づいていると、鈴の音からボールの来るタイミング、場所を感じ取ります。

これが、難しい・・・。

体験コーナーでプレーしてみましたが、なんとなくしか分かりません。

シャカシャカという音が大きくなり、自分に近づいて来ているのが分かる。

ボールが来る場所、タイミングが正確に分からないと、ボールを止めることが出来ない。

これは、何度も何度も繰り返して、修正しないと分からない。









 そして、触覚。

壁が近づいて来ると、腕を伸ばします。

壁までの距離を測っているのです。

壁を有効に利用して、ボールをコントロールしたり、パスをつないだり。

そのために、腕を伸ばして、壁の位置を正確に知る。

このプレーは、タッチライン(サイドライン)際に壁がある、ブラインドサッカーならでは。










 次に紹介する腕の使い方は、我々も有効に使えるもの。

相手DFの「ボイ!」の声を聞いたら、その方向に向かって腕を伸ばします。

腕を伸ばして相手をブロックしながら、ボールをキープする。

自分のプレーエリアを確保するための腕の使い方です。

後ろを向いてボールをキープする時だけ腕を使うのでは、もったいない。

相手が横にいても、前にいても、有効に活用できることを、彼らは教えてくれています。








 彼らは、セットプレーでボールを扱う時に、丁寧に丁寧にボールをセットします。

何度も、何度も手でボールを置き直します。

短い助走の後、踏み込んで強いボールを蹴ります。

なぜ、そのように丁寧にボールをセットするのか?

その理由は推測ですが、分かった気がします。

体験コーナーで私も、目隠しをしてボールを扱いました。

彼らの真似をして、何度も何度も丁寧にボールをセットしてみました。

すると、ボールと自分との関係が分かってくるのです。

一歩だけ後ろに下がって、助走。

ボールの真横に踏み込めさえすれば、キックは可能でした。

キックの時に、どこまで自分とボールとの関係を大事に出来ているのだろうか?

考えさせられました。








 今回の観戦と体験は、私に新たな気付きをくれました。

技術的なことはもちろん、真剣にボールを追いかけている姿。

自分が、どこまで真剣に、フットボールというスポーツに向き合えているのでしょうか?

彼らに負けない情熱を持って、ボールに向かえているのか?
posted by プロコーチ at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月30日

ボールを持ち出す

 信頼している先輩に、相談しました。

内容は、DFラインからのフィードでした。

ここ数年の、自分の課題です。






 自分がCBでプレーしている。

相手のFWがコースを切りにくる。

もしくはあ、プレッシャーがゆるい。

その時、パスで逃げるだけでなく、違うプレーを狙う。

ボールをグッと持ち出して、相手FWとMFのラインの間に入ってしまう。

オランダでは、当たり前の光景で、CBが選択肢に入れるべきと指導しているようです。








 このプレーは、元代表の秋田さんも教えてくれました。

一緒に書籍を作るお仕事をさせてもらった時です。

DFラインからのビルドアップで、何を気をつけるべきか?

「モーゼルが、素晴らしかった」

「彼はとても簡単に、素晴しいボールをフィードしていた」

そのモーゼルが教えてくれたのが、このプレーです。

目の前に相手FWがいたままだと、パスの角度が狭まってしまう。

ボールを持ち出して、相手FWとMFの間に入ってしまえば、パスの角度が一気に増える。

ちなみモーゼルは、元ブラジル代表のCB。

フラメンゴやヨーロッパでプレーし、鹿島アントラーズでもプレーしています。

この持ち出しは、バルサのピケがしばしば見せるプレーです。

代表の吉田麻也選手も、見せますよね。

オランダでプレーした経験からでしょうか。









 秋田さんから話を伺って以来、そのプレーにトライするようにしています。

何度もトライしていくと、ボールを持ち出すことはできるようになりました。

相手は、中盤へのパスを出させないように、もしくはコースを切って外に追い出そうとする。

私の目の前というよりも、斜め前に立っていることが多い。

ボールを足元に置き、近くにつなぐような持ち方をすると、さらにコースを限定する意識が高まる。

その瞬間、前に数Mボールを運ぶ。

すると、リスク無く、ライン間に入れるのです。







 ただし、課題があります。

ボールを持ち出したとき、体の中心近くにボールがあります。

せいぜい、利き足である右足の真ん前くらいです。

ボールが蹴りたい足の斜め前に無ければ、精度が上がらない。

すると、ロングフィードが難しい。

それなのに、いいところで、フリーになれるので、味方がボールを要求するのです。

見えているので、無理してパスを狙うのですが、狙い通りにはボールを蹴れない。

真っ直ぐの助走でロングフィードが出来ればいいのですが、、。








 このような悩みを、先輩にぶつけてみました。

すると、簡単に解決しそうなヒントをくれたのです。

コロンブスの卵のような、発想でした。

ボールを持ち出す、次のタッチはアウトで斜め前に押し出す。

すると、ボールが蹴りやすい位置に置ける、と言うのです。

技術的には、難しいことはありません。

なんで、こんなことに気がつかなかったのだろう。

アドバイスをもらうと、今までの悩みが馬鹿らしくなりました。








 今、トレーニングしています。

スムーズにこのプレーが出来るようにです。

ボールを近くに蹴ろうとする、持ち出す、アウトで斜め前に置く。

そしてボールを蹴る。

この動作をスムーズにして、試合で使いたいですね。







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2013年12月22日

ゴールを駆け抜ける

「世界で戦うためには、強靭なメンタルが必要だ」

ウサインボルトが語りました。

日本の高校生アスリート、桐生祥秀との対談でのことです。

この席でボルトは、未来のライバルに向け、終始優しく語りかけていました。

派手なパフォーマンスが嘘のように、落ち着いて、優しい表情。

その一方、その口から語られる言葉は、とても重みのある内容です。

「失敗から学べ」

「目標を世界一に設定し、自分のモチベーションにする」

おそらく桐生祥秀にとっては、生涯忘れることの出来ない時間になったのではないでしょうか。








 

 その中で、全てのアスリートに通じる言葉もいくつもありました。

「成長するためには、レースのビデオを見る、そしてコーチの話を聞く。」

やはり、種目が違っても同じなのですね。

試合を分析して、トレーニング内容に反映させていく。

長期の目標は立てているが、少しずつ修正させながら、歩んでいく。

フットボールの世界の、M-T-Mメソッドと同じでした。









 そして、桐生祥秀のレースのビデオを見て、技術的な側面にもアドバイスを始めます。

「ゴール前でスピードを上げようとして力が入り、フォームが崩れている。

 ゴール前では、今以上にスピードは上がらない。

 そのままゴールを駆け抜けるように」

ゴールのテープを意識し過ぎて、フォームが崩れていく悪い癖をボルトは見抜いたようです。

最後の最後で、もうひと踏ん張り!と力が入ってしまうのでしょうか。









 これは、我々の世界でも通用する考え方に思えます。

ボールをコントロールして、シュート!

ドリブルして行き、パス、もしくはシュート!

力が入ってしまい、狙ったようなボールを蹴ることが出来ない。

力を抜いて、いつも通りのフォームでボールに向かえばいいのですが。

ボルトを見習い、それ以上の力が入らない、自然に駆け抜けるようにキック。

スピードを上げようとするのではなく、いつものリズムのままで、キックすれば。

それが、いいキック、いいシュートにつながるのかもしれない。










 ボルトは、こうも語っていました。

国のために走るのではなく、自分のために走り、楽しむこと。

それが、日本のためになればいい。

くれぐれも変なプレッシャーをかけないようにと。

将来二人の対決が見られると面白いのですね。
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2013年11月17日

半端ないが、忠実なゴール

 オランダとの親善試合で、見事な日本代表のゴールが2つも決まりました。

一つは、本田選手のゴール。

素晴らしいコンビネーションでした。

パス&ムーブの繰り返しに、少ないタッチでのパス交換。

日本人なら、誰もが大好きな形ではないでしょうか。

初めて、オランダに負けなかった試合として記憶されるでしょう。









 それよりも価値があったと私が考えるのが、大迫選手のゴールでした。

前半残り数分。

0対2でリードされる展開。

ロッベンにスーパーなシュートを決められ、暗い雰囲気になりかねない。

オランダは、少しペースを落として、2点のアドバンテージをそのまま後半に持ち込みたい。

後ろでゆったりと組み立てようとする意図が見られます。

縦パスを狙わず、ボールを進ませずにポゼッションをしていました。

このまま、2点のビハインドを持ったまま後半に入ると、敗色濃厚です。

そこで追い上げを図るゴールを決めたのですから、1点以上の価値がありました。

半端ないと言われる彼ですが、抜群の仕事をしてくれました。










・オフ、ザ、ボールの動き

大迫選手は、縦パスを受けるためのポジションを常に探しています。

DFを背負ったところから、クッと方向を変え、下がってきて足元に。

DFとDFとの間で半身になり、マークの責任を曖昧にさせておいて、背後を狙う。

自分勝手に動くのではなく、ボールの動きを予測しながら、タイミングを作っている。

周りの選手は、彼の動きが、おそらく目に入りやすいのではないでしょうか。

得点シーンもそうでした。

長谷部選手がが前を向くまでは、半身でサイドステップを踏んでいました。

ゴール方向を意識した体の向きを作っているのが、まず一つ素晴らしい点です。

ボールがどっちに流れても、(ターンして前を向く、後ろに落とす)対応可能にするためでしょう。




 長谷部選手が前を向いた瞬間、ステップを変化させます。

サイドステップから、クロスステップへの変化です。

これはボールから離れるように、プルアウェイの動きを入れるためです。

スピードを上げながらも、オフサイドにならないように。

マークされていた相手DFの視界からも逃げるために。

そして、ゴールも見ながら、ボールを持った長谷部選手とが同時に見えるように。





 さらに、彼は、そのランニングの途中で、コースを微妙に変化させています。

一度膨らみながら、プルアウェイ。

ところが、そのまま走っていくと、詰まってしまう。

当初思ったパスのタイミング、パスを受ける場所では、受けれないと判断した。

その次の瞬間、もう一度、キュッと膨らみ直しました。

瞬時に計算したのです。

相手との距離、長谷部選手のドリブルの持ち方、背後のスペースを計算材料に入れました。

そして自分がボールを受け、シュートに打つための最高の間合いを作りたかったのです。











・シュートの技術

いいオフの動きのおかげで、最高のタイミング、最高の場所でボールを受けようとする大迫選手。

と言っても、自分の右手側と背後からはDFが迫って来る。

目の前にはGKが待ち構えている。

ボールを止める余裕はありません。

彼は、迷わずワンタッチシュートを選択しました。

この時の技術が、まさに教科書に載せたいようなシュートなのです。




 まずは、体の向き。

体をゴールに向けていません。(正対していないという意味です)

ボールとニアポストとの間に体が向いています。

これ以上、ゴール側に向け、開いてしまうと、シュートは左(ファー側)に切れていきます。

某テレビ番組ボレーシュート勝負のコーナーがありました。

そこで、木村和司さんが自チームの選手に指摘していました。

「そのボレーのフォームじゃ入らんよ、体が開いてしまっとる」

案の定、シュートは枠にすら飛びませんでした。




 そして、足の振りです。

体を閉じたまま、キックする面も同じ方向に向けておく。

そのままゴールに向かって足を振っていくのです。

インパクトの瞬間、蹴り足の膝がボールの後ろにあると、ボールをふかしてしまう。

彼は、軽く飛んでまで、膝をボールの上にかぶせようとしています。











・絶対に抑えたシュートを打ちたい

彼は、ジャンプしてまで、膝をかぶせています。

さらに、左腕の使い方もポイントでした。

たった10Mのシュートですが、左腕を大きく使っています。

これは、ボールに勢いを与えるためではなく、ボールをふかさないためでしょう。

まずは、左腕を振り上げボールを迎え入れます。

そしてインパクトに向かって、腕を下に振り下ろして行っています。

この動きを入れると、足の振りに上体が負けないのです。

いくら膝をかぶせようとしても、胸が空を向いてしまっては、ボールは上に飛びやすくなります。

広げた左腕を下に振り下ろすことで、上体をコントロールしているのです。

彼が、絶対にボールをふかしたくない!その気持ちが現れています。










 今回の大迫のゴールは、彼の偶然のヒラメキに任せたゴールではありません。

彼の努力の結晶で生まれたゴールです。

磨き上げられた、個人戦術の能力。

ゴール方向に、抑えの利いたボールを飛ばすための技術。

このゴールを見れば、彼が基本に忠実にプレーしている選手であることがよく分かります。

その基本を簡単に身につくものではありません。

身につけるために、単純でつまらないトレーニングを積み重ねたことでしょう。

私は、彼の高校選手権で、圧倒的な存在感を目にしました。

パワー、スピード、ボールコントロール、そして強引にでも決めきる力。

全てにおいて、高校生のレベルではありませんでした。

あれから、5年が経ったのでしょうか。

所属クラブで、いい時間を過ごしていることが、よく分かります。

彼のような選手を見ると、日本の環境も捨てたものではないですよね。
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2013年11月09日

神の一歩

 2013U-17ワールドカップ。

日本は残念ながら敗れてしまいましたが、レベルの高い試合が続いているようです。

決勝は、ナイジェリア対メキシコでした。

どちらも、育成年代では結果を出しており、この年代では強豪と言えます。

決勝戦を観るにあたって、当然思い起こさせること。

それは、もし96ジャパンがこの舞台に立っていたら、どうなっていたのか?

対メキシコ、対ナイジェリア、相手を打ち負かすことが出来たのかどうか?








 私は特に、ナイジェリアの選手たちの身のこなし、ボールタッチに目を奪われました。

股関節の可動域が広いのか、体の平衡感覚に優れているのか?

元に入ろうが、体から離れてしまおうが、関係なくボールを支配下に置いてしまいます。

恐ろしく、反応が素早い。

どんな体勢からでも、次の一歩が出てくるのです。

ボールをコントロール出来る範囲が広い。

体が自在に動いて、ボールを広くコントロール出来るので、ボールと体とが一体化している。

メキシコからすれば、奪えているつもりでも、奪えていない。

抜いたつもり、外したつもりでも、ついてくる。

一人一人が、恐ろしい程にボールを持てるのです。

確かに、このような強烈な個と相対したら、1対1で勝負して勝てとは簡単に言えない。









 丸いボールは、どちらに転がるのか分からない。

だから、フットボールというスポーツは面白いとも言われます。
 
ナイジェリアの選手たちのボールタッチ。

彼らはボールが次にどこに転がるのか、予測出来ているのではないか。

そして、ある程度分かっているから、多少目測がズレたしても、対応が出来ている。

一言で言うと反応が速い。

ここからは、想像にしか過ぎないのですが、、。

その反応の速さを支える一つがピッチコンディションにあるのではないでしょうか。

彼らが育ったピッチは、決してカーペットのような芝や人工芝のピッチではないはずです。

アスファルトや、土のピッチすらあったでしょう。

芝といっても、穴ぼこだらけの、土のような、芝のようなピッチだったのではないか。

私が2010年に訪れた南アフリカでは、少なくともそのようなピッチを目にしました。










 バウンドが予測できないようなボコボコのピッチ。

そこでプレーし続けていると、何となく、次のバウンドが分かるようになる。

そしてとっさに、なぜか分からないけど、自分の足が一歩が伸びる。

神の一歩とも言える、まぐれにも等しい一歩。

ところが、それを続けていると、神でもまぐれでもなく、自然に一歩が出てくるのです。

それが、ボールタッチの懐の深さや、足がグッと伸びる感覚につながっている。

付け加えて言うと、コントロールミスをしてボールが浮いてしまった時の対応も慣れている。

相手を感じて体を入れる、腕を伸ばしハンドオフ。

これも、幼い頃からの積み重ねです。









 天才と言われ、今はアカデミーでコーチをされている、菊原志郎さん。

こんな伝説があります。

子供の頃、父親の発想で、階段を上り下りさせられていた。

もちろんボールと一緒に、団地の階段を上から下まで。

上に上がる時は、ヒョイヒョイとボールを持ち上げる感覚を養う。

下に降りる時は、足を差し出す感覚が養われる。

ボールが階段のどこに当たるかを見れば、ボールがどこにどれくらい弾むか。

最初は分からないけど、繰り返す内に、分かってくる。

ボールが行く先に、サッと足を差し出し、次につなげていく。

天才と呼ばれた志郎さんのボールタッチは、このようなところでも磨かれた。











 この伝説は、20年以上前のサッカーダイ*ェストに掲載されていました。

ナイジェリアの選手たちを観ていて、この伝説を思い出しました。

思い出して、家の階段で試してみました。

神の一歩は、そう簡単には出てきません。

物が壊れ、自分が怪我をするのが先か、神の一歩が出てくるのが先か。
posted by プロコーチ at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月27日

サッカー指導教本から

 我々、JFAに登録する指導者は、一度は目にしたことがある。

それが、「サッカー指導教本」です。

C級、D級ライセンスを取得する時に、教材として用いられます。

指導教本2012年度版が発行されています。

JFAによると、「2012年4月よりJFA公認指導者C級・D級のカリキュラムが改訂されました。」

今後数年は、この教材を基に、C・D級の講習会が行われる。

この教本と共に、多くの方が、コーチとしての第一歩を歩みだすのでしょう。

専門的ではあるが、分かりやすく書かれています。












 私は20年前に、初めてこの世界に足を踏み入れました。

20年経った今でも、入門書である指導教本は、手放せません。

改定されるたびに、何度も読み返すようにしています。

20年内容が変わっていなければ、読み返すこともないかもしれません。

そして、数年おきに、内容が改訂されていきます。

改めて、昔のものをめくると、だいぶ様変わりしています。

この変化が、日本サッカー界の進歩の証なのかもしれません。









 2012年度版を読んでいると、ある箇所に目が止まりました。

技術の部分でした。

そこでは、キックのコツを分かりやすい言葉で紹介されていました。

その表現が、妙に心に残ったのです。

「ボールと地面との間に楔を打つ」

この表現は、今回の改訂で初めて書かれたはずです。

なるほど、いいかもしれない。





 例えば2007年度版には、箇条書きでこのように書かれています。

・アプローチ

・立ち足の位置

・立ち足の柔軟性

・当てる面の固定

・ボールをよく見る

・ボールをとらえるポイント

キック寸前を収めた一枚の写真と共に、記載されています。

引用・・・サッカー指導教本2007 財団法人日本サッカー協会

こちらの方が論理的ではあります。

イメージを伝えるという部分では、今回の表現は使える?!





 今日、試してもらいました。

「ボールと地面との間に楔を打つ」イメージを伝えます。

そうしてから、インステップキックに取り組んでもらったのです。

すると、数人の選手にいい変化が生まれました。

ボールの質が変わったのです。

最後に質問すると、興味深い反応。

「足の振りが速くなった」

「イメージをつかみやすかった」

一方で、「よく分からんないから、やめた」否定的な意見もありました。









 私自身も、試してみました。

すると、ボールに高さが生まれやすい。

これは、「ボールと地面との間」を意識するからでしょう。

飛距離や威力が増したかどうかは、分かりませんでした。

でも、キックの瞬間に向かって、スイングスピードを高めやすい感覚はありました。

これは、「楔を打つ、打ち込む」が作用したのでしょう。

インステップを、ぶつけていく感覚?









 どこまで効果があるかは、まだ確信がつかめません。

1つのヒントになるかもしれない。

実際に、その一言でいい方向に変わった選手もいましたからね。

ボールに高さが出ない、スイングスピードが上がらない。

そのような選手がいれば、一つのヒントになり得る?かもしれません。
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2013年05月31日

間でしか受けれない

 日本対ブルガリアの親善試合で、参考になるシーンが何度もありました。

ブルガリアの選手といえば、ストイチコフ、コスタディノフ、バラコフ。

彼らが活躍した、94年のワールドカップが懐かしい思い出です。

その後は、プレミアリーグで活躍する、ベルバトフ。

何人か選手は思い浮かびますが、代表チームの成績は、最近低迷気味。

94年のベスト4を頂点に下降しています。

98年のワールドカップや、1996・2000のユーロではグループリーグで敗退。

その後は、本大会にも参加できず、ヨーロッパ予選で敗退を繰り返しています。









 華々しい活躍が近年聞こえて来ないため、簡単に考えていた部分もあるのではないでしょうか。

ブルガリア代表チームは、好チームでした。

真面目に、試合に取り組んでいました。

海外からくるチームは、代表とは名前ばかりの、代表歴の浅い選手の集まり。

はたまた、観光気分で試合に来て、コンディションが低い。

後半に入ったら、バッタリと足が止まって、ゆるい試合をして帰国していく。

そんな、志の低いチームとは対極にある。

高いモチベーションを持って、試合に臨んでくれたことが感じられます。

親善試合の相手としては、数年前のチリ代表に匹敵する、好チームでした。








 しかも、一人一人の基礎技術、個人戦術の能力が高さがあります。

攻撃の選手のボールの受け方が素晴らしい。

縦パスを受けるときの体の使い方が、抜群でした。

縦パスの受け方として、人と人との間で受ける方法が、多く見られています。

バルサの選手が、その典型です。

ゾーンの切れ目を探しながら、間に入り込んでボールを受ける。

狭くても、足元に強いパスを要求し、ボールを受けるのです。

これは一つ、素晴らしい受け方です。









 ブルガリアの選手が見せたのは、これではありません。

ボールを受ける寸前に、日本のDFを背負って、ボールを要求する。

それまでは、少しだけずれた位置にいて、受けるその寸前に、体を入れます。

この時、自分からガシッと背中をぶつけて、相手の出足を防ぎます。

両手を拡げ、腰を落として、背中やお尻で相手を受け止めます。

自分から!というのが、ミソですね。

体をぶつける方法、コンタクトスキルが、非常に高いのです。









 2M近い大柄な選手がしているのではありません。

170センチ台の選手が、このコンタクトプレーをいとわないのです。

背中でガッシリ受け止めて、味方にボールを落とす。

高い位置に基点を作って、チャンスにつなげている。

古典的とも言える、ターゲットマンのプレーです。

古典的ではあるが有効なプレー。

実際に、このプレーから何度か、シュートシーンを演出しています。








 日本の選手は、ポジショニングや、フリーランニングを駆使して、ボールを受けています。

考えながら、ポジションが取れる。

中強度のランニングを、長い時間続けられる。

日本人の武器と言えるでしょう。

でも、本当に狭い局面では、人との間も、走り回るスペースも減少していきます。

そうなったら、ボールを受けることすら厳しくなってしまう。

タイミングを合わせ、瞬間的に走り込んでボールを受け、それを繰り返す。

日本人のよさかも知れませんが、これだけではない、ボールの受ける方法。

間で受けようとしても、間が小さく小さくなってしまう。

すると、ボールの動きはノッキングを起こし、相手の守備陣形は崩れない。











 背中で相手を受け止めて、ボールを受ける。

腰を落とし、腕を広げる。

背中やお尻を、相手にグイグイ押し付け、コンタクトしていく。

このように体を張って、縦パスを受ける。

古典的かもしれませんが、かなり有効だということを再認識しました。
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2013年04月09日

解放される。

今日、15年ぶりにトラックを運転しました。

スクールで使う備品を、移動させるためです。

レンタカー屋に連絡をし、借りる手続きをしました。

トラックといっても、2トントラック。

幾つか、心配事がありました。
・マニュアル操作をしなければならないこと。
・車幅が長く、後ろや巻き込みの感覚がずれること。
・高い位置から見下ろすので、見え方が違うこと。

普段からトラックを運転している方からしてみれば、ちっぽけなことかも知れませんが、。









レンタカー屋を出て、数10M出たところでしょうか、ギアチェンジが上手く行かない。

そして、エンスト。

狭い道路で、立ち往生してしまいました。

後ろから、レンタカーの店員さんがダッシュで駆け寄ってくれました。

心配だったのでしょうね。

「大丈夫ですか?!」

私は、大丈夫ではないので、運転を教えてくれと、お願いしました。

口頭で、発進とギアチェンジのレクチャーを受け、再始動。

何とか、かんとか、走り出すことができました。

再度、安全運転を心に固く誓い、慎重に走ります。









 発進・ギアチェンジ、その度にクラッチを踏み、ギアを操作しなければならない。

マニュアルカーなので、当然です。

すると、自分の意識が、そちらにギューと向かってしまうのです。

左手を操作するところに、視線も向いてしまう。

クラッチを踏む足に、意識が集中してしまう。

少しずつ、なめらかに、発進・ギアチェンジをすることができてきました。

慣れてくると、少しずつ楽しむ余裕も出てきます。

「あっ、今、上手に出来たかな。」

そう思った矢先に、坂道発進を失敗して、数分間でしょうか、立ち往生です。

手に汗をびっちり。

ようやく進めましたが、簡単ではありません。









 しばらく走っていると、あることに気がつきました。

自分の後ろの車が、妙に距離を長めに取ってくれていたのです。

私のトラックが、危なっかしい運転をしていたのでしょうね。

前方向は、信号や、前方のクルマに注意しながら、視線を向けてました。

ところが、バックミラー・サイドミラーは?

ほとんど、見ていなかったのです。

歩道や、曲がらない交差点の周辺、そして後方のクルマの位置。

何一つ確認せずに運転していたのではないか。

その理由は、車の操作に意識の多く、視線までも向いていたからです。

スピードを出していないとは言え、恐ろしい運転をしてしまっていた。

それ以降は、前方以外にも意識を払いながら、目的地に向かいました。










 クラッチやギアの操作は、手段です。

車を動かすために必要なのですが、手段に過ぎません。

目的は、車を安全に速やかに、目的地まで運転すること。

運転技術が稚拙なせいで、手段が目的にすり替わってしまった。

ギアを変えることに、集中しすぎていた。

だから、周りが見えなくなってしまった。

この状況では、冷静な判断など出来るわけがありません。

トラブルが起こらずに、本当によかった。










 ボールを止める、蹴る、運ぶ、外す、ヘディング、ボールを受ける。

ポジショニング、構え、アプローチ、体の向き。

攻守に渡り、たくさんの技術が、瞬時に求められています。

ただ、その全ては手段にしかすぎない。

目的は?

攻撃の目的は、突破のドリブルでも、正確なキックでもない。

守備の目的も、体の向きを作ることでもなければ、いい構えをとることでもない。

技術に自信がないと、見えなくなってしまう。

技術を遂行することが、目的になってしまいかねない。

ボールから自由になること。

ボールから自由になることで、見ることができ、アイデアが生まれる。

アイデアが生まれても、技術が無ければ、実行できない。

だからこそ、技術を高める取り組みを続けなければなりません。










 トラックの運転は、無事終わりました。

トラブルなく、備品を運搬することができました。

ふと気づくと、肩や腰がバキバキに張っていました。

余計なところに、力が入っていたのでしょうね。

次、トラックを運転するのはいつでしょうか?

少しは自信を持って、臨めるかもしれません
posted by プロコーチ at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする