2010年04月23日

間合いで勝負。

 誰も止めることが出来ない!

それほどキレキレだった、FCバルセロナのメッシ。

ドリブル突破に、決定的なパスで、チームにチャンスをもたらす。

さらに今シーズンは、ゴールを量産。

1試合に2得点、3得点、4得点。

まさに、手をつけれない状態、のはずでした。

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 UEFAチャンピオンズリーグのセミファイナル、インテル対バルセロナの1stレグ。

この試合では、大した見せ場を作ることすら、出来ませんでした。

ゴールも、アシストも無し。

さらには、ドリブルで相手をぶっちぎる、お得意のプレーすら数えるほど。





 サイドの高い位置で、前を向いて1対1!

そんな、最もドリブルが生きるであろう局面でも、相手DFを突破することが出来なかった。

特に、インテルのサイドバック、サネッティには、やられ続けていました。

なぜ、サネッティは、メッシを止めることが出来たのか?

同郷だから!それだけの理由で、あのメッシを封じ込めれるものではありません。






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 メッシのドリブルの特徴は、いくつかあります。

・カラダのすぐ近くにボールを置いたまま、たくさんボールタッチをする。

・しかも、トップスピードに乗ったまま、ボールタッチ数を減らさない。

・足首だけで、方向を急激に変えることが出来る。

・顔を上げたままドリブルするので、相手DFの状態(重心や間合い)を観察できる。





 もう1つ、大きな特徴があります。

相手DFの間合いを理解しながら、ドリブル突破を仕掛けている。

言い換えると、相手DFの足が届く範囲、対応可能な距離を認識している。

そして、相手が足が届くか届かないかの、ギリギリのところで、ボールを出し入れする。






 まるで、鮎の友釣りのようなものです。

鮎には、自分の縄張りがあり、その縄張りを守る習性がある。

自分の縄張りに入ってきた鮎を攻撃に行くと、まんまと釣られてしまう。

鮎の習性を利用した、友釣りです。

メッシのドリブルは、DFの習性を利用したものと言えるのではないか。






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 メッシのドリブルを止めるために、よく見られるのがダブルマークです。

サイドバックが、前に立ちふさがり、バックステップを踏みながら、時間を稼ぐ。

その間に、中盤の選手(守備的MF、もしくはサイドハーフ)が挟み込むように近付く。

1対2の状況を作る。

そうして、チャンスがあればボールを2人掛かりで奪いに行く。

最低でも、メッシにドリブルをあきらめさせる。

このダブルマークが、メッシ封じの定番でした。






 そうでもしなければ、止められない。

DFが下がれば、方向を変え、中央に切り込んで、シュートを決める。

DFが奪いに来れば、待ってましたとスピードアップして、抜き去ってしまう。

こうなれば、カラダごとぶつかって、止めるしか方法は無い!?

トップレベルのDFでさえ、反則覚悟の対応をしていました。
 
だから、2人掛かりで、3人がかりで止める姿を、何度も目にしました。





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 サネッティの対応は違いました。

ダブルマークに持ち込むのではなく、1人で止めてしまいました。

不用意に間合いを詰め、飛び込むことはしない。

もちろん、可能性の低い、一か八かのスライディングタックルに頼ることもなく。





 まず、メッシを自分の間合いまで誘い込みます。

半身の姿勢で腰を落とし、ステップを踏みながら、じっくりと対応しています。

このあたりの対応は、同郷であるから、メッシのドリブルの特徴は、充分に理解してのことでしょう。




 
 ここからが、見事な駆け引きでした。

メッシが、仕掛けようとする寸前に、自分の足をグッと前に差し込む。

ボールタッチと、ボールタッチの僅かな間に、足を差し込むようにスタンティングタックルです。

コンマ何秒しか無い、その瞬間を逃さない。

ボールはメッシの足元を離れ、サネッティの側に残りました。





 メッシにしてみれば、相手DFサネッティの足は届きそうで届かない。

絶妙な間合いで、いざ勝負。

そんな自分が主導権を握った駆け引きをしているはずなのです。

ところが、実際は、すでにサネッティの間合いに入ってしまっていた。

抜き去っているイメージなのでしょうが、実際は奪われしまっている。





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 サネッティは、ベテランらしい工夫を加えていました。

ただ足を前に差し込んでいるわけではない。

必ず、半身で構えた、前側の足を差し込んで、スタンティングタックルをしています。

利き足ではなく、前側の足。

これが大きなポイントです。




 ついつい、得意な足(右利きならば右足)でタックルしてしまう。

半身で構えた時に、右足が前にあれば、そのままでいいのです。

ところが、右足が後ろにあった場合だと、それでは困ってしまう。

後ろ側の足だと、足を出すまでに時間が掛かってしまう。

何よりも、ゴールを背にして守り続けるためには、後ろ側の足を軸足に残しておきたい。

後ろ足でタックルして、外された場合、不必要なステップを強いられてしまう。





 前側の足で、間合いを詰める。

前側の足で、突っつく。

後ろ側の足を、軸足にすべく残しておく。

この細かいサネッティの配慮。

ドリブルに対する応対の、お手本と言えるパフォーマンスでした。







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 試合の後半には、同僚マイコンの負傷退場もあり、左サイドバックから右サイドバックに。

何事もなかったかのように、右サイドで仕事をしていました。

改めて、彼の能力の高さを思い知らされました。

インテルというビッグクラブで500試合も出続けているのは、名前だけではありませんでした。





 メッシも、同じやられ方はしない!そう誓っているでしょう。

カンプノウでの2ndレグ。

ボールを挟んでの間合い。

そして、そこでの駆け引きは見ものです。
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2010年03月02日

ホームランを打つ

 あるテレビ番組で、現役選手、元プロ選手が、技術について語っていました。

企業秘密?に近いところまで、惜しげもなく語っていました。

自分が、今までのプロ生活で培ってきた、身につけてきた感覚やフォーム。

独自の理論にまで、昇華させている。

それを言葉にしているのです。




 テーマは、「ホームランを打つには?」

野球の世界ではありますが、面白い内容でした。

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 その理論や、感覚を紹介します。

番組を観ながらのメモ書きなので、まとまっておらず箇条書きなのですが。






・ホームランのための打球の角度は、45度では無い(25度)

・ボールの芯と、バットの芯を合わせてもライナーしか飛んでいかない。

・ボールの下をたたく。

・バットを水平にスイングする。

・ボールの中心より7mm下を打つ。

・ボールの下を見ながら、振り抜く。

・後ろに体重を残したまま、思っているよりも、少しポイントを前において打つ。

・最終的には、いかにボールに、自分の力を伝えれるか?




 これらは全て、何百本ものホームランを打った選手たちの、生きている言葉です。

選手によって、たどり着いた理論には、差がありました。

共通しているのは、ボールを遠くに飛ばすための工夫です。








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 話は突然変わりますが、私は、左足のキックが苦手です。

試合では、相当使い物になりません。

10Mを越える距離には、左足を使うことをためらってしまう。

理由は単純、蹴りこんでいないからです。





 学生時代はよく言われました。

「お前の左足は、軸足か?!」

「お前の左足は、木で出来ているのか?!」

何一つ、反論することが出来ませんでした。

実際に、私の左足キックは、ひどいものです。





 左足を使うための努力は、もちろんしました。

ボールをコントロールする、ドリブルする、リフティング(浮き球の処理)をする。

ここまでは、試合でもとっさに出てくるレベルになりました。

パスとなると、・・・。

試合で、30Mを越えるミドルパスを通したことも、何度もあります。

それでも、自信を持って使いこなせるレベルに至っていないのが、悲しい現実です。





 左足には、感覚的なものが、あまりないのです。

どのように蹴れば、どうなる。

少し、微調整すれば、このように改善する。

自分で自分を、全くコーチしてあげることが出来ない。







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 ホームランのための理論を、左足のキックに置き換え、実験してみました。

自分を実験台にして、試してみたのです。

まだまだ、10M先の壁に向かって蹴っている状態です。

すると何度か、「これは?!いつもと違う!」感触、ボールの勢いがあったのです。




 何か、大事なヒントをもらったかもしれない。

実験中の段階なので、語れるレベルではないのですが。

自分の左足キックは、重心移動が問題だったのかもしれない?

もっと蹴りこんで、さらに追求してみます。
posted by プロコーチ at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月12日

スキルの1つ

 アメリカンフットボールは、身体のぶつかり合いが、当然認められています。

相手を「グシャアッ」とつぶさんばかりに、ぶつかって行きます。

がっちりとした装具があるから、身体を守れているのか。

首や身体を鍛え上げて、筋肉のよろいをまとっているから、守れているのか。




 試合を観ていると、横からでも、正面からでも、後ろからでも。

まるで、交通事故にでもあったかのような、衝撃です。

単なる強さだけでは守れないはずです。

専門ではないので、サッカーからの観点にはなりますが、いくつかポイントがあるようでした。


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 身体のぶつかり合い(コンタクトプレー)は、二つに大別されています。

一つは、ボールを持っている選手をつぶしに行くプレー。

タックル・・ボール保持者に身体やジャージをつかむ

もう一つは、ボールを持っていないところでのぶつかり合いです。

ブロック・・・相手選手をつかむことなく自らの手を使って相手の進路を妨害する。

それぞれ、どんな当たり方でも許されているわけではなく、厳しくルールが運用されている。

特に、ボールを持って走っている選手がコンタクトプレーを行う。

この際の動きが、我々にとっても、とても参考になるのです。





 パスを受けて、走る。

主にランニングバック、タイトエンド、ワイドレシーバーと呼ばれる選手たちのプレーです。

彼らをつぶすために、何人もの相手選手が進路に立ちふさがり、ぶつかってきます。

それをかわすために、華麗なステップを踏んだり、急激な方向転換をきります。

一人をかわしても、何人もの相手選手が次々とせまります。






 アメリカンフットボールでは、身体を守るものがあります。

フェイスガードのついたヘルメットに、仰々しい装具。

これらを身に付けると、8キロを超える重さだそうです。

さらに、厳しいウェイトトレーニングで、全身に筋肉のよろいを身に付けています。

アメリカンフットボールの世界は、世界でも最先端のトレーニングが実践されているのでは。

それでも、激しいあたりを受けて、倒れこむ選手、タンカで運び出される選手は後を絶ちません。

装具や、筋肉のよろいだけでは、身体守れないのです。








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 選手を見ていると、工夫があるようです。

走りながら相手の位置を確認して、自分からコンタクトに行っているのです。

ぶつかってくるであろう、相手を外しきれない。

そう判断した瞬間、自分から相手にぶつかる。

ぶつかられるのではなく、ぶつかって行く。



 両者の違いは、自分の体勢にあります。

自分からコンタクトに行くのなら、身構え、体勢を整え、ステップを合わせることが出来る。

すると、ぶつかった後でも、バランスを崩しにくい。

これは、サッカー・フットサルの世界でも、同じ考え方があります。

「アリーヒット…early hit」

自ら、相手の機先を制してぶつかることで、いい体勢を確保しようとする。

ぶつかられてからでは無く、自らぶつかりに行く。




 蛇足ですが、・・・。

アメリカンフットボールなら、持っているボールをこぼしてしまうと、攻撃権を奪われる恐れがあります。

それを防ぐために、ボールを両腕で包み込むような体勢を、コンタクトの寸前にとっています。

これも、いい体勢をあらかじめ確保する動作なのでしょう。







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 さらに、ぶつかられた時の身体の使い方も注目です。

そうは言っても、予期せぬ方向から、もしくは相手から先にぶつかられることも多々あります。

すると、地面に身体をたたきつけられるかもしれない。

いくら、地面が芝だといっても、ケガのおそれもある。

そしてやはり、ボールをこぼしてしまうかもしれない。





 彼らは、コンタクトを受けたその瞬間、動作を変化させます。

ボールを守りながら、身体を小さく縮めて倒れて行きます。

時には、身体を回転させながら、倒れて行く。

いわゆる、受身を取っている。





 この動きは、特に子供のうちに身に付けさせたいものです。

ケガをしない転び方。

ケガをして、痛い思いをしてしまうと、そのスポーツをやめてしまうかもしれない。

スキーや、スノーボードをする時に、転び方を教えてあげるように。

我々も、ケガを防ぐ、痛くない転び方を身に付けさせたい。

(柔道の有段者が見せてくれる、後ろ受身や、前回り受身は抜群です!)





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 アメリカンフットボールでは、コンタクトプレーが当たり前にある。

サッカー・フットサルでも、コンタクトプレーは、避けては通れない。

特に、レベルが上がれば上がるほど、海外の選手を相手にすれば、その頻度は高まります。





 だとすれば、ファールにならないコンタクトの方法、得するコンタクト、ケガをしない転び方。

これらは、身に付けておくべきではないか。

ぶつかられて、痛い思いをしてからでは、遅い。

コンタクトスキルは、我々も必須のスキルです。
posted by プロコーチ at 23:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月15日

右から左に、左から右に

 今の高校生は、本当に上手い。
特に、ボール扱いは抜群です。
選手権を観戦して、改めて感じました。
狭いスペースでも恐れずに「ちょこちょこ」とボールを動かす。
相手の足を外したり、プレッシャーをいなす。
プロ顔負けののプレーを平然と見せてくれます。


 その一方で、彼らからのプレーに物足りなさも感じました。
それは、最近耳にする、「駆け引き出来ない」、「戦えない」ということではありません。
本来、既に身に付けておかなければならないはずのプレー。
全てのベースとなる、大切なプレーが出来ていなかったのです。






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 それは、横パスを受けた時です。
中央で、左からボールを受けた。
次に、出すパスの方向が、偏っていたのです。
←↑↓の3方向にしかパスが出ない。
これがもし右からパスを受けたら、→↑↓の3方向です。



 右から受けて、左に出す。
左から受けて、右に出す。
このシンプルなパス回しが、出来ないのです。
この現象は、プレッシャーの低い、最終ラインのパス回しでも見られました。
右サイドバックから横パスを受けた右センターバック。
彼が、左のセンターバック、サイドバックにパスを出せないのです。


 これでは、ピッチの横幅68Mをいっぱいに使った攻撃など出来ません。
右からボールを受けた時は、左側を使えない。
左からボールを受けた時は、同じように右側を使えない。
その結果、相手DFの網の目に、ボールが絡めとられていきました。









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 なぜ、こんなことが起こるのか?
あえて狭い局面を作り出そうとして、意図的にしているわけではありませんでした。
単純に、観えていないのです。
スタンドから、次にボールを受ける選手を注視していました。
すると、飛んでくるボールに身体を向けてしまっている。
顔も、ボールが飛んでくるサイドしか観ていない。


 ボールの移動中に、逆サイドを観れないのか?
これでは、怖くて逆を振り向くことが出来ない。
ボールを逆側に流して止めることなど、とうてい出来ない。
逆サイドにもボールを出せる状態を、あらかじめ作っておく。
ボールから勇気を持って、目を離し、逆サイドを含めた周囲を観る。
意識で、身体の向きで、身体の使い方で、観ることを助ける方法はいくつもあるのに。








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 観ることで、試合の情報を収集することが出来る。
その情報で、プレーの選択肢は増えて行く。
クリエイティブなプレーは、サーカスのようなテクニックから生まれるのではないはず。
たくさんの選択肢から素早く効果的な決断が出来るかどうか。
そして、その決断を正確なテクニックで実行出来るかどうか。
このペースとなるはずの観ることが欠けてしまっていては、クリエイティブなプレーは生まれない。


 右から来たボールを左に。
左から来たボールを右に。
たったそれだけのプレーなのですが、出来ていないことが多かった。
足元が上手い選手たちだからこそ、観ることの重要性を追求して欲しかった。
←↑→↓、360度の方向にプレーをする。
そのために、ボールの移動中に、ボールを目を離し、「観る」
posted by プロコーチ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月11日

ファーストタッチを動かして

 先日行われた、日本代表対オランダ代表との試合でのことです。

試合後に、多くの批判が飛び交いました。

「日本の攻撃には怖さが無い」

「奪えるべき決定機で、ゴールを決めないと」




 中でも、一番言われているのは、この部分でしょう。

「あの運動量は、最後まで持たない」

日本選手の中からも、対戦したオランダ代表からも異口同音に聞かれたのです。

あのままのプレスディフェンスを、90分続けるのは無理があると。

マスコミも、同じような論調で伝えています。

「ペース配分(メリハリ)が必要なのではないか?」




 試合を見返して観ると、確かに日本選手の足が止まってきていました。

ただし、原因はペース配分の失敗だけではなかったようです。

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 守備における個人戦術を、1つ確認しておきます。

これは、基本の「き」ともいえることなのですが、とても大切なことです。





 「アプローチの原則」

・アプローチとは?

○マークしている相手に、ボールがわたりそうになる時に、DFが間合いを詰め寄せること



・アプローチの際の原則とは?

@ボールの移動中に可能な限り寄せ、相手との距離を狭める

(理想は、ボールがわたる前に奪ってしまう、インターセプト)

A相手選手がファーストタッチの瞬間には、両足を地面につける

(ボールの次の動きを観て、前後左右に対応できる体勢を作る)



 いいアプローチをすることで、相手選手の自由を奪うことが出来る。

ボールを奪うことがもちろん理想ですが、毎回奪えるものではありません。

相手のレベルが上がれば上がるほど、簡単にはボールを奪い返すことは難しくなっていきます。




 それでも、相手の思った通りのプレーをさせない。

相手の行きたい方向、パスを出したい方向を、少しでも制限させる。

この繰り返しで、守備側にとって、少しでも有利な状況に持ち込みたい。

そのベースとなるのが、ボールの無いところでのマークと、このアプローチ。

どれだけ忠実に、試合を通して続けていくことが出来るのか?

チームのレベルを計る、1つのバロメーターになるのです。







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 さらに、応用編です。

先ほど、アプローチの原則を書きました。

相手選手がファーストタッチの瞬間には、両足を地面につける。

この2番目の原則についてです。




 攻撃側の観点で考えます。

味方からパスを受け、ファーストタッチをしたら、次は何をするのか?

そこからドリブル?

パス?

もうワンタッチしてから?

キープしてためる?

それとも、シュート?



 ワンタッチ(トラップをしないで)でプレーをしない限り、まだボールを保持しているはず。

足(身体)に当たって、角度が変わってはいるものの、目の前にボールはあります。

攻撃側の前にあるということは、相手DFの目の前にあることが多いでしょう。




 観点をDF側に戻します。

意識の高く、訓練されたDFなら、次の瞬間こうします。

そのボールに対して、もう一度寄せ直すのです。

一度は両足を地面につけて止まっていたものの、もう一度。

つまり、二度目のアプローチを行う。

寄せて、止まって、ボールの動きを見極めて、もう一度寄せる。

このアプローチを二度、三度・・・と繰り返す。

そうすることで、ボールを奪うチャンスは増し、相手の自由をさらに奪うことが出来る。

急激なストップ、方向転換が求められるこのプレー。

筋力も、アジリティも、さらには気力も、高いレベルが求められます。




 日本の守備陣は、この複数回の寄せを行っていました。

ただ一発でバーンと寄せるのではなく、グッ、グググと複数回。

かなり、距離を詰めて、アプローチを繰り返すのです。

実際に、何度もボールを奪うことに成功していました。

奪えなくても、相手の自由を奪い、攻撃を遅らせることは、さらに何度もありました。

普通の相手なら、もっともっとボールを奪えていたはずです。

なぜ、オランダ代表から、もっと奪えなかったのか?







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 日本選手が寄せて行っても、目の前にボールが無いのです。

足元に、ファーストタッチをしてくれれば、奪うのは簡単になります。

距離を詰めてさえいれば、グッ、グッと2回寄せることで、ボールを奪えるでしょう。 



 
 オランダ代表の選手たちは、足元にボールを止めてくれないのです。

特に、縦パスを受けた時は、その傾向が顕著でした。

「ファーストタッチをミスしたかな?(トラップが大きくなった?」

こう勘違いしてしまうほどです。

彼らはとにかくボールを動かして止めよう!とする意識が高い。




 だから、複数回寄せようとすると、どうなるか?

DFは、進路を修正しなければならない。

想像してみてください。

・足元にボールがあるなら、止まっただけで、次も真っ直ぐ寄せるだけ。

(2度目の寄せで、DFが有利な状況になれる確率が高いはずです)

・ボールを動かして止められたなら、止まった後、方向を変えて寄せ直さなければならない。

(3度目、4度目の寄せをしなければ、有利な状況になれない)

しかも、修正しようとすると、大きな身体で押さえられてしまう。

この繰り返しが、普段に増して、さらに日本代表の足を奪って行ったのではないか?






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 ここぞ!の瞬間に寄せきれずに、見送っているシーンが終盤にはたくさんあります。

ボールの前には立っているのですが、もう一度!もう一息!の寄せが無いのです。

こうなったら、オランダの選手は、技術を発揮してしまいます。

彼らにとっては、前に立てれているだけでは、プレッシャーになっていない。

判断も、自由も奪えていないのです。





 終盤には、寄せては、かわされ、寄せては、かわされる。

この繰り返しでした。

気持ちは行っているのですが、足が言うことを聞いてくれなかったのでしょう。

オランダの攻撃陣に染み付いた、ファーストタッチにやられた。

ボールを動かして止めるプレーに、対応が遅れてしまった。







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 実は、このプレーは、日本の育成年代でも取り組んでいることです。

ここ数年の流行?!と思えるほど、ナショナルトレセンなどで、強調されています。

我々の頃だと、考え方としてはもちろんありました。

が、皆に求められるほどではなかったはずです。

今のフル代表選手たちは、どうでしょうか?

彼らでさえ、攻守共に、ボールを動かして止めるプレーに対する、対応が遅れているようです。




 スナイデル選手やデ・ヨング選手が見せてしまったような、危険なタックルがありました。

世の中には、荒っぽいDFがたくさんいます。

海外には、特に多い傾向にあります。

相手がボールをファーストタッチしても、止まらない。

それどころか、そのまま、足ごと「バーーン」と刈り取ってしまう。

褒められたものではありませんが、ボールを奪う気迫は恐ろしいほどに感じます。

あの気迫は、日本ではほとんど体験できないものでしょうね。




 足元に止めてしまうと、そんなプレーの餌食になりがちです。

ボールを動かして止めるプレーの効果を確認できた。

この面からしても、いい勉強の機会だったと、オランダ戦を捉えることが出来るでしょう。
posted by プロコーチ at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月21日

足と胸

 明日、Fリーグが3回目の開幕を迎えます。

初年度は、華やかな開幕の裏で、影口も多く耳にしました。

「最初だけだろ、何年もつの?!」

「プロリーグでもない全国リーグ、中途半端・・」



 石の上にも3年。

今年は、さらに2チームが新たに参戦します。

このまま続いていけば、日本のフットサル発展に、大きく寄与してくれそうです。




 私も、明日観戦できそうなので、代々木体育館に向かうつもりです。

とはいっても、スクールの合間に、むりやり1試合が限度なのが寂しいです。

本当は、全ての試合を観たいのですが。



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 観戦できるのは、シュライカー大阪対バサジィ大分のカードです。

たった1試合なのですが、楽しみにしていることもあります。

それは、両チームのGKのパフォーマンスです。

日本のGKのレベルは、改善の余地がある。

日本のチームと対戦した、海外チームの監督は、このコメントをよく出しています。






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 大分の青柳選手は、足を巧みに使うことが出来る、GK。

フィールドプレーヤーの1人になって、パス交換を当たり前のように行う。

それどころか、正確なキックで相手陣内の深いところまでフィードする。

強烈なミドルシュートも見せる。




 2年前には、最後尾からドリブルで突破し、ゴールにも結び付けました。

たまたまそれを観戦した私は、驚いてしまいました。

ドリブルをするのをいい、とは言えません。

が、そこまで足に自信があるGKが、日本にも出てきたのがうれしかったのです。




「日本と、ブラジルのゴレイロの一番の違いは、足」

「足を使うことが出来るようになれば、日本のゴレイロのレベルは上がる」

この言葉は、私がブラジルにフットサルの短期留学した際に、教わったものです。



 ブラジルのゴレイロは、誰もが足を使い、フィールドプレーヤーのプレーもします。

最大のメリットは、数的有利を作りながら、攻撃が出来ること。

すきあらば放つミドルシュートも、大きな武器になります。

常に、パワープレーをしているかのようです。
 



 相手のDFは4人。

こちらの攻撃のフィールドプレーヤーももちろん、4人。

ここに、GKが入れば、一人加わり5人。

5人対4人なら、ボールを奪われる可能性が下がります。

そして、楽にパスをつなぐことが出来ますよね。

この考え方は、サッカーにももちろん有効な考え方です。






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 対するシュライカー大阪のGKは、新戦力のイゴール選手。

本当の実力を持った、ブラジル人のGKです。

彼の実績は、素晴らしい。

ブラジル・サンパウロの強豪サンカエターノやサンパウロFCでプレー。

昨年はサンパウロ州選手権のMVPに選ばれているのです。



 ブラジルのGKのレベルは、私の想像を大きく超えていました。

ブラジル留学時の時、トップレベルの試合を観戦することが出来ました。

彼らは、ブラジル人の放つ、強烈なシュートを次から次へとセーブします。

近距離からでも、それは変わりません。

たとえ1対1になっても、バシバシ止めていました。

このシュートを!?からも、当たり前のようにゴールを守っているのです。




 彼らからゴールを決めるとなると、相当崩さなければ、入らないかもしれません。

攻撃2人対GK1人で、何とか入るのでは?

それくらい、高いレベルを持っていました。

イゴール選手は、そのブラジルの中でも、トップレベルの1人なのです。

どこまで止めるのか、楽しみでなりません。





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 短期留学の際、指導してくださったブラジル人コーチの中に、ヴァウミールコーチがいます。

彼は、ブラジルでも特に、ゴレイロを育てるのに優れた能力を発揮しているようです。

元々は、ゴレイロのコーチから、チームの監督になった経歴を持っていました。




 彼はコーチングの際、繰り返し、この言葉を伝えてくれました。

「ゴレイロは、ここで止めるんだ!」

自分の厚い胸板を、ドンドンとたたきながら、繰り返します。




 最初は、ボールから逃げるな、身体で止める気迫を持て。

そういう意味かと思っていました。

ところが、本当に、「胸で止めなさい」とのことなのです。

つまり、身体全体を「壁」「面」にして、シュートコースを狭めるように。

簡単に寝ころんではダメだ。

この意味で、「胸で止めなさい」となっていたのです。




 サッカーのGKは、1対1になると、相手の足元のボール目掛けて飛び込んでいく。

ボールが足から離れた瞬間に、一気に距離を詰めて、セービング。

こんな守り方もあります。




 フットサルのGKは、この守り方をしてはダメなのです。

一回り小さく、扱いやすいボールでプレーする、フットサル。

GKに飛び込ませておいて、ドリブル突破。

倒れた上にループシュートや、一瞬開く脇や股に目掛けて、シュート。

寝転んでいては、これらのプレーに対応できない。

だから「胸」なのです。







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 明日は、「胸」と「足」を使った、本物のプレーが観れることでしょう。

日本のレベルを越えているであろう、本物のGK。

彼の攻守にわたる活躍に期待大です。
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2009年05月29日

求められるスピードの差

 アーセナルのベンゲル監督は、スピードの在る選手を重要視している。

チャンピオンズリーグをテレビ観戦中に、解説の方が紹介してくれました。

監督によって、何に比重を置いて評価するのは、分かれるところです。

ベンゲル監督は、ランニングスピードに高い優先順位をもって、選手を評価しているのでしょう。



 先日、キリンカップが開催されました。

開幕戦の、日本代表対チリ代表のカード。

観戦を通じて、スピードの違いを、強く感じました。

ここでのスピードは、ランニングスピードではありません。

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 何回か取り上げているのですが、フットボールで求められるスピードは幾つかあります。

よく言われるのは、スリースピード(three speed)

・Ball Speed(ボールの速さ)

・Running Speed(走る速さ)

・Thinking Speed(判断の速さ)



 この3つのスピードが、重要だとされています。

さらに加えるなら、ボールをコントロールする動作のスピードも、重要だと思います。

今回、強く差を感じたのは、このボールスピード。

中でも、パスのスピードです。






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 前半、VTRをわざわざ見直したシーンがありました。

得点シーンでも、決定機でもないのですが、思わず身を乗り出しました。

センターサークル付近で、日本代表のMFがパスを受けました。

中盤の低い位置で、足元でボールをコントロールし、そのまま顔を上げます。

次の瞬間、グラウンダーの強いボールで、右サイドの駒野選手の足元に展開しました。



 そのボールの強さ!!

パシッー!!と音が聞こえてくるぐらい、強いボールです。

ちょっとしたシュート程度もあろうかというほどの、威力のあるパスでした。

真っ直ぐに、グラウンダーで、糸をひくような、きれいで強いパスなのです。



 VTRで確認してみると、長谷部選手がパスの出し手でした。

その後も何度も、この30M級のグラウンダーのパスを味方の足元に通していました。

何気ない、つなぎのパスであっても、強いボールを蹴っているのです。

長谷部選手は、ボールに気持ちを込めてパスをしているようにも、感じました。

彼の他には、本田選手も、同じような質のボールを蹴っていました。






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 浦和レッズの山田直輝選手が代表デビューを飾りました。

期待通り、ピッチ内を走り回り、たくさんの選手のスイッチをつけていました。

初代表の緊張は、想像を絶するものだったはずです。

それすら感じさせない、普段着のプレーを見せてくれました。

最後には、本田選手への、丁寧なアシストまで決めました。

ラストパスの直前には、気の利いたシュートフェイントも入れています。

彼の技術は、高いものがありました。



 ところが、気になるプレーを目にしました。

中盤での横パスを、何度も奪われてしまったのです。

失点にはつながら無かったので、大きな問題にはなっていないようです。

ただし、このミスは、中盤の選手としては、してはならないミスの1つです。



 原因は、ボールスピードにあります。

彼のパススピードが、弱いのです。

おそらく、高校生の頃はもちろん、Jリーグでも当たり前のように通っている感覚。

味方、相手DF、スペース、タイミング、そして距離。

それらを瞬時に計って、パスを出している。

ところが、チリ代表相手には、そのパスでは通らなかったのです。

これが、表題にもなっている、求めれるスピードの差です。




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 パススピードが速いと、トラップが難しくなります。

技術レベルが低いと、ボールコントロールに時間が掛かってしまうのです。

その結果、展開が遅くなってしまい、チャンスをつぶしてしまう。

相手のことを考えた(つもり)で、優しく弱いパスを出す。



 ところが、パススピードが遅いと、相手DFに時間を与えてしまいます。

特に、ボールに寄せる時間(アプローチするための時間)を与えてしまうのです。

最悪の場合は、味方にたどり着く前に、相手DFにインターセプトされてしまう。

仮に通ったとしても、味方がボールを受けた時には、相手DFはアプローチし、迫ってしまっている。

パススピードが強ければ、この部分のリスクは軽減されるのです。





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 パススピードの強弱を使い分けないと、試合でパスを回していくことが出来ない。

意識して強いパスを出すのか?弱いパスを出すのか?

このスピードで通るのか?

相手DFはどこまで寄せてくるのか?

そして、受け手は、次どんなプレーをしようとするのか?




 海外の選手の特徴として、ボールに厳しく寄せてくる、というものがあります。

日本国内のように、相手DFが近くで止まって様子を見ていてはくれないのです。

隙を見せると、襲い掛かる野生動物かのように、ボールを奪いに来るのです。

弱いパスと言うのは、彼らにとっては絶好の餌食です。





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 私は、数年前にブラジルへ行きました。

フットサルのコーチ研修のためです。

夏休みを使っての短期研修でしたが、いい経験をさせてもらいました。

そこで実際に見聞きしたものは、衝撃的でさえありました。

その中でのひとコマを紹介します。



 我々のトレーニングに、若い日本人選手が、混じってくれました。

ブラジルに渡って、長期間の武者修行中している若者でした。

フットサルに真剣に取り組んでいる姿は、尊敬すらおぼえました。

通訳も兼ねてくれ、ブラジル人コーチのポルトガル語を我々に訳してくれたりもしました。

彼は、それに加えて、彼自身が気づいたことも、我々に発してくれたのです。

その中で、口癖のように叫び続けてくれた言葉があります。

「パス速く」



 DFも付いていない状態で、パスを回してシュートまで行くトレーニング。

そこでも、常に「パス速く」

少しでも、パスが弱まると、何度も何度も繰り返してくれました。

彼が、実際にブラジル人に混じってプレーする中で、必要に感じていたことなのでしょう。

そして、我々が足りていなかったために、発してくれた。

ブラジルでプレーするためには、何が必要なのか?

体格で明らかに劣る相手と戦うためには?





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 山田選手は、強いパスが蹴れないわけではありません。

国内では、そこまでのパスの強さ・スピードを求められていない。

ただ、それだけの話でしょう。 



 その一方で、長谷部・本田選手は、当たり前のように強いパスを出している。

そのパススピードで無いと、味方に損をさせてしまう。

そもそも、パスが通らない。

経験から、速いスピードでパスを出している。

彼らの環境は、それが当たり前に求められるのです。



 パススピードの重要性は、ピッチ上の全員が分かっていること。

ただし、それを肌で感じ、身につけ、表現できているのかは、別なのです。

どこまでの速いパスが必要なのか?

それは、実際に繰り返してみないと、分からない。



 次回の山田選手の出番で、楽しみが1つ増えました。

チリ戦での経験を踏まえ、パススピードが上がっているのか?

それとも、弱いパスのために、相手に奪われてしまっているのか?
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2009年03月27日

要求に応えるために。

ワールドカップアジア最終予選バーレーン戦が、明日キックオフです。

私が気になっているのは、このポイント。

チャンス!?その瞬間、ボックス内、特にゴール前へ何人が飛び込めているのか?


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 決定力不足と言われて久しい、サッカー日本代表。

ゴールをパンパンパンと奪って、気持ちのいい勝利。

なかなか、日本国内では見せてもらっていない印象があります。


 最近、残念な統計が発表されていましたよね。

男女共に、サッカー日本代表に対する関心度が低くなっているとの数字でした。

何が、日本代表に対する、関心度を低くしているのか?

ゴールの少なさなのか?

はたまた、注目度の高いホーム(ゴールデンタイム)で快勝していないからなのか?


 どんな試合であっても、シュートを打ち、ゴールを奪わない限り、勝利は望めない。

フットボールには判定勝ちはないのですから。

だとすれば、どうすればシュートまで、何度も持ち込むことが出来るのか?




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 ところが、FK以外に、これといったゴールのビジョンが見えてこない、現在の日本代表。

絶対的なストライカーも出てきていません。

ドリブルで、ガンガンに仕掛けていき、相手DFをやっつける姿も、数少ない。


 だとすれば、チーム全体で相手を崩していく。

多くの人数が、パス交換に係わりながら、決定的な形を作っていく。

それが、今の代表チームが目指している方向ではないでしょうか。






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 この方向性で求められるものは、技術。

ただし、ボール扱いだけが技術ではありません。

ボールを止める・蹴る・運ぶ・観る、そして判断する。


 もちろん試合では、相手選手がボールを奪いに来ます。

プレッシャーの中で、その全てを高めていくことが求められている。

しかも、ポジションに係わらることなく、全員がです。





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 具体的に一例を挙げて、説明します。

「受け手が欲しい!」

受け手がパスを要求した、その「今」という瞬間にパスを出してあげることが出来るか?

例え、ボールがどんな状態にあってもです。


 逆足(右利きなら左足)にボールがある。

ボールが浮いている。

真後ろから要求された。

自分が、相手DFから、強いアプローチを受けている。

 
「今、呼ぶなよ」

「出せないよ」

ボールホルダーが反論するのは簡単です。

その代わり、その分だけチャンスが失われていきます。





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 パスの受け手は、いつ要求するか分からない。

その要求に応えることが出来るのかどうか?

自分のキャパシティーを広げ、切り札をたくさん持っている。

そうすれば、どの切り札を使うのか、最後の瞬間までタメれる。

言い換えれば、ギリギリまで判断を変えることが出来る。


 つまり、様々な状況でもパスが出すことが出来る。

浮いているなら頭でも、肩でもパスを出す。

逆足が無理ならラボーナでも、後ろならヒールででも要求に応える。

そういった、たくさんの選択肢を持つ選手のを、技術がある選手。

スキルフルな選手と呼べるでしょう。






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 そんなスキルフルな選手の集合体であれば、相手を崩すことも出来る。

要求すれば、ボールが出てくるのであれば、走ることもつらくない。

ゴール前に、信じて飛び込んでいくことも、長い距離を走ることもいとわないでしょう。


 日本代表選手のコンディションは、Jリーグも開幕し、高まっているでしょう。

ピッチコンディション、気温も、プレーしやすい、最適な環境なはず。

明日は、快勝してくれると信じたい。


 その鍵の1つは、要求に応えれる、技術力の高さです。

思う存分、技術を発揮して、観戦したくなるゲームにして欲しいものです。
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2009年02月24日

判断を奪う・・・。

 観て、判断する。
クリエイティブなプレーをするのには、欠かせない部分です。
全ての始まりと言ってもいいのではないでしょう。


「観る」
何を?
判断するための情報を、収集している。
・ゴール
・スペース
・相手
・味方
・ボール
・レフリー

 少しでも多くの情報を。
リアルタイムの情報を、収集していく。
たくさんの情報を元に、プレーのビジョンを描いていく。
そうして、攻守共にクリエイティブなプレーが可能になる。

 もし、観る時間が少なくなると、どうなるのか?
→収集できる情報が少なくなってしまう。
→判断するための材料が少なくなることを意味する。
そう、クリエイティブなプレーを発揮する可能性が下がってしまう。

 

 守備側の仕事は、ここにも狙いを持つべき。
ボールに対して、寄せて行く。
全力のダッシュで、マークをしている選手に寄せて行く、アプローチ。
パスの間、つまりボールが移動している間に、数センチでも寄せる。
アプローチの鉄則です。

 ただし、攻撃側のファーストタッチが乱れた場合は、その限りではありません。
応対しているDFは、もう一度、さらに寄せる。
ボールホルダーは、落ち着いたボールコントロールがさらに出来なくなる。
パスやシュートのコース、ドリブルするスペースを見つけれない。

 近視眼的なプレーになってしまう。
つまり、相手攻撃陣の判断を奪ってしまう!
そこまで、寄せきることが出来れば、ボール奪取の可能性は高まります。



 同じ現象は、他の事柄でも起こります。
それは、浮いたボール、弾んだボールを処理する時です。
空中にあるボールを処理するためには、ボールを注視しなければならない。
難易度の高い空中のボール。
これを正確にコントロールするためには、ボールに集中するでしょう。
南米の選手たちは、事も無げに浮いたボールを処理するのですがね。
残念ながら、我々では、そうは行かないです。

 さらに言えば、南米のアルゼンチンの指導の現場でも、浮き球に対しては、修正を促すようです。
「何のためにボールは丸いんだ!?」
「地面でボールを扱うためだぞ!」
浮き球アレルギーなどないであろう彼ら。
リフティングは、一度始めたら、止めろというまで続くでしょう。
それでも、グラウンダーのプレーにこだわる。

 ボールを注視する時間が長い。
つまり、周辺を観る時間が短いということ。
→収集できる情報が少なくなってしまう。
→判断するための材料が少なくなることを意味する。
先ほどと同じ、状態になってしまう。
クリエイティブでは無くなってしまう。

 その浮き球は、必要なのか?
弾んだパスは、何のためなのか?
自分のプレーで、味方の判断を奪っているのではないか。

 

 糸を引くような、グラウンダーのパス。
シルキーなパス。
ピッチ上をスーーーッと、走るパス。

 ボールをほとんど見ないでも、コントロール出来るようになる。
ワンタッチパスだろうが、シュートにつながるコントロールだろうが、
自在にボールをコントロールすることが出来るでしょう。
注視する必要は無くなる。

 この、きれいなグラウンダーのパスに、どれだけこだわりを持てるのか?
パスが通れば、OKなのではない。
パスを受けた選手が、次に何をするのか。
次の選手のプレーを助けるパスであって欲しい。
走っていても、DFのプレッシャーが強くてもです。

 
 ただ、なんとなく浮いた・弾んだパスで、味方の判断を奪ってはいないか。
それとも、味方のプレーを助けるパスを出せているのか。
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2009年01月27日

ファーストタッチ(ボールの置き場所)

 プレーヤーのファーストタッチを見てみる。
それで、フットサルをやってるかどうかが分かる!?
その考え方こそ、改めるべきポイントなのではないのか。

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 某テレビ番組で、フットサル対決をしていました。
2週にわたって、大々的に。
現役サッカー日本代表(下の世代代表含む)対Fリーガー(芸人二人含む)です。
ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

 番組では、あおって盛り上げてはいたものの、お遊びです。
ボールに対するプレッシャーの無さが、何よりも物語っています。
その分、選手たちもリラックスして、ゲームを楽しんでいるようでした。

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 それゆえ試合は、技術の出し合い、見せ合いになっていました。
娯楽として観る分には、気楽でいいのでしょうね。
たくさんの技が出ていました。
トリッキーなフェイントに、パス、さらにはオーバーヘッドでのシュートまで。
 
 私が、最も印象に残っているのは、ボラ選手(名古屋オーシャンズ)でした。
彼の何気ないファーストタッチ(トラップ)です。
ハーフウェー近くの右サイド、相手DFまで距離がかなりあり、フリーの状態です。

 そこで、彼が当たり前のように、インサイドでファーストタッチ。
ボールを前に押し出すように!コントロール。
スピードに乗って、入っていきました。


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 足裏でボールを止めるかどうかで、見極めている。
「フットサルやってるね」
「サッカーしか出来ないね」
こんな話聞いたことありませんか?
サッカーだから、フットサルだから、足裏を使わない、使う。
そう決め付けている人間すらいるようです。
私も、実際に、何度もそんな話を実際に耳にしています。

 こんな話もあります。
サッカーの育成年代のエリートを集めた、ナショナルトレセン。
そこで、こんな指導があったようです。
…ある選手が、足裏でその場にボールをコントロール。
「フットサルじゃないんだ!」
トレセンコーチが大声で、修正を促す、強い働きかけをしました。

 もちろん、そのコーチが言いたかった事は、それが総てではないでしょう。
比喩表現で使われるくらい、フットサル=足裏のイメージが強いのでしょうね。


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 私は、Fリーグの選手の中で、ボラ選手はとても好きです。
あのテクニックの高さは、群を抜いていますよね。
時間、空間を作り出せる、別格の選手だと考えています。
ボールタッチや、フェイントの種類は数多い。
それらを、ハイプレッシャーの中でも、変わらず正確に技術を発揮する。
素晴らしいですよね。

 その彼が、インサイドで、スペースに入っていくファーストタッチを見せたのです。
足裏でコントロールが出来ないわけはありませんからね。
判断して、足裏よりもインサイドのファーストタッチのほうが有効だと考えたのでしょう。

 実際に、スペースがあるなら、インサイドやアウトサイドのファーストタッチは有効でしょう。
一発で、方向を変えることが出来る。
そして、そのままスピードに乗って、スペースに飛び込んでも行ける。

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 ところが、フットサルの試合を見ていると、こういった場面は少ないように感じてます。
スペースがあろうが無かろうが、足裏でボールをコントロールする。
身体に染み込んだ、くせ、かのように。
そこには、判断というものが存在しない。

 足裏で、ボールを抱え込んだら、ボールは失いにくいでしょう。
寄せられたとしても、DFのプレッシャーを外すことは容易です。
ただし、スピードは落ちてしまう。
足元に、抱え込んでしまってますからね。

 なぜ!?わざわざスピードを落とすのか?
なぜ!?スペースを有効に活用しないのか?
トレセンコーチが「::::::」と言う気持ちも分からなくは無いです。

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 ついつい、派手な技術に目を奪われがちです。
特に、ボラ選手のように、魔術師のような選手ならば、なおの事。
彼の本当のすごさは、そこではなかった。

 今、使うべき技術を、判断して選んでいる。
その結果、ああいった華麗なプレーになっているのです。
決して、技術を披露するために、プレーをしているのではない。

 真の名手、真のスキルフルな選手。
その一つの基準は、どのようなファーストタッチをしているかにも現れる。
次のプレー、次の次のプレーを意識して、ボールを置くことが出来ているのか?
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2009年01月26日

キックを遠くに飛ばすために

 キックを遠くに飛ばすためには何が必要なのか。
いくつかの要素がある。
その一つが、高さ。
ボールが飛び出していく角度が大きく関わってくる。

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 ゴルフの世界では、こういったことが言われるそうです。
…腕がよく触れている=高い弾道のアイアンショットが打てる。

 我々フットボールの世界でも、キックの飛び出し角度は重要である。
ある程度の高さを出さなければならない。
そのためには、よく振りぬくとどうだろう。
股関節を大きく動かして、振りぬく。

 ここに、速い初速と、軽いバックスピンが加わる。
それが、キックの飛距離を伸ばす重要なポイント。

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 他のスポーツも、参考にすれば、思わぬヒントが得られるかもしれない。
ボールに高さを出す。
そのためには、フォームの工夫を。
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2009年01月23日

守備の目的を

 守備の目的を忘れてはいないか?
何のために、守備をしているのか?
それを常に発揮できれば、最高の守備が出来るはずです。

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 フランクフルト所属の稲本潤一選手は、2001年から海外での経験を積み重ねています。
不遇の時期もありましたが、ここ2・3年は自分のポジションを獲得しているようです。

 彼のポジションは、守備的なミッドフィルダーです。
ミドルシュートに、30〜40M先への正確なフィード。
奪ったボールを持って、一気に攻め上がり、ゴールに絡んでいく。
攻撃の能力も併せ持ち、攻守両面に能力を発揮する、素晴らしい選手です。

 とはいえ、一番の勝負どころは、守備にあると思います。
特に、海外でも当たり負けない。
それどころか、相手を封殺する強さに速さ。
今や、中盤でのエースキラーとして、信頼を得ているようです。

 あの、ボールを奪いに行く局面は、特に素晴らしい!!
日本人でも、あそこまでボールを奪いきることが出来る。
足先のDFや、立ち止まっての様子見ではない。
彼の守備は、我々のよいお手本です。
 
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 彼の対峙する相手は、相手チームのエースクラス。
ポジション的に、相手のトップ下(オフェンシブハーフ)とのマッチアップ。
助っ人選手を始めとする、各国の代表選手たちを相手にしている。
何を考えながら守備をしているのか!?
気になる部分でありました。

 稲本選手が、インタビューに答えていました。
…相手をマークする時に、何に一番気をつけていますか?
「相手を振り向かせないこと」

 この答えを聞いて、個人的にビックリしました。
もっと、アグレッシブな答えを想像していたからです。
「振り向かせない」となると、相手の後ろにへばりつくだけ?
稲本選手は、決してそんな消極的なDFをしてはいないのですよ。
ボールを奪いに行かないの?

 その後、ドイツでの試合中の映像が流れました。
それを観て、私の誤解だということが、一目で分かりました。

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 簡単に解説します。
相手トップ下にボールが入る。
ここで前を向いたら、スルーパスにシュートにドリブル。
何でも自由に出来る、美味しいスペースです。
稲本選手は、あえて数M後ろ(自分のゴールサイド)で待機しています。
(もちろんインターセプトは出来ないタイミングだからです)

 相手のトップ下はこう思うのでしょう。
「俺をマークする稲本がすぐ近くにいない、ボールをトラップし、前を向くチャンス」
前を向くために、一瞬ボールをさらしてしまう。
マークがゆるいから、ボールを隠す(スクリーニング)する必要を感じないのです。

 その瞬間、稲本選手は、猛然とボールに寄せていくのです。
グンとスピードを上げて行きます。
襲い掛かっていくかのように、一気に距離を詰める。
そして、ボールと相手との間に足も身体もねじ込みます。
そのまま、攻撃に切り替えて行くのです。

 ボールを奪われた選手は、あぜんとなってしまいます。
もしくは、ちょっとしたパニック状態に陥ってしまっています。
いるはずが無い稲本選手が、なぜここに!?
気づいた時には、距離を0にされているのですから。

 稲本選手の言う「振り向かせない」という意味はこういうことなのです。
「振り向かせない」どころか、「振り向いた時は、すなわちボールを奪う時」
わざと、振り向かせる状況を仕向けて、ボールを奪ってしまう。

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「日本人はこれが出来ない。」
指導の現場で、よく話題に上る部分です。
ボールには寄せていくものの、距離を詰めきれない。
ボールを保持したその背中について、振り向かせない。
そこで止まってしまっているのです。

 寄せきる、距離を0にする、ボールを奪う。
こういったボールを奪いに行くためのプレーが少ないのです。

 だから、相手攻撃にとっては、怖くもなんとも無い。
守備組織は出来ている。
カバーもある。
ボールにも寄せている。
では、いつボールを奪うのか?
もう一歩、あと一歩はいつ距離を詰めるのか?

 攻撃の指導では、「相手との駆け引き」は盛んに言われだしました。
最近のはやり言葉にも感じられるほどです。
それにしても、ものすごく大事なことですよね。
相手あってのゲームですからね。

 では、守備の局面での駆け引きは、どうするのか?
抜かれることを恐れる、弊害が出ているのでしょう。
それは、指導者も選手も双方にです。

 確かにアプローチの原則では、相手がボールにファーストタッチをした瞬間に止まろう。
両足を地面につけ、対応できる状態にが正解です。
では、その先は?
どのようにすれば、稲本選手のようなボール奪取が出来るようになるのか?

 もちろん、選手の工夫、コーチの環境作りですよ。
ボールの奪い合いが無ければ、フットボールではない。
目の前の選手とのやっつけ合いが、このスポーツの原点ですよ。


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 ボールを奪い、ゴールを守ること。
そして、奪ったら、攻撃に向かうこと。
相手のミス待ちでは、良い攻撃につながらない。
ただ、寄せていくだけでは、簡単にかわされて、シュートを打たれてしまう。

 守備の目的を忘れてはいないか?
何のために、守備をしているのか?
それを常に理解し、表現できれば、最高の守備が出来るはずです。

posted by プロコーチ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月31日

武器の種類。

キックの種類は、様々なものがありますよね。
基本的には、足の部位で分類しているはずです。
・インサイドキック
・アウトサイドキック
・インステップキック
・インフロントキック
・アウトフロントキック
・トゥーキック
・ヒールキック

 さらに右足・左足で分けて考える。
そうすれば、実に7×2で14種類のキックがあるのです。
これを使いこなすことが出来れば、大概の状況で困ることは無いでしょう。
前後左右、自在に出せますからね。

 キックの時に気をつけること。
それは、常にボールの中心を意識すること。
ボールの中心を捉えて、真っ直ぐのボールを蹴る。
こすったり、引っ掛けたり、叩いたりするのは、その後。
まずは、ボールの中心をどれだけ捉えることが出来るのかどうか?
 
 
 ただし、フットボールの試合では真っ直ぐのボールだけでは、間に合いませんよね。
そこで、キックを球種で分類するのです。
相手の頭を越す、外から巻いて避ける。
もしくは、浮かさないように低く早いライナー性の球筋。

 ボールの弾道で分類すると
・グラウンダー
・低弾道(ほんの少し、数Mの高さ)
・中弾道(5〜10Mの高さ)
・高弾道(それ以上の高さ)

 さらには、ボールの回転、曲げ方で分類すると
・バックスピン
・トップスピン
・無回転
・インスイング(中に巻いてくる)の回転
・アウトスイング(外に巻いてくる)の回転

さらには、ボールの強弱ももちろん出てきますよね。

 
 こうして初めて、どれだけ中心からズラすのか。
この考えが出てくるのです。
丸いボールに対して、どのように力を加えるのか?

 試合中に、ただ、あの辺にパスを出しましょうでは、この発想は出てこない。
状況によって、キックを使い分けるのです。
まるで、自分の足を様々なゴルフクラブにするように。
例えば、右足のインステップで、高い弾道のボールを、軽いバックスピンで。
はたまた、左足のインサイドで、グラウンダーを、インスイングで。

 
 このように考えれば、身についていない武器があることに気づかされませんか?
自分の武器が少なければ少ないほど、試合で追い詰められるシーンが増える。
逆に、武器が多ければ多いほど、選択肢が増えていくのです。
相手DFにコースを切られても、、DFラインを押し上げられても、打破できますよね。

 
 DFの立場から考えて見ます。
武器の少ない(キックの種類が少ない)プレーヤーは楽です。
「次、何をするのか?」
ボールの位置や、身体の向きを観れば、簡単に分かりますよね。
いいポジションでパスを要求している味方が、仮にいたとしてもです。
だって、そこにパスを出すキックを持っていないのですからね。

 武器の多い(キックの種類)が多い選手がボールを持ったら大変です。
穴が、ひとつでもあれば、そこにパスを出され、シュートを決められてしまうのですから。
味方も、それを分かっているでしょう。
すると、その武器が多い選手がボールを持ったら、一斉にいい動きを始めるのでしょうね。
ますます、守備側は困ってしまうでしょう。

 
 どうですか、課題は見つかりましたか。
もしたくさんの武器を既に持っているのならば、武器を強力にしてください。
キックの飛距離を伸ばし、ボールの精度を上げるのです。
そうすれば、試合でさらに有効になるでしょう。

 私が、今、取り組んでいる課題。
バックスピンのボールを、高低の高さに蹴り分ける。
まずは、利き足である右足から。
強めでも、味方がトラップしやすいボール。
これが、なかなかに難しい・・・。
posted by プロコーチ at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月10日

手の使用方法

フットボールは、もちろん足でプレーをします。
ボールを止める・蹴る・運ぶ。
プレーの大部分は、足で行なわれているでしょう。

 それでも、手・腕の役割も重要になってきます。
この手の使い方次第で、プレーの幅が広がりも、狭まりもします。

 最近、指導の現場で強調されている使い方は、自分のプレーエリアを確保する。
そのために、手を使う。
寄せてきた相手との距離を保つために、腕を伸ばす。
一瞬、つっかえ棒になって、相手DFの寄せが遅れることもあるでしょう。

 さらには、腕をアンテナ代わりに使う。
つまり、ボールキープの際に、腕を使う。
これを触角・アンテナのように用いて、相手DFの来る位置を把握する。

 ヘディングの時にも、腕を広げる。
そのまま、ひじを張るようにして、顔を突き出していく。
競り合いになった時に、相手は腕が気になって、ボールに近づくことが出来ない。

 いずれも、気をつけるのは、ファール。
間違って、ひじを顔に入れてしまったら、一発退場の恐れが。
たとえ、故意でなくてもですから細心の注意が必要です。


 守備の際には、どのように腕を使うのか?
ディフェンダーのアピールに使われることが多いようです。
対審判に対してのものです。

 例えば、オフサイドのアピール。
相手チームの反則のアピール。

 接触プレーの後にも、両手を上げてアピールしている選手をよく目にします。
相手が転がっている脇で、「何もしてないよ」とそしらぬ顔をしています。
そんな時は、大体において、何かをしてしまっていますよね。

 足で引っ掛ける、必要以上に当たりすぎる。
やってしまったディフェンダーが一番良く分かっている。
だから、無罪のアピールをしたがるのでしょう。
フットボールの最も見苦しいシーンの1つと言えますよね。

 
 手を使ったアピールをするなら、もっと早いタイミングでしたいものです。
そのタイミングとは、相手との接触が起こる、その瞬間です。
特に、ボールを持った選手に背後から寄せていった。
相手FWは背中向きにボールをコントロールしている。
その時です。

 バチーンと当たってしまうと、すぐファールを取られてしまうでしょう。
そうかと言って、後ろで待機しているだけでは、相手の好きにプレーをさせてしまう。
ここで腕を上手に使いたい。

 後ろで待機するなら、腕一本分の距離を保つ。
この距離でボールを注視しながら、次の動きに備えるのです。
この時に、腕を伸ばして相手FWをけん制する。
くれぐれも、突き飛ばしてはダメです。
後ろで待機しているにもかかわらず、反則になってしまいます。
こうやっていい距離を保つための道具としての手・腕の使い方。

 さらに、いいディフェンダーになるためには、もう一歩踏み込みたい。
身体をピッタリと0になるまで寄せる。
グゥーと低い体勢を取り、細かいステップで寄せていくのです。
この時には、片腕、もしくは両腕を上に上げる。
押していないことを審判にアピールしながらです。

 細かく、低く、グッッグッッと寄せていくのです。
相手FWの判断力を奪うほどに、相手のコントロールミスを誘うほどに。
ただし、手・腕では無く、腰を中心とした身体全体で。

 このプレーは、本当に難しいのです。
手のアピールを忘れてしまう。
自分の体勢・腰の位置が高いとファールを取られてしまう。
さらに、プレッシャーを掛け続けながら、ボールを観るのを忘れてしまう。
進むこと(プレッシャーをかける)だけに気を取られてしまう
こうなると、次後ろや左右への対応が出来ないのです。

 イタリアのいいディフェンダーは、このプレーが得意です。
相手がうんざりするくらいのプレッシャーを後ろからでもかける。
さらには、次の対応が速く、一瞬相手が上手く外しても、再びついていける
もちろん、両手を上げているので反則も少ない。

 ゴールを守るだけの消極的なものは守備ではない。
同時に、ボールを奪うのが本来の目的ですよね。
それを体現する、彼らのプレー。
良い手・腕の使い方。
もう1歩寄せるための大きな工夫です。

 日本では、なかなかお目にかからない。
形だけ真似しても、意味が無い。
何のために、いつ使うのか?





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2008年10月07日

ブラジルが持っているもの

 最近、南米のフットボールを見る機会が多々あります。
前にもご紹介した、テレビ解説。
次のお仕事も頂き、その準備も兼ねて、観る機会を増やしています。
さらには、フットサルのブラジルワールドカップも開催していますしね。

 最近観慣れていた、ヨーロッパの試合、Jリーグの試合。
これらが、私の頭の中での基準になっているようです。

 その基準からすると、南米、ブラジルの試合は明らかに異質のものですね。
画面に、グイグイと引きつけてくるものがあります。
もちろん、凡戦もあるのですが。

 
 その違いは、何なのか?
検証し、見比べてみました。
UEFAチャンピオンズリーグや、08ユーロの試合を引っ張り出しました。
特に、南米の選手が多数を占めないチームの試合をチェックです。

 スタジアムの雰囲気、ピッチの芝、審判の基準。
試合を取り巻くものも、違っています。

 
 試合内容でいうと、ヨーロッパが明らかに長けているものもありました。
サイドの使い方、DFの組織。
これらは、準備段階から、特に高めている部分なのでしょう。
チーム全体としての高い意識を感じました。
オフザボールの動き・・・ボールを持っていない選手の動き。

 
 一方、ブラジルが持っていて、ヨーロッパが持っていないもの。
ボールを持った時に発揮されます。
なぜか、DFが寄せきることが出来ない。
ボールを奪おうと、果敢にチャレンジすることが出来ないのです。

 よく観ると、細かいフェイントを、チョコチョコと入れています。
上半身を軽く揺する。
細かいステップを入れる。
ボールのタッチを微妙に変えて、ボールを出し入れする。
目を違う方向に向ける。
一目瞭然の、大きなフェイントを繰り返すわけではないのです。

 この細かいフェイントを入れながら、相手DFの出方をうかがっているのです。

 DFが寄って来なければ、縦方向に鋭いパスやドリブル突破。
意外な距離から、ミドルシュート。

 DFが食いついてくれば、無理をせずに後にスッと下げる。
横にさばく。
くいついて来た勢いを利用して、裏を狙う。

 ボールをコントロールしながら、相手DFの出方を観察しているのですよね。
そして、たくさんの引出しの中から、その場その場に合った適切なプレーを取り出す。
取りあえず、仕掛ける、行け行けではないのです。

 
 守備側にしてみれば、たまったものではないですよね。
行けば、外され。
待っていれば、決められ。
下手をすれば、攻撃側に完全に主導権を握られてしまうのです。

 攻撃側が主導権を握った試合。
その試合を観戦していると、おそらくこんな印象を持つはずです。
リラックスしてボールを、気持ちよく回しているな。
または、守備側が走り回らされているな。

 
 こういったプレーを観ていれば、あることを思い知らされます。
ボールを持っている選手は、王様。
絶対の自信を持って、ボールを扱う。
相手DFが来たからといって、びくびくしない。
だからこそ、周りのしもべ達も、王様を信じて走ることが出来るのです。

 ヨーロッパの選手たちも、自信を持ってプレーはしているはずです。
速いパス回しに、サイドを深くえぐるプレー。
ドリブルしながら、DFを変化させる。
これらは、間違い無く、王様達のなし得るプレー。

 ただし、そこには細かいフェイントは観られない。
大きいボールタッチの変化に、スピードの変化。
キレと勢いで勝負している印象が強いものです。

 その細かいフェイントが凝縮されているのが、フットサルのブラジル代表。
コートが小さく、試合時間が短かく走りきることができる。
その中で1対1の場面の繰り返し。

 ここでお互いの駆け引きが勝負を分ける。
そこでの大きな武器が、細かいフェイント。
相手の足を止め、ボールに食い付かせる。
そのやり取りが南米フットボールの一番の見所と言っていいでしょう。

 ボーっと観ていては、見過ごしてしまう。
大きなフェイントに目を奪われてしまう。
ボールを受ける前から始まっているこの駆け引き、細かい様々なフェイント。
それを探し出すのも観戦の楽しみかもしれません。


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2008年08月12日

ギリギリのドリブル

 ナイジェリアU−23代表の見せてくれたドリブル。
私の目は、このドリブルに釘付けになりました。
日本人のドリブルとは、全く種類が異なるもの。
考え方そのものが違う。
(彼らがそれを考えているかは不明です、機会があれば一度聞いてみたい!)

 ドリブルを指導する時に、まず最初に伝えたいこと。
「ボールをいつでも、どこにでも運べれるように」
簡潔すぎて分かったようで、分かりにくいので少しだけ紐解くと。

今!この瞬間に。…いつでも
どこどこのスペースに、DFの足を外して・・・。…どこにでも
ボールを自分の意志でコントロール、決してボールの奴隷ではなく…運ぶ
身体からボールが離れていては、出来ない。
足を出したすぐそこにボールを持っておかなければ。

 このドリブルはとても地味なもの。
流行のトリックや、魅せるテクニックではありません。
使うタッチは、イン・アウト・足裏の組み合わせ。
でも、これを身につけることが、試合で有効にドリブルを使えるかどうかの分かれ目になる。
このドリブルがベースとなって欲しい。

 
 そしてこれと並び立つのが、「観る」ということ。
ボールを動かしながらも、顔を少しでも上げる。
何のために?
もちろん情報を収集するために。
ゴールの位置や、味方の位置、おいしいスペースはどこか。

 特に頻繁に求められる情報があります。
それが、相対するDFの状態。
特に、どちらの足に重心がかかっているのか?
いつ足を出してくるのか?それとも両足に根っこが生えているのか?

 ボールを触りながらも、相手の状態もチェック。
そうすると、相手の心理が見えてくる。
いつ仕掛けるのか?
どちらに仕掛けるのか?

 結局は基本のドリブル+観るのレベルを高めること。
スピードを上げても出来る。
相手DFのプレッシャーが厳しくても出来る。
試合の終盤、疲れていても出来る。
本物のスキル。


 さて、ナイジェリア代表のドリブルとは?
一言で言うと、とにかく危なっかしい。
ボールタッチもなんとなく大雑把。
スピードに乗っていても、ボールがどこにあるのか・・・。
近くや遠く、バラバラの間合いでボールタッチ。

 これは、相手DFと1対1になっても変わらない。 
何度、「獲られる」(日本の立場から言うと、奪えそう!)と思ったことか。
それぐらい、身体からボールが離れている、ように見えるのです。

 ところがです。
次の瞬間、ボールを左右どちらかに外している。
もしくは、身体を相手DFとボールとの間にもぐりこまして(ルーレットやルーレットもどき)。
ボールを奪いに足を伸ばしてきていた日本DFは、ポツンと置いてけぼりです。

 2点目のゴールも、これに近いといえます。
トラップが大きくなったかな。
間に合うと思ったGKの西川が飛び出した。
その瞬間、思い切り振りぬいたシュートが、ゴールに突き刺さっていた。
 
 ナイジェリア人特有の足の長さ。
にゅっと、足が伸びてくる。
試合後のコメントでよく聞く言葉ですよね。
これが秘訣!?
でも、そうではないような気がしました。

 おそらく彼らは、ギリギリの間合いで勝負しているのではないか。
何度も何度も同じドリブルを見せ付けられるうちに、そう考え始めました。

 つまり、相手DFの足が届くか届かないかのところに、わざとボールを置いている。
さらに言うと、DFに「奪える」と錯覚をさせている。
そして、足を出さそうとしているのではないか。

 もちろん、単純に失敗しているものもあるでしょう。
「やばい。大きすぎた」
それでも、足は何とか届く範囲に、ほぼボールはあります。

 応対したDFが逆をとられたり、フェイントでだまされる。
もちろん素晴らしいドリブルですよね。
試合の大きな見せ場の1つ。
このギリギリのドリブルは、効果で言うとさらにその上を行くでしょう。

 何よりも、相手は奪えると思って、前に足を出してしまっています。
つまり、体重はものすごく前掛かり。
その瞬間に、背後をとられるのですからね。
後ろになんか、応対する余裕はないでしょう。

 
 彼らは、このギリギリのドリブルをトレーニングで身につけたのでしょうか?
一番聞いてみたいところです。
私の想像は、幼少期からの成功体験(DFとしての失敗体験かもしれない)。
これこそが、源なのではないか。

 草サッカーや、1対1。
ここには、指導者はいません。
そこで、いかにスターになるのか?
どのようにして目の前の相手を倒すのか?
この繰り返しが、ギリギリのドリブルにつながった。
こう考えるのはどうでしょうか。

 
 この予想は、私の想像に過ぎません。
まるっきりの見当外れかもしれません。
ただ1つだけいえるのは、ギリギリのドリブルの効果が高いこと。
そして、ドリブルに必要な2つの要素を、持っていること。

 相手の足をどうしたら出させることが出来るのか?
どうすれば、相手の反応速度よりも速くボールタッチすることが出来るのか?
工夫しながらトレーニングしていた、20年以上前の自分を思い出させてくれました。
残念ながら、私はその世界の手前までしか足を踏み入れれなかった。
ただ、工夫したプロセスは、現在の指導に活かせていきたい。

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2008年07月04日

ボールを自在に扱えれるのか?

何度かこのコラムでも触れてきた、サッカーボール。
白と黒の、五角形と六角形の組み合わせで縫い合わされている。
こんなボールは、プロの試合では使われなくなっています。
特にこの数年で、目ざましい進化を遂げていますよね。
オールドプレーヤーにとっては、隔世の感があるのではないでしょうか。

私が小学生、中学生の頃には、本皮のボールが残っていました。
「公式戦の上の方では、このボールを使う」
今でも、覚えています。

表面が硬く、蹴ったら足に衝撃が残ります。
ヘディングをするのが怖い、痛い・・・。
特に水を吸って重たくなったボールは、トラップすらしたくないほど重量感でした。


そのボールが大きく変わったのが、2002年の日韓ワールドカップ。
この大会での使用球が「フィーバーノバ」
作りは、それほど変わっていない筈です。
皮の種類に秘密があったようです。

ものすごくボールが弾み、グンと空中で伸びました。
ドイツのカーン選手が、やたらパンチングを多用していました。
キャッチをするとボールの勢いに負けてしまう。
その恐れが少しでもあるときには、大きく弾く。
この判断に迷いがありませんでした。


2004年以降は、ボールを熱で張り合わせて作るタイプに変わりました。
すると、ボールは球体に近づくそうです。
さらに2006年からはプロペラのような形を組み合わせてボールを作っています。

 このボールの特徴は、とにかく飛ぶこと。
多少ボールの中心を外しても、なぜかボールは飛んで行きます。
思った距離の1.2〜1.5倍は飛んでいく感覚でしょうか。


 そして、曲がりにくいのも特徴のひとつ。
こすって、回転を掛けるのがカーブキックの蹴り方の1つ。
いくら回転を掛けても、曲がりにくい。
おそらく、前に飛んでいく力の方が大きいのでしょう。

 ここで意識するのは、ボールの中心。
こするよりも中心を少しだけ(数センチ)外して蹴る。
この蹴り方の方が、ボールに変化を生むようです。


 そして、最近流行のぶれ球。
ボールの中心を蹴り、わざと無回転でボールを蹴る。
グググ、と前に押し出すよううに強く蹴るのがポイント。
すると、空気の抵抗が大きくなり、ボールが不思議な軌道で飛んでいく。
野球で言うナックルのようなものだそうです。
最近のフリーキックでは、わざとこのぶれ球を蹴るのが1つのトレンドになっていますよね。

 蹴る時には、ボールにどれくらいの力を加えるか。
そして、どれだけ中心をずらすのか。


 ところが、トップ中のトップの選手たちも、まだこのボールを完全には使いこなせていない。
驚くようなキックミスが、今回のユーロでもかなり見られました。
このボールが登場して、まだ3年ほど。
頭では分かっている。
トレーニングなら狙ったとおりに蹴れる。
それでも試合のプレッシャーが掛かった中では、習得の浅さが感じられるのです。

 特に、ボールが思ったよりも飛びすぎる。
もう少し手前に、まいて落とすつもりのボール。
それが、ポーンと観客席まで届いてしまう。
ファーサイドにあわせようとしたボールが、誰もいないスペースまで飛んでいってしまう。

 最後の最後のラストパスでのずれは、あまりにも痛い。
おそらくとっさの瞬間には、テンションが高まりすぎる。
すると今まで、20年・30年続けていたキックの技術が顔を出してしまう。
昔からの蹴り方をしてしまい、ボールが思わず飛びすぎてしまっているのではないでしょうか。


 この種類のボールを、どれだけたくさん蹴りこんだのか。
おそらく小さい時から蹴り続けないと、身体の芯までは染み込ませることが出来ない。
技術とは、そういうものでしょう。

 
 最近の競泳界を席巻している、レーザーレーサー。
技術を身につけるためには、恵まれた環境、財力が必要になる世の中のようです。

 用具の進歩はいいのですが、置いていかれてしまうものが出てくるのには、
疑問を持ってしまいます。
サッカーにもその流れが。
何しろ、ボール一つ買うのに、2万円近くしてしまいますからね。

 サッカーの王様ペレ。
彼は、「ボールは丸い」
ボールが丸いことを理解できれば、上達していく。
そういった言葉を残しています。
時代は変わりました。
それだけでは、足りない世の中のようですよ。


posted by プロコーチ at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月13日

一撃必殺の技でなく

 以下のことに気をつけなくてはならない。
次のプレーをするために立ちあがらなくてはならず、
もし失敗した場合には味方は大きなピンチになってしまうのです。

 このプレーをした後は、死に体になってしまうので、
使用する局面をよく考えなくてはならない。
とりあえず、では数的不利の状況が生まれてしまう恐れがある。

 これらは、スライディングタックルに関する、記述である。
いずれも、かなり著名な方が専門書に記した文章。
要約すると、一撃必殺の技だよ。
失敗は許されないので、多用するのではなく、ここぞの場面でのみ使うように、とのことでしょうか。
ただしいずれも、15年以上前のものではありますが・・・。


 ユーロ2008が開幕して、グループリーグが行なわれています。
「ワールドカップよりも、レベルが高いのではないか!?」
このヨーロッパ選手権を語る時の常套句。

 確かに、フットボール先進国が、自分たちの環境でプレーする。
遠く離れた日本や南米、高温多湿の中で行なわれる試合。
これらに比べると、明らかにコンディションが良さそうではあります。
どちらがハイレベルか、一概には言えないでしょう。
世界基準であることは、間違いありませんよね。


 さて、今回のユーロでも、スライディングを数多く目にしますよね。
個人的に言うと、あれだけきれいな芝なら、滑りたくなる気持ちは分かります。
ただ彼らが滑っているのは、それだけではないですよね。

 スライディングとスライディングで滑り合いながら、ボールを奪い合っている。
そんな場面すら、珍しくありません。
なぜ、こんなにスライディングをするのでしょうか。
ためらっている様子など、全く見えません。

 スライディングの一番のコツは、足を向こう側に飛ばすイメージですべること。
ビビッていては、よけい怪我をしてしまうでしょう。
ボールに伸ばす足を向こう側に、グーーーンと飛ばす。
そうすると、きれいに滑れます。
さらには、届きそうに無いボールにまで足が届くようになるのです。

 また、スライディングをした後の立ち上がりが速い。
一瞬、地面に寝そべるか否か、スグ立ち上がっている。
本当に熟練した選手なら、手を地面につかなくても、立ち上がることが出来る。

 ちなみに、立ち上がることだけを考えたら、すねの外側だけを地面に接地させる。
野球のベースに滑り込む方法に近いです。
足裏を滑る進行方向に向けて、軸足を内側に折りたたんで滑る。
このスライディングは、次の動きを考えるなら、最も適している。

 ただし、この方法にも欠点があります。
足裏を進行方向に向けるため、ファールを取られやすいのです。
もし、スライディングした先に相手がいれば、間違いなくファールですよね。
当たってしまえば、トリッピングかキッキング。
当たらなくても、足裏を見せた危険なプレーで、間接フリーキックを与えてしまう・・・。
となると、使うのはブロック専門ですよね。

 更に彼らは、様々な種類のスライディングを使い分けています。
パスが長くなれば、スライディングでボールを抱え込む。
スペースに出すぎたラストパスを、スライディングしながらシュートを狙う。

 相手のシュートやパスをスライディングしながらブロックする。
相手の攻撃方向を限定するためだけでも、スライディングしながら行なう。
相手のドリブルが大きくなった瞬間に、スライディングでボールを奪う。
相手の足元でボールが止まった、その瞬間にスライディングでアタックする。
 

 使用場所も多岐に渡ります。
さらには、スライディングも様々な種類のスライディングを使い分けている。
滑った先に相手がいるのか?
ボールだけに行くのか?
ボールを遠くへ飛ばしたいのか?
相手のプレーするコースを塞ぐのか?

 これら全ての状況に対応するスライディングなどありません。
軸足のたたみ方に、地面への接地の仕方。
そして、ボールにコンタクトする足の形に、ボールへのアプローチの形。
何種類ものスライディングを、技術として習得したいものです。
 
 考えなければならないのは、ボールへの執着心。
攻撃ならば、このボールを絶対に相手に渡したくない。
守備ならば、ボールを自由にさせない。ボールを奪う。
この攻守に渡る執着心。

 よく、攻守に渡ってハードワークをするのが近年のトレンドと言われます。
実際に、今回のユーロでも、超人!?と思わせるほど攻守共に走り回っている。
恐ろしいほどのハードワークの応酬。

 このハードワークを支えるのは、ボールへの執着心ではないでしょうか。
「もっと走れ」
「ハードワークしろ」
いくら、コーチに言われても、執着心の無いプレーヤーには難しいのではないか?
指示されたから走っています。
そんな選手に、ハードワークは出来ない。
アリバイ的に走ることが精一杯でしょう。
 
 スライディングをすることで、届かないボールに足が届く。
立ったまま足を伸ばすだけでは、ほんの数十センチから1Mほど先のボールには触れる。
もしスライディングすれば、この距離がグンと伸びますよね。
1〜3・4M先までのボールにチャレンジ出来る。
当たり前ですが、一気に間合いが何倍にもなる。
ボールへの執着心が自然に、スライディングとなって現われる。

 それならば、なぜ全ての選手がもっと数多くスライディングをしないのか?
・筋肉への負担が大きい。
・心理的に気が進まない(格好悪いと思うのでしょうか)
・汚れたくない
・そもそも、スライディングに自信が無い。
これらの理由が考えられますよね。

 レクリエーションでフットボールに触れるのならば、スライディングは必要無いのでしょう。
ただもし、勝負にこだわるのならば、ボールへの執着心が求められる。
どんなポジションであろうが、使うべきときに自然に滑れる。
口で勝ちたい、勝ちたいと言う前に、ボールへの気持ちを見せるべきでは?
 
 世界のトップ中のトップは、当たり前のように滑っていますよね。
センターディフェンスの専売特許ではありません。
攻撃陣も含めた、全てのプレーヤーが習得したい。
一撃必殺ではなく、1つの技術として。
これを可能とする、心、技術、身体、そして戦術眼。
ボールをキックするのと同じように、スライディングも習得すべき技術の一つ。

posted by プロコーチ at 18:31| Comment(1) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月22日

軸足の使い方

フットボールでは、ほとんどのプレーを片足立ちで行います。
止める・蹴る・運ぶ。
足でボールを扱う時には、片足立ちになる場合がほとんど。
この時、地面に立て、カラダを支えているのが軸足。

右足も、左足も両足を自在に扱える選手。
日本国内は、両足でボールを扱うことに対する価値は高いと言えるでしょう。
特に若年層の指導では、両足のコントロールは必須ともなっています。


 実は、世界的に見ると少数派。
例えば、左足が利き足のプレーヤー。
彼の右足の前にボールがあるとします。
無理やり、左足のアウトサイドでプレー。
もっと無理して、立ち足の後ろを通してのラボーナキック。
これらは全て、片足しか使えないために起こり得るプレーです。

 日本でもプレーした、元イングランド代表ギャリー・リネカー選手。
86年メキシコワールドカップの得点王。
祖国イングランドでは、いまだに英雄として尊敬されています。
彼は自著で、次のようなコメントを残しています。
「両足を使えると、チャンスが4倍になる」
片足だけしか使えないと、チャンスは4分の1になってしまうと言うのです。


 1つの解釈としては、次のようになります。
右足一本のプレーヤー。
・右足でのシュート
両足を使いこなすプレーヤー。
・右足でのシュート
・右足でのシュートフェイントから左足のシュート
・左足でのシュート
・左足でのシュートフェイントから右足のシュート
まさに、プレーの選択肢が4倍になっていますよね。



 さらには、DFのマークが厳しい時。
この時には両足プレーヤーの能力が発揮されます。
どちら側からDFに付かれているのか?!

ピッチの中央からサイドにパスを展開する、そんな場面。
もし、右サイドにパスを出す。
この時は、どっちの足でパスを出せば良いのか?


        

左足で右サイドに展開すると・・・。

         【  ゴール  】



            DF 
               ●
            左足
              頭⇒  
            右足
               

どうですか?
もし、左足でパスをしようとすると、DFの目の前にボール。
ボールが相手DFにさらされて!います。
これでは、相手の足に引っ掛かってしまう可能性が大いに出てきますよね。

右足で右サイドに展開しようとすると・・・。

         【  ゴール  】

       

            DF 
             
       
            左足
              頭⇒  
            右足
               ●

 先ほどに比べて、ボールの位置はどうでしょう。
相手DFから見ると、かなり遠くなってますよね。
なぜか?
ボールの位置で言うと、ほんの数10センチにしか過ぎません。
ポイントは、軸足の使い方。

 軸足でボールを隠すことができる。
見えづらくなっています。
そして、相手がボールを奪おうと足を出してくる。
その足を軸足でブロックすることが出来るのです。


 細かい技術かもしれませんが、このブロックは、とても大事な技術です。
ただ、地面を支えるだけではなく、相手DFの足を出させない。
相手が出してくる足を考えなくて、ボールが蹴れるのです。

 普段なら、ボールを蹴りやすい位置に、軸足を踏み込めばOKです。
この時は、相手の足の位置がどこか?
この位置をも確認する必要が出てきます。
ボールと相手の足との間に、軸足を踏み込むことでブロックを可能にします。


 だからこそ、両足でボールを蹴る必要性が出てくるのです。
右サイドに展開するときには(DFを左足側に置いて)右足で。
左サイドに展開するときには(DFを右足側に置いて)左足でパス。
そうすれば、常にボールを隠すことが出来る。
ボールを奪われるリスクを少なくすることが出来る!


 ただ、この技術を使うときに、気をつけることが出てきます。
自分の足が蹴られてしまう。
このことを考慮に入れておかなくてはなりません。
バンテージや、レガースをしっかり装備。
試合前のアップもばっちりにして、コンディションを高めておく。
いつでも、準備は欠かせませんね。
posted by プロコーチ at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月01日

どんなコンディションにも関わらず。

 雨上がりの、ハイパイルの人工芝で試合をしました。
元々、ハイパイルの人工芝は、ボールの転がりが速い。
さらには、バウンドが変わる感覚。
ボールが、ピッ!!と伸びてくるのです。

 これが、雨上がりなら、さらに球足が速くなるのです。
私は、トラップミスやパスミスを繰り返してしまいました。
頭では分かっていても、なかなか対応できないのです。


 先週末は、トレーニングをさせる中でハーフコートマッチを行ないました。
私も、選手役に入ってプレー。
今回のピッチは、土。
少し硬めで、ボコボコとしたピッチ。
日本ではありがちなものでした。

 そこでは、前回の人工芝ほどはミスは出ませんでした。
が、不必要にパスを浮かしてしまう。
トラップが一発で落ち着かない。
ここでもまた、適応できないうちに、ミスをしてしまっている。


 フットボールは、様々なピッチやコートで行なわれる。
サッカーであろうと、フットサルであろうと。
そして、それら全てが整った場所とは限らない。
そこでいかにして、自分の技術を発揮させることができるのか?
自分が試合で活躍するかどうかの、大きなポイントかもしれない。


 フランス1部リーグで活躍する、ルマンの松井選手。
彼は、フランスで4シーズンも活躍しています。
日本代表での活躍が少ないため、あまり取り上げられていない。
フランスリーグが、注目されていないというのもあります。

 それにしても、彼の評価は不当なまでに低い気がします。
ヨーロッパでも、間違いなく上から数えた方が速い、ハイレベルなリーグ。
そこで、レギュラーポジションを奪い、活躍を続ける松井選手。
もっともっと評価されてよいのでは!?

 さて、彼のイメージは、高い技術に裏づけされたドリブル。
ドリブルをベースに、観るものを魅了する華麗なプレー。
華のあるプレーヤーといったイメージです。
特に、京都パープルサンガ時代はそんなイメージが強かったです。

 ところが、今は変わったようです。
高い技術はそのままに、もっとプレーがシンプルになったのです。
ただし、行くところは行く!その部分は残したままで。
この変化は、フランスリーグの特徴と大いに関連があるようです。

 フランスリーグは、アフリカ系の選手が数多く活躍しています。
そこで行なわれるプレーは、フランス=華麗といったイメージをくつがえす。
身体ごと相手をつぶすのは当たり前。
そんな強い当たりのなかでプレーするためには、技術をひけらかしている余裕は無い。
さらには、ピッチも芝なのか土なのか分からないような、ところも少なくないようです。
松井選手が技術を発揮させるのは、ゴールに近づいた、その時だけ。


 その松井選手が気をつけていることがあるそうです。
それは、ごく当たり前のプレー。
「止めて、蹴るを安定させる」
ポイントは、
「たとえ重心が曲がっていても、プレーは安定させること」

 これが出来れば、あらゆる環境に適応できるはずです。
ピッチが悪い、すべる、はねる。
相手の当たりが強い、汚い。
いつものバランス、自分が理想とするバランスではプレーできない。


 日本とは違う環境に飛び込んだ松井選手。
彼がつかんだ、悪コンディションでもプレーするための極意。
これは、日本でプレーする我々すべてのプレーヤーにも求められている。
「重心が曲がっていても、止めて蹴るを安定させる」
ピッチが違うから、悪いからといっても、言い訳にしかならない。
どこでも技術を発揮できる選手へ。
posted by プロコーチ at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする