2008年02月15日

技術も獲得する。

 サッカーに、フットサル。
毎月、毎月、新しい本が出版されています。
中でも多いのが、技術を紹介する本。
雑誌などでも、様々な技術が紹介されています。

こういった、記事や本を見るたびに、うらやましく思います。
私が子供のころは、本当に数少なかった。
釜本邦茂、奥寺康彦、加藤久の各氏が監修された本。
この3冊を何度も何度も、めくりました。


 後は、サッカーの雑誌。
当時はどれも月刊誌。
同じページを、何度も読んでは、想像していました。
「:::選手のキレのあるドリブル」
「***の深いタックル」
「:*:*の繰り出す、変幻自在のパス」
ただ、残念なことに、細かい解説はありません。
その言葉から、プレーをイメージするのです。

そのイメージを持って、グラウンドや壁の前に飛び出していきます。
あのプレーはこんな感じかな?
こうすれば、いいのかも?
それが少しでも出来た時の嬉しさは、忘れられません。

 たまに放映される、海外のサッカー。
年に1度のトヨタカップ。
国内リーグに天皇杯。
本当に限られた映像しかありませんでした。
私達の頭の中は、想像で膨らんでいます。
それを、確認できた時の嬉しさといったら!
残念ながら、雑誌でイメージしたものとは、かけ離れている事も多かったのですが・・・。


 私が子供のころに特に取り組んだのが、フリット選手のしていたと言うトレーニング。
雑誌の文中で紹介されてたのを、想像してやっていました。
コーンを凄く狭いエリアに10ケほど並べる。
一列に並べるのではなく、ランダムにグチャグチャに並べます。
コーン1つ1つの幅はほんの数10センチ。
そこに、全速力で突っ込んでいくのです。

 コーンにボールがぶつかって、転がっていく。
それどころか、身体がコーンにぶつかってしまい、軽く吹っ飛んでしまう。
それでも、猛スピードで突っ込み続けました。
最初は、1つのマーカーを越えるのが精一杯。
慣れて来ると、2つめ、またさらに1つと、進んで行くのです。

 同じトレーニングを繰り返し続けて行きました。
2年間、ほぼ毎日。
すると、少しずつ道が見えてきました。
自分の進んでいく道です。
コーンとコーンの間の、どこを通れば良いか?
単なる気のせいなのですが、進むべき道が光って見えるのです。

 部活での練習や、試合。
そこで、その成果をトライしてみました。
すると、相手DFの足が見える!体勢が見える!
そんな時があるのです。
相手DFが何人かいる混戦の方が、効果的に突破できました。

 残念ながら、フェイントは身につけれませんでした。
方向を変える、キックフェイントのような切り返し。
それくらいしか、知らなかったのです。
それでも、ドリブルには自信を持つ事が出来ました。
トレーニングの成果!そう自分を信じてプレーできたのです。

(ただその当時、試合・練習を問わず、コーチングされ続けていました。
 「ドリブルばっかりするなよ!」
 今思えば、周りの味方が見えておらず、迷惑ばかりかけていたような・・・。)


 自分でトレーニングから工夫し、得た技術。
それは、20年経った今でも、身体は忘れていません。
残念なのは、もっともっと様々な工夫をしていれば・・。

さらには、釜本氏の本人が紹介していたエピソードも真似しました。
彼の時代は、さらに情報は少なかったようです。
それでも、我々の想像をはるかに上回る工夫をしていたようです。
しかも、徹底的に。

・人が多くて、ロクに歩けない混雑。
 そこを、ステップを踏んでどんどんカワして行く。
・左足でボールを蹴るために、左手で箸を持ってご飯を食べる。
・風呂にたまったお湯を、キック。
 水の抵抗に負けない足の振りを身につける。
・小石を蹴って、家から学校の山道を行き来する。
 靴の中心で石を蹴れないと、すぐどこかに行ってしまうので、正確なキックを意識。

他にも、様々な工夫を繰り返していたようです。
だからこそ、未だに誰もが彼を抜くことが出来ない。
日本代表出場76試合、75得点。
日本リーグ出場251試合、202得点。
日本サッカー史に、輝く大記録。

 生活環境も向上し、身体も立派になった現代。
トレーニング理論も進化し、幼いころから恵まれた環境でトレーニング出来ています。
情報も多くのものが出回り、様々なキックやフェイントも紹介されています。

それなのに、釜本氏を超える選手が今だ現われないのはなぜか。
様々な要素が考えられます。
育成方法や、家庭環境に、学校での教育・・・。


 1つだけ言えるのは、技術も自分で工夫して手に入れたものは、強い。
その強さをどれだけ追求していく事ができているのか?
自分の強さを、とことん高めていく。
その過程を歩めて行けていない。


 今日、4歳の息子とボールを蹴って遊んでいました。
ソフトボールくらいの小さなボール。
楽しそうにボールを蹴る息子。
すると、たまたま、ボールが数10センチ浮いたのです。
そのまま、10Mくらいは飛んだのでしょうか。
「今、すごいボールが飛んだで!、すごいね!!」
息子にすかさず声を掛けました。

すると息子は、同じキックを再現させようと自ら工夫を始めました。
何度もトライしますが、上手く行きません。
ところが、数分後にはコツを掴んだようです。
何度も同じ球質のボールが、私に向かって飛んで来るのです。
嬉しくなったようで、何度も何度も。

(ボールの下を強く蹴れば、ポーンと飛んでいくんだ)
小さな頭で見つけたようです。
理論も何も知らない。
私も、全く教える気はありません。
本人は、ただただ蹴っているのが楽しい。
そんな中でも、工夫をすれば新しい遊びが出来た。

技術もやはり、自分で獲得すべきものなのか。
見本や指針は必要。
それでも獲得できるかどうかを決めるのは、最後は自分自身の工夫。





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2008年02月08日

ラインを味方に

 フットボールは自由な競争が行われるのが、健全な形。
チームの選手のタレントや選手層。
コーチングスタッフにトレーニングの環境。
さらには、サポーターの数。
これらの諸条件をいかにして整えるのか?!
チームの力の見せどころですよね。

 自由競争、格差社会は当たり前、それがフットボール。
サッカーでもフットサルでも、全てのチームに同じ条件が与えられるものがあります。
それは、ルールで定められたもの。
試合時間やボールであり、ピッチサイズであります。
どんなに力の差があったとしても、ここに差はありません。


 前置きは、このくらいで・・・。
これらの生かし方となると、差がついてきてしまいます。
フットサルのFリーグでも、サッカーのワールドカップ予選対タイ戦でも見られたシーン。
ピッチ上に引かれたライン。
ラインを味方につけたプレー。
逆に、ラインのせいで不利になってしまったプレー。


 まずはFリーグ、町田対浦安戦。
前半、滝田選手のプレーです。
左サイドのライン際で、ボールを持ちルックアップ。
相手DFがここぞ!とばかりに滝田選手に寄せて来ました。
すると、滝田選手は敢えて狭い方向(タッチラインに向かって)へボールタッチ。
右足のインで横方向へ、つまりライン際に進みました。

 相手DFは一瞬動きが止まりました。
ボールが出た!と誤認識したのでしょうか?
それとも、そちらには進めないはず!と決めつけたのでしょうか?
滝田選手はその瞬間、左のインで前に進んだのです。
いわゆる、ダブルタッチと呼ばれる技でDFを抜き去っていったのです。


 続いてはサッカーの代表戦。
後半、山瀬選手が見せてくれました。
大久保選手が上げた、勝ち越し点のシーンです。
今度のラインはゴールラインです。
左サイドの相手陣地深くでパスを受けた山瀬選手。

 相手DFとの1対1の場面。
山瀬選手は、ボールをコントロール下において、細かいフェイント。
細かいフェイントに対する相手DFの変化、反応を観察していました。
相手DFがこれ以上ボールに寄せてこない!そう判断した瞬間です。
山瀬選手は、ゴールライン側にわざとボールを運んで、ダブルタッチ。
タイのDFは、これまた動きが止まってしまったのです。


 この2つのシーンに共通したのは、ライン際でプレーが行なわれたこと。
文中でも触れましたが、DFが一瞬の隙を見せてしまったのです。
つまり、ライン際ギリギリなので、これ以上はそちら方向に行かないものだ。
心のどこかにそんな決め付けが合ったのでしょう。
 
   ↑
外 ライン 内
   | 
   |
   |  ☆(DF)
   |
   |
   |  ●(ボール)
   |  ★(滝田、山瀬選手)
   |
外 ライン 内


 
 その時の位置関係は、上の図のとおり。
二人のダブルタッチは、DFのその決めつけを逆手にとったのです。
敢えて、狭い方向へ。
高い技術あってこその、素晴らしい突破。
かわすだけでなく、抜き去る・やり抜く勝負のドリブル。



 
 一方、DFがライン側にはドリブルしてこない、と決めつけていた。
これは、私の思い込みではありません。
彼らの身体の向きを見れば分かります。
ラインの外側に背中を向けるような半身の姿勢で、ボールに応対していたのです。
(ライン内側に胸を向けて)
ライン側に向かってはドリブルしてこない!
その判断の現われとも言い換えれる、この身体の向き。

 確かにそんな狭いところを狙ってこない。
こんなところ通るはずが無い。
そんなDFの思い込みも、当然かもしれない。


 ところが、DFもラインを味方につけてプレーをすることが出来たのです。
ラインと、自分とで、ボールを持った選手を挟む!

   ↑ 
外 ライン 内
   | 
   |
   | 
   |
   |   
   | ● ☆!!
   | ★
   |
外 ライン 内

つまり、このポジショニング。
もちろん身体の向きも、ライン外側に胸を向けるような半身で。
こうすれば、ボールの進む方向は限定できますよね。
この形を作っておいて、確信を持ってボールを奪いに行く。
これが、DFのラインを味方につけるプレー。


ラインを味方につけるか?
それとも、ラインのせいでやられてしまうか?

posted by プロコーチ at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月23日

場所を使い分ける

キックの達人は、様々なキックを蹴り分けることができます。
インサイド、アウトサイド、インステップにアウトサイド。
アウトフロントに、インフロント。
さらには、ヒールやトゥーキック。
ここまでは、蹴れて当たり前。
さらに、おなじ部位、例えばインサイドならインサイドでも数種類のボールを蹴り分ける。
強いボール、正確なボール、浮かしたボールに回転までを使いこなす。
今のシチュエーションにズバリ適したボールを蹴ることが出来る。
キックの種類が多彩であればあるほど、相手のプレッシャーをはねのけてパスをつなげれる。

中でも、現代の名手といえばアメリカ合衆国に渡ったベッカム。
試合前のウォーミングアップのことです。
ボールが軽く感じられるほど、簡単にキックしています。
右足一本なのですが、正確なボールを次々と蹴りこんでいます。
そのうち、ふとあることに気づきました。
ほとんど、同じようなフォームで、ボールに入って行きます。
それなのに、飛び出して行くボールは様々な球種のボールが飛んで行くのです。
DFは困りますよね。
普通は、キックのフォームを見れば、どんなボールを蹴るのかを見当つけることが出来ます。
あれではおそらく出来ない。
蹴りたいボールの種類によって、足の当てる部位も微妙に変化させているはずです。
もう少し、足首に近い位置やつま先に近い位置といった具合に。
数センチの世界ですが、彼にはその感覚が分かっているのでしょう。
同じインサイドでも、どこに当てれば、どのようなボールが飛ぶのかを。
恐ろしくプレーの幅が広い選手だな、改めて感じました。

さて、私事なのですが、先日雑誌の撮影を行ないました。
技術の特集を組むということで、お手伝いをしてきたのです。
ボールコントロールに、パス、守備。
さらには、胸でのトラップも取り上げました。
私と、同僚のコーチで何気ない会話をしていました。
「利き胸はどっち?」
「俺は左だ」
「いっしょ、俺も」
周りにいた撮影スタッフは、この会話についてこれていませんでした。
ボールを蹴るのに利き足があるように、胸でのコントロールにも利き胸があるのです。

胸でボールを止めるといえば、なんとなく胸にぶつけてコントロールしている人も多いでしょう。
そもそも、胸の中央、ど真ん中には骨がありますよね。
こんな硬いところにボールをぶつけては、跳ねて身体から離れてしまう。
その上には気道もあり、息が詰まってしまうことすらあります。
胸でボールをトラップしたいのであれば、真ん中を外すのは基本です。
骨でなく、ややずらした肉のあるところ、大胸筋周辺で。
ここなら骨よりは柔らかく、コントロールして勢いを殺すには適してますよ。

それだけでなく、右胸と左胸ではコントロールの精度が違うはずです。
どちらか自然とやりやすい側の胸があるはずです。
それが、自分自身の利き胸です。
単に胸にぶつけて追いかけるのでは、ボールは言うことを聞いてくれません。
自分の利き胸でボールを迎えるようにする。
そうすれば、いつもよりも弾まないで出来るかもしれない。
もちろん、両側の胸ともにコントロールできるのが理想ですけどね。

もし胸でパスをしたい。
飛んできたボールをわざと大きく弾ませて、そのまま味方に渡したい。
それならば、使う場所は胸の中央。
足も胸も用途によって使い分ける。
使い方は、当てる場所は決して1つではない。
その場にいる皆が理解をしてくれ、無事撮影は進んで行きました。
皆さんも胸を使い分けて見てください。
プレーの幅が広がるきっかけになるかもしれません。
posted by プロコーチ at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月19日

クリアすべきか?それとも・・。

自陣ゴール前で、リスクを背負うプレーは、必要なのでしょうか?
前提としては、不必要なリスクを背負わない。
これが、自陣ゴール前(ディフェンディングサード…ピッチ全体を縦に3分割した一番後ろ)の鉄則。
なぜか?
ここでボールを奪われることは、失点の危険性が恐ろしく高いからに他なりません。

ただし、試合の重要性、(プロ・大人か?子供、育成年代か?によって変わってきますよね。)
時間帯、点数などによって変わってきます。
例を挙げるなら、ボールを大切にする意識を持つ。
そのために、自陣ゴール前でもクリアをせずにボールをつなごうとする。
ボールを持っていない選手の動きが、足りない。
それを解消するために、パスコースを作る動きを促す。
こういった目的を持って、試合に臨むのならば、セーフティーにプレーするだけでは物足りない。
ならば、クリアを禁止にして、試合を行なう。
少々荒療治なのですが、確実に意識は高まります。

 昔の日本サッカー界では、この逆の現象が多く見られました。
技術レベルが低く、ボールを受ける動きも少ない。
こんな状態でパスをつなごうとしても、危険。
それならば、ボールを持ったら、遠くに蹴り飛ばしてしまおう。
そのボールがたまたま味方に繋がったらラッキー。
確かに、この考え方に基づくならば危険は減るでしょう。
そんな判断を繰り返していて、意図してプレーを進めていけるのでしょうか?
両チーム共に同じ考えを持っている試合は、長いボールが飛び続けました。
最近は聞かなくなりましたが、「パチンコサッカー」と揶揄していましたよね。
ボールが右に左に落ち着かない。
どこに転がるかは運次第、まさに「パチンコサッカー」。


 オリンピック最終予選のカタール戦。
伊野波選手のハンドによるPK、そして失点。
これをどう思いますか?
ここでは、どんなプレーを選択すべきだったのでしょうか?
時間は試合終了間近、場所は自陣ゴール前(ペナルティエリア内)。
なんでもないクロスボールがサイドから入ってきました。
クロスボールの精度は低く、伊野波選手は楽にプレーできると思った、その瞬間。
ワンバウンドしたボールを腕に当ててしまいハンド、PKの判定。
もしクリアをしようとしたならば、このプレーはものすごく疑問です。

ゴール前でのクリアを選択したのなら、トラップすべきでは無かった。
そのまま、1タッチでクリア。
それが鉄則。
おそらく彼は、胸でトラップしてクリアかパスをしようとしたのでしょう。
しかも、クリアするなら、ヘディングすべき高さです。
腰から下は、インサイド・インステップのボレーでクリア。
腰から上のボールは、全てヘディング。
これもまた鉄則のはず。
鉄則が体に染み付いていなかったのでしょうか?
守備の意識を体の中に染み込ませているDFならば。
この鉄則を実行していたのなら、このハンドは無かった。

それとも、つなごうとしたのでしょうか?
勝負の掛かった試合、この時間帯、1対1のスコア。
ここでリスクは必要?
posted by プロコーチ at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月16日

試合で使える技術なのか?

ある携帯サイトの依頼を同僚のコーチと共に受けた。
選手の技術解析を記事にまとめてくれというもの。
簡単に言うと、対人プレー。
その場面では、自分の好きなようなプレーは出来ない。
もちろん、相手選手の存在。
相手選手との駆け引きの中で、いかにして優位に立つのか?!
そこがフットボールの根幹。
執筆していて、同じような場面でも選手それぞれの工夫が目に見えて、楽しい原稿になりました。

数日前、JFAが、目指せファンタジスタという本を出版しました。
内容は、リフティングやボールコントロール、ボールのハンドリングの技術検定ガイド。
なんと、フットボールにも技術検定が始まるというのです。
何年かすれば、履歴書に英検X級と書いてある横に、JFAチャレンジゲームカテゴリーXXと記載しているかもしれない。
私の周りには、何人もいます。
英検は2級や準1級。
それなのに、英語でコミュニケーションできない。
検定で級を取ることが目的になってしまったのではないか。
手段が目的にすり替わってしまったのだ。
本当の目的は、そこではなかったはずなのに。


ボールの扱いはじめとして、相手選手がいない状態でトレーニングを開始するのはいいでしょう。
スタートはそれで良くても、あくまで試合の中で有効に使える技術を身につけたい。
日本人に求められているのは、相手選手との駆け引きの中で、どれだけ技術を発揮できるのか?!
相手の逆を取る、相手をダマす、相手の隙を見る。
決して、様々なボールタッチやリフティングをするのは目的ではないはず。
もちろん、JFAのスタッフの方も分かってはいるでしょう。

ならば、試合で使える技術を身につけるために提案を。
つまり、対人プレーを高めるために、1対1大会を開催する。
もちろん、ここには登録の必要なんてない。
参加選手全員がレギュラー。
補欠はこつこつとボールタッチ。
それでは、いつまで経ってもレベルアップは望めない。
相手に負けじと取り組むからこそ、試合で使える本当の技術が身につく。

このJFAチャレンジゲームという名の検定。
新しい取り組みはドンドンすべきです。
資格好きの我々日本人は、飛びついてしまうのでしょうか。
検定の級を取得するため、コツコツとトレーニングに励むのでしょう。
でもこれで終わっては、今抱えている問題の解決にはならない。
全ての選手が、真剣にぶつかり合える環境。
これこそが、真に求められてしかるべき。
個人参加型の検定。
ここからさらに一歩踏み出したい。
個人参加型の1対1大会、フットサル大会、スモールサイドゲーム大会の開催を。


posted by プロコーチ at 19:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月30日

数十%増し?

 国立競技場、横浜国際競技場を始めとする、日本のスタジアム。
一年を通して、上質なグラウンド(ピッチ)が準備されています。
一昔前だと、茶色に枯れた芝の上で、国際試合(代表戦やトヨタカップ)が開催されていました。
さらには、当時は今ほど整備されていなかった西が丘競技場でアジア予選が行なわれたこともありました。
対戦相手の監督が、国際試合をするレベルではない!と憤慨していたのは懐かしい記憶です。
それが今では、日本のピッチは世界でもトップクラスにランクされるといっても、過言ではないでしょう。
そして、その日本の芝は、短く均一に刈り込まれていることが殆どです。

フラットで、短めの芝。
このピッチでのプレーは、本当に気持ちのいいものです。
ロングキックは、土に比べて、2割増、3割増の飛距離が出ます。
ボールの中心を捉えた、グラウンダーのキックは、芝の上を滑るように走り抜けていきます。
イレギュラーバウンドの少なさから、トラップや1タッチでのキックも容易になります。
上質なピッチでのゲームは、ミスが減ります。
そして、試合展開はスピードが上がっていく傾向にあります。

 オシム監督、反町監督の目指す、日本人に適しているとされるサッカースタイル。
「ボールも人も動くサッカー」
先日のペルー戦、シリア戦では、そのスタイルが少し垣間見えました。
具体的には、足元でボールを受けるとしても、立ち止まって受けない。
動きながら、ボールを受ける。
さらにスピードを上げるためには、スペースに飛び込んでボールを受ける。
そして、少ないタッチでボールをつないでいく。
この、動きながらボールをコントロールする。
次に行きたい方向に進みながら、ボールをコントロール。
このプレーは、技術的にものすごく難しいものです。
ボールも動いているし、自分も動いている。
さらには、DFやスペースの位置も見て、ボールの方向を変えていく。
さまざまな要素が重なり合っています。
見てるよりも、実際にプレーすれば、その難しさに気付かされます。

先日に行なわれた、U−14ナショナルトレセン。
ここでも、動きながらのパス&コントロールが繰り返し行なわれていました。
その場に立ち止まって、ボールを受けるプレー。
トレーニングで、こういったシーンはほとんど見られません。
とにかく、動きながらのプレーが求められていました。
ナショナルトレセンのチーフコーチを務めた事もある方と、ピッチサイドでお話が出来ました。
「日本が世界と戦うためには、このプレーが必要になる」
「我々は、この動きながらの技術を高めて行きたい。このことを発信していく」

我々指導者講習会に参加したメンバーも、動きながらのパス&コントロールを体感しました。
少ないタッチで、動きながらのプレー。
見た目以上に、難しい。
なによりも、ピッチコンディションが良くないと、格段に難しくなります。
Jヴィレッジのピッチは、そこまで良いものではありませんでした。
おそらく、使用頻度が高いことと、季節的なことが要因かと思われます。
ボールが、少しだけ弾む。
ボールのバウンドが少しだけ変わる。
コントロールに少しミスが出て、パスがずれていきます。、
それだけで、全体の流れが澱んでしまうのです。

 ペルー戦、シリア戦は日本の素晴らしく整備されたピッチで開催されました。
これが、あまり整備されていないピッチでの試合ならどうなっていたのか?
どんどん人が動きながら、ボールをコントロールし続けていくことはできたのか?
もちろん、代表選手は、我々とは比べ物にならないほど高い技術を有しています。
が、動きながらのプレーは簡単ではないはずです。
荒れたピッチでは、選手も慎重になりやすいのです。
ボールをよく見て、走るスピードを緩めてコントロールしてしまう。
そんなプレーが増えてしまうはずです。
ほんの少しのスピードダウンが、日本の長所を弱めてしまうことになってしまうのです。

国際試合でもそんな心配がないとは、断言できません。
ヨーロッパの試合を見ていて、テレビの画面で見ていても、ガタガタ・ボコボコ。
そんな試合は、珍しくありません。
南米の競技場の芝は深く、人やボールのスピードを奪います。
インドで行なわれた試合のピッチがひどかったのは、記憶に新しいところです。
そこでも、日本人の長所を生かす、ボールも人も動くスタイルは貫くことが出来るのか?
それとも、別の戦い方も身につけようとするのか?

動きながらのパス&コントロール。
相手DFがついていない状態でのトレーニングでさえ、ままなりませんでした。
ここに、相手DFの厳しいプレッシャーがついたらどうなるのか?
ペルー戦、シリア戦共に、相手DFの厳しいプレッシャーは立ち上がりだけでした。
前半の途中から、プレッシャーは緩慢なものでした。
もっと、体調の整った相手なら、厳しいプレッシャーがもっと長い時間継続できるでしょう。
繰り返しになりますが、国立・横浜のピッチは素晴らしい芝でした。
もっと、悪いピッチコンディションならどうなるのか?
ボールと人がスピードに乗った状態で動いているでしょうか?
アウェイでの、今後の戦いが注目されます。
posted by プロコーチ at 23:35| Comment(1) | TrackBack(2) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月10日

チャンスを4倍に。

センターサークル付近でボールを受けた、ACミランのカカー選手。
前を向き、ドリブルを始めるやいなや、あっという間にトップスピードに乗るカカー。
トップスピードになっても、ミスの無い正確なボールタッチでのドリブル。
そのままスピードに乗って、ペナルティーエリアまで持ち込む。
相手DFを左側にかわして、そのまま左足のインサイドキックで狙いすましたシュート。
ボールは、GKの股を抜いて、ゴール。
90分を戦った後の延長に生まれた、スーパーゴール!!

UEFAチャンピオンズリーグベスト16。
180分を戦っても決着のつかない、緊迫した試合。
ACミラン対セルティックCF。
日本でも、中村俊輔選手が所属するチームが大舞台に臨む!と注目を集めていました。
冷静に振り返ると、両チームの実力差には開きがありました。
それでも、持ってるものをしっかり出そうとした、セルティック。
それを迎え撃つ形となったACミラン。
今シーズンはなかなか調子があがらず、苦戦の連続。
試合前は、セルティックにもチャンスが!?と言われていました。
ふたを開けると、攻めるミラン、守りながらも反撃を狙うセルティック。
180分(2試合)戦って、点数こそ入りませんでしたが、見る価値のあるゲーム。
そんな中で生まれたのが、冒頭のカカー選手の決勝点でした。

 カカー選手は、右足でのプレーが得意です。
セットプレーなど重要な局面では、右足を用いてのキック。
そんな彼が、試合を決める場面でのシュートを左足で。
ここで左足を使って、きっちり決めることが出来るのが、彼の技術・判断力の高さを示しています。
相手DFを交わしたものの、併走するように、自分の右側についてきている。
右足でシュートを打とうとすれば、DFにブロックされるかもしれない。
相手の足が届かない、左足でのシュート。
自分が得意か?苦手なのか?でプレーを選択するのではなく。
相手との駆け引きの中で、プレーを選択する。
激しい対人プレーを繰り返す中ですばらしいプレーヤーに成長していった。
そんなカカー選手の姿が、目に浮かびます。


 86年メキシコワールドカップ得点王のリネカー選手(イングランド)
日本でもプレーしたので、ご存知の方も多いでしょう。
「左右の足でプレーすることが出来れば、チャンスは片足でプレーするよりも、4倍に増える」
得点王にも輝いた、リネカー選手の言葉は重みがありませんか。
2倍では無く、4倍。
私の解釈は、次の通りです。
右足のシュート。
左足のシュート。
さらには、右足でシュートを打つフェイントからの左足のシュート。
左足でシュートを打つふりからの右足のシュート。
技術的な選択肢だけでも4倍。
さらにはプレー中に、時間・空間をより自由に使えるでしょう。
つまり、相手DF・GKとの駆け引きで、有利に立つ可能性が高まります。
こう考えると、チャンスは4倍以上かもしれません。

もしカカー選手が右足しか使えない選手だったら?
左足側にあるボールを右足に持ち替えている余裕は無かったでしょう。
シュートすら、打てなかったかもしれません。
もし左足のトレーニングが充分でなかったら?
ゴール前の緊迫した状況で、GKの股下を通すことは出来なかったでしょう。
もしかしたら、バランスを崩して、シュートが枠にすら飛んでいなかったかも知れません。
カカーの左足でのシュートが決まらなかったら?
ACミランの勝利すらなかったかもしれません。
posted by プロコーチ at 00:08| Comment(1) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月16日

どれぐらいトレーニングしましたか?

フットボールを構成する要素。
・心(メンタル)
・技(テクニック)
・体(フィジカル)
・頭(タクティクス)
これの総和が大きければ、大きいほど、Good Player。

技。
技と言うと、ドリブルや華麗なフェイント、鮮やかなFKに神経を奪われがち。
テクニックのトレーニングといえば、ボールタッチにリフティングが定番でしょうか。
かつてのヨーロッパでは、リフティングは曲芸。
試合では不要な技術だとされていました。
未だに、日本ほどは重要視されていないようです。
この部分を比べると、日本の子供(ジュニア年代)たちは、世界的に見てもトップレベルでしょう。
中南米を含めても、高い技術レベルだと言えるでしょう。

その代わりに、おざなりになっている技術があります。
ボールを止めること、蹴ること。
フットボールでは、最も重要で、一番の土台となる部分にも関わらず。
浦和レッズのオーストリア遠征。
90分で6失点の惨敗に終わりました。
欧州の中では、中位以下にランクされるオーストリアのレベル。
コンディション不良、移動疲れ、立ち上げまもなくなので準備不足・・・、人工芝への不慣れ。
様々なエクスキューズが出てきています。
それら全てを差し引いても、止める蹴るのレベルには圧倒的な差がありました。

特にキックは蹴れば蹴るほど、技術は高まります。
ある選手が、コーチである私に質問してきます。
「#$’)’”*キックが苦手なんですけど、どうすればいいですか?」
#$’)’”*の部分にはどんな言葉が入っても同じことです。
最初に、必ずこのように答えてみてください。
「たくさん蹴った?どれぐらいトレーニングしたの?」

そのキックが苦手だということは、トレーニングの絶対量の不足が大きな原因。
どんな技術も、正確なフォームで繰り返しトレーニングする。
もちろん、トレーニングに工夫は必要です。
モチベーションを高めてあげることも忘れてはなりません。
最終的には、選手がどれだけ繰り返しの努力をすることが出来るのか?
どれくらい続けることが出来るのか?

フットボールにおいて、小さな積み重ねが完璧を作る。
ボールをもっと可愛がること。
ボールを嫌えば、ボールもあなたを嫌う。
・・・デットマール=クラマー(日本サッカーの父)

量より質というけれども、やっぱり量。
量をやっていないと、サッカーは上手にならない。
・・・菊原志郎(元読売クラブ、ベルディ川崎、浦和レッズ)
(16歳にしてトップリーグであるJSLデビュー、若くして”天才”と呼ばれる。)


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2006年06月21日

世界との距離

 野球は、攻守がはっきりと分かれていますよね。
1回の表は、Aチームの攻撃なら、1回の裏はBチームの攻撃。
一方、サッカーやフットサル、バスケットボールにアイスホッケー。
これらの競技の共通点は、攻守の時間が定まっていない特徴があります。
守備をしていたかと思うと、すぐに攻撃の瞬間が訪れる。
この展開の速さが、観る人を魅了する一つの要因になっている。
そうとも言えるのではないでしょうか。
つまり、攻撃をしているときでも、守備におけるリスクを考える。
守備をしながらでも、攻撃に向かう意識を高めておく。
こういった準備が必要になってくるスポーツです。

ちなみに、コーチは実際のプレーを、次のように観察・分類・整理する能力も必要です。
・攻撃
・守備
・攻撃から守備への切り替え
・守備から攻撃への切り替え
・FK、CK、スローイン
味方チーム、相手チームがどこに問題を抱えているのか?どこが強みなのか?
それぞれの瞬間に分けて考えることが出来れば、
試合を更に深く見ることが可能ではないでしょうか。

 ワールドカップもグループリーグが大詰めを迎えています。
世界のトップクラスの技術・戦術のせめぎ合い。
この再確認をまとめて出来る時間は、私にとって本当に貴重なものです。

世界のスタンダードを一つ紹介します。
DFがクリアをして拍手されている国は、日本くらいです。
パスをつなげれそうな時にDFがクリアをしてしまう。
他の国では、ブーイングが起きてしまいます。
「今のはクリアしたら、もったいないよ」
「クリアをせずにパスにすれば、攻撃に切り替えられたのに」
と言う意味を込めてのブーイングです。
相手FWと並走しながらも、味方にパスをする。
空中で競り合いながらも、バックステップを踏みながらも、パスにする。
これが、当たり前のように行われています。
DFが単にクリアにするか、味方につなげる事が出来るかで、次のプレーが大きく変わってきます。
攻め続けられるのか?!、反撃に出れるのか!!
ただ、守るだけでなく、攻めることを意識しながらのプレーです。

つまり、日本の守備にはクリアの部分に課題があると感じています。
特に、ヘディングの技術に大きな課題を持っています。
ヘディングが飛ばない。
体勢が悪いと頭に当てるだけになってしまう。
味方へのパスにならない。
身長が低く、身体の線が細い、日本人。
ヘディング、更には競り合ってのヘディングには大きなハンディキャップを抱えています。
クロアチア戦でのDFライン4人の平均身長は、179センチ。
一方のクロアチアDFライン3人の平均身長は、185センチ。
体重差にいたっては、10キロもあります。

ただ、こんなデータも紹介しておきます。
パラグアイのDFラインの平均身長は179センチ。
メキシコにいたっては、176センチしかありません。
それでも彼らが、ヘディングの技術が劣る。
ヘディングの競り合いに負け続けているわけではありません。
しっかりと、味方にパスをつなげるヘディングをしてます。
最低でも、相手にフリーでヘディングをさせたりはしません。
彼らは、どういった工夫をしているのでしょうか。
日本対ブラジル戦での日本DF陣は、どういったプレーを見せてくれるのでしょうか。
単にクリアを繰り返すのか。
頭に当てるだけのヘディングを繰り返すのか。
ここに世界との距離が見えてくるかもしれません。
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2006年03月03日

DFの利き足

 日本代表対ボスニア・ヘルツェゴビナのテストマッチがありましたね。
90分が過ぎていき、お茶を濁すだけの親善試合にならなくて良かったです。
ボスニア・ヘルツェゴビナサポーターがあれだけ居れば、本気の試合が見れますよね。
それにしても、ボスニア・ヘルツェゴビナはいいチームでした。
あれだけ、強くて・大きくて・前に出るパワーを持った国。
その国が、丁寧にパスをつなぎながら、崩してくる。
しかも、フットボールを良く分かっていますよね。
ドリブル(タメ)と、少ないタッチでのパス(展開)の使い分け。
リスクを犯しての、2列目3列目からの飛び出し。

後半の日本代表は、完全に後手に回っていました。
それでも2対2で終わらせる事が出来た、
日本代表のポテンシャルの高さは期待が持てました。

 ピッチは、雨が降り続き、スリッピーなものでした。
そのピッチを味方につけたプレーが幾つか見れました。

まずは、ボスニア・ヘルツェゴビナの2点目。
バルバレス選手が、ゴールライン目掛けて叩きつけるヘディングシュート。
GK川口選手がボールをキャッチし損なう。
そこを、スバヒッチ選手が押し込んでゴール。

もう1つは、中田選手のスローイン。
ボールを持った中田選手は、普段よりもかなり低い弾道でスローイング。
地面に叩き付けるようなボールでした。
ボスニア・ヘルツェゴビナDFは、目測を誤り、ボールに追いつけない。

いずれのプレーも、雨でスリッピーなピッチ。
ボールが普段よりも走る。
1バウンド目か2バウンド目で、ボールがグーンと伸びます。
これを計算に入れたプレーですよね。

さて、本題。
前回のコラムで、DFの技術を取り上げました。
スライディングによるブロックです。
http://futebol.seesaa.net/article/13911751.html
日本選手も、小笠原選手と宮本選手が、見事にブロックしていました。
特に、宮本選手のスライディングのタイミングは、素晴らしいものでした。
が、残念ながら、足が逆になっていました。
自分の左にきたボールにも関わらず、右足を伸ばしていたのです。
おそらく、自分の利き足がとっさに出るのでしょうね。

足が逆になってしまうと、2つのデメリットがあります。
1つは、ボールを最後まで見ることが難しい。
相手に背中を向ける形になってしまいますからね。
もう1つは、ほんの数10センチですが、届く距離が短いのです。
この数10センチが届くか届かないかで、試合が決まる可能性すらあります。
小笠原選手も宮本選手も、左足でボールを蹴る事が出来ます。
実際の試合でも、左足でパスを出すシーンもあります。
が、DFの際には、思わず利き足が出てしまうようです。

元読売クラブで活躍した、戸塚哲也選手。
ベストイレブンや得点王にも輝いた、テクニカルな名選手です。
彼が、こんな記事を書いていました。
「多くのDFは右利きである。」
「DFの利き足である右足に重心が掛かった瞬間が、抜きどころだ」
つまり、とっさに右足しか出せないDFは、左足に一度重心を置き返る。
余計なステップの踏み変えがあるため、反応が遅れる。
といったところでしょうか。

キックや、ドリブル、トラップは両足でトレーニングをする選手が多いです。
DFのステップ、スライディング、反転はどうでしょうか?
利き足に頼っていたら、そこでやられてしまう瞬間が出てきてしまいますよ。
意識して左足も使っていかないと、とっさの場面ではなかなか・・・。
posted by プロコーチ at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月28日

チャンピオンリーグに見る世界の技術・・・シュートブロック(スライディング)

 チャンピオンリーグもベスト16に入り、さらに盛りあがっていますね。
チェルシーFC対FCバルセロナの1試合目が、地上波でも放映されていました。
数日遅れの放映とは言え、20年前には考えられない事です。
当時は、ようやく決勝戦が放映される程度でしたから。
今や、CSでは全ての試合を観戦できる!
世界トップレベルの技術・戦術を勉強できるのは、ありがたい限りです。

そんな中、注目のカードは、やはり「チェルシーFC対FCバルセロナ」でしょう。
が、前半に早くもチェルシー側に退場選手が出てしまいました。
10人対11人の戦いでは、徐々にバルセロナペースに。
チェルシーDFブロックは、ゴール前まで下がらざるを得ない状況です。
チェルシーの真価は、そこから発揮されていくのです。
結果は、2対1でバルセロナの勝利。
AWAYに乗り込んでの勝利ですから、バルセロナがかなり有利な状況ですね。
両チームの素晴らしいサッカーが展開されていました。

 2失点を喫し、敗れはしたものの、チェルシーDFの集中力は素晴らしいものでした。
特に、DF陣が見せる、スライディングは高い技術に裏打ちされたものでした。
ロナウジーニョやエトー、メッシがアタックしてきます。
最後、シュートという所では、ほとんどフリーでシュートを打たせていません。
前に立つだけでは無く、しっかりと足に当てて、シュートをブロックしてしまうのです。
スライディングタックルではなく、スライディングでのブロック。

DF側から見て、左に相手FWが居れば、左足を伸ばします。
(もちろん、逆に右側へ相手が動けば、右足を伸ばします。)
右足を中に折りたたんでのスライディングです。
地面に接地しているのは、折りたたんだ右足のスネ。
このスネの外側で滑っていきます。
そして、左足を出来るだけ遠くに伸ばして、シュートをブロックするのです。
形としては、野球のスライディングに似ています。
ハードルを飛び越えるようなスタイルとは、全く異なります。
このスライディングなら、フットサルでも有効ですよね。
スライディングのブロックは、ルール上認められていますからね。

 このスライディングのメリットは2つ。
スライディングをした後、速く立ち上がる事が出来るのです。
上達すれば、手を使わなくても、立ちあがる事すら可能になります。
スライディングをした後は、身体が死に体になってしまいます。
FWのシュートがフェイントだった時には、何も出来なくなってしまいます。
スライディングをした後のタイムロスが少なければ、その後の反応が速くなりますよね。
思いきって、スライディングにチャレンジできるのです。

もう1つのメリットは、伸ばした足を高低に操作できる事です。
伸ばした左足を上下に動かす事が可能です。
ボールを注視!ボールから目を背けては、不可能です。
相手の動きに合わせて、伸ばした足を高低に調節。
相手のボールが高く上がれば、それに合わせて足を高く上げるのです。
グラウンダーなら、低く伸ばします。
滑りながらも、的確にボールに当てていきます。

このスライディングでのブロックで、チェルシーDFが何度防いだ事か!
リカルド=カルバーニョやジョン=テリーを中心とした守備陣。
このスライディングを1つの技術として用いていました。
中盤の選手も当たり前のように使いこなしていました。
このスライディングを使いこなせれば、間合いが広くなります。
少しくらい横にかわされたとしても、充分間に合うのです。
これが、世界トップの技術です。

今日、日本対ボスニア=ヘルツェゴビナのテストマッチがあります。
日本選手は守備の際に、このスライディングが使いこなせているのでしょうか?
前に立って、足を伸ばすだけのシュートブロックをしてしまわないでしょうか?
posted by プロコーチ at 11:52| Comment(0) | TrackBack(1) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月11日

狭いピッチでの技術

 先日、高い技術レベルを持ったプレーヤーとフットサルをする機会に恵まれました。
元FC東京・和田選手、元大分トリニータ・小林選手を始めとする元Jリーガーや
ブラジル・アルゼンチンの元プロ選手が顔を揃えてました。
さらには、岩本 昌樹(関東リーグ・プレデター所属、
2000年フットサル日本選抜、2004年フットサルアジア選手権日本代表)
と言った、現役選手もプレーしていました。

残念な事に、ピッチが公式のフットサルコートより狭い(約25〜30×15M弱)。
さらには、雨水を含んでスリッピーな人工芝のため、
普段持っている技術を発揮するのは、難しい状況でした。
元プロ以外のプレーヤーは、ボールを止める事が精一杯のようで、
かなり、大味な試合展開になってしまいました。
私も、ミスを回避するために、ボールを持ったらシンプルに1タッチ・2タッチで
簡単に味方へはたくプレーを繰り返していました。

 ただ、そんな中でも前述の元プロ選手は技術を発揮していました。
「何が違うのか?」と、良く観察していたら、1つの共通点を発見しました。
スリッピーなピッチ故に、ボールコントロールに苦労し、
狭いピッチ故に、DFに間合いを詰めれれていたのは、同じです。
違いはそこからです。

http://futebol.seesaa.net/category/408983.html
6月11日のコラムに記述を一読下さい。
ボールを持った選手と、DFの間には、どちらかが有利になる「間合い」があります。
元プロの選手は、DF有利の「間合い」でのプレーに違いがありました。
つまり2人の距離が約1Mになってからのプレーです。

トラップをして、前を向く、そこにDFが詰めてくる。 
そこで、彼らは細かいフェイントを連続的に繰り返すのです。
一発で抜けるような、大きな分かりやすいフェイントでは無いのです。
体を揺すったり、ボールをこれからまたぐような・ボールを蹴るような仕草を見せたり。
他にもボールを受ける前、コントロールしてからの細かいフェイント。

これによって、DFの足は止まってしまうのです。
本能的に「何かやってくる!」「警戒しなくては」
との思いが先行してしまうらしく、ボールにチャレンジできなくなってしまうのです。
たった1Mと言う、足を伸ばせば届く、DF有利の「間合い」であってもです。

彼らは、この連続的に細かいフェイントをしながら、DFの動きを止めます。
そして、次のプレーを模索しているのです。
対面しているDFが引っ掛かれば、突破。
DFが動じなければ、横や後ろにはたいて、やり直し。
この間、ほんの数秒です。
ただ、この数秒があるからこそ、相手DFは怖いのです。
何かを仕掛けられるのではないか?という恐怖は、
DFのレベルが高いほどに、強く感じるものです。

 彼らの細かく連続的なフェイントは、体(脚)に染み付いているものです。
ほぼ、無意識の状態で、フェイントを入れてDFの足を止めておいて、
次のプレーを考えたり、味方のフリーランニングをする時間を生み出す。
これらが自然に出て来るまで、トレーニングを繰り返したからこそ、
今の彼らのプレーがあるのだと、感心しきりでした。
posted by プロコーチ at 16:50| Comment(0) | TrackBack(2) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月05日

シュートの狙い所A

 シュートの狙い所は、お分かり頂けましたか?

 週末のJリーグでのゴールシーンをざっと見たところ、
ガンバ大阪アラウージョ選手、セレッソ大阪古橋選手、
アルビレックス新潟エジミウソン選手、大宮アルディージャ藤本選手、
鹿島アントラーズアレックスミネイロ選手・・・。
彼らのゴールは、まさに鉄則通りのシュートを見事に決めていました。

 また、先週の水曜日に行なわれたJ2横浜FC対京都パープルサンガ戦。
三浦知良選手が決めたゴールも、この鉄則から生まれました。
DFのトゥイード選手が持ちこみ、ファーサイドに低いシュート
京都GK平井選手が必死に弾いたところを、
ファーサイドからゴール前に詰めていた、三浦選手が冷静に押し込んでゴール。
たまたま、いい所にボールが転がっただけの偶然のゴールと考えがちですが、
シュートを打ったトゥイード選手、ゴールを決めた三浦選手ともに、
どこを狙うべきなのか?何を狙うべきなのか?
これが、一致したからこそ生まれた、必然のゴールなのです。




posted by プロコーチ at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月02日

シュートの狙い所@

 少し古い話になってしまい恐縮なのですが、
今年の2月にフットサルの全日本選手権を観戦しました。
その時は、関東でもかなり強豪のフットサルチームを率いるコーチと
技術・戦術論を交わしながら、の観戦でした。

 そんな中で、チームとしての完成度を見る1つの指標を
フットサルコーチは、提案されていました。
それは、シュート。ここでの動きです。
「ファーサイド目掛けて、低くて速いシュートを打つ。
 ここからがさらに重要で、そのシュートと同時に、
 他の選手が、ファーサイド目掛けて、ダッシュで詰めて行かないと。
 もっと言えば、フットサルでは、オフサイドが無いので、
 シュートと分かれば、スタートを切ってもいい。」

との事です。

もう少し解説すると、
もしシュートを、近いサイド(ニアサイド)に打った場合、
シュートを外しても、GKがセーブしても、
そのこぼれ球、(セカンドボール)は、ピッチの外に出る可能性が高く、
チャンスが一度で終わってしまいます。
シュートを、遠いサイド(ファーサイド)に打った場合だと、
シュートを外しても、GKがセーブしても、
そのこぼれ球を、さらに拾える可能性も出て来るのです。

さらに、フットサルコーチは
「シュートがこぼれてから行くのでは遅すぎる。
 シュートが枠を外れて、クロスボール(センタリング)気味になっても
 詰めれるくらいのタイミングで入らないと、ダメ」

と、さらなる指摘をされていました。
「強いチームほど、全員がこの動きが出来ている。
 強豪と言われているチームでも、案外出来ていない」
 
 
なるほど、実際、全日本選手権に出て来るチームでも、
ファーサイドにシュート、ファーサイドに早いタイミングで詰めてくる、
この動きが常に出来ているチームは、数少なかったです。
この動きが出来ていなくても、テクニックがあり、
観客を沸かせていたチームはありましたが、
予選リーグを突破する事は出来ませんでした。

 当たり前の事を、当たり前に。
それを高いレベルでしつづける事の難しさ。
もちろん、知識として知っている事でしょうし、
各々がやっているつもりなのかもしれませんが、
知っている事と、出来ている事は違うのです。
「知って行なわざるは、知らざるに同じ」
        貝原益軒…江戸時代に「養生訓」などを著した学者・医師


posted by プロコーチ at 17:02| Comment(1) | TrackBack(1) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月23日

相手の嫌がることを(FW編)

 少し時間がたってしまいましたが、
ワールドカップ最終予選のイラン戦で見られた、相手の嫌がるプレーを紹介します。

 日本の先取点を思い出してください。
左サイドの深くまで侵入してきた玉田選手が、
イランDFと、1対1になり、そこでドリブル勝負を仕掛ける。
そこでのドリブルも、体を大きく揺さぶりながら、ステップを踏み、
DFに的を絞らせない(DFが奪いにいけない)素晴らしいものでした。
そこから、ゴール前にグラウンダーのクロスが入り、加地選手が合わせてゴール、
これが日本の先取点でした。

さらに、ゴール前にスペースを見つけた、逆サイドのアウトサイドの加地選手が、
ゴール前に飛び込んでシュートを打ったのは、素晴らしい動きです!
自分のポジションを守るだけでなく、おそらく50M以上のスプリント!
チャンスと見れば、ゴール前まで入っていく戦術眼、それを実行する体力
共に、加地選手が代表で成長していることを、大きくアピールした瞬間と言えるでしょう。

 ボールを持った人が、ドリブルやシュート、ラストパスなどで仕掛けていくのは、
良く見かける光景なのですが、
チームとして、さらにモビリティ溢れる(勢いを持っている)攻撃を行うためには、
加地選手のように、ボールを持っていない選手が
どれだけ仕掛けることが出来るのか?

ボールを持った味方がパスを出してくれると100%信じて走り込む、この仕掛け!
しかも、玉田選手が、ドリブルで相手をかわしてから、クロスを入れてくるだろう。
と、タイミングを合わせていました。
味方選手の特性も考慮に入れたプレーは、本当に素晴らしいものです。

 ところが、この加地選手のゴールを生んだのは、玉田選手だけではないのです。
大黒選手が、相手DF・GKの嫌がるプレーをしたために、
加地選手があれだけフリーでシュートを打てたのです。

大黒選手は、玉田選手がイランDFと1対1を始めたときには、
すでにペナルティボックスの中央にポジショニングしていました。
もちろん、そこからでもクロスを受けて、
シュートまで持ち込むことも可能だったかも知れません。
ところが、大黒選手は玉田選手のクロスに合わせて、
スピードを上げて走りこんできました。
しかも、GKが手の届きにくい、反応が遅れやすいポジションに向かってです。
そこは、ニアサイドです。

ニアサイドにトップスピードで走りこまれると、
FWをマークしていたDFも、自陣ゴールに向かって走らざるを得ないため、
クロスボールに対するクリアが難しくなってしまいます。
また、GKもニアサイドだと、相手FWに軽くコースを変えられるだけで、
反応が間に合わず、ボールを止めることが難しくなりやすいのです。
つまり、守備側にとっては、一番抑えなくてはならない危険なスペースなのです。

大黒選手はこのGKの届かないニアサイドに向かって
急激にスピードを上げて走りこんでいきました
当然、大黒選手をマークしていたイランDFは慌ててマークにつきます。
さらに、イランGKも大黒の動きに釣られて、ニアサイドにポジションを移動させ、
必死のセービングを見せました。
ところが、誰もボールには間に合わず、フォアサイドに走りこんだ加地選手が、
フリーでボールを押し込んだのです。

GKも冷静に大黒選手の動き、ボールを見れれば、
大黒選手がボールに間に合わないのは、分かったかもしれません。
ただ、習性として、あのクロスに対して、あのタイミングでニアサイドに走りこまれたら、
GKはポジションをニアサイドに移動せざるを得ないのです。
このような、大黒選手の動きは、「ニアでつぶれる」と呼ばれる動きです。
まさに、GK・DFの仕事をつぶす、走りこみでした。
大黒選手も、間に合わないかもしれないと、心の中では思っていたかもしれません。
ただ、あそこで「つぶれる」事によって、他の選手が楽になる。
との思いは、本能的にあったに違いありません。

この動きは、点取り屋・ゴールゲッターとして強く意識して、
トレーニングに取り組む選手にこそ、なせる動きと言えるでしょう。
記録には、得点者・・・加地選手、アシスト・・・玉田選手と記録されるのでしょうが、
大黒選手の走り込みが無ければ、生まれてなかった得点です。
おそらく、加地選手が、一番、大黒選手に感謝していることでしょう。
posted by プロコーチ at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月19日

相手が嫌がることを(DF編)

 ドイツワールドカップ、アジア最終予選が終わりました。
日本は最終戦をイランと戦い、2対1で勝利をおさめ、
B組1位での予選通過となりました。
日本、イランともに、予選通過が決まり、主力が抜けた中での試合でしたが、
消化試合とならず、両者とも集中した戦いを見せていました。

 そんな中で、なんとかして相手に負けたくない!というプレーが見られました。
それは、日本が1対0とリードしていた、
後半16分、玉田が大黒からのパスを受ける時の出来事です。

大黒が小笠原からの縦パスを受け、イラン陣内深く切り込み、
ペナルティエリアの手前で突然右足で切り返し、ドリブルの方向を変え、
そして左足でシュート!と思わせました。
この動きに、大黒をマークしていたDFはもちろん、
逆サイドで玉田をマークしていたDFまでも引き付けられました。

その瞬間、大黒はふわりとした浮き玉を玉田に出します。
玉田がDFの頭越しに来たボールをボレーシュートを!
と言うゴール前での決定的なチャンス。
ところが、玉田のシュートは全くミートせず、ため息が場内を包みました。
座り込んだ玉田は苦笑いを浮かべ、レフリーに何かをアピールしているようです。
私も何が起こったのか疑問に思い、スローVTRを注視すると、
イランDFが必死のプレーを見せていた事が分かりました。

 大黒のシュートを警戒し、玉田を一瞬フリーにしてしまったイランDF。
浮き玉のパスが頭を越えていこうとするその時、
イランDFは必死に両手を高く伸ばします。
そしてボールが手に当たるか、当たらないかのギリギリでかわしたのです。
そう、頭では届かない、クリア出来ないと分かり、せめて手を伸ばし、
玉田のブラインドになろうとしたのです
イランDF、必死の作戦は的中し、玉田のシュートは枠にすら入りませんでした。

 このプレーを厳然にジャッジすれば、
非紳士的行為か、ジャンピングアットにあたるかも知れません。
が、流れの中での一瞬の出来事なので、審判がファールを取る事は難しいでしょう。
もちろんこういったプレーを推奨している訳ではありません。
ただ、なんとかしてゴールを守ろう!
何とかして、相手のプレーを抑えよう!

とした、お互いギリギリの攻防の中で生まれた必死のプレーでした。

 日本人選手にこのようなプレーのアイデアは出て来るのでしょうか?
トレーニングの中では勿論の事、遊びのミニゲーム・1対1の中でも、
相手をどうにかして打ち負かそう!
どうにかして、出しぬいて裏をかこう!
この気持ちを持てているか?
一瞬の判断・アイデアが勝敗を分けることもある、
フットボールはそんなスポーツです。
posted by プロコーチ at 17:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月24日

ブラジルをどうやって倒すのか?サッカー日本代表の生きる道

 手に汗握る戦いでしたね。
結果だけを見ると、世界王者ブラジルと試合をして、2対2の引き分け
負けるわけにはいかないブラジル、徐々に本気モードになって行くブラジル。
そのセレソンを相手に、2得点を奪っての引き分けは、有る程度の評価は出来ますよね。
ただし、今回のコンフェデも前回に続き、グループリーグ敗退・・・。

結果よりも、この熱戦を通して、得たものがありました。
幻となった加持選手の先制点と、1対1に追いついた中村選手のミドルシュートです。
この2得点?に共通して評価出来るのは、
流れの中で、しっかりとフィニッシュまで持ち込んだ点です。
世界に通じる日本人の武器に、俊敏な動き、両足でのプレー、
統制が取れていること挙げられます。
これらの武器を十分生かした形が、この2得点?だと言えます。
その2つのプレー共、1タッチ・2タッチという少ないタッチパスを回しています。
こうして、素早くボールを動かすことで、DFのポジションの修正を余儀なくさせる。
単純な理屈ですが、人はボールより早く走ることが出来ません。

欧州・南米のDF、特にCBは、前と上にはすさまじい強さを発揮します。
その一方、横の動き、後ろへの対応には難のある選手が、
代表のレギュラーレベルでも多く見られます。
高原選手は
「ドイツのDFは早い横の動きに弱い、ドリブルでは、またぎフェイントが有効」
大黒選手は、ブラジル戦を終え、
「足が遅かったので、裏に抜けれる」
とのコメントを出しています。
つまり、素早く横に揺さぶって、勝負が出来れば、
決定的なチャンスにつながりやすいと言うことです。


少ないタッチでのパス回しをすることで、必ずDFは隙が出来るのです。
隙とは、
・DFが、ポジション修正を怠り、立ち尽くしてしまい、マークがずれる。
・DFが、ボールに対して1回1回寄せることが出来なくなり、後手に回る。
   結果として全体的に下がってしまい、DFの前にスペースが生まれる。
・DFが、早く動くボールを見過ぎて、思わずボール側に寄って行ってしまい、
 DFラインの裏にスペースを空けてしまう。
主に、こういった現象が起きてしまいやすいのです。
もちろん、メキシコ戦・ブラジル戦の日本も繰り返し、同じ事をされていましたが・・・。

 少ないタッチでボールを動かして、DFを揺さぶっていくことが出来れば、
チャンスは生まれてきます。
これは、誰もが分かっている事なのです。では、何故誰もがしないのか?
答えは簡単です。とても難しいからです。
パスを少ないタッチでつないで、失敗して、ピンチを作るくらいだったら、
最初からパスなど繋がずに、ゴール前にボールを蹴り込んでしまえばいいのです。
よくアマチュアの試合で、
「放り込め!」
という声を聞いたことはありませんか?
安全かつチャンスを作れるなら、この戦略も選択肢の一つになります。
しかし残念ながら、日本人は世界で戦うときに、高さでは勝負にならないのです。

難易度が高くても、少ないタッチでのパス回しから、DFを崩していく。
これを追求しなくては、世界のベスト10には入れないでしょう。
「1タッチは、最高の技術である」ヨハン・クライフ・・・70年代に世界を席巻し、いまだに人気の高いオランダ人プレーヤー
posted by プロコーチ at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月11日

GK・DFとの1対1                                      (ワールドカップ最終予選サッカー日本代表対北朝鮮戦から)

 ドリブルが得意なプレーヤーは、ボールを持っていてDFに寄せられても
関係無く,本当に落ち着き払っていますね。
中でも、GKとの1対1は案外入らないものですが、
上手い選手は,簡単に決めてしまいますね。
北朝鮮戦の2点目。
終了間際に大黒選手が決めたゴールなんて、
まさに、簡単に冷静にGKをかわして確実に流しこみましたね。

1対1で落ち着いて決める為には、自信が必要です。
よく海外の選手・コーチから
「日本人FWは、ゴール前での落ち着きが足りない
  自信を失っているかのように見える・・・。」

と言われしまっています。
あの大黒選手のゴールは、日本人としての面目躍如と言った所でしょうか。

 自信を持つためには、技術が必要です。
どんな動きをされても対応できる技術。
シュート(キック)の技術、ドリブル・フェイントの技術です。
技術が高いと、自然にルックアップにつながり、
周りの状況も確認でき、さらに技術を発揮できると言う、
良いサイクルが生まれて来ます。

 と同時にとても必要なファクターがあります。
それが、GK・DFとの距離,つまり「間合い」です。
日本サッカー協会では、DFと約2Mの距離を確保して
1対1を仕掛けようとなっています。
これ以上近づくと、DF有利の間合いになってしまうから・・。

ただし、何が何でも2Mと言うものではなく、
自分がスピードに乗っているのか,いないのかで
この間合いは変わってきますよね。
そして、何よりも自分の持っているスピード,緩急の変化,フェイントによって
間合いが人それぞれ違うのも当たり前ですよね。

 GKとの1対1なら、3〜5Mがその目安となります。
お気づきの通り、もちろん、これもスピードによって変わってきます。
ただ、近づきすぎるとGKに引っ掛かってしまうし、
離れすぎると,ゴールの枠から外れてしまうでしょう。

ポイントは、GKを抜くと言うよりも、スピードを生かしたまま、
GKを外して,シュートコースを作る。
言いかえると,GKの正面からわざとズレて、シュートコースを作るのです。
このGKを抜くと言うよりも,
コースから外す・ズレる感覚が重要。
抜こうと思うと、GKにぶつけたり、セーブされやすいです。

ただ,この間合いもあくまで目安にしか過ぎません。
自分を生かす間合いを持つこと!
そして,相手DF・GKをこの間合いに引きこんで
そこで勝負をするのです。

大黒のあのシュートを思い出してみましょう。
押さえ気味のスピードで入っていき、
GKをキックフェイントの切り返しで大きく外してのシュート。
あの間合いがギリギリでしたね。
あれ以上近づいていたら,間違い無くGKに引っ掛かっていたでしょう。

大黒は,GKを自分の間合いに引きこんで勝負したのです。
自分の間合いは,何Mでしょうか?
これは,繰り返しの経験、トレーニングによってしか分かりません。
この間合いをつかめば,大きな自信になりますよね。
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2005年05月17日

ドリブルの活用について。サッカー・フットサルで1対1が苦手な方へ,      1つの提案を。

 前回の記事では、ドリブルの活用法について、取り上げてみました。
フットサル日本代表、関東リーグ所属
FIRE FOXの稲葉洸太郎選手のドリブルです。
彼のように、1対1になっても恐れず,勇気を持って
勝負できるといいですよね。
バルセロナのロナウジーニョに至っては、
楽しんでいるかのようにさえ,感じますよね。

 ただし,ボールを持った時にDFに1対1で
ドッシリ構えられると苦手な選手は、結構いるものです。
そんな時は、どうすればいいのでしょうか?
「まず、行くしかない」
「パスしちゃえよ」
「早めにシュートを打ってしまえ」
色んな声が聞こえてきそうです。

 それらも1つの手ではあります。
そこで、発想の転換をしてみては?
1対1から,敢えて1対2に持ちこむのです。
しかも自分から、隣りのDFに向かって
ドリブルのコースを取っていくのです。
自分から!と言うのがポイントです。
(ゆっくりして,囲まれると視野を失い
  次のプレーが出来なくなってしまうからです。)

 1対2の状況を自分から創ったその時、
DFの2人の間を線で結んでみましょう。
もちろん、頭の中でですよ。
線が引けたら、その線に向かって、直角に突っ込んでいきましょう。
すると,スパパーーンと面白いように抜けているはずです。
後は、シュートなり,パスなり好きなプレーを。

 なぜ,簡単に抜けるのか?
そう、野球で言う「お見合い落球」と同じ心理が働いているのです。
DFは、「隣りが助けに(カバー)に来てくれた、任せよう」
との遠慮を、少なからず考えてしまうのです。
もしくは、「2人いれば、安心だ」
と心の隙が生まれてしまうのです。

 DFの技術的に言えば、二人の間にオフェンスがいる。
つまり、DFからすれば斜めにずれた位置に
オフェンスがいれば、一瞬のずれに気がつかず
対応が遅れてしまうのです。

 発想の転換、これが出来れば、
繰り返し、このプレーを続けて行くうちに、
DFとDFの間に輝く道が見えるようになるはずです。
冗談ではなく,本当に道が見えてくるのです。
もう1対1は怖くありませんよね。
1対2に持ちこんでみましょう。

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2005年05月16日

サッカー・フットサルにおけるドリブルの活用とは。                         (フットサル日本代表VSウクライナ代表)

 前回に引き続き、フットサルの代表戦のリポートを。
試合の総括については、様々なメディアで取り上げられますので、
より突っ込んだ内容のみを書いていきます。
中でも、ドリブルについて、取り上げていきます。

 ドリブルは、フットボールにおける基本技術の一つ。
止める・蹴る・運ぶ(ドリブル)
ボールには不思議な魔術があります。
イタリアのある代表選手が
「もしサッカーがボールを2つ使える競技なら、
  1つは21人で分けてもらい、
  もう1つは、俺が1人占めにしたい」
と語る通り、ついつい、ボールにキスしてしまう程、愛しすぎてしまうのです。

つまり,ドリブルの使い所,使うタイミングが
とても重要になる、とも言えますよね。
華麗な足技・トリックは見てる人の目を引きますが、
それは決して、ドリブルの有効性を高める奥義では無いのです。

 フットサルのようにスペース,時間(余裕)が無い。
現代のレベルの高いサッカーでも同じく,スペース,時間(余裕)が無い。
「レスタイム・レススペース」と言い、
フットボールから,創造性を奪い去るとも言われている
「コンパクト」の状態が生み出した副産物です。
(初心者レベルにも当てはまりますよ。
  ボールが来ればいつでもドキドキ、
  思わず蹴り出してしまった事無いですか?)

 ここで、ドリブルを使う所・タイミングが大事になってくるのです。
分かりやすく言ってしまえば、
「スペースがあれば、ドリブル。
  スペースが無ければ,パス。」
この使い分けが一番出来ていたのが、
FIRE FOX所属の稲葉洸太郎選手です。
普段のリーグ戦等の国内の試合なら、
ドンドン勝負していく他の選手が、パスに逃げる中、
稲葉選手のドリブルはチームの中で、素晴らしい武器になっていました。
守る側も、パスと分かっていたら、次の選手のマークに集中出来ますしね。
そんな選手,チームは怖くないですよ。

稲葉選手のドリブルの素晴らしさは、
・スペースがどこにあるのか?
・DFが嫌がるのはどこか?
・シュートに結びつくのはどのコースか?
と言うのを,良く理解している事です。
そこ目掛けて飛び込んでいく感覚は素晴らしいの一言です。
おそらく、さまざまな技も出来るのでしょうが、
ほぼ,何も使いませんでした。
左右の揺さぶりとスピードの出し入れ(緩急)
これで、ぐいぐいと入りこんでいくのです。

 ただし、そんな稲葉選手もドリブルのタイミングを
誤っているシーンがありました。
スペースは同じくあるのですが、
そのタイミングでドリブルは有効でないなと思わせました。
それは、ドリブルとわかっている状態でも仕掛けていく事です。
DFをパス・フリーランニングで崩した状態がベストですが、
せめてボールを動かして、そこからのドリブルで無いと難しいですね。
DFが待ち構えた状態で突っ込んでいっても、
代表レベルのチーム相手には通用しないですよね。

皆さんもドリブルを使う所・タイミングに気をつけて、
観戦、もしくはプレーしてはいかがですか?
見え方が変わってきますよ。

posted by プロコーチ at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする