2006年12月22日

守備の文化(ブラジル)とメンタル

 インテルナショナルが見事、クラブワールドカップを制しました。
圧倒的にFCバルセロナ有利の前評判。
勝敗は決まっていて、バルサが何点取るのか?
ロナウジーニョやデコがどんな素晴らしいプレーを見せてくれるのか?
人々の目は、こちらに移っていました。
その前に立ちふさがったのが、インテルナショナル。
ブラジルと言えば、高い技術力をベースにした、攻撃的なサッカー。
ただ勝つだけでは認められない。
攻撃的なサッカーをしての勝利こそが、評価のポイント。
これが、ブラジルにおける基本的な感情です。

ところが、そうとばかりも言いきれないようです。
ブラジルはとても広いのです。
皆さんご存知のサンパウロ州。
このサンパウロ州だけでも、日本の本州よりも大きく、人口は一千万人を超えるのです。
そして、各州によってサッカーのスタイルにも違いがあります。
一概に、テクニック重視だけではないようです。
特に南部に位置する、サンタカタリーナ州、リオグランデ・ド・スル州はブラジルの中でも異質の存在。
激しい当たり合いを好み、フィジカルコンタクトの強さが求められる地域です。

何度となくこのブログに登場する同僚のコーチ。
彼は、このサンタカタリーナ州でも1シーズンプロ契約を結び、プレーしていました。
私は、クラブワールドカップの決勝を見ての感想を、彼と交換しました。
「守備に対する意識が強く、守る技術が高い。
 寄せは速いし、当たりは強いね。」
その彼曰く、
「この南部の地域は、守備は当たりも強いし、意識が強い。」
さらに私は、
「中盤や前線の選手も、きっちり戻って守備をするね。」
彼は、
「ここには、守備の文化があるんだよ。」

私も、サンタカタリーナ州、リオグランデ・ド・スル州の守備の強さを知識としては知っていました。
まさか、世界NO.1と言われるバルセロナの攻撃をシャットアウトするまでのレベルとは!
フッチボウ大国ブラジルの奥深さを、実感しました。


戦術的なことを付け加えるならば、インテルナショナルは良く研究していました。
バルセロナのパターンを知りぬいていましたね。
バルセロナは、サイドの高い位置で基点を作ります。
今回で言うと、ジュリー・ロナウジーニョ選手。
しかも彼らは、サイドに張りっぱなしにならず、中央にも入ってくるのです。
DF側からして見れば、マークに迷うところです。
そして、基点が出来ると、サイドバックがオーバーラップを仕掛けていきます。
ザンブロッタ・ファンブロンクフォルスト選手。
つまり、FWの選手を警戒して、そこにマークすれば、サイドにスペースが出来る。(パターンA)
サイドを崩されるのを警戒し、FWのマークを緩めれば、彼らが伸び伸びと攻めていく。(パターンB)

(パターンA)

        [インテルナショナルゴール]

    

(スペース!)  右CB     左CB      左SB
         

      右SB  
      ロナウジーニョ

ファンブロンクホルスト




(パターンB)
        [インテルナショナルゴール]

    

        右CB     左CB      左SB
右SB         

      (フリー!!)  
      ロナウジーニョ

ファンブロンクホルスト


 このお決まりのパターンをインテルナショナルは警戒しました。
ジュリー・ロナウジーニョ選手には、それぞれ特定のマーク役をつける。
サイドバックのオーバーラップには、中盤の選手(ボランチ)を下げさせて守る。
この役割分担を行ないつづけ、バルセロナのサイドアタックを封じ込めました。
パターンAも、パターンBも両方抑えたのです。
ただこれを90分間続けるためには、高いレベルの体力と精神力が求められます。
正直、この役割を求められ、さらに攻撃にも参加するとなると、しんどいですよ。
それでもインテルナショナルは、90分間完遂しました。
    
こうなると、バルセロナの攻撃は、中央に偏ります。
デコ・イエニスタ選手の組み立てにグジョンセン選手が絡んでいく攻撃。
これに対し、インテルナショナルは、マークを忠実に行ないつづけます。
ボールを持っていても、ボールを持っていなくても、細かいポジション修正。
そして、ボールを持った選手には、距離を開けずに間合いを詰める。
DFのお手本のようなプレー。
もちろん、バルセロナの早いパス回しに崩されることもありました。
それでも、最後まで身体を張って、体を投げ出してボールに食らいついていきました。

もちろん、守備だけでなく、技術も高いものがありました。
決勝点は、味方ゴールラインぎりぎり位置でボールを奪う、そこからの得点でした。
ほとんどのシーンで、クリアせずに前線にボールをつなぐ。
ボールコントロールの上手さ、体の使い方(スクリーニング)の巧みさ、キック・ヘディングの正確さ。
高い技術をフィールドプレーヤー全員が持っていました。
守るだけでは、試合には勝てません。
ボールを奪って、相手のゴールを目指す。
奪ったボールを簡単にクリアしない。
少々無理な体勢でも、味方にボールをつなぐ。
そうすることで、守備の時間を減らす事に成功しました。
ここまでを常に意識できていたからこそ、インテルナショナルに栄冠が輝いたのです。

我々がインテルナショナルから学ぶべきものが2つあります。
1つは、自分たちに与えられたそれぞれの役割を、最後の最後まで全うすること。
2つめは、どんな相手であっても、自分たちのベストプレーを発揮しようとすること。
心・技・体・戦術。
華麗な技は少なかったかもしれませんが、クラブワールドカップ決勝戦に相応しい試合でした。









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2006年12月13日

俯瞰図

俯瞰図。
鳥のように、上空から見渡せることが出来れば、どんなに楽か。
プレーヤーはもちろんそうでしょう。
指導者も実は、同じなのです。
ピッチレベル、つまり選手と同じ目の高さにあるベンチ。
一歩引いたところにあるので、見やすいことは間違いありません。
それでも、ピッチ全体、つまりチーム全体を見るのは難しい。
さらに、逆サイドで行われていることを完全に把握することはもっと難しいのです。
トップリーグになると、スタンドの上段にチームスタッフ(主にコーチ)を配置。
そこから、無線を飛ばして、戦況を報告させるのです。
アメリカンフットボールでは、お馴染みの光景です。

実際にプレーしている選手は、イヤフォンを装着するわけにはいきません。
自分の力で、全体の位置をつかもうと苦心するのです。
この能力に長けている選手は、司令塔や、ディフェンスリーダーに向いています。
「そんなところまで見えていたの?」
「あっ、そこに出すんだ?!」
スタンドで観ている人間すらをいい意味で裏切るのは、この能力があってこそ。

我々は、たくさんの情報を収集して、ピッチ全体の図を描こうとします。
それは、選手の動き、声、ボール、スペース。
目も、耳も、全身をレーダーのようにして、情報を収集していくのです。
その一つに、周りの景色というものがあります。

たとえば、ゴールキーパー。
彼らの生命線はポジショニング、つまり立ち位置です。
守るべきゴールの両端、中心を意識してポジション取りをしています。
とは言っても、後ろにあるゴールを振り返って確認する余裕はなかなかないですよね。
そこで彼らは、対面にある、相手ゴールや、ペナルティエリア内に引いてあるライン。
これらを見て、ゴールの位置を想像するのです。
さらにホームと呼べる、自分たちがよく試合を行うピッチ。
ここなら、スタンドや、木、建造物や、広告。
これらの位置が脳内に焼きついています。
自然に現在地を掴むスピードも上がってきます。

93年、Jリーグの初年度。
チャンピオンシップの会場は、国立競技場での開催でした。
それを聞いたジーコ選手が激怒したのは有名な話です。
「使い慣れた鹿島スタジアムなら、広告看板や、建物で現在地がわかる。
国立を使い慣れているのは、対戦相手であるベルディじゃないか。」
日本に、ホーム、アウェイという概念がまだまだ薄かった時代の話です。

今日、面白い記事があったのでご報告します。
FWがDFラインの裏に飛び出す。
ここで大事なのは、オフサイドにならないようにタイミングを測る。
そして、DFラインよりも、味方側にポジション取りをしなければなりませんよね。
そのため、最終ラインの選手を確認するのが普通です。
三浦知良選手が、ある工夫をしているそうです。
「自分が今オフサイドポジションにいるかどうか
首を振って、相手ディフェンスの一人一人の位置を見ようとする
それだと時間がかかってしまう。」
「アシスタントレフェリー(副審)の位置を一瞬見ればすぐ分かる。
だから、ボールをもらう前には、いつも副審をさがすようにしている」
そう、オフサイドライン=副審の位置ですからね。
簡単ですけど、大発見だと思いませんか?
これも、大切な情報源の一つとなるのですね。
私も新たなイメージを獲得することが出来ました。
posted by プロコーチ at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月08日

2つのワールドカップ

 明後日から、FIFAクラブワールドカップが横浜・東京(国立)で開催されます。
世界のトップクラスのチームが、日本に集まっての大会です。
ものすごく貴重な時間を体験するチャンス。
残念ながら、注目が集まっているのはFCバルセロナの試合のみ。
インテルナショナウ、クラブアメリカ、アルアハリ。
この試合は、充分見る価値があるはずですよ。
お時間があれば、ぜひ、スタジアムに足を運んでください。
シーズンオフに小遣い稼ぎにくる親善試合。
それとは違う、本気の彼らの姿を見れます。
タイトルが掛かった時の彼らの目は、熱いものが感じられるでしょう。

2006年ドイツワールドカップ。
トレンドは、華麗な攻撃を強固な守備組織(守備ブロックと切り換えの速さ)が封じ込めた。
破壊力のあるカウンターアタックや、パスをつないでの華麗な攻撃。
これを抑えるための工夫(守備)が、攻撃を上回ってしまったのが、大会の特徴でしょう。
これを裏付けるのが、この記録です。
全64試合で147のゴールがだけでした。
1試合平均2.29ゴール。
最小に終わった1990年イタリア大会の2.21ゴールに次いで、ワールドカップ史上下から2番目の低い記録なのです。

無回転のミドル・ロングシュートが注目されました。
守備ブロックを打ち破って、ゴール前に進出することができない。
それならば、守備ブロックの外から打ってしまおう。
セットプレーを磨き上げて、得点を狙おう。
そういった発想。

もう1つの特徴が、逆転勝利が少なかったのです。
たったの7試合しかありませんでした(全64試合)。
つまり、先制点の重みが、いつにも増して大きなものとなってました。
これも、全体的に守備組織が素晴らしかったことの裏付けといえます。
逆転勝利が少なかったのは、日本人の我々にとっては意外ですよね。
オーストラリア戦も、ブラジル戦も先制点は日本に入りましたから。
振り返って見たとき、日本の守備組織が、充分構築されていなかったことがここでも明らかになってしまいました。
2試合も逆転負けを喫しているチームは、他にはありません。

 今回の大会では、どうでしょうか?
守備優位の大会でしょうか。
それとも、攻撃が復権しているでしょうか。
その得点は、単なる守備の崩壊か、攻撃がさらなる工夫で生まれたのか?
代表レベルよりも、戦術的には、先を行っているといわれるクラブチーム。
クラブワールドカップで、世界のトレンドを確認してみてください。
posted by プロコーチ at 17:54| Comment(1) | TrackBack(1) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月10日

どこに動くのか?

「動け!!!」
試合中によく聞きませんか?
選手の中から、ベンチのコーチから。
何を意味しているのでしょうか。
もし訓練されたチームで、そのキーワードを元に約束事を遂行するなら分かります。
ただ、よくよく聞いているとそうではないようです。
単に止まっていることに対して、「動け!」と言っているようです。
おそらくは、パスコースが無いので苛立って口に出てしまってるケースが多々あるでしょう。

さあ、どうしますか?
チームが停滞しているのは間違いないです。
何らかの刺激を与えなければ改善しないのです。
どういう刺激をあたえれば良いのでしょうね?
posted by プロコーチ at 23:58| Comment(4) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月24日

呼び名は?

 フォワード、トップ、ストライカー、アタッカー、ウイングにセンターフォワード。
様々な呼ばれ方をされる、攻撃の選手達。
雑誌などでは、FW(フォワード)と呼ばれています。
ただ、FORWARDには、前側や前方という意味しかありません。
スタートのポジションのみを言い表しているのです。
全体から見て、前。
つまり、相手陣地にいるだけの話です。
これが、ストライカーとなってくると、話は別です。
打つ、叩くといった攻撃といった意味を含んできます。

チャンピオンリーグのグループリーグ。
チェルシー対バルセロナ。
結果は、ご存知の通り、1対0でチェルシーの勝利。
差を分けたのは、この部分かも知れません。
バルセロナの攻撃陣は、誰もがうらやむタレント揃い。
ロナウジーニョ選手、ジュリー選手にメッシ選手。
今期はグジョンセン選手も補強しました。
ところが、この中には生粋の点取り屋はいないのです。
エトー選手の怪我での戦線離脱が大きく響いていますね。
チェルシーには、シェフチェンコ選手にドログバ選手。
もちろんチャンスメイクもハイレベルですが、彼らはストライカーでした。

 日本には、FWはいても、ストライカーは少ないです。
得点王ランキングには、カタカナばかりが並ぶの当たり前になっています。
日本人得点王?
そんなタイトルありませんよね。
マスコミが勝手につけた、呼び方です。
何度もご紹介している、日本サッカーの父、クラマーさん。
彼は、FWはスナイパーになれと言ったそうです。
もちろん、前(FW)にいるだけではダメ。
ただ打つ(ストライカー)だけでない。
一撃必殺で決める。
それくらい、正確に大胆に行動しなくてはならない。

オシム監督は、ストライカー的な選手を好むようです。
佐藤寿人選手に、播戸選手。
彼らのすることははっきりしていますよね。
一般的に日本では、平均的にいろいろなことが出来る選手を選びがちです。
逆に言えば、大きな欠点がある選手は、使われにくい傾向にあります。
平均値の高い選手を集めれば、常にそれなりの試合展開は出来るでしょう。
ボールタッチや、パスの上手い選手だけ並べて、勝つチームを作れるのでしょうか?

最後の最後で勝負を決めるのは、自分の得意な形を持った選手達です。
これなら絶対に誰にも負けない。
自分だけの武器を常に磨いておくこと。
ただのFWではなく、ストライカーであること。
ただのFWではなく、チャンスメーカーであること。
特色ある選手達の試合は、観る者を魅了してくれるはずです。
posted by プロコーチ at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月17日

11人目(5人目)のフィールドプレーヤー

 レベルの高い試合になればなるほど、攻撃に関与する人数が増えてきます。
それはもちろん守備にも言えることです。
例えば、フットボールを始めたばかりの子供(大人も同じです)は、自分とボールとの関係しかありません。
ボールにたくさんの人が群がる、団子サッカーは、これが原因です。
我も我もと、ボールに触りたがる。
味方のポジショニング、相手のポジショニング、スペースの意識。
これらの観念が無いのです。

これが徐々に成長していくにつれて、関与する人間が増えていきます。
ボールと自分とに加えて、出し手と受け手との関係。
DFなら、チャレンジとカバーの関係。
1人称から、2人称への進化。
そして、3人称からチーム戦術を駆使していく。
このような段階を経て、子供から大人のサッカーへと発展を遂げていきます。

レベルの高い同士の戦いになれば、攻撃も守備も余裕がなくなっていきます。
多くの人数がプレーに関与するということは、頭も身体も技術もフル動員しなくては、間に合いません。
ここで大切になってくるのが、「数的有利」
この「数的有利」をいかにして作るのか?
現代サッカーで主導権を握ることが出来るかどうかのバロメーターです。
なぜオシム監督が「走れ、走れ」というのか?
走ることが目的ではありません。
「数的有利を作るために走れ、走れ!」と考えれば、1つの回答になるでしょう。

 プレーに参加する人数を増やすためには、ポジションを越えてのプレーの参加が必要です。
FWの守備への貢献。
DFの攻撃参加。
この2つは、必須要件です。
逆にこの2つが無いとどうなるでしょうか?
攻撃に、FWと攻撃的MFしか参加しない。
攻めに加わる人間は、たったの3〜5名です。
守備に、DFラインと守備的MFしか参加しない。
守備に加わる人間は4〜6名です。
つまりベースとなっている考え方は、DFなら私守る人、FWは私攻める人。

こんな試合展開あり得ないとお思いですか?
世界のトップレベルでも、3,40年前は当たり前の試合展開です。
70年代に活躍したベッケンバウアー。
彼が、DFにも関わらず、相手ゴール前まで進出していく姿。
DFの攻撃参加は、30年前の当時は革新的な戦術だったようです。
アマチュアサッカーならば、未だによく見る光景ではないですか?

DFは攻撃に関わっていかなくてはなりませんし、
OFも守備に関わらなくては、現代サッカーは成り立ちません。
これは、フットサルでも同じことが言えます。
ブラジルのフットサルでは、一番後ろに位置するフィクソが、最後尾に鎮座している事はありません。
積極的に組み立てにも関わっていきますし、ゴールにも絡もうとしていきます。
ブラジルで習ってきた、多くのパドロン(攻撃パターン)。
そのほぼ全ては、フィクソが前に進出していくものでした。

さらに、攻撃時に数的有利を作るための最終手段があります。
それは、GKが攻撃に参加することです。
GKはルールの制限があり、足でしかプレーに関われません。
手を使う専門職であるGK。
そんな彼らも、足での仕事が多く求められます。
GKへのバックパスしか選択肢が無い!?
こんな時の消極的な意味での参加ではなく、いかにして、GKが組み立てに参加していくか?
現代サッカー、現代フットサルはここまで来ているのです。

 ただし、GKへのバックパスには鉄則があります。
イングランド対クロアチアの欧州選手権予選。
イングランドは後半23分に自殺点をしてしまいました。
G・ネビルのバックパスがペナルティーエリア付近でイレギュラーバウンド。
GKロビンソンが“空振り”。
ボールは、そのままゴールイン。
不運な面はもちろんありますが、鉄則を守っていれば、防げていた失点です。

では、GKへのバックパス。
この時に、掲出されている交通標識とは。
@ボール保持者はゴールの枠を外して、バックパスをする。
(この時出来るだけ、扱いやすいグラウンダーのボールを出してあげること)
AGKはバックパスが出たのを確認してから、ゴールから出て、ボールに近づいていく。
(@、Aの順番が逆になれば、無人のゴールにボールが入ってしまうことも!!)
BGKは、リスクを出きるだけ減らし、正確でシンプルなプレーを。
(たとえ、クリアをする事になってもGOODとしよう。)
(ドリブルでFWをかわすなど、もってのほか)

ワールドカップドイツ大会のクロアチア戦、前半33分。
加地選手からGKの川口選手へのバックパス。
アウトサイドを出してトラップしようとする、川口選手。
なんでもない、バックパスでしたが、川口選手の目の前でイレギュラー。
ボールは、川口選手を通りぬけて、転がっていきます。
あわや、自殺点の危機でした。
私の居たスタンドの目の前で起こった光景です。
心臓が締めつけられるほどの、驚きがあったのを思い出します。
この時は、加地選手のパスがゴールの枠から外れていたため、自殺点にはなりませんでした。
上記の鉄則で言うと、@とAは守られていたのです。
ただ、Bが守られていなかったため、失点の危機になったのです。

この鉄則を守り、GKを有効に利用していきたいですよね。
必ずや、チームのレベルアップを助けるはずです。
posted by プロコーチ at 17:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月13日

今更ながら、フットボールの鉄則

 フットボールには数々の鉄則があります。
例えば、自陣深く(味方ゴール付近)では、リスキーなプレーをしない。
この鉄則は、ミスが即失点のピンチになってしまうからですよね。
もし、自陣深くでドリブルをして、3人を抜いた!
そこで得られる利益と、ミスをしたことによって起こりうる不利益。
この利益と不利益とを秤にかけたらどうなるか?

このような鉄則を理解した上で、選手がピッチの上でどれだけ表現できるか?
私は良く、交通標識の話をします。
・青なら進め、赤なら止まれ。
・50K以内で走行しましょう。
・右折禁止。
道路には、数々の交通標識があります。
これらを守る事で、交通は成り立っています。
フットボールの試合中、ピッチ内にも、実は交通標識が出ているのです。
ファールの事ではありません。
今、どんなプレーを選択するのか?ということ。
それが、数々の鉄則です。
この交通標識をどれだけ見つける事が出来るのか?

レベルの低いプレーヤーは交通ルール違反を繰り返します。
これには、2つの原因があるでしょう。
1つは、交通標識をみつけることが出来なかった。
そもそも、その交通標識そのものを知らなかった。
もう1つは、交通標識は分かっていながら、技術が足りず、実行できなかった。
試合の状況で考えてみましょう。
 
たとえば、厳しくマークされている味方へ、弱々しいパスを出す。
これでは、マークしているDFにみすみすチャンスを与えるようなものですよね。
当然、パスは成功せず、インターセプトをされ、ボールを奪われる。
味方はトラップはできたものの、さらにDFに寄せれられて奪われる。
DFのマークが厳しい。
それでも、足元に出して基点になってもらいたいのなら、ピシッとグラウンダーのパスをだしてあげること。
この鉄則を知らないのか?出来ないのか?
付け加えるなら、この鉄則通り動くための体力ももちろん必要です。
いずれにしても、先ほど挙げた例は、パスの出し手に問題があります。
交通標識(鉄則)を守らないために起こってしまったミスです。
(付け加えるなら、パスの受け手にも鉄則がありますよね。
 それでは、DFのマークが厳しい時の受け手の鉄則とは・・・?)

 先日、インドでアジアカップの1次予選、日本対インドの試合が行なわれました。
FIFAランキング137位のインドは、日本を恐れることなく、立ち向かってきました。
日本陣地から、プレッシャーをかけ、相手ゴールに近い位置でボールを奪おうとしていました。
それでも、日本とインドとの間には、実力の差がありました。
日本がパスをつないでいくうちに、インドDFは後ろに下がっていくことを繰り返していました。

守備の意識が高く、後方に引いた相手から、どうやってゴールを奪うのか?
ここでの鉄則は2つです。
・サイドを深い位置まで侵入して崩す。
・ミドル、ロングシュートを打つ。
つまり、相手が守備を固めている(守備のブロック)ところには、入っていかない。
守備のブロックの外から攻めていく。

まずは、サイドの深い位置まで侵入してからのクロスボール。
これは、DFのマークが外れやすいので効果的です。
人間の視野の限界を超えることから、守備の鉄則が守れなくなるのです。
(ボールと、マークとを同時に視界に収める、同一視)

守備ブロックの外からフリーで打つミドルシュート。
GKの能力を超えるところにボールが飛べば1点です。
これを怖がって、ミドルシュートを打とうとする選手にプレッシャーをかけるようになってきます。
そうすれば、守備のブロックが崩れてきますよね。
この2つの鉄則をサイドチェンジを交えながら狙っていくのが、1つの理想の形です。

この2つの鉄則は、とても広く知られているものです。
もちろん、日本代表の選手は、当たり前のように理解しているでしょう。
実際に、日本が取った3点全てが、この鉄則通りのゴールでした。
一つ一つのゴールは、素晴らしいものでした。
もっと、対戦相手のレベルが上がっても、決まっていたでしょう。
ただ、ゴールが決まったその何倍も、ゴールのチャンスを失っています。
・クロスボールの精度の低さ。
・シュートミス。
・タイミングの食い違い。
・ミドルシュートを打てない。
・ミドルシュートが枠に飛ばない。
交通標識は見えてはいたものの、遵守する技術が足りなかったのです。
特に、クロスボールの精度の低さ。
ミドルシュートの少なさ、精度の低さ。

いくら、走って走っていい動きをしても、技術が低ければプレーは成功しません。
・交通標識を見つける目
・それを達成するための動き、走り
・実際に行なう技術
グッドプレーヤーの条件です。
ちなみにグッドプレーヤーの部分を、レギュラーや代表に置き換えれば、選手選考の基準になりますよね。
posted by プロコーチ at 16:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月15日

中村俊輔選手に見る、ボールの受け方

 UEFAチャンピオンズリーグが開幕しました。
ワールドカップと匹敵する、魅力あるタレントの集まる場所。
ワールドカップよりも完成された、チーム戦術のせめぎ合い。
これを見ずして、フットボールの現在を感じる事は出来ないのではないでしょうか。
しかも、今シーズンは中村俊輔・稲本潤一両選手が出場。
さらに期待は高まりますよね。

 中村選手出場の、マンチェスターUTD対セルティック。
ユナイテッドのホームで行なわれるこの試合。
セルティックにとっては、開幕早々もっとも厳しい試合に臨みました。
そんな中、一時は同点に追いつく、直接FKを叩きこんだ中村選手。
プレースキックのクオリティの高さは、世界のトップクラス。
これを、証明しましたよね。
後は、本人も語る通り、流れの中でのプレー。
流れの中で、得点に絡む決定的なプレーをいかに発揮していくのかが課題でしょう。

中村選手のストロングポイントといえば、プレースキックに代表される、技術力の高さ。
逆に、ウィークポイントと言われてしまうのは、フィジカルの部分でしょうか?
当たりが弱い、運動量が少ない、競り合いに弱い。
中村選手を悪く言うときには、このように語られるものです。
ただし、この中で、運動量が少ないと言うのは、当てはまりません。
本当は、運動量の多い選手なのです。
おそらく、多くのパスを足元で受けているから、運動量が少ないように思われるのです。
スペースを疾走して飛び出すプレー。
こういったボールの受け方をする選手は、運動量が多いように見られやすいです。

中村選手のボールの受け方は、お手本になるような素晴らしいものです。
足元で、ボールを受けて、近くの選手にパス。
スペースを見つければ、前線に決定的なパスや、大きなサイドチェンジ。
比較的フリーなら、ドリブルでボールを前に運びながらの、組み立て。
ボールを持って前を向いた時の素晴らしさには、目を奪われます。

 何年もヨーロッパでプレーしている中村選手。
彼のプレーの特性は、対戦相手も知るところでしょう。
中村選手を抑えたいのなら、何が何でも、前を向いてボールを持たせたくないところです。
それでも、前を向いてボールを触わる中村選手。
長短のパスや、ドリブルを織り交ぜて、攻撃を組み立てていくのです。
その工夫は、ボールを受ける前の中村選手の動きに隠されています。
ボールが来る前の効果的な走りで、マークを外していくのです。

        ・
DFa     ・    DFb
 @           C中村
        ・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
        ・
        ・
MFc         MFd   
 A           B
        ・
        ・

上の図をみてください。
守備側は、ゾーンDFをしていると考えて下さい。
特定のマンマーカーはいないという前提です。
中村選手は、DFbに厳しいマークを受けています。
彼の工夫は、ここからです。
今、Cのゾーンにいます
ここから、@のゾーンに、軽いジョギング程度のスピードで移動していきます。
わざと、DFaに近づいて行くように、移動していきます。
@のゾーンは、DFaが守備を担当していますよね。
DFbは、中村選手のマークをDFaに受け渡そうとします。

そこからです。
中村選手は、もう一度、Cの位置に戻ってくるのです。
Cを担当する、DFbは、マークをしている意識がありません。
その瞬間、足元でボールを受けて、次のプレーに入っているのです。
このように、C→@→Cと、移動してからボールを受けているのです。
もちろん、C→B→Cといった、上下に動く事もあります。
さらには、C→@→Aのように、新しいゾーンで受けることも多々あります。


ボールを受ける前に、頑張って走って走ってボールを受ける。
おそらく、パスを受けることは出来るのでしょう。
ただし、ボールを受けた時には、疲れてしまっているかもしれません。
スピードを上げたままボールを受けたら、ボールコントロールは難しくなってしまいます。
彼の素晴らしいところは、単純に走り回っていないところです。
相手DFの心理状況を巧みに利用して、マークを外すのです。
ボールが無いところのでの走りを効果的にするために、考えぬいているのです。

中村選手は、自分のストロングポイント・ウィークポイントを把握しきっているでしょう。
小さい頃から、サッカーノートをつけ続けている事で有名です。
自分のストロングポイントである技術を活かす。
そのためには、マークを外してボールを受けたい。
ボールを受ける前にどうにか工夫しないと!!
この努力が実っての、絶妙なタイミング。
相手DFの心理を逆に取る、タイミングを身につけたのです。
ドイツワールドカップでは、目立った活躍ができませんでした。
暑さと体調不良にやられ、この動きが少なかったのではないでしょうか?

足元でボールを受けるために、走っている中村選手。
ここに、スペースに飛び出してボールを受けれる回数がもっと増えれば。
相手にとっては、さらに嫌な選手となるでしょう。
研究熱心な彼のことですから、既にトライしているプレーかもしれませんね。

 余談です。
中村選手とルマンで活躍する松井選手のインタビューを、それぞれスポーツニュースで見ました。
インタビューアーのレベル(特に女子アナ・・・)は、残念ながらお粗末でした。
失礼な質問や、的の外れた質問が多く含まれていました。
それでも、誠意に応える両選手。
分かりやすく、はっきりとした口調で、丁寧に語っていました。
プレーヤーとして成功できるかどうか?!
プレーやネームバリューだけでは無いことを、改めて感じました。
いくら、いいプレーが出来ても、モゴモゴ何を話しているのかよく分からない選手。
インタビューアーを見下した態度を取る選手。
2人の態度は、その対極にあるものでした。
人間性の成長、豊かさ。
人としての魅力がどれだけ溢れているかも、大きな要素。
2人の活躍の要因は、心技体で表される、心、メンタルかもしれませんね。
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2006年09月08日

ピッチに合わせた戦い方?

 フットサルのピッチのサイズは、様々です。
国際規格は20M×40Mと決まっていますよね。
ところが、民間の大会だと、横14・5〜20M×縦25〜40M。
中には、国際規格の半分以下のサイズで行われる事すらあります。
東京都リーグのような公式戦でも、しばしば見れらます。
ここまでピッチのサイズが変われば、ピッチの中での風景すら変わってきます。
サッカーの試合で、横35M×縦50Mでしてみる事を考えて見てください。
ペナルティエリアを2つ並べたのを少し大きくしたサイズに、22人全員が入っているのです。

このような狭いピッチの中でのプレー。
結果を最優先するのならば、チームのスタイルすら変える必要性すら出てきます。
狭いピッチで得をするのは、守備を優先するチーム。
逆に厳しくなるのは、パスをつないで崩していくチーム。
ボールに対するプレッシャーがかかりやすいですからね。

もし、狭いピッチで勝ちたいのなら、分かりやすい作戦は2つ。
@高い位置から、ガンガンプレッシャーをかけていく。
Aハーフウェー近辺からでも、積極的にシュートを狙っていく。
この2つを徹底すれば、かなり有利に試合を展開していく事が出来るでしょう。

ただし、普段、パスをつないで、パターンを駆使して試合を展開するチーム。
自分達のスタイルを捨ててしまうことになります。
その試合に勝つことは出来ても、勝ち点以外に得たものはありません。
勝つことはもちろん大事です。
これが、発展途上のチーム。
チーム作りをしている段階のチームならどうでしょうか?

 イエメンでの、サッカー日本代表戦。
2300Mの高地。
ボールがまともに転がらない、ボコボコのピッチ。
人はなんとか動けても、ボールが動かないのです。
パスはグラウンダーのボールにならない。
トラップで、時間がかかる。
ワンタッチでプレーしようとすると、はねてミスにつながる。
日本が標榜する、ボールと人とを動かしていくフットボール。

こういったピッチで有利となる戦い方はなんでしょうか?
ピッチがボコボコなら、それに合わせた、戦略もあります。
・サイドからクロスボールを早いタイミングでいれる。
・パスでなく、ドリブルでボールを運ぶ。
この2つを組み合わせた試合をすれば、もっとチャンスは増えたに違いありません。
グラウンダーよりは、浮球で。
パスよりは、ドリブルで。
要は、グラウンダーのパス回しを捨ててしまうのです。

さらには、ボコボコのピッチを逆手に取る方法もあります。
・グラウンダーのシュート、GKの前でバウンドするシュートを打つ
 そして、こぼれ球を狙いにいく。

この3つの作戦はどう思いますか?
おそらく、ロスタイムになんとか1点を入れて勝ったイエメン戦。
もっと点差の離した勝利試合になったでしょう。
オシム監督、日本サッカーが標榜する「ムービングフットボール」。
これとは、遠く遠く違ったスタイルの戦い方です。
どういった戦い方を選ぶのか?
なりふり構わず勝利を目指すのか?
それとも、スタイルの完成を目指すのか?
それを選ぶのも、監督をはじめとするコーチ陣の仕事です。
そしてこの選択を、ファンやメディアは厳しい目で精査していかなくてはなりませんよ。
4年後に泣きをみてしまいまうのは、我々ですよ。
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2006年09月06日

今日の見所

 今日も、サッカー日本代表の公式戦が予定されています。
サウジアラビア戦の日本代表は、様々な問題を抱えていました。

今日のイエメン戦。
相手のレベルは、落ちますが、環境はさらに悪くなります。
まず、中東について5日目。
時差ボケが一番厳しくなってきているでしょう。
着いて、3日目辺りまでは、あまり感じないのですが。
私も、先日の12時間時差の研修の際は、つらさを感じました。

さらに、標高2300mという高地。
通常暮らしている人間が圧倒的な有利でしょう。
空気が薄く、少し歩いただけでも苦しくなるそうです。
私の父母が、昨年ペルーのマチュピチュに旅行しました。
その時は、頭が割れるように痛み、何も考えることが出来ない。
思考能力を奪われるほどの辛さを経験してきました。
空中都市と呼ばれるマチュピチュは、世界遺産に登録されています。
ちなみにここの標高も、イエメン・サヌアとほぼ同じ、2280M(ペルー大使館)

戦術的な問題は、次の3つ。
@後方に位置する選手のパス能力。
これは、ワールドカップで確認した国際基準と比べると、低すぎるものでした。
パスを出すまでに、時間がかかる。
特に縦パスをいれるまでに時間が掛かり過ぎています。
結果、相手にカットされる、寄せられて潰されるシーンが数多く見られました。
後方から組みたてていく能力を持ったDFの欠如。
そのため、阿部選手を最終ラインに下げて使っているように見えます。
本当は、トゥーリオ選手にその役割をしてもらいたいはずなのですが・・・。
前から記述している通り、オシム監督はジェフ時代、ここに外国人選手を起用していました。
ストヤノフ選手のように、守備も、全体の統率も、組みたても出来る選手。
そんな選手は、日本にはまだいないのです。

Aボランチタイプの選手を併用し過ぎています。
そのため、攻撃の迫力・スピード感が出にくい。
彼らは、後ろに空けてしまう穴(スペース)を気にするはずです。
いくら、「リスクを背負って前に飛び出せ」と言われても、なかなか。
彼らの一番の思いとして、全体のバランスをとることを使命としてしまい易い。
攻撃的な選手なら、そんなことは無いのですが。
単純に考えて、攻撃の専門職は、2トップとアレックス選手だけ。
こんなことは、オシム監督は100も承知のはずです。
負けたくない意思が働いているのでしょうか?

B守備に関して言えば、ボールを奪える位置が低い。
攻撃側が主導権を握ったまま、守備を行なっている。
「サウジ側のシュートは1回しかゴールに向かってこなかった」
このオシム監督のコメントにだまされてはダメです。
人につく意識が強すぎます(マンマーク)。
ボールを奪う意識が弱いのです(ボールを中心とした守備)。
中盤まで、誰が誰のマークにつくという役割をある程度決められているのでしょうか?
みんなが与えられて役割をこなそうとし過ぎています。
マークは外れていないのですが、ボールに対するプレッシャーが甘い。
後ろに人ばかりが余り、フリーでミドルシュートを打たれたシーンもありました。

・後方からの効果的なパス
・中盤の積極性
・ボールに対するプレッシャー
この3つが、近々の改善点として、挙げられるのではないでしょうか。
今日のイエメン戦はどうでしょうか?
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2006年08月29日

明確なスタイル

 「体格差で踏みつぶすサッカーはこれからも続く。体格差を克服することが必要だ」
ジーコ前監督、退任会見でのコメントです。
技術で勝負する、創造的なフットボールを志向していたジーコ前監督。
「90分を通して体格の良い選手の攻撃に耐えうるベース。
 腰を中心とした下半身、上半身、この辺を鍛えないといけない。
 各クラブや代表で補強することを心掛けたが、思うようにいかなかった」
結局は、体格の差が、グループリーグ敗退の主たる原因。
これが、彼の4年間の総括のようです。

ちなみに私の意見はこれと違います。
確かに、フィジカルには問題がありました。
しかし、列強他チームとの一番の差は、体格ではありません。
フィジカルコンディション。
90分×3試合を通して、戦い抜くベースとなるコンディション。
これが満足でなかったように、スタジアム観戦を通じての感想です。
中盤より前の構成が、目まぐるしく変わっていきましたよね。
大会前は、あれだけ固定メンバーで戦っていたというのに。

「日本人の個性を生かし、日本らしいサッカーを。」
オシム新監督。
7月21日の就任記者会見で信念を繰り返しました。
彼の言う日本人選手の特長とは「敏捷性、積極性、技術。」
もう少し具体的に「あくせく素早く動き回れる。体が小さい分、ぴったり厳しいマークにも付ける」
ともコメントを残しています。
彼のジェフ市原で作り上げたスタイルは、「ボールも人も動くフットボール」。
もちろん、日本代表でも、次のようなフットボールを目指していくようです。
「ボールも人も動くフットボール」
「ムービングフットボール」

実は、すでに育成年代では、数年前からこのスタイルを志向しているのです。
まだ日本代表をトルシエ監督が率いていた、2001年です。
アルゼンチンで開かれたワールドユース。
優勝したのは地元アルゼンチン。
得点王とMVPには、サビオラ(FCバルセロナ)選手。
日本の主軸選手は、阿部・大久保・茂庭・石川選手など。
これを率いていたのは、西村監督。

この時には既に、「ムービングフットボール」を掲げていました。
この前のナイジェリア大会での準優勝の実績が輝かしすぎたのでしょう。
グループリーグで敗れた、西村監督のチームは、あまり取り上げられませんでした。
この後も、育成年代では、同じ取り組みのもとにチームを作っています。
JFAの講習会に行けば、「ボールも人も動く」
必ず1度は聞く言葉です。
オシム監督就任以前に立ち上げた、U−17日本代表。
監督は城福氏。
やはり、目標とするスタイルは、「ボールも人も動くムービングフットボール」

なぜ、JFAはこの数年間ずっとこのスタイルを標榜していたのか?
それは、各年代の世界大会を分析して、たどり着いた結論なのです。
空中戦の繰り返しのような試合展開は厳しい。
走りあいになってもスピードでは黒人選手に勝てない。
中盤でじっくり組み立てようにも、現代サッカーはプレッシャーが厳しすぎて不可能。
日本人の特徴を生かすためにはどうすべきか?
その答えが「ボールも人も動くムービングフットボール」
やっと、JFAの目指していたスタイルと、トップチーム(フル代表)とが、かみ合いました。





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2006年08月25日

人気のチーム

 日本代表は、大人気。
ブラジル国内で、日本代表はとても人気があります。
フットサル日本代表の話です。
パス回しが華麗。
動きが速い。
だからではありません。
もちろん、ビジュアルがイケテイルせいでもありません。
「マークが甘い。」
その理由につきます。

マークが甘い、プレッシャーが弱い
対戦相手にとってこれほど楽な事はありません。
ドリブルは簡単、パスは回し放題
人形相手に試合をやっているようなものです。
ブラジル人でもトップチームのコーチはこう言いました。
「日本のチームや日本代表と試合をするのは楽しい」
「彼らのマークは甘い、まったくプレッシャーに感じない」
「うちの選手達はのびのびプレーしている」

DFの講習会がスタートしました。
マルカソン。
DFのマークに関する内容でした。
そこで求められたマークは、とても激しいものでした。
日本でこの通りにマークしたら、すべてファールを取られてしまうでしょう。
それほど激しいものでした。
日本人の感覚では、充分寄せている、プレッシャーを掛けている。
ところが、ブラジル人にしてみれば、まだまだというところでしょうか。

 そのサンパウロで、フットサルの公式戦を見る機会に恵まれました。
サンパウロ州とその近郊の州が集まっての大会だそうです。
なんと!幸運にも決勝戦。
カードはABB対コリンチャンス。
約2000人ほど収容の体育館。
熱狂的なサポータを含め、席は満員に埋まっていました。
サポーターの太鼓や声が、体育館中を包んで、今まで感じたことのない雰囲気。
声が反響するためか、何万にものサポーターに囲まれているかのような錯覚です。
その中で、決勝戦にふさわしい試合が繰り広げられます。
一つのトラップミス、パスミスも許さないような、激しく忠実なDF。
講習会で習ったとおりの激しいマルカソン!!
我々日本人の常識をはるかに超えた激しさです。

GKの超人的なファインセーブも多数飛び出します。
後半の半ばまでは0対0の緊迫した試合内容でした。
そうかといって、お互い守るだけ守って、攻め込まないわけではありません。
パスの緩急。
パスとドリブル。
様々なパターンプレー。
GKも含めた、大きなパス回し。
どこからでも狙ってくる、シュート力。
ありとあらゆる武器を駆使しての、息もつかせぬ展開。
それでも、ゴールを割ることは出来ません。
厳しいマークが、最後の最後までつきまとってくるのです。

このマークのレベルが標準。
日本代表のマークが甘いと言われるのも、しょうがない。
一つの物差しが、変わった瞬間でした。

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2006年07月28日

プロレスの良さ

 K−1や、プライド。
格闘技がお茶の間にも浸透しています。
魅力の1つは、常に真剣勝負であること。
先の読めない展開に、手に汗握って興奮するのが楽しみのようです。
一方、深夜にしか放映されなくなってしまったのが、プロレス。
20年前などは、ゴールデンタイムに放送されていましたよね。
今では、衛星放送か、深夜が放映の中心のようです。

そうは言っても、プロレスには、プロレスにしかない良さがありますよね。
プロレスの世界では、圧倒的に勝利を得るのは、良しとはされないそうです。
相手の技は基本的に“避けずに受ける”のが基本にある。
よく、「何故、わざわざ相手の攻撃を待って、やられてるのか?」疑問に思いますよね。
実はプロレスラーの強さ、プロレスの魅力は、「相手の攻撃を受けた上で、勝つ」ところにあるのだそうです。
相手の攻撃を受けきった上で、さらにそれよりも強い攻撃を加える。
そして、みんながお待ちかねの必殺技で相手を倒す。
このやりとりこそが、プロレスの真骨頂。

フットボールの世界では、こういった考え方をします。
ストロングポイント⇔ウィークポイント
長所⇔短所といえば分かりやすいでしょうか?
ブラジル代表ならば、自分達のプレーを発揮する。
つまり、常に自分達のストロングポイントを押し出して行く。
これだけで、勝つことも可能でしょう。
ただ、それ以外のチームでは、こうは行きません。
(サッカーでもフットサルでも、ブラジル代表といえども楽に勝利は出来なくなってきています)
だとすると、相手のストロングポイントをどのように消すのか?
自分達のストロングポイントを用いて、どのように相手のウィークポイントを突いていくのか?
この2つを同時に達成することが、勝利への近道だといえます。

 昨日行なわれた、女子ワールドカップアジア最終予選。
日本対オーストラリア。
惜しくも0対2で、敗戦してしまいました。
オーストラリアの良さを消す事が出来なかったのが、敗因の一つといえます。
体格差を活かした、パワフルかつスピーディーな攻撃。
(スタメン平均身長。オーストラリア170.1センチ、日本163.1センチ)
ロングボールとかけっこで、ゴール前まで迫られる。
クリアしきれずに、相手の攻撃が繰り返される。
まるで、ドイツでの悔しいゲームの再現をされているかのようでした。

なでしこJAPANのゲームプランは、機能しきれませんでした。
私が見る限り、守備のコンセプトは次のようでした。
最終ラインでの勝負は出来る限り避ける。
中盤で、数的有利を作って、そこで奪う。
奪えないにしても、最終ラインに出されるボールの精度を落とす。
選手たちは、そのプランを必死に遂行しようとしていました。

残念ながら、オーストラリアが2つの部分で上回っているようでした。
1つは、中盤でのパス回し。
日本代表がプレッシングをかけて、数的有利を作る。
ボールを持ったオーストラリア1人もしくは2人に対して、日本代表2〜3人。
それでも、しっかりとパスを回して、日本の網を突破する。

もう1つは、日本の最終ラインとオーストラリアの攻撃陣との競り合い。
オーストラリアの前線へのパスには、確かに、少々いい加減なボールも混じっていました。
それでも、追いかけっこや、身体のぶつけ合いで勝つのは、オーストラリアの方でした。
日本代表の守備陣のクリアや、パスが中途半端なところを、再び拾われていました。
ドイツでも、今回でも1点目は、ヘディングのクリアが小さいところを拾われ、そこから・・・。

なでしこJAPANの良さも、たくさん見ることが出来ました。
ボールを奪って、相手の守備が整う前の速い攻撃。
俊敏さを活かした、ドリブルでの仕掛け。
戦術の遂行能力と準備の良さを映し出す、セットプレー。
このセットプレーの種類は豊富で、精度も高い物がありました。
ただ、いま1歩及ばず、得点を決めることは出来ませんでした。

大橋監督のゲームプランは、理にかなったものでした。
ただ、もっともっと、相手の良さを打ち消す事が出来なければ、アジアの壁すら突破できない。
さらに、自分たちのストロングポイントをさらに発揮できなければ、撃破出来ない。
私個人としても、以前に大橋監督にレクチャーを頂いた事もあるので、応援していたので残念です。
http://futebol.seesaa.net/article/11069829.html
相手のストロングポイントを受けきる。
その上で、こちらのストロングポイントをぶつけて行く。
プロレス的なスタイルが、ブラジル代表が世界で一番の人気を誇る要因かもしれませんね。
ただ、日本代表は日本代表。
ブラジル代表はブラジル代表ですよね。
posted by プロコーチ at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月07日

FCバルセロナ対イタリア、フランス

 ワールドカップは、最大規模の国際見本市。
この大会はそんな性格を持っています。
世界の何十億の人々が注目するスポーツの祭典。
ここで起こった事が、これからのフットボール界の未来を作っていく。
ほんの8年前までは間違い無く、そう言いきることが出来ました。

今回に関して言うと、少し言いきれなくなっています。
審判のジャッジメントや、1流選手以外の評価といった部分は、世界に知らしめたでしょう。
ただ、世界中に衛星TVが普及したこと。
インターネットにより、即座に情報を発信する事が可能になったこと。
この2つによって、今回のワールドカップでは新しい発見はほとんど無かったと思われます。
この意見は、大会が始まる前から、各国の監督や著名人が語っていたことです。
改めて、実証されたということのようです。

 世界のクラブシーンの潮流は大雑把に言うと以下の2つ。
・両サイドの高い位置にアタッカーを配置すること。
・高い位置からプレスをかけていくこと。
これの典型例が、チャンピオンリーグを制したFCバルセロナです。
1−4−3−3のシステムを巧みに駆使。
圧倒的な攻撃力と、高い位置からのDFを武器に、タイトルを奪還しました。

この2つの特徴から来る、1つの現象があります。
中盤に守備的な選手を1枚しか配置しないことです。
もちろん、試合の展開によっては、変わってくる事もあります。
基本は、中盤の底に選手を1枚しか配置しません。
しかも、パスをしっかり出せる選手を配置。
時には、センターバックも務めれるような守備力の高い選手を配置することもあります。
エジミウソン・マルケス選手が使われていましたよね。

理想は、中盤の底よりも前でボールを奪うイメージ。
中盤のセンターはスイーパーのような役割。
つまり、シャビ選手を使いたいのでしょう。
分かりやすく言うと、3バックのセンターには中澤選手ではなく、宮本選手を起用。
ボールを奪うのはストッパーの選手。
こぼれ球を拾い、カバーリングをするのがスイーパーの選手。
こぼれ球を拾って、前方に正確なパスをフィードしていく。
これを中盤でも行なっている、そんなイメージです。

ところが、ワールドカップでベスト4に残ったチームを見渡して見ました。
世界のトレンドを実践していたチームは、ありませんでした。
ドイツも、中盤の守備的な位置に配置した選手は1人。(フリングス選手)
ただ、両サイドの高い位置にアタッカーを配置していません。
実践していたのは、敗れてしまった、オランダ、アルゼンチンといった国でしょうか。

ポルトガル、イタリア、フランス。
彼らは基本的な戦略は、近いものがあります。
・DFラインは4人。
・守備的な中盤のセンターを2人配置。自陣のバイタルエリアを強固にする。
・前線は1トップ、サイドの高い位置に予め人を配置するのではなく、飛びこんでいく
98年〜2000年の世界のトレンドをそのまま引き続き継承しているようです。
点を獲るよりも、点を獲らせないという意思を感じることもあります。

特にイタリアは、大会当初は、もっと攻撃的スタイルを目標としたチームでした。
アタッカーは必ず3人用意。
中盤のセンターには、攻撃的なピルロ選手1人だけ。
ところが、大会が進むに連れて、いまの形になってきました。
大会中にやり方を変えるだけの、戦術理解度、柔軟性は凄いです。
ただ、点は獲っているものの、対戦相手に主導権を握られている時間が多い。
守備的な発想からスタートしている代償でしょう。
それは、フランスにも言えることです。

相手にボールを持たした形が得意な両チーム。
守備力の堅さが自慢の両チーム。(失点は6試合でたったの1失点と2失点!)
そんなチームの戦いはどうなるのでしょうか?
以外と点が入るゲームになるのか?
それともPK戦までもつれてしまうのか?
1つだけ救いがあるとすれば、カードトラブル無く、決勝戦を迎える事が出来た。
主力を揃えた両チーム。
最後の戦いを見守りたいですね。


おまけに。
今回のワールドカップで使用されているボールは、いくつか特徴があります。
ボールの中心を蹴ったら、無回転のボールが飛びやすいこと。
威力のある速いボールを蹴りやすいこと。
この2つが大きな特徴です。
逆に言うと、変化をつけるフリーキックは難しいのかもしれません。
近距離での(16.5〜25M)のフリーキックがほとんど入っていない。
壁に当るか、空に向かって飛んでいくか?
超一流の選手でも苦労しているようです。
ボールが飛びすぎるのでしょうか?
ここから、今大会のフィナーレに相応しく、ミドルシュートが勝敗を分ける。
そんなシーンが観れるかも知れませんね。
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2006年07月04日

良さを出すのか、消すのか。

ドイツワールドカップも、明日から準決勝を迎えます。
波瀾の少ない今大会。
唯一、ポルトガルのみが優勝経験のない国ですが。
チームとして、抜群の出来を見せていたアルゼンチン。
最高のタレントをそろえてきたブラジル。
彼らも優勝できない宿命?ジンクス?にありました。
ベスト4に残った国々は、順当と言ってもいいのでしょう。

1ファンとして望む事は1つだけ。
自分達の良さを発揮する試合をして欲しい。
逆に言うと、相手の良さを消す。
それだけに力点をおいて試合の戦略を立てて欲しくない。
これに尽きます。
ただ、ここまで来ると、なかなか冒険は出来ないようです。

まずは、相手の良さ(ストロングポイント)を消す事から、試合を組み立てがちです。
例えば、相手の10番がポイントになるから、専門のDFをつけよう。
また、相手はサイドを突破してくるから、サイドバックは後ろに残ろう。
相手は、中盤の守備が厳しいから、中盤で横パスはあまりつながないように。
などが良くある戦略です。
こうしていけば、確かにミス絡みの失点は減っていくでしょう。
言い換えれば、勝つチャンスを増やす発想ではない。
負けるピンチを減らそう。

ピッチの上で表現される戦略を感じる喜び。
将棋の棋士が駒を指していく。
ピッチ上では、最高の技術力・戦術眼を持った選手達が役割を果たす為に走り回る姿。
それは、1つの醍醐味ではあります。
ただし、リスクを抑えるだけの戦い方には、見るものは魅了されません。
攻守に渡り、個人としてチームとしてチャレンジしていく姿を待っているのです。

明日からの準決勝、決勝3試合でここを見てください。
・流れの中で、サイドバックが相手陣地深くまで、何回上がっていくのか?
・センターの中盤(特に守備的な役割を持った選手)が、何回最前線まで飛び出すのか?
・相手陣地(ハーフウェーラインよりも前)から守備を開始することが、何分間あるのか?
この3つのプレーは、リスクを秤にかけて、チャレンジしている。
そんなプレーです。
こういったプレーが繰り返し出て来る試合は、観ている物を引きつけてくれます。
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2006年06月14日

日本代表、守備の改善方法

前回記述したとおり、
日本の守備陣形はヒディングの策略によって、ボロボロになっていました。
もう一度、同じ図を使って、解説します。
両サイドは広げさせられ、
孤立してカバーリングし合うことが難しくなっていました。

 逆サイドにボールがあるときにまで、きっちりとマークについてしまえば、
次の図のような状況になってしまします。

                


×ボール                                  ×

14●                               3●

    「ギャップ」                「ギャップ」

            ×     ×    
           22●   5●   19● 
14・22間、19・3間は離れています。
カバーリングはお互いに難しいですよね。

 

 さらに図で説明します。
相手が前線の枚数を増やして来たので、こういった形になってしまいました。
中盤は後ろに下げさせられ、中盤を相手に自由に使われてしまっています。
与えてはならない「バイタルエリア」
ここへの侵入を許しやすくなっています。



              10●


×                                  ×

14●         「バイタルエリア」             3●

     ×                        ×
     7●                      15●
             ×     ×    
           22●   5●   19●





 これに対する解決策としては、オフサイドトラップを積極的に活用。
相手FWを置き去りにする。
下の図だと、×で表した攻撃4人をオフサイドポジションに置き去りにしました。
こういったやり方が無いわけではありません。
ただ、トレーニングと試合を繰り返して初めて可能になる方法です。
ぶっつけ本番で出来るものではありません。
トルシエ監督時代も、何年もかかって、ようやく形になってきましたよね。
             10●                  3●

                                     
×    7●                            ×
14●                            15●
        22●   5●   19●                        
       
     ×                        ×
                          
             ×     ×    
           
しかも、オフサイドのルールが、攻撃側有利に変更され続けている今。
あまり賢い方法とは、言えないのではないでしょうか。


 最後に、もう一つ図をご覧下さい。
現実的かつ有効な解決させる方法は、こうなります。
横幅を圧縮させて、横隣りとのプレーヤー間の距離を縮めるのです。
コンパクトな状態を保つことです。
具体的には、両サイドが、きっちりマークついてしまわないことです。

           10●

 ×ボール                     
 14●           
              15●                 ×      
      ×
     7●                       ×
                           3●
            ×     ×    
          22●   5●   19● 


15番・3番のポジションの変化に注目ください。
こうすることで、ボールサイドでは問題が解消されています。
マークも出来、選手間の距離も詰まって、
危険なスペース(バイタルエリア)も出来ていません。

もちろん、逆サイドのプレーヤー(×の2人)は、危険です。
ボールに対してしっかり寄せて、
一本のパスでのサイドチェンジをさせないこと。
仮にサイドチェンジをされても、すぐにピンチが来るわけではありません。
守備陣系を全体を素早く!左から右ににスライドさせて、
ポジションを修正すること。
このようにリスクはあります。
ただし、この2つが出来れば、多くの問題は解決するでしょう。
相手の戦略に引っ張りまわされて、後手に回る。
どっちのリスクのほうが大きいと考えますか?

 選手交代も、一応簡単に触れておきます。
オーストラリア戦での日本守備陣は、後手後手に回る展開になっていました。
ただし、崩された、シュートを打たれた。
そこだけを見れば、DF陣の問題になってしまいがちです。
現代サッカーにおいては、FWが1人で点を取るのが難しくなっています。
中盤での崩し、最終ラインからの展開があって、
FWが点を取るチャンスが生まれるのです。
DFも全く同じことが言えます。
最終ラインで、相手との競り合いで有利に立つためには、中盤の守備を改善させる。
中盤で自由に持たせないためには、前線からの追い込みを徹底させる。
こうして初めて、守備陣形が整っていくのです。

振り返ってみて、オーストラリア戦。
日差しが強く、気温の高い日でした。
しかも、ワールドカップ初戦。
心身共に、普段の何倍も疲労が溜まっていったのでしょう。
後半の始めに坪井選手が両足をつって、途中交代となりました。
普段なら考えられない光景です。
疲労もあって、監督や後ろからの指示だけでは、修正できない状態になっていました。
そこで、選手交代のカードの切り方が問題になってくるのです。
前線に、玉田選手や巻選手といった、しっかりとボールを追って行く選手。
中盤には、稲本選手や遠藤選手といった(本当は今野選手が・・。)守備が出来る選手。
こういった交代をみせることで、全体のバランスを再び整えることが出来たのでは?!

失った勝ち点は取り返せません。
せめて、次につながる準備に役立てて欲しいものです。




蛇足ですが。

 ベルリンにて、ブラジル対クロアチアの試合を観戦してきました。
試合の報告は、明日にさせていただきます。
ベルリンで何人ものブラジル人と話しかけられました。
私が着ていた、キンゼ=デ=ジャウーのTシャツが大人気でした。
「キンゼ=デ=ジャウー!?!(日本人のお前が?)」
「見てくれ、こいつキンゼ=デ=ジャウーだぞ」
(ブラジルはサンパウロ州にある田舎のクラブチーム)
私が、「カズーがプレーしていたからだ」と答えると、
「そっかカズーか、
 俺たちも日本を応援している
 ブラジルと日本とで、上に行きたいね」
「もし、クロアチアとオーストラリアに勝ったら、
 日本戦は負けてもいいよ」
何人ものブラジル人が同じことを言ってきました。
少しは、心の安定剤になりましたか?
posted by プロコーチ at 23:50| Comment(4) | TrackBack(1) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月13日

ジーコの対処法、ヒディングの策略

前にも書いたとおり、日本のDFラインには、致命的な欠陥があります。
あまりにも、空中戦を始めとする、1対1に弱いことです。
特に、オーストラリアのFWマーク・ビドゥカ。
彼は188センチ、91キロ。
普通に競り合えば、勝てるわけはありません。
宮本選手が空中戦を競り合って負けているシーンを何度見たことか・・。
坪井・中澤選手が人につき、宮本選手がカバーリングを行う。
素直にそうすればいいと思いましたが。
ところが日本DFは、左から中澤・宮本・坪井選手。
このバランスを崩されるの極端に嫌っていました。
自然と、真ん中に来るビドゥカ選手をマークするのが、宮本選手。
もしかすると、これもオーストラリアの作戦かもしれません。
身長のミスマッチを作り、狙ってくる。
後半には、192センチのケネディ選手を投入してきました。
彼は、最終予選で一度も出場していない選手です。
日本戦を見越しての、秘密兵器だったかもしれません。

空中戦で一番怖いのは、もちろんヘディングシュートです。
味方ペナルティエリアの中で、空中戦に持ち込まれる。
これだけは、避けたいです。
直接決められる危険性もありますし、
こぼれ球を直接打たれる危険性もありますからね。
日本の取った対処法は、相手長身FWを、ゴール前から引き離す作戦です。
DFラインを高めに設定し、宮本選手を中心にして、
少しでもDFラインを上げようと努力していました。
ただし、オフサイドを取りに行くわけではないのです。
あくまで目的は、背の高い選手をゴール前から引き離すこと。
たとえ、ピッチの真ん中で競り負けたとしても、
その後をカバーできれば怖くないですからね。
宮本選手が後ろに余るのではなく、坪井選手と中澤選手の間に入る。
パッと見は、トルシエ監督時代のフラット3に見えなくもないです。

この対処法は、ある程度は功を奏していました。
同点にされたシーンも、リスタートから。
空中戦で押し込まれてはいたものの、そこから失点につながる危険性はありませんでした。
ただ、日本選手が抱える欠点を一つ見つけてしまいました。
それは、またの機会にリポートします。

一方、オーストラリア代表監督フース・ヒディングの策略は、
素晴らしいものがありました。
よく、日本を研究していました。
孫子曰く「敵を知り、己を知れば、百戦危うからずや」
まさに、ピッチの上で体現していました。
DFの寄せが甘かった、日本の右サイドを突破されていた。
これが、現地サポーターの感想です。
ただ、あくまで結果に過ぎません。
ピッチ上では、面白いことが起こっていました。

日本のシステムもオーストラリアのシステムも同じ。
基本的には1−3−5−2。
両サイドの高い位置に、サイドアタッカーを配置。
FWと、サイドを起点に崩していこうとするのが、狙いになるでしょう。

これが、始まりのポジションです。
   ×ボール                     ×
  14●     7●      
                 15●      3●


           ×     ×    
        22●   5●   19● 




ヒディング監督の策略はここからです。
まず、両サイドのアタッカーが同時にめいいっぱい開きます。
オーストラリアは攻撃中に、ボールがどの位置にあっても開く。
これが基本となっていました。
対する日本DFは、愚直にマンマーキングを行っていました。     ×
  ×ボール

14●                            3●

    「ギャップ」                「ギャップ」

            ×     ×    
           22●   5●   19● 
これによって、14と22、そして19と3の間にスペース
(ギャップ=裂け目)が生まれてしまいます。
これだけでも、少しピンチですよね。
さらに、策略は続きます。
このギャップに、中盤の選手が入ってくるのです。          ×
   ×ボール

14●         「バイタルエリア」           3●

     ×                        ×
    15●                      7●
             ×     ×    
           22●   5●   19●


極端に表すと、こうなります。
この結果、日本DFの陣形がどう変化したかを見てください。
人には、きちんとマーク出来ています。
ただ、サイドは横に広げさせられて、中盤が後ろに下げさせられています。
日本DFラインの前にスペースが生まれました。
バイタルエリアと呼ばれる、危険地帯です。
オーストラリアは、ここに容易に侵入することが出来ました。

ドリブルでの侵入、グラウンダーの縦パス。
いい形で攻め込まれてしまう日本。
後手に回って対応することしか出来ません。
日本の決勝点はまさにこの形からやられてしまいました。
宮本選手がシュートを打った4番の選手に
かなり遅れてプレッシャーに行きました。
が、余裕を持ってのシュートは、ポストに当たって入る素晴らしいものでした。
オーストラリアの願ったとおりの形でのゴール・・・。

采配について一つだけ。
FWを一枚減らしての、中盤に小野選手の投入。
ジーコ監督の意図はおそらく、こうでしょう。
「中盤のスペースを埋めるために枚数を増やしたい」
「技術の高い小野選手、彼にボールを落ち着かせてもらって、
 ボールポゼッション(ボールの保持)を高めたい」
ただ、あそこで欲しいのは、違う選手でした。
ボールに対して、寄せ続け奪い取ることが出来る選手ではないでしょうか?
代表には入っていませんが今野選手。
ベンチにいた選手では稲本選手でしょうか。
明らかに、オーストラリアのプレーヤーは落ち着いてプレーしていました。
そして、気温も高く選手は疲れていました。
(体感で30度くらいでしょうか)
ここで、ボールに対してどんどん寄せて行く。
そんな選手がいれば、周りのプレーヤーも楽になったことでしょう。

これが、当日のピッチで起こっていました。
やはり、スタジアムでの観戦は、テレビでは見えないものが見えてきます。
攻撃にも課題はありました。
日本の調子がいいときをの目安は簡単です。
選手一回一回のボールタッチ数。
これを見ればいい流れでプレー出来ているかどうかが分かります。
昨日1タッチ2タッチという少ないタッチでのパス回し。
ドイツ戦で見せたようなポンポンというパス交換。
数回しか見れませんでした。
ほとんどは、3回も4回もボールを触ってのパス。
触らされてのパスと言ったほうがいいかもしれませんが。
この攻守に渡る課題をクリアできるかどうかで、
2戦目も見えてくるでしょう。
posted by プロコーチ at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月30日

コーチング(coaching)とコーリング(calling)

 コーチングという言葉を、最近よく耳にします。
スポーツ界から、ビジネスの現場にまで進出しているようです。
上司が部下に対して働きかけていく、ビジネスコーチング。
これは、上から下に対しての指導する意味合いが強いのでしょうか。
ただ、我々が使っているコーチング。
選手間での声の掛け合いという意味ですよね。
これは、サッカー・フットサル界独特のものかもしれません。

「コーリング」(calling)
レガッタ(ボート競技)やラグビーの世界では、
仲間同士の声の掛け合いをコーリングと呼んでいます。
「味方のプレヤーに対して、自分の位置や動作を知らせる声。」
・・・・・日本ラグビーフットボール協会
コーチングとは区別して使っているようです。

「コーチング」(coaching)
コーチ(監督)が選手に対して
「グランド上で個人技、ユニット プレー、チーム プレー等に於ける
 主として動態の良否を判断し、目的達成のために選手を指導すること。」
・・・・・日本ラグビーフットボール協会

日本サッカー協会では、コーリングとコーチングの区別は無いようです。
指導者の選手に対する働きかけにも、
選手同士の声掛けにも、コーチングの一語で記述されています。
そもそも、コーリングという言葉。
サッカー・フットサルの指導者の頭の辞書には、
おそらく無いのではないでしょうか?
もちろん、私もコーチングという単語を頻繁に使っています。
言われてみれば、選手間は同じ立場、それなのにコーチング。
言葉そもそもの意味からすると、おかしいのでしょうね。
ただ、今回はフットボール界の慣習に従い、コーチングで通させて頂きます。

 次のような用例が、ラグビーフットボール協会のHPに出ていました。
「いざボールが出て、さあ前に!という時になると、静まり返る状況。
 ワークスペースでのコーリングは大切だ。
 プレッシャーをかけ続ける中でも、声を出し続けると、
 互いのマークアップが正確に分かるし、変化にもアジャストできる。
 多くのプレーヤーが発信は得意でも受信が苦手なものなので、
 双方向のコミュニケーションを心がける。」

 試合中に声を出そうという意識は、少しずつ広がってきています。
単に、「頑張ろう」という声もありますし、
コーチングの声もピッチの中から聞こえてきます。
では、何のためにコーチングが必要になってくるのでしょうか。
一番は、集団で行なうスポーツであるということ。
そして、対戦相手に干渉(左右)されるスポーツであること。
どんどん移り変わる状況に早くチームとして適応していく。
この適応が早くできたチームが有利になっていく。
だからこそ、コーチングの必要性が問われているのだと考えます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ただし、JFAでは、「OK!」のコーチングを推奨していません。
GKが飛び出す。
この決断と同時に、「キーパー!!」と声を出そう、そう指導しています。
「OK!!」と、「GK!!」
この2つの違いはなんでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この2つのコーチング(コーリング)の違いは分かりましたか?



posted by プロコーチ at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月26日

キーパー!!!

 一般誌も、ワールドカップを前にして、サッカーの記事が多くなってきました。
気持ちが、どんどん高鳴ってきますね。
ある新聞で「サッカーのことば」という連載があります。
サッカーの専門用語を分かりやすく解説してくれるコーナーです。
オフ・ザ・ボールに、リアクションサッカー。
よほど、サッカー・フットサルに深く関わっていないと使用しない言葉。
それを平易に紹介していく、なかなか興味深いコーナーです。

 そこに「コーチング」という言葉が紹介されていました。
 「指導者から選手への指示はもちろんだが、選手自身が判断し、
  決断するサッカーでは、ピッチで選手同士が声を掛け合い、
  指示するコーチングこそ重要になる。」

 「「右」「左」と言った簡単な言葉もコーチングだ。」
  
 「暑い時や雨の時は集中力が欠けやすく、
  より重要になります。
  「やろうぜ」と励ます声もコーチングの1つ」
との内容でした。

コーチングというのは、技術の1つだと、私は考えています。
・頭で分かっている。
・自分では分かっている。
・なぜ、分かってくれない!?
それだけで留まるプレーヤーが多すぎる。
キックが出来ない、トラップが出来ない。
コーチングが出来ないのは、これに等しいくらい大きな問題です。

ゴールキーパー(以下GK)を例にとって、説明します。 
サイドから、高いクロスボールがゴール前に入ってきた。
GKが飛び出して、キャッチ。
DFの裏に、スルーパスが出てきた。
GKが飛び出して、セービング。
サッカーでもフットサルでも、よく見るシーンですよね。

多くのGKは、
「OK!!」の掛け声と共に、飛び出してきます。
これは、GKの俺がボールに行くよ。
その意思を表すための「OK!!」です。
もしこの声が無いとどうなるでしょうか?
それまでにボールを追いかけてきたDFと、飛び出してきたGKが衝突。
トップレベルでもために見られるこの光景。
アトランタ五輪のブラジル戦。
マイアミの奇跡は、ブラジルのこのミスから生まれました。   

 ただし、JFAでは、「OK!」のコーチングを推奨していません。
GKが飛び出す。
この決断と同時に、「キーパー!!」と声を出そう、そう指導しています。
「OK!!」と、「GK!!」
この2つの違いはなんでしょうか?
この違いにこそ、カギが隠されているように感じます。
コーチングの本質を見極めるカギです。
posted by プロコーチ at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月12日

コンパクトの裏側で。

            ブ     ブ
         

           
              ブ
             日
                     ブ●
----------------------×--------------ブ--------
         
                 日@  日A
  [ブ]   日F
           ブ 日
         

        日G      ブ  日 
             日    






          


           日GK

キリンカップ初戦、日本対ブルガリア戦。
0分の失点の基点となったシーンです。
右サイドをえぐられた事が、失点の原因?
最後にボールに寄せられなかったのが原因?
それもあるでしょうが、一番の問題はポジショニングです。

上図を見てください。
●がボール。
ここからブルガリアが低くて速いボールでサイドチェンジ。
[ブ]がサイドをえぐって中に折り返します。
ニアに走りこんだ選手が、チョコンと触ってゴール。
日本DF陣は、予想外のサイドチェンジに、対応が遅れました。
その、バタバタとした流れから、ゴールを奪われてしましました。

守備の時に、コンパクトな状態を作るのは、ここ20年のトレンドです。
(選手間の距離を縮めた状態)
草サッカーのレベルでも、
「ラインを上げろ!」
という声をよく聞きますよね。
では、何のためにラインを上げるのか?
コンパクトな状態を作るためだと分かっているのでしょうか?
ラインを上げると、選手の前後間の距離を縮める事が出来ます。
DFが前に上がっていく事で、FWとDFの距離が縮まりますよね。
ちなみに、ラインなど上げなくても、コンパクトに出来るのですが・・・。

選手間の距離を縮めるのには、前後だけでなく左右も考える必要があります。
上の図で言うと、日本の右サイドで、相手がボールを持っています。
左サイドの村井・中澤選手がほぼ中央まで、寄ってきています。
(センターに絞ったポジショニングをしています。)
こうする事によって、かなり、コンパクトな状態を作る事が出来ました。
ボールの周りは、日本の選手が多いですよね。

ピッチを、それぞれ、縦に3分割。横にも3分割。
合計9つに分割します。
その中盤右サイド9分の1に、日本選手が、7人も入っています。
こうする事で、このサイドでは、ボールを奪いやすくなってます。
1対1より、1対2・3。
2対2より、2対3・4の方が、奪いやすいですよね。
(DFの数的優位)
こうして、ボールサイドに人数をかけて、奪っていく。
「ボールを中心にした守備」
これが、現代サッカーのトレンドの1つです。

加茂監督の作り上げた、ゾーンプレス。
トルシエ監督の持ちこんだ、フラット3。
言葉は違えど、志向することは、全く同じなのです。
いかに、ボールの周りで、数的優位を作るのか?
言葉に振りまわされるので無く、ピッチで起こっている事を見たいですね。

ただし、欠点があります。
サッカーは、11対11。
フットサルは、5対5。
人数には、限りがあります。
あるところで数的優位が出来る。
その反対サイドでは、何が起こっているのでしょうか?
相手をフリーにしてしまっているかもしれません。
もしくは、誰もいない状態になっているかもしれません。

このスペースをいかにして有利なものにしておくのか?
つまり、このスペースを使われない、状態にしておく。
DFにとって、コンパクトにするのなら、考えておかなければなりません。
方法は2つです。
ボールに対して、厳しい守備を行なう。
逆サイドに展開させないよう、パスコースを消して、ボールをマークする。
もう1つは、逆サイドのスペースを、アドバンテージにしておく事。
仮に、スペースが出来てしまっても、
ボールが飛んできたら、DFが先に触れるポジショニングを取っておく事。

上図で見ると、
・日@、日Aがボールに対するマークをもっともっと厳しく。
・日F、日Gが左のスペースをアドバンテージにしておく。
この内、どちらかが出来ていれば、あの失点は無かったはずです。
このミスが、再び起こるようなら、致命的です。
前半40分に同じようなシーンが2度ほど起こりかけました。
が、その時は、逆サイドのポジショニングと、ボールに対するマーク。
これが上手く行ったため、ボールを奪う事が出来ました。


つまり、このように、ボールに対して厳しくマークする。
日@Aのポジショニングの変化を見てください。

              ブ     ブ
         

           
              ブ
             日
                     ブ●
----------------------×--------------ブ-日@-------
                    日A
                    
  [ブ]   日F
           ブ 日
         

        日G      ブ  日 
             日    






          


           日GK

もしくは、ボール対して、激しく行けないのならば、
逆サイドがポジショニングを変える。
日Fのポジショニングを見てください。


           ブ     ブ
         

           
              ブ
             日
                     ブ●
----------------------×--------------ブ--------
         
                 日@  日A
  [ブ]  
           ブ 日
     日F    

        日G      ブ  日 
             日    






          


           日GK



コンパクトにするという事は、リスクをはらんでいる。
そのリスクをどのように、マネジメントするのか。
消極的なバランスを取るのにとらわれず、
積極的なバランスを取ることが出来れば、いい攻撃につながりますよね。
それこそが、本当の守備だと考えます。

 ジーコ監督は、試合後にこんなコメントを残しています。
「一番怖かったのは、自分たちが押し込んでいたときに、
 やみくもに前へ前へと出てしまって、バランスが崩れてしまうこと。
 やはり左の17番(M・ペトロフ)のカウンターが怖かった。
 それは選手も分かっていたので、
 逆サイドに対しても1〜2人と人数を割いていたので、
 いくつかの例外を除いて守備はきちんとできていたと思う。」

幾つかの例外が起こってからでは、間に合いません。
本戦までの、改善を望みたいものです。

posted by プロコーチ at 13:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする