2006年05月26日

キーパー!!!

 一般誌も、ワールドカップを前にして、サッカーの記事が多くなってきました。
気持ちが、どんどん高鳴ってきますね。
ある新聞で「サッカーのことば」という連載があります。
サッカーの専門用語を分かりやすく解説してくれるコーナーです。
オフ・ザ・ボールに、リアクションサッカー。
よほど、サッカー・フットサルに深く関わっていないと使用しない言葉。
それを平易に紹介していく、なかなか興味深いコーナーです。

 そこに「コーチング」という言葉が紹介されていました。
 「指導者から選手への指示はもちろんだが、選手自身が判断し、
  決断するサッカーでは、ピッチで選手同士が声を掛け合い、
  指示するコーチングこそ重要になる。」

 「「右」「左」と言った簡単な言葉もコーチングだ。」
  
 「暑い時や雨の時は集中力が欠けやすく、
  より重要になります。
  「やろうぜ」と励ます声もコーチングの1つ」
との内容でした。

コーチングというのは、技術の1つだと、私は考えています。
・頭で分かっている。
・自分では分かっている。
・なぜ、分かってくれない!?
それだけで留まるプレーヤーが多すぎる。
キックが出来ない、トラップが出来ない。
コーチングが出来ないのは、これに等しいくらい大きな問題です。

ゴールキーパー(以下GK)を例にとって、説明します。 
サイドから、高いクロスボールがゴール前に入ってきた。
GKが飛び出して、キャッチ。
DFの裏に、スルーパスが出てきた。
GKが飛び出して、セービング。
サッカーでもフットサルでも、よく見るシーンですよね。

多くのGKは、
「OK!!」の掛け声と共に、飛び出してきます。
これは、GKの俺がボールに行くよ。
その意思を表すための「OK!!」です。
もしこの声が無いとどうなるでしょうか?
それまでにボールを追いかけてきたDFと、飛び出してきたGKが衝突。
トップレベルでもために見られるこの光景。
アトランタ五輪のブラジル戦。
マイアミの奇跡は、ブラジルのこのミスから生まれました。   

 ただし、JFAでは、「OK!」のコーチングを推奨していません。
GKが飛び出す。
この決断と同時に、「キーパー!!」と声を出そう、そう指導しています。
「OK!!」と、「GK!!」
この2つの違いはなんでしょうか?
この違いにこそ、カギが隠されているように感じます。
コーチングの本質を見極めるカギです。
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2006年05月12日

コンパクトの裏側で。

            ブ     ブ
         

           
              ブ
             日
                     ブ●
----------------------×--------------ブ--------
         
                 日@  日A
  [ブ]   日F
           ブ 日
         

        日G      ブ  日 
             日    






          


           日GK

キリンカップ初戦、日本対ブルガリア戦。
0分の失点の基点となったシーンです。
右サイドをえぐられた事が、失点の原因?
最後にボールに寄せられなかったのが原因?
それもあるでしょうが、一番の問題はポジショニングです。

上図を見てください。
●がボール。
ここからブルガリアが低くて速いボールでサイドチェンジ。
[ブ]がサイドをえぐって中に折り返します。
ニアに走りこんだ選手が、チョコンと触ってゴール。
日本DF陣は、予想外のサイドチェンジに、対応が遅れました。
その、バタバタとした流れから、ゴールを奪われてしましました。

守備の時に、コンパクトな状態を作るのは、ここ20年のトレンドです。
(選手間の距離を縮めた状態)
草サッカーのレベルでも、
「ラインを上げろ!」
という声をよく聞きますよね。
では、何のためにラインを上げるのか?
コンパクトな状態を作るためだと分かっているのでしょうか?
ラインを上げると、選手の前後間の距離を縮める事が出来ます。
DFが前に上がっていく事で、FWとDFの距離が縮まりますよね。
ちなみに、ラインなど上げなくても、コンパクトに出来るのですが・・・。

選手間の距離を縮めるのには、前後だけでなく左右も考える必要があります。
上の図で言うと、日本の右サイドで、相手がボールを持っています。
左サイドの村井・中澤選手がほぼ中央まで、寄ってきています。
(センターに絞ったポジショニングをしています。)
こうする事によって、かなり、コンパクトな状態を作る事が出来ました。
ボールの周りは、日本の選手が多いですよね。

ピッチを、それぞれ、縦に3分割。横にも3分割。
合計9つに分割します。
その中盤右サイド9分の1に、日本選手が、7人も入っています。
こうする事で、このサイドでは、ボールを奪いやすくなってます。
1対1より、1対2・3。
2対2より、2対3・4の方が、奪いやすいですよね。
(DFの数的優位)
こうして、ボールサイドに人数をかけて、奪っていく。
「ボールを中心にした守備」
これが、現代サッカーのトレンドの1つです。

加茂監督の作り上げた、ゾーンプレス。
トルシエ監督の持ちこんだ、フラット3。
言葉は違えど、志向することは、全く同じなのです。
いかに、ボールの周りで、数的優位を作るのか?
言葉に振りまわされるので無く、ピッチで起こっている事を見たいですね。

ただし、欠点があります。
サッカーは、11対11。
フットサルは、5対5。
人数には、限りがあります。
あるところで数的優位が出来る。
その反対サイドでは、何が起こっているのでしょうか?
相手をフリーにしてしまっているかもしれません。
もしくは、誰もいない状態になっているかもしれません。

このスペースをいかにして有利なものにしておくのか?
つまり、このスペースを使われない、状態にしておく。
DFにとって、コンパクトにするのなら、考えておかなければなりません。
方法は2つです。
ボールに対して、厳しい守備を行なう。
逆サイドに展開させないよう、パスコースを消して、ボールをマークする。
もう1つは、逆サイドのスペースを、アドバンテージにしておく事。
仮に、スペースが出来てしまっても、
ボールが飛んできたら、DFが先に触れるポジショニングを取っておく事。

上図で見ると、
・日@、日Aがボールに対するマークをもっともっと厳しく。
・日F、日Gが左のスペースをアドバンテージにしておく。
この内、どちらかが出来ていれば、あの失点は無かったはずです。
このミスが、再び起こるようなら、致命的です。
前半40分に同じようなシーンが2度ほど起こりかけました。
が、その時は、逆サイドのポジショニングと、ボールに対するマーク。
これが上手く行ったため、ボールを奪う事が出来ました。


つまり、このように、ボールに対して厳しくマークする。
日@Aのポジショニングの変化を見てください。

              ブ     ブ
         

           
              ブ
             日
                     ブ●
----------------------×--------------ブ-日@-------
                    日A
                    
  [ブ]   日F
           ブ 日
         

        日G      ブ  日 
             日    






          


           日GK

もしくは、ボール対して、激しく行けないのならば、
逆サイドがポジショニングを変える。
日Fのポジショニングを見てください。


           ブ     ブ
         

           
              ブ
             日
                     ブ●
----------------------×--------------ブ--------
         
                 日@  日A
  [ブ]  
           ブ 日
     日F    

        日G      ブ  日 
             日    






          


           日GK



コンパクトにするという事は、リスクをはらんでいる。
そのリスクをどのように、マネジメントするのか。
消極的なバランスを取るのにとらわれず、
積極的なバランスを取ることが出来れば、いい攻撃につながりますよね。
それこそが、本当の守備だと考えます。

 ジーコ監督は、試合後にこんなコメントを残しています。
「一番怖かったのは、自分たちが押し込んでいたときに、
 やみくもに前へ前へと出てしまって、バランスが崩れてしまうこと。
 やはり左の17番(M・ペトロフ)のカウンターが怖かった。
 それは選手も分かっていたので、
 逆サイドに対しても1〜2人と人数を割いていたので、
 いくつかの例外を除いて守備はきちんとできていたと思う。」

幾つかの例外が起こってからでは、間に合いません。
本戦までの、改善を望みたいものです。

posted by プロコーチ at 13:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月10日

FKのトレンド

 UEFAチャンピオンリーグのベスト16が、ほぼ終了しました。
決勝トーナメント1回戦から、注目のカードが目白押しでしたね。
チェルシーFC対FCバルセロナ、
FCバイエルンミュンヘン対ACミラン、
アーセナルFC対レアルマドリッドCF等々。

一番の注目の対決は、チェルシー対バルセロナ。
私の指導する選手に観戦の有無をたずねてみました。
16名中、たったの3名・・。
サッカー・フットサルに興味はあっても、
チャンピオンリーグを見ていない方の多さに驚きました。
今日は、また別の選手たちに、同じ質問をしてみます。

何よりも、このチャンピオンリーグは、世界のトレンドが表れています。
活動期間が限られてしまう、各国の代表チーム。
それよりも、明らかにクラブチームは熟成されるでしょう。
特に、ヨーロッパには、トップレベルのコーチ・選手が終結しています。
フットボールに携る者ならば、必見ですよね。

 FK。
高校サッカーだと、約2割。
トップレベルの国際試合だと、3割を越えてきます。
全得点の3分の1が、FKからの得点です。
これには、DFレベルが高いため、流れの中からの得点の難しいのでしょうか。
トップチームには、FKのスペシャリストが存在します。
リヨンのジュニーニョ、レアルのベッカム・ロベルト=カルロス、
ミランのピルロ、バルサのロナウジーニョ、チェルシーのランパード、・・・。

そして、FKに2つのトレンドがあります。
シュバインシュタイガー、ジュニーニョ、ピルロらが得意とするシュート。
ボールに回転を与える事無く蹴る。
いわゆる無回転のシュートです。
日本では、ヴィッセル神戸の三浦淳選手が有名ですよね。
野球で言うところの、ナックルボール。
この蹴り方だと、5角形や6角形をしたボールの表面や縫い目の影響で、
ボールの周りに不均等な空気の流れが生まれる。
そのため、ボールが不規則な変化をするのです。

キッカーも、後はボールに聞いてくれ!っていう変化球ですね。
右に飛んだはずのボールが、左に変化。
真っ直ぐ飛んできたボールが、いきなり落下。
GKの判断・キャッチミスを誘うものです。
GK泣かせのキックですよね。

 もう1つのトレンドは、サイドからのFKです。
直接、ゴールを狙う事はできない。
中にクロスボールを入れ、誰かに合わせるFK。
分かりやすく、レアルマドリッドを例にとって、解説します。
一般的には、右サイドからならベッカム、左サイドからなら、ロベルト=カルロス。
2人がそれぞれ、ゴールから遠ざかるようなカーブのキックを蹴っていました。
このボールの利点は、GKの手に届かない。
かつ、ボールに合わせる味方は、自分に向かってくるカーブの為、合わせやすい。
この2つのメリットがあるため、一般的に用いられています。

ところが、最近のトレンドは、この反対なのです。
左サイドからは右足のフリキッカーが、蹴るのです。
わざと、ゴール・GKに近づいていくボール。
このボールを、DFの背後とGKの前。
この間のスペースに蹴りこみます。
そこに、味方が飛びこんでいくのです。

このボールのメリットは、DFのクリアがしづらいことにあります。
後ろに下がりながら、ボールをクリアしようとする為、体勢を崩しやすいのです。
まさに、この形から、自殺点が生まれました。
チェルシー対バルセロナの1回戦。
チェルシーの1点目はバルセロナの自殺点を誘いました。
さらに、バルセロナの同点ゴールも、全く同じ形からでした。

GKにとっても、自分のプレーエリアが確保されない。
(ボールをセーブしようとすると、味方も相手も入り乱れて、近づいてくる)
セーブもしづらいですし、目測も誤りやすいのです。
誰も触らなくても、ゴールしてしまうケースすらあります。

ただ、このFKを成功させる為には、条件があります。
キックのスピードが速く、さらに変化させることです。
遅ければ、DF・GKにとって、処理しやすいイージーなボールになってしまいます。
速く曲げる事は難しいですが、チームに一人は欲しいですね。

もう1つは、前述した通り、DFの背後とGKの前。
この間のスペースに蹴りこみます。
GKに近過ぎると、なんなくセーブされてしまいます。
DFの前だと、簡単にクリアされてしまいます。
DFにバックステップを踏ませる。
GKに躊躇させる。
この、DFの背後とGKの前にボールを蹴りこむのです。

明日明後日のJ1J2の第2節。
そこで、この2つのトレンドは発見できるでしょうか?
posted by プロコーチ at 17:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月17日

シャドウプレーの実際

 それでは、実際にシャドウプレーの典型的なパターンを紹介します。
(携帯でご覧の方、すみません)
実在の選手名を当てはめるとイメージしやすいかもしれませんね。
D1宮本、D2中澤、D3田中・・・。

●、攻撃選手
○、守備選手
*、ボール
←、人の動き
・・・、ボールの動き


上方向に向かって●が攻撃しています。

@−1
A2から、A1に縦(くさびの)パスが入る。
シャドウプレーが始まります。


     ○D1      ○D2
      

○    ●        ● 
D3   A1       A3

      
     *
     ・ 
     ・
     ・
     ●
     A2

@−2
A1のFWに楔のパスが入る。
D1,2、3はシュートを警戒。
守備陣の意識・視野・ポジショニングはボールを持ったA1に。
A3の動きが実は一番のキー!


            D2
            ○←
       ↓           ●A3
       ○D1          ↑
 D3→○  ●A1       →→
       *
      



       ●
       A2


@−3
A1は少ないタッチ(1タッチが理想)でA3へパス。
A1から離れるように動いたA3は、フリーでゴールへ向かう。
(3人目の動きとしての、ボールを持たない仕掛け)
A1に集中しすぎたD1・2・3は後から追いかける、最悪のDFに・・。

                  *
                ・ ●A3
            ○  ・  ↑
              ・   ↑ 
       ○D1         
 D3 ○  ●A1       
       
      



       ●
       A2


FWのA1は、ボールを受ける前の視野が重要です。
ボール、味方のA3の位置、ゴールの位置、DFの位置を確認しておく。
これが、シャドウプレーの典型的なパターンの1つです。
まさに、アメリカの2点目はこの形でしたね。

それ程複雑なパターンではありません。
が、代表レベルでも有効になるほど、効果的なプレーです。
この、1プレーに様々なフットボールの戦術の要素が含まれています。
攻守それぞれが、このプレーを成功・防御するためには、
10以上の要素が必要になってきます。
偶然でなく、意図して。
その要素が見事にはまったときには、素晴らしいゴールが生まれるのです
posted by プロコーチ at 13:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月22日

守備の原則B(ゴール前・フットサルの場合だと?)

私が出場したフットサル大会は、元プロや関東リーガも、
それなりに真剣に取り組んでいました。
小さいとはいえタイトルと、聞いたことも無い様な豪華賞品とが懸かっていましたから。

フットサルのピッチ(横15〜20M×縦30〜40M)は、
サッカー(横68M×縦105M)に比べて
もちろん狭い(約8分の1)です。
大雑把に言うと、ペナルティエリアを二つ並べた大きさになります。

守備側から言うと、デメリットは、相手ボールになった瞬間、
シュートレンジだと言うこと。
特に自陣は、全てゴール前になってしまいます。
こんなピッチで、ピヴォ当てをされると、その瞬間にピンチが訪れるのです。
相手はゴール前での選択肢が、一気に増えますからね。

ただし、守備側のメリットもあります。
1人1人の受け持つスペースが狭い。
そして、一番注意すべき、DF背後のスペースが狭い。
スルーパスを通されて、DFが背後(裏)を取られたとしても、
GKを含めた、他の選手のカバーリングが可能なのです。

 これらを考慮に入れたDF方法を取る事が、
試合を有利に進めるポイントといえるでしょう。
つまり、背後を取られるリスクを恐れるよりも、
ピヴォにボールを入れさせないようにしよう。
出来る限りピヴォの前で、インターセプトをしよう。

その為に、ポジショニングの原則とは外れて、
相手の後ろ側ではなく最初から前側に立つポジショニング。
もしくは、並ぶように立つポジショニングを取ろう。
こういった提案です。
実際に、1試合(20分)で最低5回以上インターセプトしました。
そうすると、相手は、それを恐れて、ピヴォ当てをしなくなったり、
無理やりなプレー(無謀なロングシュートやドリブル突破)から、
バランスを崩していました。

私はこのプレーをするために、ピヴォの位置を確認し続ける必要がありました。
ただし、相手を後ろからマークしていないので、
ピヴォだけを見ていては、ボールの位置を見失いがちになってしまいます。
そこで、重要な役割を果たすのが、手です。
手を使って、相手を引っ張ったり、押さえ込むのは、反則です。
手を相手の身体に添えて、相手の位置を確認し続けるのです。
手を使って相手を確認する事で、
目は、ボールや、他の選手の動きを確認することに集中できます。

 このような事は、なかなか、教科書には出てきません。
さらに、私自身、指導者講習会で日本のトップコーチ
(ナショナルトレセンインストラクター・・・コーチの指導にあたる役割)には、
大勢のコーチが居並ぶ中で、
「原則を無視したコーチングなど無い」と、
原則を外れたコーチングを厳しく修正されました。

ただし、その後、さらにそのインストラクターをも指導する
チーフインストラクターに質問したところ、
「もちろん、原則を無視したコーチングもあるよ。」
「今、どういう状況なのか?
 原則を外れても何をすべきかを、自分で判断させなければならない」
との答えを頂きました。

今、何をすべきかを、毎回その度ごとに、自分で判断していく事!
これがフットボールの本質であり、上達への道です。
posted by プロコーチ at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月18日

守備の原則A(ゴール前・フットサルの場合だと?)

 前回、守備の原則について取り上げました。
http://futebol.seesaa.net/article/8144181.html
ここで記述した、原則に基づいて、ポジションニングを取りつづける事が出来れば、
ある程度の成果は得られます。
まずは、ボールが無い時には何を見て、どこにどんな向きに立つのか?
相手の動き、ボールの動きに合わせて、これを細かく修正し続ける。
試合時間を通して、徹底する事が、始めの1歩です。

 ただし、これだけでは、本当の意味での守備をする事は出来ません。
先日お話した、フットサル大会での出来事です。
それ程強くないチームは、個人での突破や、場あたり的なパスが目立ちます。
ただ、レベルが上がれば上がるほど、意図を持ったプレーが多くなります。
原則通りのプレーをするだけでは、本当の意味での守備が難しいのです。

 中でも、ピヴォ当て(ポストプレー)は何としても防ぎたいプレーです。
ピヴォ当て(ポストプレー)の最大のメリットは、攻撃の基点を作れることです。
やはり、DFは自陣の深い位置でボールをキープされるのが嫌です。
これを避けるために、DFはボールを持ったピヴォに対するマークが厳しくなります。
その結果、ピヴォにマークが集中しすぎて、周りにはフリーの選手が。
こうして、ピヴォからのリターンパスを受けた選手は前を向ける事が多いのです。

ピヴォにいい形でボールが入ってしまえば、攻撃のヴァリエーションは格段に増えます。
そこから2列目の飛び出し、落としを直接シュート、サイドに展開して突破・・・。
相手ゴールに近い位置で、しっかりと基点を作ることが出来れば、
相手DFは後手に回ってしまいます。

 このピヴォ当て(ポストプレー)。
守備の原則通りに守っていては、防ぐ事が難しいのです。
特に、中央付近ではさらに難しくなってしまいます。
ゴールを背に、ボールを受けようとするピヴォ。
原則通りにポジショニングを取ると、
DFはピヴォの背中とゴールを結んだ立ち位置になりますよね。

ここで、ピヴォに近づきすぎると、ボールが見えなくなり、
状況の判断が出来なくなります。
優秀なピヴォだと、わざとDFに近づき、距離を0にしてしまう。
DFを完全に背負って、動きを制限させている間に、ボールをコントロール。
可能なら、DFを軸にターンして、そのままシュートへ。

そうかといって、DFが距離を離しすぎると、
簡単にピヴォ当て(ポストプレー)を許してしまう・・。
遠くに立っているだけでは、プレッシャーに感じてくれませんよね。

少し立ち止まって、もう一度考えてみましょう。
ポジショニングの原則とは、
・相手がゴールまで行く方法を妨げましょう。
・楽に、シュートを、突破をさせないようにしましょう。
その為の原則なのです。
決して、ポジショニングを守る事が重要ではないのです。
いかに、ボールを奪い、シュートまでつなげるのか?

 実戦で必要な事は、知識を得るだけでは身につかないなと。
この事を改めて実感しました。
次回に、実際どのようなプレーをすれば良いのかを考えてみましょう。
posted by プロコーチ at 16:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月14日

守備の原則。

 守備について考えてみました。

 日本サッカー協会が伝える、守備の原則。
まず、ボールを持っている相手に対するのか?
ボールを持っていない相手に対するのか?
これによって、大きく変わってきます。


ボールを持っていない選手をマークする際のポジショニングの原則とは、
1、ゴールの中心と相手を結んだ直接上で常にゴールサイド。
2、ボールとマークする選手とを同一視できる身体の向きを確保する。
3、チャレンジ(インターセプト)が出来、かつ裏を取られないような相手との距離を保つ。

以上3点を根気よく続けなさい。
そこから、ボールにチャレンジ(奪う・勝負)しなさい。
これがサッカー協会推奨のDF方法で、全国津々浦々まで浸透させています。

本当にこれだけが正しい方法なのでしょうか?
この守備の原則通りに行なえれば、
相手からゴールを守り、ボールを奪えるのでしょうか?
posted by プロコーチ at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月13日

日本代表戦に見るDFの課題の克服(ボールを奪う)

では実際に、ボールを奪うプレーとは、どんなプレーがあるのでしょうか?
・インターセプト(パスカット)、
・ショルダーチャージ、
・スライディングタックルなどが考えられます。

そして、チームとしてボールを積極的に奪おうと、明確な指針を立て、
世にセンセーショナルな衝撃を与えたチームがあります。
ヨハン=クライフが活躍した事で有名な、
74年西ドイツワールドカップ準優勝したオランダ代表です。
当時プレッシングフットボールと呼ばれた、オランダ代表が採用した革新的な戦術とは、
今でこそ草サッカーレベルでさえ当たり前になっている、
FWやMFから守備を始めるプレー。
これは当時は革新的なプレーでした。
・前線からのボールの追い込み(フォアチェック・ジョッキー)
・相手が保持しているボールに対して、
   囲い込む様に数的優位を作り奪いに行く(プレッシング・プレス)
これらの守備戦術の発信源は間違いなく74年のオランダ代表です。

 そして、90年代の日本でも、同じ様な守備戦術が流行しました。
横浜フリューゲルスを指揮した加茂監督とズデンココーチが編み出した、
ゾーンプレスと呼ばれるものです。

これらのボールを奪う事に守備の重きを置いたチームには共通の事柄があります。
それは、個人やグループ単位でなく、チームとしてプレッシングを徹底させている事です。
このようにプレスをかけていく事を、JFAは次のように表現しています。
「ボールを中心とした守備。」
人でも無く、スペースでも無く、そしてゴールでも無いのです。

加茂監督・ズデンココーチのゾーンプレスで象徴的な決まり事がありました。
『ボールを保持している相手選手に1人がDFに行く。
 その時、DFの後ろにプロテクト役が2人付いたら、
 ボールの状態・ボール保持者に関わらずアタックする。』と言うものです。
この言葉を解釈すると、3人まとめて1度に抜かれる事は少ない。
だったら、1人が抜かれるのを覚悟でボールに飛び込んで行く。
例え抜かれても、思い切ってスライディングタックルなどでアタックすれば、
ドリブルが大きくなったり、ボールがこぼれるから、
そこを後の2人で拾おう(カバーしよう)

単にボールに近づいて行くだけでなく、いかにボールを奪うのか?
プレッシングは1つの例に過ぎません。
チームとして、いつ?どこで?どのようにボールを奪うのか?
そしてそのボールをどのようにシュートまで繋げて行くのか?

 この共通理解があるチームのサッカー・フットサルには、
ダイナミックなスピード感があります。
そのスピードは対戦相手を置き去りにするだけでなく、
見る者さえも圧倒してしまうスピード!
足の速さだけがスピードではなく、
判断が恐ろしく速い、そのスピードです。
今日から始まる、UEFAチャンピオンリーグでそのスピードを味わえるはずです。
posted by プロコーチ at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月01日

組織を形成するためには。

 サッカー日本代表の新たな戦い、東アジア選手権がはじまりました。
この大会は、タイトルこそ懸かって入るものの、
日本、韓国共に、主力選手である、いわゆる海外組は招集せず、
1・5軍での出場となっています。

この大会で求められるものとして、
来年に控えたワールドカップ本線に向けて新たな選手のテスト、
新たな組み合わせの実験等が言われています。
日本代表も、浦和レッズの田中達也選手、ジェフ市原の巻選手・阿部選手。
他にも、FC東京の茂庭選手、サンフレッチェ広島の駒野選手、ジュビロ磐田の村井選手等の
まだ、代表に定着していない選手が呼ばれています。
もちろん、新たなオプションを求めてのことだと考えられます。
そして、本大会に向けては、新たなオプションの模索は必須な要件でしょう。

新たなオプションの模索の必要でしょうが、他にも必要なことがあります。
メンバーが変わった中での、日本代表の戦い方はどうなっているのか?
ここの部分の考察です。
メンバーが変わってしまったからと言って、
全く違う戦い方をしてしまうチームは、組織としてどうでしょうか?

 サッカー・フットサルに限らず、どんな組織にも共通する考え方です。
例え、どんなに優れた個(タレント)であっても、
その人間が抜けただけで、その組織が機能を停止してしまう。
そのような事は、あってはならないのです。
誰かが抜けた時のこともシュミレーションを予めしておき、
いざと言うときに備える必要があります。
リスクマネジメントの一つでしょうか。

もし、組織にとって中核をなすほどの個(タレント)が抜けてしまうのなら、
その個(タレント)が居る時とは、違う運用方法を生み出さなくてはならないのです。
これに失敗してしまったのが、2002年のワールドカップでのフランス代表です。
ジダン選手と言う、突出した個を直前の親善試合で失ってしまいました。
にも関わらず、ジダン選手の代わりを当てはめようとしたのです。
当然うまく行くはずも無く、優勝候補の筆頭であり、前評判も高かった
フランス代表は予選リーグで敗れてしまったのです。

当時の代表監督ロジェ=ルメール氏も以下のようなコメントを残しています。
「我々の失敗は、ジダン選手が居ないのに、
  ジダン選手が居るような戦い方を選んでしまったことだ」


日本代表においても、怪我、ファウルトラブル、極度の不振により、
ある選手が来年のワールドカップに出場できなくなることは、多分に想像がつきます。
予選を通過したメンバーそのままで、本線を戦う可能性の方が低いでしょう。
個(タレント)を大きく生かしていくチームの運営が、現代表の良さではあります。
ただし、どのように成熟された組織として形成していくのか?
この視点を軽視してしまえば、本大会での躍進のブレーキとなってしまいます。

皆さんのサポートするチーム、または所属しているチームはどうですか?
組織として、リスクをマネジメント出来ていますか?
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2005年06月20日

中なのか?外なのか?ボールの奪い所

サッカー日本代表はコンフェデレーションカップを2戦戦って、1勝1敗。
次は、ブラジル戦。勝った方が文句無く予選突破を決めると言う、
まさに,総力をかけた真剣な戦いが見られますね。

本気度100%のブラジルと試合が出来る機会も珍しいですね。
ただ,余裕を持って戦っているセレソンの方が見ていて楽しいのですが・・・。
2002年のワールドカップのベスト8、対イングランド戦。
2対1でリードしているものの、1人退場者を出したセレソン。
退場したのは、ここまでは、期待の若手に過ぎなかったロナウジーニョ。
1得点1アシストを決め、R3の主役と踊り出たが、まさかの退場。
この残り35分余りの戦いは,まさに凡戦!
攻撃時はボールをゆったりゆったりとつなぎ、
少しの接触でもおおげさな演技。
そして守備に回った時の集中力はすさまじく、
身体を張った守備を見せ,見事イングランドを封じ込めました。
抜群,華麗と形容されるセレソンの違った一面でした。

 わが,日本代表ですが、2試合を終え1勝1敗です。
特にメキシコ戦では、守備での致命的な欠陥を暴露してしまいました。
失点シーンは良く言われている様に、
マークにはついているものの、相手の素晴らしい技術
軽くドライブの掛かったミドルシュートと、戻りながらの打点の高いヘディング。
「アジアレベルなら枠にも入ってなかった」
「世界との差を感じた」
とのコメントを選手達が残しています。
まさに,失点の局面はその通りです。
ただ,問題はそこに至る過程です。

どちらも,サイドで相手がボールを持っていました。
そこから,中に展開されての失点です。
ポストを叩くなどした、他の決定機も同じ形がいくつもありました。

昔から、DFの鉄則は
「ワンサイドカット」
しかも、
「中(のコース)を切って、外に出させる」
なぜなら、相手をゴールに近づけさせるのは危険だから。
日本ではこの鉄則が,余りに広く普及しています。

ただ,相手が怖いので外に行かせるだけでは、
「ボールを自ら奪う」という積極的なチームDFは成り立ちません。
大切な事は,チームとしてボールを奪う位置を設定して、
ドリブル・パスのコースを切って、そこに相手を追いこんでいき、
予め設定したポジションで、アタックしていく。

これが本来のチームとしての組織的な守備です。

つまり、チームのストロングポイントが
センターにあるならば、
あえて、相手を外から中に追い込んで行く。
サイドから,センターに行かせて,そこで奪う。
ヨーロッパのクラブシーンでは、こういった守り方がごく当たり前に行なわれています。

日本代表のDFラインは3バックです。
相手のトップにストッパー2人(中澤・田中選手と)がマークをして、
スイーパー(宮本選手)がそのカバーをするのが
基本原則となっています。
つまり、最終ラインではセンターでは数的有利を保っているのです。

チームとして、たとえば、左サイドでアレックス選手が
ボールを持った相手と対峙している。
その時にボランチ、右サイドの加地選手を含めた守備のブロックを形成する。
そして、わざとセンターにボールを展開させ、そこで奪う,
最低でも跳ね返す。

こういった約束事を残念ながら感じ取る事が出来ませんでした。
サイドの選手は、中に展開されてしまった。
センターの選手は、ボールが来てしまった。
と、後手に後手に回ってしまいました。
センターに展開された事が悪いのではなく、
敢えてセンターに出させる事が出来なかったのが、問題なのです。

これは,4バックになっても3バックを続けても同じ事です。
チームとして,どこでボールを奪うのか?
その為に,どこからどのようにボールを運ばせるのか?

チームとしての約束事をミーティングで話し合うだけでなく、
ピッチの上で表現できなければ、
メキシコ戦の失敗は,何度でも繰り返す事でしょう。




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2005年06月05日

サッカー日本代表の形(ワールドカップ最終予選、対バーレーン戦から)

 サッカー日本代表が、見事、アウエイの地で勝利を収めました。
中でも得点シーンは,素晴らしい物で、
グループでのコンビネーション(少ないタッチでのパス交換)と、
個人のひらめき(小笠原のボディフェイントをいれたファーストタッチ)とが融合した
ここ数年でも3本の指に入る,ファインシュートでしたね。

攻撃陣では,柳沢の動きが特筆ものでした。
フリーランニングからスペースを上手く作りながら,
・自分が裏に抜ける動き
・味方へスペースを作りフリーに

を繰り返していました。
ここまでは、柳沢の得意なプレーなのです。

 昨日の試合では、確実に縦パスを受けボールをキープ、
さらに、GKからのゴールキック,パントキックに対して、
必ず,落下点に入る。
そしてDFと競り勝てなくても、簡単にクリアさせないように、
身体をぶつけながらの空中戦から、こぼれ球を味方に拾わせる。
1トップとしての役割を12分に果たしていました。
イタリアでのプレーの成果に違いありません。

 さて、何よりも良かったものは、DFの形が出来ていた事です。
今まで、なんとなくマークはする物の、
11人が連動してボールを奪いに行く形がほとんど見られませんでした。
FWが深追いしてしまい、MFとの間が空く。
DFはラインが深く、さらに中盤ゾーンが広くなる。
そこに、ドリブル・縦パスを入れられピンチを招く。
この悪循環の繰り返しでした。

ところが偶然にも、前線では1トップにした効果が見えてました。
柳沢選手の右には,小笠原選手。左には中村選手が入り、
3枚で,前線の守備を担当してました。
これにより、前線から相手をサイドに追い込む事に成功しています。
(2人で68M幅を担当するのと、3人で68M幅を担当するこの違いです。)
そして、両サイドのWB加地・アレックス選手は、
中盤のラインで待ち構えて応対
する事が出来、
前に釣り出され、裏にスペースを作ってしまう事が少なかったです。

そして、最終ラインもそれほど高い位置をキープしていた訳ではないのですが、
最低限のラインの高さはキープできていました
(ペナルティエリアには入らないように)
前線の3人がハーフラインから、相手センターサークルの間辺りから、
守備をはじめる事が徹底できていた為、
前線から、最終ラインまでがコンパクトの状態を保てていました。

この,
・前線の3人からの追いこみ
・最終ラインの位置
が揃った為、DFのマークが上手くいっていました。

これは,相手の縦パスに対しての応対から検証出来ます。
最終ラインでは右の田中・左の中澤選手。
中盤のラインでは、右の中田・左の福西選手。
縦パスに対して、激しく寄せる事が可能になりました。
もちろん、ここの選手の能力・守備に対する高い意識があるからこそなのですが、
チームとして、いい準備が出来ているので、
縦パスに対して,厳しく寄せる事が持続出来たのです。

これで,バーレーンは、攻め手を失いました。
ロングボールとドリブルからの無謀なミドルシュート
これを繰り返すに終始しました。

 予選は残り2試合。
この形は,初めから意図されたものではないのでしょう。
偶然の副産物だとしても、継続していくべきです。
・2トップに戻したとしても、
 3人で前線の守備を担当する
・前線の追いこみ始める位置と
  最終ラインの高さを
  はっきりと設定する

これを継続していく事で、もっともっと意図してボールを奪える
守備の形が出来ていくでしょう。
そして,守備の形が定まり、狙った位置でボールを奪う事が出来れば、
攻撃のリズムが各段に良くなるでしょう。




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2005年06月03日

ドリブルでのつなぎ,パスでのつなぎ                               サッカー日本代表対バーレーン戦のスタジアムは

いよいよ,12時間後にはワールドカップ最終予選,対バーレーン戦がキックオフ。
負けなければ、予選の展開が楽になるとは言え、やはり心境穏やかではないですね。

 試合内容としては、4〜5人で攻めて、7〜8人で守る。
この展開で行くのではないでしょうか?
要は、1トップ2シャドー,もしくは2トップ1トップ下で攻める。
増えても、サイドの1人、さらに,中盤がもう1枚攻撃に参加。

これだけに留め、カウンターを絶対に食らわない様にする。
(攻撃時から,守備のバランスを崩さない)
そして,相手ボールになれば、残っている6〜7人がブロックを作り、
カウンターを止める

内容的には,つまらないサッカーになるでしょうが、勝ち点1は必須なので。
(FKがはまるか、個人が輝けば、勝ち点が3になるでしょう)

 ところで、試合が行なわれる、バーレーンのナショナルスタジアム。
最終予選バーレーン対イランの会場でもありました。
イランがまだ調整不足とは言え、0対0のドロー。
ちなみに、昨年8月のアジアカップの3位決定戦では、4対2でイランの勝利でした。

イランの代表選手は,以下のようなコメントを残しています。
「こんなにピッチが悪ければ,短いパスはつながらない
  どうしても長いボールの蹴り合いになってしまう」
地面がぼこぼこなので、トラップに気を使った」
見た目は、そんなに悪くなさそうなのですが、
ピッチコンディションは、あまり良くなさそうです。
イラン代表にとっては、このピッチでの試合は逆風だったのでしょう。

日本代表にとってはどうでしょうか?
イラン代表と同じ事が言えるでしょう。
日本は、パスをつなぎながら,崩していく事を理想としている選手が多いです。
それは、サポーターも同じでしょう。
全盛期のジュビロ磐田のようなサッカーが日本人の1つの理想の形ではないでしょうか?

ただし、ピッチコンディションの悪い会場では,良さは半減しますよね。
イレギュラーが多いという事は、
・パスが浮いてしまう
・トラップが弾んでしまう

これで,ボールの処理に時間がかかってしまい、DFのプレッシャーを受けてしまい、
結局はバックパス、前方への不正確なフィードになってしまいがち・・。

では,どうするればよいのか?
こんな時,相対的にピッチコンディションの悪い、
アフリカや南米のリーグならどうなるのか?
パスだけでのつなぎに頼らず、
中盤でもドリブルを使ってつないでいきます
それが、ピッチにも左右されにくい攻撃方法の1つです。

ただし、簡単に取られるようなドリブルはしません。
ボールを上手に隠しながら、前方へ運んでいきます。
その前方では、FWはドリブルをしているからと言って止まってしまうのではなく、
そこから,決定的なパスが来ると信じて、フリーランニングを仕掛けています
さらに後方では、ドリブルをしている選手が,相手DFに寄せられ
バックパスをする、DFに取られてしまう。
こうなってもいい様に、サポートして保険をかけているのです

つなぎは,パスだけではありません。
DFと勝負するばかりがドリブルでもありません。
ピッチコンディションに合わせて運んでいくドリブルを有効に利用したいですね。

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2005年06月02日

サッカー日本代表、対バーレーン戦を控えて。   キリンカップでもらった宿題を。

 金曜日に控える、ワールドカップ最終予選、対バーレーン戦。
キリンカップで、たくさんの宿題をもらったサッカー日本代表は、
UAE・バーレーンでの直前合宿で、準備に余念がありません。
伝え聞く話からの類推ですが、やっとチームとして動き出してきた感があります。
ようやく、宿題にチームとして取り組みだしたようですから。

 宿題とは、
・カウンター対策の徹底  
  (キリンカップでの敗戦の原因をつくった、2失点)
・中盤の飛び出しの強化  
  (ゴール前の人数を増やすべく、2列目・3列目からも飛び出していく)

UAE戦でも、カウンターを喰らい敗れはしたものの、
ボランチである福西選手・小野選手、後半に入ってからは稲本選手が
積極的に、最前線に飛び出していき、チャンスに絡むプレーが見られ、
ゴールこそならなかったものの、可能性を感じましたよね?

 上記の2つの宿題は相反するものです。
もし、本当にカウンターを喰らいたくないのなら、
中盤の選手は、自分のポジションを守り続けるべきです。
そうすれば、カウンターのチャンスを相手に与えるスペースは生まれてきません。
ただし、個人の力に頼る結果となりやすくいのです。
チームとしては横パスだけが増え、
最後は無謀な勝負(苦し紛れのシュートやドリブル)が増えていくでしょう。

 しかし一方、中盤の選手が、前の選手を追い越す動きで、
・ボールに絡んでいく。
・最後のゴールが生まれるスペースに飛び込んでいく
これらは、攻撃のダイナミズムを見事なまでに創造します。
しかもDFは、縦のポジションチェンジ、数的不利の状況に対しては、
かなり、守りづらいのです。(マークの確認・受け渡しが特に難しいのです)

なお、重要になってくるのは、この後です。
自分のポジションを空けて、前線に飛び出していくのですから、
・マークすべき相手攻撃陣
・押さえるべきスペース
は、置きっ放しになりますよね。
これが、相手のカウンターを生む絶好の隙なのです。

ではどうすればいいのか?
「隣の選手(前後を含む)が、
空いた穴(人・スペース)を
埋めてあげるのです。」

これがいわゆる、中盤のバランスであり、最終ラインのバランスです。
この、バランスとダイナミズムの創造とを
常に両立させることが

魅力あるサッカーの大前提です。

よく、サイドバックが左右同時に上がってはいけない!とか、
ボランチが2枚同時に上がってはいけない!とか
あのCB上がりすぎ、前線に任せろよ!と言いますよね。
サッカーにそんな決まりはありません。それは、ただ単に戦術眼が不足している為、
決まりごとを設けて、お茶を濁してるに過ぎないのです。

プレーヤー全員が、高い戦術眼を持ち、
前のスペースを見つけ、飛び出していく勇気と、
ボールの後ろの空いた穴を埋める配慮があれば、

もっともっと、楽しいサッカーが展開されるでしょう。


posted by プロコーチ at 15:21| Comment(0) | TrackBack(1) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月24日

フットサルにおけるピヴォ当て サッカーにおけるポストプレーについて

 私事で恐縮なのですが、昨日フットサル大会に出場、
気持ち良く汗を流してきました。
たまに、自分達が主体でボールを蹴るのは楽しい物でした。
ボールを蹴る喜びを伝えていく物としては、やはり自分が感じていないと!
ただ,即席チームゆえに、ほとんど,ミニサッカー状態でした。

 そんな中で一番意識したのが、ピヴォ当て、についてです。
サッカーで言うところのFWのポストプレーと良く似ています。
ご存知の通り,フットサルはGK合わせて,5対5で行なわれます。
ピッチのサイズは縦25〜40M×横15〜20Mくらいでしょうか。
サイズ的にいうと、サッカーのペナルティーエリアを2つ合わせたイメージですね。
と言う事は、相手陣地で確実にボールキープをし、基点に成ることが出来れば、
すぐ,ビッグチャンスになり得るわけです。

 まず,ポイントになるのは、
ピヴォと他のフィールドプレーヤーの呼吸です。
(ピヴォをFW、アラをサイドのプレーヤーと頭の中で変換して読めばサッカーです)
お互いが「今!出したい」「今!欲しい」が合わないと、パスは通りませんね。
前線への縦パスに対するDFの警戒は強いですし、
ゴール前のピヴォへのマークは激しく、フリーにはなかなか・・。

 そこで重要になってくるのが、自陣を含めた,後方でのパス回しです。
ピヴォ目掛けて縦にパスを出すチャンスを、ボールを動かしながら狙い続ける。
ピヴォはDFとの駆け引きしながら(視界から消えるフリーランニング)、
しっかり身体を入れた状態で顔を出す。
そこで「今!出したい」「今!欲しい」です。
縦パスが入ってしまえば、
・ピヴォから、リターンパスをもらってシュート。
・3人目が抜け出して、パスを受ける、シュート。
・真中にDFを引きつけ、サイドのアラに展開して崩す。
等々,攻撃パターンは多彩です。

 ピヴォに当てる前の、4人が同じ狙いを持ちながらプレーをしていく
これが、相手DFより先んずる一番のコツですよね。
フットサルの戦術はこれだけではもちろんありません。
が、決まれば必ずビッグチャンスになります。
サッカーでも,フットサルでも
「いかに縦パスを正確に入れるのか?」
そして,縦パスを入れる前に、
「ボールを動かしながら
(横パス・バックパス)をしながら、
  縦パスのチャンスをうかがう」

縦パスが入るが分かっていたら、相手DFには通用しないですよ。
縦パスをカットされるシーンを見たら、一度、検証してみてください。
posted by プロコーチ at 18:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月23日

カウンターアタックを止めるためには(サッカー日本代表対ペルー戦から)

 キリンカップ初戦でのペルー代表は,予想外に素晴らしいチームでした。
ゲームの前半の半ば前には、
「バーレーン・北朝鮮戦のいいシュミレーションになる」
との感想を持ちましたよね?

 主力不在のチームなので、組織で崩す,組織で守るというイメージは無かったものの、
個人個人の踏ん張り,ここ一番での集中力は素晴らしい物でした。
ここ一番とは、
「ここを抜ければチャンスになる」
「ここを押さえなければヤバイ」
と言った時には、突然のスピードアップ、そしてファールも辞さない潰し
南米のチームに共通する、勝負強さはこういった所からくるのかと、感心しました。

 日本代表は押し込んではいるもの、攻めきれず、
時折ペルー代表のカウンターにフィニッシュまで持って行かれてました。
そして、後半ロスタイムには、とうとうそのカウンターから失点してしまいました。
カウンターの瞬間には、ペルー代表はスピードのギアをいきなりトップに入れ、
たった3人で、ゴールまで落とし入れました。
その瞬間の勝負所を見極める戦術眼、
そして,確信を持って勝負する集中力、
それらを実現させる確かな技術
は素晴らしい物です。

 ただし,そのカウンターも止めなくてはなりません。
止める要素としては、
・ボールの失い方(シュートで終わっているのか・・・相手ゴールから、味方ゴールまでは、105M)
・失った瞬間のポジショニング(中盤のゾーンマーキング・・・・こぼれダマを拾うために)
(最終ラインのマンマーキング・・・基点を潰すために)
・攻から守への切り換えのスピード
(一次攻撃,二次攻撃を止めるために)
これらが,重要な要素となってきます。

 問題の日本の失点シーンでは、
・ボールの失い方
田中選手がヘディングで中央に放り込んだのをクリアされる
(ペルーDFに攻撃につなげるチャンスを与えてしまった)
・失った瞬間のポジショニング

ボランチの遠藤・稲本選手、両サイドのアレックス・三浦選手は
攻撃に参加してしまい、クリアが頭を越えていく。
(中盤には真中もサイドにも広大なスペースが・・。)
最終ラインの田中選手は上がっていったため、
宮本選手が1人で2人をマーク、坪井選手はマンツーマン。
(基点を潰せず、ペルーFWには強いパワーを持ったまま・・。)
・攻めから守りへの切り換えのスピード
これは速く出来ており、シュートの瞬間には
(2対3の数的不利の局面から、5対4の数的有利の状況までには持ちこむ)

 ディフェンスに大事な事は、物事が起こる前の準備です。
GKやCBは攻めている時でも、
「今,ボールを奪われたら、どうなるのか?」これを常に予測しながら,ポジショニングを修正していく必要があります。
この準備が出来ていない時に,後手後手に回ってしまい
ピンチを招いてしまい、失点を生んでしまうのです・・。

 カウンターはされてから止めるのは容易ではありません。
いかにして,未然に防ぐのか?
まさに、カウンターを得意とするバーレーン・北朝鮮戦に向けての
いい宿題をもらいましたね。
posted by プロコーチ at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月19日

日本代表は3バックがいいのか?4バックがいいのか?システムについてA

 システムについて,前回取り上げました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 一番,注意したいのは、試合における監督・チームの意図、戦略です。
ピッチ上で,何を表現したいのか!?
自分たちのしたい試合運びは何なのか!?
これを表すスタートライン!!!がポジションの配列(システム)なのです。
この事をよく理解した上で、ゲーム展開を観察してください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 では、試合における監督・チームの意図・戦略とは何か?
まずは,その試合の意義・目的から考える必要があります。
・どうしても,勝ち点3が欲しいのか。
・または、引き分けで、いいのか。
・それとも、1点差までなら,負けてもいい試合なのか。
育成年代なら、勝つことだけでなく、試合内容も重要になってきますよね。
大人のチームでも、大きな大会前やリーグの準備期間なら、同じ事が言えます。
勝つか負けるかだけでなく、内容、
つまり,課題のクリア出来ているかどうかが大事な時期と言うのがあります。
もちろん、そこには対戦相手との力関係もありますよね。

 それを踏まえて、チーム・監督の意図・戦略が生まれて来ます。
ゲームプラン,チーム戦略と呼ばれるものです。
刻一刻と過ぎて行く時間帯によって変化する,変化させることが前提ですよ。
初めてのデートと、5回目のデートでは
二人の気持ちに変化があるのと同じ事です。

さて,本題。
意図・戦略とは、
攻撃時では「どのように,ボールを運んで、フィニッシュまで持ちこむのか?」
そして守備時では「どのようにボールを運ばせて、どこでボールを奪うのか?」

 チャンピオンリーグファイナルに進んだ、ACMILANを例に取ると、
中盤とDFの間の低い位置のセンターに位置するピルロにボールを運ぶ。
運ばれたらでなく、運ばれそうになったその瞬間に、
最前線の2人もしくは3人は、相手DFラインの裏のスペース目掛けて猛ダッシュ。
それに合わせるように,サイドバックもさらに高い位置どりをしていく。
 つまり、
・遅攻になったらピルロにボールをいい形(前を向いて状態で受ける)で運ぶ。
・運ばれそう!になったらより前のスペースに飛び込んでいく
と言う,明確な意図,そして戦略
MILANの攻撃はそれだけでは無いのですが、1つの大きな特徴と言えるでしょう。
 
 残念ながら、我らが日本代表の試合を見ていても、明確な意図・戦略が伝わってきません。
どこに、どのようにボールを運ぶのか?
更に首を傾げてしまうのは、「どこにボールを運ばせて、どこで奪うのか?」の部分です。
守備は,ゴールを守って終わりでは無く、
ボールを奪って,そして攻めて行く。
アメリカンフットボールや野球とは違うので、ここまで出来ないと
その戦略は意味を持ち得ません・・・。
 チームの意図・戦略がはっきりしているチームを見ていると、
まるで「1つの命を持った生き物のように11人が   ピッチの上で躍動しています。」
そして,90分におけるその時間が長ければ,長いほど試合を有利に進めるのです。

 1つだけ,日本代表に明確な意図・戦略がありました。
鈴木隆之が身体を張って、ファールをもらう。
そして、中村俊輔,小野伸二らの正確なキック。
直接狙えなければ、中沢・福西のヘディングに合わせる。
3年も同じ監督の元でやっているチームがこれだけでは,寂しいですね。
 
posted by プロコーチ at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月18日

日本代表は3バックがいいのか?4バックがいいのか?システムについて

 日曜日のペルー戦、翌金曜日のUAE戦を経て、
いよいよ、ドイツWCに向けた,最終予選が再開されます。
必ず、論議されるのが,システム論です。
しかも、DFラインの人数に話しの中心があり、
3枚がいい、4枚でも・・・、と言った記事・報道が
繰り返し繰り返しなされます。

 まず、整理しておきたいのが、「3バック」だから、「4バック」だからと言って
戦い方が決まってくるものではないのです。
サッカーは、11人で行われるものです。
前線,中盤の構成を無視して行なわれる論議は、
全くと言っていいほど,意味を持ちません。

 さらに、「4−4−2の中盤をBOX」にとか、
「3−5−2のドイスボランチ」と言ったところで、・・・・。
ここまで来てやっと,話が始まったに過ぎません。
あくまで,スタート時における,配列にしか過ぎないのです。
恐ろしいのは、「4−4−2の中盤をBOX」だから〜〜・・。
と話しが終わったのかのようになってしまっているところです。

 一番,注意したいのは、試合における監督・チームの意図、戦略です。
ピッチ上で,何を表現したいのか!?
自分たちのしたい試合運びは何なのか!?
これを表すスタートライン!!!がポジションの配列(システム)なのです。
この事をよく理解した上で、ゲーム展開を観察してください。
そうすれば,上辺だけの戦術論から、脱皮できるかもしれません。
これが,フットボールの本質の1つです。

posted by プロコーチ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする