2007年04月17日

未来のフットボール。

 世界のフットボールのトレンドとは何か?
4年に一度開催される、ワールドカップ。
UEFAチャンピオンズリーグ。
こういった、大きな大会を通して、今のフットボールの流れを掴むことが出来ます。

そこから映し出される現在のトレンドとは?
「甘えの許されないフットボール」
「攻守共に、誰もがハードワークを求められるフットボール」
一昔前の主流は、チームのスーパースターを活かす戦い方。
1人の王様と、10人の働きアリ。
たった1人のラッキーボーイの出現が、チームを優勝に導く。
ここまで言ってしまっても、極端では無かったでしょう。
ところが、今では、そんな王様はピッチに君臨できなくなってきています。
たとえ王様だろうが、相手からボールを奪うために走りまわり、汗をかく。
そして、長い距離を走ってでも、ゴールを目指していく。
それが、今のトレンドであると言われています。

その結果、未来のフットボールの形はどうなるのか?
桁違いのフィジカルの能力。
優れた戦術遂行能力。
こう言った部分がさらに強く求められるのではないか。
もちろん、技術軽視に警鐘を鳴らす指導者や元名プレイヤーも多く存在します。
ボールを止める・蹴る・運ぶの技術はベースとして必要なものでしょう。
それでも、より高い体と頭とがさらに重要になっていくのではないか。
これが、現在の共通の認識と言えるのではないでしょうか。

 その一方で、私は、先日ある仮説を立ててみました。
未来のフットボールのトレンドについての大胆な仮説です。
今のトレンドとは、真反対とも言える結論が出てしまいました
「技術レベルの高いチームが優位に試合を進める」
「かつ、暑さへの耐性を持った人種を多く抱えるチームは、さらに有利に進める」
逆の言い方をすれば、今のトレンドは、過去のものになるのではないか?
「攻守共にハードワークすることは求められない。」

この仮説に至ったのは、あるニュース番組からです。
根拠となったニュースを簡単にご紹介します。
スーパーコンピューターに、未来の気象をシュミレーションさせた。
その前提となるデータは、極端なものでは無い。
様々な予測の平均値を採用したとの事。
さて、2040年の東京。
年間の平均気温が、現在よりもさらに+3℃。
年間の5ヶ月(143日)が夏。
熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以下にならない)は57日間を記録。
最高気温35℃以上の日が、21日間も記録される。
35℃という気温は、人間にとって体温調節が難しくなる気温だそうです。
血液の濃度が濃くなり、熱中症にかかる人間。
さらには、脳・心臓といった、循環器系の病気にかかる人間が多発する。

本当に、そんな現象が起こるのでしょうか?
実は、2003年のヨーロッパで起こっているのです。
未曾有の熱波が襲いました。
特に被害がひどかったのは、フランス。
連日、35℃を超える日が続きました。
最初は甘く見ていたようですが、日にちを重ねる内に、想像を超える事態に。
暑さのせいで人が次々と亡くなり、ピークである9日目だけで2000人もの死者が。
遺体安置所が足りない、それほどの悲劇。
20日間続いた熱波で、1万5000人もの方が、フランスだけで亡くなった。
ヨーロッパ全土での死者は、5万2千人!!だそうです。
今回のスーパーコンピューターの予測は、この2003年を遥かに上回っていますよね。
一体どうなるのでしょうか・・・。

暗い話になってしまいました。
2040年がどうなっているかは、実際のところは分かりません。
ただ、気温が上昇しているのは、間違い無いでしょう。
そんな30℃を越える中で、まともなフットボールは出来るのでしょうか?
少なくとも、走り回り続けるのは不可能。
結果として、ボールに対するプレッシャーは甘くなる。
いや、プレッシャーを与えたくても、体がもたない。
ボールへのプレッシャーが緩くなるのであれば、技術を発揮しやすくなる。
さらに、暑さに対して耐性を持っていないと、連戦を乗り切る事はできない。
これが私の仮説の根拠です。

もう1つ加えるならば、
「キックの能力とヘディングの能力がゲームを左右する。」
暑いピッチの中では、前線から守備を続ける事は難しい。
ゴール前を固める守備が多くなってくる。
そこで求められるのが、サイドアタックとミドルシュート。

この仮説がどうなっているか?
検証は30年後になってしまいます。
まずは、少しでも地球に優しい生活を。

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2006年10月03日

ケルンでの衝撃

 高い身体能力。
ブラックアフリカのチームを語る時に、必ず出て来る枕詞です。
高い身体能力とはなんなのか?
人によって、違う感じ方をするでしょう。
例えば、足が速いのもそうでしょう。
接触プレーに強いのもそうでしょう。
ただ、足が速いと言っても、マラソンランナーもいれば、100Mの短距離ランナーもいます。
5M・10Mが速いアメフトのランニングバックもいます。
また、何回100Mを走ってもスピードが落ちない、スピード持久力を持った選手もいます。
サッカーが上手い。
ドリブルが上手いのか?キックが正確なのか?
それとも、ポジショニングに優れているのか?
この言葉も、人によって感じ方が違いますよね。

私は、ガーナの真剣な試合をケルンで観戦しました。
ドイツワールドカップグループリーグ、チェコ対ガーナです。
チェコが前の試合で、素晴らしいパフォーマンスを見せました。
ダークホースとも呼ばれた、アメリカを3対0で圧勝したのです。
サイドアタックあり、華麗なパス回しあり、ミドルシュートあり。
さらには、前線から中盤にかけて、守備から攻撃の切り換えの速いこと。
戦術・技術が高いレベルで融合され、完成されたチームだなと印象を私も持ちました。
誰もが、チェコが大会のメインキャストの一員に名乗りをあげたと思った試合でした。

そのチェコを、簡単に撃破したガーナ。
私は、この時のガーナのパフォーマンスに衝撃を受けました。
素晴らしいのは、ボールへの執着心です。
相手ボールに対する、異様なまでの寄せの速さ。
ルーズボールに対して、トップスピードで競り合っていく執念。
空中での競り合いでの強さ。
チェコは、ガーナに対して恐れを抱いたに違いありません。
中盤でのパス回しをほとんど放棄してしまったのです。
1トップのログベンツにロングボールを入れ、セカンドボールを狙う。
こんな展開ばかりでした。

 ガーナのボールへの執着心・競り合いの強さを体現させていたのは、身体の使い方がポイントでした。
彼らは踏ん張って動いていないのです。
スライディング、ショルダーチャージ、ジャンプヘッド、ダイビングボレー。
不安定な状態でも、身体を上手くコントロールしてプレーしているのです。
特に、空中での身体のひねり方、伸ばし方。
空中に飛び出してから、もう一度上体を動かし、新たな体勢を作り直すことが出来るのです。
体幹を鍛え、身体のバランスを整える。
そして、腕、足、を使って、空中での2次動作を行なう。
口で言うのはたやすいですが、実際にプレーするのは非常に難しいものです。

いわゆる、身体能力を身に付けるためのトレーニングは、フィジカルトレーニングで行なわれます。
最近の流行りは、ボールを常に使った状態でのフィジカルトレーニングです。
その理由は、フットボールは、陸上競技ではない。
ボールを使ったスポーツなので、ボールを使ってトレーニングをするのは当然。
こういった考え方に基づいています。
この種のトレーニングでは、プレーヤーを飽きさせる事無く、体力の向上を図る事が出来ます。
ただし、欠点もあります。
残念ながら、このトレーニングを通じて、身体を巧みに動かす能力を向上させることは難しいのです。
もし、ガーナ選手の動きを身に付けたいのならば、器械体操に取り組む必要があるでしょう。
器械体操の世界では、当たり前のように行なわれています。
自分の身体を意のままに操る。
地面でも空中でも、思ったとおりに身体を動かしていく能力。
これを巧緻性といいます。
ケルンでの衝撃のポイントは、異常に高い巧緻性でした。

そんなガーナの弱点を幾つか。
・中盤の守備は非常に強い。ボールを中心にした守備は素晴らしい。
 が、最終ラインでは、ボールへの意識が強すぎて、マーキングのミスを犯しやすい。
・ドリブル突破に対して、意外なもろさを見せる。
・攻撃に迫力はあるものの、シュートの精度が低い。
逆にガーナの強さは。
・相手ボールを奪ってからの速い攻撃。  
 攻守の切り換えが本当に速い。
 マイボールだと油断していたら、あっという間にゴール前まで襲い掛かられている。
・ボールに対する強さ、執着心



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2006年05月05日

衝撃のスパイク。

 ワールドカップを前にして気になるニュースが入ってきます。
活躍が予想される選手の怪我のニュースです。
中でもイングランド代表が心配です。
主力の、オーウェン・ルーニー・Aコールら3選手。
彼らが、足の甲を骨折してしまいました。
http://www.tahara-seikei.com/977.htm
日本代表、柳沢選手も同じ箇所の骨折。
http://www.tahara-seikei.com/977a.jpg
ちなみに、この部分だそうです。
いずれの選手も足にタックルを受け、中足骨骨折。

 私の手元に、2006年最新スパイクモデルのカタログがあります。
ナイキ・アシックス・プーマ。
トップ5に入るであろう、メーカーの一番の売りはスピード。
スピードを出す為、軽量化を図ったモデルです。

私も、軽量化されたスパイクを試し履きしてみました。
確かに、軽いのです。
履いて動くと、素足に近く、驚くほど軽いのです。
ただ、ボールの衝撃は大きく伝わってきました。
キック・ボールコントロールの瞬間、叩かれたような衝撃。
軽量化と引き換えに、足を保護する機能を失ったのでしょうか。

朝日新聞では、今日のスポーツ欄で次のコメントを掲載していました。
「中足骨骨折は最近増えているようだ。
 因果関係を証明するのは難しいが、
 シューズの軽量化や靴底の形状と無関係とは思えない」
国際サッカー連盟スポーツ医学委員の慈恵医大、大畠襄客員教授。
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2006年01月27日

コーチの権限

 今月29日から、サッカー日本代表が、宮崎合宿に入ります。
1月29日〜2月9日まで。
いよいよ、ワールドカップイヤーの今年も本格始動です。
召集された選手たちは、天皇杯終了後、基本的にはオフでした。
ただし、完全休養をするのは、ほんの数日です。
少しずつ体を動かしながら、体のメンテナンスをしていきます。
こういった考え方を、アクティブレストとも呼びます。
長期間に渡って、完全に体を休めてしまうと、
再始動に、時間が掛かりすぎてしまう為です。

宮崎合宿に呼ばれた選手は、22名。
現在シーズン真っ最中の海外組は、もちろん呼ばれていません。
鈴木隆行選手が外れ、小野伸二選手が入るでしょうが、総数は22名です。
この人数を見て、何を思いますか?
GK3名を含めての22名。
「紅白戦が出来ないのでは?」
と思った方は、残念ながら、目の前の事しか見えていません。
開催時期によって、合宿の目的は変わっていきます。

 この時期、シーズン始動時の最大の目的は、フィジカルです。
様々なフィジカルトレーニングを行ない、
シーズンを戦いぬく下地を作っていきます。
選手にとっては、コンディションを高めていく絶好の機会です。

ジーコ監督を始めとするコーチ陣は、それらを観察する事が大きな仕事です。
「全体として、これが出来ていない」
「この選手は、ここの部分が弱い」
と言った現状を把握していき、年間プログラムに修正を加えていくのです。

 この合宿メンバー22名は、昨年末の26日に発表されました。
私は、Jヴィレッジで指導者講習会に参加していました。
現日本女子代表監督に感想をうかがうチャンスに恵まれました。
 もし私だったら・・・、の前置きの後に、興味深い話しをして下さいました。
「22名と言わずに、30人くらいは召集するよ」
「この時期から、一緒に始動しないと、個々の選手のコンディションが把握できない」
「この時期の合宿は、呼ぶ可能性が少しでもある選手は呼びたいね」
との事でした。

現日本女子代表監督は、最後にこう付け加える事を忘れませんでした。
「ただし、代表において、メンバー構成の権限は監督にある。
 ジーコ監督がする事に、口を挟める立場ではない」
「彼には、彼の考えが、私には私の考え方がある。
 それを尊重せな、ダメだよね」
明るく、優しい関西弁でのコメントでした。

ワールドカップまで、後、半年です。
さらに、目が離せなくなってきましたね。
posted by プロコーチ at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | フィジカル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月21日

大地をつかむ

 軽くDF当たられただけで、バランスを崩す選手を見ました。
試合中につまずいて、こけている選手を見ました。
雨の中でツルツルすべる選手を見ました。
そうかと思えば、当たられてもびくともしない選手、
土砂降りの雨の中でも普段通りのプレーをしている選手もいます。

もちろん、筋肉の鎧を身につけれれば、相手を弾き飛ばすことすら可能でしょう。
ただ、いくら相手選手とのぶつかり合いに強くても、
しなやかさ、クイックネスと言ったものを失ってしまえば、
プレーの輝きは衰えてしまいますよね。

 大相撲や、柔道の選手、あんなに大きな選手ですが、
滑ってこけるような事は少なく、かなりバランスが良いですよね。
彼らに共通するのは、そう裸足で居るということです。
裸足での感覚が体に染み付いているため、
地面の感覚、体の感覚のちょっとした変化を感じる事が出来るのです。

シアトルマリナーズで大活躍を続けるイチロー選手。
彼が、子供の時分に、父親から足裏のマッサージを毎日1時間ほど受けながら、
眠りについていたのは有名な話です。
また、プロゴルファーの丸山茂樹、金メダリスであるスピードスケートの清水宏保、
西武ライオンズの松坂大輔、・・・等等、例を挙げればいくらでも上がってきますが、
彼らは、幼少の時分より、裸足で毎日遊んでいた経験や、
裸足で居ることを奨励していた幼稚園・保育園に通っていたり、
など、裸足になった経験を持つ選手なのです。

 足の裏を、裸足か裸足に近い状態で過ごしていると、
二本足で立つことに必要な筋力をが発達していきます。
地球の重力に逆らって、立っているのは、辛いものなのですが、
彼らは、人よりもこの部分が発達しているのです。

また、裸足で居ることで、足底筋が刺激され、
足の感覚が鋭くなっていくのです。
もともと、人間の祖先はサルなので、足も手と同じように機能していたのです。
この感覚が、蘇っていくといわれています。

 ただ、幼少を裸足で過ごしていない方々はどうすればよいのでしょうか?
子供であっても、裸足で走り回ったりなどが出来ない環境にある子供は多いでしょう。
そのための割と手軽な方法を紹介します。

まずは、裸足になってタオルを手繰り寄せるのです。
この時、一本一本の指を意識して手繰り寄せることが重要です。

もう一つは、足の指でじゃんけんをする事です。
大きく、はっきりとグー・チョキ・パーとしていくのです。
この大きく、はっきりと言うのがポイントです。

さらには、疲れたときに、足の裏から全ての足の指のまたに指を差し込みます。
つまり、足裏と手の平が出会っている状態です。
そこで、揉んであげるとかなり疲れがすっきり取れるはずです。

 少しでも大地を掴めるようになったでしょうか?
体の動きが、違ったものになっていくはずです。
靴の中からでも大地をつかむこの感覚が持ちたいですね。
posted by プロコーチ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | フィジカル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月16日

身体能力のひとつ・・・・ボディバランス                                             ワールドユース(日本代表対オランダ・ベナン)から

今日の深夜,サッカー日本代表のコンフェデレーションカップ(開催国ドイツ),
対メキシコ戦が始まりますね。
どういった戦いを見せるのでしょうか?楽しみですね。

その前に、隣国オランダにて,20歳以下の世界選手権,
ワールドユースが開催されてます。
予選2試合を終わって,1分1敗と、苦戦を強いられてます。
試合を見て最も感じる事が、普段なら取られない形でボールを奪われる。
普段ならやられない形で,やられてしまう。
世界標準との差と言ってしまえばそれだけなのですが・・・。

相手2チームに共通していえることは、
アフリカ系黒人のパワーが核になっているという事です。
2002年ワールドカップでは、ベスト8進出国のうち5チーム、
ユーロ2004年ポルトガル大会では、ベスト4進出国のうち2チーム、
今年のヨーロッパチャンピオンリーグ,ベスト4進出国に至っては4チーム全て、
にアフリカ系黒人がメンバーとして活躍していました。
アフリカ系黒人のパワーが、原動力の1つになっているのです。

 では、簡単に身体能力と言いますが、何が違うのでしょうか?
スピード・パワー・跳躍力。
様々な点がありますが、特にアフリカ系の黒人は
バランス感覚,つまりボディバランスに優れています。
サッカーのように動きが激しく、相手との接触があるスポーツでは、
身体の重心移動が激しく,重心位置が捉えにくいです。
相手との競り合い,ボールコントロール後、
次のプレーに入る前に、とっさに重心の位置を判断して
体勢を整えなければなりません。

しかも,この動きは1度や2度でなく、
繰り返し,繰り返し断続的に行なわれます。
この重心の位置を速く判断する事が出来れば、
スムーズにプレーを行ないつづける事が出来るのです。

このボディバランスの良さが、
「思わぬところから,足が伸びてくる」
「一気に加速され,置いて行かれた」
といった事につながっていきます。

止まった状態でバランスを保てる事(ボディバランスの維持)
動きながらバランスを修復する事(ボディバランスの修復・修正)
こういった視点でトレーニングに取り組んでいく事が必要になってくるでしょう。
・身体能力の差があるから1対1を避ける
・身体能力の差を埋める為にグループで動く
世界でベスト10を目指すのなら、これでは必ず足りません。
日本チームが競り合いで凌駕する,そんな光景を想像したいものですね。

posted by プロコーチ at 14:29| Comment(0) | TrackBack(1) | フィジカル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする