2018年07月07日

どちらから始めるか?

 WーUPの見どころは、たくさんあります。

どれくらいの長さするのか?

何に重きを置くのか?

限られた時間の中で、取捨選択。

この取捨選択こそが、監督の腕の見せ所。

実際には、現場に監督は出てこずに、コーチが担当していますが。

例えば、ブラジルは、あまりピッチでたっぷりするイメージはありません。

スタジアム内にある、室内のスペースで体を動かしておく。

狭くても、そのスペースでボールを使うメニューも実施します。

「試合に向けて真面目やってるの?」と思うかもしれませんが、実はこっそりと。











 例えば、21時キックオフなら、選手たちが出てくるのが、20時15分。

大体、どのチームもキックオフの45分前くらいですね。

それより前に出てくるのが、GKチーム。

GKコーチと、3人のGKが一番にピッチに入場します。

ペナルティエリア内を、ジョッグ。

腕を回したり、サイドステップ、バックステップなど、体をほぐします。











 その後、何を始めるのか?

ここで、2タイプに分かれます。

昔ながらのやり方は、軽いキャッチボール。

正しい構えから、キャッチング。

投げてもらったボールをキャッチ。

軽く蹴ってもらったボールをキャッチ。

キックするボールを徐々に強くしていく。。

そして、コースも狙ってシュートストップ、クロスボールの対応など。

GKとしてのスペシャルなトレーニングを続けていく。











 もう一つのやり方は、足でのプレーから始める。

対面で短いボールをコントロール、パス。

浮き球を足で処理する。

胸でコントロールして、パス。

など、手を使わずにボールを処理するトレーニングから始めるチームも増えてきています。

そして、その時間も、少しずつ長くなっている印象があります。









 イングランドのGKのアップ。

彼らが足でのトレーニングに割く時間が、一番長かったです。

イングランドは、長いボールを蹴飛ばす印象があるかと思いますが、それは一昔前。

GKコーチと、2人の控えGKが、トレーニングパートナーです。

彼らが取り組んでいたのが、コントロールして角度を変える。

そして、正確なパス。

10Mほどの距離から、少しずつ距離を伸ばしていきます。

最後は50Mまで距離を伸ばしました。

距離が長くなると、パスもブレていきます。

何度も繰り返すうちに、キックの精度が上がり、コントロールが正確になっていきます。

この時間で、彼らが上達しているのではありません。

元々持っているものを、チューニングして使える状態に持っていっているイメージ。












 試合でも、GKも活用しながら、後方からビルドアップ。

GK、3人のセンターバック、アンカーの1人。

5人が、ユニットを組んで、パスを回して、組み立てます。

そして特徴的なのが、センターバックがボールを保持した時に、センターバック同士が斜め後ろに入らないこと。

ほぼ、横一直線に並んだままで、組み立てます。

相手FWが前からプレッシャーをかけてきたら、危ないようにも感じます。

でも、ここで積極的にGKを使います。

後ろで待つGKをボールサーバーの様に使うのです。

センターバック同士の中途半端な横パスを奪われると、一気に失点の大ピンチ。

そうならないように、お互い斜め後ろに入って、助け合うのが、旧来のやり方。

でも彼らは、斜め後ろに入って助けようとしない。

後ろはGKに完全に任せる。

その分、一つ前で出て行ったり、サイドに開く。

前進するための、積極的なポジションを取るのです。











 試合でも、5人でのユニットが、機能していました。

その最後方でカギとなるのが、GKピックフォードでした。

相手をドリブルでかわすようなトリッキーなプレーをするわけではありません。

彼が、正確にコントロール、そして精度の高いキックを繰り返す。

この約束を遂行するための、イングランドGK陣のアップだったのです。

試合でも、何度もパス&サポート。

様々な正確なパスを、手堅く通していきます。

センターバックも、何度も後ろにパス。

彼らのピックフォードへの信頼を感じます。

GKを活用することで、数的有利を作る。

現代のGKに求められている、大切なプレーの一つですよね。












 私がブラジルで観たリーグ戦でも、同じ光景がありました。

クルゼイロのGKのW-UP。

とことん、足を使ったプレーを繰り返していました。

グラウンダーだけでなく、浮き球の処理も、確認。

本当に長い時間を、足でのプレーにあてていました。

アップに費やした時間は、手を使ったプレーよりも、足でのプレーの方が長かったのです。

パスをつないで試合を作るスタイルのクルゼイロ。

GKも、もちろんフィールドプレーヤーレベルの足元が求められる。












 このように、何を、どのように、どれだけ時間を使っているのか?

それは、フィールドプレーヤーはもちろん、GKもです。

チームとして、何をしていきたいのか?

各プレーヤーに、どのような役割を持たせるのか?

我々は、試合前のミーティングを聞くことが出来ません。

でも、アップに大きなヒントがあります。

試合1時間前から始まっている戦いにも、注目してください。

posted by プロコーチ at 01:14| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月04日

ファルカオに学びたい。

 コロンビア対イングランドを観戦。

試合前から、両サポーターが熱く盛り上げています。

イングランドサポーターは、今回少な目。

ドイツワールドカップで、街を占拠するかのような勢いは、全くありませんでした。

コロンビアは、人も多く、熱量も高い。

チームに期待しているからでしょうね。

コロンビア人は、どこから現れたのか?

ちょっと聞いたら、ヨーロッパに出稼ぎの人と、母国からはるばる来ている人とが混在でした。





 この試合、つい、コロンビアを見てしまう。

南米好きもあります。

そして、日本と同じグループだったことも気になります。

このチーム、ハメスロドリゲスがいないと、凡庸ですね。

怖さがない。

中盤がない。

意外性もない。

高さで圧倒的に負けている前線に、高いボールを入れる。

跳ね返される。

見てて、ガッカリするシーンが何度も繰り返されます。

サイドのモジカ、クアドラードの仕掛けからのクロス。

こちらの方が、可能性高そうです。

でも、中がファルカオ一人では、厳しい戦いです。











 そのファルカオ。

スタジアムで見ると、そのスゴさがよく分かります。

身長が、177センチとあるのですが、175もないくらい?

イングランドのセンターバックは、180後半に、190超え。

中盤の組み立てが出来ない、コロンビア。

ファルカオさんお願いします。

と言わんばかりの縦パスが入り続けます。

浮き玉は、さすがに厳しいファルカオ。

でも、グラウンダーのボールは、ほぼ収めてくれます。

1タッチで逃げず、足元でボールキープ。

仲間のために、時間を作ってあげます。

我らが大迫のあのポストプレー。

これを、さらに高めたと言えば、伝わりやすいでしょうか。







 しかもファルカオは、サイドや、中盤に逃げていかない。

背中からの圧力が強いと、それを嫌うように逃れて行きます。

ファルカオは、最もプレッシャーの厳しい、中央の高い位置。

ここで、ボールを収めてくれる。

周りの選手は、本当に助かっているでしょうね。

ここにハメスが絡んで、そしてサイドが駆け抜けて!

本当は、そういうイメージだったのでしょう。









 このポストプレー。

南米の選手が、得意としています。

日本だと、相手に触られる前に、動きながらボールを受ける。

相手DFから遠ざかりながら、ボールを受けようとするのではないでしょうか。

だから、サイドに流れたり、中盤に落ちてくる。

でも彼らは、相手DFにあえて近づいて、体を引っ付ける。

低い体勢で、当たり負けない準備。

そして、ボールを受ける寸前に、相手にわざと近づく。

近づくタイミングがいいですね。

相手がボールや、周りを見た瞬間。

相手DFの目線を、よく観察して動き出していました。

いいタイミングで、先に背中や、お尻をぶつけていく。

ボールにはあえて近づかずに、相手から離れない。

背中やお尻を押し付け続け、ボールをコントロール。









 体のぶつけ方も、技術である。

日本でも、コンタクトスキルと呼んでいます。

重要性が少しずつ浸透しているのでしょうか。

でも、あまり見ませんよね。

体で負ける外国人選手には、ぶつかる前に?

ファルカオは、身長、体重では、何階級も下ですよ。

日本にいても、体だと、目立たないサイズです。

ルカクやフェライニのような巨人ではありません。

それでも彼は、体を張り続けました。

空中戦も勝つことは少なかったですが、挑んでいました。

体を使うためには、あの精神力も必要でしょうね。









 日本人らしい技術は、もちろん大事。

いつも体をぶつけ合っていては、消耗してしまう。

でも、ファルカオが見せてくれた体の使い方。

コンタクトスキル。

人がいるなかで、どのように力を発揮するのか?

これも磨いていきたいです。
posted by プロコーチ at 18:41| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月03日

メキシコの意図、ブラジルの力

ロシアのサマラで、観戦してきました。

とにかく暑い。

日差しが強く、帽子を慌てて買いました。

乾燥しているため、日本ほど「暑いー!」たいう感じではないのですが。

イメージしているロシアとは違いましたね。

観戦したのは、メキシコ対ブラジル。

両チーム共に、私が追いかけ続けているチーム。

少し複雑な気持ちですね。

それでも、スタジアムで観戦出来る喜びを味わっていました。






メキシコは、周到な準備をしていたようです。

彼らのWUPは、常に注意深く見るべきです。

試合で何をしたいのか?

そこが、いつの大会でも、ハッキリと見えてくるからです。

今回、彼らが力を入れていたのは、2つ。

5対5のポゼッション。

控えメンバーにも、トレーニングをさせます。

多くのチームは、控えは、別メニュー。

実際、ブラジルは、ボールを回してリラックスムード。

でも、メキシコは、2ヶ所で、5対5。

20人でグループの守備と、パスの確認をしていました。

集団の一体感を出す狙いもあったと思われます。





もう一つ、長く時間をとっていたメニュー。

それは、中距離のパスです。

およそ、30数Mの距離で向かい合ってミドルパス。

他のキックは、すぐ終わるのですが、これだけは念入りに。

スタメンの10人全員が、何度も何度も蹴り込んでいました。

同時に、長いボールのコントロールも出来ますよね。

少し珍しい光景だな、と観ていました。

自由に動きながら、ボールを蹴る。

そのなかで、蹴りたい選手だけが、長いボールを。

これは、よく見る光景なのですよね。











試合が始まると、WUPの意図がすぐに分かりました。

メキシコは、得意のショートパスを使って組み立て。

を、ほとんど見せない。

低い位置から、サイド目掛けて長いボールを入れます。

いつもよりも、かなり早いタイミングです。

そして、ブラジルのサイドバックと1対1を仕掛けるためです。

しかも、カットインの回数が多かったです。









この作戦、ブラジルの弱点をつくため。

ブラジルの弱点は、中盤の守備にあります。

中央のカゼミロの両脇が、空きがち。

コウチーニョと、パウリーニョが前に出た背中ですね。

サイドの深い位置は、ブラジルの両ウイング、ウィリアンとネイマールが守備を助ける約束です。

でも、今、名前を挙げた4人は、攻撃の仕事があります。

そして、守備時には、前からボールを追う仕事もあります。

完全に押し込まれた時は、戻って、両脇を固めます。

ボールがハーフウエーラインを越えるまでは、カゼミロの両脇は、かなり空いています。





メキシコは、その両脇を使う手段を幾つか準備していました。

その一つが、これです。

早いタイミングで、ロングボール。

そして1対1の間に、ドリブルを仕掛けて行く。

何度も、同じ形からチャンスを作っていましたよね。

これがゴールにつながれば、違う結果になっていたかも知れません。





一方、ブラジルも、長いボールを使っていました。

サイドチェンジに使うためです。

ボールサイドを固められた。

後ろに戻して、センターバックか、ボランチがロングキック。

ところが、このキックが、あまり良くない。

味方のもとには届くのですが、質が低い。

回転も悪く、スピードが出ない。

サイドチェンジ終えたときには、メキシコの守備がスライドを終え、寄せてきている。

特に、前半の精度は低かった。

上から見ていると、球質がよく分かります。

ブラジル代表と言えども、アップが必要なのですね。






このメキシコの攻撃が効果的だったのも、最初だけ。

前半20分過ぎには、修正してきました。

チッチ監督が、選手を呼び寄せて指示。

それ以降は、抑えてきました。

おそらく、2つ。

逆サイドのサイドバックのポジショニング。

ロングボール、特にサイドチェンジに備えて、中央に絞り過ぎない。

もう一つは、中盤のポジショニング。

前から追いすぎないで、カゼミロの脇を固める。

結果、サイドでのスピードに乗った1対1が減りました。

サイドに長いボールを蹴られても、準備ができている。

すぐに、2対1の形になって、ドリブルを外側に追いやる。

この辺りの対応能力は、さすがブラジル。

監督の指示に、すぐさま反応し、相手を封じ込める。

技術の高さもスゴいですが、ブラジルの力は、この辺りにもありますよね。






書きたいことが止まりません。

また、続きを別の機会に。

posted by プロコーチ at 23:12| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月02日

これか!!

ロシア対スペインの試合、熱かったですね。

個々のボールを扱う能力や、所属するクラブ、それに伴う一人一人の市場価値。

恐ろしいほど差がありました。

でも、その差を埋める奮闘を開催国のロシアが見せてくれました。




 スペイン対策は、かなり練ってきたようです。

DFラインは、5枚にしてサイドのスペースを埋めてしまう。

中盤も、工夫していたように見えました。

前からボールを居っているときは、3枚で中央を分厚く。

深くまで侵入されたら4枚にして、サイドも中央もケアできるように。




 何よりも、スペインの代名詞でもある、エントレリネアスを警戒していました。

ラインとラインとの間でボールを受けるプレー。

「ここ誰が見るの?」と相手に思わせ、対応を後手に回させる。

それでは、相手は崩れないのですが、一歩先手を取ることで、相手が後追いになってしまう。

気がついたら、ドフリーの選手を作ってしまい、ズドン。

スペインの定番であり、得意なプレー。

そんな狭いところでも!間を取るのが、彼らのすごところです。

このエントレリネアスは、縦パスで入るものと、
横から間を取るものとがあります。

 



 ロシアは、とにかくエントレリネアスをさせない努力を続けました。
 
縦パスに対しては、常に責任をハッキリ決める。

縦パスが入った瞬間、身体ごと刈り取ってしまうくらいの激しさ。

そして、中盤の選手もプレスバックで挟む。

まるで、縦パスを待っていて、あえて縦パスを入れさせたのかというくらいの早さです。

横からのエントレリネアスに対しては、スライドを早くして、サイドでもフリーを作らない。

最終ラインが5枚なので、スライドもさらに早い。

中盤は、ボールラインよりも下がる意識が強かったです。

通常、横からは、エントレリネアスしやすいのですが、そのスペースすらないくらいのコンパクト。

これだけ守備を考えると、下がりすぎる危険性もあります。

ファールトラブルや、ミドルシュートが怖い。

そこも、スペインがボールを下げると、頑張ってラインアップ。









 文字に書くと簡単ですが、最後の最後まで、やりきりましたね。

スペインのポゼッションは、75%。

パスの本数は、1000本を超えました。

圧倒的に、攻めたのですが、結局FKでのオウンゴールのみ。

途中から入ったイニエスタが、違いを見せていました。

試合しながら、先生が授業をしていましたね。

ロシアの圧力にビビって、エントレリネアスをしなくなったスペイン。

イニエスタは、ボールの受け方、出し方、さらにはドリブルでの侵入。

プレーで見せ続けました。

途中、ピケに説教するシーンもありましたよね。

「ここは、間に入れろよ!安全に回すだけじゃないだろ!」

そう言ってたように、私には感じました。

その後、エントレリネアスを活用しながら、ゴールに迫り出しました。

ボールロストも増えたと思いますが、なにかを思い出したように見えました。








 それでも、最後は身体を張って、ゴールを死守したロシア。

常に、カウンターも狙いながら。

選手全員が、実直に走っていましたよね。

センターバックと左のウイングバックは、早々に足をつっていましたよね。

それでも監督は、そこは変えずに、前線にフレッシュな選手を入れました。

監督の無言の檄に、選手は応え続けます。

観客の声も後押ししてくれ、最後まで走り抜けたロシア。










 感動的な試合を見せてくれました。

何人もの日本人が思ったはずです。

前回ブラジル大会でのアルジェリアにも、もちろん近い雰囲気を感じましたよね!?

「ハリルホジッチ前監督が作りたかったのは、こういうロシアのようなチームだったに違いない」と。

本当に、いいものを見せてもらいました。

近くにいながら、カフェで観戦したのが、本当に残念でたまりません。
posted by プロコーチ at 04:30| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月28日

策士

 グループリーグ突破をかけたポーランド戦の、メンバーが発表されました。

戦前の予想通り?大幅なメンバー変更がありました。

センターバック、ボランチ、両サイドハーフ、そしてツートップの2人。

計6人のフレッシュな選手が入りました。

勝っているチームは、変えない!

昔からの鉄則を無視。

この変更が、何をもたらすのでしょうか?







 私は、想像しました。

日本人のことを深く理解している、西野監督。

おそらく、最低でも、前半は引き分け以上で終えることが出来る。

その自信があったのではないでしょうか。

そして、勝負所は、後半。

後半の交代のカードが豊富にあります。

今までは、有効なカードは、本田しかありませんでした。

でも、このポーランド戦は、乾、原口、大迫、香川、攻撃的な切り札を抱えています。

状況によって、これだ!と言うカードを切ろうとしている。

これが、西野監督の策。

もちろん、イエローカードのファールトラブルも気にしているとは思いますが。











 どの選手を送り出すのかは、監督だけが決めることが出来ます。

それを信じて!!応援しましょう。


posted by プロコーチ at 23:28| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月27日

メッシは歩く

 苦しみながらも、アルゼンチンがグループリーグを突破しました。

最後の10分まで、敗退の危機。

厳しい戦いでしたが、勝負強さを見せました。

対戦したナイジェリアは、引き分けでもよかったのですが、痛恨の失点。

守備の組織は、あまり体を成していなかった。

人が、後方にいるだけのブロック。

ブロックと言うには、穴だらけの塊でした。

彼らにとっては、自分たちの時間帯で、追加点を奪えなかったのが、敗因でしょうね。











 この試合、メッシが先取点を決めました。

相手の裏に飛び出して、マークを外す。

ミドルパスを走りながら、太ももでコントロール。

落ち際をインステップで優しく触り、DFの足が届かない場所に置く。

苦手な右足で、逆サイドに突き刺しました。

トラップしてから、一度も、ゴールを見なかったメッシ。

感覚的に、ゴールの位置が分かっているのでしょうね。

その分、ボールをインパクトすることに集中。

利き足ではないのに、素晴らしいシュートでした。









 メッシの足元にボールが入ると、時間が生まれ、相手DFは集結。

周りの選手が楽になりますね。

この試合でも、メッシは変わらず、歩いていました。

走ったのは、ボールが欲しい瞬間。

そして、ボールが奪えそうな瞬間。

もう一つは、数少ないのですが、ボールを奪われた時。

ほとんど、歩いていました。

それでも、先取点を決めました。











 このスタイルが、非難されています。

「メッシが走らない分、ほかの選手の負担が大きい」

「メッシが走らないから、パスが出てこない」

などなど。

アルゼンチンが2試合終わっても、勝てていなかったせいでしょうね。

かなりの非難が集まっていました。

メッシにしてみれば、何をいまさら、と言う感じでしょうか。

メッシは、いつも歩いています。

何年も前から、変わっていません。

代表でも、所属クラブのバルセロナでも歩いています。






 私が小学生を指導していて、FWの選手に聞いたことがあります。

5年ほど前のことです。

「君は、あまり走らないね。」「今、何を考えていたの?」

問いかけました。

すると、面白い答えが返ってきました。

「メッシの真似をしているの、メッシもずっと歩いているから」

なるほど、その少年が歩いていたのは、サボっていたのでも、ノーアイデアだったのでもなく。

メッシの真似をしていたのです。

「メッシはボールが来そうになると、走ってるよ。」「そこもメッシの真似をしてごらん。」

私は答えました。

このやり取りは、何年たっても忘れられません。












 メッシが歩くことは、みんな知っています。

もちろん、チームメイトも監督も。

それでも彼を使うのは、彼が出ている方が、チームにとってプラスになるから。

他の選手と同じ動きを求めるなら、メッシを使う必要性はない。

メッシが、メッシであるためには、周りの選手がメッシのためにぷれーしなければならない。

それが嫌なら、チームを抜けること。

バルセロナでのネイマールのように。

メッシはこれからも歩き続けるでしょう。

チームが勝つためには、メッシ以外の選手の組織をいかに向上させるか?

この一点に尽きると思います。
posted by プロコーチ at 18:52| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月23日

不用意なミスを減らしたい

 日本がコロンビアに勝利した試合。

本当に結果は、素晴らしいものでした。

先制点を奪って、追いつかれたものの、追加点は許さない。

セットプレーから決勝点。

日本らしい、細かい展開や、主導権を握るためにパスを回す。

攻撃の選手も、チームのために犠牲心を強く持って、走り続ける。

しかも、交代で入った本田が、決勝ゴールのアシスト。

監督の采配もハマり、次の試合にもいい形で入って行けそうです。








 ただし、忘れてはならないこと。

コロンビアは、開始早々に1人退場して、10人になっていること。

そして、コロンビアが日本を格下に見て、なめてくれていたこと。

前回のベスト8以上を狙うコロンビアのコンディションが、ピークではなかったこと。

決勝トーナメント以降に、ピークが来るように、チームとして設定していたのではないか。

後半の途中から、驚くほどに、足が止まっていました。

本気のコロンビアに比べると、何割か、落ちていた状態だったでしょうね。

そのコロンビアに、ギリギリで勝利した日本代表。

元々のベースの違いに加えて、自滅とも言える、プレーが散見されました。












 日本は、先取点を奪いました。

そして、2点目となる決勝点を奪いました。

試合を観戦していて、落ち着いて観ることは出来ましたか?

常に、ハラハラドキドキしていたのではないでしょうか。

少なくとも私は、心境穏やかではありませんでした。

だからこそ、タイムアップのホイッスルの瞬間に、歓喜が訪れたと言えるのですが。

もしかすると、やられるのではないか?

1点勝っていて、しかも1人多いチームのはずなのに。











 試合をどのように終わらせるのか?

試合を殺してしまう。

試合のテンポを落としてしまう。

お手本は、コスタリカ戦のブラジルです。

1点を取るまでは、ナバスを中心としたコスタリカの守備陣を崩せずにいました。

後半に入ったら、かなりペースを上げて、ゴールに迫り続けました。

このテンポアップは、迫力満点。

ところが、先取点を奪った瞬間に、一気にペースダウン。

ボールは握り続けるものの、明らかにスピードを落としました。

そして、サイドから攻める様子を見せ、縦パスを入れるも、後ろに下げ、サイドチェンジ。

入れては、落として、片方に寄せて、サイドチェンジ。




ちなみにコスタリカは、早くボールを奪って攻めたいのですが、触ることすら出来ません。

焦ってボールを奪いに行った瞬間、ワンツーなどでサイドを突破し、ゴール前まで侵入するブラジル。
 
自分たちでギアをチェンジして、試合のテンポを操る姿は、勉強になりますね。

日本は、ピュアに攻めてしまい、ボールを奪い返され、カウンターのピンチを迎える。

慌てて、ボールを回収するために、切り替えて、不必要に走っていました。

ブラジルの攻めるふりだけをして、時間を稼ぐようなポゼッションは、日本にとっては難しいものなのか。

日本の時間を稼ぐようなポゼッションは、拙いものでした。

行けるから、攻める!というのは、ちょっと、、。








 失点シーンも、何とかしたいですね。

ゴール前からのフリーキックを直接決められて、失点。

シュートは素晴らしかったのでしょうが、本当に何ともならなかったのでしょうか?

セーブできそうで出来なかった、川島の反応が鈍い?のでしょうか?

ポジショニングが悪かったのでしょうか?

ちなみに、壁の作り方はおかしくないでしょう。

左足でカーブをかけて決められないように、配列させてます。

川島も、妥当な位置に立ってますし、プレジャンプも大げさでなく、動き過ぎていませんでした。

川島の責任を問うべきではないと、私は考えます。










 このシーン、ジーコ元監督が見ていたら、激怒していたと思います。

彼自身が、現役時代は、素晴らしいフリーキッカーでした。

現代、ブラジル国民が投票したのですが、歴代最高のフリーキッカーに選ばれるほどの選手でした。

日本でも、美しい放物線のシュートを見せてくれましたよね。

そのジーコは、常々、選手に指導していました。

「ゴール前で不用意なファールをしないこと」「相手にFKのチャンスを与えないこと」

コロンビアの選手は、コロコロと何度もコケていました。

反則を欲しがる動きは、気持ちのいいものではありません。

このシーンも、長谷部は何もしていません。

が、ファールをもらったファルカオは、意図的でした。

長友のクリアミスが、ポーンと空中にボールが浮いた。

長谷部がボールだけを見て、処理しようとする目線を観察。

気づかれないように近づいてストップ、長谷部にぶつからせて、ゴロン。

見事、FKをゲットしました。

南米人の持つ、ずる賢さに、まんまとやられてしまったのでしょうか。












 そして、ジャンプした壁の下をすり抜けたフリーキック。

これも、ジーコ監督の教えは、違います。

「壁はジャンプするな!」

壁側は、壁を信じろ。

GKは、壁が無いサイドを守れ。

こうすれば、壁側からゴールに向かってくるボールは、GKが間に合う可能性が出てくる。

壁を越えて、ゴールに向かうので、高さが必要。

ボールが高く上がる分、GKが間に合うかもしれない。

ただし、壁が壊れたり、間を抜けたり、今回のようにジャンプした足元を抜ける。

これは、GKは、ノーチャンス。

ジーコの前のブラジルの10番リベリーノ。

彼がワールドカップで決めたゴールは、伝説です。

ブラジルがゴール前でフリーキック。

壁の中に、ブラジルの選手が入り込んでいる。

キックの瞬間、その選手が、バタンと倒れる。

壁の間に、一人分の隙間を作ると、そこに強烈で正確なシュートが通り、見事なゴール。

ジーコ元監督は、このようなイメージを持っているからこそ、壁は、壁として仕事をさせたのでしょうね。












 ワールドカップで上に行くチームは、このようなミスを犯さない。

まだ未勝利のアルゼンチンは、驚くようなミスをしてしまっていますよね。

敗れるべくして、敗れたと言えるでしょう。

上に行くチームは、もしミスを犯しても、必ず修正してくる。

日本がセネガル、ポーランドから、勝ち点を取るのなら、同じミスをしないこと。

84%のアドバンテージを活かして欲しい!!
posted by プロコーチ at 20:06| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月21日

ホームのメリットはあったのか?

 グループリーグ初戦を終え、

日本が84%という高い確率で突破することが分かりました。

過去3大会の統計を取った事実です。
http://futebol.seesaa.net/article/460095686.html

日本の過去の大会でもそうですよね。

一方、ドイツがグループリーグで消えてしまう確率も、これまた87%と高い確率。

前回も、スペイン、ポルトガルという強豪が、初戦に敗れ、グループリーグで消えてしまいまいした。

2010年大会では、初戦に敗れたスペインがワールドカップを制覇したので、

13%と言えども分かりませんが、、。








 同じ初戦の結果を、ヨーロッパ対南米で考えてみました。

南米には、北中米カリブ海の枠も入れています。

知りたかったのは、ホームとしてのメリットがあるのかどうかです。

多くの選手がヨーロッパでプレーしている現在、まだ存在するのか?

世界のトレンドをけん引している、ヨーロッパの優勢が露わになるのか?

ここからも、面白い数字が見えてきました。

一つの大会だけを見ても、ピンとこない部分はあるのですが、並べてみると、面白いものです。








 2006年ドイツ大会。

優勝国はイタリアでしたね。

グループリーグ初戦の結果。

ヨーロッパ勢、7勝3分け4敗。
(勝ち点獲得率57%、つまり全勝なら42点の勝ち点を取っていたが24点だったので。)

南米勢、4勝1分け3敗。(勝ち点獲得率54%、以下同じように考えます。)

ヨーロッパの国は、14チーム中10チームがグループリーグ突破。

南米は、8チーム中4チームがグループリーグ突破。




 2010年南アフリカ大会。

優勝国はスペイン。

グループリーグ初戦の結果。

ヨーロッパ勢、4勝5分け4敗。(勝ち点獲得率43%)

南米勢、3勝4分け1敗。(勝ち点獲得率54%)

ヨーロッパは、13チーム中7チームがグループリーグ突破。

南米は、8チーム中7チームがグループリーグ突破。




 2014年ブラジル大会。

優勝はドイツ。

ヨーロッパ勢、6勝1分け6敗。(勝ち点獲得率48%)

南米勢、7勝0分け3敗。(勝ち点獲得率70%)

ヨーロッパは、13チーム中6チームのグループリーグ突破。

南米は、10チーム中8チームがグループリーグ突破。
 




 ここまでの3大会を見ると、はっきり出ました。

ヨーロッパの国々が力を発揮できるのは、ヨーロッパ開催の時である。

南米、中南米カリブ海の国々は、環境が悪くても、力を出せる。

ヨーロッパ以外の国なら、南米開催でも、アフリカ開催でも結果を出せる。

2002年大会も、フランス、ポルトガルなど、優勝候補のヨーロッパ勢が崩れていきました。

そして、優勝はブラジルでしたよね。

2010年、2014年大会のヨーロッパの脆さ、弱さは驚くほど。

優勝国がスペイン、ドイツでしたので、もっと、活躍しているイメージがありました。

全ての国を並べると、びっくりするほどに、結果を出せていませんよね。












 では、今回、ロシア大会はどうだったでしょうか。

端っこではありますが、ヨーロッパである、ロシアでの開催です。

グループリーグ初戦。

ヨーロッパ勢、8勝4分け2敗。(勝ち点獲得率66%)

南米勢は、2勝2分け4敗。(勝ち点獲得率33%)


これまた、はっきりと、数字が表れていますね。

グループリーグ突破を予想してみます。

ヨーロッパ勢10〜12、南米2〜3、その他の地域から3、と言う感じです。

圧倒的にヨーロッパ勢が、ホームのメリットを享受しています。












 この数字には、かなり驚いています。

南米の代表選手は、多くがヨーロッパでプレーしている。

情報化が進み、お互いの戦力や状況は、把握し合っている。

今回で言うと、南米のデメリットも、ヨーロッパのメリットも少ないのでは?!

それが、私の立てた仮定でした。

統計的事実は、全く異なりました。

2018年の現在であっても、どこで開催するのか?!

これによって、大きく結果が左右されるのです。

さて、まだまだワールドカップは続きます。

楽しみましょう。
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2018年06月20日

現在、84%。

 日本が、見事にコロンビアに勝利しました!

あの退場が無ければ、どうなっていたのか?

それくらい、コロンビアは力のあるチームでした。

ただ、コンディションがあまり良くないように見えました。

60分を過ぎたあたりから、ピタッと足が止まりました。

おそらく、決勝トーナメント以降に、コンディションのピークを持っていこうとしてた?!

特に、ハメス・ロドリゲスはその傾向が顕著でした。












 ここ3大会でのグループリーグ初戦の星取表を確認してみました。

2006年ドイツ大会。

初戦、勝利したチームが決勝トーナメントに進出する確率は、85%
(13チーム中11チーム)

初戦、引き分けだったチームが決勝トーナメントに進出する確率は、50%
(6チーム中3チーム)

初戦、敗れたチームが決勝トーナメントに進出する確率は、15%。
(13チーム中2チーム)

一方、

初戦、勝利したチームがグループリーグ敗退する確率は、15%
(13チーム中2チーム)

初戦、引き分けだったチームがグループリーグ敗退する確率は、50%
(6チーム中3チーム)

初戦、敗れたチームがグループリーグ敗退する確率は、85%。
(13チーム中11チーム)





2010年南アフリカ大会。

初戦、勝利したチームが決勝トーナメントに進出する確率は、80%。
(10チーム中8チーム)

初戦、引き分けだったチームが決勝トーナメントに進出する確率は、58%。
(12チーム中7チーム)

初戦、敗れたチームが決勝トーナメントに進出する確率は、10%。
(10チーム中1チーム)

一方、

初戦、勝利したチームがグループリーグ敗退する確率は、20%。
(10チーム中2チーム)

初戦、引き分けだったチームがグループリーグ敗退する確率は、41%。
(12チーム中5チーム)

初戦、敗れたチームがグループリーグ敗退する確率は、90%。
(10チーム中9チーム)





2014年ブラジル大会。

初戦、勝利したチームが決勝トーナメントに進出する確率は、86%。
(14チーム中12チーム)

初戦、引き分けだったチームが決勝トーナメントに進出する確率は、25%。
(4チーム中1チーム)

初戦、敗れたチームが決勝トーナメントに進出する確率は、21%。
(14チーム中3チーム)

一方、

初戦、勝利したチームがグループリーグ敗退する確率は、14%。
(14チーム中2チーム)

初戦、引き分けだったチームがグループリーグ敗退する確率は、75%。
(4チーム中3チーム)

初戦、敗れたチームがグループリーグ敗退する確率は、79%。
(14チーム中11チーム)









 つまり、初戦、勝利した日本代表が、決勝トーナメントに進出する確率は、84%。
(37チーム中31チーム)

逆に、グループリーグ敗退する確率は、16%。
(37チーム中6チーム)


今まで、日本代表はどうだったでしょうか。

ドイツ大会では、初戦敗退で、グループリーグ敗退。

南アフリカ大会では、初戦勝利で、決勝トーナメント進出。

ブラジル大会では、初戦敗退で、グループリーグ敗退。

傾向通りの結果となっています。

さた、今大会の日本代表は?!


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2018年06月18日

どんなワールドカップになるのか。

 ロシアワールドカップが開幕しました。

早くも、熱戦が繰り広げられています。

寝不足な日々が続きそうです。

フットボールへの愛で、乗り切りたいですね。









 この時差を感じるたびに、日本は世界のトップシーンとの距離を感じます。

チャンピオンズリーグの時も、同じですね。

向こうのゴールデンタイムは、日本では真夜中?早朝?

この距離が、日本のフットボールの進化をするためには、重荷になっているようです。

情報化社会が進み、交通手段が発達したとは言え、まだまだ、何千キロもの距離は遠い。

ちなみに、東京からモスクワは約7400キロらしいです。









 ワールドカップでは、どのような試合になるのでしょうか。

予想されるのは、いい試合がたくさん観れそうだということ。

一応ヨーロッパなので、タレントたちが普段とあまり変わらない環境でプレーできる。

スタジアム、芝も、整備されている。

そして何より、高温、多湿ではないということ。

ブラジルの北部は、暑く、湿度がまとわりついてきました。

南アフリカは、標高の高い場所、気温がやたら低い場所。

この2大会は、厳しい環境との戦いでもありました。














 今回は、整った環境で、選手たちが気持ちよくプレーできるのではないでしょうか。

まるで、ユーロ・ヨーロッパ選手権のように。

つまり、選手たちが、自分の持っている力を発揮しやすい環境です。

すると、現在の世界のフットボールのトレンド通りの戦いが予想されるのです。

「テクニカルに、スピーディーに、コレクティブに、そしてタフに」

この全てが揃っているチームだけが、勝ち抜いて行くことが出来るでしょう。

技術が高いだけのチームでは、勝ち進めない。

走るだけのチームは、善戦するでしょうが、これまた勝ち進めない。

精神的に弱いチームは、もちろん上がれないでしょうね。










 
 ちなみに、日本代表が勝ち進めるかどうか?

この観点で見てください。

・テクニカルでしょうか?(攻守両方の技術)

・コレクティブ(組織が構築されている)ですか?

・スピーディーですか?(攻守、守攻の切り替え、ランニングスピード)

・タフですか?(サボるなんて論外、戦っていますか?ぶつかってますか?)










 賢く、犠牲心を持ったアスリートが、素晴らしい技術を発揮する。

それが、今大会の特徴になりそうです。

つまり、素晴らしい大会になる予感がします。


益々、楽しみです!!
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2018年01月19日

どこで折り合いをつけるのか

 今年も、高校選手権が終わりました。

まだ10数年しか見ていないのですが、それでもかなりの進化を感じます。

特に、準決勝、決勝に出てくるチームの選手に、下手くそはいませんね。

気持ちと走力だけでプレーして、ボール扱いはまるで、、、。

そのような選手の居場所は、失われてしまいました。

日本のレベルも、毎年上がってきています。








 特に、全体のレベルが上がっていると感じます。

以前は、怪物レベルの選手が、チームを引っ張っているケースが多く見られました。

そして、そのたった数人の怪物が、全国大会でも勝利に導いていました。

周りの選手は、その選手のために、汗を流し、ユニフォームを汚していく。

完全に、役割分担がされていました。

一番わかりやすい例が、今回のポスターにも選ばれていた、大迫でしょう。

あの時の鹿児島城西は、大迫に引っ張られて、周りが精いっぱい支えてましたね。

ここ数年は、そう甘くはないですね。

プロ入りが決まっている、大注目選手がいても、チームを勝利に導けていない。

今回も、そうでした。

一人、二人の力で勝ち抜けるようなレベルでは無くなっているのでしょう。










 選手権を観戦していて、分かります。

それは高体連出身の選手が、存在感を出し続けている理由です。

Jクラブや、日本代表で重宝され続けています。

今、海外で活躍している選手。

本田、岡崎、乾、柴崎、長友、長谷部、川島、、、。

彼ら全員、高体連出身です。

ワールドカップに出場した、日本代表歴代のメンバーも、そうですよね。

選手権のピッチに立つ選手の大きな特徴が、それを支えています。








 育成にとっては、マイナスに作用すると言われている、一発勝負のトーナメント。

それがキーワードになります。

負けると、3年間の全てが終わってしまう。

その緊張感の中で、どのように力を発揮するのか?

とんでもないプレッシャーの中で、戦い続ける選手。

それだけでも、強い選手を育ててくれています。

リーグ戦と違って、負けた瞬間、お終い。

考えてみれば、ワールドカップも、一発勝負のトーナメントですね。





 そして、負けたくない試合を戦うために、指揮官が工夫をします。

選手に負けないためのプレーを選択させます。

シンプルで、失敗の少ないプレー。

自分の出したいプレーではなく、チームのためのプレー。

守備のために、全力で走り回り、体を張る。

これらのプレーを、どんなテクニカルであろう選手であっても、行っている。

面白くないかもしれませんが、最高の兵隊が並んでいます。

ジュニアユース年代では、テクニックあふれるプレーをしていた選手。

J下部で、ボールを保持して、テクニックを大切にして戦っていたであろう選手。

それでも、高校年代では、兵隊になっている。

自分を消して、チームのためにプレーしているのです。

技術の高い選手が、シンプルに戦うと強いです。

そのためには、走り込みに、連戦といった、猛練習を積み重ねているでしょう。

昔ながらの理不尽で、非効率とも思えるトレーニングで、体も、心も鍛えている。

監督からすれば、使いたくなる選手たちとも言えるのか。

だから、さらに上のステージに行っても、重宝されているのでしょう。











 でも、ただの兵隊では、高いレベルでは使われない。

監督の言うことを聞くだけの選手は、使い捨てのようになってしまうかもしれない。

次のステージでは、監督が変わり、求められることも変わるでしょう。

新しい要求に、応えれなければ?

その選手は、出番は無くなってしまう。






 監督の要求に応えながらも、自分の良いプレー、持ち味を出していく選手。

選手が使われ、残っていくための条件。

ところが、自分を出し過ぎると、わがままで、使いづらい選手の評価がついてしまう。

自分を消し過ぎると、どこにでもいる平凡な選手。

自分を出すのか、監督の要求に応えるのか?

ギリギリのところで折り合いをつけれるかどうか。

そのバランス感覚が、彼らの最大の武器だと思います。

来年は、どのような選手が出てきて、どのような戦いを見せてくれるのか?

楽しみは続きます。
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2017年12月16日

元バルサのコーチがレアルマドリーを研究した結果

 浦和レッズはクラブワールドカップで、世界に挑戦する。

準決勝に進出し、レアルマドリーと対決だ!

戦前は、盛り上がっていたと思います。

ところが、あっさりと、準々決勝で敗退。

アルジャジーラに敗れてしまいました。








 テレビ観戦していた私は、アルジャジーラのベンチを見て、怖くなりました。

指揮官が、驚きの人物だったからです。

その人物は、ヘンク・テンカテ。

ライカールトと共に、バルサを復活させた、あの人です。

プジョルにマルケス、ロナウジーニョ、エトーにデコ、チャビにイニエスタ。

そして、若きメッシ。

テクニックと、タレントと、戦術とが融合した、素晴らしいチームでしたね。

その時の監督は、ライカールトでした。

彼の仕事は、カリスマ性を発揮すること。

現場の戦術や、トレーニングは、テンカテに一任されていたそうです。

テンカテが他クラブに引き抜かれると、2シーズン優勝から遠ざかる。

それほどの、影響力を、バルサに及ぼしていた、名コーチです。







 そのテンカテが、相手ベンチにいる。

何をしてくるのか?

選手の能力は、そこまでずば抜けて良いとは思えませんでした。

浦和が、ACLで戦ってきたクラブの方が、上だったかもしれません。

いったい、何が?

私が感じたのは、まず、浦和のペースを乱したこと。

浦和レッズは、ACLを勝ち抜く過程で、あるリズムを手に入れました。

守備から入って、カウンターを狙う。

相手の鋭い攻撃を、粘り強く守りながら、チャンスをうかがう。

スペースを埋めて、体を張って、ボールに食らいつく。

高い集中力を保つことで、このリズムで試合を進めること。

ところが、この日の浦和レッズは、ボールを保持しながら、相手を押し込んでいた。

ように見えていました。

でもこれが、テンカテの罠。

守備でリズムを作れないように、ボールを持たされていた。

実際、浦和レッズの攻撃は、怖さの無いものでした。

ボールは回しているが、ゴールに近づけない。

無理をしないのか、勝負できないのか?










 そして、浦和の守備が、人を中心に成り立っていることを分析。

厳しく、相手にプレッシャーをかけたい!

その気持ちが強くなりすぎる。

ボールを持っていない、オフのマークの時から、人に付いていく。

人に付き過ぎて、大切なスペースを空けてしまうことがある。

その習性を利用されたのが、決勝ゴールですね。

相手の動きについていき、センターバックとセンターバックの間を空けてしまった。

そして、そこに質の高いスルーパス。

あれは、偶然でなく、狙ったものだと思います。










 この相手にボールをわざと渡し、ポゼッションを放棄する戦い。

レアルマドリーが、見せてくれます。

同じ街のライバル、アトレチコマドリーとの対決の時です。

奪って、カウンターが得意なシメオネ率いる、アトレチコマドリー。

その良さを削るために、ボールをアトレチコにプレゼント。

わざとポゼッションをさせ、相手の最大の武器であるカウンターをさせない。

当たり前ですが、カウンターアタックは、相手のボールを奪うところから始まる。

それならば、ボールを持たせておけば、カウンターアタックは出来ない。









 元バルサのコーチ、テンカテが、レアルマドリーの戦いを学び、浦和レッズを倒す。

フットボールは、常に世界とつながっている。

本当に、面白いです。
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2017年11月24日

ボールを持つ時間=守らなくてよい時間

 ACL決勝戦、1stレグ。

浦和レッズからして見れば、相手の得点を最小限に抑えることができた。

さらに、アウェイゴールまで奪った。

ほぼ希望通りの結果と言えるでしょう。

タイトル奪取が、現実的なものとして語られ始めています。

そんなに簡単なものではないことは、皆、分かっているはずなのに。










 浦和レッズがチャンピオンになるためには、どのような試合をすればいいのか。

私は、1stレグの戦前予想で、浦和レッズが不利であると書きました。

結果を見れば、外れでしょう。

でも、内容的には、予想通り。

GK西川が大当たりしていなければ、大差で負けた可能性もありました。

相手の用意してきた、組織的な崩しのオプションに、振り回され、崩された。

特に、左サイドバックの宇賀神。

この裏のスペース、そして高いボールで、崩すためのポイントとして設定した。

何度も、ここにボールを送り込まれ、決定機を作られていました。

それでも、1対1で試合を終えたのは、彼らの頑張りのたまもの。

集中した、良い試合でした。










 誰もが、思っているはずです。

浦和レッズは貴重なアウェイゴールを持っている。

2ndレグは、0対0なら、チャンピオンになれる。

この試合は、このメンタルが、曲者です。










 浦和レッズがチャンピオンになるためのポイントは2つ。

・ボールポゼッション率が40%を下回らないこと。

・鹿島アントラーズ化することができること


・ボールポゼッションについて

ボールポゼッションそのものに意味がない。

ハリルホジッチ監督が、最近、ずっとメッセージを出し続けています。

日本も、一時のバルセロナのサッカーこそが最高である、という考えが薄まってきている。

それもあって、ボールポゼッションしながら、試合を進めなくてもいいのではないか?

という考えを持つ人も、増えているでしょう。

でも、この試合においては、ボールを持つことが求められる。

なぜなら、ボールを持っている時間は、守備をしない時間であるから。

アルヒラルに、ずーっとボールを握られて、試合を進められると、ピンチの回数が増える。

それは、敗北へのカウントダウンが始まっていると言えるでしょう。

1stレグでは、1点に抑えることが出来ましたが、その再現は、本当に難しい。

粘り強い守備は、もちろん必須です。

それよりも、そもそも、守る時間そのものを短くする必要があります。

ボールポゼッション率が5割もあれば、浦和に歓喜の瞬間が近づくのではないでしょうか。








・鹿島アントラーズ化について


ペトロビッチ監督の時代は、最後方からのビルドアップに、強いこだわりがありました。

それが度を過ぎて、GK西川のところが狙われて、ピンチを招くシーンもありました。

このプレーだけでないのですが、チャンピオンチームは、この種のミスが少ない。

自分たちは、余計なミスをしない。

相手のミスは、シュートまで持っていく。

試合のペースを上げる、ペースを下げる。

パスの出し入れ、それに伴うフリーランニングで、試合のテンポを調整できる。

鹿島と言えば、勝っている試合では、コーナー付近でボールキープします。

全く躊躇することなく。

ピンチになりそうなら、臆面なく、相手を削ってファールをして、プレーを止める。

試合に勝つために、その場、その場で必要な行動、駆け引きに、恐ろしく長けている。

自分たちのサポーター以外には、あまり好かれるタイプのチームでは無いのかもしれません。

本当に勝負にこだわり、勝負に必要なことを全てする、ブラジルの地方クラブのようです。

ケガをしていない選手が、少しの接触で寝っ転がって、時間を稼ぐシーンすらあります。

相手は、イライラするでしょうね。

その瞬間、その瞬間に、相手との駆け引きで上回ることが出来るのか。

このような、勝負に全員が、本当にこだわることが出来るのが、鹿島アントラーズ。

浦和レッズが、このような振る舞いがを、どこまで出来るのかどうか?

決勝戦は、いい試合をしても、敗れては、何も残らない。

タイトルを獲得するためには、何が必要なのか?

本意ではなくても、この試合では求められるはずです。






 


 浦和レッズのサポーターではありませんが、この試合では勝ってほしい。

Jリーグ、日本サッカーここにあり!という姿を、アジアに示してほしいですよね!
posted by プロコーチ at 23:20| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月19日

おそらく、厳しい

 おそらく、厳しい戦いになる。

それが、私の予想です。






 10年ぶりの、ACL決勝を戦う、浦和レッズ。

彼らの決勝進出を支えたのは、攻撃よりも、堅く集中した守備。

ボールホルダーを自由にさせず、激しく、粘り強い。

マークをはっきりと決め、目の前の選手をマーク。

ゾーンと言うよりも、人に対する意識が強い。

マークの役割を一人一人がはっきりと決め、ボールが入る前から、マークを始める。








 準決勝では、これがハマる。

なぜ、ブラジル代表のオスカル、フッキを擁する攻撃を止めれたのか。

その理由は、上海の攻撃の特徴。

彼らの攻撃は、1人称、2人称の単純なもの。

破壊力は抜群でも、次の展開は読みやすい。

ボールを持った選手を自由にさせなければ、大丈夫。

3人目、4人目が関わるコンビネーションが皆無。

浦和の守備のやり方は、上海の攻撃を止めるのに、向いていたのです。










 では、決勝の相手は?

個の能力は、上海の方が、上でしょう。

特に、スペシャルな選手が、上海にはいましたからね。

でも、コンビネーションは、決勝の、アルヒラルが勝る。

サウジアラビア代表とも言える、攻撃陣は、連携面で勝ると思います。

となると、浦和レッズは、振り回される可能性が高まってしまう。

より、後手に回される戦いが予想されます。

1Stレグで、何とか、最少失点で終える。

アウェイゴールも、出来れば欲しい。






 1STレグで勝てる可能性は、準決勝よりも、低いと、私は見ています。

外れて欲しい、この予想。

外れたら、笑ってください。
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2017年09月22日

収穫と課題

 守備について、どこまで深く考えれているのか?

点を決めさせなければ、OK?

どんどんプレッシャーをかけて、ボールを奪えればバッチリ?

守備について、もう少し、深く試合をを見るようにしたい。







 この時に、頭の中を整理して、見てみること。

その時に助けになってくれるのが、ピッチを縦に分割する。

4つに分けて考える。

3つに分ける考え方。

いずれにしても、ボールがある場所によって、どうなっているのかを確認する。




 例えば、日本代表の守備。

ハリルホジッチ監督が、守備の組織を構築しています。

高い位置での守備から、ゴールに直線的に向かっていく攻撃。

守備、守備から攻撃の切り替わり、攻撃。

チャンスの時には、3つの局面が流れるように、移行できている。

ただし、これは、ピッチの一番高い位置での話です。

オーストラリア戦の2点目は、まさにその典型です。

原口が奪い、井手口が決めたあのゴールです。








 上手くいったのは、オーストラリアの戦い方を、丸裸にしたから。

ハリルホジッチ監督を中心とした指導陣が分析し、戦略を練った。

それが、バッチリはまった。

オーストラリアは1-3-4-2-1。

GK,3枚のセンターバック、2枚のディフェンシブハーフ、両ワイドのアタッカー。

2枚のトップ下(シャドー)に1トップ。

ここに対して、日本は、前から、責任を明確にして臨みました。

相手の3バックに対して、日本の3トップが。

相手の2枚のディフェンシブハーフに対して、日本のインサイドハーフ2枚。

相手の両ワイドに、日本の両サイドバック。

一番前から、人数をピッタリ合わせて、ボールを奪いに行きました。

これが、ドンピシャはまりましたね。











 ただし、ミドルサード(真ん中の3分の1)より後ろは、まだ未完成。

特にディフェンディングサード(後ろの3分の1)ですね。

ここの守備は、中途半端な対応が目立ちます。

どのスペースを押さえて、どこで人に行くのか?

ボールはどこに追い込んで行き、どこで囲い込むのか。

まだ、定まっていないように見えます。

特に、両サイドバックと、中盤のライン。

ここが、人に行き過ぎるせいで、大事なスペースが押さえれていない。










 ここのバランスを取っているのが、長谷部と、吉田。

この2人が、個人的にバランスを取っているに過ぎない。

だから、2人が判断を間違えると、守備は壊れてしまう。

2人のうち、どちらかが、出場できないと、そもそも守備の組織を作れていない。

サウジアラビア戦が、その悪い例。

サイドバックがボールに食いつきすぎるシーンが、、。

そのせいで、センターバックの横のスペースを、助けてカバーできない。

中盤の選手が、目の前の人や、ボールに気を取られてしまう。

どのスペースが危険なのかを、感じ合い、伝え合い、先につぶしておきたい。










 このままでは、自陣に閉じこもって、時間を稼ぐ。

押し込まれた時に、何とか耐える。

そのような時間帯が増える、ワールドカップ本選が、心配です。

今後の強化試合で、高めていってくれることを、信じたいです。

まだ、その部分は手をつけていないだけで、これから伸びる部分だと。
posted by プロコーチ at 15:46| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月09日

まねしたわけでは無いでしょうが、、。

 チャンピオンズリーグの決勝戦。

予想外の大差になりましたね。

前半は同点で折り返したのですが、終わってみれば。







 レアルマドリードと、ユベントスとの間には、そこまでの差はなかったと思います。

決めるべき選手が決めたチームが勝利。

決めるべき選手を抑えられたチームが敗れてしまった。

みんなが、クリスチャーノロナウドに点を取らせるために動いていたように見えます。

FWのパートナーの二人からは、得点のニオイがしなかった。

でも、仕事はバッチリ。

ボールを前線で受けて、ためを作ったベンゼマ。

自由にピッチ上を動いて、攻撃のアクセントとなり続けたイスコ。

そして、この3人は、ペナルティエリアの幅を中心に動いていました。

3トップとは言えども、オランダのようにウイングが、サイドに張り出しているわけではない。

サイドに張り出して、両幅を大きく使って、中央を開ける意図は無かったようです。








 その仕事は、両サイドバックのカルバハルとマルセロが担っていました。

本当に高い位置まで進出して、攻撃に関与していました。

サイドバックという名前が相応しくないのです。

3トップが中央に、両サイドバックがサイドを高く。

この5人が、前線の攻撃を担当。

中からも、外からも、相手のゴールに迫って行きます。

それを支えるのが、中盤の3枚。

クロースとモドリッチの2人は、本当に賢くプレーします。

余計なプレーはしないので、ボールを奪われることが少ない。

右から左、左から右にボールを散らす。

前のスペースにボールを持ち出す。

派手ではないのですが、効いている選手でした。

カゼミロだけが、違う役割を持たされています。

ジダンが選手時代の、マケレレ役です。

相手を潰し、スペースを埋める。

前掛かりになるチームの中央を一人で守る、とてつもなく大きな役割。

チェルシーのカンテ、レアルのカゼミロ。

強いチームには、彼らのような超一流の汚れ役がいるのですね。

そして、GKのナバスと、CBのセルヒオラモスとバラン。

攻撃に偏ったチームの中で、大変な仕事量だったでしょうが、見事に守り切りました。

センターバックの2人が、カウンターアタックをさせない、最初のつぶしは、特に有効でした。

あれだけ広い範囲を守る機動力は、お見事。









 話は変わって、日本代表。

最終予選を控えた、対シリア戦を観ていると、気付きました。

ハリルホジッチ監督が、またも、新たな取り組みを見せているのです。

それは、今回のレアルマドリードと同じデザインを、ピッチに施している。

前回の1-4-1-4-1と並びだけは、似ています。

が、選手個々の持っている役割が違います。

相手を押し込んで、ボールも持ちながら試合を進める。

前線の5人(中央の3人プラス、両サイドの2人)

中盤の3人((組み立て役2人プラス、つぶし役の1人)

センターバックの2人とGK。

レアルマドリードのあれを、そのまま当てはめたかのようです。








 アジアでの戦い方を考えているのでしょう。

こちらがボールを持って、試合を進める。

相手は日本を警戒して、引き気味に来る。

その相手を崩すための、システムでしょう。

ハリルホジッチ監督は、指導力がない。

守備を固めて、奪ったら縦に速い攻撃しかできない。

そのように考えているなら、それは大きな間違いですね。

強いチームを相手にした時に、守備を固めて、奪ったら速い攻撃。

アウェイのオーストラリア戦で見せた、絶対にロースコアに持ち込む、負けない戦い方。

そして今回の、レアルマドリード型。

監督は、様々な状況に合わせて、戦い方を変化させて対応できるチーム力を高めようとしている。

本番に強いチーム作りを続けているのを感じますね。










 最終予選のイラク戦は、どの戦いを持ってくるのでしょう?

勝ち点3を取りにくるなら、今回のレアルマドリード型を出してくるのでしょう。

それとも、リスクを減らすために、まずは守備から入るのか?

試合開始のホイッスルが楽しみですね。
posted by プロコーチ at 07:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月25日

守備の約束が変わった?

 ワールドカップアジア最終予選で、日本が地力を発揮してくれました。

キャプテンの長谷部不在で、心配していました。

そのような心配を吹き飛ばしてくれる、気持ちのいい勝利。

しかも、AWAYの戦いでの快勝!

これは、チームに勢いをもたらしてくれそうです。









 気になる変更点が2点。

GK1
DF4
アンカー1
MF4
FW1

1-4-1-4-1のシステムを導入。

中盤の形、役割が普段とは異なりましたね。

中盤に逆三角形の形を作り、攻守の軸にする。

今回は、山口蛍を底に、今野、香川が前に。

これが、UAE対策だったのか?

長谷部不在を乗り切るための、窮余の策だったのか?

いずれにしても、新たな形の一つとして、ハリルホジッチ監督は手ごたえを持ったでしょう。










 中盤は、それぞれ、異なる役割を持った3人。

山口が、DFラインの危険なスペースや、人をつぶすフォアリベロと呼ばれるもの。

香川が、前と中盤とを、上手く捕まらないように、中途半端な位置を取りながら、つなぎ役。

今野は、山口が動いた後、前にスペースが空いた穴埋め、など賢くプレー。

点を取っていなければ、目立たない、本当にシンプルに黒子的なプレーを続けてくれました。

長谷部が復帰したら、どの役割をはたすのでしょうか?

彼が復帰してからの、組み合わせは、一つ注目です。










 もっと、大きな変更は、守備の約束事。

今までは、ゾーンDFをベースに、守備組織を構築していたはずです。

受け渡しをしながら、守備を行う。

ボールの位置に合わせて、自分のポジションを決める。

そして、自分の位置に入ってきた相手を捕まえていく。

どこまでも、すっぽんのようについていく守備は、原則行わない。

あまり洗練された組織だとは思いませんが、ゾーンDFだったはずでした。









 ところが、今回のUAE戦。

もっと、人を強く意識した守備を続けていました。

マークする相手を決めると、一つの攻撃の流れがある間は、マークを受け渡さない。

相手のフリーランニングに合わせて、付いて行っている。

それぞれの役割を、より明確に整理し、フリーの選手を作らない。

UAEは、一人ひとりの技術がしっかりしている。

ボールを簡単に取られないのですが、受けてから離すまで、少し遅い。

つまり、そこまで速いコンビネーションで崩していくタイプではない。

そして、一つの攻撃に、3人目、4人目と絡んで崩す回数も少ない。

と考えると、今回の守備システムがハマりやすかったのかもしれません。







 もちろん、デメリットもあります。

見ていると、相手に付いて行っているので、DF同士のバランスは悪くなってしまっている。

スペース、ギャップを作ってしまっている。

ドリブルで一枚はがされる。

長い距離を走って、攻撃に絡んでくる選手が現れる。

そのような局面を作られると、一気に後手に回ってしまう。










 海外でも人に重きを置いた守備方法を目にすることが、しばしばあります。

シメオネのアトレチコマドリーや、サンパオリのセビージャなど。
 
ユベントスも完全なるゾーンDFではありませんね。

鹿島アントラーズがクラブワールドカップで見せてくれた守備が、イメージしやすいかもしれません。

ここに挙げたチームは、よく見るとそれぞれは異なっているのです。

人へのマークを強く意識している守備の方法を採用しているチームとして挙げました。











 こう考えると、今までと、異なるシステムに、守備システムの採用。

ハリルホジッチ監督は目の前の危機に対する、適応能力に長けているのかも。

そして、それを選手たちに短期間で授けて、実行させる。

なんとも、能力の高い指導者ですね。

危機を乗り切ったことで、チーム力が高まったようです。
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2017年03月13日

真っ当なら、5対2か6対2。

 バルサが歴史的な、大逆転劇をおさめました。

UEFAチャンピオンズリーグ、ベスト16.

1stレグでは、4対0の惨敗。

内容も悪く、このまま敗退が予想されていました。

過去の歴史を紐解いても、4点差をひっくり返した例は無いらしく、、、。

パリサンジェルマンのベスト8進出は、決まったもの。

バルサの逆転を考えていたのは、関係者と熱狂的なサポーターだけだったでしょう。










 試合は、アディショナルタイムで決勝ゴールが決まる、なんとも劇的なもの。

観ている側からすれば、なんともドラマチックな展開でしたよね。

テレビで観ていた我々は、歴史の生き証人になれたわけです。

DFを1枚削り、中盤を分厚くする。

しかも最終ラインも、相手陣内に全員が常に入っている。

あり得ないくらいの、攻撃的な布陣で、試合を進める。

カウンターアタックは怖くないのでしょうか?

怖かったと思いますが、そんなことは言ってられないのでしょう。







 それにしても、パリサンジェルマンの選手はだらしない。

もっと、落ち着いて時間を使いながら、試合を進めていく。

ちんたら、ちんたら、見てててつまらない試合に持ち込むことは出来たのではないか?

あちらこちらで、選手が痛み出して、ピッチに倒れこむ。

何かあったら、すぐにレフェリーを囲むように、抗議をする。

相手をイラつかせるような態度や、プレーを繰り返す。

南米では、ただ勝利をつかむだけに、試合をすることは、当たり前にあります。

ディマリアに、マルキーニョス、そして何よりチアゴシウバ。

彼らなら、泥仕合に持ち込むことも出来たはず。

なぜあんなに、不安げな表情で試合をするのか?

彼らには、不敵な顔で、試合を終わらせて欲しかった。










 私が不思議なのは、バルサが絶賛されすぎていること。

本当に、この試合のバルサはすごかった。

勝利への意欲も、勝利を信じるメンタルも、サポーターの雰囲気も。

全てのカンプノウを取り巻く雰囲気が、勝利を後押ししていました。

最も、彼らの勝利を後押ししたのが、ドイツ人主審アイテキン氏でした。






 バルサがもらったPKは2つ。

ネイマールが転ばされたのは、間違いなくPKでしょう。

スアレスが倒れたのは、どうでしょうか?

ルールを考えると、腕の不正使用のホールディング。

行為そのものが反則なので、チャージのように程度で、反則かどうか決まるものではない。

それでも、この日の基準で考えるなら、あれは、PKでは無かった。

スアレスの過剰な、恥知らずな演技に騙されたのでしょうか?

67分のシミュレーションでイエローをもらったプレーとの違いが、私には分からない。

1枚イエローカードをもらっているのに、また、わざと倒れるスアレスの根性の勝利ですか?







 パリサンジェルマンがもらうはずだったPKも、2つ?。

1つは、マスチェラーノのスライディング時のハンド。

はっきりと、腕に当たって、方向が変わりました。

ボールの方から腕に当たっている、不自然に腕を広げていない。

2つの理由から、ハンドでなくていいのです。

でももし、逆に腕に当たったのが、パリサンジェルマンのDFの腕ならどうだったでしょうね。

もう一つは、同じくマスチェラーノの反則。

同胞のディ・マリアに対する真後ろからの、スライディングタックル。

カウンターアタックで抜け出したディマリアが、GKと1対1に。

シュートを打つ寸前に、追いかけていたマスチェラーノが、真後ろから迷いなく足を削りました。

得点機会の損失で、一発レッドが出る?!と思いました。

結果は、PKも無ければ、カードも無い。

あんなタックルが許されるならば、DFは楽ですよね。








 ネイマールのプレーは凄かった。

特に、80分を過ぎてからの彼は、神がかっていました。

バルサの選手の頑張りも、本当に素晴らしかった。

でも、パリサンジェルマン寄りの主審なら、4対3だったかもしれない。

今回の2NDレグは、5対2、せいぜい6対2でバルサ勝利が相応しい。

この試合には勝利したもののの、残念ながら、美しく敗れ去った。

それが、真っ当な結末ではなかったでしょうか。
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2017年01月03日

高校選手権観戦記(1月3日)

 高校選手権は熱いですね。

根強い人気の、この選手権。

Jリーグレベルの注目度、集客力を持っています。

報道の量は、日常のJリーグを超えているように感じます。

創造学園対正智深谷

聖和学園対青森山田

この2試合を観戦してきました。

まだ3回戦だというのに、1万人近くいたのではないでしょうか。

そして、サッカー少年から、何十年も見続けているであろうご老人まで。

選手権は、日本における文化になっている。











 聖和学園対青森山田。

昨年話題になった、聖和学園。

ドリブルを中心に試合を組み立てる。

チームに、ドリブル好きが集まってきている。

中学年代の出身クラブを見ると、その傾向はハッキリ分かります。

ドリブルにこだわっていることで有名なクラブチームが、ずらりと並んでいます。

一緒に観戦した高体連の先生は、聖和学園の監督さんとは先輩後輩とのことでした。

それによると、呼んでもいないのに、向こうからドリブル好きが集まってきているらしいです。










 その人気は、スタンドでも感じられます。

ドリブル好きなファンが、ピッチを見つめます。

ボールを持って一人、二人かわすと、歓声が上がります。

奪われそうになっても、ボールを奪われないと、「うまいな〜」声が聞こえてきます。

ドリブル好きなファンは、ある一定数いるようですね。









 試合前、意外な光景を目にしました。

青森山田のイレブンが、なんともリラックスしていました。

観客席(私はそのすぐ上に座っていました。)に向かって挨拶。

同級生やチームメイトを見つけて、笑顔でコミュニケーションを取っているのです。

試合前だというのに、リラックス。

1万人近い観客だろうが、立派なスタジアムだろうが。

これくらいの環境は、慣れているのでしょうね。

一方の聖和学園からは、緊張感が伝わってきました。

やるぞ!という、よい緊張感でした。

先ほどの先生が言うには、聖和学園のトップチームは、青森山田の2軍に敗れてしまう。

先制点が何としても欲しい戦いです。












 聖和学園の戦い方は、お互いの距離を狭める。

ドリブルで狭いところに入っていく。

周りの選手は、狭い中でも顔を出し、局面をコンビネーションで抜けていく準備をする。

ボールを取られた瞬間に切り替えて、「ボール狩り」をする。

狭い局面にこだわって、試合を進める。

聖和学園がボールを持つと、どんどん、選手間の距離が狭まっていく。

ほんの20M四方の中に、選手全員が入っていくのです。



 ただ、そのサッカーでは、青森山田には通用しない。

昨年の選手権でも同じ対戦がありましたが、5対0で青森山田が完勝。

聖和学戦も、かなり青森山田対策をしてきたようです。

サイドの低い位置でのスローインは、相手の前からのプレッシャーを受ける。

ライン際の前方にターゲットを置いて、ロングスロー。

距離を稼いで、プレッシャーを回避する。

また、青森山田の両サイドバックが高い位置を取る。

ピッチをワイドに使いながら、崩しにくる。

それには、サイドの中盤の選手を下げさせて、スペースを埋めてしまう。

マイボールの時も、カウンター対策で、後ろに3枚の選手を残そうする。

これらの対策と、自分たちの戦い方が、前半30分までは上手くはまっていました。

対策しながらも、自らのスタイルを出そうとする。

昨年度よりも、明らかに進化している姿を見せてくれました。








 青森山田も、もちろん対策を立てていました。

ボールを持ったら、逆サイドに展開する。

狭い局面に集まっている相手を分散させ、外に走らせる。

狭い局面のままでプレーを続けると、相手のボール狩りに遭ってしまう。

相手の意図を外すために、ボールになったら、サイドを拡げる意識を持っていました。




守備においては、必ずボールホルダーの正面に立つ。

「正面に立て!」

何度も、ピッチの中の選手が、声を掛け合っていました。

突破されないように、まず正面に立つ。

正面に立つと、相手は横方向に進路を変えて、ドリブルを続ける。

そこを、一つ前の選手が戻ってきて、挟み込んでボールを奪う。

何度も、何度も、同じ形でボールを奪い続けていきました。




 そして、守備から攻撃の切り替わり。

あえて、前からプレッシャーをかけない。

DFラインには、プレッシャーをかけないのです。

ミドルサードまで、後退する。

わざと、ボールを持たして、相手をおびき寄せる。

すると、聖和学園の選手はボールにどんどん、集まってくる。

ボールを奪った時には、その周りに広大なスペース。

つまり、ボール好きな聖和学園がボールを持てば持つほど、青森山田のチャンスが大きくなる。

このプランを成功させるためには、狭い局面を突破されないことが絶対条件になります。

個々がグループが、守備において後手を踏まないこと。

その自信があるからこそ、この戦い方を選んだのでしょうね。










 試合は、完全に、青森山田のペースでした。

注目選手の一人である、青森山田のGK、廣末。

全くユニフォームが汚れていない。

聖和学園はボールは持つものの、全くゴールを脅かすことができない。

ただ、ボールを持って、狭い中に突っ込んでいくだけ。

相手のレベルが低ければ、突破できるのでしょうが、この日は通用しない。

サイドチェンジも無ければ、クロスも上げない。

裏への飛び出しも、カウンターもない。

かなり、相手が守りやすい状況を、自ら作ってしまっている。

それも含めて、聖和学園なのでしょうか。

一人ひとりのボールを運ぶ力、奪われない運び方、体の使い方。

素晴らしいものだと感じます。

ここまでボールを扱えるようになるには、かなりの時間、ボールを触っているからでしょう。

幼少期のころから、そして、高校になっても、ボールを触り続けている。

その努力の成果は、感じ取れます。












 試合は、5対0で青森山田が聖和学園を倒しました。

後半途中から、青森山田が安全運転に入りました。

次戦以降を見据えて、ケガや、ファールトラブルを避ける。

明らかに試合のペースを落としました。

聖和学園も、キックオフ当初の勢いが失われていきました。

オウンゴールで失点した後は、完全に心が折れてしまったように、スタンドから見えました。










 お正月から、こうやって試合観戦ができる。

安全なので、子供から大人、老人まで、本当に老若男女が観戦に来ている。

この伝統は、世界に誇れるものだと思います。

これだけの注目度があるから、その年代の選手たちも競争が激しくなる。

その競争が、選手を育ててくれる。

何年たっても、この正月の選手権を見ることが出来ますように。
posted by プロコーチ at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月02日

国内レベルを超えるために

 鹿島アントラーズが、今期2冠に輝きました。

正月恒例の天皇杯。

川崎フロンターレを延長で、順当に?倒しました。

試合を観ていて、誰もが鹿島が勝ちそうだな、と思ったのではないでしょうか。

もちろん、フロンターレサポーターを除きますが、、、。








 タイトルが掛かった試合は、鹿島が勝つよね。

競った試合、緊張感のある展開は、鹿島有利である。

先取点を取ったら、鹿島が来る。

この空気を作り出せる。

それこそが、鹿島の伝統。

勝ち続けたクラブだけが、醸し出せるこの空気感。

一方、川崎は、この空気が無い。

伝統とは、クラブの哲学の積み重ねであり、勝利の積み重ね。

ビッグマッチで鹿島は、常に、アドバンテージを持っている。









 ただしそれは、国内に限る。

アジアに出れば、このアドバンテージは存在しない。

なぜならば、アジアでは勝っていないから。

積み重ねた伝統が無い。

対戦相手からすれば、日本のクラブの一つに過ぎない。

今回のクラブワールドカップの善戦は、有名でしょう。

と言っても、恐れを抱かせるほどの存在ではない。










 来シーズン、アジアでの戦い、ACLが始まります。

鹿島アントラーズは、どこまで進めるのか?

大勝負になったとしても、アジアにおいて、アドバンテージは存在しない。

シンプルにクラブとしての総合力が問われる戦いが始まります。

この苦戦が予想される戦いを乗り越えた時、鹿島のアジアでの伝統が積み重ねられていきますね。
posted by プロコーチ at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする