2017年11月19日

おそらく、厳しい

 おそらく、厳しい戦いになる。

それが、私の予想です。






 10年ぶりの、ACL決勝を戦う、浦和レッズ。

彼らの決勝進出を支えたのは、攻撃よりも、堅く集中した守備。

ボールホルダーを自由にさせず、激しく、粘り強い。

マークをはっきりと決め、目の前の選手をマーク。

ゾーンと言うよりも、人に対する意識が強い。

マークの役割を一人一人がはっきりと決め、ボールが入る前から、マークを始める。








 準決勝では、これがハマる。

なぜ、ブラジル代表のオスカル、フッキを擁する攻撃を止めれたのか。

その理由は、上海の攻撃の特徴。

彼らの攻撃は、1人称、2人称の単純なもの。

破壊力は抜群でも、次の展開は読みやすい。

ボールを持った選手を自由にさせなければ、大丈夫。

3人目、4人目が関わるコンビネーションが皆無。

浦和の守備のやり方は、上海の攻撃を止めるのに、向いていたのです。










 では、決勝の相手は?

個の能力は、上海の方が、上でしょう。

特に、スペシャルな選手が、上海にはいましたからね。

でも、コンビネーションは、決勝の、アルヒラルが勝る。

サウジアラビア代表とも言える、攻撃陣は、連携面で勝ると思います。

となると、浦和レッズは、振り回される可能性が高まってしまう。

より、後手に回される戦いが予想されます。

1Stレグで、何とか、最少失点で終える。

アウェイゴールも、出来れば欲しい。






 1STレグで勝てる可能性は、準決勝よりも、低いと、私は見ています。

外れて欲しい、この予想。

外れたら、笑ってください。
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2017年09月22日

収穫と課題

 守備について、どこまで深く考えれているのか?

点を決めさせなければ、OK?

どんどんプレッシャーをかけて、ボールを奪えればバッチリ?

守備について、もう少し、深く試合をを見るようにしたい。







 この時に、頭の中を整理して、見てみること。

その時に助けになってくれるのが、ピッチを縦に分割する。

4つに分けて考える。

3つに分ける考え方。

いずれにしても、ボールがある場所によって、どうなっているのかを確認する。




 例えば、日本代表の守備。

ハリルホジッチ監督が、守備の組織を構築しています。

高い位置での守備から、ゴールに直線的に向かっていく攻撃。

守備、守備から攻撃の切り替わり、攻撃。

チャンスの時には、3つの局面が流れるように、移行できている。

ただし、これは、ピッチの一番高い位置での話です。

オーストラリア戦の2点目は、まさにその典型です。

原口が奪い、井手口が決めたあのゴールです。








 上手くいったのは、オーストラリアの戦い方を、丸裸にしたから。

ハリルホジッチ監督を中心とした指導陣が分析し、戦略を練った。

それが、バッチリはまった。

オーストラリアは1-3-4-2-1。

GK,3枚のセンターバック、2枚のディフェンシブハーフ、両ワイドのアタッカー。

2枚のトップ下(シャドー)に1トップ。

ここに対して、日本は、前から、責任を明確にして臨みました。

相手の3バックに対して、日本の3トップが。

相手の2枚のディフェンシブハーフに対して、日本のインサイドハーフ2枚。

相手の両ワイドに、日本の両サイドバック。

一番前から、人数をピッタリ合わせて、ボールを奪いに行きました。

これが、ドンピシャはまりましたね。











 ただし、ミドルサード(真ん中の3分の1)より後ろは、まだ未完成。

特にディフェンディングサード(後ろの3分の1)ですね。

ここの守備は、中途半端な対応が目立ちます。

どのスペースを押さえて、どこで人に行くのか?

ボールはどこに追い込んで行き、どこで囲い込むのか。

まだ、定まっていないように見えます。

特に、両サイドバックと、中盤のライン。

ここが、人に行き過ぎるせいで、大事なスペースが押さえれていない。










 ここのバランスを取っているのが、長谷部と、吉田。

この2人が、個人的にバランスを取っているに過ぎない。

だから、2人が判断を間違えると、守備は壊れてしまう。

2人のうち、どちらかが、出場できないと、そもそも守備の組織を作れていない。

サウジアラビア戦が、その悪い例。

サイドバックがボールに食いつきすぎるシーンが、、。

そのせいで、センターバックの横のスペースを、助けてカバーできない。

中盤の選手が、目の前の人や、ボールに気を取られてしまう。

どのスペースが危険なのかを、感じ合い、伝え合い、先につぶしておきたい。










 このままでは、自陣に閉じこもって、時間を稼ぐ。

押し込まれた時に、何とか耐える。

そのような時間帯が増える、ワールドカップ本選が、心配です。

今後の強化試合で、高めていってくれることを、信じたいです。

まだ、その部分は手をつけていないだけで、これから伸びる部分だと。
posted by プロコーチ at 15:46| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月09日

まねしたわけでは無いでしょうが、、。

 チャンピオンズリーグの決勝戦。

予想外の大差になりましたね。

前半は同点で折り返したのですが、終わってみれば。







 レアルマドリードと、ユベントスとの間には、そこまでの差はなかったと思います。

決めるべき選手が決めたチームが勝利。

決めるべき選手を抑えられたチームが敗れてしまった。

みんなが、クリスチャーノロナウドに点を取らせるために動いていたように見えます。

FWのパートナーの二人からは、得点のニオイがしなかった。

でも、仕事はバッチリ。

ボールを前線で受けて、ためを作ったベンゼマ。

自由にピッチ上を動いて、攻撃のアクセントとなり続けたイスコ。

そして、この3人は、ペナルティエリアの幅を中心に動いていました。

3トップとは言えども、オランダのようにウイングが、サイドに張り出しているわけではない。

サイドに張り出して、両幅を大きく使って、中央を開ける意図は無かったようです。








 その仕事は、両サイドバックのカルバハルとマルセロが担っていました。

本当に高い位置まで進出して、攻撃に関与していました。

サイドバックという名前が相応しくないのです。

3トップが中央に、両サイドバックがサイドを高く。

この5人が、前線の攻撃を担当。

中からも、外からも、相手のゴールに迫って行きます。

それを支えるのが、中盤の3枚。

クロースとモドリッチの2人は、本当に賢くプレーします。

余計なプレーはしないので、ボールを奪われることが少ない。

右から左、左から右にボールを散らす。

前のスペースにボールを持ち出す。

派手ではないのですが、効いている選手でした。

カゼミロだけが、違う役割を持たされています。

ジダンが選手時代の、マケレレ役です。

相手を潰し、スペースを埋める。

前掛かりになるチームの中央を一人で守る、とてつもなく大きな役割。

チェルシーのカンテ、レアルのカゼミロ。

強いチームには、彼らのような超一流の汚れ役がいるのですね。

そして、GKのナバスと、CBのセルヒオラモスとバラン。

攻撃に偏ったチームの中で、大変な仕事量だったでしょうが、見事に守り切りました。

センターバックの2人が、カウンターアタックをさせない、最初のつぶしは、特に有効でした。

あれだけ広い範囲を守る機動力は、お見事。









 話は変わって、日本代表。

最終予選を控えた、対シリア戦を観ていると、気付きました。

ハリルホジッチ監督が、またも、新たな取り組みを見せているのです。

それは、今回のレアルマドリードと同じデザインを、ピッチに施している。

前回の1-4-1-4-1と並びだけは、似ています。

が、選手個々の持っている役割が違います。

相手を押し込んで、ボールも持ちながら試合を進める。

前線の5人(中央の3人プラス、両サイドの2人)

中盤の3人((組み立て役2人プラス、つぶし役の1人)

センターバックの2人とGK。

レアルマドリードのあれを、そのまま当てはめたかのようです。








 アジアでの戦い方を考えているのでしょう。

こちらがボールを持って、試合を進める。

相手は日本を警戒して、引き気味に来る。

その相手を崩すための、システムでしょう。

ハリルホジッチ監督は、指導力がない。

守備を固めて、奪ったら縦に速い攻撃しかできない。

そのように考えているなら、それは大きな間違いですね。

強いチームを相手にした時に、守備を固めて、奪ったら速い攻撃。

アウェイのオーストラリア戦で見せた、絶対にロースコアに持ち込む、負けない戦い方。

そして今回の、レアルマドリード型。

監督は、様々な状況に合わせて、戦い方を変化させて対応できるチーム力を高めようとしている。

本番に強いチーム作りを続けているのを感じますね。










 最終予選のイラク戦は、どの戦いを持ってくるのでしょう?

勝ち点3を取りにくるなら、今回のレアルマドリード型を出してくるのでしょう。

それとも、リスクを減らすために、まずは守備から入るのか?

試合開始のホイッスルが楽しみですね。
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2017年03月25日

守備の約束が変わった?

 ワールドカップアジア最終予選で、日本が地力を発揮してくれました。

キャプテンの長谷部不在で、心配していました。

そのような心配を吹き飛ばしてくれる、気持ちのいい勝利。

しかも、AWAYの戦いでの快勝!

これは、チームに勢いをもたらしてくれそうです。









 気になる変更点が2点。

GK1
DF4
アンカー1
MF4
FW1

1-4-1-4-1のシステムを導入。

中盤の形、役割が普段とは異なりましたね。

中盤に逆三角形の形を作り、攻守の軸にする。

今回は、山口蛍を底に、今野、香川が前に。

これが、UAE対策だったのか?

長谷部不在を乗り切るための、窮余の策だったのか?

いずれにしても、新たな形の一つとして、ハリルホジッチ監督は手ごたえを持ったでしょう。










 中盤は、それぞれ、異なる役割を持った3人。

山口が、DFラインの危険なスペースや、人をつぶすフォアリベロと呼ばれるもの。

香川が、前と中盤とを、上手く捕まらないように、中途半端な位置を取りながら、つなぎ役。

今野は、山口が動いた後、前にスペースが空いた穴埋め、など賢くプレー。

点を取っていなければ、目立たない、本当にシンプルに黒子的なプレーを続けてくれました。

長谷部が復帰したら、どの役割をはたすのでしょうか?

彼が復帰してからの、組み合わせは、一つ注目です。










 もっと、大きな変更は、守備の約束事。

今までは、ゾーンDFをベースに、守備組織を構築していたはずです。

受け渡しをしながら、守備を行う。

ボールの位置に合わせて、自分のポジションを決める。

そして、自分の位置に入ってきた相手を捕まえていく。

どこまでも、すっぽんのようについていく守備は、原則行わない。

あまり洗練された組織だとは思いませんが、ゾーンDFだったはずでした。









 ところが、今回のUAE戦。

もっと、人を強く意識した守備を続けていました。

マークする相手を決めると、一つの攻撃の流れがある間は、マークを受け渡さない。

相手のフリーランニングに合わせて、付いて行っている。

それぞれの役割を、より明確に整理し、フリーの選手を作らない。

UAEは、一人ひとりの技術がしっかりしている。

ボールを簡単に取られないのですが、受けてから離すまで、少し遅い。

つまり、そこまで速いコンビネーションで崩していくタイプではない。

そして、一つの攻撃に、3人目、4人目と絡んで崩す回数も少ない。

と考えると、今回の守備システムがハマりやすかったのかもしれません。







 もちろん、デメリットもあります。

見ていると、相手に付いて行っているので、DF同士のバランスは悪くなってしまっている。

スペース、ギャップを作ってしまっている。

ドリブルで一枚はがされる。

長い距離を走って、攻撃に絡んでくる選手が現れる。

そのような局面を作られると、一気に後手に回ってしまう。










 海外でも人に重きを置いた守備方法を目にすることが、しばしばあります。

シメオネのアトレチコマドリーや、サンパオリのセビージャなど。
 
ユベントスも完全なるゾーンDFではありませんね。

鹿島アントラーズがクラブワールドカップで見せてくれた守備が、イメージしやすいかもしれません。

ここに挙げたチームは、よく見るとそれぞれは異なっているのです。

人へのマークを強く意識している守備の方法を採用しているチームとして挙げました。











 こう考えると、今までと、異なるシステムに、守備システムの採用。

ハリルホジッチ監督は目の前の危機に対する、適応能力に長けているのかも。

そして、それを選手たちに短期間で授けて、実行させる。

なんとも、能力の高い指導者ですね。

危機を乗り切ったことで、チーム力が高まったようです。
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2017年03月13日

真っ当なら、5対2か6対2。

 バルサが歴史的な、大逆転劇をおさめました。

UEFAチャンピオンズリーグ、ベスト16.

1stレグでは、4対0の惨敗。

内容も悪く、このまま敗退が予想されていました。

過去の歴史を紐解いても、4点差をひっくり返した例は無いらしく、、、。

パリサンジェルマンのベスト8進出は、決まったもの。

バルサの逆転を考えていたのは、関係者と熱狂的なサポーターだけだったでしょう。










 試合は、アディショナルタイムで決勝ゴールが決まる、なんとも劇的なもの。

観ている側からすれば、なんともドラマチックな展開でしたよね。

テレビで観ていた我々は、歴史の生き証人になれたわけです。

DFを1枚削り、中盤を分厚くする。

しかも最終ラインも、相手陣内に全員が常に入っている。

あり得ないくらいの、攻撃的な布陣で、試合を進める。

カウンターアタックは怖くないのでしょうか?

怖かったと思いますが、そんなことは言ってられないのでしょう。







 それにしても、パリサンジェルマンの選手はだらしない。

もっと、落ち着いて時間を使いながら、試合を進めていく。

ちんたら、ちんたら、見てててつまらない試合に持ち込むことは出来たのではないか?

あちらこちらで、選手が痛み出して、ピッチに倒れこむ。

何かあったら、すぐにレフェリーを囲むように、抗議をする。

相手をイラつかせるような態度や、プレーを繰り返す。

南米では、ただ勝利をつかむだけに、試合をすることは、当たり前にあります。

ディマリアに、マルキーニョス、そして何よりチアゴシウバ。

彼らなら、泥仕合に持ち込むことも出来たはず。

なぜあんなに、不安げな表情で試合をするのか?

彼らには、不敵な顔で、試合を終わらせて欲しかった。










 私が不思議なのは、バルサが絶賛されすぎていること。

本当に、この試合のバルサはすごかった。

勝利への意欲も、勝利を信じるメンタルも、サポーターの雰囲気も。

全てのカンプノウを取り巻く雰囲気が、勝利を後押ししていました。

最も、彼らの勝利を後押ししたのが、ドイツ人主審アイテキン氏でした。






 バルサがもらったPKは2つ。

ネイマールが転ばされたのは、間違いなくPKでしょう。

スアレスが倒れたのは、どうでしょうか?

ルールを考えると、腕の不正使用のホールディング。

行為そのものが反則なので、チャージのように程度で、反則かどうか決まるものではない。

それでも、この日の基準で考えるなら、あれは、PKでは無かった。

スアレスの過剰な、恥知らずな演技に騙されたのでしょうか?

67分のシミュレーションでイエローをもらったプレーとの違いが、私には分からない。

1枚イエローカードをもらっているのに、また、わざと倒れるスアレスの根性の勝利ですか?







 パリサンジェルマンがもらうはずだったPKも、2つ?。

1つは、マスチェラーノのスライディング時のハンド。

はっきりと、腕に当たって、方向が変わりました。

ボールの方から腕に当たっている、不自然に腕を広げていない。

2つの理由から、ハンドでなくていいのです。

でももし、逆に腕に当たったのが、パリサンジェルマンのDFの腕ならどうだったでしょうね。

もう一つは、同じくマスチェラーノの反則。

同胞のディ・マリアに対する真後ろからの、スライディングタックル。

カウンターアタックで抜け出したディマリアが、GKと1対1に。

シュートを打つ寸前に、追いかけていたマスチェラーノが、真後ろから迷いなく足を削りました。

得点機会の損失で、一発レッドが出る?!と思いました。

結果は、PKも無ければ、カードも無い。

あんなタックルが許されるならば、DFは楽ですよね。








 ネイマールのプレーは凄かった。

特に、80分を過ぎてからの彼は、神がかっていました。

バルサの選手の頑張りも、本当に素晴らしかった。

でも、パリサンジェルマン寄りの主審なら、4対3だったかもしれない。

今回の2NDレグは、5対2、せいぜい6対2でバルサ勝利が相応しい。

この試合には勝利したもののの、残念ながら、美しく敗れ去った。

それが、真っ当な結末ではなかったでしょうか。
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2017年01月03日

高校選手権観戦記(1月3日)

 高校選手権は熱いですね。

根強い人気の、この選手権。

Jリーグレベルの注目度、集客力を持っています。

報道の量は、日常のJリーグを超えているように感じます。

創造学園対正智深谷

聖和学園対青森山田

この2試合を観戦してきました。

まだ3回戦だというのに、1万人近くいたのではないでしょうか。

そして、サッカー少年から、何十年も見続けているであろうご老人まで。

選手権は、日本における文化になっている。











 聖和学園対青森山田。

昨年話題になった、聖和学園。

ドリブルを中心に試合を組み立てる。

チームに、ドリブル好きが集まってきている。

中学年代の出身クラブを見ると、その傾向はハッキリ分かります。

ドリブルにこだわっていることで有名なクラブチームが、ずらりと並んでいます。

一緒に観戦した高体連の先生は、聖和学園の監督さんとは先輩後輩とのことでした。

それによると、呼んでもいないのに、向こうからドリブル好きが集まってきているらしいです。










 その人気は、スタンドでも感じられます。

ドリブル好きなファンが、ピッチを見つめます。

ボールを持って一人、二人かわすと、歓声が上がります。

奪われそうになっても、ボールを奪われないと、「うまいな〜」声が聞こえてきます。

ドリブル好きなファンは、ある一定数いるようですね。









 試合前、意外な光景を目にしました。

青森山田のイレブンが、なんともリラックスしていました。

観客席(私はそのすぐ上に座っていました。)に向かって挨拶。

同級生やチームメイトを見つけて、笑顔でコミュニケーションを取っているのです。

試合前だというのに、リラックス。

1万人近い観客だろうが、立派なスタジアムだろうが。

これくらいの環境は、慣れているのでしょうね。

一方の聖和学園からは、緊張感が伝わってきました。

やるぞ!という、よい緊張感でした。

先ほどの先生が言うには、聖和学園のトップチームは、青森山田の2軍に敗れてしまう。

先制点が何としても欲しい戦いです。












 聖和学園の戦い方は、お互いの距離を狭める。

ドリブルで狭いところに入っていく。

周りの選手は、狭い中でも顔を出し、局面をコンビネーションで抜けていく準備をする。

ボールを取られた瞬間に切り替えて、「ボール狩り」をする。

狭い局面にこだわって、試合を進める。

聖和学園がボールを持つと、どんどん、選手間の距離が狭まっていく。

ほんの20M四方の中に、選手全員が入っていくのです。



 ただ、そのサッカーでは、青森山田には通用しない。

昨年の選手権でも同じ対戦がありましたが、5対0で青森山田が完勝。

聖和学戦も、かなり青森山田対策をしてきたようです。

サイドの低い位置でのスローインは、相手の前からのプレッシャーを受ける。

ライン際の前方にターゲットを置いて、ロングスロー。

距離を稼いで、プレッシャーを回避する。

また、青森山田の両サイドバックが高い位置を取る。

ピッチをワイドに使いながら、崩しにくる。

それには、サイドの中盤の選手を下げさせて、スペースを埋めてしまう。

マイボールの時も、カウンター対策で、後ろに3枚の選手を残そうする。

これらの対策と、自分たちの戦い方が、前半30分までは上手くはまっていました。

対策しながらも、自らのスタイルを出そうとする。

昨年度よりも、明らかに進化している姿を見せてくれました。








 青森山田も、もちろん対策を立てていました。

ボールを持ったら、逆サイドに展開する。

狭い局面に集まっている相手を分散させ、外に走らせる。

狭い局面のままでプレーを続けると、相手のボール狩りに遭ってしまう。

相手の意図を外すために、ボールになったら、サイドを拡げる意識を持っていました。




守備においては、必ずボールホルダーの正面に立つ。

「正面に立て!」

何度も、ピッチの中の選手が、声を掛け合っていました。

突破されないように、まず正面に立つ。

正面に立つと、相手は横方向に進路を変えて、ドリブルを続ける。

そこを、一つ前の選手が戻ってきて、挟み込んでボールを奪う。

何度も、何度も、同じ形でボールを奪い続けていきました。




 そして、守備から攻撃の切り替わり。

あえて、前からプレッシャーをかけない。

DFラインには、プレッシャーをかけないのです。

ミドルサードまで、後退する。

わざと、ボールを持たして、相手をおびき寄せる。

すると、聖和学園の選手はボールにどんどん、集まってくる。

ボールを奪った時には、その周りに広大なスペース。

つまり、ボール好きな聖和学園がボールを持てば持つほど、青森山田のチャンスが大きくなる。

このプランを成功させるためには、狭い局面を突破されないことが絶対条件になります。

個々がグループが、守備において後手を踏まないこと。

その自信があるからこそ、この戦い方を選んだのでしょうね。










 試合は、完全に、青森山田のペースでした。

注目選手の一人である、青森山田のGK、廣末。

全くユニフォームが汚れていない。

聖和学園はボールは持つものの、全くゴールを脅かすことができない。

ただ、ボールを持って、狭い中に突っ込んでいくだけ。

相手のレベルが低ければ、突破できるのでしょうが、この日は通用しない。

サイドチェンジも無ければ、クロスも上げない。

裏への飛び出しも、カウンターもない。

かなり、相手が守りやすい状況を、自ら作ってしまっている。

それも含めて、聖和学園なのでしょうか。

一人ひとりのボールを運ぶ力、奪われない運び方、体の使い方。

素晴らしいものだと感じます。

ここまでボールを扱えるようになるには、かなりの時間、ボールを触っているからでしょう。

幼少期のころから、そして、高校になっても、ボールを触り続けている。

その努力の成果は、感じ取れます。












 試合は、5対0で青森山田が聖和学園を倒しました。

後半途中から、青森山田が安全運転に入りました。

次戦以降を見据えて、ケガや、ファールトラブルを避ける。

明らかに試合のペースを落としました。

聖和学園も、キックオフ当初の勢いが失われていきました。

オウンゴールで失点した後は、完全に心が折れてしまったように、スタンドから見えました。










 お正月から、こうやって試合観戦ができる。

安全なので、子供から大人、老人まで、本当に老若男女が観戦に来ている。

この伝統は、世界に誇れるものだと思います。

これだけの注目度があるから、その年代の選手たちも競争が激しくなる。

その競争が、選手を育ててくれる。

何年たっても、この正月の選手権を見ることが出来ますように。
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2017年01月02日

国内レベルを超えるために

 鹿島アントラーズが、今期2冠に輝きました。

正月恒例の天皇杯。

川崎フロンターレを延長で、順当に?倒しました。

試合を観ていて、誰もが鹿島が勝ちそうだな、と思ったのではないでしょうか。

もちろん、フロンターレサポーターを除きますが、、、。








 タイトルが掛かった試合は、鹿島が勝つよね。

競った試合、緊張感のある展開は、鹿島有利である。

先取点を取ったら、鹿島が来る。

この空気を作り出せる。

それこそが、鹿島の伝統。

勝ち続けたクラブだけが、醸し出せるこの空気感。

一方、川崎は、この空気が無い。

伝統とは、クラブの哲学の積み重ねであり、勝利の積み重ね。

ビッグマッチで鹿島は、常に、アドバンテージを持っている。









 ただしそれは、国内に限る。

アジアに出れば、このアドバンテージは存在しない。

なぜならば、アジアでは勝っていないから。

積み重ねた伝統が無い。

対戦相手からすれば、日本のクラブの一つに過ぎない。

今回のクラブワールドカップの善戦は、有名でしょう。

と言っても、恐れを抱かせるほどの存在ではない。










 来シーズン、アジアでの戦い、ACLが始まります。

鹿島アントラーズは、どこまで進めるのか?

大勝負になったとしても、アジアにおいて、アドバンテージは存在しない。

シンプルにクラブとしての総合力が問われる戦いが始まります。

この苦戦が予想される戦いを乗り越えた時、鹿島のアジアでの伝統が積み重ねられていきますね。
posted by プロコーチ at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月26日

本物と可能性。

 クラブワールドカップでは、貴重な数十分がありました。

世界王者である、レアルマドリーが、リードされる。

先制点を取ったものの、同点にされ、逆転される。

それまでは、観客も、レアルのスーパープレーを見に来ていた。

早々に鹿島が失点すると、増々、その傾向は強くなったように感じました。

ロナウドが小技を披露し、余裕を見せる。

ボールポゼッションをしながら、時間を進めていく。

まさに横綱相撲を取っていたはずのレアルマドリー。

ゲームプランが狂ったのでしょうね。








 前半を終えた段階で、リードしていない時点で、目算は大崩れだったでしょう。

そして、柴崎のスーパーゴール。

あれで、レアルの選手が目を覚ましました。

それまでは、正確無比なプレー。

少ないタッチで、落ち着いてボールを回しながら、ゲームを支配していた。

ところが、1対2になった瞬間、試合が変わりました。

サイドバックの位置がさらに高くなり、ほぼウイングの位置。

スピードを上げてゴールに迫る。

ボールタッチやパスが、少しだけ粗くなりました。

それ以上に、どう猛な、ゴールに向かう力に驚きです。

ゴールに向かうランニング、ゴールに向かうボールタッチ。










 そして、鹿島ボールになると、ボールへの寄せが、一歩厳しくなった。 

フィジカルコンタクトも増え、真剣にボールを奪いにきました。

イエローカードも辞さない、厳しさを見せつけます。

ボールを持っていても、ボールを持っていなくても、プレッシャーをかけてきます。

同点に追いつき、延長で逆転するまでの数十分間。

レアルがビッグクラブとの試合でしか見せない、本当の姿に近かったのではないでしょうか。









 私は幸運にも、この姿をスタジアムで目にしました。

テレビ画面を通じても、レアルの本気は伝わったのではないでしょうか?

我々は、ここから何を感じるべきなのか?

レアルが余裕を持ってプレーをしていた時に、スタジアムでの盛り上がったシーン。

それは、各選手が小技を見せた瞬間です。

分かりやすい、シザースや、ボールタッチ。

数十年前のトヨタカップで最も盛り上がったシーンが、オーバーヘッドキック。

それと、あまり、変わっていないのかもしれません。

日本では、技術を勘違いしてとらえている傾向があります。

サーカスのようなボールタッチは、試合では使えない。

ボールを止める、ボールを蹴る、仲間のために走る。

それをハイプレッシャーの中でも、スピードを上げて、繰り返すことができる。

それこそが、本物の技術のはずです。








 クリスティアーノロナウドが見せてくれましたよね。

彼のドリブル、フェイントのテクニックは、すごさを全く感じませんでした。

日本にいるブラジル人のほうが、完全に上ですね。

日本人選手でも、ロナウドより、足元のボール扱いの巧みな選手はいます。

そこではありません。

4点目。

ロナウドがハットトリックを決めた瞬間です。

トニクロースが、こぼれ球をミドルシュート。

100キロ近くあるスピードのボールが、ロナウドの足元に飛んできました。

それを足元に一発で止め、しかも前を向いてゴールに向かう。

次のタッチでゴールに向かい、左足でシュート。










 何気ない3タッチですが、本当にすごい。

あのボールを止めるだけでも大変なのに、一発で前を向き、ゴールに向かえる1タッチ目。

そして、DFから遠い側の逆足に向けボールを運んだ、2タッチ目。

GKの動きを見極め、ニア上に正確なキックで叩き込んだ、3タッチ目。

ただ止めるだけだと、シュートは打てなかった。

右足でシュートを打つためにボールを運んだら、DFに引っかっていたでしょう。

セオリー通り、ファーに打っていたら、GKにセーブされていたかもしれない。

相手選手、スペースを感じながら、自分のプレーを選択していく。

そして、それを実行していく力。

判断と技術とが、高いレベルで融合しているからこそ、生まれたシュート。

これこそが、本物の技術!

我々日本人に、レッスンしてくれたかのようです。









 JFAは、目標を持って行動しています。

2005年宣言。

それによると、2050年までに、サッカーファミリーが1000万人になる。

もう一つが、日本でワールドカップを開催し、日本代表が優勝する。

決勝戦の横浜では、熱狂的な盛り上がりは、ありませんでした。

安全に、時間通りに、イベントが進行していきました。

そして、開催国・ホームチームである、鹿島アントラーズが大躍進しました。

日本人が思う以上に、南米・ヨーロッパの人間は、アウェイを気にしているのかもしれない。

元々持っている力を、最大限に発揮できた鹿島。

この姿に、将来の日本代表を見た気がしました。
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2016年12月10日

激しく、フェアに。

  森山佳郎U16日本代表監督。

サンフレッチェのユースを、日本有数の組織にした立役者の一人です。

彼は、技術で勝負する、洗練された戦術で勝利する。

という指導者ではないようです。

部活動(中体連、高体連)の持っていた良さを、ユース組織に持ち込みたい。

熱さ、激しさ、お互いを思いやる心を持つ集団にすべく、奮闘されていました。

「相手の足を削る音がしないと、プレスとは呼べない。」










 サンフレッチェ広島がフェアプレー賞高円宮杯を受賞しました。

最も、警告、退場が少ないチームです。

しかも、5年連続6度目は、まさに快挙。

森保監督の就任から5年間で、毎年毎年、フェアプレー賞を受賞しているのです。

5年で3度のJ1優勝も素晴らしいのですが、その5年全てで、フェアプレー賞!

森保監督は、次のようにコメントを出しています。

「選手が試合の中、勝利を追求する姿勢を持ち、その中で激しく厳しくプレーし、
その中でも相手選手、審判をリスペクトするフェアプレー精神を持ち続けたからだと思います。
選手たちを誇りに思います」

さらに、
「過去2年間は優勝とともに、この賞を頂きました。これからもフェアプレー精神を忘れず、結果を追求して頑張ります」


フェアプレー賞(高円宮杯)
年間の反則ポイントが1試合平均1ポイントを下回った全クラブにフェアプレー賞が授与され、
J1ではその中で最も反則ポイントが少なかったクラブに高円宮杯が授与される。
J1からJ3まで全てのクラブがフェアプレー賞の対象となるが、高円宮杯が与えられるのはJ1のクラブのみ。賞金は2013年までJ1のみだったが、2014年よりJ2・J3も授与対象となった。
フェアプレー賞表彰の対象となる反則ポイントの上限数
J1 34ポイント
J2 42ポイント
J3 33ポイント
(即ち、年間の各ディビジョンの総試合数以下が表彰の対象となる。反則ポイントは警告1回につき1点
(遅延行為・異議を唱えたものなどについてはさらに1回1点を加算)、
退場<同じ試合における警告2回による退場も含む>1回につき3点、出場停止試合数1試合につき3点を加算する。また警告・退場・退席処分がなかった試合は1試合につき3点を減点する

引用…Wikipedia






フェアプレー賞の要件を見ると、警告、退場をすると、マイナスのポイントがたまってしまう。

そして、時間の浪費や、異議申し立てに対しては、さらにマイナスポイントが付く。

つまりサンフレッチェは、熱く、厳しく、そしてフェアに戦っている。

当然、ファールはあるでしょう。

ぶつかり合いはあるものの、余計なファールや、不必要な抗議はしない。

対戦相手、レフェリーをリスペクトしながらも、無謀なプレー、暴力的なプレーはしない。

それが、クラブの隅々まで、浸透しているのではないでしょうか。

森保監督は、今年の優勝を逃したことを残念に思っている。

フェアプレーと成績とを両立させてこそ!との決意を語っています。

私が個人的に感じるのは、成績が悪く、チーム状態が良くない時には、不必要なファールがかさみがちです。

そのような状態でも、フェアプレー賞を逃さずに受賞したことこそ、評価されるに相応しいのではないでしょうか。













 蛇足ですが、浦和レッズのセンターバックであり、日本代表である槙野。

彼は、ここ数年、余計なファール、カードが多いですね。

槙野のプレーを見た、私の教え子が質問してきました。

「ユニフォーム、引っ張っても、転ばなければファールじゃないの?」

小学生が、日本代表のプレーを見て、間違ったことを憶えてしまう。

今回のチャンピオンシップでも、PKを与え、イエローカードを出されてしまいました。

結果として、あのファールが、チームを敗北に向かわせてしまいました。

全く、必要の無い反則でした。

後ろから必死に走り、相手FWの鈴木に、足音を聞かせる。

そうすれば、相手FWも自分のタイミングでは、シュートも打てないですし、余裕を持つことは出来ない。

味方GKの西川と2人でゴールを死守するイメージを持てれば良かったのです。

槙野選手は、もう一度、サンフレッチェの教えを思い出してほしい。

フェアで、激しく、クレバーで熱いDFとして、飛躍して欲しいです。
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2016年12月02日

好かれる必要はないけども。

 私のチームメイトに仕事を聞いたことがありました。

まだ出会って、日が経っていない時でした。

「公務員で、、、。」

なぜか、もごもごと口ごもり、言いにくそうなのです。

このご時世、安定した公務員ならば、胸を張って言えばいいのですがね。

他の誰かが、彼の仕事内容を掘り下げて聞きました。

「実は、警官です。」

「警官というと、いやな顔をされることが多いので、あまり言いたくない。」

そうか〜?!フォローするように、声を出すと。

「取り締まりされた時に、不快な思いをされたのか、嫌われ者です。」

自虐的に話す姿が、印象的でした。

そのチームメイトは、ナイスガイで、嫌われるようなタイプではない。

そのような説明をしなければならないのは、残念な話です。









 なぜ、嫌われてしまうのか?

国民である、我々のために、働いてくれているはずなのに。

悪いことをするのを待っている。

運転をしていて、違反をした瞬間を待ち構えている。

そして、切符を切り、説教をしていく。

顔は笑っていても、目は笑っていない。

未然に防ぐようにしてくれれば良いのに、。

嫌われている要因は、この辺りではないでしょうか。










 思い当たる節がありませんか?

私たちが嫌いなタイプなレフェリーと、全く同じ。

まるで、自分がピッチ内で一番偉い!とでも言いたいのでしょうか。

パトロール中の警官のような、取り締まりを続けるレフェリー。

笛やカードで、我々を威圧する。

選手は、反則をしたいわけではないのに、、。

自分が正義!自分のジャッジが正しい!

ルールの理解すら怪しい選手たちよ、大人しく言うことを聞け!!

笑った顔で近づいて来ますが、目は笑っていない。

レフェリー。

あなたは、選手と一緒に、試合を作っていく仲間ですよね?









 J2のプレーオフ準決勝は、本当に、面白い試合でした。

お互いがすべてをかけて、ぶつかり合う。

熱く、最後まで展開が読めない、見ごたえのある試合でした。

レフェリー、選手、サポーターが共に、熱い試合を作ってくれていました。

一方のチャンピオンズシップの第1戦は、あまり面白くない試合になってしまいました。

決勝戦にありがちな、お互いが腰を引けて、守備的にリスクを負わない戦いをした訳ではありません。

レフェリーが、あまりにも笛を吹きすぎて、試合が続かない。

統計によると、今年のリーグ戦の2倍の反則数だそうです。

しかも、決勝点のPKにつながる、あの笛。

反則の被害者である興梠は、PKを狙ってもらいにいったことを告白しています。

なんとも、レフェリーが悪目立ちした試合でした。

ルールを正式に解釈すると、反則だったのでしょうね。

でも、、、、、。

抗議に行ったアントラーズの選手たちも、呆れて笑ってしまってましたよね。

怒るのではなく、呆れてしまう。

あの表情が、物語っていますよね。







 

 レフェリーも、警官も、好かれる必要はないのでしょう。

でも、共に、社会を試合を形成する仲間であって欲しい。

明日の第2戦。

選手が主役の試合を見たいものです。



追記

ブラジル全国選手権を戦う、シャペコエンセに、悲劇的な事故が起きてしまいました。

何も出来ず、自分の無力さを感じます。

心からのお悔やみを申し上げます。
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2016年10月13日

アルジェリア代表チームの戦い。

 ホームでのイラク戦。

アウェイでのオーストラリア戦。

2試合を戦って、勝ち点4。

ハリルホジッチ監督としては、合格点のはずです。

彼のタスクは、ワールドカップに出場すること。

そして、ベスト16以上に進出すること。

この結果に対しては、誰よりも肝に銘じているでしょう。

競争の厳しい、ヨーロッパで戦い続けたハリルホジッチ監督。

だからこそ、いかにして勝ち点を積み重ねていくのか!に重きをおいている。

言葉の端々から、その価値観は感じられますね。





 一方、監督、彼自身が、求められていないと思っているタスクもあります。

もしかすると、明文化され、契約されているかもしれませんが、、。

日本サッカー界の、将来に向けて、選手を育てていく。

JFAの発信している「JAPAN'S WAY」に則った戦いをすること。

これらは、ファンや、マスコミは、求めています。

「どうして、あの選手を使わないんだ。」

「なぜ、勝利を放棄してまで、守備的な戦い方をするんだ。」

人気があるのは、ニュースターであり、彼らが躍動する攻撃重視な試合。

これは、日本だけでなく、世界的な傾向だと思われます。

ベテランが、老獪に戦い、しぶとく勝ち点を重ねる戦い方も、ある一定の評価もありますけどね。









 ハリルホジッチ監督には、信念を感じられます。

頑固者といっても、良いのかもしれません。

自分が信じる戦いを、やり抜く。

自分がこの世界で生き抜くために、結果を残し続ける。

まさに、プロの指導者と言えるのでしょう。

南野、中島翔哉などを用い、どんどん攻めていけば、一気に人気が高まるでしょう。

イメージは、トルシエ監督時代。

ワールドユースで活躍し、オリンピックで戦った選手たちが、フル代表に起用される。

若い選手たちが、ピッチ上で躍動し、格上の相手に立ち向かう。

でも、ハリルホジッチ監督は、そのようなことを、今はしないでしょうね。

選手を育てることや、日本サッカーの未来を描くのは、彼の仕事ではないですから。













 ホームで勝ち点を稼ぐ。

アウェイでは、負けを回避する。

勝ち点を計算できる、格下相手には、積極的な試合し勝利を目指す。

格上相手には、慎重に戦いながら、最低限の勝ち点を手にする。

そして、リーグ戦が終わった時には、チームの目標を達成させる。

ヨーロッパや、南米の試合を見ていれば、当たり前にありますよね。

何一つ、不思議でもない。

すべての試合で、攻撃的に、勝ち点3を目指す。

常に、自分たちの戦いをする。

そんなチームは、世界のトップ中のトップのみ。

レアルマドリーでさえも、ポゼッションを放棄する。

ブラジル代表も、守備を固めてカウンターが大きな武器になっている。












 それなのに、日本代表は、攻め続けなくては、評価されないのか?

そもそも、ハリルホジッチ監督は、何が得意なのか?

2014年のブラジルワールドカップ。

アルジェリア代表を躍進させました。

あの時の、戦い方は、どうだったでしょうか。

粘り強く、勇敢な選手たちが、戦う好チームでした。

パスを回して、相手の穴を探し、作りながら、ゴール前をこじ開けていく。

日本人が好むような、いわゆる攻撃的な戦い方ではなかったはずです。

鮮明に覚えているのが、決勝トーナメント1回戦での、ドイツ代表との対決。

優勝チームを延長まで追い詰めました。

1対2で敗れはしましたが、まさに死闘。

観るものを、感動させる戦いでしたよね。













 彼らの戦いは、データを見ると、はっきりしています。

アルジェリア代表は、1勝1分け1敗で、見事グループリーグを突破しています。

ところが、グループリーグ3試合を終え、ボールポゼッション率は42.6%に過ぎない。

全32チーム中、なんと30位。

グループリーグを勝ち抜けたチームとしては、USAに続いて、下から2番目。

ボールポゼッションは、されて当たり前のチームでした。

ちなみに、ブラジルワールドカップでは、ある傾向がありました。

ポゼッションタイプのチームの優位性が薄まったのです。

前回、南アフリカ大会では、スペインが優勝を飾りました。

ポゼッションこそが、優れている。

実際に、ポゼッション率の高いチーム、ベスト5は、そのままグループリーグを突破しています。

(ちなみに、アルゼンチン、ブラジル、スペイン、メキシコ、オランダの順。)

一方の、ブラジルワールドカップでは、変化が見られました。

ポゼッション率の上位5チームのうち、2チームが、グループリーグで敗退しているのです。

(スペイン、イタリアが敗退。アルゼンチン、ドイツ、チリは勝ち抜けました。)

ポゼッション率下位10チームの内、何チームがグループリーグを勝ち抜けたのか?

2010年大会は、たったの2チーム。

ところが、2014年大会は、アルジェリアを含む、6チームが勝ち抜けているのです。














 イラク戦と、オーストラリア戦を思い出してください。

最後の最後まで諦めずに、戦い続ける姿。

ボールポゼッションを明け渡す代わりに、強固な守備陣形を作る。

今回、オーストラリア戦のボールポゼッション率は、40%を下回りました。

それに、何のデメリットがあるのか?くらいに、監督は思っているでしょうね。

全員が体を張って、スペースを埋め、相手の自由を奪う。

いい形でボールを奪ったら、長い距離をいとわずに走り抜ける。

カウンターで、グサッと一刺し。

スピードに乗った、カウンターアタックはダイナミック。

パスを回す華麗な攻撃よりも、勝ち点を計算しながら戦う。

引き分けにすることで、次につなげる。

まさに、アルジェリア代表の戦いそのもの。

日本代表の監督に、彼を選んで任せている時点で、この状況は予想できたはずです。














 私は、現在の日本の立ち位置からして、妥当な選択だと考えています。

今まで、何度も指摘しましたが、日本は2種類の戦い方を、求められてきました。

一つは、強豪としての立ち位置から、主導権を握り、相手を圧倒する戦い方。

これは、アジアでの戦いでのみ、求められる戦い方です。

もう一つは、格上の相手と、いかにして戦うのか?

相手の良さを消しながら、何とか、勝機を探る戦い方。

この戦い方を、行ったり来たりしながら、チーム力を上げていくのが、今の日本代表の立ち位置。

もちろん、さらに強化していき、常に主導権を握りたいのですが、それは、しばらくは難しいでしょう。

自分たちのやりたいことを前面に出して戦うと、ジーコ、ザッケローニ監督時代のように、悲しい結果が待っている、、。

それならば、アジア予選の今から、準備をしていてもいいでしょう。

アルジェリア代表が見せた、ハリルホジッチ監督の得意な戦い方を成熟させるのは、ありではないか。










 優れた指導者は、選手を動かすことが出来ます。

モウリーニョ監督、オシム監督、サンパオリ監督。

彼らは、選手を走らせていました。

走ることを選手たちも、自ら選んでいるかのように見えます。

今回の、本田、香川、清武、原口、小林。

彼らも、チームのために走っていました。

様々な批判の声は聞こえてきますが、選手が走っているのが、何よりの証拠。

チームは、壊れていません。

それどころか、ハリルホジッチ監督の求めるように、チームが変わって来ています。

何とか、成績も出しながら、このまま、本大会を迎えてほしい。

その時の日本代表には、期待してもいいはずですよ。
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2016年08月17日

ブラジル全国選手権2016

 「ゴーール!」

わがチームが得点を決めると、立ち上がり、抱き合って、喜び合う。

大きな声で叫び、飛び跳ね、スタジアム中が興奮に包まれます。

選手も、サポーターの声を体中で感じ取り、喜びを共有しています。

逆に、点を奪われると、人っ子一人いないかのように、静まり返る。

スタジアムが静寂に。

感情を素直に表現しています。

喜びを爆発させ、悲しみに打ちひしがれ、ミスジャッジへの怒りをぶつける。

指導者研修、選手の引率でブラジルのクラブに滞在中、試合観戦をさせてもらいました。

ブラジル全国選手権ブラジレイロンの1部リーグの試合です。










 プレーしている選手は、気持ち良いでしょうね。

自分のプレーで、何万人ものサポーターを興奮させる。

幸せな気持ちにさせる。

得点で喜ばせるだけが、プレーヤーではありません。

気の利いたカバーリングに、激しいスライディングタックル。

守備の好プレーでも、スタンドから拍手や口笛が広がります。

これは、守る甲斐がありますね。

攻守すべてにおいて、サポーターを喜ばせることができるのですから。

まるで、ピッチの中と、周りとで、会話をしながら試合を進めているかのようです。












 ブラジルのスタジアムは、危険だと言われます。

私の今回訪れたスタジアムも、あまり治安のよろしくない地域だそうです。

行く前に、クラブのスタッフから注意がありました。

「カバンは置いていけ、必要なものだけをポケットに入れるように。」

「シューズの紐を結ぶように、かかとを踏まれて、走れなくなるぞ。」

(自分達が試合に出るわけではないのですが、とっさに動けないと困る事態を想定してくれたのでしょう。)

かなり入念なボディチェックをされました。

国際試合レベルの、ボディチェックでした。

おかげで、スタジアムに入ると、安全な空間でした。

よちよち歩く小さい子供を、連れて来ているお父さん。

何十年も見守り続けているであろう、おじいさんと、おばあさんが仲良さそうに。

若い女性がサポーター集団に混ざって、盛り上がっていました。












 フットボールを通じて、その国を深く知ることができる。

私は、そう信じています。

ピッチの中で起こることもそうですし、ピッチの周りでもそうです。

その国の人々が何を考え、何に価値を持って暮らしているのか。

ですから、ブラジルと日本とを比べてどうこう、と言いたいわけではありません。

彼らには、彼らの考えや価値観がある。











 ただし、我々は、まだまだ彼らに学ぶことがたくさんあるのも、事実です。

プレーでは、地味ながらも、ハイレベルな駆け引きが多数繰り広げられていました。

例えば、浮き球を、攻撃側の選手が、ワンタッチでプレーしようとしている。

対応する相手DFはむやみに飛び込まない、だけではありません。

頭脳を高速回転させて、数秒後の予測をしていました。

ボールの飛んできた方向、体の向き、DFの位置などから、ボールをさばくであろう方向を予測。

サッと、先に動いて、インターセプトしようとするのです。

さすがの彼らも、浮き球なので、プレーが予測しやすいのでしょうね。

何度も、この方法で、ボールをインターセプトする賢い守りをする選手たち。





 ところが、さらにその上を行く選手もいます。

相手DFが先に動いたのを見る。

もしくは、そっちに出すよ、的な空気を出して、相手DFを動かす。

それを見極めて、さらに違う場所にボールをコントロール。

良く、ギリギリまで見て、判断して、実行と言います。

南米、ブラジルの選手は、局面において、相手の選手を見るのが得意ですね。

大局を見れない選手も、少なからずいます。

でも、局面で、目の前の相手選手を見れない選手はいないと思います。

このような、攻守の局面での駆け引きが、あらゆる場所で繰り返される。

地味ですが、ブラジルらしい、光景でした。












 見せかけの、大げさな技を出す選手は、ピッチ上にいません。

技術を技術をと声高に叫び、サーカスのようなボール扱いを求める。

そのような技術よりも、もっと大切なものがあるのではないでしょうか。

体や、腕を使ってボールを相手から遠ざけるプレー。

相手の状態が悪いと見るや、一気に襲い掛かるようにボールを奪いに行くプレー。

ボールを奪われたら、どこまでも、奪い返しに行くプレー。

味方のシュートコースを作るために、ブロックで相手を抑えるプレー。

地面のボールも、空中のボールも、シュートやパスの選択肢を増やすために、様々な回転をかける。

これらのプレーは、是非、日本の育成年代の選手にも身につけさせたい。

知っているかどうか、アイデアにあるかどうかで、選手のプレーの幅も違うことでしょう。










 今回の観戦では、心が揺さぶられました。

それは、指導者としてだけではなく、一人の人間としてもです。

今後の進む道での、きっかけになるかもしれない時間でした。
 
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2016年07月16日

ユーロ視察の雑感

 ユーロ2016、ポルトガルの優勝で幕を閉じました。

私は、決勝の結果予想は、見事に外してしまいました。

ピッチサイドに下がっても、選手と共に戦ったクリスティアーノロナウド。

彼の気持ちを引き継いだペペは、MVPの活躍を見せました。

やはり彼らの活躍が、ポルトガル優勝の鍵でしたね。










 今回のユーロは、集団の力が目立った大会でした。

イングランド、ベルギー、スペイン。

タレントの力なら、決勝に進んでもおかしくなかったかもしれません。

個の力の集積だけでは、勝ち上がれない。

そこに規律を植え付けても、結果は変わらない。

一つのクラブチームレベルの集団行動ができたチームが勝ち上がっていく。

そのことが、はっきりと現れた大会だった言えます。

ポルトガルの優勝、アイスランド、ウェールズの躍進、イタリアの踏ん張り。

しっかりと証明してくれた国々です。







 そうは言うものの、クラブチーム並みの連携、戦術的行動を求めるのは簡単ではありません。

そこで、近年重用されているアイデアが、国内クラブをそのまま移植する方法です。

この流れは、2010南アフリカ、2014ブラジルワールドカップと同じですね。

バイエルンミュンヘンを中心とした、ドイツ。

タレントの力に規律を植え付けて優勝を目指したブラジルを、打ち破りました。

クラブチームのようになるために、国内強豪クラブを移植してくる。

さらには、スペイン。

バルサの攻撃+レアルの守備。

それがスペインが世界を制していた力の源でした。

今回のスペインは、中盤よりも後ろは良かったのですが、前線が、、、。

その理由は、簡単ですね。

レアルの攻撃もバルサの攻撃もスペイン人はごくわずか。

ポルトガル、ウェールズ、フランス、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの彼らが、点を取っています。

スペイン代表が点を取れない理由は、クラブの現況を見れば、明らかです。









 今回、イギリスが、ユーロを離脱しました。

遠く離れたアジアにいると、想像力をもって、ユーロ離脱を考えていなかったかもしれません。

同じヨーロッパなんだから、仲良くすればいいのに。

その程度の認識でした。

実際に、フランスに行くと、そのような考えは吹き飛びました。

私は、フランスに行くのは今回で3回目。

ますます、多様な民族がフランス人?として生活していました。

そこに、ヨーロッパ中の人々、我々アジア人がフランスを訪問。

なんとも、多様性に富んだ景色。

考え方も違えば、見た目も、話す言葉も違う。

一つにまとまることは、奇跡です。










 そのように、多様性に富んだ社会で生きていくためには、何が必要か?

個人として、己を確かに持つこと。

自分の頭で考え、その考えを自らの意見として伝えること。

その意見をぶつけ合いながらも、なんとか良い方向に進めていく調整能力も必要でしょうか。

空気読んでよ〜、言わなくても分かるでしょ。

腹芸は、通用しませんね。

フランスを移動しながら、価値観の違いを味わっていました。

可愛い子には旅をさせよと言いますが、その理由が分かります。










 テロを恐れて?か、今回日本人の姿が、本当に少なかったです。

アジア人は、中国系の方ばかり。

日本人がここまで少ないとは!少し寂しい気持ちになりました。

世界トップクラスの戦いを、自分の目で確認して良かった。

このスピード感、犠牲心、集団行動などは、テレビにどこまで映っているのか?

守備から攻撃に入った時の、なんともダイナミックなスピード。

攻撃から守備に切り替わった瞬間の、プレッシャー+中央への絞りが速い。

両方の切り替わりのスピードは、本当に速い。


そして、ゴチャゴチャとも言える多様性が進んだ社会で生きている人々。

彼らが、目的のために一つにまとまる姿。

まとまらずに、崩壊していく組織。

成功した姿も、失敗した姿も、勉強になりました。

この体験が、私の血となり肉となってくれることでしょう









posted by プロコーチ at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月07日

プラン変更

 今シーズンのチャンピオンズリーグ マンチェスターシティ対ユベントス。

グループリーグでの戦いですが、覚えてますか?

ホームのマンチェスターシティが先取点。

その後も、主導権を握るのは、シティ。

パスをつなぎながら、様々な角度から、ゴールを目指していきます。

シティでパスをたくさん出しているのは中盤の選手。

中盤を起点とし、攻撃を組み立てていることが、分かります。





 一方のユベントスの中盤は、組み立てへの関与が少ない。

ボヌッチ、キエッリーニ、センターバックの二人が一番ボールに触っている。

DFラインではボールは持てるものの、それより先に前進していくのには苦労している。

かなり、不利な状況でした。

イタリアのクラブらしく、ユベントスは動じません。

我慢して我慢して、チャンスをうかがう。

ポゼッションで上回れても、シュートをたくさん打たれても動じない。

終わってみれば、2対1で逆転勝利。

ゴールは、マンジュキッチに、モラタ。

試合終了のホイッスルが鳴った時、イタリアのクラブが勝っている。

これぞイタリア!ともいうべき、試合の一つでしょう。









 ユーロの準決勝。

イタリア対ドイツも、そのような試合でした。

先取点は、ドイツ。

ドイツも相手の良さを消すために、自らの形を捨てた試合。

どちらもが、失点をしたくない!試合での先制点は、大きな意味を持ちます。

その後も試合は、膠着状態が続きます。

何とか、イタリアが相手のミスからPKを決め、同点に追いつきます。

が粘りもここまで。

PK戦をドイツが制し、準決勝に進出を決めました。






 先ほどの試合と、何が違うのでしょうか?

違いは、単純に攻撃陣のタレントの違いでしょう。

イタリアのタレントは、中盤から後ろに偏っていました。

ブッフォン、ボヌッチ、キエッリーニ。

さらにユベントス勢が、バルザーリ(CB)ストゥラーロ(MF)。

コンテ監督の分身たちが、後ろを固めて失点を増やしません。

特にゴール前の中央は、アリの入る隙間もないのではないか?

とにかく、中央をがっしりと固めていました。

中央をがっしりと固め、カウンターとセットプレーでゴールを目指す。

ですが、先ほどの試合でゴールを挙げたユベントスの選手を思い出してください。

モラタ、マンジュキッチ。

スペイン代表に、クロアチア代表。

加えるなら、マンジュキッチにスーパーなのアシストを出したのが、ポクバ(フランス代表)。

イタリア代表には、違いを出せる選手も、一人で決めれる選手もいませんでした。

8人でブロックを組み、前の2人でコースを切りながら前進を阻む。

そして、2トップ+サイドの2枚でゴールを目指す。

当初のプランは予定通り遂行したのですが、勝つことは出来なかった。

つまりイタリア代表は、守り続けることしか、決め手となるプランとしては持っていなかった。

守り続けるだけといっても、かなり難易度の高いミッションです。

上下のラインコントロール、左右のスライド、ゾーンを離れて人をつぶすタイミング。

イタリアの守備は、守備の勉強にはもってこいの教材です。





 対戦相手、世界チャンピオンである、ドイツ代表。

彼らは、戦術的にも柔軟でした。

まずは、相手の良さを消すために、システムを変更。

得意の4バックから、3バックに変更。

これは、相手の2トップに対して、プラス1枚の形を残して守るため。

さらに両サイドのウイングバックにも、守備の役割を持たせます。

イタリアの両ワイドで攻撃に絡んでくるウイングバックを封じ込める。

彼らに攻めあがるスペースを与えません。

さらに3バックにすることで、攻撃から守備の切り替わりも意識していたはず。

中央に常に、一枚選手がいる。

いつもの4バックなら、2枚のCBがサイドに大きく開いて、ビルドアップを行います。

このことで、両サイドバックに高い位置取りをさせています。

ただし、ボールを奪われてすぐの瞬間に、ゴール前が手薄になってしまう。

そのリスクを排除するという意図もあった、と考えられます。








 何か手を打てば、何かが犠牲になります。

この3バックプランによって、攻撃にかける人数が少なくなりました。

特に、サイドでの崩し。

中央には人はいるのですが、サイドまでは手が回らなくなった。

ウイングバックが高い位置でボールを持っても、選択肢が少ない。

クロスを上げるか、後ろ、横に戻すか。

サイドからの崩しに、工夫が足りない。

クロスの質も高く、中で合わせる人もいるのですが。

中央で跳ね返すと決めているイタリアは、動じません。

ドイツの攻撃は、イタリアに対して脅威を感じさせることが、できていなかったのではないか。










 そこで、後半、ドイツは手を打ちました。

システムを変更し、ディフェンシブハーフの枚数を1枚削ります。

トニクロースとシュバインシュタイガー(ケディラ負傷交代により)の2枚で構成していた前半。

安定はしていましたが、横パスをつなぐだけで、怖くない存在に成り下がっていた。

監督は、ここに手を加えます。

シュバインシュタイガーを1列高い位置に上げ、エジルと二人でオフェンシブハーフに。

1トップを2トップに変更です。

オフェンシブハーフを2枚に増やすことで、飛び出していく選手を増やす。

2トップに変更することで、1枚がサイドに流れやすくなる。

ただし、人を並べ替えただけでは、絵に描いた餅です。









 ここで、攻撃の新たなオプションを授けました。

(実際に聞いてはいないので、私がスタンドから観た分析ですが)

サイドの高い位置で味方がボールを持った時に、1枚がボールに関わる。

横につくだけでなく、追い越す動きをいれること。

中から、ボールホルダーの前を走り抜けるインナーラップラン。

外からボールホルダーを追い越していくオーバーラップラン。

この動きを加えることで、サイドを崩す。

後半に入った途端、この追い越す動きが増えました。

これほど繰り返すということは、明確なチームとしての意図を感じます。




プランはさらにその続きがあります。

サイドを崩すのが目的というよりも、目的はさらにその先。

中央を固める、センターバックを引っ張り出したい。

サイドを崩された守備陣は、中央から選手がカバーに出てくるでしょう。

ここでようやく、分厚い守備の固まりに穴を開けることが出来るのです。

ゴールは、まさに、この形から生まれました。

イタリアのミスが絡んでいるので、そこが目についてしまいます。

ポイントは、そのミスでなく、ドイツの後半からの攻撃のオプションに目をつけるべきでしょう。










 ドイツ代表は、いきなりプランBからキックオフを迎えました。

イタリア対策です。

そして、試合の中で、プランCに変更してきました。

それを柔軟に対応できるチームとしての完成度の高さを感じます。

まるで、通年活動している、ひとつのクラブチームであるかのようです。

バイエルンミュンヘン勢(4人プラス前所属3人の7人)が中心になっていること。

育成世代から共に時間を過ごしていること。

分かり合っている者同士だからこそ、このプラン変更にスムーズに対応可能。

何とも完成度の高いチーム。










 少しだけ、アイスランド対フランスの試合にも触れておきます。

大旋風を起こしてくれた、アイスランド。

彼らの戦いを楽しみにしていました。

彼らも、プランAしか持っていなかった。

先制点を早い時間で奪われて、ずるずると失点を重ねる。

フランス戦は、かなり期待して観ていたのですが、少し残念な結果でした。

フランスに対して、尊敬しすぎたのか?

ベスト8に進出したことで、満足してしまったのか?

それとも、5試合目を戦うだけの、体力が無かったのか?

ボールにもっと厳しく行きたいのでしょうが、寄せきれない。

守備の形は綺麗に整っているのですが、そこまで。

グループリーグで見せた、あの鬼気迫るボールへの執着心が感じられませんでした。

綺麗な攻撃、整った守備で相手に立ち向かっては、力の差が出てきてしまう。

開始数分で、フランス代表は分かってしまっていた。

この試合は、余裕で行けると。

余裕を感じさせてしまうのは、今までのアイスランドでは無い。






 フランス代表。

かなり心配になりました。

体力的には、かなり楽になったはずです。

アイスランド戦の後半は、流しながらプレーしていました。

延長、PKまで戦ったドイツに比べると、疲労は蓄積していないはずです。

気持ちが切れていないかが、心配です。

90分を通して、リラックスして試合をこなしていました。

まるで、親善試合かのように、真剣度は感じられませんでした。

一度、緩まったチームの緊張感を、絞め直すことができるのがどうか?

緩んでいる証拠に、後半は2失点、得点は0。

ドイツ戦までの4日間をどのように過ごすのかで、彼らの運命が決まるでしょう。
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2016年07月03日

意思の統一を

1回目のランニングが、終わるとボールを使います。
ウェールズも、ベルギーも、パス&コントロール。
シンプルですが、素晴らしくレベルの高いものでした。
水分補給を挟んで、次のメニュー。
30分で、5つも6つもメニューを実施します。
短時間に、パッ!と集中する。
トレーニングも、アップも、時間の長さでは無いですね。






続いて、対人のメニュー。
ほぼ全てのチームがポゼッションを行います。
15〜20mほどの狭いグリッド。
このトレーニングを見れば、見えて来ます。
個人やチームの、技術レベルに、攻守・守攻の切り換わりの早さ。
そして、当日にどんな試合運びを意図しているのか?
いわばチームの戦略です。






ポルトガルは、4対4+2フリーマン。
15×25ほどの、縦長のグリッド。
フリーマンは、短い辺上を動く、サーバー役。
サーバーには、何度もリターンパスOKです。
(サーバー間のパスは、おそらく禁止)
すると、サーバーを軸に、低い位置でボールを動かします。
プラス1枚を使えますから、楽に回せます。
ここに、相手DFを引き付ける。
高い位置に残していた選手に、長い縦パスを通す。
素早く、他の選手がサポートに寄って、展開を続ける。

この形は、試合の中で、何度も出てきました。
低い位置から、クリスチアーノロナウドに、長いパスをいれる。
そこに、中盤がサポート。
縦パスが入るのが分かっているので、サポートが早いのです。
展開が詰まった時には、回避策としても使われていました。





ベルギーは、5対5の同数でした。
20mの正方形のグリッド。
狭いスペースて、攻守が同数なので、簡単に回りません。
ボールを持った選手が気を効かせる。
ボールをずらしたり、ほんの1・2秒ためたり。
ギリギリまで引き付けて、パッと角度を変えるパス。
見ていて、楽しいものです。
さらに重要なのが、オフザボールの動き。
ボールの移動中に、スッと顔を出します。
体、半分でも顔出し出来れば、ボールを受けれる。
継続的にサポートをする。
言うは易しですか、実際は心身ともに、疲れます。

試合中でも、ベルギーは、この動きが素晴らしかった。
ただし、限られた時間だけです。
前後半の、それぞれ開始5分10分。
そして、失点直後ですね。
すぐに、足が止まります。
ベルギーの指揮官は、自分達の弱点を分かっているのでしょう。
だからこそ、この意識付けを試みたのですが、、。






ウェールズは、4対4+2フリーマン。
フリーマンは、中に入ります。
実質、攻撃6人、守備は4人。
数的有利の状態なので、かなり攻撃有利です。
拡がりを作り、少ないタッチでボールを動かす。
難しいプレーは、ほとんど出てこない。

そして、もう1つの特徴。
グリッドの中央部分。
DFの間になるのですが、ここを使うのはフリーマンの役割。
試合でも、狭いところでボールを受けるラムジーとベイル。
彼らが、フリーマンだったかと。
つまり、他の選手は、楽な状態で落ち着いてプレー。
チャンスがあれば、厳しい場所にいる二人にボールをつける。

試合では、後ろの6人は、拡がりを作り、シンプルにパス。
ボールを横に横に動かします。
ギャップを見つけ、バシッと縦パス。
ここに、いい形でボールを入れれたら、チャンス!
意思の統一が、出来てました。







ウォーミングアップ。
体を温めるだけでは、ありませんね。
心も、頭も、試合に向けて高めていく。
アップを見ると、やはり試合が見えて来ますね。






余談
クリスチアーノロナウドは、キックが不調のようです。
全くシュートが、ミート出来ていません。



ドイツ人が、横の動きが鈍い。
ドリブルで揺さぶるのが効果的だ。
高原選手が、10年以上前に語ってました。
少なくとも、代表レベルでは当てはまりませんね。
今回見た6チームで、一番アジリティに優れていました。
アップで見せてくれたステップワークは、圧巻でした。


ポルトガル代表が、面白い遊びをしてました。
サブの選手が、ボールとたわむれてました。
5mの距離で、二人でリフティング。
必ず、2タッチ。
そして、パスはラボーナ。
(脚を後ろで交差させてキック…一応解説)
これが、続く続く。
胸トラップからラボーナ、股トラからラボーナなどなど。
10数回続いてました。

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2016年07月02日

ウォーミングアップ 1

スタジアム観戦の楽しみの1つに、アップがあります。
テレビに映ることもありますが、全容は教えてくれません。
今回のユーロ2016。
まだ、2試合しか観てませんが、幾つもの発見があります。





基本的な流れは、だいたい同じです。
キックオフ45分前に選手が登場してきます。
GKは、それよりも10分弱、早く出て始めています。
まず、ゆっくりとしたペースで、動きます。
この時は、選手の自主性に任せているようです。
ボールを持っている選手もいれば、持たない選手も。
軽くリフティング、ボール運びなど。
強いキックや、ダッシュはしないですね。
サブの選手は、すぐに分かります。
ボールで、楽しそうに遊んでいますから。





最近の流れが、あります。
それは、走り。
ランニング、ステップワークを2回するのです。
以前は、最後に様々なダッシュをして、終わる。
今の流れは、最初のフリーランニングの後に1回。
最後にも、もう一度走る。
そして、この距離が短い。
短いチームだとわずか5m。
長くても、10mほどしか走りません。





1度目のランニング。
この時には、ありとあらゆる動きを取り入れます。
前向き、後ろ向き、横向き、スキップにジャンプ。
そして、その合間にも、動きが入ります。
止まった状態の、スタテイックなストレッチ。
動きながら、ダイナミックなストレッチ。
その場でステップを踏んでから、片足でストップ。
軽い筋トレで、筋肉に刺激を入れているようです。






最近、やたら、試合前には静的なストレッチをしない。
と、アピールしている人がいます。
根拠は、あるようですが。
何でも、パフォーマンスに悪影響だからとのこと。
では、なぜ、世界最先端の人々がやっているのか?
害が無くても、意味合いが薄い、と言う人もいます。
では、なぜ、あの限られた時間の中に、取り入れているのか?
その答えは、シンプルです。
「試合前にも、必要だから」
それが、2016年現在の答えでしょう。





その後は、ボールを使ってアップを続けます。ウェールズと、ベルギー。
パス&コントロールを始めました。
どこかで、見たことがあるメニュー。
まるで、日本の小学生や中学生が取り組んでいる内容でした。
見ていると、世界トップの選手たちが、真面目にやっている。
1つ1つのプレーを大切に、スピーディーに。
当たり前なのですが、その姿に感心します。
ちなみに、ポルトガルもしていました。
設定は違いますが、大切にしているのは、同じでした。




設定は、4ヶ所に分かれ、隣に出して進む。
隣との距離は、10〜15m。
それを繰り返す。
ボールは、2つ同時に使います。
単純ですよね。
発展として、隣に出してリターンを受ける。
リターンを受けたら、1つ飛ばしに、パス。
同じく、これを繰り返します。
2つのパス&コントロールで、計7・8分です。






文章にすると、分かりにくいかも知れませんね。
見れば、1発で分かるでしょう。
特筆すべきは、その精度。
誰も、ミスをしません。
右回りでも、左回りでも、それは変わらない。
そして、パススピードが、ドンドン上がります。
結局、ここか!
パス&コントロールの重要性を、改めて確認しました。


ウォーミングアップは、まだ半分残ってます。
長くなったので、続きは次回に。







posted by プロコーチ at 19:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月01日

ポルトガル対ポーランドから

   レナトサンチェス
まだまだムラがありますが、いい選手です。
昨年までは、母国のベンフィカでプレー。
まだ、18歳の青年です。
既に、チャンピオンズリーグでも大活躍。
個人的に、昨シーズンは、ベンフィカに注目してました。
ベスト8に進出したクラブを、中盤で支えていました。


見た目が派手なので、勘違いされるかもしれません。
実は、とても堅実で、真面目。
生まれ持った何かに頼る選手ではありません。よくトレーニングされた選手です。
ボールを止める、蹴る、運ぶの技術が高い。
ボールを受けるために、相手DFを確認。
スペースを探しながら、ボールを要求します。
止める技術が高いので、DF間の狭い場所でも問題無し。
ボールを出して、そのまま止まらずに走る。
スペースがあれば、グンと持ち出して行きます。




現地で見ると、彼が、トレーニングされた選手だと分かりました。
戦術理解度が高く、遂行能力も高い。
右足が利き足だと思います。
でも、相手との距離や、寄せ方に合わせて、使う足を変える。
右足でブロックしながら、左足でプレー。
利き足だけに頼っていると、選択肢を減らしてしまう。
先制点は、右足でトラップ。
相手が右足側からプレッシャーに来る。
ファーストタッチで、左足の前に置く。
そのまま、迷うことなく左足を振り抜き、ゴール。
両足を高いレベルで使いこなせ!
そのような指導を受けて育ったはずです。

ポルトガルは、前後半で、中盤を変えて来ていました。
前半は流動的に、ポジションを変えていました。
4人が、中央寄りでプレーし、サイドのスペースを空けていました。
ダイヤモンドのイメージでしょうか。
サイドのスペースは、オーバーラップしてくるサイドバックが使う。
レナトサンチェスは、右寄りでプレー。
ただ、この作戦が全く機能しない。
両サイドに、常に2枚の枚数をかけるポーランド。
ポルトガルは、サイドに人を配置していない。
サイドの攻防で、ポルトガルは常に後手に回ってしまった。
ポーランドの先取点は、ミスもありましたが、その典型。

ちなみに、ポーランド。
10番のクリホビアクがビルドアップの鍵。
味方のセンターバックの間に、落ちる。
センターバックを開かせます。
そして、両方のサイドバックを高い位置につかせる。
サイドを崩して、中央の二人に点を取らせる。
レバンドフスキーと、ミリク。
チームのストロングポイントを最大限に活かす。


後半、ポルトガルは、中盤の構成を変更。
戦い方も変更。
4人がフラットに並びました。
サイドバックとサイドハーフとの連携を高めました。
サイドの二人が、縦関係を強化しました。
この作戦変更が、大当たり。
サイドのスペースを埋め、バランスが良くなりました。

レナトサンチェスは、左にポジションを変えました。
流動的な動きはしません。
タッチラインいっぱいに開く。
開いてボールを受けて、攻撃の起点になる。
サイドバックと連携してサイドの攻防で有利に立つ。
前半とは全く違うタスクを平然とこなしていました。





彼、レナトサンチェスの気持ちの強さを感じるシーンが2つありました。
1つは、先制点のシーン。
その直前に、右サイドからクロスを上げています。
比較的、余裕があったのですが、精度が低く、クリアされました。
すると、中に走り込んでいた、キャプテン・クリスチャーノロナウド。
激しい形相で、叱責しました。
「なんだ!そのボールは!!」
「もっといいボールを上げろ!」
とでも、叫んでいたかのようです。

すると、さらに、ベンチからも叱責されるレナトサンチェス。
こちらもまた、強い口調で言われていました。
単なる指示を受けていた様子ではありません。

彼の気持ちの強さが見えたのは、この時です。
この後、すぐに、先制点が生まれます。
冷静に、豪快に、同点に追い付くシュートを叩き込みました。
すると、ベンチを指差しながら、叫んでいます。
「見たか!!」
そして、クリスチャーノロナウドとも、ガッチリとハグ。
その堂々とした態度。
18歳には、見えませんでした。

もう1つは、PK戦のシーン。
2番手のキッカーとして登場。
ポーランドサポーターが待ち構える、目の前。
サポーターが地面を踏みつけて、スタンドを揺らします。
ブーイングに口笛を、容赦なく浴びせます。
彼は、顔色1つ変えず、平然としていました。
左の上隅に、強烈に決め、サポーターを黙らせたのです。




彼は、18歳にして、プロの競争の場に、身を置いています。
世界で最もレベルが高いとされる、チャンピオンズリーグにも出ています。
もう、一人のプロ選手として、競争をしているのです。
周りの、大人たちも、あえて厳しく求めているのでしょう。
「もっと出来る」
「それではダメだ」
有望だからこそ、厳しく接する。
そして、彼自身も、それに応えていく。
こうして、成長していくのでしょう。
伝統ある国は、選手の育て方を知ってますね。
勘違いから、潰れてしまった選手など腐るほどいるでしょう。



レナトサンチェス。
今後、彼は、どのような選手に育って行くのでしょうか?
単な良い選手で終わるのか。
それとも、伝説的な選手に登り詰めるのか。
まずは、試合中に消える時間帯を減らさなくては。
とにかく、楽しみな選手の一人です。





posted by プロコーチ at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヒントを求めて

 アイスランド…人口33万人
ウェールズ…人口300万人
敗れましたが、アルバニア…人口280万人
ヨーロッパの中でも、か規模の小さい国々です。
さらに、人口はある程度いるものの、
大国の隣で、陰のようにひっそりとしていた国々。
ベルギー、やポーランド。



このような国々が、日本のヒントになるのではないか?
我々の代表は、世界に出れば、弱小国。
親善試合では頑張るものの、なかなか強国とは言い難い。
私たちの代表チームは、弱小国である。
自分達の置かれている立場を、冷静に見なければならない。






 目標を高くもつのは、大切なこと。
上を目指さない集団に、成長も、変化もありませんよね。
でも、それと、自分達の力を冷静に見極めるのとは、違う話し。
個人のパフォーマンスを最大限に高める。
それだけでは、試合に勝てない。
相手がある。
その相手次第で、求められる戦い方も違ってきます。







 今から、強国に立ち向かう国々の挑戦を観てきます。
そこには、必ずや、我々へのヒントがあるはずです。
posted by プロコーチ at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月07日

落差

 今、熱い戦いが始まっています。

それは、キリンカップではありません。

キリンカップで来日したブルガリア。

メンバーは、揃えて来てくれたようですが、モチベーションが感じられない。

戦っていない。

目の前のボールや、相手に対する執着心を感じない。

特に、奪ってすぐの切り換わり。

奪われてすぐの切り替わり。

両方の切り替わりの局面で、走っていない。

その相手に、7点入れようが、何の価値があるのか?









 地球の裏側では、コパアメリカが始まっています。

今回は、100周年記念大会!ということで、アメリカでの開催。

盛り上がるのか?と心配していましたが、問題ありませんね。

移民の方でしょうか?彼らを中心に、スタジアムを盛り上げてくれています。

ピッチ上は、もっと熱い。

相手の骨ごと削り取るような、深いタックル。

相手の体を押し込みながら体を入れて、ボールをキープする。

毎試合のように、退場者が出ています。

決して褒められたことではありませんが、真剣度がすごいです。

観戦していない方も多いでしょうが、一度見るべきです。

キリンカップの戦いが、形だけのものだということが、バレてしまいます。










 キリンカップ決勝の相手、ボスニアヘルツェゴビナ。

私のお気に入りのチームの一つです。

敗れはしましたが、2014ブラジルワールドカップの戦い。

躍進したコスタリカや、アルジェリアに匹敵する力を見せてくれました。

まず、一人一人の技術レベル、戦術レベルが高さを感じました。

日本で育てば、テクニシャンとして、ちやほやされることでしょう。

でも、彼らが、技術レベルの高さに満足していません。

祖国、チームのために、気持ちをもって戦う。

戦術的行動をしっかり取る。

わがままにプレーしている選手は、ピッチ上に見当たらない。

いわゆる上手い選手が、チームのために走っている。

一番の価値観が、チームにある。

見ていて、気持ちいいチームでした。







 今回の試合が、あの時に見せてくれた、本物のボスニアヘルツェゴビナであることを願います。

すこしでも、地球の裏側での戦いとの差が縮まってくれますように。

観客の熱が伝わりやすい、吹田スタジアム。

ここで、テンション高い、本物の戦いを!
posted by プロコーチ at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月05日

きれいな試合

 なでしこジャパンが窮地に立たされました。

リオオリンピックを目指す最終予選。

3試合を終わって、1引き分け2敗。

勝ち点わずか1。

ワールドカップでも世界2位。

その前のロンドンオリンピックでも銀メダル。

さらにその前のワールドカップでは、世界を制したなでしこジャパン。

歯車が外れてしまったのでしょうか?








 試合を観て気づくのは、守備組織の美しさ。

ボールを中心にした、ゾーンディフェンス。

相手の位置にとられすぎず、ボールがどこにあるのか?味方はどこにいるのか?

それを基準に、ポジションを取る。

ボールの動きに合わせ、一糸乱れず、全体が動いていく。

全員が役割を明確に理解している。

3試合終え、どの対戦相手よりも、守備は組織されています。











 気になるのは、守備の嗅覚が鈍っているように感じること。

いいポジションを取ることは、スタートのはず。

そこから、ボールに寄せ、ボールを奪うのが目的です。

守備の本質は、いいポジションを取り、ボールを奪うこと。

1人1人が、ここがやばい!今なら奪えると判断を繰り返していく。

ゾーンを組んで、いいポジションを取ることはスタートなはず。

それなのに、それで満足しているかのように見えてしまう。

守備の組織を崩さないようにすることが、目的になっていないか?

ボールに対して厳しく寄せれていない。

結果として、DFラインが低くなっている。











 褒められたことではないのですが、韓国や中国の選手はファールが多い。

さらに、ファールを取られるか取られないか、ギリギリの汚い手・腕の使い方。

日本は、それにやられないまでも、思うようにはプレーさせてもらえない。

一方の日本の守備は?

インターセプトできなければ、次のチャンスを狙う。

前を向かれたら、ディレイ、遅らせる。

教科書通りなのです。

全員が理解しているのは素晴らしいことなのですが、怖くない。

相手が思うよりも、グッと足が伸びてくるから、ボールをロストさせれる。

相手のイメージよりも、ボールに一歩二歩寄せるから、相手はプレッシャーを感じてくる。











 この日本の守備は、ずっと変わっていないのかもしれない。

守備を組織し、相手のミスを待つ。

わざと中央におびき寄せ、ごちゃごちゃさせて、相手を混乱させる。

自分で奪いきるよりも、相手のロストを促している部分です。

ただ、毎年毎年、女子サッカーのレベルが上がって来ています。

世界の女子サッカーそのものが、進歩している。

それは、日本の草の根も同じです。

ミスを待っているだけで、相手が自滅してくれる時代は終わろうとしている。










「テクニカルに、スピーディーに、コレクティブに、タフに」

前回のワールドカップのTSG【テクニカルスタディグループ】の分析です。

日本女子だけが持っていたものを、世界の強豪はすでに持っています。

ドイツ、フランスのようなトップクラスでなくても、持ちつつある。

なでしこジャパンの優位性は、アジアのレベルでも失われた。

今回の最終予選では、それが露わになったと言えます。

きれいな守備を組織するだけでは、守り切ることが出来ない。

いい守備が出来ないと、良い守備から攻撃の切り替わりも起きてこない。










 後2試合、なでしこジャパンらしく、ひたむきに戦ってほしい。

チームとしては、壊れてしまっているわけではない。

紙一重の差。

ほんの少しのアンラッキーです。

なでしこジャパンが劣っているわけではない。

わずかな可能性ですが、信じています!





 
posted by プロコーチ at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする