2022年01月22日

高校選手権決勝から

 少し前になりますが、高校選手権の決勝を観戦することが出来ました。

毎年のように観戦していましたが、昨年はご存知のように観戦出来ませんでした。

(今もかんせんと入れて変換しようとすると観戦ではなく、感染と出てきてしまいます。。。)

高校選手権は、単なるサッカーファンというよりも、選手権と言うものそのものを大切にしたい。

そんな気持ちが随所から伝わってきました。

新国立のスタンドは、4万人を超える大観衆でしたが、静寂に包まれていました。

ボソボソという話し声は聞こえても、歓声は上がりません。

良いプレーヤ、応援のための拍手だけが響き渡ります。

静寂の中で選手の声や、ボールを蹴る音、体のぶつかり合う音が聞こえてくる空間。

以前に観戦に行ったブラインドサッカーを思い出しました。








 試合は、青森山田高校が、大津高校を圧倒し、優勝しました。

内容以上の差を感じました。

何よりも、大津高校の良さが全く出てこない。

パスを受けるためのアクションが皆無。

サポートポジションについたり、マークを外す、体の向きを作り続ける。

そんな動きがあまりにも少ない。

大津の選手たちが、臆病に見えてしまいました。

それくらい、青森山田のプレッシャーが強かったのでしょう。

スタンドから観ていても、その差は歴然。

50/50のボールは常に青森山田のもの。

いつも、ボールに対して先に動き、体をぶつけ、積極的にボールに向かう。

多少不利な体勢からでも、体を捻じ込んでマイボールにしてしまうのです。

その迫力!

大津は、青森山田の起こす、大きな渦に巻き込まれているかのようでした。








 この試合を観ていて、少し昔の高校選手権の決勝戦を思い出しました。

2008年の86回大会。

流通経済大附属柏対藤枝東の決勝戦。

この試合を旧国立で観戦していました。

古豪である藤枝東の応援団のバスが、大挙して押しよせ、国立は満員。

立見が出るほどの大賑わいでした。

私も仲間と国立に行ったのですが、席が無く、立ったまま観戦していたのが懐かしいです。

藤枝東の古豪復活を期待する空気がスタンドにはありました。

試合が始まると、流経柏の中盤へのプレスと激しいマークが印象的。

藤枝東の中盤は、のちにエスパルスで活躍する河井陽介が何もさせてもらえない。

パスが全く繋がらない。

寄せられてはミス、パスを出した先で失うことが繰り返されていました。

まさに流経柏が、藤枝東を大きな渦の中に巻き込んでしまったのです。

ちなみに、高校3冠を勝ち取った流経柏には、同じくエスパルスなどで活躍している大前元紀がいました。








 時代や、スタジアムが変わっても、高校選手権は引き継がれている。

それが源になり、100回の歴史を刻んだのでしょう。

次の冬も、さらにその次も、選手権が続いていますように。

第150回大会の観戦に行きたいものです!
posted by プロコーチ at 01:40| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月03日

可能性はある。

 オリンピック男子サッカー。
いよいよ、準決勝のスペイン戦です。
国際タイトルへのファイナリストがかかった大きな試合を体験出来る。
しかも、相手はスペイン。
それだけでも、日本サッカーにとって、意義のある試合だと思います。

 相手は超強豪のスペイン。
勝ち目はあるのでしょうか。
そもそも森保監督は、真剣にメダルを取るためのメンバーを選んでいます。
強い相手、主導権を握られ押し込まれる展開を想定しています。

・オーバーエイジ枠の全てを最終ラインで使用。
もし圧倒して勝ちたいならば、FWの大迫や攻撃的な南野を招集していたでしょう。
吉田、冨安、酒井宏樹を並べたことで、後ろが安定し、締まった試合展開が可能になっています。
そして、押し込まれたとしても、崩壊することなく、粘り強く耐えられるでしょう。

・上田綺世、前田大然、三笘薫。
相手が攻めてくれば攻めてくるほど、彼らの力が発揮されるでしょう。
ボールを奪う、相手の背後のスペース。
カウンターアタックの局面では、彼らが輝きます。
つまり、ボールを保持しながら攻めてくるであろうスペインとの相性は、抜群です。



 これらの武器を活かすための条件としては、早い時間帯で先制点を与えないこと。
少なくとも前半は失点をしない。
ロースコアの展開を続けながら、カウンターのチャンスをうかがう。
セットプレーで失点をしない。
そうすれば、勝利の可能性は高まると思います。

 そして、日本開催の恩恵が受けられるます。
戦い慣れたスタジアム。
高温多湿への適応。
コンディション調整のアドバンテージ。
何よりも、我々の声ならぬ気持ち。
テレビ観戦ですが、信じて熱く楽しみましょう!
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2021年01月30日

ロングスロー問題

 サッカー高校選手権。

なんとか、全日程を終わらせることができましたね。

関係者の皆さんの英断と頑張りに、心から感謝したいです。

20年ほど、毎年のようにスタンドで観戦していたので、少し寂しい気持ちもあります。

来年こそ、当たり前のように、スタンドから観たいものです。






 今回、なぜかロングスローが、敵視されていました。

今に始まった事ではないのに。

あれは、サッカーではないのではないか?

観ていてつまらない、好きではないと言う意見を述べるのは自由です。

でも、ルールによって定められた範囲内で、正々堂々と行っているプレーですからね。

文句を言われる筋合いは、ないはずです。








 中田英寿や財前がいた時のU17ワールドカップ。

30年近く前の、世代別の世界大会。

あの時、キックインが導入されました。

スムーズな展開を期待して、試験的に運用されたようです。

結局、その後、正式には採用されませんでしたね。

日本代表もそうでしたが、時間をとって、ロングボールを放り込むチームがいた。

その結果、リスタートに余計に時間はかかるわ、展開はつまらなくなるわで不採用。

そんな流れだったかと思います。

このキックインからのロングボールにしても、ルールに準じて実行しています。

その中で工夫をして、勝率を高めるために何をすべきか?しているだけなのですがね。









 ロングボールはしばしば、槍玉に上がります。

ボールの蹴り合いになると、展開が大雑把になり、面白くない。

選手の技術、判断する力の向上を阻害するという観点も、育成年代では問題に挙がります。

バーモントカップと呼ばれる、小学生年代のフットサル全国大会。

ここでは、GKのキックやスローに制限がかかります。

ノーバウンドで、ハーフウェーラインを超えたら、反則。

相手ボールの間接フリーキックで再開となるルールは、かなり浸透していますね。

リスクを恐れたチームが、ボールを前方に蹴飛ばすことを繰り返す。

それでは、ボールを受ける動きや、パス、ドリブルの判断、相手のプレッシャーを見極める力などが育たない。

だから、運任せとも言える、ロングボールを減らす意味合いで、このルールが導入されている。



ただし、このルールの範囲内で、ロングボールを蹴るチームが出てきます。

GKのそばでトスを受けたフィールドプレーヤーが、ボレーキックで相手陣地に蹴り込むのです。

これなら、GKから直接超えていないので、当然反則にはなりません。

ルールを採用した意図など関係ないのでしょう。

タイトルのかかった一発勝負のトーナメントですから、負けたくない気持ちが勝っているのでしょう。









 高校年代までは、ロングスローは、選手の成長を阻害する。

だから、ロングスローを投げられないように、特別ルールを適用する!

と、仮になっても、その裏をかいて、ルールの抜け道を探すプレーが生まれるでしょう。

結局のところ、ロングスローが問題なのではなく、高校年代の注目されすぎるトーナメント戦が問題なのではないか。

まだまだ高校選手権での宣伝効果は、相当大きいものがあるでしょう。

ここで好成績を収め、注目を集めれば、学校経営にもプラスになる。

特に私学にとっては、死活問題でしょうから、キレイゴトだけでは済ませられない。









 しばらく、毎回、ロングスローは無くならないでしょう。

今回も、上位進出校は、ロングスローを投げられる選手を起用し、試合の中で活用していました。

それならば、ロングスローをピンチにさせないように、GKやDFの能力を高めること。

自らも、ロングスローを織り交ぜながら、攻撃を組み立てる。

ロングスローはあるものとして、チームを構成して行く必要に迫られている。
posted by プロコーチ at 00:40| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月10日

共通するもの

 選手権。

この季節に選手権と言えば、全国高校サッカー選手権大会ですよね。

98回もの歴史を刻んでいます。

アマチュアの高校年代の大会に、たくさんの観客が詰めかける。

そして、新聞やネットのニュースで取り上げられ、全国でテレビ放送される。

注目度や、観客動員数はJ2の試合すら超えているのではないでしょうか。











 選手権には、問題が浮かんで来ていますが、その影響力は絶大です。

4000もの参加高を有する選手権があるから、この年代の子供たちが、プレーできている。

選手権の引力により、彼らの情熱が引き付けれている。

もちろん、強豪校における、補欠の問題や、トーナメント方式による弊害はあります。

それを差し引いても、選手権には、フットボール文化を盛り上げている貢献度はあまりに高い。

私も、4試合ほど、スタンドで観戦しました。

ピッチからの熱が伝わってきて、心地いいですね。













 試合を観ていて、二つのトレンドを感じました。

・ボールを足元にピタッと止めるボールコンロール(トラップ)が主流。

・相手を遅らせ、スペースを埋める守備が目立つ。

この二つにより、ボールを大切に自らで組み立てながら、失点を減らす試合が成り立っている。

以前のように、運任せに長いボールを、お互い蹴り続ける試合展開が減ったと思います。

昔のように、1人、2人のスターがいれば、躍進できる。

みんなで守って、限られた個人の才能に頼る方法では、勝てなくなってきている。

高校サッカー、日本サッカーの進歩と言えるのではないでしょうか。














 その一方で、その二つのトレンドの弊害も見られます。

まず、ボールを足元に止めることで、スピードアップができない。

一度足元に入れてから、プレーが始まる。

スペースに持ち出すのも、一度足元に止めて、2タッチ目で持ち出す。

そのため、スピードが上がらない。

相手DFの外で回している間はいいのですが、いざ崩しの局面になった時には、どうでしょう。

相手が頑張って対応する時間を与えてしまっている。

なおかつ、パススピードも上がって来ないので、守れてしまいます。













 さらに、もう一つのトレンドである、遅らせる守備。

スペースは埋めているけど、ボールへのチャレンジが弱い。

1stDFが寄せ切ってボールを奪うシーンがとても少ないのです。

守備には行っているが、迫力を感じない。

(唯一、青森山田の強度は別格で、強くチャレンジしていました。)

相手のミスを待っているようにも感じます。

もっと、自分たちで意図的にボールを奪うシーンを見たいです。












 この二つが両チームで起こるのです。

予定調和でゲームが進みます。

スピードを上げないポゼッションと寄せない守備。

「どこでボールを奪いたいの?」

「いつゴールを目指すの?」「どのように崩したいの?」

スタンドで観戦しながら、ぶつぶつ独り言が漏れていました。










 そして、昨日、あることに気が付きました。

その二つのトレンドは、U23の日本代表でも見て取れたのです。

攻撃でボールは持っているが、スピードが上がらない。

相手にとっては、あまり怖くない攻撃だったのではないか。

そして、当たらない守備。

いつまでたっても、ボールに寄せない。

抜かれないこと、スペースを埋めることを優先させている?

選手権との違いは、相手は予定調和ではないこと。

サウジの選手は、多少強引にでも、ゴールに目指してきました。

ズルズルと下がって、何度もピンチを迎えます。

この問題は、高校選手権と共通していました。












 日本国内だけでプレーしている時は、今のままでいいのかもしれません。

でも、今のままでは、成長は止まってしまいそうです。

今のトレンドに上積みするものを、見てみたい。

残るは、準決勝と、決勝。

さて、違うものを見せてくれるのでしょうか。

楽しみに待ちましょう。








 




posted by プロコーチ at 13:05| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月19日

本質の確認…攻撃

 盛り上がっていますね。

ラグビーワールドカップ。

私も何とかチケットを購入し、観戦してきました。

ラグビーのルール分かるの?などと聞かれます。

子供のころから、実はテレビで観ていました。

松尾、平尾、堀越、今泉、吉田。

新日鉄釜石、神戸製鋼、早稲田対明治は記憶にあります。











 でも、変わりましたね。

一番は、ゲームのテンポ。

もっと、ボールの周辺で、ぶつかり合い、もみ合いが長かった。

だからこそ、ミスターラグビー平尾さんの、あのステップがより輝いて見えました。

今は、どの選手も、走れる、闘える、ぶつかれる。

バックスの選手が大きくたくましく、フォワードの選手は素早くなっています。

それは、日本のラグビーが成長した証であるでしょうし、ラグビーという競技そのものの進歩。

我々のフットボールと同じで、より高いレベルのフィジカルが求められている。

より速く、よりたくましく、でも高いテクニックと判断は大切に。













 私が観戦したのは、熊谷の競技場です。

ラグビー専門の競技場だけあって、選手が近い!

柏や三ツ沢、昔の神戸中央で観ているような臨場感。

横国だと、テレビ映えはするのでしょうが、あの熱はないでしょうね。

それも、我々と同じでした。

フィジカルコンタクトが繰り返される分、さらに熱さが伝わって来ました。











 ラグビーは、前方向に進むことが難しい。

手でのパスは自分の横、後ろのみ。

前に進む方法は、キックか、ボールを持って突進の2択。

ボールを横に動かすのは、そこまで難しくない。

相手DFも、ルールで定められているので、ボールより後ろで待っていますから。

でも、横に動かすだけでは、すぐに詰まってしまう。

追い詰められて、前方に逃げ出すようなキック。

相手にボールを奪われて、攻撃のチャンスを失ってしまいます。














 フットボール的な考えしか出来ませんが、大切なことが見えました。

それは、ゴールに向かって進むこと。

ゴールに向かって突っ込んでいく。

すると、相手DFがそこに集まってくる。

ボール周辺にサポートをして、すぐに新たな展開をする。

相手を集結させておいて、展開する。

相手の反応、我々で言うところのスライドが遅れたら、さらに前に進んでいく。

この前に進む、つまりゴールに向かうことがキーポイントではないか。











 パスが目的になってしまう。

そんな攻撃は怖くない。

ボールを失わずに、前に進む。

ボールホルダーは、まずゴールに向かう。

それ以外の14人は、サポートをする。

ボール近くは、次の受け手に。

ボールの遠くの選手は、広がって幅を作る。

先にポジションを取ることで、相手DFに反応させる。

この繰り返しで、攻撃のベースが成り立っている印象。














 これは、フットボールにも通じる本質です。

まず、ゴールに向かう。

だから、相手選手がゴールを守ろうと集結してくる。

だから、他が空いてくる。

忘れてはならない本質を教えてもらいました。



posted by プロコーチ at 12:18| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月20日

南米のサッカーて、そうなんだ…1

 コパアメリカ。

堪能出来ましたか?

南米のサッカーが、ここまで話題に上がる時期は、ここ最近無かったのではないでしょうか。

近年、世界のフットボールシーンと言えば、ヨーロッパ。

チャンピオンズリーグ好試合、クラシコ、各国のダービーマッチ。

誰が活躍して、どのような戦術で、審判のジャッジが、応援が。

世界のスタンダードは、ヨーロッパにこそある!

それが、世界も、日本も当たり前の価値観のようですね。







 旧トヨタカップ、現クラブワールドカップ。

一昔前は、ヨーロッパと南米、どちらが勝つのか!?

手に汗を握る熱戦が繰り広げられていました。

まさに、クラブ世界一決定戦の名前にふさわしい、戦いでした。

戦績を見てみます。

80年代は、南米7勝、ヨーロッパ3勝。

90年代に逆転、南米3勝、ヨーロッパ7勝。

2000年代は、南米2勝、ヨーロッパ3勝。

ここまでは、ヨーロッパ有利になりつつある趨勢の中でも、南米勢が意地を見せる展開でした。

ここ最近は、クラブワールドカップと名前が変わり、レギュレーションも変わりました。

それ以降は、南米4勝、ヨーロッパ10勝。

ここ6大会は、ヨーロッパのクラブが連勝中。

圧倒的なクラブの力の差を、ヨーロッパ勢が見せつけています。












 そのヨーロッパのクラブで、南米の選手がたくさん活躍しています。

アタッカーだけに限らず、DF、GKまでも。

今回のコパアメリカでも、各国のエース級や、主力のほとんどはヨーロッパのクラブに在籍していましたね。

その彼らが、見せてもくれたし、魅せてもくれました。

我々日本代表にいい経験の場を与えてくれました。

そして、ヨーロッパのフットボールか、Jリーグが基準の日本人サポーター。

ここに向けて、素晴らしい授業をしてくれた。

今回のコパアメリカは、そのように感じています。

正直、まだ力の差がありましたね。

20年前のコパアメリカでは、1分け2敗、勝ち点1しか取れず、グループリーグ敗退。

今回のコパアメリカでは、2分け1敗、勝ち点2で、同じくグループリーグ敗退。

20年で我々は、進歩したつもりでいました。

ワールドカップ常連国、たくさんの選手がヨーロッパで活躍している。

でも、増えた勝ち点は、たったの1。

実質U23代表だったとは言え、悔しさが残ります。










 南米サッカーを観て、・・・・なんですね。

たくさんの感想や疑問を聞かせてもらいました。

その中から、幾つかを取り上げて、少しだけ解説していきたいと思います。



posted by プロコーチ at 02:27| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月14日

もっとこだわれ!

 ワールドカップが開幕ですね。

フランスで開催されている、女子ワールドカップ。

我らがなでしこジャパンは、強豪国の1つに数えられていますよね。

2011年の優勝、2015年は準優勝。

その前は3大会連続でグループリーグ敗退ですから、この10数年の躍進は素晴らしいことですね。


初戦、アルゼンチン代表との戦いは、0対0の引き分け。

試合後、歓喜にあふれるアルゼンチンの選手とベンチ、スタッフ。

その一方で落ち込む、日本側。

そのコントラストは、対照的でした。

もし男子なら、開幕戦でアルゼンチンと引き分けれたら、逆の気味で大ニュースになりますよね。













 さて、このアルゼンチン戦での引き分けで、「なでしこ、大丈夫か?!」

このような論調であふれています。

試合を観ていても、チーム力の差は歴然としていました。

グループとして、ボールを動かす能力は、日本が上。

常にボールを保持しながら、試合を進めて行きます。

アルゼンチンもそれを分かっていて、高い位置からボールを奪いには来ない。

ハーフウェーラインよりも後ろに撤退して、閉じこもる。

特に中央を固めようとしている。

入ってきたら、厳しく、激しく、プレッシャーをかけてきました。

日本は、ボールを回すものの、大きなチャンスにはならない。

相手の中に入っていくことが、出来ない。

上手いのですが、怖くない、それがなでしこの攻撃になってしまっていまいした。














 アルゼンチンの選手たちは、個人としての戦う能力に優れていました。

男子と同じですね。

骨太の選手たちが、体ごと、ボールに寄せてくる。

至近距離だと、ガシガシ、ゴリゴリとぶつかってきます。

攻撃だと、体を使ってボールをキープする選手。

特に、お尻や背中を、先に相手にぶつけてきます。

ドシッ、ガン、と相手に先にコンタクトしてから、ボールをキープをしてくる。

90分を通して、柔道の乱取りや、相撲のぶつかりげいこをしているかのよう。












 日本の選手は、気後れしているように見えました。

その証拠に、縦パスを受けた選手のアクションです。

高い位置でボールを保持しよう、そこでポイントになろうとすると、ぶつかられてしまう。

奪われる可能性が高い、プレッシャーが厳しいと感じたのでしょう。

縦パスを受けた選手が、逃げるように、ゴールから遠ざかりながら、離れていく。

そして、パスの出し手も、奪われるの恐れているのか、パスのずれが多く見られました。

アタッキングサードでのボールロストが多い。

結果、その周辺でのパス回しになってしまう。











 統計を見ると、アルゼンチンのタックルの回数が、50回近くと多い。

そして、そのタックルを受けた日本の選手は、74%の確率でロストしてしまう。

つまり、4回に3回もボールを失っているのです。

FWでプレーした、菅沢選手は7回中6回のボールロスト。

横山選手は、6回中5回のボールロスト。

アタッキングサードでのパス成功率は、60%台。

中央の高い位置で、ボールが全くおさまらない。

そして、パスがつながらなっていない。

ボールを握っているのは日本でしたが、試合の主導権を実質握っていたのは、アルゼンチンでした。











 これを観て、どう思うのか?

あのプレッシャーでは厳しいから、そこを避けて、試合を進めるのか?

それは、違うはずです。

日本の女子選手は、高いレベルでボールを動かすことを目標に、プレーを続けています。

相手のプレッシャーがあっても、タックルが厳しくても。

逃げるのではなく、その中でもブレない技術を磨いてきているはずです。

相手につかまらないように動きながら。

仲間とタイミングを合わしてパスを出す、ボールを受ける。

動きながら受けたボールを、さらに動かしてボールを止める。

相手に後手に対応させ、常に日本が先手を取るのが、日本のポゼッション、崩しのはずです。














 これが出来なかったは、なぜでしょうか?

考えられるのは、経験不足からくる、修正能力の低さは否定できないでしょう。

緊張するワールドカップ開幕戦。

初めてのワールドカップの舞台。

そこで、思うようなプレーが出来ないのは、ある意味仕方のないこと。

澤、宮間といった、レジェンドプレーヤーがいない。

「大丈夫、落ち着いて」「いつも通りのプレーをするの」

言葉や、プレーで見せてくれる頼れる先輩がいれば、変わったのかもしれませんね。

今大会は、若いなでしこにとっては、つらい戦いが続くでしょう。

その中で、真剣勝負を繰り返すことが、選手の成長に必ずつながるはずです。

もっと、いつもの戦いに、身に付けている日本人らしい戦いに、こだわれ!
posted by プロコーチ at 18:10| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月03日

これからもダイブして欲しい

 ワールドカップが終わり、何となく力が抜けています。

そろそろ戻って来ないと。

それだけ、4年に1度の祭典には、力があるのでしょうね。









 大会を振り返ると、多くのサプライズがありました。

優勝候補に挙げられた国々の不甲斐なさ、、。

スペイン、ドイツの敗退は、あまりに早すぎました。

そして、南米勢の不振。

ヨーロッパ開催では、力を発揮できませんね。

と言うよりも、ヨーロッパ開催だと、ヨーロッパがいつも以上の力を出してくる。

すると、チーム力の高さで、南米勢がかなわないように見えました。










 エムバペの活躍。

スピード、テクニック、アイデア。

そして何より、あの若さ。

ペレが、17歳でワールドカップを獲得した大会を思い起こさせてくれます。

スウェーデン大会で、ペレが母国ブラジルに初優勝をもたらしました。

ペレは17歳にして、大会で6得点。

エムバペは、同じく優勝したものの4得点。

今後はどうなるのでしょうね。

これは、前にも書きましたが、彼の活躍。

フランスというチームの好調のおかげが大きいです。

センターラインと言う軸が、パシッと決まっている。

ヨリス、バラン、ウミティティ、カンテ、グリーズマン、ジルー。

不動のメンバーが、安定のパフォーマンスをしてくれる。

だから、枝となる選手は、伸び伸びとプレーできていた。

エムバペも、すごいシュートを決めたパバールも。

今回は、ポグバも枝でしたね。

エムバペの真価が問われるのは、自分が幹になった時。

チームを勝たせ、自分も力を発揮できるのかどうか。

その時に初めて、彼の評価が決まるのだと思います。












 私としては、ブラジルが早期に負けたのが残念でたまりません。

ベルギーのシステムチェンジに対応出来なかったのが敗因。

などと、解説も耳にします。

それは、半分しか当たっていない。

敗退の最大の原因は、カゼミロの不在。

中盤の守備を一手に担っていたカゼミロ。

彼が、ファールトラブルで欠場したことが、ベルギー戦の敗因。

彼がいれば、ベルギーが奇策に打ってきていたとしても、対処していたでしょう。

代わりに出場したフェルナンジーニョは、とてもいい選手です。

でも、ブラジルの組織、特に中盤の組織。

これは、カゼミロがいてこそ、成り立つ組織になっていた。

その当人が不在では、誰であっても、代わりは務まらない。

この、特定の人に依存した組織の構築が、南米の組織の特徴であります。

強みを発揮することもあれば、弱さを露呈することもある。

弱さを発揮してしまったのが、今回のベスト8でのベルギー戦ですね。













 ネイマールがシミュレーションしているのではないか?

ネイマールのダイブが、見るに堪えない。

ネイマールチャレンジなる言葉も生まれたようです。

このような批判が、かなり話題になりました。

イングランドなどでは特に、芝に寝そべる行為は、みっともないとされている。

そのように聞いたこともあります。

だから、あのようにファール欲しさに転がっている。

ダイバーのように飛び込んでいる選手。

フェアプレーではない。








 知ったような顔で、ネイマールが転んで、痛がっている姿を批判する人々。

その人たちは、本気で削られたことがあるのでしょうかね。

ネイマールは、自分から転びに行ってはいませんよ。

彼のスピードあふれるドリブル、変幻自在でどこに、いつ行くか分からないドリブル。

それを止めるために、足ごと削りに行っている。

腕を振り回して、服をつかみ、体を抱えている。

ネイマールは、大きな選手ではありません。

175センチ68キロ。

軽い選手がスピードに乗っている時に削られる、無理やり止められる。

そこで耐えると、大きな衝撃が本人の体を襲います。

彼は、小さい頃から、削られ続けているでしょう。

ブラジルのDFは、足の骨ごと刈り取ってくる選手も多いです。

それを避けるために、柳のように、忍者のように受け流す必要があります。

踏ん張ると、大ケガにつながります。

わざと飛んでいるように見えるのも、負傷を避けるために飛んでいる部分も大きいはずです。












 文句を言うなら、ファールで止めようとするDFに、まず言うべきではないでしょうか。

そして彼は、4年前に選手生命の危機に遭っていることを忘れてはならない。

コロンビアのスニガに、飛び膝蹴りを故意に入れられた。

背骨を折る大けがで、ワールドカップを棒に振ったネイマール。

もう怪我をしたくない!

心の叫びが、彼の痛がり方から、聞こえてくるような気もします。

もし、ネイマールが直すとするなら、飛んだ後、痛くない時は、速やかに立ち上がることですね。













 私はこれからも、ネイマールにはダイブして欲しい。

これからも、果敢なドリブル突破を見せ続けて欲しい。

そして、二度と大きなケガを負わされて欲しくない。

だから、批判にめげずに。遠慮なく飛んでください。

何もない時は、サッと立ち上がることも、覚えてください。
posted by プロコーチ at 23:20| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月07日

どちらから始めるか?

 WーUPの見どころは、たくさんあります。

どれくらいの長さするのか?

何に重きを置くのか?

限られた時間の中で、取捨選択。

この取捨選択こそが、監督の腕の見せ所。

実際には、現場に監督は出てこずに、コーチが担当していますが。

例えば、ブラジルは、あまりピッチでたっぷりするイメージはありません。

スタジアム内にある、室内のスペースで体を動かしておく。

狭くても、そのスペースでボールを使うメニューも実施します。

「試合に向けて真面目やってるの?」と思うかもしれませんが、実はこっそりと。











 例えば、21時キックオフなら、選手たちが出てくるのが、20時15分。

大体、どのチームもキックオフの45分前くらいですね。

それより前に出てくるのが、GKチーム。

GKコーチと、3人のGKが一番にピッチに入場します。

ペナルティエリア内を、ジョッグ。

腕を回したり、サイドステップ、バックステップなど、体をほぐします。











 その後、何を始めるのか?

ここで、2タイプに分かれます。

昔ながらのやり方は、軽いキャッチボール。

正しい構えから、キャッチング。

投げてもらったボールをキャッチ。

軽く蹴ってもらったボールをキャッチ。

キックするボールを徐々に強くしていく。。

そして、コースも狙ってシュートストップ、クロスボールの対応など。

GKとしてのスペシャルなトレーニングを続けていく。











 もう一つのやり方は、足でのプレーから始める。

対面で短いボールをコントロール、パス。

浮き球を足で処理する。

胸でコントロールして、パス。

など、手を使わずにボールを処理するトレーニングから始めるチームも増えてきています。

そして、その時間も、少しずつ長くなっている印象があります。









 イングランドのGKのアップ。

彼らが足でのトレーニングに割く時間が、一番長かったです。

イングランドは、長いボールを蹴飛ばす印象があるかと思いますが、それは一昔前。

GKコーチと、2人の控えGKが、トレーニングパートナーです。

彼らが取り組んでいたのが、コントロールして角度を変える。

そして、正確なパス。

10Mほどの距離から、少しずつ距離を伸ばしていきます。

最後は50Mまで距離を伸ばしました。

距離が長くなると、パスもブレていきます。

何度も繰り返すうちに、キックの精度が上がり、コントロールが正確になっていきます。

この時間で、彼らが上達しているのではありません。

元々持っているものを、チューニングして使える状態に持っていっているイメージ。












 試合でも、GKも活用しながら、後方からビルドアップ。

GK、3人のセンターバック、アンカーの1人。

5人が、ユニットを組んで、パスを回して、組み立てます。

そして特徴的なのが、センターバックがボールを保持した時に、センターバック同士が斜め後ろに入らないこと。

ほぼ、横一直線に並んだままで、組み立てます。

相手FWが前からプレッシャーをかけてきたら、危ないようにも感じます。

でも、ここで積極的にGKを使います。

後ろで待つGKをボールサーバーの様に使うのです。

センターバック同士の中途半端な横パスを奪われると、一気に失点の大ピンチ。

そうならないように、お互い斜め後ろに入って、助け合うのが、旧来のやり方。

でも彼らは、斜め後ろに入って助けようとしない。

後ろはGKに完全に任せる。

その分、一つ前で出て行ったり、サイドに開く。

前進するための、積極的なポジションを取るのです。











 試合でも、5人でのユニットが、機能していました。

その最後方でカギとなるのが、GKピックフォードでした。

相手をドリブルでかわすようなトリッキーなプレーをするわけではありません。

彼が、正確にコントロール、そして精度の高いキックを繰り返す。

この約束を遂行するための、イングランドGK陣のアップだったのです。

試合でも、何度もパス&サポート。

様々な正確なパスを、手堅く通していきます。

センターバックも、何度も後ろにパス。

彼らのピックフォードへの信頼を感じます。

GKを活用することで、数的有利を作る。

現代のGKに求められている、大切なプレーの一つですよね。












 私がブラジルで観たリーグ戦でも、同じ光景がありました。

クルゼイロのGKのW-UP。

とことん、足を使ったプレーを繰り返していました。

グラウンダーだけでなく、浮き球の処理も、確認。

本当に長い時間を、足でのプレーにあてていました。

アップに費やした時間は、手を使ったプレーよりも、足でのプレーの方が長かったのです。

パスをつないで試合を作るスタイルのクルゼイロ。

GKも、もちろんフィールドプレーヤーレベルの足元が求められる。












 このように、何を、どのように、どれだけ時間を使っているのか?

それは、フィールドプレーヤーはもちろん、GKもです。

チームとして、何をしていきたいのか?

各プレーヤーに、どのような役割を持たせるのか?

我々は、試合前のミーティングを聞くことが出来ません。

でも、アップに大きなヒントがあります。

試合1時間前から始まっている戦いにも、注目してください。

posted by プロコーチ at 01:14| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月04日

ファルカオに学びたい。

 コロンビア対イングランドを観戦。

試合前から、両サポーターが熱く盛り上げています。

イングランドサポーターは、今回少な目。

ドイツワールドカップで、街を占拠するかのような勢いは、全くありませんでした。

コロンビアは、人も多く、熱量も高い。

チームに期待しているからでしょうね。

コロンビア人は、どこから現れたのか?

ちょっと聞いたら、ヨーロッパに出稼ぎの人と、母国からはるばる来ている人とが混在でした。





 この試合、つい、コロンビアを見てしまう。

南米好きもあります。

そして、日本と同じグループだったことも気になります。

このチーム、ハメスロドリゲスがいないと、凡庸ですね。

怖さがない。

中盤がない。

意外性もない。

高さで圧倒的に負けている前線に、高いボールを入れる。

跳ね返される。

見てて、ガッカリするシーンが何度も繰り返されます。

サイドのモジカ、クアドラードの仕掛けからのクロス。

こちらの方が、可能性高そうです。

でも、中がファルカオ一人では、厳しい戦いです。











 そのファルカオ。

スタジアムで見ると、そのスゴさがよく分かります。

身長が、177センチとあるのですが、175もないくらい?

イングランドのセンターバックは、180後半に、190超え。

中盤の組み立てが出来ない、コロンビア。

ファルカオさんお願いします。

と言わんばかりの縦パスが入り続けます。

浮き玉は、さすがに厳しいファルカオ。

でも、グラウンダーのボールは、ほぼ収めてくれます。

1タッチで逃げず、足元でボールキープ。

仲間のために、時間を作ってあげます。

我らが大迫のあのポストプレー。

これを、さらに高めたと言えば、伝わりやすいでしょうか。







 しかもファルカオは、サイドや、中盤に逃げていかない。

背中からの圧力が強いと、それを嫌うように逃れて行きます。

ファルカオは、最もプレッシャーの厳しい、中央の高い位置。

ここで、ボールを収めてくれる。

周りの選手は、本当に助かっているでしょうね。

ここにハメスが絡んで、そしてサイドが駆け抜けて!

本当は、そういうイメージだったのでしょう。









 このポストプレー。

南米の選手が、得意としています。

日本だと、相手に触られる前に、動きながらボールを受ける。

相手DFから遠ざかりながら、ボールを受けようとするのではないでしょうか。

だから、サイドに流れたり、中盤に落ちてくる。

でも彼らは、相手DFにあえて近づいて、体を引っ付ける。

低い体勢で、当たり負けない準備。

そして、ボールを受ける寸前に、相手にわざと近づく。

近づくタイミングがいいですね。

相手がボールや、周りを見た瞬間。

相手DFの目線を、よく観察して動き出していました。

いいタイミングで、先に背中や、お尻をぶつけていく。

ボールにはあえて近づかずに、相手から離れない。

背中やお尻を押し付け続け、ボールをコントロール。









 体のぶつけ方も、技術である。

日本でも、コンタクトスキルと呼んでいます。

重要性が少しずつ浸透しているのでしょうか。

でも、あまり見ませんよね。

体で負ける外国人選手には、ぶつかる前に?

ファルカオは、身長、体重では、何階級も下ですよ。

日本にいても、体だと、目立たないサイズです。

ルカクやフェライニのような巨人ではありません。

それでも彼は、体を張り続けました。

空中戦も勝つことは少なかったですが、挑んでいました。

体を使うためには、あの精神力も必要でしょうね。









 日本人らしい技術は、もちろん大事。

いつも体をぶつけ合っていては、消耗してしまう。

でも、ファルカオが見せてくれた体の使い方。

コンタクトスキル。

人がいるなかで、どのように力を発揮するのか?

これも磨いていきたいです。
posted by プロコーチ at 18:41| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月03日

メキシコの意図、ブラジルの力

ロシアのサマラで、観戦してきました。

とにかく暑い。

日差しが強く、帽子を慌てて買いました。

乾燥しているため、日本ほど「暑いー!」たいう感じではないのですが。

イメージしているロシアとは違いましたね。

観戦したのは、メキシコ対ブラジル。

両チーム共に、私が追いかけ続けているチーム。

少し複雑な気持ちですね。

それでも、スタジアムで観戦出来る喜びを味わっていました。






メキシコは、周到な準備をしていたようです。

彼らのWUPは、常に注意深く見るべきです。

試合で何をしたいのか?

そこが、いつの大会でも、ハッキリと見えてくるからです。

今回、彼らが力を入れていたのは、2つ。

5対5のポゼッション。

控えメンバーにも、トレーニングをさせます。

多くのチームは、控えは、別メニュー。

実際、ブラジルは、ボールを回してリラックスムード。

でも、メキシコは、2ヶ所で、5対5。

20人でグループの守備と、パスの確認をしていました。

集団の一体感を出す狙いもあったと思われます。





もう一つ、長く時間をとっていたメニュー。

それは、中距離のパスです。

およそ、30数Mの距離で向かい合ってミドルパス。

他のキックは、すぐ終わるのですが、これだけは念入りに。

スタメンの10人全員が、何度も何度も蹴り込んでいました。

同時に、長いボールのコントロールも出来ますよね。

少し珍しい光景だな、と観ていました。

自由に動きながら、ボールを蹴る。

そのなかで、蹴りたい選手だけが、長いボールを。

これは、よく見る光景なのですよね。











試合が始まると、WUPの意図がすぐに分かりました。

メキシコは、得意のショートパスを使って組み立て。

を、ほとんど見せない。

低い位置から、サイド目掛けて長いボールを入れます。

いつもよりも、かなり早いタイミングです。

そして、ブラジルのサイドバックと1対1を仕掛けるためです。

しかも、カットインの回数が多かったです。









この作戦、ブラジルの弱点をつくため。

ブラジルの弱点は、中盤の守備にあります。

中央のカゼミロの両脇が、空きがち。

コウチーニョと、パウリーニョが前に出た背中ですね。

サイドの深い位置は、ブラジルの両ウイング、ウィリアンとネイマールが守備を助ける約束です。

でも、今、名前を挙げた4人は、攻撃の仕事があります。

そして、守備時には、前からボールを追う仕事もあります。

完全に押し込まれた時は、戻って、両脇を固めます。

ボールがハーフウエーラインを越えるまでは、カゼミロの両脇は、かなり空いています。





メキシコは、その両脇を使う手段を幾つか準備していました。

その一つが、これです。

早いタイミングで、ロングボール。

そして1対1の間に、ドリブルを仕掛けて行く。

何度も、同じ形からチャンスを作っていましたよね。

これがゴールにつながれば、違う結果になっていたかも知れません。





一方、ブラジルも、長いボールを使っていました。

サイドチェンジに使うためです。

ボールサイドを固められた。

後ろに戻して、センターバックか、ボランチがロングキック。

ところが、このキックが、あまり良くない。

味方のもとには届くのですが、質が低い。

回転も悪く、スピードが出ない。

サイドチェンジ終えたときには、メキシコの守備がスライドを終え、寄せてきている。

特に、前半の精度は低かった。

上から見ていると、球質がよく分かります。

ブラジル代表と言えども、アップが必要なのですね。






このメキシコの攻撃が効果的だったのも、最初だけ。

前半20分過ぎには、修正してきました。

チッチ監督が、選手を呼び寄せて指示。

それ以降は、抑えてきました。

おそらく、2つ。

逆サイドのサイドバックのポジショニング。

ロングボール、特にサイドチェンジに備えて、中央に絞り過ぎない。

もう一つは、中盤のポジショニング。

前から追いすぎないで、カゼミロの脇を固める。

結果、サイドでのスピードに乗った1対1が減りました。

サイドに長いボールを蹴られても、準備ができている。

すぐに、2対1の形になって、ドリブルを外側に追いやる。

この辺りの対応能力は、さすがブラジル。

監督の指示に、すぐさま反応し、相手を封じ込める。

技術の高さもスゴいですが、ブラジルの力は、この辺りにもありますよね。






書きたいことが止まりません。

また、続きを別の機会に。

posted by プロコーチ at 23:12| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月02日

これか!!

ロシア対スペインの試合、熱かったですね。

個々のボールを扱う能力や、所属するクラブ、それに伴う一人一人の市場価値。

恐ろしいほど差がありました。

でも、その差を埋める奮闘を開催国のロシアが見せてくれました。




 スペイン対策は、かなり練ってきたようです。

DFラインは、5枚にしてサイドのスペースを埋めてしまう。

中盤も、工夫していたように見えました。

前からボールを居っているときは、3枚で中央を分厚く。

深くまで侵入されたら4枚にして、サイドも中央もケアできるように。




 何よりも、スペインの代名詞でもある、エントレリネアスを警戒していました。

ラインとラインとの間でボールを受けるプレー。

「ここ誰が見るの?」と相手に思わせ、対応を後手に回させる。

それでは、相手は崩れないのですが、一歩先手を取ることで、相手が後追いになってしまう。

気がついたら、ドフリーの選手を作ってしまい、ズドン。

スペインの定番であり、得意なプレー。

そんな狭いところでも!間を取るのが、彼らのすごところです。

このエントレリネアスは、縦パスで入るものと、
横から間を取るものとがあります。

 



 ロシアは、とにかくエントレリネアスをさせない努力を続けました。
 
縦パスに対しては、常に責任をハッキリ決める。

縦パスが入った瞬間、身体ごと刈り取ってしまうくらいの激しさ。

そして、中盤の選手もプレスバックで挟む。

まるで、縦パスを待っていて、あえて縦パスを入れさせたのかというくらいの早さです。

横からのエントレリネアスに対しては、スライドを早くして、サイドでもフリーを作らない。

最終ラインが5枚なので、スライドもさらに早い。

中盤は、ボールラインよりも下がる意識が強かったです。

通常、横からは、エントレリネアスしやすいのですが、そのスペースすらないくらいのコンパクト。

これだけ守備を考えると、下がりすぎる危険性もあります。

ファールトラブルや、ミドルシュートが怖い。

そこも、スペインがボールを下げると、頑張ってラインアップ。









 文字に書くと簡単ですが、最後の最後まで、やりきりましたね。

スペインのポゼッションは、75%。

パスの本数は、1000本を超えました。

圧倒的に、攻めたのですが、結局FKでのオウンゴールのみ。

途中から入ったイニエスタが、違いを見せていました。

試合しながら、先生が授業をしていましたね。

ロシアの圧力にビビって、エントレリネアスをしなくなったスペイン。

イニエスタは、ボールの受け方、出し方、さらにはドリブルでの侵入。

プレーで見せ続けました。

途中、ピケに説教するシーンもありましたよね。

「ここは、間に入れろよ!安全に回すだけじゃないだろ!」

そう言ってたように、私には感じました。

その後、エントレリネアスを活用しながら、ゴールに迫り出しました。

ボールロストも増えたと思いますが、なにかを思い出したように見えました。








 それでも、最後は身体を張って、ゴールを死守したロシア。

常に、カウンターも狙いながら。

選手全員が、実直に走っていましたよね。

センターバックと左のウイングバックは、早々に足をつっていましたよね。

それでも監督は、そこは変えずに、前線にフレッシュな選手を入れました。

監督の無言の檄に、選手は応え続けます。

観客の声も後押ししてくれ、最後まで走り抜けたロシア。










 感動的な試合を見せてくれました。

何人もの日本人が思ったはずです。

前回ブラジル大会でのアルジェリアにも、もちろん近い雰囲気を感じましたよね!?

「ハリルホジッチ前監督が作りたかったのは、こういうロシアのようなチームだったに違いない」と。

本当に、いいものを見せてもらいました。

近くにいながら、カフェで観戦したのが、本当に残念でたまりません。
posted by プロコーチ at 04:30| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月28日

策士

 グループリーグ突破をかけたポーランド戦の、メンバーが発表されました。

戦前の予想通り?大幅なメンバー変更がありました。

センターバック、ボランチ、両サイドハーフ、そしてツートップの2人。

計6人のフレッシュな選手が入りました。

勝っているチームは、変えない!

昔からの鉄則を無視。

この変更が、何をもたらすのでしょうか?







 私は、想像しました。

日本人のことを深く理解している、西野監督。

おそらく、最低でも、前半は引き分け以上で終えることが出来る。

その自信があったのではないでしょうか。

そして、勝負所は、後半。

後半の交代のカードが豊富にあります。

今までは、有効なカードは、本田しかありませんでした。

でも、このポーランド戦は、乾、原口、大迫、香川、攻撃的な切り札を抱えています。

状況によって、これだ!と言うカードを切ろうとしている。

これが、西野監督の策。

もちろん、イエローカードのファールトラブルも気にしているとは思いますが。











 どの選手を送り出すのかは、監督だけが決めることが出来ます。

それを信じて!!応援しましょう。


posted by プロコーチ at 23:28| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月27日

メッシは歩く

 苦しみながらも、アルゼンチンがグループリーグを突破しました。

最後の10分まで、敗退の危機。

厳しい戦いでしたが、勝負強さを見せました。

対戦したナイジェリアは、引き分けでもよかったのですが、痛恨の失点。

守備の組織は、あまり体を成していなかった。

人が、後方にいるだけのブロック。

ブロックと言うには、穴だらけの塊でした。

彼らにとっては、自分たちの時間帯で、追加点を奪えなかったのが、敗因でしょうね。











 この試合、メッシが先取点を決めました。

相手の裏に飛び出して、マークを外す。

ミドルパスを走りながら、太ももでコントロール。

落ち際をインステップで優しく触り、DFの足が届かない場所に置く。

苦手な右足で、逆サイドに突き刺しました。

トラップしてから、一度も、ゴールを見なかったメッシ。

感覚的に、ゴールの位置が分かっているのでしょうね。

その分、ボールをインパクトすることに集中。

利き足ではないのに、素晴らしいシュートでした。









 メッシの足元にボールが入ると、時間が生まれ、相手DFは集結。

周りの選手が楽になりますね。

この試合でも、メッシは変わらず、歩いていました。

走ったのは、ボールが欲しい瞬間。

そして、ボールが奪えそうな瞬間。

もう一つは、数少ないのですが、ボールを奪われた時。

ほとんど、歩いていました。

それでも、先取点を決めました。











 このスタイルが、非難されています。

「メッシが走らない分、ほかの選手の負担が大きい」

「メッシが走らないから、パスが出てこない」

などなど。

アルゼンチンが2試合終わっても、勝てていなかったせいでしょうね。

かなりの非難が集まっていました。

メッシにしてみれば、何をいまさら、と言う感じでしょうか。

メッシは、いつも歩いています。

何年も前から、変わっていません。

代表でも、所属クラブのバルセロナでも歩いています。






 私が小学生を指導していて、FWの選手に聞いたことがあります。

5年ほど前のことです。

「君は、あまり走らないね。」「今、何を考えていたの?」

問いかけました。

すると、面白い答えが返ってきました。

「メッシの真似をしているの、メッシもずっと歩いているから」

なるほど、その少年が歩いていたのは、サボっていたのでも、ノーアイデアだったのでもなく。

メッシの真似をしていたのです。

「メッシはボールが来そうになると、走ってるよ。」「そこもメッシの真似をしてごらん。」

私は答えました。

このやり取りは、何年たっても忘れられません。












 メッシが歩くことは、みんな知っています。

もちろん、チームメイトも監督も。

それでも彼を使うのは、彼が出ている方が、チームにとってプラスになるから。

他の選手と同じ動きを求めるなら、メッシを使う必要性はない。

メッシが、メッシであるためには、周りの選手がメッシのためにぷれーしなければならない。

それが嫌なら、チームを抜けること。

バルセロナでのネイマールのように。

メッシはこれからも歩き続けるでしょう。

チームが勝つためには、メッシ以外の選手の組織をいかに向上させるか?

この一点に尽きると思います。
posted by プロコーチ at 18:52| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月23日

不用意なミスを減らしたい

 日本がコロンビアに勝利した試合。

本当に結果は、素晴らしいものでした。

先制点を奪って、追いつかれたものの、追加点は許さない。

セットプレーから決勝点。

日本らしい、細かい展開や、主導権を握るためにパスを回す。

攻撃の選手も、チームのために犠牲心を強く持って、走り続ける。

しかも、交代で入った本田が、決勝ゴールのアシスト。

監督の采配もハマり、次の試合にもいい形で入って行けそうです。








 ただし、忘れてはならないこと。

コロンビアは、開始早々に1人退場して、10人になっていること。

そして、コロンビアが日本を格下に見て、なめてくれていたこと。

前回のベスト8以上を狙うコロンビアのコンディションが、ピークではなかったこと。

決勝トーナメント以降に、ピークが来るように、チームとして設定していたのではないか。

後半の途中から、驚くほどに、足が止まっていました。

本気のコロンビアに比べると、何割か、落ちていた状態だったでしょうね。

そのコロンビアに、ギリギリで勝利した日本代表。

元々のベースの違いに加えて、自滅とも言える、プレーが散見されました。












 日本は、先取点を奪いました。

そして、2点目となる決勝点を奪いました。

試合を観戦していて、落ち着いて観ることは出来ましたか?

常に、ハラハラドキドキしていたのではないでしょうか。

少なくとも私は、心境穏やかではありませんでした。

だからこそ、タイムアップのホイッスルの瞬間に、歓喜が訪れたと言えるのですが。

もしかすると、やられるのではないか?

1点勝っていて、しかも1人多いチームのはずなのに。











 試合をどのように終わらせるのか?

試合を殺してしまう。

試合のテンポを落としてしまう。

お手本は、コスタリカ戦のブラジルです。

1点を取るまでは、ナバスを中心としたコスタリカの守備陣を崩せずにいました。

後半に入ったら、かなりペースを上げて、ゴールに迫り続けました。

このテンポアップは、迫力満点。

ところが、先取点を奪った瞬間に、一気にペースダウン。

ボールは握り続けるものの、明らかにスピードを落としました。

そして、サイドから攻める様子を見せ、縦パスを入れるも、後ろに下げ、サイドチェンジ。

入れては、落として、片方に寄せて、サイドチェンジ。




ちなみにコスタリカは、早くボールを奪って攻めたいのですが、触ることすら出来ません。

焦ってボールを奪いに行った瞬間、ワンツーなどでサイドを突破し、ゴール前まで侵入するブラジル。
 
自分たちでギアをチェンジして、試合のテンポを操る姿は、勉強になりますね。

日本は、ピュアに攻めてしまい、ボールを奪い返され、カウンターのピンチを迎える。

慌てて、ボールを回収するために、切り替えて、不必要に走っていました。

ブラジルの攻めるふりだけをして、時間を稼ぐようなポゼッションは、日本にとっては難しいものなのか。

日本の時間を稼ぐようなポゼッションは、拙いものでした。

行けるから、攻める!というのは、ちょっと、、。








 失点シーンも、何とかしたいですね。

ゴール前からのフリーキックを直接決められて、失点。

シュートは素晴らしかったのでしょうが、本当に何ともならなかったのでしょうか?

セーブできそうで出来なかった、川島の反応が鈍い?のでしょうか?

ポジショニングが悪かったのでしょうか?

ちなみに、壁の作り方はおかしくないでしょう。

左足でカーブをかけて決められないように、配列させてます。

川島も、妥当な位置に立ってますし、プレジャンプも大げさでなく、動き過ぎていませんでした。

川島の責任を問うべきではないと、私は考えます。










 このシーン、ジーコ元監督が見ていたら、激怒していたと思います。

彼自身が、現役時代は、素晴らしいフリーキッカーでした。

現代、ブラジル国民が投票したのですが、歴代最高のフリーキッカーに選ばれるほどの選手でした。

日本でも、美しい放物線のシュートを見せてくれましたよね。

そのジーコは、常々、選手に指導していました。

「ゴール前で不用意なファールをしないこと」「相手にFKのチャンスを与えないこと」

コロンビアの選手は、コロコロと何度もコケていました。

反則を欲しがる動きは、気持ちのいいものではありません。

このシーンも、長谷部は何もしていません。

が、ファールをもらったファルカオは、意図的でした。

長友のクリアミスが、ポーンと空中にボールが浮いた。

長谷部がボールだけを見て、処理しようとする目線を観察。

気づかれないように近づいてストップ、長谷部にぶつからせて、ゴロン。

見事、FKをゲットしました。

南米人の持つ、ずる賢さに、まんまとやられてしまったのでしょうか。












 そして、ジャンプした壁の下をすり抜けたフリーキック。

これも、ジーコ監督の教えは、違います。

「壁はジャンプするな!」

壁側は、壁を信じろ。

GKは、壁が無いサイドを守れ。

こうすれば、壁側からゴールに向かってくるボールは、GKが間に合う可能性が出てくる。

壁を越えて、ゴールに向かうので、高さが必要。

ボールが高く上がる分、GKが間に合うかもしれない。

ただし、壁が壊れたり、間を抜けたり、今回のようにジャンプした足元を抜ける。

これは、GKは、ノーチャンス。

ジーコの前のブラジルの10番リベリーノ。

彼がワールドカップで決めたゴールは、伝説です。

ブラジルがゴール前でフリーキック。

壁の中に、ブラジルの選手が入り込んでいる。

キックの瞬間、その選手が、バタンと倒れる。

壁の間に、一人分の隙間を作ると、そこに強烈で正確なシュートが通り、見事なゴール。

ジーコ元監督は、このようなイメージを持っているからこそ、壁は、壁として仕事をさせたのでしょうね。












 ワールドカップで上に行くチームは、このようなミスを犯さない。

まだ未勝利のアルゼンチンは、驚くようなミスをしてしまっていますよね。

敗れるべくして、敗れたと言えるでしょう。

上に行くチームは、もしミスを犯しても、必ず修正してくる。

日本がセネガル、ポーランドから、勝ち点を取るのなら、同じミスをしないこと。

84%のアドバンテージを活かして欲しい!!
posted by プロコーチ at 20:06| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月21日

ホームのメリットはあったのか?

 グループリーグ初戦を終え、

日本が84%という高い確率で突破することが分かりました。

過去3大会の統計を取った事実です。
http://futebol.seesaa.net/article/460095686.html

日本の過去の大会でもそうですよね。

一方、ドイツがグループリーグで消えてしまう確率も、これまた87%と高い確率。

前回も、スペイン、ポルトガルという強豪が、初戦に敗れ、グループリーグで消えてしまいまいした。

2010年大会では、初戦に敗れたスペインがワールドカップを制覇したので、

13%と言えども分かりませんが、、。








 同じ初戦の結果を、ヨーロッパ対南米で考えてみました。

南米には、北中米カリブ海の枠も入れています。

知りたかったのは、ホームとしてのメリットがあるのかどうかです。

多くの選手がヨーロッパでプレーしている現在、まだ存在するのか?

世界のトレンドをけん引している、ヨーロッパの優勢が露わになるのか?

ここからも、面白い数字が見えてきました。

一つの大会だけを見ても、ピンとこない部分はあるのですが、並べてみると、面白いものです。








 2006年ドイツ大会。

優勝国はイタリアでしたね。

グループリーグ初戦の結果。

ヨーロッパ勢、7勝3分け4敗。
(勝ち点獲得率57%、つまり全勝なら42点の勝ち点を取っていたが24点だったので。)

南米勢、4勝1分け3敗。(勝ち点獲得率54%、以下同じように考えます。)

ヨーロッパの国は、14チーム中10チームがグループリーグ突破。

南米は、8チーム中4チームがグループリーグ突破。




 2010年南アフリカ大会。

優勝国はスペイン。

グループリーグ初戦の結果。

ヨーロッパ勢、4勝5分け4敗。(勝ち点獲得率43%)

南米勢、3勝4分け1敗。(勝ち点獲得率54%)

ヨーロッパは、13チーム中7チームがグループリーグ突破。

南米は、8チーム中7チームがグループリーグ突破。




 2014年ブラジル大会。

優勝はドイツ。

ヨーロッパ勢、6勝1分け6敗。(勝ち点獲得率48%)

南米勢、7勝0分け3敗。(勝ち点獲得率70%)

ヨーロッパは、13チーム中6チームのグループリーグ突破。

南米は、10チーム中8チームがグループリーグ突破。
 




 ここまでの3大会を見ると、はっきり出ました。

ヨーロッパの国々が力を発揮できるのは、ヨーロッパ開催の時である。

南米、中南米カリブ海の国々は、環境が悪くても、力を出せる。

ヨーロッパ以外の国なら、南米開催でも、アフリカ開催でも結果を出せる。

2002年大会も、フランス、ポルトガルなど、優勝候補のヨーロッパ勢が崩れていきました。

そして、優勝はブラジルでしたよね。

2010年、2014年大会のヨーロッパの脆さ、弱さは驚くほど。

優勝国がスペイン、ドイツでしたので、もっと、活躍しているイメージがありました。

全ての国を並べると、びっくりするほどに、結果を出せていませんよね。












 では、今回、ロシア大会はどうだったでしょうか。

端っこではありますが、ヨーロッパである、ロシアでの開催です。

グループリーグ初戦。

ヨーロッパ勢、8勝4分け2敗。(勝ち点獲得率66%)

南米勢は、2勝2分け4敗。(勝ち点獲得率33%)


これまた、はっきりと、数字が表れていますね。

グループリーグ突破を予想してみます。

ヨーロッパ勢10〜12、南米2〜3、その他の地域から3、と言う感じです。

圧倒的にヨーロッパ勢が、ホームのメリットを享受しています。












 この数字には、かなり驚いています。

南米の代表選手は、多くがヨーロッパでプレーしている。

情報化が進み、お互いの戦力や状況は、把握し合っている。

今回で言うと、南米のデメリットも、ヨーロッパのメリットも少ないのでは?!

それが、私の立てた仮定でした。

統計的事実は、全く異なりました。

2018年の現在であっても、どこで開催するのか?!

これによって、大きく結果が左右されるのです。

さて、まだまだワールドカップは続きます。

楽しみましょう。
posted by プロコーチ at 23:28| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月20日

現在、84%。

 日本が、見事にコロンビアに勝利しました!

あの退場が無ければ、どうなっていたのか?

それくらい、コロンビアは力のあるチームでした。

ただ、コンディションがあまり良くないように見えました。

60分を過ぎたあたりから、ピタッと足が止まりました。

おそらく、決勝トーナメント以降に、コンディションのピークを持っていこうとしてた?!

特に、ハメス・ロドリゲスはその傾向が顕著でした。












 ここ3大会でのグループリーグ初戦の星取表を確認してみました。

2006年ドイツ大会。

初戦、勝利したチームが決勝トーナメントに進出する確率は、85%
(13チーム中11チーム)

初戦、引き分けだったチームが決勝トーナメントに進出する確率は、50%
(6チーム中3チーム)

初戦、敗れたチームが決勝トーナメントに進出する確率は、15%。
(13チーム中2チーム)

一方、

初戦、勝利したチームがグループリーグ敗退する確率は、15%
(13チーム中2チーム)

初戦、引き分けだったチームがグループリーグ敗退する確率は、50%
(6チーム中3チーム)

初戦、敗れたチームがグループリーグ敗退する確率は、85%。
(13チーム中11チーム)





2010年南アフリカ大会。

初戦、勝利したチームが決勝トーナメントに進出する確率は、80%。
(10チーム中8チーム)

初戦、引き分けだったチームが決勝トーナメントに進出する確率は、58%。
(12チーム中7チーム)

初戦、敗れたチームが決勝トーナメントに進出する確率は、10%。
(10チーム中1チーム)

一方、

初戦、勝利したチームがグループリーグ敗退する確率は、20%。
(10チーム中2チーム)

初戦、引き分けだったチームがグループリーグ敗退する確率は、41%。
(12チーム中5チーム)

初戦、敗れたチームがグループリーグ敗退する確率は、90%。
(10チーム中9チーム)





2014年ブラジル大会。

初戦、勝利したチームが決勝トーナメントに進出する確率は、86%。
(14チーム中12チーム)

初戦、引き分けだったチームが決勝トーナメントに進出する確率は、25%。
(4チーム中1チーム)

初戦、敗れたチームが決勝トーナメントに進出する確率は、21%。
(14チーム中3チーム)

一方、

初戦、勝利したチームがグループリーグ敗退する確率は、14%。
(14チーム中2チーム)

初戦、引き分けだったチームがグループリーグ敗退する確率は、75%。
(4チーム中3チーム)

初戦、敗れたチームがグループリーグ敗退する確率は、79%。
(14チーム中11チーム)









 つまり、初戦、勝利した日本代表が、決勝トーナメントに進出する確率は、84%。
(37チーム中31チーム)

逆に、グループリーグ敗退する確率は、16%。
(37チーム中6チーム)


今まで、日本代表はどうだったでしょうか。

ドイツ大会では、初戦敗退で、グループリーグ敗退。

南アフリカ大会では、初戦勝利で、決勝トーナメント進出。

ブラジル大会では、初戦敗退で、グループリーグ敗退。

傾向通りの結果となっています。

さた、今大会の日本代表は?!


posted by プロコーチ at 18:51| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月18日

どんなワールドカップになるのか。

 ロシアワールドカップが開幕しました。

早くも、熱戦が繰り広げられています。

寝不足な日々が続きそうです。

フットボールへの愛で、乗り切りたいですね。









 この時差を感じるたびに、日本は世界のトップシーンとの距離を感じます。

チャンピオンズリーグの時も、同じですね。

向こうのゴールデンタイムは、日本では真夜中?早朝?

この距離が、日本のフットボールの進化をするためには、重荷になっているようです。

情報化社会が進み、交通手段が発達したとは言え、まだまだ、何千キロもの距離は遠い。

ちなみに、東京からモスクワは約7400キロらしいです。









 ワールドカップでは、どのような試合になるのでしょうか。

予想されるのは、いい試合がたくさん観れそうだということ。

一応ヨーロッパなので、タレントたちが普段とあまり変わらない環境でプレーできる。

スタジアム、芝も、整備されている。

そして何より、高温、多湿ではないということ。

ブラジルの北部は、暑く、湿度がまとわりついてきました。

南アフリカは、標高の高い場所、気温がやたら低い場所。

この2大会は、厳しい環境との戦いでもありました。














 今回は、整った環境で、選手たちが気持ちよくプレーできるのではないでしょうか。

まるで、ユーロ・ヨーロッパ選手権のように。

つまり、選手たちが、自分の持っている力を発揮しやすい環境です。

すると、現在の世界のフットボールのトレンド通りの戦いが予想されるのです。

「テクニカルに、スピーディーに、コレクティブに、そしてタフに」

この全てが揃っているチームだけが、勝ち抜いて行くことが出来るでしょう。

技術が高いだけのチームでは、勝ち進めない。

走るだけのチームは、善戦するでしょうが、これまた勝ち進めない。

精神的に弱いチームは、もちろん上がれないでしょうね。










 
 ちなみに、日本代表が勝ち進めるかどうか?

この観点で見てください。

・テクニカルでしょうか?(攻守両方の技術)

・コレクティブ(組織が構築されている)ですか?

・スピーディーですか?(攻守、守攻の切り替え、ランニングスピード)

・タフですか?(サボるなんて論外、戦っていますか?ぶつかってますか?)










 賢く、犠牲心を持ったアスリートが、素晴らしい技術を発揮する。

それが、今大会の特徴になりそうです。

つまり、素晴らしい大会になる予感がします。


益々、楽しみです!!
posted by プロコーチ at 18:21| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月19日

どこで折り合いをつけるのか

 今年も、高校選手権が終わりました。

まだ10数年しか見ていないのですが、それでもかなりの進化を感じます。

特に、準決勝、決勝に出てくるチームの選手に、下手くそはいませんね。

気持ちと走力だけでプレーして、ボール扱いはまるで、、、。

そのような選手の居場所は、失われてしまいました。

日本のレベルも、毎年上がってきています。








 特に、全体のレベルが上がっていると感じます。

以前は、怪物レベルの選手が、チームを引っ張っているケースが多く見られました。

そして、そのたった数人の怪物が、全国大会でも勝利に導いていました。

周りの選手は、その選手のために、汗を流し、ユニフォームを汚していく。

完全に、役割分担がされていました。

一番わかりやすい例が、今回のポスターにも選ばれていた、大迫でしょう。

あの時の鹿児島城西は、大迫に引っ張られて、周りが精いっぱい支えてましたね。

ここ数年は、そう甘くはないですね。

プロ入りが決まっている、大注目選手がいても、チームを勝利に導けていない。

今回も、そうでした。

一人、二人の力で勝ち抜けるようなレベルでは無くなっているのでしょう。










 選手権を観戦していて、分かります。

それは高体連出身の選手が、存在感を出し続けている理由です。

Jクラブや、日本代表で重宝され続けています。

今、海外で活躍している選手。

本田、岡崎、乾、柴崎、長友、長谷部、川島、、、。

彼ら全員、高体連出身です。

ワールドカップに出場した、日本代表歴代のメンバーも、そうですよね。

選手権のピッチに立つ選手の大きな特徴が、それを支えています。








 育成にとっては、マイナスに作用すると言われている、一発勝負のトーナメント。

それがキーワードになります。

負けると、3年間の全てが終わってしまう。

その緊張感の中で、どのように力を発揮するのか?

とんでもないプレッシャーの中で、戦い続ける選手。

それだけでも、強い選手を育ててくれています。

リーグ戦と違って、負けた瞬間、お終い。

考えてみれば、ワールドカップも、一発勝負のトーナメントですね。





 そして、負けたくない試合を戦うために、指揮官が工夫をします。

選手に負けないためのプレーを選択させます。

シンプルで、失敗の少ないプレー。

自分の出したいプレーではなく、チームのためのプレー。

守備のために、全力で走り回り、体を張る。

これらのプレーを、どんなテクニカルであろう選手であっても、行っている。

面白くないかもしれませんが、最高の兵隊が並んでいます。

ジュニアユース年代では、テクニックあふれるプレーをしていた選手。

J下部で、ボールを保持して、テクニックを大切にして戦っていたであろう選手。

それでも、高校年代では、兵隊になっている。

自分を消して、チームのためにプレーしているのです。

技術の高い選手が、シンプルに戦うと強いです。

そのためには、走り込みに、連戦といった、猛練習を積み重ねているでしょう。

昔ながらの理不尽で、非効率とも思えるトレーニングで、体も、心も鍛えている。

監督からすれば、使いたくなる選手たちとも言えるのか。

だから、さらに上のステージに行っても、重宝されているのでしょう。











 でも、ただの兵隊では、高いレベルでは使われない。

監督の言うことを聞くだけの選手は、使い捨てのようになってしまうかもしれない。

次のステージでは、監督が変わり、求められることも変わるでしょう。

新しい要求に、応えれなければ?

その選手は、出番は無くなってしまう。






 監督の要求に応えながらも、自分の良いプレー、持ち味を出していく選手。

選手が使われ、残っていくための条件。

ところが、自分を出し過ぎると、わがままで、使いづらい選手の評価がついてしまう。

自分を消し過ぎると、どこにでもいる平凡な選手。

自分を出すのか、監督の要求に応えるのか?

ギリギリのところで折り合いをつけれるかどうか。

そのバランス感覚が、彼らの最大の武器だと思います。

来年は、どのような選手が出てきて、どのような戦いを見せてくれるのか?

楽しみは続きます。
posted by プロコーチ at 02:16| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月16日

元バルサのコーチがレアルマドリーを研究した結果

 浦和レッズはクラブワールドカップで、世界に挑戦する。

準決勝に進出し、レアルマドリーと対決だ!

戦前は、盛り上がっていたと思います。

ところが、あっさりと、準々決勝で敗退。

アルジャジーラに敗れてしまいました。








 テレビ観戦していた私は、アルジャジーラのベンチを見て、怖くなりました。

指揮官が、驚きの人物だったからです。

その人物は、ヘンク・テンカテ。

ライカールトと共に、バルサを復活させた、あの人です。

プジョルにマルケス、ロナウジーニョ、エトーにデコ、チャビにイニエスタ。

そして、若きメッシ。

テクニックと、タレントと、戦術とが融合した、素晴らしいチームでしたね。

その時の監督は、ライカールトでした。

彼の仕事は、カリスマ性を発揮すること。

現場の戦術や、トレーニングは、テンカテに一任されていたそうです。

テンカテが他クラブに引き抜かれると、2シーズン優勝から遠ざかる。

それほどの、影響力を、バルサに及ぼしていた、名コーチです。







 そのテンカテが、相手ベンチにいる。

何をしてくるのか?

選手の能力は、そこまでずば抜けて良いとは思えませんでした。

浦和が、ACLで戦ってきたクラブの方が、上だったかもしれません。

いったい、何が?

私が感じたのは、まず、浦和のペースを乱したこと。

浦和レッズは、ACLを勝ち抜く過程で、あるリズムを手に入れました。

守備から入って、カウンターを狙う。

相手の鋭い攻撃を、粘り強く守りながら、チャンスをうかがう。

スペースを埋めて、体を張って、ボールに食らいつく。

高い集中力を保つことで、このリズムで試合を進めること。

ところが、この日の浦和レッズは、ボールを保持しながら、相手を押し込んでいた。

ように見えていました。

でもこれが、テンカテの罠。

守備でリズムを作れないように、ボールを持たされていた。

実際、浦和レッズの攻撃は、怖さの無いものでした。

ボールは回しているが、ゴールに近づけない。

無理をしないのか、勝負できないのか?










 そして、浦和の守備が、人を中心に成り立っていることを分析。

厳しく、相手にプレッシャーをかけたい!

その気持ちが強くなりすぎる。

ボールを持っていない、オフのマークの時から、人に付いていく。

人に付き過ぎて、大切なスペースを空けてしまうことがある。

その習性を利用されたのが、決勝ゴールですね。

相手の動きについていき、センターバックとセンターバックの間を空けてしまった。

そして、そこに質の高いスルーパス。

あれは、偶然でなく、狙ったものだと思います。










 この相手にボールをわざと渡し、ポゼッションを放棄する戦い。

レアルマドリーが、見せてくれます。

同じ街のライバル、アトレチコマドリーとの対決の時です。

奪って、カウンターが得意なシメオネ率いる、アトレチコマドリー。

その良さを削るために、ボールをアトレチコにプレゼント。

わざとポゼッションをさせ、相手の最大の武器であるカウンターをさせない。

当たり前ですが、カウンターアタックは、相手のボールを奪うところから始まる。

それならば、ボールを持たせておけば、カウンターアタックは出来ない。









 元バルサのコーチ、テンカテが、レアルマドリーの戦いを学び、浦和レッズを倒す。

フットボールは、常に世界とつながっている。

本当に、面白いです。
posted by プロコーチ at 01:20| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする