2015年09月07日

現日本代表の問題点

 救世主として迎えられた、ハリルホジッチ監督。

アギーレ前監督の突然の退任。

ブラジルワールドカップでアルジェリア代表の躍進を支えた。

クラブでの実績もある。

日本代表の監督としては、まさに適任。

いや、ありがたいくらいの実績の持ち主。

だったのですが、、、。









 アジアでの戦いで苦戦を強いられています。

東アジアカップでは、2分け1敗。

北朝鮮代表に、まさかの黒星を喫してしまいました。

アジアでの優位性を失った。

海外組がいないので、

いや、コンディションが悪い。

それでも結果を出せたはず。

世論の基調としては、マイナス。

ハリルホジッチ監督の手腕に懐疑的な声さえ、上がっています。









 そして、シンガポール代表にも勝てなかった。

この試合はスタンドで観戦しましたが、盛り上がるに欠ける試合になってしまいました。

攻めたいはずだが、アイデアが無い。

ただボールを動かし、何となく攻めているかのように見えてしまう。

無理やりシュートを打ってはいるものの、可能性が低い。

シンガポール代表のGK,守備陣の奮闘が目立つ試合になってしまいました。

そして、今回のカンボジア戦。

勝利は収めましたが、まだまだ快勝!には程遠い。












 ハリルホジッチ監督のアルジェリア代表での戦い方。

そして、日本代表に就任してからの言動やトレーニング、選手選考。

これらを見ていると、アジアでの戦いは重要視していないのではないかでしょうか?

アジア最終予選は、特別な準備をしなくても勝ち抜けるという計算。

早くも、2018年のロシアワールドカップ本大会のために動いている。

アジアでは強者、世界では弱者。

このアンバランスな状態を理解した上でのチームビルディングに見えます。









 引いた相手をいかに崩すのか?

相手が引いて中央に絞っている。

その狭いバイタルエリア、ペナルティエリアをいかに攻略するのか?

これがアジアでの戦いで求められる、大きな要素です。

ハリルホジッチ監督は、そこに重きを置いていない。

出ている指示もシンプルなもので、高校生でも理解できる内容。

ミドルシュートに、積極的な仕掛けでFK・PKの奪取。

つまり攻撃の局面の向上を、現段階ではそこまで重要視していないのではないか?







 弱者である世界での戦いでは、もっと磨いておきたい部分がある。

それは、守備から攻撃への切り替わりの局面。

ボールを奪って、数秒間しかないこの局面。

この局面を制すること。

それこそが、弱者が強者に立ち向かうために最適な武器。

だから、今から奪って速い縦への攻撃を志向しているのでしょう。











 そうであっても、手を付けなければならない部分があると思います。

それは、セットプレーです。

セットプレーは、得点の3割をもたらす。

大きな大きな武器です。

チームでエクストラキッカーを育て、動きを何度も確認する。

こつこつと積み重ねることで、チームの得点力を高めてくれます。

弱者も強者も関係なくなるのが、このセットプレー。

ところが、CKを12本も獲得しながら、無得点。

獲得した直接FKも、ごくわずか。

セットプレーの獲得、そして精度を高めること。

ここに着手し、結果を出すことは、現代表の急務です。

posted by プロコーチ at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月21日

サイドバックについて

 なでしこジャパンの戦いが終わりました。

決勝で、アメリカの前に敗れ去りましたね。






 テレビの前で観戦していて、いやな記憶が思い出されました。

ブラジルワールドカップ準決勝、ブラジル対ドイツ。

ミネイロンの惨劇と呼ばれ、開催国ブラジルが1対7でボロボロに敗れ去りました。

わずか6分間で4ゴール。

私は、たまたま現場に居合わせました。

何とも言葉では表現しづらい。

あのブラジル代表の選手たちが、戦う気力を失ってしまってました。

観客はあきらめ、座り込み、泣き出し、ドイツの応援を始める。

混沌としたスタジアムは、生まれて初めて感じた空気に包まれていました。








 女子ワールドカップの決勝戦も、同じような状態だったのかもしれません。

前半だけで失点。

しかも、たった13分の間に。

アメリカ側からすれば、やることなすこと上手く行く。

なでしこは、何が起きているのか分からない。

ただ一つ違ったのは、日本には澤選手がベンチに残っていたということです。

澤選手の出場により、選手たちのメンタルは正常に引き戻されたのではないでしょうか。

彼女の今までのキャリア、普段の取り組みが輝いたといえるでしょう。









 今回のなでしこジャパンのサイドバックは、右が有吉、左が鮫島選手。

ほぼ固定されたメンバーで戦いました。

中でも有吉選手は、大会MVP候補に挙がる活躍。

鮫島選手も、日本の攻撃にいいアクセントを加えていました。

ところが、準決勝から日本の左サイドが狙われました。

鮫島選手目掛けて、ロングボールを蹴りこんでくる。

これは、鮫島選手の背の低さから起こるミスマッチを狙ったもの。

そして、左サイドを守備に回らせることで、同時に攻撃も封印してしまいたい。

明らかな意図を感じました。

イングランド、アメリカの積極的な対策ですね。

その結果、最終的に左サイドバックの位置に宇津木選手。

鮫島選手は左サイドハーフに入りました。

入ったというよりも、入らされたと言った方が良いでしょうか。









 相手DFラインを攻略する際に、サイドバックをどのように分析するのか?

現代のサイドバックは、攻撃に積極的に関わってくる。

ビルドアップはもちろん、アタッキングサードまで侵入し、フィニッシュにまで。

後ろで構えているだけの守備的な選手は、少数派です。

それは日本の選手達も同じです。

一昔前なら攻撃の中心を担うほどの能力を持った選手が、サイドバックを務めています。

サイドバックが攻撃の起点になっているチームもありますよね。



では、サイドバックの攻撃にどのように対応するのか。

サイドバックの攻撃力に怯え、守備的に対応するのではない。

サイドバックが守備に回ってしまえば、攻撃力を発揮することは出来ない。

いいパスを出すのであれば、ボールを持たさなければいい。

攻め上がりが怖いなら、後ろに走らせてしまえばいい。

どれだけ攻撃の能力が高くても、守備をしている限りは、1人のDFにしか過ぎません。









 ミネイロンの惨劇。

この時の話を、ドイツ代表のスタッフから直接話を聞きました。

すると、サイドバックのポジショニングのまずさ。

分析の結果、分かっていた。

「ブラジルのサイドバック。

 彼らは上下には、勤勉に動く。

 が、中央に絞って、センターバックのカバーリングが苦手。

 センターバックさえ釣り出せば、簡単に最終ラインを崩すことが出来る。」

「ヨーロッパのサイドバックではあり得ない」とも話していました。

マイコンもマルセロも、ヨーロッパで何年も活躍している選手。

それでも、ヨーロッパでは当たり前の中央のカバーが出来ていない、とのことです。

ドイツ代表は、ブラジルの強力なサイドバックを守備に走らせた。

その結果が、1対7につながった。



余談ですが、ブラジルではサイドバックは「ラテラウ」

右サイドバックなら「ラテラウ・ジレイタ」

直訳すれば、「右サイドの選手」。

決して「「右サイドバック」」ではないのです。

そうなると、守備の意識は、日本の選手よりも低くなってしまうのも理解できますね?!









 なでしこジャパンの左サイドバック。

攻撃力が魅力の鮫島選手。

彼女を守備に走らせた。

もちろん右サイドバックの有吉選手も、素晴らしい活躍を見せてくれました。

サイドバックが、攻撃の起点となり、ラストパス・フィニッシュまで関わる。

日本の大きなストロングポイントの一つ。

彼女たちがアタッキングサードに顔を出している回数が、チームの調子のバロメーター。

狙われたからと言って、センターバックを4枚並べる最終ラインは見たくない。

サイズの小ささだけで、外してしまうのは、もったいない。








 身近に、素晴らしい例があります。

シャルケで活躍する内田選手。

170センチ台と小柄ですが、ドイツで6シーズン目を迎えます。

チャンピオンズリーグでも活躍しています。

リベリ―、ネイマール、クリスティアーノロナウドを相手に、真っ向から戦っている。

サイズだけで選ぶのならば、彼はヨーロッパのトップシーンで活躍できていないはず。

彼のプレーを分析することが、サイズの小さいサイドバックの活用を知ることにつながるでしょう。

posted by プロコーチ at 03:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月05日

得たものと、失ったもの

 見事、ファイナリストの座を勝ち取りました。

カナダで開催されている、女子ワールドカップ。

我らがなでしこジャパンが、2年連続で決勝に進出しました。

準備期間は、内容も結果も、あまり良くありませんでした。

ボールはつながらず、ゴールも守り切れない。

「連覇を目指せるのは我々だけだ!」

監督や選手たちの発する声が、どこまで届いていましたか?

ワールドカップ開催前には、連覇を期待されていなかったのではないでしょうか。










 正直、組み合わせに恵まれたことは、否定できない。

ドイツ、米国、フランスとは、決勝戦まで対戦しない。

一番の強国だと思われたブラジルは、勝手にこけてくれた。

イングランドも、オーストラリアも、良いチームでした。

が、反対の山に入っていたら、決勝に進出できていない可能性もあったのではないでしょうか。

まるで、決勝進出を後押ししてくれるかのような組み合わせでした。











 決勝トーナメントに入っては、先発メンバーが固定されています。

この中でも、私が注目したのは、二つ。

GKとセントラルMFです。









 GK海堀

シュートストップに、抜群の能力を見せています。

ポジションを取って、最後まで我慢する。

読みで、先に動かず、ボールを見極める。

さらに、抜群の反射神経がセービングを助けてくれている。

ハイボールへの飛び出しは少ないですが、安定したセービング。

ゴールの番人として、守備陣を支えています。









 この海堀選手のスタイルが、なでしこ全体の守備スタイルを左右している。

それは、飛び出してボールを守備する範囲の狭さです。

DFラインの裏に蹴りこまれたボール。

5番目のDFの選手として、スイーパーのようにボールを処理する。

そう、ノイヤーのようなプレーは、少ないのです。






 そして、クロスボールに対する飛び出し。

飛び出すと決めたら、必ずボールに触る。

GKとしての鉄則は、きっちり守れている。

ところが「触れる」かどうかの判断が、範囲が狭い。

クロスボールに対する飛び出せない。

クロスを合わされたボールに対するシュートストップに力を注いでいるように見えます。






 この守備範囲の狭さのせいで、DFラインが低い。

ロングボールやクロスを蹴りこまれても、後ろは安心だ。

といった脳みそには、なれていないのが、今大会のDFライン。

DFラインが低い。

結果として、ボールを奪う位置が低い。

これは、ボールを奪った後の、攻めるゴールが遠いことを意味します。





 このDFラインの低さが、今のところは、守備の安定をもたらしている。

裏に蹴りこまれて、走力勝負になると、なでしこジャパンは不利です。

DFラインが低いと、そもそもこのようなシーンが少なくなる。

ただ、レベルの高いチームとなるとどうでしょうか?

相手を押し込んだら、サイドから攻めてくるでしょう。

すると、クロスを上げられる本数が増えます。

ピンポイントのクロス、それに合わせる技術が揃ったチームと、まだ対戦していない。

高精度のクロスが上がってくる米国との対戦が、正直怖いです。















 セントラルMF(宇津木、阪口)

中盤の中央に、位置する二人。

宮間選手でもなく、澤選手でもなく、宇津木・阪口選手に固定されました。

彼女たちは、サイズがあります。

空中戦、球際の強さ。

対峙する選手に対して、ガチッと当れる。

泥臭い作業ではありますが、対戦相手に嫌がられる存在になっています。

体を張って、バイタルエリアを守ってくれています。

二人の存在が、DFラインの負担を軽減しています。






 その一方で、失っているものがあります。

攻撃時の仕事。

それは、中盤の中央で方向を変える、リズムを変える、プレー。

ボールをポゼッションする核であり、組み立てに要であり、ラストパスの出し手。

ここから、いいボールが配球されれば、間違いなく主導権を握れる。

長年、澤選手が担っていた役割です。









 今大会は、中盤で相手を上回るシーンが少ない。

一番気になるのは、ボールを受けるシーンです。

ボールを受けて、方向を変えれない。

少しでもプレッシャーを感じると、ボールを戻してしまう。

ボールを失わないことは大切ですので、悪くはないのです。

以下のようなシーンが本当に少ない。

・相手のプレッシャーを逆手にとって、くるっとターンする。

・キュッとマークを外してボールを受け、前を向く。

・相手との距離が近くても、半身でボールを受け、前を向く。

これらのプレーがないため、中盤で攻撃方向を変えることが出来ない。







 監督の決断が、決勝まで導いたといえるでしょう。

澤選手を外し、山根選手を外しました。

おそらく、ロングボール・クロスボール対策として、山根選手を使いたかったはずです。

そうでなければ、大事な初戦で、先発では起用しません。

残念ながら、ボール処理の不安定さ、肩の故障などが原因でポジションを失いました。


中盤の守備力を向上させるために、宇津木・阪口選手を起用しました。

ただ、中盤で方向が変えれないため、相手としては守りやすい。

守備力を得た一方で、パスという武器を失っている。









 佐々木監督は、決勝では、どのような決断を下すのでしょうか?

最高の結果を信じて、見守りたいと思います。










 粘り強く、決勝まで勝ち進みました。

posted by プロコーチ at 06:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月11日

連覇のために

 なでしこJAPANが、ディフェンディングチャンピオンとして、ワールドカップに臨んでいます。

この4年間で、彼女たちを取り巻く環境は変化しています。

国内では、女子サッカーに対する認知度や理解が、少しずつではありますが高まっています。

私も草の根で、女子チームを指導していますが、プレーヤー数の増加やレベルアップを肌で感じています。

代表選手の環境も変化しています。

国外に飛び出してプレーしている選手。

4年前には無名だった選手が、最終メンバーとして選ばれる。

これらは、とてもポジティブな変化といえるでしょう。











 ネガティブな変化もあります。

それは、世界の国々が、打倒日本を掲げ、日本対策をしてきていることです。

日本の弱点を洗い出し、徹底的に突いてくる。

スピードの無さ、球際など当たりの弱さ、ハイボールの弱さ。

フランス、ドイツ、アメリカに、これをされると、かなり厳しい試合展開になります。


そして、日本をマネて、コレクティブなチームを作り上げていること。

個のパワーや、スピード、技術に頼る戦いをするチームが、まだまだ多かったのが4年前。

いわば個人戦の組み合わせのようなチーム構成。

そのようなチームに対して、集団で攻め、集団で守ることにより、活路を見出したなでしこジャパン。

あらゆる場所で数的有利を作り、集団の力で戦い続け、頂点に辿り着いた。

あまりにその戦いが見事だったためか、世界中に真似される結果になりました。

4年前に持っていたなでしこジャパンのアドバンテージは、今や小さくなってしまっています。









 開幕戦。

スイスとの厳しい試合を勝ち切りました。

引き分けでも十分だったのですが、ここで勝ち点3を得たのは、大きいですね。

ただし、連覇に向けてのウィークな部分が、顔を出しました。

今後、このウィークな部分を、いかに見せずに戦うかが連覇のカギを握ると思います。









その@…中盤のパス回し

なでしこジャパンの特徴である、ショートパスをリズム良くつなぐ攻撃。

少ないタッチで、ポンポンとボールを動かし、相手を外し、相手が出てこれないようにする。

見ていて、とても気持ちのいいスタイルです。

ところが、あまりにもこだわりすぎて、危険を冒してしまう。

特に、1タッチパスのミス。

1タッチのパスは、難しいものです。

ただ蹴るだけなら簡単なのですが、相手がいる中で、味方と時間・場所を合わせていく。

少しのずれが、ボールロストにつながる。




 対戦相手は、これを狙っている。

特に、中盤ゾーンでの、狭い位置でのパス交換。

もう少しボールを持って、相手を引きつけたり、動かせばよいのですが。

ポンポンとつなごうとして、相手に渡してしまう。

その瞬間、相手は、速いカウンターアタックを発動させる。

取られてはならない場所で、簡単にボールを失ってしまう。

澤、宮間選手などは、そのような奪われ方は、あまり目にしない。

少ないタッチでプレーしろと言われていても、必要ならばボールを運びながらプレーする。

奪われそうなら、外や裏へ、ラフに蹴りだすこともあります。

この、変な奪われ方は、致命的なミスにつながる恐れがあります。










そのA…GK山根

スイスのような、大きくて強い相手。

しかも、クロス、ロングボールを用いる相手。

ハイボールは、長らく、日本代表のウィークポイントでした。

ここを解消させるために、山根選手が起用されているのでしょう。

190センチ近い長身で、ゴール前を守る山根選手。

ハイボールにも、積極的に飛び出していきます。

彼女が軽くジャンプするだけで、間違いなく制空権は得られる。

フランス、イングランド、ドイツと戦う時には、頼もしい存在になりえます。

今までの日本になかった、新たな武器です。




 ところが、不安定な部分が時折、顔をのぞかせました。

簡単なキャッチミス。

DFが競っているアーリークロスに出るか、出ないか悩みながら中途半端なポジションをとる。

失点こそしなかったものの、GKのミスは、即失点につながる恐れがあります。

GKが不安定だと、味方DFも、思い切ってプレーできない。

信頼関係を築いていくためにも、さらなる奮起を。








 グループリーグは、おそらく順当に勝ち抜けるでしょう。

問題は、決勝トーナメントに入ってから。

攻撃陣のコマが、2枚減ってしまいました。

不安材料は、ここにもあります。

それでも、連覇を目指し、さらに素晴らしい戦いを見せてくれることを願いましょう!
posted by プロコーチ at 19:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月14日

パス&・・・。

 プーマカップ、全日本フットサル選手権を観戦してきました。

毎年、この金曜日・代々木開催の試合に足を運んでいます。

今年は、フットサルスクールの子供たちを連れて、観戦です。

吸収するスポンジである彼ら。

ボールコントロールや、パス、トラップ。

ボールを持っていない動き

一つ一つのプレーの激しさ。

彼らにとって、様々な試合を観ることは、彼らにとって良い刺激になったはずです。









 フットサルでよく見られる動き。

パスを出して抜けていく。

一つ一つの動きに名前が付けられて、バリエーション豊かです。

4人、もしくは5人が、スッスッとスムーズに動く姿は、見事です。

昔なら、エイトやヘドンドをよく見ました。

今は、あまり目にせず、クアトロなどが多いでしょうか。

パラレラ、ウンドイス、ディアゴナールなどは定番として定着しています。

スペースの限られたフットサルでは、拡がりを作るだけでは崩せない。

だから、パスを出して抜ける。

モビリティーを高めるために、ポジションチェンジ、スペースを作る・使う。










 ただし、それらのパターン通りにプレーしているだけではありません。

パターン通りにプレーしているようでは、ゴールに近づくことは難しい。

それどころか、パスを回すのも、苦しくなってしまう。

相手に寄せられて、苦し紛れに、ボールを蹴りだすだけ。

今日の試合でも、このようなプレーは、何度も目にしました。









 パスを出して抜けるだけではありません。

パスを出して、そのまま抜ける。

これは、スペースを作るための動き(パス&ムーブ)

もちろん、抜けた先でフリーでボールを受けるのが最高。

次に、パスを出して進むけど、ライン間で止まって受けようとする(エントレリネアス)

そして、パスを出して行くふりのフェイクを入れて、止まる。(パス&ステイ)

ポジションチェンジを起こさず、もう一度ボールを受けるサポート。








 抜ける、途中で止まる、その場に留まる。

この3種類を巧みに使い分けている選手。

戦術理解度が高い選手とは、こういった選手のことを指すのでしょう。

相手選手、相手陣形を見極めて、ポジショニングをとっていく。

的確にこれを使い分けることが出来る選手が一人でもいれば、チームは楽でしょうね。

このような選手が、もう一人、さらに一人といれば、面白いようにボールは動いていきます。

すると、相手は崩れて、ドリブル突破や、コンビネーションも出てくるでしょう。

フットサルを知っている選手、とでも呼べばいいのでしょうか。









 
 フットサルを知っている選手。

その選手が、技術を実行する部分も間違いなければ、完璧ですね。

指導者として、是非、育てたいものです。

いい勉強をさせてもらいました。








追記

思い起こせば、あの3月11日も観戦に来ていました。

会社のスタッフと共に観戦し、合間にランチのために駅前に出ていました。

その時、あの大震災が起きました。

今、自分が、フットボールの仕事を続けていられること。

また、観戦に来れたこと。

本当にありがたいことです、全てに感謝。
posted by プロコーチ at 02:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月07日

選手権の力

 高校選手権を観戦してきました。

準々決勝の2試合。

今年は、関東勢が調子いいですね。

優勝候補に挙げられる、流経柏、前橋育英。

このチームから、高校を卒業して、プロになっていきます。

未来の日本代表はいるのか?

どのようなプレーを見せてくれるのかを楽しみに、スタジアムに向かいました。









 スタンドから目に入るのは、手堅い手堅い試合運び。

得点を奪うことよりも、失点をしない戦い方をいかにするのか。

それに長けているチームが、それぞれ勝利。

このような試合を観ると、批判する声が聞こえてくるような。

トーナメント形式の弊害が!

リーグ戦を導入しないと、世界に乗り遅れる!

私は、今回違う感想を持ちました。

負けると即終わりの厳しい戦いをすることで、選手が成長しているのではないか?

人に見られる華やかな環境で、勝利にこだわった戦いを経験は、将来の糧になっているのではないか?


 





 一発勝負のトーナメントで勝ち残る可能性を高める。

そのためには、割り切った戦いを志向する監督が増えていきます。

特に流経は徹底していました。

11人全員で守備をして、ボールを奪う。

ボールを奪ったら、センターフォワードにボールを当てる。

ボールが納まれば、何人かがボールに絡んでいく。

攻撃に参加するのは、3人から4人。

人数をかけるのは、得点の可能性が高まるセットプレー時のみ。

試合はご存知の通り、セットプレーで2得点、ショートカウンターで1得点。

3対0、指揮官の思う通りの展開で、流経柏が勝利しました。










 立正大淞南も、技術力の高い選手を揃えていました。

W-UPの時から見せる、ボールコントロールの確かさ。

フリーに一瞬なった時に輝くドリブル突破は、光るものがありました。

ところが、流経の80分間続いたプレッシングに、高い技術を出すことが出来なかったのです。

一方の流経の選手たちのボールコントロールの能力が劣っていたわけではありません。

ボール扱いの上手さは、曲芸師並みのことも、見せるだけのものはもっているでしょう。

ボール扱いの技量の高さで勝負するのではなく。

11対11のフットボールで戦ったのが、勝者になったのです。

監督が、「この試合は1点を争う試合になるから、失点をしない戦いをしよう。」

おそらくこのような指示が出ていたのでしょう。

その指示に、100点の解答を見せたのが、流経の選手たちでした。










 彼らの戦いを見ていると、ある光景を思い出しました。

技術力が高く、史上最強だ!

そういわれた、2006年、2014年の日本代表が惨敗した、あの光景です。

ボール扱いが巧みなことと、勝者になることとは、別物であること。

高校生年代に一発勝負だけをさせることには、問題があります。

真剣勝負の数の確保、試合に出るメンバーの固定化、リーグ戦の駆け引きなどなど。

その一方で、やるか!やられるか!の真剣勝負でのみ得られる経験もある。

ワールドカップなどの真剣勝負で、高体連出身選手が重用される理由。

その一つは、この真剣勝負を積み重ねて勝ち得た、メンタリティーなのでしょう。
posted by プロコーチ at 14:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月20日

このシーンについて、どう感じていますか?

 アギーレ監督になって、ようやく結果が出た。

ホンジュラス、オーストラリアを相手に2連勝。

2試合で得点を8点積み上げた。

ようやく結果が出て、ほっとした空気になっているような気がします。

果たしてそれで、本当に良いのでしょうか?








 アギーレ監督は、競争の激しい世界でキャリアを積み重ねてきました。

連敗が続けば、自分の立場が怪しくなる。

いくらクラブや代表の危機を救った救世主であったとしても。

そんな栄光は、あっという間に風化してしまう。

手の平を返したように、お払い箱の世界です。

リーガエスパニョーラで指揮を執りたいコーチは、吐いて捨てるほどいるでしょうから。









 さて、ここまでのアギーレ監督の4試合で、1勝1分け2敗。

結果が明らかに出ていない。

でも彼は、試していましたよね。

4年後に戦力に成りうる、新しい人材を。

今この瞬間の結果ではなく、4年後のワールドカップを見据えていたはずです。

それが、坂井達弥、松原健、皆川佑介、武藤嘉紀、森岡亮太といった選出だったはずです。

ブラジル戦では、7人の選手が、代表キャップ数一桁の選手のチームでした。

0対4での敗戦。

ネイマールに活躍され過ぎたかもしれませんが、結果は想定内だった?と予想されます。









 ところが、突然の方針転換が起こります。

彼は、自分の立場の危うさを感じたのでしょうか?

長谷部、遠藤、今野、内田。

経験と実績がある選手に活路を見出します。

そして、就任以来取り組んできた1-4-3-3と1-3-4-3の併用システム。

ボールを保持しながら、スピードに乗ったサイドアタック。

守備のバランスも同時に取っていく戦いを志向していました。

それもあっさりと放棄。

選手が慣れ親しんだ、1-4-2-3-1を採用。

まるで、就任以来の取り組みを放棄し、5ヶ月前に時間を戻したかのような錯覚すら覚えます。

ちなみにオーストラリアは、我々と違い、4年後のための戦いをしていましたよね。









 私が予想するに、今回の戦いは、数ヶ月間の期間限定布陣だと思います。

アジアカップで優勝し、コンフェデ杯の出場権を獲得する。

このタスクを達成するために、可能性の高い方法を弾き出した。

コンフェデの出場権を逃す、アジアカップで惨敗する。

そのような事態になれば、自らの進退が危うくなる。

アギーレ監督のアンテナが、ピピっと反応したのではないか。

かれは、勝負師としての嗅覚を持っていると、私は考えています。

勝負師として、この勝負は負けてはならないと感じた。

だから、現時点のベストメンバーで戦う。

そして、ベストメンバーが気持ちよくプレー出来、勝率の高い戦い方を選択した。

アジアカップが終われば、この布陣は少しずつ解消されるでしょう。

これが、私の予想です。










 この試合で、残念で、悔しいシーンがありました。

このシーンを考えると、不快で、寂しく、思わず声を出したい。

後半2対0で迎えた、アディショナルタイム。

オーストラリアの攻撃。

右サイドからクロスボールを上げられます。

あのケーヒルにヘディングシュートを決められてしまいました。

試合はそのまま2対1で終了。

まるで無かったことかのように、この失点が語られません。

私には、理解に苦しみます。

あまり、何も感じていないのが、世論なのでしょうか?







 問題は2点。

・試合をそのまま0失点で終わらせることの重要性について

成熟したチームならば、時間を進めさせるプレーを選択したでしょう。

得意で大好きな細かい崩しを、香川・本田で試みて、失敗。

ボールを奪われます。

そのイージーなボールロストが、失点につながりました。

前に進まないポゼッションで、時間を進ませることは出来なかったのでしょうか?



・ゴール近くでの緩慢な守備が、失点につながること

ゴールまで約30〜35M付近。

オーストラリアの13番は、フリーでクロスを上げさせてしまった。

この位置でプレッシャーが無ければ、精度の高いボールが来る。

そして、失点の危険に直結する。

コートジボワール戦での悔しい思いは、もう忘れてしまったのでしょうか。

あの時も、同じような距離から(逆サイドですが)クロスを上げられ、立て続けに失点。

ワールドカップグループリーグ敗退の、直接の原因となった、あの瞬間です!

ワールドカップでベスト16、ベスト8に進んだ国は、ここでのプレーを許していませんでした。

相手に襲いかかるくらいのプレッシャーをかけなければ、相手はミスすらしてくれない。

あの教訓はどこに行ったのでしょうか。








 救いは、試合に出ていた守備陣が、失点を悔しがっていることです。

我々も、あの失点について、糾弾するくらいになりたい。

目の前の勝利に、目がくらんではならない。

求める結果は、ここでの勝利ではないからです。



posted by プロコーチ at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月20日

たった5分で

 たった5分間で、9回も。







 今年も、全日本少年サッカー大会が行われました。

8人制が、だいぶ浸透してきたのでしょうか。

それでも、地域によっては、11人での試合を捨てきれていない。

小学3・4年生から、11人制になる。

そして、全小の予選だけが8人制で開催される。

子供たちのことを第一に考えるならば、少人数制の試合。

そして、一発勝負のトーナメントではなく、リーグ戦形式。

たくさんプレーに関わりながら、試合の流れを読める選手を育てたくはないのだろうか。







 昨年の全日本少年サッカー大会決勝。

私は、それをテレビ観戦して、何を思ったのか?

振り返って読んでみました。

http://futebol.seesaa.net/article/371551419.html

それによると、技術にこだわり、ボールをつなごうとするチームの戦い。

だったら、パスが3本以上つながった回数は、何度あったのか?

前半20分を終えたところで、たったの、4回にしか過ぎませんでした。

ボールを奪って、速い攻めを志向しているチーム同士の対戦ではありません。

つなごうとするチーム同士の対戦で、パスが3回つながった回数が、4回。

その数週間後に、バルセロナ、リバプールのU-12の試合が、東京でありました。

パス3回は、当たり前でしたね。









 今年、セレッソ対レイソルの決勝戦。

キックオフと共に、ボールにプレッシャーをかけようとする守備側のチーム。

それでも焦らずに、ボールを下げて、横に拡げて、相手の穴を見つけようとします。

ビルドアップの時は、GKまでが関わります。

簡単にロングフォワードパスで逃げることはありません。

アタッキングサードに入っても、少ないタッチで、相手を置き去りにするコンビネーション。

パスだけでなく、ドリブル突破も使います。

ドリブルが良いアクセントになって、パスとのバランスも、工夫されています。

レベルの高い試合に、思わず引き込まれてしまいました。









 さて、パスの本数はどうだったでしょうか?

開始、たった5分。

5分間で9回も、パスを3本以上つなげていました。

そして、3回以上つながった時は、高い確率で、アタッキングサードに入ってきています。

後ろで、パスを回すためだけに回していない証拠とも言えるのではないでしょうか。









 8人制だと、縦に急いでしまう?

8人制だと、スピードやパワーに頼った試合運びが有利ではないか?

彼らの試合を見ていると、そのような疑念は吹き飛んでしまいます。

今、11、12歳の彼ら。

7・8年すると、プロの世界で戦っているのでしょうか?

ブラジルにサポートメンバーで入っていた、杉森選手。

彼がキレキレのドリブルを武器に、全小を優勝に導いたのが、ほんの5年前。

彼らの成長が、本当に楽しみです。



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2014年08月03日

脳内フォルダ

画像診断の"?"を"!"に。
研修期間中に学ぶべき画像診断学の2つの基本をこの1冊でマスター。
1.目的となる診断に対してどの画像検査をどの順序でどのような方法で行うか知ること
2.解剖学的知識をふまえて異常所見の有無とその所見を正確に表現できるようになること
引用…研修医のための画像診断 出版社医療科学社

疾患ごとに複数の典型例を掲載! バリエーション豊富な典型所見と鑑別所見で,実践的読影力が身につく! よく出会う95の頭部疾患を,充実の2,000画像で解説.多くの症例を見て読影力を上げたい方におすすめ
引用…圧倒的画像数で診る! 頭部疾患画像アトラス 出版社羊土社(書籍紹介より引用)


少し気になって、調べてみました。

お医者さんが、レントゲンやMRIなどの画像を見て、診断する。

最初から分かってるはずがない。

どうやって、その腕を磨いているのか?

様々な症例を見ることが、診断する精度を高めるのではないか?

まずは知ることではないのか。

書籍を調べてみると、山のようにこの手のものが出てきました。

お医者さんも、日々努力をなさっているようです。









 このようなことを考えるキッカケがありました。

先日、新宿の貸会議室を利用し、ワールドカップ報告会を行いました。

たくさんの写真を紹介しながら、ブラジル現地の空気を伝えようとしました。

そして、本題。

スタジアムで撮った動画をプロジェクターで流します。

私が特に気になった、プレーを解説しました。

攻撃は、オランダ・ドイツのスペース作り、使い合う、プレー。

守備は、コスタリカの5バックの形成、そして攻守、守攻のトランジション。








 最初に、ホワイトボードを用いて、解説。

プレーの原則や、選手の配置、プレーの流れをゆっくり話しました。

それから、ビデオを流しました。

1度、2度と流しても、あまり伝わりません。

静止させながら、この動き!、このタイミング!!と伝えます。

5回6回と話しながら、流すを繰り返しました。

そうすると、徐々に伝わっていったようです。

最後には、解説無しで、動画を流しても、理解できました。

ただし、1回目は、「え?何かありましたか?」と言わんばかりの反応でした。











 参加者の皆さんは、普段から試合を見ています。

ワールドカップだけでなく、Jリーグや、子供の試合など、観戦は多数しているようです。

なぜ、1回目のような反応になってしまうのか?

後日、参加者の何人かと、このことについて話してみました。

「最初は、何が起こっているかが分からなかった。」

「話してくれたことは理解できても、あっという間にプレーが行われるから」

つまり、目には入っているのだが、分析が出来ていない。

では、分析できない理由は、何でしょうか?

・その現象、行動そのものをを知らなかった

・その現象、行動が起こっている場所に注目を払っていなかった。
(特にボールの動きに目をとらわれてしまっていた)

この2つが解決出来るかどうかが、カギのようでした。









 そして、その解決のカギは、質の高い観戦を増やすこと。

ボールの動きをただ追い掛けるだけの観戦。

知識なく、もしくは間違った知識のまま、観戦回数だけを増やす。

それでは、ピッチ上で起きていることの、数分の1も理解することは出来ないでしょう。

まずは、知ること。

戦術的行動に、どのような意味があり、何が狙いなのか?

自分の脳内PCにたくさんのフォルダを作っておくこと。

そうすれば、この状況は、このようなことが起こるのではないか?!

予測を持って、試合を見ることができてくるはずです。







 これは、子供たちの成長のヒントにもなるでしょう。

まず、サッカー・フットサルの試合を観戦しているか?

そして、局面、大局を読み取れる大人と、一緒に観戦しているか?

質の高い観戦をどれだけしているか。

脳内のフォルダが、増えていき、なおかつ更新されているかどうか。

それは、そのまま、自分のプレーの選択肢になってくるはずです。

どれだけ技術が高くても、さっと取り出せるフォルダが不在では、、、。
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2014年07月11日

南米対欧州

準決勝2試合を観戦しました。

2試合共に、南米の強豪VS欧州の強豪。

この試合を観れたことで、気付きがありました。







南米2チームが優れていたのが、ファーストタッチ、ドリブルの活用。

ファーストタッチの際、見事に体を使い、ボールを守る。

腕を広げる、相手に押し付け、自分がプレーする空間を創出。

体を相手に預け、ボールを見せない。

この腕と体の使い方により、体の大きい小さいは関係なくなる。

相手DFが力づくで寄せてくると、コテっと倒れてファールをもらう。

華麗な技よりも、むしろこのプレーが、らしいプレー。









欧州の2チームが優れていたのは、スペースを味方のために作り、見つけて使う。

ビルドアップから、スペースを作り、スペース見つけ、使う。

1本のパスに、4人5人が関わっている。

ボールの動きだけを追いかけていると、気づきにくい。

テレビの中継画面でも、分かりづらい。

スタジアムの高い位置から全体を俯瞰すると、一目瞭然です。









例えば、1人が開いてボールを受けようとする。

さらに、前の選手が背後に飛び出そうと走り出す。

この動きに、相手マークが釣られると、中盤にスペースが生まれる。

そして、サッとスペースに入り、ボールを受けに侵入する。

タイミング良く、パスを出す。

中盤の狭いところにボールが入っていく。








間で受ける、だけでは、難しい。

結果として、ライン間でボールを受けている。

単純にライン間に入るだけでは、守備陣は出し抜けない。

トップレベルの選手が築く守備組織は、強固です。

ただし、意図的なフリーランニングを組み合わせる。

スペースを作る、見つける、入る、使うを行う。

これが優れていたのが、ドイツとオランダでした。

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2014年07月10日

組織を作るコンセプト

ブラジル対ドイツ、観戦のショックから立ち直れません。

好きで、憧れてた代表チームの、あのような姿。

日本人の私でも、ショックは大きい。

ブラジル国民や、代表メンバー、スタッフのショックははかり知れません。








2チームの違いは、何でしょうか。

組織を作り上げるコンセプトそのものが、違うように感じました。

ブラジルは、一人一人の個性を活かす組織。

加えて、強烈な個をさらに活かす組織。

ドイツは、ある戦術的行動のために組織がある。

ブラジルは、木を組み合わせて森を作る。

ドイツは、森を作るために木がある。









守備にも、それがハッキリと表れてました。

ドイツの組織は、11人が連動して、ボールを追い込んでいく。

入らせてはならない場所を、全員が同じ認識を持ち、守っている。

誰が入っても、チームの決め事として、理解出来ている。

ブラジルは、個々が、奮闘し、守備をしようとしている。

どこに追い込むのか、誰が当たって、誰がポジションを修正するか。

この判断が、選手に任せられている?余地の部分が感じられます。

結果として、選手の集結している広さが全く違いました。

なんと、ドイツ守備陣のコンパクトなことか!

ブラジルの守備は、場当たり的で、ドイツのパス&ドリブルコースを限定出来ない。







両国にある、クラブ事情に、その原因の一つがあるはずです。

バイエルンを移植し、クラブチームの力を借りて、コンセプトを高めたドイツ。

バルサとレアルの融合で、世界を制したスペイン。

世界中に散らばるクラッキを集め、チームを作らざるを得ないブラジル。

ブラジルの代表チームとしての限界を見せつけられた気がします。

ベロオリゾンテの屈辱。

個々の選手は、本当に凄いだけに、残念です。
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2014年07月09日

負けたくない試合

ワールドカップも、いよいよ準決勝です。

2回勝てば、ワールドカップを掲げれることが出来ます。

98年フランス大会から、現行の方式に落ち着いています。

32チームが、本大会に出場。

8つに分かれ、グループリーグを戦う。

上位2チーム、計16チームで、ノックアウト方式のトーナメント。









この方式だと、大会が進めば進むほど、負けたくない心理が高まります。

勝ちたい!心理よりも、負けたくない想いが上回る?!

試合展開も、それに合わせるように、守備重視の戦いに。

準々決勝は、その傾向が本当に高かった。

延長戦や、PK戦まで、もつれこむ。

攻撃に枚数をかけて行かない。

セットプレーと、カウンターに望みを託す。

オシムさんも、苦言を呈していました。








準決勝か、準々決勝から、大会方式を変えなければ、この傾向は続く。

誰しも、負けたくない。

負けないことをベースにして、何をくわえれるのか。

どのチームも、方法に違いはあれ、考え方は同じはずです。

もし、オープンな戦い、攻撃し合う試合を観たいならば。

チャンピオンリーグのように、1st.2ndレグで勝者を決める方式にする。

昔のように、2次リーグを復活させるか。

とにかく、一発勝負を変えなければ、変わらない。







今から、準決勝の会場、ミネイロンに向かいます。

開催国ブラジル登場です。

魂の震えを、国歌斉唱を感じることでしょう。

異様な盛り上がり、異様な雰囲気です。

あれを体感したなら、攻めろ!なんて軽々しく言えません。

あの場で!あの空気で平常心は、あり得るのでしょうか。

何はともあれ、行ってきます。



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2014年07月07日

首を振る

今回のワールドカップ、残念なことがあります。

大好きなメキシコを観ることが出来ませんでした。

オランダに、あのまま勝ってくれれば観れたのに!

サルバドールに、メキシコが来るはずだった試合を観戦に。

今回、熱いチームであるコスタリカを観れるから、OKにしよう。

コスタリカ対ギリシャに続き、2回目の観戦。

オランダに対し、コスタリカはどう戦うのか!?







結果は、とても残念な結末を迎えてしまいました。

今のコスタリカの力では、限界だったのかもしれません。

彼らは、引き分けだけを狙っていたわけではない。

もちろん、時間帯によっては、引き分けも視野には入れていた。

彼らの狙いは、ロースコアの試合展開にすることでしょう。

時折見せるカウンターアタック、試合終盤にも惜しいチャンスを作ります。

最後まで、走りきってた証拠です。








私の座席が、前から、7列目。

ほぼ、ピッチレベル。

そして、ペナルティーエリアと、ハーフラインの中間。

DFラインが、目の前にあるのです。

DFラインの形成、ラインコントロールが、手に取るように見えました。

オランダ、コスタリカ共に、集中しているのが伝わります。








コスタリカのラインコントロールが、素晴らしかった!

ラインを下げずに我慢する。

ラインをスッと下げながら、相手の攻撃を遅らせる。

相手の横、バックパスで、グッとラインを上げる。

オランダらしい、大きなサイドチェンジ。

ラインをさっとスライドさせ、スムーズな対応を見せます。

素晴らしいコントロールで、オランダから良さを奪います。

オフサイドもたくさん取りましたが、それはあくまで結果。

目的は、コンパクトな陣形をキープし続けること。

プレッシャーをかけやすくしておくため。









ラインが動くたびに、選手同士が、首を振ります。

お互いの関係は、どうだ?

相手の動きはどうなっている?

マークはズレてないか?

特に、スライドする方向の逆を見る首降りが、スゴい。

とにかく、お互いに、首を降り、ポジションを少しずつ微調整。

DFラインを崩さず、整え続け、相手をつぶす準備を怠らない。








攻撃の選手が、周囲の情報を集めるために、首を振ります。

優れた選手であればあるほど、この重要度を理解している。

ボールが来る前に、情報をたくさん収集しておきたい。

速やかに、的確な、プレーを選択するために。

守備は、攻撃の裏返しです。

自分の近くにボールが来る前に、情報を収集するのは、同じです。

あの、首降りがあるから、守備が最後まで崩れなかった。









5人で、ラインをコントロールすることは、難しい。

トルシエ元監督のコンセプトであった、フラット3。

ラインコントロール重視のために、3人に減らしてます。

同時性を高めるために、人数を少なくしたのです。

コスタリカのDFラインは、5人。

120分、統制を取り続けた。

彼らがとても、訓練された集団であることが分かります。

魂を込めただけではない、コスタリカの素晴らしさです。

コスタリカの冒険は、終わってしまいました。

私たちは、彼らから、何を学ぶべきなのでしょうか。
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2014年07月05日

日本対ブラジル、裏ワールドカップ開幕!

ブラジル対コロンビア、熱かったです。

南アフリカや、ドイツ、日本、どこで見るよりも、熱かった。

観客の方が、熱くなりすぎるくらい、真剣に見守っていました。

ウェーブが、一度も起きない(二度ほど小さい小さい波は出来かけた)集中力。

腹の底まで震えるような歓声が巻き起こります。

よく、あの中でプレー出来るよな。

逃げ出したくならないのかな。

勝手に心配していました。







実は、前日に、日本対ブラジルの裏ワールドカップを開きました。

フォルタレーザの海岸近くを散歩してました。

チケットを譲ってくれた日本人青年と、ぶらぶら。

日本人青年も、大学まで真剣にサッカーをした、サッカー大好き人間。

お互い、すぐに打ち解け、晩ごはんの店を探していました。

すると、歩道にミニゴールを並べ、裸足でボールを蹴る少年を発見。

「試合しようぜ!」声をかけてみました。

スッと近づきボールを奪い、やろうぜ、やろうぜ、と盛り上げました。

少年3人VS日本人2人、後から歳を聞くと12〜18歳。

裏ワールドカップのキックオフです。







時間の経過と共に、様々な変化がありました。

ギャラリーが増える。

参加人数も増える。

真剣度が増していく。

一番の変化は、態度の変化でしょうか。

私も、ウエストポーチを身につけたまま始めました。

彼らが信用出来ると感じ、イスに結びました。

彼らも、俺の名前はヘイナウド、あいつはパブロ。

名前を名乗り、コミュニケーションを図ってきました。

共に、1つのボールを通して、心を通いあった瞬間でした。

ちなみに、あまり治安のよろしく無いエリア。

薄暗く、彼らの身なりもボロっとし、やたら警察が巡回に来てました。









プレーをした感想は何より、レベルの高さに対する驚き。

ひとりひとりが、堂々とボールを持てる。

味方や、壁当てをするフェイント。

股を通すぞ、上を越えるぞ!と見せかけて、、。

こちらの出方を観察するのです。

素直に守ると、簡単にやられてしまう。

守る側も、フェイントが求められる。

とにかく、小さい駆け引きの繰り返しで、ゲームが成り立ってる。

1対1でキレイに抜けたら、敵味方関係なく、歓声をあげる。

激しく当たっても、問題なし。

ただ、それでブラジル側がやられたら、10中8、9、痛がるフリ。








もう1つ面白く感じたのが、ゴールに対する捉え方です。

点数を数えていない時は、簡単な押し込むだけのゴールは、打たない。

敢えて、DFの戻りを待って、かわしてシュートを狙う。

簡単なゴールなど、欲しくない。

彼らの美学なのでしょうか。

ところが、最後3点取ったら勝ち!の試合が始まると、決めに来る。

はっきりしてますね。








とにかく、ハイレベルなストリートサッカーでした。

「日本強いだろ!」終わってから話しました。

カガワとホンダに、やられたよ。

冗談混じりながら、彼らなり認めたようです。

最後は、ギャラリーも入って、撮影会が始まりました。

ボールを蹴りあった者同士は、距離が一気に縮まりました。








街の、普通の子どもや、青年たちのレベルが異様なまでに高い。

しかも、ただテクニックがあるだけではない。

これは、日本がブラジルに追い付くのは、まだまだ大変そうです。
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2014年07月03日

スイス、コスタリカに学ぶ。

日本はどこに進むべきなのか?







ワールドカップで勝ち進むのは、本当に大変です。

2012年ロンドンオリンピック。

フットボールにおいては、育成最終年代である、U23の世界大会。

素晴らしい結果を残した、メキシコ、韓国、日本。

オリンピック代表の主力を加えたメンバーで、今回のブラジル大会へ!

残念ながら、日本も韓国も、グループリーグで惨敗。

メキシコも、ベスト16の高い壁をぶち破ることができない。

育成に力を入れて、チーム力を高める方向性は、間違ってないはずなのに。









今大会、躍進した国があります。

コスタリカ、スイス、アルジェリア。

さらには、前回大会も奮闘していた、アメリカ。

彼らに共通しているのは、特定の選手に頼ったチーム作りをしていない。

全員が、規律を守り、チームのために全力を出して走り続けていること。

スターは、チームである!と言う表現が相応しい。







その中でも、スイスとコスタリカの試合を観戦してきました。

ベースとなっているのは、全員で組織された堅い守備!

2チームの、守備組織の構成は異なります。

共通しているのは、全員が全力で守備に取り組んでいること。

前線も中盤も、コースを何となく切るような守備ではない。

全力でボールホルダーに寄せ、プレッシャーをかける。

後方の選手は、常にボールを奪おうとしながら、マークをする。

この守備を、キックオフから、最後まで続けていく。

延長になって、足がつりながらも、まだボールに食らいつく。

頭で分かっていても、そうそう、出来ることではありません。








なぜ、このようなことが可能なのでしょうか。

私の想像に過ぎませんが、スタート地点が2チーム同じなのではないか。

スタート地点とは、相手が自分たちよりも強い。

自分たちよりも強い相手と戦うためには、どうすればいいか。

これは、相手に対して卑屈になると言う意味合いではありません。

最近良く聞く、相手をリスペクトし過ぎて、、とも違います。

相手を分析し、相手を理解するためです。

その上で、自分たちの長所をぶつけ、短所を隠す。

自分たちのスタイルで!と振りかざすのは自由でも、出来ない時はどうするのか。

そもそも、自分たちのスタイルを押し通せるチームなど、限られている。







選手の規律を高める。

最後まで手を抜かずに、走りきる。

これを追及すれぱ、世界の16強、8強は見えてくる。

そのことをスイスやコスタリカは教えてくれました。

スイスも、8強に入るチャンスは、充分にありました。

アルゼンチンは、全くやりたいことを、やらせてもらえなかった。








我々も、彼らから学ぶべきことが、多いにあるはずです。

特別な世界的タレントがいない。

伝統える強国でもない。

まず、相手は強いことを認める勇気が必要でしょうか。

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2014年06月30日

レシフェでの高校選手権

ブラジルで、高校選手権を観た感覚に陥りました。

レシフェで行われた、決勝トーナメント一回戦。

ちなみに、へシーフェが、現地の発音に近いですかね。

とても良い雰囲気で、行われました。

レシフェの人々の、ホスピタリティのおかげでしょう。

会場周辺が、一昔前の縁日のよう。

集まった人は、皆、笑顔。

気持ちよく、キックオフを迎えることが出来たのです。







コスタリカも、ギリシャも、チームの基本線は同じ。

守備を堅め、ロースコアの展開に持ち込む。

後方のスペースを埋める、後ろ重心の試合展開。

奪ってカウンター、セットプレーに活路を見出だす。

さらに共通するのは、諦めない、くらいつく精神。

その2チームが対戦すると、スペクタクルな撃ち合いにはならない。

分かってはいましたが、想像通りのゲーム。







コスタリカは、とても好感の持てるチームでした。

最後の最期まで、相手ボールにプレッシャーをかけ続ける。

こぼれ球にも、全力疾走。

味方のために、真剣なフリーランニングで、スペースを作ってあげる。

退場者が出ても、勝利目前で追い付かれても、心が折れない。

チーム全体で、一つの目標に向かって、突き進んで行く。

その姿はまるで、日本の高校選手権での光景を思い起こさせてくれました。

PK戦になり、全員がセンターサークル内で、肩を組み、膝を立てる。

俺たちの戦いを終わらせるものか!決意の声が、私には聞こえてきました。








日本人の心に訴えかけるチーム、コスタリカ。

余談ですが、サポーターの女性もレベルが高い、美人大国です。

世界トップクラス(3Cの1ヶ国)の女性サポーター。

ようやく代表の戦績も、世界トップクラスに入ってきました。

彼らの大会は、いつまで続くのでしょうか。






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2014年06月29日

コロンビア対ウルグアイ

23年ぶりの、リオ、マラカナンスタジアム!

当時の記憶は、ただ、ただ、大きい!広い!

日本ではお目にかかったことが無い、何かに夢中でした。

久しぶりのマラカナン、外観は、インパクトがありません。

中に入ると、それでもインパクトありません。

試合が始まると、歓声や悲鳴が、大反響!

試合を盛り上げる、最高のスパイスでした。






試合を観戦し、当たり前のことに気づかされました。

攻撃は、前線の選手だけの仕事ではなく、GK.DFから始まる。

裏返しである守備も、後方だけでなく、最前線から始まる。

守備を免除されている選手は無く、攻めを諦められている選手もいない。

全員が、攻守、それぞれのタスクを全力ではたしていく。

我々のチームの良さであったはずの、献身的な動き。

16に残るチームでは、武器にはならない。

むしろ、献身的にプレーして当たり前。

それがないグループ、選手は、ここにはいませんでした。







そして、守備を堅め、カウンターを狙ったウルグアイ。

前半30分くらいに発表されたボール保持率は、たったの30%。

ところが、後半、同点を狙い、攻勢に出ると、チームが変わりました。

ボールを動かすことも、狭い場所で受けることも、やれるのです。

一方のコロンビアも、攻撃的な魅力だけでは無かった。

GKを中心に、攻撃をシャットアウト。

受けに回った時も、チーム力が落ちないのです。

懐の深い、両チームの戦いは、実に見応えがありました。

フットボールを良く分かっている、南米らしい対決は、好ゲームでした!





1つの戦いを出せなければ、チームが体をなさない。

そのようなチームとは、明らかな差を感じさせられました。

攻撃的なチームを作る資格は、全力で守備をする集団であるということ。

守備を堅めたいなら、最後尾の選手にも、攻撃の能力があること。

得意なものを活かすためには、それ以前の能力を持ち得る必要がある。

世界の8強とは、そのような場所でした。





明日は、早朝にレシフェに移動。

今大会注目の、コスタリカをチェックしてきます!
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2014年06月18日

日本と世界との差

 ザッケローニ監督の采配が批判されています。

選手が伸び伸びとプレー出来ていなかった。

後半交代で入った、遠藤選手のプレッシャーが甘く、クロスを簡単に上げられた。

左サイドがうまくいっていなかったのは事実ですが、遠藤選手の緩慢なアプローチにも原因があるはず。

さらには、切り札である大久保選手の投入が、何度もストップが掛かり、ためらわれた。

そして、不可思議なポジションの変更。

イラついた表情で、コーチと話し込むザッケローニ監督の表情が印象に残ります。

その一方で、コートジボワールのドログバ選手が投入されて、一気に流れが変わった。

ベンチワークが、勝敗を分けたのではないか?!

果たして、問題の本質はそこでしょうか・・。





 私には、2つのシーンが思い浮かびます。

1つ目は、2006年ワールドカップのイタリア対オーストラリア。

カイザースラウテルンで行われたこの試合を、スタンドで観戦していました。

オーストラリアの善戦が印象的なこの試合。

グロッソ?がもらったPKでの1点を守りきったイタリアが勝利しました。

怪しいPKでしたが、私が忘れられないのはこのシーンではありません。

後半早々に、イタリアのDF、マテラッツィ選手が退場してしまいます。

すると、何事も無かったかのように、守備的MFのガットゥーゾ選手が最終ラインに入りました。

ベンチの指示は、まだありません。

選手たちは、ベンチを伺う様子もありませんでした。

控えCBバルザーリが投入されるまでの数分間の出来事でした。

選手たちが自主的に行動し、チームの危機を救いました。

CBが一発レッドで退場になっても、全く動じず、ベンチの指示すら仰がず、試合を進める。

選手の個々が、チームの最大限の利益を考えて行動することができる。

この時のイタリア代表は、真の名手たちの集団でした。








 もう一つのシーンは、今回の開幕戦です。

ブラジル対クロアチア。

クロアチアが、下馬評以上の、素晴らしい試合を展開していました。

11人が集団として、規律正しく動く。

最終ラインの選手も、技術が高い。

前線の選手も、守備のために走り、マイボールになった瞬間飛び出していく。

統制の取れた、好チームでした。

そして、その好チームに、幸運が舞い込みました。

ブラジル・マルセロ選手のオウンゴールによる、先制点です。








 勝利を宿命づけられた開催国ブラジル。

先制点を奪われて、どうするのか?と観察していました。

前線に枚数を割いて、一気に攻勢に出るのか?!

そうではありませんでした。

攻勢に出るどころか、試合のペースを落とそうとしました。

ボランチが一枚最終ラインに入っていきます。

さらにもう一枚のボランチも、最終ラインのすぐ前まで下がってきます。

重心を後ろにかけて、パスを後方でゆっくりつなぎます。

ゆっくり、ゆっくり、まるで勝っているチームが時間稼ぎをするかのように。

まるで全員が、分かっているかのようでした。

「今は、焦る局面ではない、落ち着くところだ。」

観客も、ペースダウンを許していたのではないか。

煽ることをしていないように感じました。

これも、ベンチからの指示ではなかったでしょう。

選手たちが、自ら試合の流れを読み取って、試合のペースを落とした。

一人が勝手に思いついたのではなく、ピッチ上の選手全員が流れを読み取っていた。








 先取点を上げたあとの日本代表は、どうだったでしょうか。

先取点は、試合で大きな流れをつかめるはずです。

不用意に攻めることなく、守りを固める。

相手に攻めさせておいて、自陣におびき寄せる。

そして、ミスを逃さず、一気にカウンターを仕掛け、追加点を重ねていく。

先取点を奪ったチームの王道とも言える試合運びです。

ところが、日本代表の試合運びは、0対0の時も、先取点を奪ってからも変わりませんでした。

まるで、1対0の勝利では、次のラウンドに進めないノルマがあるかのようでした。








 優勝を何度も経験している、イタリアとブラジル。

フットボールの歴史も、国に根付く深さも、世界有数です。

その2カ国と、日本とを比べるのは、まだまだおこがましい。

ただ、参考になる部分は、大いに持っているはずです。

選手の個々が、試合の流れを読んで、有効なプレーを表現する。

そのような姿を目の当たりにできることだけでも、ワールドカップには価値がありますよね。
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2014年06月16日

ブラジルワールドカップ開幕

 ブラジルでワールドカップが開幕しました。

数大会前までは、世界最高峰の博覧会も兼ねていました。

ワールドカップで、今後のフットボールシーンのトレンドが決まる。

情報化が、今ほど進んでいない時代には、ワールドカップこそが全てであり、最高峰。

今では、その役割はUEFAチャンピオンズリーグに、奪われつつあります。

それでも、普段はあまり目にすることが出来ないスタイルが一堂に会します。

南米、中南米にアフリカの試合。

ヨーロッパこそが最高だ!

いやいや!南米の底力は侮れない!








・開幕戦での基準

日本の西村さんが、開幕戦の主審を務めました。

前回大会の、3位決定戦での主審に続き、大役を任されました。

日本人として、なんとも誇らしい姿でした。

ところが、あの判定で、風向きが怪しくなっています。

ブラジルの決勝ゴールとなった、あのPKの判定です。

PKを取られたクロアチア側、そしてヨーロッパ側からは、誤審だ!との声が上がります。

さらには、南米人特有のダイブ!に騙された、哀れな日本人レフェリー。

ブラジル側からは、ただ、ただ、ありがとうと。








 実際は、どう考えるべきなのか。

間違いなく、クロアチア・ロブレン選手の左手が、ブラジル・フレッジ選手の肩を掴んでいます。

そして、右手も同じように掴んで、動きを妨げています。

あそこまで、転げまわるような力で掴んでいたとは思えませんが、、。

多くの論調は、あれくらいでPKは厳しいとの声です。

おそらく、その声を上げているひとは、知らないのではないでしょうか。

手や腕の不正使用、つまりホールディングは、程度に関係なく反則にあたるという事実を。

例えば、チャージやタックルは、不用意に、過剰に、無謀に行ったかどうかが問題になります。

(不用意に…反則、過剰に…イエローカード、無謀に…レッドカード)

つまり、どのように行為が為されたが、見極めるポイントになるのです。

ところが、ホールディングに関しては、行為そのものが、反則になってしまう。

(ちなみにJFAの講習会で、この内容をかなり上級の審判の方がこの話をした時、会場はどよめきました)

(コーチであっても、この認識は持っていないということが分かります)






 そしておそらく、審判団に対して、FIFAからお達しが出てたはずです。

「手や腕の不正使用を厳しく取るように」という内容のお達しが。

これは、あくまでも私の推測ですが。

それを、言われたとおり、キッチリと西村レフェリーは裁いたのです。

サポーターのプレッシャーに負けて、吹いてしまった笛ではないと思います。

ジュリオセーザル選手に対するファールも、ジャンプする前の腕の不正使用でした。

その一方、ノーマルフットボールコンタクトに対しては、寛容でした。

ブラジルの3点目のキッカケとなった、ラミレス選手のどぎつい当たりは、ノーファール。

目の前で見ていたでしょうから、見落としでは無いと思います。






 この基準は、グループリーグ中は変わらないと思います。

変わるとしたら、グループリーグ後。

そこで、審判団が再度選抜されるはずです。

今回のワールドカップでは、25人の主審がエントリーされています。

そこから、対戦カード、大陸などを勘案して、審判団が割り当てられた行きます。

選手たち代表チームが、厳しいコンペティションをしているのと同じ。

審判団も、パフォーマンスが悪ければ、次の割り当てが回ってこない。

大きなジャッジミスをした審判団はもちろん言うまでもありません。

今後、重要な試合を、西村レフェリーに割り当てるかどうか。

割り当てられたかどうかで、あのジャッジが正しかったがどうかが分かります。

もちろん、FIFAの判断にしか過ぎませんが。







 今大会、そして、世界的に、この流れが強くなっていくはずです。

手や腕の不正使用に対して、厳しい目が向けられます。

正しい使い方をすれば、自分やボールを守ってくれます。

ところが、誤った使い方を覚えてしまうと、自分の首を絞めてしまう。

改めて、思い知らされた瞬間でありました。
posted by プロコーチ at 03:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月06日

C組2.5位。

 まさかのグループリーグ敗退!?

2006年のドイツワールドカップでは、日本は1勝も上げることができず、敗れ去りました。

黄金世代と呼ばれた、1979年生まれの選手たちが、27歳。

若い頃から期待され、結果を残してきた彼ら。

経験も積み、活躍するには最適な年代。

アジアでの結果、欧州遠征での好結果、アジア最終予選での勝ち抜け。

ジーコ率いる代表チームに対する、大いなる期待で、日本は包まれていました。

私も、現地で、日本代表の試合3試合すべてを観戦しました。








 ところが、開幕戦を逆転負けで落としてしまう。

そしてそのまま、0勝2敗1分け。

グループ最下位、、、。

ジーコに責任がある。

コンディショニング調整に失敗した。

初戦、2試合目の試合の時間帯が、暑かった。

敗因として、様々なことが言われました。









 まさかの惨敗。

この結果は、意外なものとして伝えられていました。

日本では。

グループリーグ突破は当たり前。

シドニーオリンピックのように、ベスト8も行ける!

それが前評判でしたから。

中田英寿、中村俊輔、高原に小野、稲本に小笠原。

日本過去最高のタレントを擁して、堂々と臨んだ大会でした。









 この結果は、予想通りの展開だったそうです。

世界のブックメーカーが、毎回予想を立てます。

賭け事を取り扱う会社です。

彼らも商売でやっているので、真剣に情報を収集し、分析します。

そのオッズは、かなり参考になります。

日本、オーストラリア、クロアチア、ブラジル。

残念ながら、日本は、グループリーグ敗退の本命チームでした。

日本がグループリーグを敗退する方に掛けても、1,3倍にしかならない。

それが、世界での評価だったのです。









 さて、今回のブラジルワールドカップでの評価はどうでしょうか。

ブックメーカー各社のオッズを見てみます。

それによると、日本が入ったC組は、1強3弱。

コロンビアの突破は、ほぼ決まり。

残る1枠を、日本、コートジボワール、ギリシャで争う。

その中でも、ギリシャは少し劣勢。

日本とコートジボワールの評価が、拮抗しています。

つまり、コートジボワールが最大のライバルであることが言えます。

1位コロンビア、2・3位日本・コートジボワール、4位ギリシャ。







 日本が優勝すると100数十倍ものお金が払い戻されます。

この順位は、出場32カ国中、15番目近辺です。

つまり、日本代表は今回、グループリーグをギリギリ突破出来るかどうか。

突破しても、ベスト16で敗退する。

これが、世界の評価(ブックメーカー)です。

ちなみに、優勝候補の筆頭は、開催国のブラジル。

争うのが、アルゼンチン、ドイツ、スペイン。

この4カ国から優勝チームが出る!とのオッズが出ています。









 あくまでも、予想は予想にしか過ぎません。

ワールドカップの度に、最大の驚き!!と形容されるチームが飛び出します。

1990年のカメルーン。

1994年のスウェーデン、ブルガリア。

1998年のクロアチア。

2002年の韓国。

2006年では、イタリアを優勝候補に挙げていた人は少ないはずです。

2010年での、ウルグアイの快進撃は記憶に新しい。

このようなサプライズが起こるから、フットボールは楽しい。
posted by プロコーチ at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする