2011年01月11日

点を獲るために。

 高校選手権決勝を、観戦しました。

滝川第二対久御山のカードです。

関西勢同士の対決になったため、あまり埋まらないのでは?と心配もしていました。

実際には、空席の方が少なく、4万人程度は入っているように見えました。

選手権ファンとも呼ぶべき、お客さんがいるのでしょうか。

対戦カードよりも、「選手権」から感じるものを、受け取りに来ているのでしょうね。






 手法は違えど、攻撃を考えていることが、伝わってくるチームでした。

まず、人数を掛けて守って、あわよくば・・・、それも1つのスタイルでしょう。

一発勝負のトーナメントなら、それも仕方の無いことかもしれません。

ところが、両チームともに、攻めてこそ!のスタイルでした。

決勝戦にしては、珍しいほどの打ち合いになりました。

結果は、ご存知のように5対3。

良いか悪いかは別にして、スタジアムは、最後まで盛り上がりました。





 

 優勝した滝二のストロングポイントは、樋口・浜口の2トップ。

ダブルブルドーザーと、監督が形容するほどの破壊力は、2人合わせて15点を奪いました。

決勝戦でも2点ずつを奪い、その名に負けない結果を残しました。

彼らは、当たりも強く、競り合いに負けません。

ボールコントロール、キックも正確です。

ですが、個人の能力、2トップの能力が高いからだけで、15点も奪えたのではありません。





 最も優れていた、と私が感じたのは、ポジショニングにありました。

点を奪うためにはどうすれば良いのか?

ゴールへの執念を持つこと、技術を高めること、これらももちろん大切な要素です。

これらを活かすためには、欠かせない要素があるのです。

それが、ポジショニングです。

簡単に言ってしまうと、こうなります。

「しかるべく瞬間に、しかるべき場所にいること」

たった、それだけです。






 ある統計的事実があります。

ゴールの9割は、ペナルティエリア、つまりボックス内からのシュートです。

(もちろん大会、リーグによって誤差はありますが、8割を下回ることは無いでしょう)

もう1つ。

ゴールの7割近くは、1タッチシュートによって生まれている。

2タッチ以下と広げると、9割近くが当てはまります。

目の覚めるようなロングシュートや、何人も抜いたドリブルシュートは、記憶には焼きつきます。

が、結局それらのゴールは、1割にしか過ぎないのです。







 つまり、2つの統計的事実を合わせて考えると、こうなります。

ボールがペナルティエリアに入ってくる瞬間に、シュートを打てる体勢でポジションを取る。

しかるべき瞬間とは、「ボールがペナルティエリアに入ってくる瞬間」であり、

しかるべき場所とは、「ペナルティエリア内(特にゴール正面)」であるのです。








 滝二の2トップは、この2つを外していなかったのです。

サイドにボールがあれば、ボールがある側に流れて、組み立てに参加する。

中盤で選手が前を向いたら、ボールを受けに下がってくる。

常にボールに関われ!と言われていたら、このような動きを頻繁に繰り返すでしょう。

この動きをすれば、ボールは良く回るかもしれません。

惜しいチャンスも増えるかもしれない。

ところが、最後の瞬間に、ゴール前に人がいない、足りない、事になる可能性もあるのです。

彼らは、我慢して、ゴール前でのその場所で、その瞬間を待ち続けていたのです。

だから、点を取るその時には、当たり前のように、2人の姿があったのです。





 もちろん、このためには、味方との信頼関係が大切になってきます。

あいつらにボールを出せば、決めてくれる。

チャンスを作るのは、俺たちの仕事だ。

2トップ以外の選手たちは、このように思っていたはずです。

チャンスさえ作れば、後は2人が決めてくれる。





 2トップも、その思いに応えようと、必死にプレーしていました。

彼らは、ペナルティエリアで待ち構えているだけの、ストライカーではありません。

長いボールを受け、相手DFと戦い、基点になる仕事もします。

前線からの守備の始まりとしても、機能していました。

ボックス付近で待ち構えていたのは、中盤の選手が前を向いている時。

つまり、ボールが、その場所に来るであろう、その瞬間のみ、待とうとしていたのです。

彼らには、エゴだけでなく、賢さもあったのです。








 考えてみれば、当たり前のプレーなのですが、なかなか、完遂することが出来ない。

ゴール前で待ち続けることは、かなりフラストレーションが溜まる。

90分でたった数回のために、牙を研ぎ続けておかなくてはならない。

その瞬間、その場所には、最高の状態で迎えなければならない。

ボールに、あえて関わらない勇気。

味方が、指導者が認めてくれなければ、出来ないでしょう。

ストライカーも、それに応える技量を高めておかなければならない。

「しかるべく瞬間に、しかるべき場所に」

点を獲るために必要なことを、見せてもらいました。
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2011年01月07日

小学生年代でフットサルをプレーする

 小学生のフットサル大会を観戦してきました。

駒沢体育館と、駒沢屋内球技場にておこなわれたバーモントカップ。

正式名称は、第20回全日本少年フットサル大会決勝トーナメント、だそうです。

この、準決勝と決勝を観たのです。





 スタンドには、日本フットサル代表ミゲル・ロドリゴ監督も観戦に訪れていました。

ミゲル監督の指導者講習会での講義が、思い出されます。

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スペインでは、15歳までフットサルや、7人制のフットボールをする。

それから、フットサルを続けるか、11人制のフットボールかを選ぶ。

今の選手たちの多くは、フットサルの経験者だ。

日本は、11人制をリタイアした人間が、フットサルをしている。

数十年前のスペインもそうだった。

日本でも、育成年代にフットサルをして欲しい。

それが必ず、助けになるはずだ。

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 さて、優勝したのは、東京ベルディジュニアでした。

普段は、フットサルをしておらず、このバーモントカップに向けて、取り組んできたそうです。

一方、決勝でおしくも敗れたのは、マルバ浦安。

有名なフットサルクラブ。

これを見ると、サッカーのチームが、フットサルのチームに勝った。

フットサルも知らないくせに、フットサルをしてないくせに、。。

ネガティブな意見も聞こえそうです。





 ヴェルディは、大会直前にフットサルに取り組んだようです。

試合後のインタビューに答えた、監督も、選手(子供)もほとんど練習していない。

揃って、素直に、こう答えていました。

「練習不足だったので出来るかどうか不安だった。」







 私は、準決勝、決勝を観て、育成におけるフットサルの有効性を改めて感じました。

一番は、人数です。

フィールドプレーヤーが4人しかいない。

攻守における、プレーへの関わり。

関わり続けるために、集中力を研ぎ澄まし続けること。

1人たりともサボることが、許されない。

10人の中の1人、4人の中の1人。

同じ1人でも、占める割合があまりにも違いすぎます。






 普段は、前線での守備だけを求められている、FWの選手。

ところが、今大会では、味方のゴール前までも、戻らなくてはならないシーンが繰り返されます。

危険だ!と感じれば、ポジションを捨てて、全力で戻る。

普段はあまりしないであろう、味方のカバーリングが当然のように求められる。




 また、普段は、クリアするか、安全第一のパスが求められる、DFの選手。

彼らが組み立てに参加出来るかどうか?

有効な縦パス、スペースを見つけてドリブルで持ち上がる。

すきあらば、ミドル・ロングシュートを狙う。

このようなプレーも、頻繁に出てくる。





 少人数で試合をするメリット。

これを求めて、全日本少年サッカー大会は、8人制になります。

フットサルには、もっと濃密な時間を過ごすことが、当然のように出来ますね。

もちろん、技術を磨く側面も大きいです。

技術を発揮する場面も多いでしょうから。

やはり、育成世代で、フットサルに取り組むメリットは、大きいのです。

実際、最終ラインまで守るアタッカー、フィニッシュを狙うDFは、当たり前でした。

フットボールの理解が、より深まるのでしょう。







 ただし、残念なこともありました。

バーモントカップでは、GKからのスローはハーフウェイラインを越えてはなりません。

さらに、今大会は大きなルール改正があり、キックでも、越えてはならないことになりました。

トーナメントだと、リスク回避のプレーが求められる。

グラウンダーのパスをつなぐよりは、味方ゴールから少しでもボールを遠ざけたい。

育成の観点から、ボールが空中を飛び交うのを防ぐためでしょう。

昨年の大会を観戦した、ミゲル監督の提案もあったそうです。

確かに昨年よりは、ましになったと思います。






 ところが、この2つのプレーが目に付きました。

1つは、ハーフウェーラインのギリギリにGKがスローを投げ入れる。

少しでも、遠ざけたいのでしょう。

もう1つは、ペナルティエリアの一番深いところに選手を配置。

GKはそこに近付いて、スロー。

受け取った選手は、ワンタッチでロングキック。

GKのスローはトスのような浮き球を入れるシーンすらありました。

最初から、遠くにアウェイに蹴らせる気満々です。





 これらは、優勝したヴェルディも、準優勝のマルバも意図的に繰り返していたプレーです。

マルバは、準決勝で、このロングキックがシュートになり、2点!も奪いました。

同じようなプレーは、他のチームも、取り入れてました。

マルバとヴェルディは、ボールを蹴るだけでなく、人の配置と動かし方に工夫が見られました。






 
 どんなルールを作っても、抜け道はあるものです。

遠くに蹴ることが悪いとは言いません。

相手が前からプレシャーを掛けてくるなら、相手を下げさせるためには、必要でしょう。

目の前に相手DFがいるのに、そこにパスを出すのもまた、おかしなプレーです。





 ポイントは、そこに選手の判断があるか、判断が無いか。

何でもかんでも蹴っ飛ばしていては、面白くない。

何よりも、フットサルに取り組んでいる意味が、恐ろしく低下してしまう。

フットサルを、育成のために取り組む。

成果も見えましたが、課題も残った大会でした。
posted by プロコーチ at 18:05| Comment(0) | TrackBack(1) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月23日

25000人、2500人。

 25000人と、2500人。

この数字は、同じチームの観客動員数です。

両方共に、休日の夜開催の試合。

東京ヴェルディなのですが、同じチームとは思えないほどの差があります。

その両日共に、観戦したので、感想を少し。





 25000人集めた試合は、11月14日、味の素スタジアムで開催された、ジェフ千葉との試合。

この時ヴェルディは、昇格争いにしがみついていました。

昇格争いのライバルであるジェフをたたいて、福岡との差を詰めれるのではないか?

そんな期待を持たせてくれる、チーム状況でした。





 そして何より、この試合は、観客動員のために、チームは力を注いでいました。

5万人を味スタに!と、総力を挙げて動員作戦をしたのです。

ラモス、武田、前園などのOB対芸能人チームの試合が前座で組まれました。

地元のサッカー協会にも動員をお願いしていたようです。

そのために、関係者には、タダ券も配られていました。




 その結果、5万人とまではいかないまでも、2万5000人を動員。

私もスタジアムに行きましたが、人の熱気を感じました。

緑のTシャツが無料で付いてくるチケットが1万枚あり、スタジアムは緑色に染まります。

まだまだ空席もあるのですが、いい雰囲気。

結果は、ジェフに逆転負けしてしまいました。

昇格争いもかんでいたせいか、両チームとも、最後まで激しく戦っていました。

J2とは思えない、試合を観た後の高揚感に包まれて、スタジアムを後にしました。







 そして、23日の愛媛戦は、2500人。

バックスタンドすらも開放されず、寂しい雰囲気が、スタジアムを支配します。

クラブを挙げての動員が無い。

千葉戦、福岡戦と連敗し、昇格の芽が完全に無くなった。

地方チームとの対戦で、アウェイチームのサポーターが少ない。

エクスキューズはあるのでしょうが、現実は、厳しいものでした。

おそらくこの人数が、東京ヴェルディの持つ、観客動員の裸の実力なのではないでしょうか。






 昔、三浦カズヨシ選手が、雑誌のインタビューに答えていたのを思い出しました。

「ブラジルでは、3連勝したら、2万人、3万人の観客になる。

 だけど、3連敗したら、2千人、3千人になってしまう。

 その人たちは、どこにいってしまうのだろう。」

勝敗にシビアに反応する、ブラジル人サポーター。

どんな状況でも応援してくれる?日本ほど、甘くないよ、という内容でした。






 さて、この試合を終え、一緒に観戦していた人間が、ぽつり、と漏らしました。

「選手は、あっさり引き上げるんだね。今日勝ったのに・・・。」

彼は、他チームのサポーターなのですが、当日は、私に付き合って、観戦していました。

そのチームだと、試合後に選手たちはゴール裏のサポーターと、パフォーマンスをする。

トラメガを持って、サポーターをあおって、盛り上げる。

勝利の味を、皆で酔いしれる雰囲気は、最高のようです。





 私も、1つ気になったことがありました。

千葉戦のハーフタイムでは、選手がファンサービスをしていました。

ベンチ入りから漏れた選手が、通路に現れて、即席サイン会をしていたのです。

そこには子供たちを中心とした行列が出来ました。

Tシャツやチケットにサインをもらった選手たちは、うれしそうな顔をしています。

ところが、愛媛戦の時は、ありませんでした。

おそらくこれが、通常なのでしょう。

しかし、通路には、それを期待した子供たちが、何人も、寂しそうに待ちわびていました。







 クラブは、選手は、ピッチ上でのパフォーマンスを向上させることが、最大の仕事です。

そのために、お金をもらっているのですから、当然です。

そこに、意識も、資源も注ぎます。





 東京ヴェルディは、面白い試合をしています。

ボールを蹴りこんで偶然に頼る試合展開は、行いません。

ブラジル人助っ人に、攻撃を頼るチームでもありません。

自前で育てた選手たちが、ボールを大事にしながら、チャンスをうかがいます。

ピッチ上には、10代の選手、20歳そこそこの選手が、たくさん躍動しています。

将来を期待させるに充分な、チームになっています。

もし、戦力が流出しなければ、来シーズンは、より期待できるチームに成長するでしょう。





 それなのに、2500人しか、動員できないというのも、ヴェルディの現実なのです。

(今シーズンの平均観客数は、5600人。J2で11番目です。)

25000人。

この数字は、幻ではありません。

実際に動員させることの出来た、実数です。

存在能力としては、ここまで伸ばせるのです。

では、消えた、2万2千人はどこにいったのでしょう。

2試合続けて観戦したい、自分でお金を払って観戦したい、とは思わなかったのでしょうか。

2万5千人、この数字に近づけるためには、何が必要なのか?

真剣に取り組まないと、またチーム消失の危機は訪れるでしょう。

posted by プロコーチ at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月12日

試合を解析する

 日本で開催されている世界バレーで、日本女子がベスト4に進出しました。

一時期の低迷期を抜け、女子バレーも復活しつつあるようです。

私が子供の頃は、オリンピックに出るものではなく、メダルを獲るもの。

それぐらい、世界の中でも、確固たる地位を築いていたはずでしたが。

他競技でも、日本チームの活躍は、素直に嬉しく思えます。






 日本女子チームを率いるのが、真鍋政義監督。

選手としても、監督しても、輝かしいキャリアを持つ、47歳の監督さんです。

今回のチームは、秘密兵器を導入した!

テレビの特集で、何度か、取り上げられていました。

その秘密兵器とは、iPad。

iPadを手から離さず、試合を指揮しているのです。

強化合宿でのトレーニングの時から使用しているようです。


 



 試合では、テクニカルスタッフが、試合の全データを収集。

ボールの動き、どの選手が触り、成功、失敗した。

どの選手とのコンビはいいけど、この選手とは失敗が多い。

他にも、ライトに打った場合と、レフトに打った場合との違いなど。

その全てを打ち込んで、ボールの動きも図示されています。

もちろん、数値化も容易で、欲しい数字もすぐ見えます。

そして、試合中でも、そのデータを元に、戦略を練り直すそうなのです。

このような情報が入ることは、チームを指揮する人間にとっては、ありがたいことです。

なにしろ、リアルタイムで入ってくるのです。

非常に貴重な情報になり得るでしょう。







 我々人間は、自分に都合の良い情報だけを収集しようとする傾向があります。

また、印象的なこと、衝撃的なことだけが、頭に焼き付いていることもあります。

そして、観える範囲には、限界があります。

客観的なデータ、数値によるデータは、そうではありません。

チームを指揮する監督に、新たな気づきを与えてくれることも多いでしょう。

見えていなかった現状を、素早く捉える助けになるやも知れません。







 ここで考えなくてはなりません。

試合のデータを集めることは、どのチームにも出来ることです。

iPadを準備することも、同じです。

そこには、秘密はありません。

当たり前のことですが、道具は道具以上にはなり得ないのです。






 ではなぜ?!日本がベスト4に躍進したのか?

データを解析し、相手との関係から、戦略を練り直すことが出来る。

それを選手に的確に伝えることが出来る、優秀な監督。

そして、その指示を受け、すぐさま形として表現できる、鍛えられた選手たち。

お互い信じ合っている、信頼関係も必要でしょう。

データを活かす素地があったからこそ、チームが勝ち上がっているのではないでしょうか?

(専門外なので一般論しか言えません、ご勘弁を)








 レアル・マドリーのモウリーニョ監督が、試合中に盛んにメモを取っています。

ポケットサイズのメモ帳に、すばやく何かを書き記しています。

傍らに置かれているファイルもあります。

そこには、相手チームの分析結果や、自チームの動きなどが記されています。

データの収集に力を入れている証でしょう。

これらのシーンは、よくテレビにも映っています。

彼は、データだけの人間ではなく、データの活かし方を知っている名将です。

輝かしいキャリアがあったとしても、自分の経験や、目だけに頼らない。

客観的な情報を取り入れ、試合を様々な角度から、観察する。

これも、コーチの資質の1つですね。






 
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2010年10月12日

船出は?

ザッケローニ監督が率いる、新生日本代表。

アルゼンチン戦、韓国戦、2試合を戦って、評判は上々のようです。

いい結果を出したこと、アルゼンチンに勝利したことが、大きいのでしょうか。






 勝ったことは素晴らしいことです。

ただし、日本で開催する親善試合なら、今までもそれなりの結果は出していたはずです。

アルゼンチンが、どこまで本気になったのか?

日本に来る前からけが人が続出し、試合開始したら、さらに途中交代を申し出る選手たち。

真剣勝負とは、ほど遠い彼らのパフォーマンスでした。





 一方、アウェイに乗り込んでの韓国戦。

こちらは、引き分け。

真剣に立ち向かってくる相手。

骨までも削らんばかりに当ってくる、厳しい球際。

そんな真剣度の高い相手を前にすると、アジアの中でも思うようには試合を運べていない。

これが、現時点での実力でしょう。

さらなる積み上げが、求められています。






 ただ、収穫もあります。

日本代表が、どのような戦い方をするのかが、少しずつ見えてきたことです。

現役選手たちは、「どこを伸ばせば、代表へ呼ばれる」のかが分かったでしょう。

この2試合を観て、「俺が日の丸を!」と言う気持ちになるでしょう。

そうすると、Jリーグが盛り上がってくる。




 サポーターなら、「この選手は、代表に近いのでは?」予想し、選ぶ楽しみが分かる。

全貌がまだ見えてこないので、議論も深まって行くのではないか。

どちらも、未来を感じさせる、明るいものです。

これは、新監督の船出が、成功したことを表しています。






 まずは、イタリアリーグ・セリエAでも観て、予習・復習をしましょうか。

カターニャ・チェゼーナといった、森本・長友が所属する2チーム。

この2チームは、共に、守備を整えることに、プライオリティーを置いています。

そこから、いい奪い方をすれば、縦に速い攻撃。

この戦い方は、プロビンチアと呼ばれる、地方弱小クラブでは定番のものです。

何かに似ていませんか?
posted by プロコーチ at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月01日

新たなトライアングル

私が実際に訪れた中で、最高のスタジアムの1つ。

それが、ドイツのドルトムントにある、ベストファーレンシュタディオンです。

香川真司が大活躍し、注目を集めている、ボルシアドルトムントのホームスタジアムです。

http://futebol.seesaa.net/article/19745770.html

ドイツワールドカップ、日本対ブラジルの開催された、あの場所です。

スタジアムに入った瞬間、黄色が基調で構成された空間。

支柱の鉄骨、スタンドのイス、チームのホームカラーで染まっていました。

まるで、劇場のような空間です。






 さらに特徴は、試合の見易さです。

スタンドの傾斜角が、36.8度。

立ち上がると、前につんのめってしまうほどの、急角度。

私の席は、コーナー付近の2階席でした。

ハーフラインを挟んだ、逆サイドのコーナーまでも容易に見渡せるほど、近いのです。

声は、スタジアム全体に共鳴して、ものすごい迫力でした。

あのスタジアムで、本気モードのブラジルと戦う、日本代表の姿を観れたのは、大きな幸せです。









 今、UEFAヨーロッパリーグが、開催されています。

ドルトムントの試合を観ようと、チャンネルを合わせました。

画面から伝わる、あの劇場のような空間は、変わりません。

むしろ、サポーターが、さらに黄色に染め上げ、迫力は増しているかのよう。

試合を観続けていくうちに、違和感を覚えました。

あの時には、いなかったものが、そこには存在するからです。







 両方のゴールライン上にレフェリーが1人ずつ、へばり続けている。

審判6人制が正式に導入されているのです。

通常の4人(主審、副審×2人、第4の審判)に加え、両ゴール横に2人の審判を配置しています。

最近では、ゴールレフェリーとか呼ばれているようですが、日本では、どう呼ばれるのでしょうね。

彼らは2人はそれぞれのゴールライン上に立ち、ボールがラインを超えたかどうかを見ている。

さらには、ペナルティエリア内での反則も、もちろん近くで見えているでしょう。






 そして、ゴール前に新しいトライアングルが現れたのです。

主審、副審、ライン上の審判の3人で、トライアングルを形成。

ペナルティエリアの中を、3人で挟むようにして、見ています。

そして、シュートが打たれたら、ライン上の審判は、体の向きをサッと変えます。

ゴールに体を正対させるのです。

これは、ラインを割ったかどうかを、注視するためでしょう。








 ワールドカップ南アフリカ大会では、ゴール前での大きな2つの誤審が、起こりました。

被害者となったのは、イングランド代表とメキシコ代表。

この時、ゴールレフェリーがいれば!

試合の結果が、変わっていたかもしれません。

これを受けての、今回の導入でしょう。







 Jリーグでも、同じ事件が起こりました。

FC東京対大宮アルディージャの試合中でした。

大宮のラファエルが放ったシュートが、クロスバーに直撃。

跳ね返ったボールが、真下に。

ボールはゴールラインを越えたように見えたのですが、判定はノーゴール。

スローでのリプレイを見てみると、ラインを越えて、入っているように見えます。

ところが、日本では、ゴールレフェリーは存在しません。

副審の猛ダッシュは、残念ながら間に合わなかったのです。

もし、得失点差1で、大宮が残留したら、悲しいですよね。






 従来の4人制の悪い面が出てしまった典型的な例です。

シュートを打った瞬間、副審はゴールライン目掛けて、ダッシュします。

ボールが、ラインを越えたかどうかを見る為です。

ただ、人は、ボールより速くは走れません。

そんなことが出来たら、アニメの主人公になってしまいます。

ボールなどの用具の進歩や、プレーヤーの能力の向上で、ボールスピードがアップしました。

それに、付いて来れない瞬間が、どうしても存在する。

フットボールは、常に進化している。

試合を運営するシステムも、その進化に対応しなければならないのではないでしょうか。


 




 もちろん、全ての試合を審判6人制で開催するのは、不可能でしょう。

市井の試合では、副審さえも、何とかして手配して開催しているのが、現状です。

それに加えて、もう2人は、非現実的。

審判の数を格段に増やさなければ、対応できないでしょう。

それでも、日本のトップレベルの試合でしたら、6人制の導入を検討しても良いのでは?






 ゴール前に新たに現れた、レフェリーのトライアングル。

まだ、見慣れない光景のため、違和感を覚えてしまいます。

これが、当たり前になってくるのでしょうか?

少なくとも、ゴールを割った割らないの揉め事は、減りそうですよ。
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2010年08月17日

リカルジーニョのテクニック

 少し前の話になりますが、Fリーグの開幕戦を観戦しました。

スクールの時間と重なるので、なかなか観戦できないのが、つらいところ。

幸運なことに、ポッと時間が出来たので、代々木体育館に急ぎ向かいました。

会場に着いたのは、第1試合が始まって数分たったころ。

客席は、過去無いほどのたくさんのお客さんで埋まっていました。







 6000人ものお客さんが詰め掛けたようです。

フットサルの盛り上がりに加えて、お目当ての選手がいるからでしょう。

今期から名古屋オーシャンズに加盟した、リカルジーニョ選手。

高い技術の持ち主で、世界でも屈指のタレント。

数々のタイトルを持ちながら、24歳の働き盛りのうちに、来日。

テレビなどでも取り上げられるほどの、世界的なスーパースターです。




 現湘南のボラ選手や大阪のイゴール選手が来日した時も、大きな衝撃がありました。

ブラジルのトップクラスで活躍する、バリバリ現役のプロがついに日本に!!

彼らが実際に見せてくれているプレーも、相当のレベルです。

1人、規格が違うかのようなインパクトがあります。

チームを変えるほどの存在感を見せています。




 リカルジーニョの場合は、さらにその上を行く、との前評判。

代々木体育館には、彼見たさに集まった観客も多いのではないでしょうか。

1階席は、ほぼ満員で、通路に人が溢れる状態。

まだ、空席はあるのですが、フットサルの試合でここまでの動員は初めてなのでは?






 実際の彼のプレーは、どうだったのでしょうか。

率直に言うと、期待されたほどのインパクトを残すものではありませんでした。

チームにゲームに、まだフィットしていない。

体のキレも、他の選手程度。

コントロールからパスまでの決断の速さも、並み程度でした。




 それには、2つの原因があると感じました。

1つは、単純に彼自身の問題。

フィジカルのコンディションが、100%ではないのではないか。

もう1つは、周りの選手との関係です。

こちらの方が、大きいように思えました。




 リカルジーニョが開幕戦でしていた仕事は、バランスをとることでした。

パスを出して走る。

受けるために移動する。

スペースを作る動きをする。

他の選手が気づかないスペースを埋める。




 彼のポジショニング、そして彼のプレー一つ一つが、チームをまとめ続けていました。

大声を出して叱咤するわけではなく、動きとプレーの選択とでチームをまとめていました。

「合わせ屋」などとも呼ばれるこの動き。

他の選手が気持ちよく動けるように。

チームのフォーメーションやパターンを遂行するために。




 対戦相手の北海道が、超!守備的に戦い、試合を壊そうとしていました。

パスは回せても、決定機を作るところまでは、至らない。

彼が、犠牲となることで、名古屋はチームとしての機能を向上させていました。

上から見ていると、彼の気の利いた動きが、よく分かりました。

本当にさりげない動きや、少しのボールコントロールだけです。

それで、空間を整え、時間を調節する。

彼のプレーに、決断の間違いはなかったはずです。

世界レベルの「合わせ屋」の役割を見れ、代々木まで足を運んだ価値はありました。





 とは言え、リカルジーニョの高い(分かりやすい)テクニックを期待していた観客は、残念な思いでしょう。

オーバーヘッドはおろか、ヒールリフトも、華麗なフェイントも、ほとんど出ず。

彼が見せてくれたのは、地味な?高いテクニックだけでした。

一発で次のプレーに向かうためのボールコントロール。

(次のプレーをスムーズに助ける、ボールの方向付け)

そして、ボールがサロンをなめるように転がる、インサイドキック。

最も基本とされているテクニック。

その精度の高さは、無駄がありませんでした。







 これから、公式戦を重ねるたびに、彼は輝きをますでしょう。

基本となるテクニックはそのままに。

試合を決めるプレー、観客全てを虜にするプレーも、見せてくれるに違いない。

その時が、本当の彼を見る瞬間なのでしょう。



 

 
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2010年07月27日

コンパクトな専用競技場にて

 Jリーグを観戦しました。

西が丘での、ナイター開催です。

日本では唯一の、国立のサッカー専用競技場。

http://www.jiss.naash.go.jp/shisetsu/nisigaoka.html

西が丘と呼んでいますが、HPを見ると、正式には「西が丘サッカー場」とのこと。






 今まで、ジュニアから、大学までの試合は、何度も観戦していました。

今回は、初めて西が丘でのプロの試合を、観戦です。

ありがたくも、ベンチ真裏のSS席を、知人に手配してもらったのです。

南アフリカでワールドカップを観戦してきましたが、違った楽しみが、そこにはありました。

ワールドカップが世界的な祭典(非日常)なら、西が丘での観戦は近所のお祭りでしょうか。

臨場感や、スタジアムとの一体感は、ワールドカップ以上のものを感じました。






 西が丘の収容人員は、7940人。

当日の観客数は、たったの3000人にも届きませんでした。

それでも、サポーターの声、歌が選手たちを鼓舞します。

ボールを蹴る音、選手同士がぶつかる音がピッチから聞こえます。

目の前のベンチでは、監督が指示を飛ばし、審判に講義しています。

一つ一つのプレーや、交代の際には、スタンドから声がかかります。

それに、選手が思わず反応する場面すらあるのです。

それら全てが、一体感も臨場感も高めてくれます。





 こんなことがありました。

空中の競り合いで、相手目掛けて肘を張った選手がいました。

張られた選手は、崩れながら競り負けてしまいました。

審判は、正当な競り合いだとの判定か、何事も無かったように、進行させます。

思わず、私は声をあげました。

「審判!!故意に肘張ってるのをとってやれよ。」


それと同時に、やられた側の監督は、第4の審判に猛講義です。

「スタンドからも見えているのに、何を見ているんだ!」

大声だけでなく、その身振り手振りが、こちらを指しているのもよく伝わります。




 ピッチの上には、現役の代表選手も、有名な外国人選手もいませんでした。

途中からは、夕立のような強い雨も降り出しました。

それでも、帰りだす人はほとんどいません。

普段はじゃまものの大雨すら、スタジアムを盛り上げてくれるかのよう。

これほど純粋に試合観戦を楽しめたのは、久しぶりでした。

選手が戦う姿、試合の戦況を読むベンチ。

試合を作ろうとする審判団に、盛り上げるサポーター。

スタンドの面々も、近所のサッカー少年から、若い女性、老人、もちろん青年に中年と様々。

それら全てが、ゲームを共に作り上げている雰囲気が、抜群でした。






 ここなら(西が丘)また足を運びたい!

心から、そう感じることができました。

やはりこれらは、専用競技場ならではの空気感の成せる業なのでしょうか。

手を伸ばせば届きそうなピッチを駆け回る、選手たち。

このような日常を持っている人たちをうらやましく思い、家路に向かいました。
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2010年06月29日

日本対パラグアイ戦プレビュー

 どのような失点シーンが、起こりうるのか?

どのようなミスを考えうるのか?

最悪の場面を想定して、そのケース1つ1つをつぶして行く。

マイナスから発想して、試合の準備をするのも必要でしょう。

特に、今の日本代表の戦い方は、決して先取点を奪われてはならない。

失点のリスクを減らす!

これが、パラグアイ撃破を撃破するための最大のポイントになるのではないでしょうか。








・ミドルシュートへの対応

ミドルシュートを打たれて失点、あわや!という場面が、必ず1試合に何度かあります。

その多くは、この形。

DFラインがペナルティエリアに入ってまで後ろに下がって、相手の攻撃に対応している。

日本は、DFラインのすぐ前に、MFラインを引いて、守備のブロックを形成している。

ここまではいいのですが、問題はこの後。

ボールを日本がクリアした、もしくは相手が後ろにボールを落とした。

そこに対して、どれだけプレッシャーを掛けることができるのか。

後ろに向かってしまった守備のベクトルを、すぐに前向きのベクトルに替える。

カラダを投げ出してまでも、ボールに寄せなければならない。

今いるその場に立って、何となくボールを止めるのでは、相手はプレッシャーを感じてくれない。

スナイデルは、ボールに寄せていっても、当たり前のように強烈なシュートを叩き込みました。

1CMでも相手に近づいていくこと。

詰めれていないなら、スライディングでブロックをすること。








・自殺点への対応、PKを与えない。

ミドルシュートへの対応と、話が近いのですが、大切なので。

DFラインを自陣低い位置に設定し、ある程度まで相手の攻撃を待ち構えてから対応する。

そうすると、DFラインがずるずると後ろに下がってしまいやすい。

そして、ペナルティエリアの中で、守備をしている。

今大会グループリーグの3試合ともに、起こってしまっています。

もちろん瞬間、瞬間では、ペナルティエリアまでは下がるでしょうが、すぐに押し上げたい。

ペナルティエリアに近づいたら、それ以上は下がらないように。

ボールに1STDFが寄せる。

DFラインはオフサイドルールを活用しながら、後ろに下げない。

(オフサイドトラップを使う、という意味ではなく)

ペナルティエリアの外ならば、自殺点になる確率は下がるでしょう。

反則をしてしまっても、PKを与えることにはならない。








・サイドバックの裏のスペースマーキング


           GK

「**!!」              「**!!」

       右CB    左CB   

右SB                   左SB


このスペースを相手に使われてしまってはならない。

ここに入られて、すぐ失点になるケースもあります。

それよりも、その次、その次の次で失点するケースが多いでしょう。

このスペースでボールを持たれる→CBが外に引っ張り出される→中・ファーサイドのスペースが空く

→そこに飛び込んでくる選手をマークできず・・・。

昨日のブラジル対チリ戦の2点目、日本対デンマークの3点目などは、その典型例。

これを防ぐためには、いくつかの方法が考えられます。

サイドバックが上がらない、ボランチが埋めておく、CBがずれて埋めておきボランチがCBに入る。

DFラインを押し上げてコンパクトな状態を保ちスペースを小さくする。

もっとも現実的な方法は、そもそもサイドバックが上がらないこと。

あのブラジル代表ですら、サイドバックが高い位置をとらない。

上がって攻撃に絡んだとしても、逆サイドのサイドバックはつるべの動きで、最終ラインをキープしている。

攻撃の場面では、ボールよりも後ろに5人もしくは、6人の人数を配置していた。

前の4〜5人だけで、シュートまで持ち込もうとする。

日本も同じ考え方のはずなのですが、思わず?!上がってしまっている。

もちろん、攻撃の選択肢は減るし、分厚い攻撃は出来ない。

ここは割り切りが必要。

攻撃に人数を割くのではなく、攻めている時から奪われたことを考えてポジションをとること。










・FKの失点(ドリブルへの対応)


これは単純です。

ペナルティエリアの近くで反則をしないこと。

ゴール近くからのFKでは、パラグアイは精度の高いボールを供給するでしょう。

直接決める能力も、当然のように持っています。

マークを確認する、壁の作り方、GKとDFとのコミュニケーション。

気をつけることはあるのですが、何よりも反則をしないこと。

反則をしていなくても、相手が演技することが多々あるでしょう。

特に、足先だけで対応すると、悪い結果になりやすい。

足にかかっていなくても、相手が勢いよく仕掛けてきて、ダイブされると思わず笛が!

タイプによりますが、だまされるレフェリーもいるでしょう。

最初から、足を運んで相手に対応する、足からではなくカラダで対応する。










 得点することよりも、失点をしないこと。

仮に120分間、0対0でも構わない。

何しろ、PKを止めてくれるGKが日本にはいるのですから。

川島は、イングランド戦、デンマーク戦ともに、PKをストップしています。

PK戦になれば、日本有利!ぐらいの気持ちで臨んでいいのではないでしょうか。

そうすれば、FKから得点、ワンチャンスを活かして得点という芽も見えてきます。

相手より先に失点した瞬間に、日本のワールドカップが終わる。

南アの人たちや、ブラジル人・メキシコ人たちも、声を掛けてくれます。

「日本の幸運を祈ってるよ」「勝てよ」と言ってくれています。

ベスト8は未知の世界ですが、日本の力を信じましょう。
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メキシコの後悔?

マラドーナ監督率いるアルゼンチンは、チームメッシです。

今、ヨーロッパのフットボールシーンで、1・2を争うスター選手。

彼中心にチームが組み立てられている。

彼がプレーに絡んだ時、チャンスが演出され、ゴールが産まれる。

少なくとも、メキシコ代表はそのように認識していたようです。









昨日観戦に行った、アルゼンチン対メキシコ戦のことです。

お互いに、どんな攻撃を見せてくれるのか?

楽しみにスタジアムに向かったのですが、実際のゲームはそうではありませんでした。

特にメキシコは、自分たちの良さを押し殺しすゲームプランを組み立てていました。

ロースコアに持ち込んで、ワンチャンスをものにしたかったのでしょう。

アルゼンチンの長所を消すためのフォーメーション、約束事を徹底しているようでした。




人の並びは、GK1−DF4−MF5(ディフェンシブ2+オフェンシブ3)−FW1。

今までの1−4−3−3、もしくは1−3−5−2とは、全く違いました。

その狙いは、中央のトップ下に位置する、アルゼンチンのメッシを防ぐため。

ディフェンシブMFのマルケスとトラードが左右を分担して、メッシ番に付きます。

メッシにボールが入った瞬間、どちらかが厳しく寄せて行きます。

仮にドリブルで抜かれたとしても、他の選手がカバーに間に合います。

メッシが仕事をしたい、ヴァイタルエリアでは、全くフリーにさせません。




 さらに、左右のサイドバックのオーバーラップを極端に抑えていました。

それどころか、後方からのビルドアップのポジショニングも、狭く低めでした。

サイドを広く使い、人数も掛けて、ショートパスをつなぎ、ドリブルを効果的に活かす。

このメキシコの長所と思われている部分が、全く出てきません。

単発の攻撃に終始します。

相手最大のストロングポイントであるメッシを止めるために、自分たちの武器を放棄してしまった。

もし初めてメキシコの試合を観た人は、何一つ魅力を感じてくれないのでしょう。






 

 メキシコの狙いは、当たりました。

得点の経過以外は。

実際にメッシが決定的な仕事をすることは、ほとんどありませんでした。

後半になると、メッシはサイドに流れたり、低い位置に下りてくるようになりました。

工夫をしているというよりも、厳しい場所を避けているようにも、私には映りました。

それでも、こぼれ球を拾って、得点に絡むあたりは、彼の能力の高さを感じます。






 ゲームはアルゼンチンが先制点を挙げました。

その瞬間、メキシコのプランは崩れてしまいました。

堅い守りから、相手を0に抑えて、数少ないチャンスに掛けたかったはずなのに!!

(ちなみに、アルゼンチンのゴールは、オフサイド疑惑ありました。)

(スタジアムの大型スクリーンで、得点直後にオフサイド!!と一目で分かる映像を流してしまった)

(それが映ったものだから、メキシコの選手たちは、スクリーンを指差しならの猛抗議でしたが・・・。)





 メキシコは3点を奪われるまで、当初のゲームプランを継続させていました。

65分あたり?に交代メンバーを使い、そこでようやくプランを変更。

フォーメーションも1−3−5−2に変更。

両サイドの選手が同時に、高い位置を取り、積極的に攻撃にかかります。

そこからの試合は、見ごたえがありました。

早々に1点を返し、これから!

が、時すでに遅し。

アルゼンチンが時間を上手に使って、ゲームをクローズさせてしまいました。






 メキシコの監督、選手に後悔は残らないのでしょうか?

「最初から、残り25分の戦い方をしていたらどうなったのか?!」

そんな、後悔の念が残ってはいないか。

確かに、メッシが輝きを取り戻してしまいました。

交代で入ってきたベロンも、楽にボールを触っていました。

でもそれと同じだけ、アルゼンチンにも脅威を与えていた。







 フットボールの答えは1つではないです。

1人のメキシコファンとしては、違うプランで戦って欲しかったのです。

これが、日本対パラグアイの預言にならないことを願って
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2010年06月27日

試合前の楽しみ

ワールドカップでの南アフリカ滞在も、6日目。

今日までで5試合、計9チームの試合を観戦しました。

そして、同時にウォーミングアップも目にしています。

ここには、チームの意図や、ゲームの狙いが見え隠れします。

それらを比較することで、試合への興味も深まります。








 全チーム、一番に出てくるのはGKのチームです。

ペナルティーエリアの幅、約40Mを走り続けます。

サイドステップや、腕を回したり、念入りにカラダを作っていきます。

その後、残りの選手・コーチ・スタッフがピッチに姿を現します。

ほぼ共通で、キックオフの45分前でしょうか。

そこから、フィールドプレーヤーのアップが始まります。







 たとえば、ガーナ代表。

彼らのアップは2試合観たのですが、ほぼ同じでした。

コーチの指示に合わせて、20Mほどの短い距離を、延々と走り続けます。

それは、ジョッグやダッシュだけではない。

サイドステップ、斜めに進むサイドステップ、腿上げから、いわゆるブラジル体操のような動きまで。

様々な種類の走りを、計20分以上繰り返すのです。

他のチームも、同様のメニューはするのですが、ここまで長い時間、多くの種類はしていません。

試合開始直後から、様々な方向にすばやく走ることを求めているのでしょう。

また、南アは冬なので、筋肉系の障害を防ぐ意図もあるはずです。

ちなみに、このメニューをするのは、スタメンの10人だけ。

残りの選手は、楽しそうにボールと戯れています。

ヘディングだけでリフティングを続けたり、フェイントを見せたり。

サブの選手でも、ボールフィーリングの巧さは、目を見張るものがありました。







 スペイン代表。

彼らは、圧倒的にボールを使ったメニューが多かったです。

ビブスを使って5対5の2チームに、スタメンの選手が分かれます。

マーカーコーンで仕切られたグリッド内で、ポゼッションのトレーニング。

このメニューも、全チームほぼ共通で行われる、定番メニューです。

彼らの特徴は、他ののチームよりも一回り小さいサイズでこのメニューを行っています。

彼らでも、3本のパスを回すのに苦労するくらいのプレッシャーの強度が強い。

守備は、それほど厳しく行かなくても守れてしまうほどの狭いスペース。

プレッシャーが強い中で、ボールを保持し動かしたい。

このメニューを、他のチームの2倍の時間行っていました。

ショートパスとドリブルで、攻撃の主導権を握って試合を運びたい。

彼らの意図が明らかに見えてきます。








 日本代表。

他のチームとの違いは2つ。

1つは、個人の自由に任されている時間が長かったこと。

この時間を使って、各人が様々なメニューに取り組んでいました。

中澤とトゥーリオは、長いボールを蹴ってもらって、ヘディングで跳ね返すメニューです。

押し込まれる、長いボールを競り合うことを予見していたのでしょう。

長友、本田、長谷部は、ミドルシュートのトレーニングでした。

実際に試合の中でも、積極的にシュートを狙っていました。


もう1つは、サブの選手にも、統一のメニューを与えていたこと。

これは、他のチームには見られない特徴です。

他のチームは、思い思いにボールを蹴るか、ロンド(鬼回し)をして遊んでいます。

スタメンの選手くらい、真剣度を持ってメニューに取り組んでいた。

チームとしての一体感を出そうとしていたのか、それとも早々に交代させることを予見していたのか。








 さて、今日のアルゼンチン対メキシコは、どのような準備を見せてくれるのでしょうか。

テレビでは、断片的にしか流れない、ウォーミングアップの内容。

スタジアムでの大きな楽しみの一つです。




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2010年06月25日

日本対デンマーク戦を観て

デンマークの王道VS日本の工夫は、日本の工夫に軍配が上がった。

試合の感想は、この一言に尽きます。






 守備の堅いイメージがあるデンマークですが、積極的に試合を運んでいました。

勝利のみがグループリーグの突破の条件ですから、当然と言えば、当然。

彼らのボールの動かし方、崩し、フィニッシュにいたるまではいい勉強になりました。

私の座席が、メインスタンド中央部分の上段。

立ち上がりの日本代表は、彼らの動きに苦戦していました。

はっきり言って、全く付いていくことが出来ていない。

ボールや人を後から追いかけていくのが精一杯。

このままでは、先取点を許すのも時間の問題かも?!いやな予感が漂っていました。

前半15分前後のトマソンが左サイドからシュートに持ち込んだシーンは、その典型です。

単純なポジションチェンジをしてだけなのですが、完全にフリーにしてしまった。

日本のDFは組織されていませんでした。

マークの受け渡しのミス、スペースマーキング、危険を察知してカバーする感覚が出来ていなかった。

もしかしたら、ブブゼラの爆音で、コミュニケーションが取れていなかったのかもしれませんが。






 テレビカメラと同じ視点で観戦することが出来ていたので、彼らの動きが手に取るように見えていました。

ボールを受けるタイミング、お互いにスペースを作り、使わせる。

そのスペースは、日本DFとDFの間の、狭い場所です。

このスペースをわざと空けておいて、ボールを受けたい瞬間にスッと入り込む。

味方もその動きにタイミングを合わせて、パスをつけてあげる。

この動きや、ボールの引き出し方、受け方、そして味方とのシンクロ。

日本のトレセンで、育成年代の選手が求められているそのままのプレーでした。

偶然にも指導者仲間の先輩と出会い、並んで観戦していたのですが、お互いに感心することしきりでした。

それくらい、デンマークの動きは、お手本になるくらいの素晴らしいレベルに達していました。












 そんな劣勢の中でも、日本代表は過去2戦と同じように、守備をベースにした戦いで活路を見出そうとしていました。

どうしても、後ろから順番に考えているせいか、前線の枚数が足りないケースが多いです。

そのため、1トップの本田には縦パスをキープし、味方を押し上げさせる時間を作ることが求められていました。

相手DFにカラダを預けて自由を奪ってから、ボールをコントロールしようとする。

このカラダの使い方が、3戦目にもなると、かなりこなれて来たのか、ボールキープに成功するシーンが増えました。

本田(日本攻撃陣)にボールが納まったのは、これだけではありません。




ポジションにも工夫をしていました。

ゴールキックの時が一番分かりやすいのですが、左右のサイドバックの前にポジションを取ろうとしていました。

センターバックとのバトルを避け、ボールサイドのサイドバック側に流れていた。

空中での競り合い、地面でのぶつかり合い、このバトルを誰とするのか?

相手センターバックは、ヨーロッパのトップリーグでも活躍するレベルです。

ボールを跳ね返す、前につぶしに行く能力には、絶対の自信を持っているはずです。

そのセンターバックと、正面からぶつかって行っては、相手のおもうつぼ。

サイドバックの2人は、センターバックに比べると、その部分では劣ります。




だからこそ、相手の強いポイントとの勝負を避け、弱いポイントで勝負をしようとしていた。

前と上に強いセンターバックと対峙するのは、ボールを持って、前を向いてから。

裏への動き、横の動きで勝負する。

前と上にそれほど強くないサイドバックもしくはMFの前で、長い縦パスを受ける。

この工夫を続けたことが、結果的に得点につながった。

1点目は、サイドで基点を作ろうとした時のプレーで反則をもらった。

2点目は、ボールを持って前を向いてから、フリーランニングで中央に仕掛けていった。

セットプレーは、2人のエクストラキッカーの輝きでした。

そこに至るまでは、チーム全体の工夫が呼び込んだことも忘れてはならない。









 一方、デンマークはどうだったでしょうか。

サイドをこれでもか、と広く使う。

両サイドハーフが同時に開いて、高い位置を取る。

カメラを回していたのですが、フレームから外れるくらい大きく開いている。

左右の2人の距離は、60M!

このワイドなポジションで、サイドアタックを仕掛けてきます。

そして、相手中央を少しでも開かせる意図も、もちろん含んでいました。


 

 ところが、サイドからのボール、DFラインからの長いボールはほぼ中央に飛んで来ました。

日本のセンターバックの2人もまた、跳ね返す能力に長けています。

ただ競るだけではなく、ボールを遠くに跳ね返すことは、いいセンターバックの必須能力の1つ。

中澤とトゥーリオが集中力を切らさずに、最後まで戦い抜きました。

デンマークの巨人たちの圧力に負けずに、バトルに勝利し続けたのは、特筆すべきこと。

彼ら2人の得意分野とは言え、本当に素晴らしかった。

Man of the Matchは、本田が選ばれていました。

もし私が選べるなら2人にあげたい、それほどまで素晴らしい働きでした。




 デンマークは、もう少し工夫が出来なかったのか?

自分たちのやりたいことだけをしていても試合に勝つことは難しい。

相手を見て、弱い部分、強い部分をつかんでいれば、戦い方も変わったはずです。

センターバックが上に強いなら、外に引っ張り出す。

中央を固めているなら、サイドの深い位置を崩そうとする。

これらのプレーを徹底的にして来られたら、日本は対応出来なかったかもしれない。

王道ともいえる、素晴らしいフットボールをしようとしていただけに、残念にも思えます。







 
 やはり、先制点が大きな鍵を握りました。

試合の主導権を握っていたのは、デンマークでした。

本田の見事なFKがあればこそ、今回の3対1での勝利だったでしょう。

もし、デンマークが立ち上がりの猛攻で先制点を奪っていたら、全く逆の展開になっていたかもしれません。

それでも、勝利し、決勝ラウンドに進んだのは日本です。

スタジアムから出る時の、高揚感たるや、なんと言いましょう。

晴れがましく誇らしい気持ち!!歌い踊り、叫びたい気持ち。

そしてこの勝利は、日本フットボール界全体にとっても、明るい未来を予感させる、大きな勝利でした。

ただここで、勝利に覆い隠された、多くの反省に向き合うことが出来れば、将来はさらに明るくなるはずです。
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2010年06月24日

メキシコ対ウルグアイの試合から

メキシコは、終始いい試合をしようとしていた。

彼らの考えるいい試合、いいフットボールとは。

ショートパスを中心に、ボールを大切につないでいく試合運び。

長いボールを蹴ったとしても、運任せ、勢い任せではない。

狙いを持って、縦パス、サイドチェンジに用いる。

時間を作り、相手の逆をとるドリブルもパスの間に織り交ぜる。

ボールを動かし、主導権を握ろうとする試合。

私の大好きなチームの1つです。

南アフリカでの観戦する最初の試合がメキシコ戦になったのも、うれしい限りです。





 ウルグアイ戦では、そのいい試合をすることが出来なかった。

最大の理由は、ウルグアイ、チーム全体の守備の素晴らしさにある。

FWの2枚は、すきあらばGKまでもプレッシャーを掛けに行く。

メキシコのチームは、意外とこのフォアチェックに弱さを見せる。

クラブワールドカップでの、バルセロナとの対戦でも同じでした。

バルセロナ攻撃陣の前からのプレッシャー、切り替え時のすばやい対応にリズムを崩されてしまった。

あそこまで、ボールをつなげないメキシコのチームも珍しい。

その時はそのように思いましたが、今回も同じことが起きてしまった。








 メキシコの国内リーグの戦う様式がその原因にあると言われます。

国内リーグでは、ハーフウェー付近までは相手にボールを持たせて自由に運ばせる。

これは、守備の意識が低いことよりも、標高が高い地域では、そのようにしか戦えない。

前から追い回していては、体力が足りないのでしょう。

メキシコ代表メンバーにも、海外組が増えてきていますが、まだまだ、23人中の9人に過ぎません。

多数派を占めるのはメキシコ国内組で、監督もメキシコ人コーチです。

どうしても、国内での戦い方のくせが抜けていないようです。






 それでも、様々な工夫をしていました。

フォーメーションを試合の中で、3バックと4バックとを使い分ける。

サイドバック(ウイングバックにも)の選手があえて中にオーバーラップして、外のスペースを空ける。

そこにMFが入り込んでくる。

長い縦パス(ロングフォワードパス)で、攻撃の基点を前に作ろうとする。

ゴール前までは迫りだしましたが、決定機を数多くは作り出せなかった。






 ウルグアイの守備は、それ以上に粘り強いものでした。

縦パスは、簡単に入れさせないし、入ったとしても自由にコントロールさせていない。

ドリブル突破に対しても、粘り強くくらい付いていく。

仮にボールを奪っても、ボールの後ろには常に5〜6人を残している。

攻めながらも、奪われた時のリスクマネジメントを施している。

しかも、ベンチのメンバーも含めて、時間稼ぎをしている。

リードしているチームとしての戦い方を、みなが分かっている。

最後までメキシコは、ウルグアイの堅守を破れませんでした。







 ところで、メキシコ代表は、南アフリカでも人気のチームになっています。

メキシコ人サポーターも、多く訪れて盛り上がっています。

(何と!ドイツワールドカップで出会った、メキシコ人と偶然の再会!!)

(そのおじいちゃんと熱い抱擁し、記念写真を撮りました)

彼らは本当に陽気です。

その中に、南アフリカの人が、何人も何人も紛れ込んでいるのです。

私の座席の周りでも、地元に人々がスペイン語と英語とを混ぜこぜにして応援していました。

メキシコのユニフォームを着る、ソンブレラを被る、ポンチョを羽織る。

気分はメキシコ人なのでしょう。

「ヴィヴァ・メヒコーー。ゴー!!」

結果、スタジアムは、ほぼ緑一色に染まりました。

メキシコ代表は、試合には負けましたが、地元の人たちの心はグッとつかんでいました。

フットボールの品評会では、ウルグアイを圧倒し、勝利していたようです。
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2010年06月23日

デンマーク戦プレビュー

 結論から先に言うと、神経をすり減らすような膠着した時間を過ぎていく。

グループリーグ最終戦のデンマーク戦では、1点を争うような試合展開が予想されます。

そのような試合では、先取点をどちらが奪うのかに注目が集まります。

先取点をモノにするのが、日本であって欲しい。







 デンマークは、監督の指示を忠実に実行するチームです。

その忠実さは、今大会でも指折りのレベルです。

相当鍛えられた集団であり、チーム力の高いチームであるとも言えます。

例えば、両サイドのアタッカーである、ロンメダールとグロンケア。

彼らは、30歳を越え、ベテランと呼ばれる域に達しています。

そして、一番走っているのも、彼らではないでしょうか?

DFラインまで戻って、相手のサイドアタックを封じ込める。

ボールを奪えば、最前線まで駆け上がり、決定的な仕事をしてしまう。

まさに、ボックス TO ボックスで、ハードワークをこなす。

監督にしてみれば、ありがたくも、欠かせない存在なはずです。

日本の大久保・松井も似通った、とてもしんどい仕事を任されています。

彼らは、それよりも走り、長い時間出場し、クオリティの高い仕事を果たす。

ここだけを見ても、デンマークと言うチームに対する理解が深まります。




守備は、最終ラインも中盤もFWも、マークを受け渡すシステムを採用しています。

受け渡しながらも、OFFのマーク、に注意している。

ボールを持っていないときから、自分の仕事を探そうとしている。

そして、ボールが入った瞬間、厳しくアプローチし、相手の自由を奪う。

中々、自由にボールを持つ余裕を与えてはくれません。

日本が、ボールを受けてから顔をゆったり上げれるのは、DFラインまででしょう。

DFラインからボランチへのパスには、すでにプレッシャーがあるはずです。





 守備陣形はどうなっているのか?

彼らは最終的には9人で守備のブロックを形成します。

最終ライン4人。

中盤の底に2人。

中盤のワイドの部分に2人。

相手のボランチ近辺に1人。

1人を残して(ベントナー)、9人で相手を待ち構えます。

特に、中央部分の6人(DF4人と、守備的MF2人)はゴール前を空けてはくれません。





 
 それで終わりではないのが、彼らのがんばっているところです。

相手チームの選手が、マークを外してパスを受けようと、様々なフェイクの動きを入れます。

その動きにも、忠実についていくのです。

ボールが来ていないのに、すでに自分の頭の中に警戒警報を発令させている。

そして、いいOFFのポジションから、ボールが入れば寄せていく。

単純な動きや、足元で止まって要求していては、デンマーク守備陣の餌食になるでしょう。

オランダ戦で本田選手や攻撃の選手が、縦パスを受けようとして、何度と無くつぶされていた。

基点を作れないために、ボールポゼッションの時間が短くなりました。

押し上げる時間を稼げないので、自陣低い位置でのプレーを強いられました。

この二の舞は是非とも避けてもらいたい。







 デンマークを攻略するには、彼らの特長を逆手に取ればいい。

彼らは、ボールを持っていない選手にもマークを怠らず、さらにその動きにもついて行きます。

特に、この傾向はサイドでのDFで、顕著に見られる傾向です。

いざ!パスが出されボールが入った瞬間、厳しく寄せたい。

これは、サイドアタックを警戒し、自由にドリブル突破をやクロスを許さないためなのです。

その一方で、スペースに対するケアまでは、手が回らないことが起こっています。

彼らの中での優先順位は、人とボールに対しては高いのですが、スペースに対しては低いのです。




 どのようにこの傾向を活用するのか。

例えば個人のレベルなら、こんなパターンが考えられます。

まずは、相手サイドバックにマークされる。

ゴールから離れるように手前に戻る動きをゆっくり入れて、さらに相手サイドバックを引き付ける。

次には、背後のスペースに向かってダッシュし、相手の裏をとる。

裏のスペースにスルーパスを通せれば、ビッグチャンスの到来です。




 グループなら、どうでしょう。

例えば、サイドから中央に絞るように入ってくる。

もちろん、マークについてもらうように、サイドバックに近づいてからです。

サイドのスペースを空けたら、FWがサイドに流れてスペースを使い、ボールを受ける。

このスペースを使うのは、ボランチやサイドバックでもありでしょう。

オランダ戦でも、カメルーン戦でも、これらの方法から、何度もピンチを迎えています。

メークスペースからのエクスプロイドスペースは非常に有効なはずです。





 もう1つは、GKとDFのビルドアップに狙いを絞ります。

デンマークは最終ラインから、ショートパスでの組み立ても見せます。

ところが、1試合に何度か、あっけなくボールを失っています。

カメルーン戦のエトーの得点は、まさにその典型です。

オランダ戦でも前後半ともに、同じく決定機をプレゼントしてしまっています。

全てGKまでもプレッシャーをかけるのはしんどいでしょう。

彼らが、ゆーーっくりと最終ラインからビルドアップをしようとした時。

たったそれだけ、3〜4人の連動で奪えてしまうほど、お粗末なビルドアップがあるのです。

この時を逃さず、ボールに寄せ、横パスを狙う。

それだけでショートカウンターのチャンスかもしれません。







 日本の守備は、自殺点(PKを与えない)の予防、ミドルシュートの対応、サイドチェンジの予測。

この3つを特に気をつけるべきです。

自殺点(PKを与えない)を防ぎ、ミドルシュートに対応するためには、どうすればいいのか。

日本のDFが自陣ペナルティエリアに入る、その手前までで留まりたい。

最終ラインが下がる、下がったままになると、この危険度が格段に上がってしまいます。

相手は長いボールを入れて来ますし、押し込まれる時もあります。

DFラインもMFのラインも、一瞬下がったとしても、すぐに押し上げること。

そして、次のボールに対して、もう一度でも二度でも、寄せなおすこと。

ミドルシュートでピンチを迎え、失点する弱点は、もうそろそろ改善してほしい。
 


 サイドチェンジを予測しておくこと。

デンマークの選手は、40,50Mクラスのパスを、当たり前のように狙ってきます。

また、このパスが通り、チャンスも迎えています。

サイドチェンジされても、ピンチにならないためには、この対応が求められます。

ボールに対するプレッシャーを厳しくし、長いボールを蹴らせない、精度を落とさせる。

逆サイドのスペースマーキング、ラインのスライドで、スペースを自由に使わせない。

どちらかを怠ると、サイドチェンジから一気にスピードに乗って、シュート・ラストパスまで持ち込まれます。







 デンマークは、よく鍛えられている好チームです。

だからこそ、日本が戦いにくい相手ではないはずです。

クオリティが高いとは言え、素直に攻撃も、守備もしてきます。

よく鍛えられている分、次のプレーの予測を立てやすい。

ワンタッチコントロールで逆をとることは、日本選手の技術レベルなら難しくありません。

トリッキーで予測不能な攻撃は、仕掛けてこない。

最後まで、日本もひとつにまとまって戦えば、勝ち点をとるチャンスはある。

私は、今頃、歴史の証人になるべく南アフリカの現地に立ちました。

市街地に出ていないので、今のところは平和です。

スタンドから、ピッチで何が起こったかを、目に焼き付けておきます。

良い報告が出来ることを、一緒に願っていてください。



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2010年06月22日

オランダ戦を観て

惜敗。

スコアを見ると、0対1。

前半を0対0で折り返す。

後半も先取点を奪われたものの、惜しいチャンスを作った。

表面だけをなぞれば、オランダなどのフットボール強国に並ぶ日も近い?!



 日本が強国への階段を昇るために、高めるべきポイントが明らかになりました。

それは、様々な試合の展開・結果を、自らの意思を持って作り出す。

目指すは勝利だけではない。

狙って引き分けに持ち込む。

負けることすら、計算に入れてしまう。

最小失点での敗戦を、及第点だと捉える価値観もあるのではないか。






 つまり、今回のグループステージならば、どのような結果を目指すのか?

対戦相手との力関係、相性、自分たちのコンディションなどから考え出す。

3連勝の1位抜けを目指すことは出来ない。

今回で言えば、オランダを相手にして勝利する確率は極めて低い、と考えた。

それならば、いかにして2位以内に入り、グループステージを突破するのかを、目標にする。

カメルーン、デンマーク、日本の3カ国の中で1位に(グループ2位)入ることを意味します。





 初戦で日本はカメルーンに、1対0での勝利。

デンマークは、オランダに0対2で敗戦。

2戦目、日本対オランダは、0対1の敗戦までなら許される。

得失点の貯金があるので、ぎりぎりプラスマイナス0をキープ出来ます。

対オランダ戦における、デンマークとの単純比較でも得失点差は上回れます。

今回は負けたとしても、負け方しだいでは、及第点を与えられたはずなのです。

もちろん、カメルーンがもしデンマークに勝ったら、と言う怖さは残ります。

3戦目のオランダ戦、勝ち点6を持ったオランダがメンバー・モチベーションを落として・・・。







 少々古い話なのですが、興味深い事例を紹介します。

90年イタリアワールドカップに出場した、コスタリカ代表。

率いたのは、「ボラ・マジック」が有名なボラ・ミルティノビッチ監督です。

彼らは、優勝候補と呼ばれたブラジル、ヨーロッパの強豪スコットランド・スウェーデンと同居します。

初戦、スコットランドに1対0で勝利。

2戦目で、頭1つ抜け出た実力のブラジルと対戦。

ここまで、今回2010年の日本代表とそっくりです。

コスタリカの取った戦略は、11人全員が自陣ゴール前のペナルティエリアにへばりつき続ける。

「勝利を放棄する」「敗れたとしても最小失点で、引き分けれたら幸運」だったのでしょう。

結果は、見事0対1での敗戦。

コスタリカDFに当たってゴールした、不運な失点。

驚くべきは、シュート数は確か皆無だったはずです(もしかしたら0本?)。

20年前の記憶なので、多少のずれはお許しください。

コスタリカの3戦目、スウェーデンに勝利。

トータル勝ち点を4まで伸ばし(当時の勝ち点は1勝で2)、見事2位通過を果たしたのです。

もし引き分けでも、2位で通過できました。

小国コスタリカのベスト16進出は、大きな驚きを持って伝えられていました。

GKのコネホの名前が、報道を通じて日本の我々までも届いたくらいですから。






 マジックと呼ばれた、ミルティノビッチ監督の作戦。

絵に描いた餅に終わる可能性も大いにありました。

それでも彼は、負けをも自分の持ち札にいれる、ギャンブルに出ました。

選手にも、自分の考えを100%浸透させる必要がありました。

単なる消極策をとっての敗戦となると、その後の試合にも悪影響が出かねない。

選手も、与えられた役割を最高の舞台でこなしきった。

グループリーグは、3試合トータルで考えればいい。

言葉は悪いのですが、全力でチームにとっての良い敗戦をすることを選んだ。






 日本はどうだったのでしょうか。

失点後、トゥーリオが前線に居座るようになりました。

岡田監督もそれを認める采配に出ます。

ロングボールをトゥーリオに入れ、こぼれ球を玉田、岡崎で拾いゴールを目指す。

パワープレーで、あわや!という場面も演出しました。

あくまで、得点を狙い、引き分け以上の結果を目指したのです。

チーム全体も得点を狙うために、前掛かりにシフトしました。

フットボールには、表と裏があります。

得点を狙いに行ったために、オランダのカウンターを喰らいました。

GK川島のスーパーセーブが無ければ、2失点してもおかしくはありませんでした。

「1点を取り返しに行かなければならない。」

「積極的なプレーをして、たとえ敗れたとしても次の試合につながるように。」

この考え方に基づいての、岡田監督の采配だったのではないでしょうか。

決してこのまま、最小失点のまま終わらせようとはしなかった。

最小失点の敗戦のままでは、チームの浮沈に関わったのでしょう。





 第2節を終え、デンマークがカメルーンに2対1での勝利。

その結果、日本はデンマーク戦は引き分けでも、グループリーグを突破できる有利な状況になりました。

ただ、この結果は、どこまで狙ってこの状況に持ち込んだのか?

引き分けに持ち込む、わざと最小失点で敗戦する。

試合巧者と呼ばれるチームは、平然とこのような戦い方をとることが出来ます。

小さいころから、リーグ戦になれているおかげでしょうか?

トータルでものを考える。

状況によっては、勝ち点1を狙ってものにする。

そのために必要な準備、必要なプレーをする。

この部分を日本代表が持てるようになれば、強国の仲間入りを果たせるのではないでしょうか。

引き分けを狙えない日本。

次節デンマーク戦では、危なげなく引き分け狙いの戦いを求められる時間帯が来るはずですが・・・。

デンマーク戦は、南アフリカに観に行きます。(無事ならば…)

歴史の証人になるべく。
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2010年06月18日

オランダ戦で勝ち点を得るために。

 オランダ戦を考えるために、今大会の全体的な傾向から考えてみます。

グループラウンド初戦は、慎重な試合運びが目立ちました。

得点を狙うことよりも、失点を恐れ、スタートポジションを崩さない試合運びです。

インテルもどきのチームが、増殖しています。

チャンピオンズリーグでのインテルの戦いぶりは、最高の教本になっているようです。

これは、数字にも表れていて、1試合あたりの総得点は、たったの1、56。

このままなら、過去最低の数字を記録してしまう。



ところが、第2戦になると、この流れが変わってきました。

前半の立ち上がりから、積極的な試合運びをするようになっています。

フィジカルコンディションも高まり、カラダも徐々に動き出したようです。

具体的には、2列目・3列目から長い距離を走って、前の選手を追い越している。

特に、中盤のセンター、中盤の底に位置する選手も最前線まで顔を出すようになってきています。

(ボランチ・ディフェンシブミッドフィルダー・セントラルミッドフィルダー・アンカー)

その結果、攻撃に厚みが出てきたり、前線で数的有利な状況を作って崩すシーンも増えてきました。

その裏返しで、カウンターからピンチにさらされるシーンも増えてきました。

後ろで相手のカウンターアタックに備えていた人間を攻撃に割いているのですから、当然と言えば当然。

無責任に観戦する側からすれば、楽しいものです。

膠着した試合から、オープンな展開にと、試合に動きが出てきているのですから。





さて、日本対オランダ戦。

日本としては、初戦に引き続き、膠着した試合展開に持ち込みたいはずです。

後半に入っても、1点を争うような状況が続くのなら、勝ち点を奪取する可能性が見えてくるでしょう。

そのためには、守備組織を構築する必要があります。

様々な報道が流れていますが、結局はカメルーン戦と同じ狙いを持って、戦うのではないでしょうか。

逆に、今までの戦い方(親善試合でのオランダ戦)のようには、するべきではないと私は考えます。

前からガンガン追い回す試合に戻すと、後ろ(DFライン+ボランチ)と前(FW+オフェンシブハーフとが分離してしまう。

デンマーク対オランダの試合を観て分かるように、連続して厳しくプレスをかけても、簡単にはボールを奪えない。

それどころか、プレスを掛けるために圧縮した、それ以外のスペースに簡単に展開してくる。

その能力は、GKからフィールドプレーヤーまで全ての選手が持ち合わせているのが、オランダ代表です。

一人一人のテクニック状況判断も優れています。

オランダは、最終ラインから中盤を経由しながら、ビルドアップしてきます。

一度ボールを持たれてしまうと、簡単に奪い返すことは出来ない。

いくら、日本のFW陣から追い回したとしても、「結局」ズルズルと下がってしまうでしょう。






では、どのように守るのか?

ハーフウェーラインから、ペナルティエリアの前方10Mの間(約25〜30Mの中に)に10人全員が入る。

横も同じ幅に圧縮する。

そして、25M〜30M四方の中に全員が入るほど、コンパクトな状態を作り続ける。

このバランスを崩さずに、時計の針を進めていくイメージです。

たとえボールを奪っても、4人以上はゴールに向かわない。

ボールより後ろに、常に6人以上を確保し、相手のカウンターアタックに備える。

つまり、マイボールになっても、奪われたことを想定したポジションを、6人がとっておく。

この状況を続けておけば、最小失点には抑えられるはずです。




この守備で気をつけることは、連続性を持ち続けることです。

後ろに下がった、サイドチェンジに対してスライドさせられた。

言い換えると、相手のボールや動きに、対応したその後です。

後ろに下がれば、自分たちの前のスペースが空きます。

ボールサイドにスライドすれば、逆サイドが空いてしまいます。

そこにボールを送り込まれた対応、つまり2回目、3回目の対応をマメにすることが出来るかどうか?

特に、時間が経過し、足が無くなってきた。

そこで、後ろに下がって対応、次の瞬間、前に出てボールに寄せる。

これは、フィジカルの面もメンタルの面からも、パワーが必要になる。

ボールが大きく動いたその後、ボールホルダーが余裕を持ってボールをコントロールする場面が続くと・・・。

失点シーンが近いはずです。






今度は、いかにしてゴールを奪うのか?

デンマーク戦から、糸口を幾つか見つけました。

1つは、カウンターアタックです。

ボールを奪って、守備から攻撃への切り替えを早くするだけではない。

決定機を作るためには、ボールを大きく動かすと面白い。。

・奪ったボールをサイドに運ぶ。→残っていたオランダDF(3〜5人)がボールサイドに寄せてくる。

・逆サイドのスペース目掛けてサイドチェンジ(40〜50Mのキック)。→DFブロック全体の逆を取る。

・スピードに乗ってゴールを目指す、もしくは中に折り返す。

ボール、真ん中から右、左、真ん中と、Z(ゼット字)のように動かすのです。

オランダ対デンマーク戦の前半30分過ぎのシーンは、まさにこの形でした。



もう1つは、相手ディフェンシブMFの位置を確認することです。

デ・ヨング、フォン・ボンメルの2人が、このポジションに入るはずです。

守備の局面では彼らが、DFラインの前で、フロントグラスの役割を果たします。

その彼らが、定位置にいると、簡単に攻撃の芽をつんでしまいます。

彼らが定位置にいる時には、カウンターアタックを仕掛けても、逆にピンチになるかもしれない。

ただ、ファンボンメルは、前に飛び出していくときがあります。

デ・ヨングが、他のMFのために中央のスペースを空けてあげるために、サイドに開く時があります。

彼らが不在の時に、ボールを奪ったら、多少無理をしても、その対価は大きいはずです。

後半半ばを過ぎて、オランダがじれて来たら、この場面が何度か見られるでしょう。

その瞬間を逃さず、ゴールに迫る走りを見せたい。





さらに言うと、相手のDFラインの選手は、ドリブル突破への対応に対して、難があります。

特に、バックステップを踏みながらの対応は、お粗末。

簡単に足を伸ばしてきます。

その瞬間に、横に振って、裏に抜ければ、いがいと簡単に突破できる。

前を向いてボールを受けたら、相手のへそを目掛けるように、真っ直ぐ仕掛けていく。

相手DFがバックステップしたら、GO!です。

MFのラインを突破したら、いつも以上にドリブルが生きてくるでしょう。

ファールしてくれたら、得意のセットプレーも。

その一方、縦パスに対する対応は、抜群の強さを見せます。

前に向かって、バーーンと当たりにいく強さは、日本人の体型では抑えきれないはずです。

パス・パスと狙うより、ドリブルを織り交ぜ、相手を揺さぶることが、チャンスのカギ。






最後に、日本は、オランダの名前やユニフォームに負けてはならない。

有名な顔や所属クラブに負けてはならない。

必要以上にリスペクトしなくてもいい。

昨日の韓国代表は、彼らの思い切りのよさや、技術の高さを出すことが出来なかった。

アルゼンチンの名前、ユニフォームに敬意を表しすぎたといえるのではないでしょうか。

日本代表が、はつらつと元気にプレーすること。

最後まで、球際やセカンドボールの対応に、くらいついて行くこと。

勝ち点を取る最低条件は、まずここからです。




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2010年06月16日

2つの目標

 ワールドカップは、その国の全てをぶつける真剣勝負の場である。

それと共に、世界最大のフットボール品評会でもある。

「ベスト4に入る」「世界を驚かす」

岡田監督の発したフレーズも、この2つのことを意識しているのではないでしょうか。

このことを念頭に、カメルーン戦を振り返ります。





 岡田監督率いる日本代表チームは、ある意味では最高の戦い方をしました。

それは、自分たちが持つ武器、相手の戦力とを冷静に判断し、戦略を練ったこと。

そして、一人一人が与えられたタスクを、100点以上の回答で出したこと。

このタスクとは、最小失点に抑えるためのものです。

「鉄壁の守備組織を作りましょう。」

「ミドルサードより後方では、必ず数的優位を作りましょう。」




我の強い、個人主義の集団なら、このような厳しいタスクを遂行できなかったでしょう。

岡田監督の選んだ23人の基準が、明らかになりました。

タスクを遂行する能力、指示を聞き入れる能力が高い。

簡単に言えば、岡田監督が指導しやすい23人だったということです。

このメンバーだからこそ、面白くないタスク、2週間前に突然与えられたタスクを成し遂げたのです。

そして、ワールドカップの1つの側面である、真剣勝負で結果を残すという任務を見事に達成したのです。

選手の頑張り、コーチ・スタッフ・サブメンバーのサポートは素晴らしいものがあったと推察されます。

選手が、迷うことなく1つの集団になって戦っていたのは、誰の目から見ても明らかだからです。







 ただし、フットボール品評会では、落選したかもしれない。

・規律正しく集団で行動している。

・最後まで気力を振り絞って戦っている。

・格上と見られていたカメルーンに勝利した。

感想は、これ以上ではないはずです。

試合内容を見て、日本のフットボールは素晴らしい。

独自の素晴らしい道を、進化しながら歩んでいる、とは思われなかったでしょう。



 少なくとも、世界は驚かなかった。

弱者が、集団で守備を固めて、最少得点の試合運びをする。

引き分けならOK、あわよくば、勝利を目指す。

この戦い方は、見慣れた風景だったはずです。

そこに、日本の独自性も、世界に打ち出すスタイルも感じられない。






 もしこの試合に点数をつけるならこうなります。

結果については、100点満点の100点。

品評会の成果については、100点満点の30点。

平均すると、65点でしょうか。

日本フットボール界の現在に対する責任については、満点です。

将来については、まだまだ追試が必要な点数しかつけれないですね







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2010年06月14日

2週間でインテルになれるのか。

 いよいよ、日本代表の出番です!

大事な初戦、グループリーグを突破するために、カメルーン戦の重要度は高い。




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 日本の属している、グループEでは、オランダが図抜けている。

1強その他3チームの方が、日本にとってはチャンスがあるかもしれない。

彼らが、3戦全勝でグループリーグを突破することを前提とする。

すると、日本は残り2試合で、いかにして勝ち点を稼ぐか?

そして、オランダ戦でいかにして最小失点で敗れるか?

この2つが、グループリーグ突破のカギになるでしょう。




 この考え方を基にするならば、オランダ以外に敗れることは、あってはならない。

カメルーンに敗れた瞬間に、グループリーグの敗退が事実上決まってしまう。

以前のワールドカップワールドカップでも、グループリーグ初戦で敗れたチームがどうなっているか。

3大会を見てみると、初戦敗退してグループリーグを突破したチームは、たったの3チームしか無い。

残る、36チームは残念ながら、グループリーグで落ちてしまっている。

これが、引き分けになると、突破の確率は50%になる。

勝利すると、突破の確率は、80%を超える。

もちろん例外もあるのですが、短期決戦において、初戦の重要度は相当高いのです。





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 岡田監督の率いる日本代表は、この2週間で新しいチームを作ろうとしている。

まるで、監督が変わり、チームの価値基準、フィロソフィーまでもが変わったかのように。

それまでの試合は、このように行われていた(目指していた)はずです。

相手のDFラインにもプレッシャーをかける、言わばハイプレスを守備の武器にしていた。

そして、ボールを奪ったら狭い局面のまま、パス交換をして相手を崩していく。

攻撃も守備も圧縮したままで試合を運ぶ。

そして、キックオフから数的優位を作るために、走り続けていく。

この試合運びで勝利で、ベスト16以上に進出できたなら、世界は相当驚いたでしょう。

他に類をみない戦い方ですから。

他国から、クレイジーと言われても、日本の機動力や組織に殉ずる精神、知性が活きたはずです。

我々は、背が低く、カラダも細く、技術力もブラジルでないのですから。







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 新しいチームのコンセプトは、「惨めな負け方だけは避けたい」。

負けるなら0対1で。

あわよくば、0対0で勝ち点1を狙う。

幸運の女神が降りてきたら、勝てることもあるかもしれない。

口悪く表現するなら、弱者の王道を進もうとしている。

ただし、最高のお手本があります。

このスタイルを追求しつくしたのが、ヨーロッパを制したインテルです。

世界のトップの選手たちを、2年間!かけて、追求した。

そして、今年見事にチャンピオンズリーグを含む3冠を獲得。




なので、インテルの戦い方を思い出せば、日本のやろうとしていることが見えてきます。

相手にボールを持たせ、ボールポゼッションは放棄する(40%以下になるでしょう)

そして、両サイドバックとサイドアタッカーで、相手のサイド攻撃を蓋してしまう。

サイドバック+外側のボランチになるかもしれません。

とにかく、サイドでは2対1の形で守備に専念する。

サイドバックが高い位置をとり、がんがんに崩すシーンは少ないはずです。

センターバックが、相手のFWをタイトにマークする。

FWに引っ張られ、中央にスペースが出来たら、真ん中のボランチが最終ラインに落ちて埋めるでしょう。

つまり、10人で守備組織を必死に構築するのが、最大の目標です。



そこから、カウンターアタックでチャンスにつなげたいのです。

インテルは、決勝戦で、右サイドバックのマイコンが、カウンターからゴールを奪っています。

リスクを背負って飛び出し、縦に速い攻撃をゴールに結び付けました。

直近の2試合を見ていると、あまりにも前に出て行くパワーが弱い。

縦に出て行くときの、追い越していく走りや、スピード感がない。

妙に丁寧に横パスをつなげようとして、奪われて逆にピンチになってしまっていた。

みすみすカウンターのチャンスを失っていたのです。

複数の人間が、ボールを追い越して、短いパスを高速でつないで、ゴールを目指してほしい。








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 カメルーンは、組織的な試合運びをしてくるでしょう。

身体能力の高さばかりがピックアップされますが、間違いなく戦術的にも洗練された集団です。

ところが、きれいに戦ってくるカメルーンはあまり怖くない。

マークを外さず、ボールにアプローチを掛け続ければ、事故以外の失点はないはずです。

キレイにパスをつないでくれているうちは、そこまで恐れる必要は無いでしょう。

それよりも怖いのは、たがが外れた時の彼らです。

彼らは、前にボールを蹴り飛ばし、前に走りこんでくるのが、本来彼らに染み込んだスタイルです。

予測不能で確率は低いのですが、恐ろしく勢いがあります。

全てのプレーがゴールに向かって、突っ込んでくるようです。

まるで、襲い掛かってくるかのような戦い方は、恐怖すら感じるかもしれない。

キレイなサッカーをしているうちに、ゴールを奪ってしまいたい。

先制点を取られた彼らは、意外なほどにしゅんとして、戦意を喪失していく。

画面を通しても、彼らの元気の無さが見えてくるかもしれない。

そうなるためにも、インテル化がどこまで進んでいるかが、試合の見所になるはずです。








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 さて、日本代表は、2週間でインテルになれるのでしょうか?

それとも、惜しい敗戦をして、いつものように「感動をありがとう」となってしまうのか。

キックオフまで、後、数時間!!



posted by プロコーチ at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月11日

いよいよ開幕

 世界最大の祭典、ワールドカップが開幕します。

世界中が、どっぷりとフットボールに漬かる。

幸せな1ヶ月が始まりました。





 20年前と違って、世界最高峰の大会では無くなってしまっています。

試合のレベル、出場チームの顔ぶれ、チームの熟成を見てみる。

UEFAチャンピオンズリーグのレベルの方に、軍配が上がるでしょう。

それでも、ワールドカップにはチャンピオンズリーグが持ち得ない魅力を持っています。

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 現在の日本では、海外サッカーという時には、ヨーロッパのことを指してはいないか。

海外サッカーは、それだけではない筈なのに。

実際、ヨーロッパ以外の試合を観るチャンスは、あまりにも限られている。

私は、南米の試合が好きなので、南米の試合を視聴できるようにしています。

残念ながら、少数派でしょう。

アフリカ、アジア、北中米にオセアニアとなれば、もっと限られてくる。

ヨーロッパと言えども、旧東欧地域となれば、触れるチャンスは少ないでしょう。





 ワールドカップでは、それらの地域からも、もちろん出場国が参加します。

普段見ることの出来ない国や地域。

そして、それぞれの代表チーム持つスタイルは、大きな楽しみです。

私が楽しみにしている国を、幾つか挙げておきます。

私的な好みなので、若干偏りがありますが、ご容赦ください。





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 一番楽しみにしているのは、メキシコ代表です。

前回のドイツでは、彼らを追いかけていました。

現地で観た3試合は、私の大きな宝物です。




 彼らの、ボールを大事にしながら、試合を進めていくスタイル。

簡単にDFラインはクリアなどしません。

68Mの幅をいっぱいに使いながら、長短のパスをつなぎ続ける。

しかも、カラダをうまく使いながらの、運ぶドリブルも相手を惑わします。

ドリブルとパスのタイミングは、思わずひざを叩く。

そして、一人一人がフットボールを深く理解している。

攻める、粘り強く守る、カラダをぶつける。

メキシコには、日本の目指すべき未来があると考えています。

メキシコが勝ち進んで、注目を集めてくれれば!切なる願いです。







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 それは、スペイン代表も同じことが言えます。

世界の最高峰に君臨する、バルセロナの選手(出身も含む)が、多く選ばれています。

ボールを大事にしながら、パス・ドリブルで相手から主導権を握る。

その戦い方は、バルセロナを想像させます。

有力な優勝候補にも挙げられているスペイン。

彼らが優勝すれば、「日本はスペインを目指そう!」

今以上に、大きな声が巻き起こるのではないでしょうか。





 と言っても、私は、スペインの優勝は無いと思っています。

数々のジンクスも言われています。

それよりも、守備が出来る中盤の選手がいない。

いくらボールを回していても、守備をする瞬間は必ず出てくる。

優勝した2008ユーロでは、マルコス・セナがその役割を担っていました。

その不在が、最後で大きく左右してしまうのでは!?






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 組織的で強固な守備を武器とする、アメリカ。

コンフェデレーションカップでの、戦いが記憶に新しい。

11人全員が、守備に貢献する。

ただ引いて守るだけではなく、きれいなゾーンDFを敷いてくる。

その姿は、まるで意志を持った生き物のように、うねうねと動いてボールを奪い取る。





 バランスを崩さずにボールを奪い、そのまま速攻に入る。

シャドウプレー(FWにボールを当てるポストプレーからの展開)で、一気に相手を置き去りにする。

その瞬間のスピード、同時性は、見る価値があります。






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 スーパースターに頼らない試合を目指すチーム。

チリ、パラグアイ、スロベニア、スイス、デンマーク。

全員がチームの規律を表現しようと、ピッチで戦い抜く。

しぶとく、しぶとく、試合を運ぶ。

そして、少ないチャンスをモノにして、勝利を重ねる。

共通するのは、守備力の高さ。

全員が、タスクをさぼらずに遂行している、証でしょう。




 本来なら日本も、ここに入るはずなのですが、どうでしょう。

頑張っているのですが、チームの規律や方向性を感じれない。

本大会では、その姿をぜひ見たい。

まずは、ホーム以外での初勝利を。





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 外れる事を恐れずに予想するなら、優勝はブラジル。

過去の大会で優勝する条件は、決まっています。

ブラジル、イタリア、ドイツ、アルゼンチン、イングランド、ウルグアイ、フランスしか優勝していません。

フットボール先進国クラブとも呼べる、彼ら。

この中からからしか、優勝国は出てこないのです。

この先進国クラブに飛び級で入れる可能性は、開催国のみです。

66年のイングランド、78年のアルゼンチン、98年のフランス。

今回この可能性があるのは、南アフリカです。




 そして、ヨーロッパで開催された大会は、ヨーロッパの国。

南米での開催なら、南米の国。

それ以外の地域での大会なら、ブラジル。

バロンドールの呪い、連覇の難しさ。





 もちろん、例外もあるのがフットボールです。

唯一の例外が、1958年のスウェーデン大会でのブラジル。

開催国でもなく、ホームの地域でも無い国が優勝したのです。

これは、後にも先にも、例がありません。

その後のブラジルの地位を考えると、相当難しい例外です。





 もし、スペインや南アフリカが優勝するならば、歴史が変わります。

今後の勢力図が、大きく塗り変わる。

それぐらいのインパクトがある、例外なのです。

スペインは強い、イングランドも期待できる。

それでもブラジルにはなり得ない。







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 さて、まずは最大の祭典を、純粋に楽しみましょう。

4年に一度しかない、幸せな1ヶ月の始まりです。
posted by プロコーチ at 22:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月21日

純粋に楽しみ

 UEFAチャンピオンズリーグもファイナルを迎えました。

ドイツのバイエルン対イタリアのインテル。

両チームとも、自国リーグチャンピオンとしてファイナルの舞台に立ちます。

伝統、実力、勢い全てが揃ったチーム同士の対戦です。

簡単な試合にはならないでしょうから、今からキックオフが楽しみです。

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 自分自身が楽しみにしている、見所をいくつか。





・ドイツのチームはドイツらしく、イタリアのチームはイタリアらしいのか?


バイエルンは、出場が予定される内、ドイツ人プレーヤーは半分です。

インテルに至っては、先発にイタリア人プレーヤーは0人!?

サブに数名入っている程度です。

ファイナルまでの勝ち上がりを見ると、どうでしょうか。

インテルはイタリアのチームに、バイエルンはドイツのチームに見えます。

マンチェスターユナイテッド戦、バルセロナ戦は、それぞれの真骨頂だったのではないか。

ファイナルでも、それは変わらないでしょう。





 バイエルンの選手たちは、最後まで無駄走りを惜しまないでしょう。

スペースに確信を持って飛び出す。

パスを出して、走る。

守備においても、ポジションをこまめに修正しながら、ボールに寄せる、カバーする。

前線、中盤の選手から、忠実に繰り返していく。

サイドを攻略し、ゴールに迫るでしょう。

1−4−4−2のフォーメーションが、攻撃の時は、1−2−4−4に見えるほどのパワーです。




 インテルの堅い守備を軸にした試合運びも変わらないはずです。

攻めさせておいて、相手を自陣に引き込む。

しかも、相手の長所を消しながら。

得意なプレーは、させない。

メッシのドリブルを封じ込めたように。

リアクションフットボールの権化のような試合運び。






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 ・両チームの監督が最大のスーパースター?


バイエルンのルイス・ファンハール監督。

インテルのジョゼ・モウリーニョ監督。

彼らは、いい仕事をしていると思います。

(私などが感想を言うのもおこがましいほどの、名コーチなのですが。)




 それは、テレビ画面からも明らかになります。

バイエルンの選手たちは、円陣を組んで試合に臨むことがあります。

高校生のように、一丸となって。

負けを覚悟するような展開でも、最後まで走りぬきます。





 インテルは、平然とつまらない試合をします。

守備のことしか頭に無い。

最高の結果が引き分け、負けても最小失点ならOKな、勝つ見込みの無い試合。

つまらない結果に向かって、選手が真剣に、歯を食いしばって戦います。




 両チームとも、ビッグネームの集まりです。

自国に帰れば、誰もが知る、スター様でしょう。

自我は強いでしょうし、給料も莫大です。

その彼らが、チームのために全力を尽くす。

その精神状態に持っていることこそが、コーチの腕の見せ所。

学生や、経験の浅い若手をだますのとは、訳が違います。




 コーチに求められる能力そのものです。

選手たちのメンタリティーを変えることができる。

各選手の才能を発揮させ、それをチームに有効に機能させている。

だから、つまらなくても、しんどくても、選手たちは最後まで戦うのでしょう。




 もし、延長になると、彼らの偉大な部分を観ることが出来るはずです。

延長戦に入る前は、ピッチ上で時間を過ごします。

そこで、選手たちはりカバーをはかったり、選手間で話し合ったりします。

そして、監督を中心とした、ミーティングが始まります。

普段はあまり目にすることの出来ない、ミーティングが公の場所で開かれるのです。





 以前目撃した、モウリーニョ監督のミーティングの雰囲気は、一種異様でした。

彼がしゃべり始めると、みんながさっと黙りこみます。

そして、顔つきが変わります。

何を言っているのかは分かりませんが、注目がそこに集まっていることはすぐに分かります。

そいて、選手間、選手と監督との距離とが、必要以上に近い!!

この距離は、家族・恋人しか立ち入れない、パーソナルスペースです。

それだけ、深い絆でつながっている同士なのでしょう。





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 ・イビチャ・オリッチ

バイエルンのFWで先発するであろう、オリッチ選手。

現代フットボールの象徴ともいえる選手かもしれません。

そのキーワードは、ハードワーク。

どこまでも、いつまでも走り続ける。

ボールを受けるために、無駄走りを繰り返す。

相手のボールを奪うために、フォアチェックを繰り返す。

「農耕馬」との異名をも持つらしいです。




 日本のFWは、よく走る。

ハードワークし過ぎて、肝心な時に足が疲れてしまっている。

だから、賢く走らなくてはならない。

日本人FWの決定力不足の原因として、言われるこのハードワーク。

彼を見ていると、その論理は成り立ちません。

日本人以上に走り、誰よりも戦い続けています。

まず一番に、守備をします。

それでも、点を取り、決定的な仕事をする。





 オリッチの周りの選手は、楽が出来るでしょう。

オリッチの動きにうんざりした。

オリッチの走りで、ボールがこぼれた。

その瞬間が、勝負を仕掛けるタイミング。

なぜかフリーになっている選手がいれば、オリッチのおかげかもしれない。

泥臭いので、尊敬を集めることは少ないでしょうが、偉大な選手の1人です。






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 ・インテルの守備組織


DFラインと言う言葉があるように、守備においては横の関係が意識される。

DFライン、MFライン、FWライン。

お互いにカバーリングしあって、スペースを消し、人やボールにアタックする。




 インテルの守備組織は、それに加えて縦の関係が重要視されているのではないか。

サイドバックと、ウイングとのペア。

センターバックとセントラルMFとのペア。

それぞれのペアを意識する。




 メリットがいくつかあります。

サイドで数的有利を作らせない。

最終ラインやバイタルエリアに、スペースを作らせない。

オーバーラップ、2列目の飛び出しという、縦のポジションチェンジへの対応が容易である。




 デメリットは、体力の消耗。

中盤、前線の選手が最終ラインまで戻るので、走る距離が長くなる。

それは、体力を奪われることを意味する。

そして同時に、攻め返すパワーを失うことをも意味する。




 インテルは自陣ペナルティエリアの前に、要塞を建造するのか?

少なくとも、その時間帯はあるはずです。

縦の関係、このペアに注目すると、分かりやすいはずです。






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 試合結果は、どうなるのでしょうか?

順当に考えると、3対1ぐらいでインテル勝利なのですが。

バイエルンも、ファンハール監督も、そんなに簡単な相手ではありませんよね。

明日は、純粋に最高峰の試合を楽しみたいです。
posted by プロコーチ at 23:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする