2012年10月30日

拡がる。

 ボールには引力がある。

フットボールを始めて日が浅い、全体の理解が低い選手。

彼らは、ボールがとにかく大好き。

体も、心も、目も、すべてがボールに向かっている。

ボールから、離れて受けようとする。

これは、発達段階が、少し進まないと出来ないことのようです。

子供たちが繰り広げる「団子サッカー」は、ボールの引力に引き付けられている?!








 
 


 拡がりを作る。

意図的に近づかない意識すら、必要かもしれない。

幅を作り、奥行を作り、ピボットに入る。

ボールを持った人間の選択肢を増やしてくれる。

お互いが、ポジショニングを意識し合うことで、さらなる拡がりが生まれる。

少しずつでも、ピッチ(コート)全体をイメージする。

このイメージが、拡がりを作る助けになってくれるでしょう。







 どうすれば、ピッチの中で、拡がりを作れるのか?

様々な角度から、アプローチをしていく。

例えば、トレーニングなら?

10〜20Mほどのグリッドを組み、フリーでドリブルをするメニュー。

ボールは一人一つ、人数は10人でも20人でも。

まずは、自由にドリブルをさせてみる。

その中で、少しずつ顔を上げる(ボールだけを見ない)ことをコーチングする。

ぶつかりたくない選手は、顔を上げるようになるでしょう。

顔を上げ、直接視野と関節視野とを使い分けドリブルを始めている選手。

スムーズにドリブルを行えるようになっていくでしょう。

技術レベルが低いなら、体からボールを離さないことも意識させたいところ。










 それだけでは、拡がりを持ったポジショニングは、まだ作れていない。

その瞬間、「ピッ!!ストップ」とフリーズをかける。

固まっていることを、選手全員に確認させる。

他の選手がどこにいて、スペースがどこにあるのかをです。

ここで、一言、強くメッセージを伝える。

「全員で、バランスよく散らばれるようにしよう!」

「一人一人が、バランスを取ってみよう!」

すると、全体にバランスよく散らばった選手たちの姿が観れるはずです。









 ただ、これでは、限られたグリッドの中だけで、拡がれただけ。

試合の中で、拡がりを意識したポジションをとるのは、なかなかに難しい。

全体をと、目の前の局面と見る意識を持たせたい。

カメラの絞りを、グーーッと拡げたり、ギューと絞ったり。

これを自在に繰り返す作業でしょうか。

どうすれば、目まぐるしく展開される試合の中で、この作業ができるのか?








 そのためには、オンザピッチの取り組みだけでは足りない。

レベルの高い試合をたくさん見る。

しかも、フットボールを知っている人間と語り合いながら。

映像でもいいと思います。

一人で観るのではなく、意見を交わしながら試合を観たい。

すると、頭の中にも映像が映し出され始める。

そこには、拡がりを持ったポジショニングから攻撃が展開されているでしょう。

この脳内の映像が、自分のプレーを助けてくれるはずです。

試合やトレーニングの中で、全体を見る目が養われていく助けになっていく。

ボールの引力に負けない選手に。
posted by プロコーチ at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月28日

連続写真

 ゴルフ、テニスは先に行っている。

私が、サッカー・フットサルで、技術の指導をするたびに感じることです。

特に、ゴルフの指導の細かさ、種類の多さ、工夫の多さには恐れ入ります。

クラブの種類、打ちたい球筋、風、地面の傾斜・コンディション。

そして、個人の力量。

それらを組み合わせ、一つ一つのショットの指導をしていく。

雑誌をめくると、多種多様さに驚かされます。

この細やかさは、他のスポーツの追随を許さないではないでしょうか。








 その指導に度々用いられているのが、連続写真です。

一つのショットを、何十枚モノ連続写真で収める。

1秒間に、カシャカシャカシャ、と連続でシャッターを押す機能。

それを見ると、自分の出来ていること、出来ていないことが露わになります。

自分の体の感覚、つまり頭で想像していること。

それと、実際の体の動きとの間には、大きなギャップがある。

見る目を持ったコーチでないと、何が起こっているかに気づけない。

連続した写真を見ることで、誰でも分かるようになるのです。







 ただし、この連続写真の使用にも問題があると思っています。

はっきりとしたビジュアルがあるため、それが全てになってしまうのです。

たった、一瞬を切り取ったに過ぎない、一つの写真。

一つ一つの動きにとらわれすぎてはならない。

副作用として、動きがギクシャクしてしまう。

欠点を直したつもりが、直す前よりも、動作が悪くなってしまう。

一つのことに力点を置きすぎてしまったために、他の部分が崩れてしまった。

フォームで重要なことは、一つ一つの積み重ねだけではない。

何よりも、全体のリズムだったり、流れが、重要になる。

そのことを、間違えてはならないのです。









 今回、実験的に、キックの指導に、連続写真の分析を取り入れることにしました。

同時に、ハイスピードで撮影し、切れ目のないスロー映像も撮りたいと思っています。

これをうまく活用することができればいいのですが。

選手自身が、自分のフォームを振り返るには最適なはずです。

私自身は、カメラを使うにあたって、課題があります。

ツールに頼ったり、とらわれるのではなく。

指導のために、活用してみたい。

さて、その試みやいかに。
posted by プロコーチ at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月10日

2つのことを同時に。

 何かをしながら、同時に行動をする。

例えば、携帯電話で話しながら、クルマの運転をする。

テレビを観ながら、ご飯を食べる。

このような、2つの課題を同時にこなすことをデュアルタスクと呼ぶそうです。

すると、思った以上に、簡単なことでも失敗をしてしまう。









 まるで、フットボールにおけるミスに酷似しています。

周りを観ようとしすぎて、ボールコントロールのミスをする。

相手をブロックしようとして、ボールのコントロールをミスする。

試合中は、様々なことが起きる。

同時に何かをしようとして、失敗する。

特に、相手DFに強く寄せられた瞬間に、思いがけないミスが起きる。

この原因に、デュアルタスクへの対応が出来ていないと、考えることが出来ないか。
 







 スキルの高い選手は、幾つものタスクを当たり前のように、こなしている。

予め周囲を見渡して、シンプルにプレーをする。

次に行きたい方向や、DFを外すために、気の利いたファーストタッチ。

観ること、ボールを扱うこと、相手を感じることなどを同時に対応している。

その一方、ボールコントロールに自信が無い選手。

相手との駆け引きが得意でない選手。

そんな選手は、1つのことに精一杯になってしまう。

彼らにとっては、デュアルタスクへの対応は、簡単ではありません。
 








 そして、特に歳を重ね、高齢化が進むと、デュアルタスクに対応する能力が低下していく。

道を歩いていて転ぶ、1つの原因にもなっているようなのです。

歩いているときに、他所に注意を向ける余裕が無い。

ちょっとしたくぼみ等で、転んだりしてしまう。

歩きながら、周囲の状況、少し先の状況を観る余裕がなくなってしまう。

目の前の移動場所しかイメージが出来ず、判断ミスが多い。

ほんの、足元の50センチ先しか観ていないのだそうです。









 転倒を防止する訓練方法が紹介されています。

赤・青・黄の3色のポイントがマークされた、10mの道を歩く。

その時に、色を指定され、決められた色だけを踏んで歩く。

歩くことと、マークを見ながら判断することとのデュアルタスクになっている。

この簡単に思える訓練を半年間すると、劇的な向上が望めるそうです。

(訓練しないグループに比べ、1年間で転倒する割合が3分の1に減少)








 転ばないために、デュアルタスクを与える。

この訓練をサッカー・フットサルに応用することは出来ないか?

3種類のマーカー(色分け、数字をふる)をランダムに並べる。

3色のビブスを並べても代用できるでしょう。

色を指定して、決められた色だけをジグザグドリブルをする。

観ながら、判断を下し、ドリブルのコースを進んでいく。








 ボールコントロールのトレーニングならば、どうだろう。

自分の周りに、3色のビブスやマーカーを並べておく。

指定された色に向かって、ボールコントロールをする。

意図のあるファーストタッチ。

次に行きたい場所に方向付ける、コントロールのトレーニングの1つ。








 私が良くやる定番メニューがあります。

気に入っているメニューで、必ずどこかの段階で導入するものです。

三角パスのアレンジメニューで、設定自体はシンプルです。

それは、ボールコントロールの方向と、タッチ数とを、指定しあう。

次のパートナーの行動を観て、判断して、実行する。

たった3人、ボール1つで出来るメニューなのですが、なかなか難しい。

何度も何度も繰り返さないと、プレーの精度が落ちてしまう。

今考えると、デュアルタスクを求めていました。

複数の事象への対応能力が備わっていなかったのですね。






 
 転んでしまうのは、足元だけしか見ていない。

先が見えていないから、状況判断のミスを犯してしまう。

コントロールミスをするのは、足元だけしか見ていない。

遠くまで視線を向け、先読みをしていく訓練をするとミスが減少する。

デュアルタスクへの対応能力を高める。
posted by プロコーチ at 08:18| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月08日

自らアクションを。

 守備のトレーニングをしました。

守備のイメージと言うと、地味、しんどい、気が重い・・・。

ポジティブな気持ちを持って、トレーニングに臨むことすら厳しい?!

そのイメージを形成するものは何か?

失敗した時の、責任感の大きさでしょうか。

9回成功しても、最後の1回をミスすれば、戦犯のように叩かれてしまう。

10本シュートチャンスを外しても、たった1度の成功でスターになれるアタッカー。

その差は大きい。

成功しても当たり前、なかなかスポットライトを当ててもらえないのが現実。







 しかも、相手の攻撃に喰らいつくだけ。

相手の動きに、ボールに合わせて、リアクションを繰り返す。

相手のスピードやパワー、トリッキーな動きに翻弄される。

もしこれだけなら、守備は面白くないですよね。

その価値は誰もが分かっている。

ボールを奪わなければ、大好きな攻撃は出来ない。

いくら攻めても、守備をおろそかにし、失点を繰り返せば、勝つことは難しい。

それは分かっているのですが、DFはあまり人気が無いですよね。

子供に聞いても、大人に聞いても、心からDFをしたい!という答えは少数派です。







 この認識を少しでも変えたい。

守備は、本当は面白いんだよ。

粘り強くリアクションするだけではない、守り方を身につける。

結果、守っている側が、主導権を握り、ボールを意図的に奪い取る。

そのコンセプトを持って、トレーニングに臨みました。








 まず取り組んだのが、アプローチの改善です。

アプローチがおざなりだと、攻撃陣がいい状態でボールを持ててしまう。

いいアプローチをすることで、相手の選択肢や自由、時間を奪う。

ファーストタッチを見極め、次のボールの場所に対して2回目のアプローチ。

これだけで、技術レベルの低い相手なら、簡単に奪えてしまうこともあるでしょう。

いいポジションから、適切にアプローチ【複数回】することを最初の一歩にしました。








 ただし、ある程度の技術レベルの選手を相手にすると、そう上手くは行きません。

目の前にDFが立っていようが、お構いなし。

ボールをほとんど見ずに、こちらの動きを観察し、逆をとってくる。

見られている!と思えば、それ以上寄せづらい。

仮に、体をピッタリ付けれたとしても、逆にそれを利用して突破することもあります。

アプローチはかけるのですが、結局そこからはリアクションに。

ボールを注視し、相手にプレッシャーをかけなければならないのですが。

ミスを待つのが精一杯。

そんなDFは怖くないですよね。

かさにかかって、仕掛けてくる相手FWも多いでしょう。








 ここで、何か、相手にプレッシャーをかける手段はないか。

簡単に飛び込むだけでは、奪えることもあれば、奪えないこともある。

そんな一か八かのDFは、信頼をされない。

そこで、取り組んだのが、守備者側からの仕掛けです。

守備者側からフェイントを出して、相手にプレッシャーを掛ける。

例えば、いくぞ!と体を揺らして、本当は行かない、右(左)から行くフリ。

そんなボディフェイント。

他には、足を出して、ボールを奪うように見せかける。

立つ位置を少しだけずらして、ほんの数10センチですが、空いてるように見せかける。

これら全てに共通するのは、前後左右に動ける体のバランスは保ったまま行うこと。

フェイントをかけたつもりで、相手の動きに反応できなくては、本末転倒ですから。







 フェイントを出して、相手の出方を観察する。

こちらが奪うフリで、足を入れると、危険を察知して、苦し紛れに突破。

その瞬間を逃さずに、ボールを奪う。

来るタイミングは、分かってますからね。

どんどんプレッシャーをかけると、相手ボールホルダーが、リアクションを始める。

ボールを持ってる選手が主導権を握っていたはずなのにです。

まるで、攻撃の選手が、守備の選手の動きにおびえているかのようです。

気がつけば、ボールを持たれているはずの守備者側が主導権を握る局面に変化している。

ボールを持っていないのに、その局面を支配できる。

この瞬間を、意図的に作り出したい!

まさに、守備の楽しさの一つ。








 トレーニングの終盤には、このような局面が少しずつ出てきました。

ゴールを守りながら、積極的にボールを奪う姿が見えました。

参加した選手は、少しでも守備の楽しさを感じ取ってくれたのではないか。

ほんのちょっとでも、ポジティブな気持ちをもって、守備に臨んでくれたら、うれしいですね。

選手の満足そうな表情が見えたのが、私にとっても大きな成果でした。
posted by プロコーチ at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月28日

パスを受ける

 特訓をしました。

「スルーパスを受けれるようになりたい!」

ある選手のリクエストから、特訓が始まりました。





 スルーパスを受けるための要素は、幾つもあると思います。

その中でも、目の前の選手が、何が出来ていないのかを考えました。

選手は、スピードがあるのですが、活かしきれていない。

スルーパスを受けようとするのですが、試合で成功しない。

タイミングが合わない、オフサイドになってしまう。

DFラインの近くでノッキングしながら、我慢できずにオフサイド・・・。








 2人で、話し合うことにしました。

選手が何を考えていて、何に苦しんでいるかを知るためです。

そして、一つの結論に至りました。

『パスの出し手を観察すること』

今までタイミングが合わなかったのは、この観察が足りなかったようでした。

自分のイメージだけが、膨らんでいたのでしょうか?

それとも、味方に合わせようとしすぎたのでしょうか?

結果、色々考えすぎて、体が固まったり、早く動きすぎてしまっていたのです。

もっと、パスを受けることを、シンプルに考えるように導いていきました。









 言い換えると、『出し手がパスを出せる状況かどうか?』を観察すること。

パスの出し手が、パスを出せない状況で動き出しても、パスは来ない。

仮に最高の動き出しをしたとしても、可能性は限りなく0に近いでしょう。

極端に言えば、出し手の元にボールが届いていないのに、パスは出ない。

当たり前のことですが、意外と出来ていない。

受け手側が、急ぎすぎることもあれば、逆に遅すぎることもある。

1タッチ、2タッチ、ドリブルから。

色々の状況があるでしょう。

そのいずれのタイミングだとしても、パスを出せる状態かどうかを観ること!

足元からボールが離れていては、パスは出ない。

出し手は、ボールを蹴れる状態なのか?それとも?








 このパスを出せるタイミングと、受け手のマークを外すタイミング。

パスを出せるタイミングと、相手の背後を取るタイミング。

これを合わせる作業をしていくこと。

「もっと早く」

「もう少しタメテ」

出し手と受け手との間で、すり合わせをし続けることです。

ただし、その瞬間に、伝え合うこと!

関係を熟成すれば、パスが通る可能性は高まっていくでしょう。







 

 受け手側から言えば、この観察をすることが第一歩かもしれません。

マークを外すために、様々な動きがあります。

チェックの動きをいれて、

プルアウェイの動きで、

ダイアゴナルに走って、

相手の視野を観て死角に、

オフ・ザ・ボールの動きと呼ばれるものです。

これは、受け手自身がしておくべき動きです。

いくらマークを外しても、タイミングが合わなければ、パスは受けれない。

本当に無駄な走りになってしまう。

自分の動きと、ボールが出てくる瞬間とを合わせる作業。

そして、相手DFとの心理的駆け引き。

全てがドンピシャにはまった時、スルーパスを受けることが出来るはずです。









 特訓が終わった後、選手は満足そうな表情を浮かべていました。

これを始まりとして、繰り返しトレーニングをしてくれれば、試合で裏に抜け出してゴール!!

いつか、その瞬間を見せてくれるのでしょう。

出し手の状態を観察することが、自然になった時に。


posted by プロコーチ at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月17日

視野を広げるために

 顔を上げ周りを観る・・・ルック・アラウンド。

前もって考えること・・・シンク・ビフォア。

デットマール・クラマーさんの大切な教えです。

50年たっても、その重要性は変わりません。








 ただ、いくらそれを取り組んでいても、なかなか、状況を把握できない

見ている?見えている?観ている?観ていない?

適当に、ボールを蹴飛ばしてしまう。

まるで、観る・判断・決断し・実行するサイクルが欠如しているかのように。

いきなり、実行、実行です。

そんな選手が、出てきます。

私の指導が未熟なせいでしょう。

繰り返し、繰り返し伝え続けることが、私の仕事。

そう信じ、続けてきました。








 そんな中、面白い考え方が紹介されていました。

視野を広げる方法です。

「目の前の状況と、自分の近くの状況。2つの状況を合わせること」

・・・例えば、目の前の状況が1対1、自分の隣りでもう一つ1対1なら、2対2の状況である。

複数の状況を、一度に観られるようになれば、それだけ解決策は増える。

一気に多くを観ようとするのではなく、少しずつ拡げていくこと。

味方の人数も、ストレスやプレッシャーになってしまう要因の一つ。

まずは、目の前、そして隣り、ステップバイステップ。







 キングとも呼ばれる、三浦知良選手。

彼が局面と大局について、話していました。

http://futebol.seesaa.net/article/111807496.html

1対1の局面。

そこでの良いプレーは分かる。

対峙した相手との「駆け引き」。

ところが、大局をつかんで、流れを読むのが苦手である。







 トップレベルの選手であっても、このような得手・不得手がある。

まず、簡単な状況を解決できるようにする。

それは、1対1であり、2対2である。

そこから、徐々にレベルアップして、難易度の高い連携を身に付けていく。

1人でも状況を考えていない選手がいれば、試合も練習も壊れてしまう・・。

まずは、自分の目の前、そしてその隣り、さらに隣りと増やしていく。

これが視野を広げ、複雑な場面でも、適切にプレーできる選手になるステップ。
posted by プロコーチ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月31日

ドリルトレーニングの価値とは。

 トレーニングメニューを組み立てる時に考慮すべきことは、幾つもあります。

選手の技術レベル、戦術理解度、体力、年齢、シーズンの期分けなどなど。

何を獲得させたいか、に応じてトレーニングのメニューを構築していきます。

W−UP,TR−1,TR−2,GAMEの流れが、よくあるパターンです。









 その中で、ドリルをどのように組み込むか?!は大きな問題の一つなのです。

チームの苦手な部分(特に技術的な側面)を取り上げて、集中的に取り組む。

そのためには、ドリルは大きな力を発揮してくれます。

ドリルの中でも、壁に向かい合ってボールを蹴る「壁打ち」

2人で向かい合って、ボールを投げ、特定の部分で返す「基礎練(基本)」

これらが、古典的なドリルのメニューでしょう。








 最近、よく見られるのが、「パス&コントロール」

予め定められた場所に散らばり、ボールをコントロールして、パス、そして走るを繰り返す。

対面、三角、四角、ポジションを意識した配置などがありますよね。

人数を工夫すれば、全身持久力を高めるトレーニングを兼ねることも出来ます。

これらのメニューを、W−UPで取り入れる。

ボールを受けるタイミング、観ること、ボールのコントロール、パスの精度。

テーマをギュッと絞り込んで伝えることが出来る。

繰り返し、同じシーンを再現することが出来る。

これらのメリットを享受するために、これらのドリルを導入するのでしょう。









 ところが、このドリルを否定する発言も多くあります。

中でも、フットサル日本代表監督、ミゲル・ロドリゴコーチ。

彼は、はっきりとドリルトレーニングを否定しています。

「試合で対面パスの状況は無い」

「週に数時間しかないトレーニング時間で、ドリルトレーニングをすることは無駄」

「リハビリ期、超初心者くらいしか、ドリルは必要ではない」

彼の用いる、インテグラルトレーニング理論は、ドリルを否定します。

試合でのリアルな状況、試合に似た状況でトレーニングさせなくてはならない。

(分析的、限定的なトレーニングが日本では多い。

 それは、下半身だけを鍛えている。)







 私は、彼の講習会を2回、受講しました。

彼のインテグラルトレーニングは、衝撃的で、本当に面白いものです。

そして、彼の理論は論理的に構築されており、素晴らしいものなのです。

そのたびに、ドリルトレーニングをどう扱うべきか?

強く、問題提起を突きつけられている気持ちになります。

今、これからさせようとしているトレーニングに、本当に価値はあるのだろうか?!

ミゲルコーチが言うように、ドリルではない方法で働きかけた方がいいのではないか?









 先日、フットサルの初心者クラスのトレーニングをしました。

ボールコントロールが、少しずつ出来るようになった、それくらいのレベルです。

1時間30分、徹底的にドリルトレーニングをしました。

足裏を使って、ボールを前後に動かす、左右に動かす。

足裏を使って、ボールを左に、右に方向付けする。

パートナーの指示(腕のサイン)に従い、ボールを動かしていく。

(ようやく、観て決断を伴うプレーが入りました)

こつこつ、こつこつ、地味にボールを動かして行きます。

丁寧に、でも顔を上げて、思ったところにコントロール。







 そして、最後に数十分のゲームをしました。

コーチにとっては、うれしい結果が出ました。

ボールを思ったところにコントロールする瞬間があったのです。

相手を観て、次のプレーを考えることもありました。

その日のトレーニングの成果が、何度も何度も出てきます。

1時間30分のトレーニングが無駄ではなかった証と言えるでしょう。









 結局、ドリルトレーニングは必要なのでしょうか?

ドリルトレーニングは、行う価値がないものなのでしょうか?

私の中での結論は、いつまで経っても出そうにありません。 

その価値や、配分は、常に慎重に考え続けなければならないことは間違いない。
posted by プロコーチ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月24日

福原愛の公式

 卓球の福原愛選手、出場13回目にして、ようやく国内初優勝を勝ち取りました。

初、と言うのが意外なほど、有名な選手です。

ジュニアのカテゴリーでは、何度も優勝を重ねています。

また、国外での活躍は、他の日本人選手を圧倒しています。

レベルの高い、中国のリーグで戦ったり、世界選手権などでも好成績を残しています。

彼女の国際試合での強さ、団体戦での強さは、なぜなのでしょうね。

国内では、ベスト16やベスト4で、あっけなく負けてしまう。

海外の強豪を相手にすると、堂々と、好成績を残していく。

国内でも、海外でも、同じ力を発揮する能力こそが、彼女の一番の能力かもしれません。








 彼女を語る上で欠かせないのが、幼い頃から、猛練習を積み重ねていること。

幼い時から、天才少女愛ちゃんとして、テレビなどでも取り上げられていました。

顔よりも大きく見えるラケットを手にトレーニングをする姿。

上手く行かなかったり、ミスが続くと、涙を流して駄々をこねる姿。

何度も、テレビで目にしました。

あれが、4歳の時のようです。

そして、5歳にして、小2以下の全国大会で優勝。

天才少女の名を、より強く印象付けました。









 彼女を観ていると、ある法則が思い浮かべます。

それは、1万時間ルールと呼ばれるものです。

様々な領域(スポーツだけでなく、文化、学術)のエキスパートになるには条件がある。

上達するためには、1万時間以上練習を蓄積している。

そして、ただの練習ではなく、指導者による指導を伴う質の高い練習を必要とする。

これが、1万時間ルールと呼ばれるものです。

彼女は、3歳の時から、1日4~5時間の練習を積み重ねていた。

兄とともに、中国人コーチの指導を受けながらの、練習です。

仮に、1日3時間だったとしても、9年で1万時間に達します。

12~3歳で国際レベルの技能に達する、エキスパートになる条件を満たしているのです。

通常、15~17歳で、1万時間を越えるのが、多いとの統計もあります。







 そして、もう一つ上達するためのルールがあります。

それは、10年ルール。

10年間以上にわたり、質の高い練習をし続けなければならない。

それが、エキスパートになるための、もう一つの条件です。

短期間、数年間爆発的にトレーニングするだけでは、身に付かない。

長期間にわたり、時間をかけ、質の高い練習を続け、育成すること。

つまり、上達するための公式は、こう表せるのでしょうか。


質の高い練習×1万時間(10年以上継続)=国際レベルのエキスパート








 練習の価値を、彼女自身も強く認識しているようです。

「どうしたらうまくなれますか?」と、質問を受けて、こう答えています。

・・・実際にボールに触る時間を増やしたり、

「試合のビデオを見たり卓球とふれあう機会を増やすことだと思います。

あとは、もちろんうまくなりたい!という気持ちも大切ですが、楽しむことが1番だと思います

私もうまくいかなかったり、昨日できたことができなくなってたりすることがあります。

どうしてできないんだろうって悩むこともたくさんあります。」


「でも結局練習しかないんだと思います。

練習してもうまくなるか試合で勝てるか分からない。

でも練習しなかったら確実にうまくならないし試合でも勝てません。

これをしたら絶対にうまくなる!っていうのはないですが、

1日1日の積み重ねが大きな形になると思いますよ。」




そして、こうも答えています。

・・・皆はあなたのことを天才だと思っていますね。素質があるスポーツ選手だと。

「いいえ。違います。

私は小さい頃から卓球始めています。

もし他の子供、4、5才の子供が一時間練習するなら、私は3才から始めたのですが、

母は4時間練習させた。他の人よりも練習時間が多いから進歩も大きいんです。

だから小さいときは簡単に勝つことができ、皆は天才と呼んだんです。

でも、実際、そんなことはまったくありません。」






 同じように練習を積み重ねても、結果の出ていない選手も、多くいるでしょう。

燃えつきてしまった選手も、いるかもしれません。

福原愛選手にとっては、この1万時間ルール&10年ルールは当てはまるようです。








 さて、フットボールの世界では、どうなのでしょうか?

団体競技で、1万時間ルール&10年ルールを達成するのは、簡単なことではありません。

卓球と違って、フットボールでは、コーチが付きっ切りでトレーニングするのは難しい。

毎日1日2時間、小1から続けて、13年間かかります。

小学生では1日2時間、中学に入って1日3時間に増やすと、11年で達成します。

つまり、17歳から19歳でようやく、エキスパートになれるはずです。

ただ、コーチとともに、仲間と共に練習をするのが団体競技です。

やはり、1万時間を達成するのは、簡単ではありません。

いかに、質の高い自主トレをするのか?も大事になりそうです。


posted by プロコーチ at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月30日

難易度の高いキック…インステップA

 前回に引き続き、インステップキックについて。

http://futebol.seesaa.net/article/227840758.html

合う合わないは、個人差が大きい。

今回挙げた方法が、全ての選手に当てはまるとは思っていません。

もし、何か習得のヒントになれば、幸いです。










 まずは、足首の固定について。

これは、どこでも紹介されているので、簡単に。

イメージとしては、ボールを蹴り終えても、足首を固める。

それくらい、つま先まで神経が通っていると、足首はぐらつかない。

止まっているボールは、止まり続けようとする力が働きます。

足首の固定が出来ていないと、その力に負けてしまい、インステップの面が崩れてしまう。

もちろん、足首を柔軟に使う蹴り方もあるのでしょうが、それは上級者のお話。

まずは、蹴り終えても、足首を固定するくらいの感覚で。



 固定の方法としては、幾つかあります。

・つま先を伸ばす

・じゃんけんのグーにする

・靴のインソールを指の腹でつかむ

どれか、ピタッとハマる方法を探してみてください。










 今回強く意識させたのは、蹴り足の角度です。

つま先が真っ直ぐ下(地面と垂直)を向いたインステップだと、当たりが浅くなりやすい。

地球を蹴ってしまうのを恐れる、もしくは、すでに痛い思いをしているから?

つま先を真下に向けたスイングでは、指の付け根か、足の甲の先端でミートしてしまいがち。

本来、もっと深い場所で、ボールをミートしたい。

靴ヒモの結び目や、その周辺。

足首に近い辺りだと、ボールに力を加えやすい。

靴を寝かせて行き、地面に垂直の状態から、平行に近づけるように傾けて行きます。

そうすれば、インステップの中心と、ボールの中心とを合わせやすくなります。









 この形を作るためのドリルを考えました。

それは、横向きに寝そべり、ボールを蹴ることです。

軸足側が地面に向けられています。

(右足で蹴るなら、左側を下に寝転がります)

蹴り足のひざを後ろに引きながら折りたたんで、ひざを伸ばした時にボールをヒットします。

この時、親指の外の側面が、地面を擦る、地面を擦り続ける。

まるで、靴で地面をはらうかのように、ひざを伸ばしていきます。

親指を擦り続ける体の使い方が、インステップの角度につながっていくことが、狙いです。

この時、左肩から、右ひざにかけて、弓なりのアーチを意識します。

(このアーチがないと、立った時にいいフォームになりづらいようです。)

股関節が使えていない人は、このアーチを作るのに窮屈になりがちでした。








 重心の位置。

足首を固定する。

親指の下の外側をはらうように、ボールをミートする。

この2つの動作を習得するために、現場では、もう幾つかのドリルに取り組みました。

そして、いざボールを蹴るのですが、まだ、インステップが垂直になる選手もいます。

観ていると、2本足で立っているのです。

軸足を踏み込み、片足、一本足で立つ。

しかも、軸足の外側に体重を掛ける。







 プロ選手が蹴る、キックの分解写真をたくさん観て研究しました。

彼らは、カカトから、そしてかなり外側から地面に、軸足を踏み込んでいる。

中には、捻挫してしまいそうなくらい、アウト側から地面に接地しているものすらあります。

それくらい、軸足の外側に体重が掛かっている写真すらありました。

つまり、体重を両足均等に掛けている普段の状態ではない。

軸足側に、そしてアウト側に重心を移動させる、体の使い方が求められるのです。









 インステップでミートするための、3つのポイント。

・足首の固定(インステップの面を作る)

・親指の外の側面で地面をはらう(靴を地面に平行に近づける)

・重心を軸足の外側にずらしていく(軸足を中心としたバランスの獲得)





これらに取り組むことが、インステップでボールをミートするヒントになるのではないか。

ボールの威力を増すことや、回転数や高さをコントロールすることは、考慮から外しています。









 インステップにボールが当たって、気持ちいい感覚があった。

ボールが真っ直ぐ、きれいな縦回転で飛んで行った。

ボールが思いのほか伸びて行った。

いいイメージを少しでも持てれば、習得のモチベーションも高まるはず。

私も、皆とボールを蹴っていて、気持ちよくなってしまい、ついボールを蹴りすぎてしまいました。

繰り返し、ボールを蹴って、蹴って、きれいなインステップの習得を!!
posted by プロコーチ at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月02日

決定力を上げる。

「シュート練習、しなきゃダメだね。」

同僚のコーチが、ぼそっと、つぶやきます。

彼は、FWとして、何年もプロのピッチで戦っていた元選手です。

仕事の合間に出場した社会人リーグ、数回、決定機を外したようです。

外したとは言え、今回も、1試合に2得点奪ったそうなのです。

今シーズン、7試合で6得点。

1部リーグ得点王争いをしているのですが、納得のいかない様子。








「3年前、優勝しなきゃならない大会に向けて、毎週シュー練していた。」

(同僚は抜群の決定力を見せつけ、大会で見事優勝!に導きました。)

「やっぱり、大事だよ。」

何度も、シュート練習の大切さを、口にしていました。

聞けば、試合が追いつかれて、3対3の引き分け。

自分が決めていれば!の感が強かったのでしょう。

静かな口調でしたが、悔しそうな表情を浮かべていました。








 シュート練習を繰り返せば、彼は、さらに決定力が増すでしょう。

ただし、おそらく彼がシュート練習を繰り返しても、技術が格段に向上するわけではない。

すでに、高い技術を習得しているのです。

右足でも、左足でも、強烈なシュートでも、GKの逆を突くコントロールショットでも。

キックが優れているだけではありません。

シュートとしての技術、GK・DFとの駆け引き、ゴール前での落ち着きが素晴らしい。

ブラジルで、FWとして何シーズンも戦って来た実力は、看板だけではない。

おそらく、努力を積み重ね、身につけたものなのでしょう。

彼の技術は、高いレベルで完成されています。









 では、彼がシュート練習をするのはなぜか?

チューニング…調整をするため、というのが大きいのではないか。

35歳を迎えた、同僚。

20代の時とは、体が変化している。

自分では気が付かない小さな変化が起きている。

スピード、筋力、足の振り、上半身の押さえ、バランスが変化していることを意味します。

ゴール前で相手が迫ってくる、余裕がない、その瞬間!!

小さな変化が、ズレとなって表れてしまう。

シュートは思ったところに飛ばず、外れる、止められる。

この変化を体で理解し、ズレを修正するためのチューニングが必要になる。

1本1本シュートを積み重ね、技術を確かめていく。

それが彼の言う、シュート練習の必要性なのではないか。









 技術を完成されていない選手は、どのようにシュート練習に取り組めばいいのか。

「四隅(よすみ)の狙った場所にシュートを打てるようにすること。」

「相手GK・DFをよく観ること」

キーワードは、この2つ。





 まずは、自分とボールと関係を作り、いい位置にボールを置く。

同じ体勢で四隅に打てる場所、それが、いい位置。

相手GK・DFを観て、四隅の、その空いている場所にボールを飛ばす。

そのためには、軸足の踏み込み位置、上半身のバランス、腕の使い方、が必要になる。






 ゴールにパスをすると言う表現があります。

それを具体的に表現したと言えるのが、この2つのキーワードです。

このことに注意しながら、シュート練習を積み重ねること。

継続は力なり。

間違いなく技術が高まり、決定力の向上につながるはずです。
posted by プロコーチ at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月12日

デモンストレーションの力

 引き続き、ボカジャパンスキルアップクリニックからです。

連日、見学させてもらっていて、気づくことが幾つもあります。

子供だけでなく、我々指導者も、気づきをもらえるこのクリニック。

少なくともわたしにとっては、有意義なものです。







 こういった、海外の指導者を招いて開催するクリニックには、弱点があります。

それは語学です。

選手は、言葉が分からない。

コーチが説明し、通訳が日本語に翻訳し、説明する。

このワンクッションがあるため、どうしてもミーティングや、設定の説明が長くなってしまう。

今回も、説明の時間が長く、子供たちの耳に、心に、どこまで届いているのか?

ただ、今回の通訳の方は、サッカーを良く知っている。

そして、アルゼンチンのことも分かっている。

何より、難しい言葉を、極力使わないようにされている。

その面で、子供たちのストレスは、かなり緩和されているような印象です。









 ミーティングを聞いていると、かなり詳細に説明をして、トレーニングに入る。

コーチのスタイルなのでしょうか。

トレーニングの順序、人の動き、安全面の配慮など、丁寧に説明します。

ところが、技術面に関しては、そこまで細かい説明はなされていないようです。

もちろん、腕の使い方、顔を上げるなど、キーになる部分は伝えています。









 例えば、昨日はキックをテーマにトレーニングが進められました。

ボールへの入り方、パスのタイミングなどは、説明し、厳しく求めていきます。

シュートの瞬間、GKは何を考えているか、そしてどこを狙うべきなのか?

ゴールとの距離による、狙いの変化など、意図は細かく伝えています。

ただ、実際にどのようにボールを蹴るのか、については、ほとんど伝えません。

ワンポイントのアドバイスを送る程度です。










 その代わり、コーチが必ず、デモンストレーションを繰り返し、見せてくれます。

また、そのコーチ(メディーナコーチ)のデモンストレーション能力が素晴らしく、高い。

説明をし、このようにするんだよ、と言ったその次には、デモを見せてくれます。

そのデモンストレーションは、1度もミスがありません。

しかも、強いボールを、狙ったところに、ヘディングでもキックでも。

ドリブルでも、正確なボールタッチ、フェイントも自在です。

例えば、左サイドからドリブルして、中にカットインして、ファーに巻いて上隅にシュート。

技術的には、簡単なものではありません。

説明ポイントを変えながら、全部で5回ほどデモを見せました。

全て、強烈なシュートが、ファーの上隅に突き刺さります。









 「さあ、やろう。」

選手たちは、最初はなかなかコーチのデモのようには、上手く行きません。

それでも、あまり細かい、技術的な指導はありません。

ボールに入るタイミングや、狙いどころを繰り返すだけです。

とにかく、たくさん、数を繰り返させます。

何度も、何度も。

そして、グループを2つに分け、得点を数え、競争をあおります。

コーチのテンションは、どんどん高まります。

選手も、それにつられているようです。

すると、素晴らしいゴールが、どんどん決まり始めるのです。

トレーニングの最初と、最後とでは、別人のような子供すら出てきます。









 デモンストレーションの効果と言うものを見せ付けられました。

指導対象にもよるのでしょうが、いいデモを見せ、プレーを繰り返す。

そして、コーチが、その場の高いテンションを保つ。

やはり、育成年代では、このスタイルでしょうか。

技術面での細かい説明よりも、効果があるようです。

それにしても、100発100中のあのデモンストレーション能力!!

あのメンタル、技術の高さは、どのように身につけたのでしょうか?

ここにも、我々が見習うべき「ない」ものを感じました。









 追記

デモンストレーションを見せるコーチは、いつもトレーニングの前にピッチで汗を流していました。

何度も確かめるように、ボールを蹴っていました。

自分の技術のチューニングをしているかのように見えました。

選手たちが来る頃には、リラックスした表情で、笑顔で選手を迎えています。

隠れた取り組みがあったことも、追記しておきます。

posted by プロコーチ at 12:54| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月08日

持ってる。持っていない。

 「持ってる。」

アジアカップ優勝の際に、選手の口からも出ていました。

流行語だからでしょうか。

本田選手は、この言葉を好んで使っていますね。

彼のキャラクターによく似合うように思います。






 ただ、こんな選手もいるのです。

「持ってる」と言う言葉は、最近よく使われるけど、嫌いな言葉である。

これを、話していたのは、三浦知良選手です。

私は、この話しを聞いて、一瞬耳を疑いました。

もし、彼が最も活躍していた時代に、このフレーズが流行っていたら、言われていたはずです。

「カズは、持ってる」と。

誰もが、ここで、この試合で点を獲って欲しい。

その思いに応えてくれていたのが、カズさんでした。

彼の存在が、日本のサッカーを引き上げてくれ、新たなステージに導いてくれている。

当時、そう感じていました。

その活躍は、まさに「持ってる」と言う言葉が相応しい選手ではなかったか。







 本人も、自身のことを「スーパースター」だと自負しているようです。

兄である、三浦ヤスの自著で、触れています。

カズさん本人が、「スーパースター」だと認めている。

一度だけの活躍ではなく、歩んできた歴史そのもで評価される。

そんな「スーパースター」であると。








 それでも、カズさん自身は、「持ってる」と言う言葉を好きでない。

なぜか?

人生に偶然は無く、「持ってる」から成功するのではない。

運命や偶然ではなく、必然であり、努力の積み重ねである。

そう信じているから、「持ってる」「持っていない」で済ませたくないのでしょう。







 先シーズンの最終戦、大分トリニータ戦で、先発を飾り、ゴールも奪った。

夏の一番暑い時期に、ボールを受けてシュートする形を、繰り返しトレーニングした。

一年を通して、試合に出る準備をし続けた。

調整と思って臨んだトレーニングは無く、本番の公式戦のようにトレーニングに行っていた。

それが、最後に最高の90分間をもたらしてくれた。






 持ってる、持っていないではなく。

人生には偶然は無い。

全ては、必然である。

1998年のフランスワールドカップに行けなかったことも意味があり、偶然ではない。

自身に力が無かったからだ。






 
 ここまでの考えにたどり着くために、カズさんはどれだけの時間を積み重ねたのだろう。

そのスーパースターたる振る舞いを続けることは、どれほどの力を必要とするのでしょう。

若い時には、もっと鼻に付くようなことも、話していたのを憶えています。

25年間!プロとして戦い続ける中で、たどり着いた、現在の姿。

それを「持ってる」の一言で片付けるには失礼に感じる。

人生に偶然はない。

そう信じれれば、我々の心も救われませんか?



posted by プロコーチ at 23:11| Comment(1) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月22日

ボールタッチ数

 とある専門書を読んでいました。

その本を出された方は、現役のコーチです。

コーチとしてのキャリアを海外で積み、現地のトップライセンスも取得されています。

その一節に、素直には納得しづらい内容があったのです。

間違っているとは言えず、両手を挙げて賛成とも言えず・・・。

--------------------------------------------------------------------------------


 その本の監修されたコーチは、オランダでキャリアを積み重ねています。

1部リーグ所属チームの育成部門で、コーチを務めたようです。


最近は、日本に帰国されており、様々な雑誌などで記事を書いています。

物事を、論理的に書き進めているので、読みやすい文章です。





 彼の文章は、まさに理路整然と言う言葉がふさわしい。

おそらく、自らの頭の中を整理している。

自分の意見を、相手に伝える。

この作業を、常日頃からしているのでしょう。

その成果が、彼の原稿からはにじみ出ています。

私も、何年も前から、拝読しております。






--------------------------------------------------------------------------------


 冒頭に挙げた、気になる一節とは、次の部分です。

「オランダの考え方では、トレーニングでは、「タッチ数制限」のルールをあまり使わない」

「オランダの練習メニューでは、サッカーの要素を全て含んでいる、11対11から抽出される」

「実戦の中でタッチ数を制限されるような局面はありえるのか」

「たとえトラップを失敗しても、リカバリーすることが出来る」

「無理して2タッチで出すよりも、整えてから出したほうがいい局面もあるはず」

「タッチ数制限をすると、このような判断の要素を奪ってしまう」




 この考え方は、とても論理的です。

確かに、試合では、どれだけボールに触っても、構いません。

バスケットボールのように、ダブルドリブルや、トラベリングはありません。

試合のルールで規制されていないことを、トレーニングで規制してどうするのか?

試合で起こりえない状況を設定する意味など、ないではないか。

それが、オランダ式発想の根本なのでしょう。




 トレーニングの「場」を設定する。

この時の負荷に、ボールタッチ数は組み込まない。

それ以外の種類の負荷で、場をコントロールするのでしょう。

タッチ数を制限した中からは、メッシは出てこないとも本には書かれていました。







--------------------------------------------------------------------------------


 一方、ボールタッチ数を制限して、トレーニングを進める方法もあります。

1タッチのみ、2タッチ以下、3タッチ以下、2タッチのみ、3タッチ以上。

タッチ数を制限して、様々な環境を作り出そうとします。

もしくは選手に、あるプレーを発揮させようと、促すためにも。




 少ないタッチ数でボールを動かしていく。

試合中、ボール回しのテンポを上げていきたい。

そのために、セッションにおいて、タッチ数を制限させます。

パス&コントロールや、ポゼッション・突破のトレーニング、シュート。




 ボール保持者に対しては、あらかじめ次のアイデアを持ってもらいたい。

しかも、ボールを受ける前に。

ボールを持っていない選手には、どこに立つのか?

ポジショニングやアイデアの準備を意識し、プレーに関わり続けさせたい。

ボールが移動している間に、これらを選手自身が観て、考える習慣を身に付けさせたい。

ムリヤリでも身に付けさせるための負荷の1つとして、タッチ数を制限させる。

トレーニングの中で、損をさせることで、覚えさせる。

得をさせることで、獲得させる。






--------------------------------------------------------------------------------


 フットボールに「これ!」と言った正解はないはずです。

どちらの方法にも、メリットを感じています。

もしオランダ式が、絶対的な正解ならば、この世界はオランダのものになっているはず。

その反対ならば、考え方そのものが、滅びているはずです。

日本以外の国々でも、今のところはタッチ数制限は取り入れています。




 
 このタッチ数制限についての考え方は、私の中でまだ結論が出ていません。

メリット、デメリットを熟慮しなくてはならない。

選手に対して、必要か、必要で無いのかを、考え抜かないと。

現状、タッチ制限は、今後のメニューでも組み込んでいくでしょう。

その先は、さて?どうしたものか・・・。


 
posted by プロコーチ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月19日

4つの要素に8種類

 このトレーニングは、時間が長く感じられる。
ほんの数分しかしていないのに、10何分もプレーしていたかのように。
実際にプレーした選手から、この感想を多く口にします。
これは、心身ともに休まる瞬間がないためです。
動き続け、考え続け、プレーし続ける。



 ポイントになるのは、「観る」こと。
「観る」こと無しにプレーは始まらない。
そして、このトレーニングでは「観る」要素があまりも多いこと。
状況の変化が、あまりにも速い。
一度観ればOK、ではない。
1秒前までの現象が、今その瞬間には過去になっている。
このことも、疲労を感じる要因でしょう。


--------------------------------------------------------------------------------


 コーチが、どのようなトレーニングする場を設定するのか。
ゲームで起こる全ての負荷(プレッシャー)を、同時に掛けようとする。
その全ての負荷とは、フィジカル・テクニック・タクティクス・メンタルと表すことが出来る。
一つ一つをバラバラに取り組むのではなく、同時に。
この考え方が、ここ数ヶ月取り組んでいる、インテグラルトレーニングです。





 従来型のトレーニングだと、それぞれを別々に行う傾向にありました。
体力が足りないなら、走り込みをしよう。
キックに問題があるなら、二人が向かい合って対面で蹴りあおう。
ドリブルを身に付けるために、コーンの間をジグザグにすり抜けて行く。
分習法とも呼ばれ、いわゆるドリル形式のトレーニングです。






--------------------------------------------------------------------------------


 このトレーニング方式だと、選手もとっつきやすいはずです。
状況が整理されているからです。
ところが、試合は整理された分かりやすい状況は、ほとんど起こらない。
整理された状況でなら発揮できる技術に、何の意味があるのか?




 そうなると、もうひとつステップが必要になる。
ドリルで身に付けたものを、試合の状況にアジャストさせるためのトレーニングです。
ワンステップ追加が必要だとわかっていても、ドリル形式を取り入れるのか?
それとも、インテグラルトレーニングを採用するのか?
全ては、選手のステージ次第ということでしょうか。






--------------------------------------------------------------------------------


 どちらにのトレーニングにしても、選手に対する負荷を考えなくてはならない。
トレーニングを組み立てる時に、負荷のレベルをコントロールする。
これも、コーチの大切な大切な仕事です。
成功しすぎてもダメですし、全く出来ないことをさせても時間の浪費でしょう。




負荷には8つの種類があります。
・ボール
・相手DF
・チームメイト
・ルール
・ゴールの方向
・ストレス
・時間・スペース




 これらを調節しながら、トレーニングを組み立てる。
その調節は、トレーニングの途中でも、変更を迫られます。
その場で起きた現象を見逃さない。
成功・失敗をし過ぎてはいないか?
スペースを大きくしたり小さくしたり、DFを増やしたり減らしたり。
ルールを複雑にしたり、単純にしたり、フリーマンを付けたり外したり。
即興の調節方法は、コーチの腕の見せ所です。





--------------------------------------------------------------------------------



 インテグラルトレーニングを組み立てるには、様々なアイデアを出さなくてはなりません。
どのような設定をすれば、全ての負荷を同時に掛けることが出来るのか?
しかも、ゆっくりのトレーニングで、選手に余裕を持たせてはならない。
実際のゲームで起こるスピードに設定する必要がある。
心理的プレッシャーを掛け続ける中で、認知力・感知力を高めさせなくては!

 


 コーチである私も、惰性ではトレーニングを組み立てられない。
何しろ、自分にとって新しい発見でしたから。
ようやく、インテグラルトレーニングを行うにあたっての方向性を掴みかけた?!
取り組み、考え続けることで、おぼろげながらではありますが。
クリエイティブなコーチであるためには、やはり勉強し続けなくてはならないですね
posted by プロコーチ at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月10日

衝動買い

 コーチという職業柄もあり、サッカーショップには時折足を運びます。

スパイクや、ユニフォーム、最近ならベンチコートなどを物色します。

結局購入するのは、ストッキングやインナーなどの消耗品だったりするのですが。




 先日、新聞の折り込みチラシに、スポーツショップの広告がありました。

地図で観ると、車で十数分の距離。

何かに誘われるように、ショップに向かいました。

フロアは大きく、たくさんの種目のスポーツアイテムを扱う、総合スポーツショップです。

そこは、今時懐かしい感じのする、地域に根付いたスポーツ店でした。

何だか楽しい気分になり、店内を歩き回りました。

これが欲しい!

目に飛び込んできたのは、フットボール以外の種目の商品でした。

--------------------------------------------------------------------------------


 それは、野球売り場で見つけました。

「トスマシーン」

スイッチを入れると、自動でボールが1〜1.5M飛び出してきます。

セットになっているのは、軟らかいウレタン製のボール。

室内で用いても大丈夫、とのフレコミです。




 これを見て、あるアイデアが浮かんできたのです。

「1人で基礎練(基本)が出来るのでは?!」

ボールの材質や、マシーンの形状などを確認すると、即決しました。

値段を、後から確認するくらい、品物にほれ込んでしまったのです。

家に帰って、箱から出すと、トスマシーン本体は、簡単に組み立てることが出来ました。




 実は、付属のネットも付いているのですが、これはイマイチでした。

セットで使うと、とても便利なのですが、何しろ大き過ぎるのです。

横1M×高さ2M。

豪邸住まいでもなく、そのままでは邪魔になってしまいます。

組み立ても出来るのですが、数十分も掛かってしまう。

このネットは、押入れ行きになりそうです・・・。







--------------------------------------------------------------------------------


 基礎練(基本)は、広く世の中で、繰り返し行われているトレーニングです。

これを全くしないチームは、あるのでしょうか?

対面で向かい合い、ボールサーバーとプレーヤーに分かれます。

サーバーから配球してもらったボールを、プレーヤーが返して行きます。

ゆっくりとステップを踏みながら、ボレー、トラップしてからボレー、ヘディングなど。

相手の胸を目掛けてボールをリターン、また出してもらっての繰り返しです。
 



 短時間で効率的に、少ないスペースでトレーニングが出来ます。

体育館でも、外でも、場所を選びません。

そして、何といっても再現性が高く、繰り返しボールに触れることが出来る。

ある部分の技術の習得、確認には適しています。






--------------------------------------------------------------------------------


 また、試合前のW−UPの定番メニューでもあります。

ワールドカップなどの国際試合でも、しばしば行われているのを目にしました。

トップ選手といえども、技術の確認は必要不可欠。

だからこそ、限られた時間を割いても、この基礎練を試合前に取り入れるのでしょう。





 ドイツワールドカップでのメキシコ代表の基礎練が、記憶に残っています。

彼らは、あまり身長に恵まれていません。

高い選手ももちろん活躍していますが、170センチそこそこの選手もたくさんいます。

ハイボールの処理で、後手に回りたくない。

その気持ちを、基礎練から強く感じました。

ボレー、トラップはもちろん、ヘディングを重視していました。

スタンディング、ジャンプ、下がりながらジャンプヘッド。

ヘディングでも、相手に負けない!

コーチが、意識付けをさせたかったのではないでしょうか。




 さらには、数年前のクラブワールドカップの光景も思い出されます。

南米代表のインテルナショナウ(ブラジル)に、注目される若手選手がいました。

テレビで取り上げられていたので、私もスタンドから注目して観ていました。

10代で顔つきもあどけなく、身体もきゃしゃな、もじゃもじゃ頭のアタッカーです。

彼の基礎練は、美しい。

ボールが身体に吸い付くような、優しいトラップ。

特に、胸トラップからのボレーは、絶品。

ボールの勢いを、すーっと吸収してしまいます。

他の数多くのブラジル人選手と比べても、際立っているのです。

基礎練だけで違いを出していた彼。

彼は試合中に肩でリフティングしながら、タッチライン際を走っていました。

そう、今やACミランでエース格となった、アレッシャンドレ・パト選手です。






--------------------------------------------------------------------------------


 ここ最近、基礎練に疑問が投げ掛けれています。

「あまりに試合の状況とかけ離れている。」

「試合で出て来ない状況を、繰り返すことに何の意味があるのか?」

基礎練は、明確すぎて、リアリティがない!

反対する意見は、以上が代表されるものです。




 私は、工夫次第だと考えています。

毎回、全員が、決まったメニューをするのは、確かに疑問があります。

選手それぞれ、得手・不得手は違いますから。





 では、個人が、空いた時間を利用して、自主トレで行うのはどうでしょうか?

さらに、各選手が、自分に必要なものをピックアップして行えると、さらに効果的です。

繰り返し反復しないと、身に付かない技術や習慣はたくさんあります。




 実際私は、左足のプレーが苦手でした。

今でも、誇れるレベルではありません。

左足は、軸足専用のようなものでした。

最低限、左足に来たボールを、クリアだけでも出来るようにしよう。

壁打ちと、基礎練の反復に取り組みました。

そのおかげで、試合で少しは左足を用いるようになれたのです。






--------------------------------------------------------------------------------


 自分自身がピックアップした課題を、挙げてみます。

ステップを踏んでから、ボレー・トラップなどのプレーに入る流れ。

前後や、左右に大きく速く動いてから、ボールをコントロールする。

飛んで来るボールから一度目を切って、ボールをコントロールする。

ボールを間接視野で捉える。(直接視野で他の情報を入手)

小さいボールの中心を意識して、正確にボールを扱う。





 そして、右足が出来たら、左足はどうか。

正面が出来たら、横からのボールは?

止まって出来たら、走りながらなら?





 何年フットボールをしていても、課題は山積みです。

トスマシーンの活用が、少しでも解消の助けになれば良いのですが。
posted by プロコーチ at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月27日

試合を想定して

 選手を改善、向上させるために、コーチは何が出来るのか?

実際にプレーをするのは、選手です。

いくらコーチがフットボールを熟知していたとしても、実際にプレーすることは出来ない。

どんな働きかけが出来るのか?

どんな環境を与えることが出来るのか?



--------------------------------------------------------------------------------


 先日、トレーニングで、こんなメニューをしました。

サイドに開いた選手に、中央のコーチからパスが配球される。

開いた選手は、横からのパスを受けて、ボールコントロール。

そして、縦パスをレシーバーに通す。

DFは1人しか付かず、しかも少し離れた場所からスタートさせる。




 ボールコントロールさえ間違えなければ、まず成功する程度の負荷です。

何度か、繰り返していくうちに、成功率が上がってきました。

ボールの移動中に、DFのアプローチを観始めた。

相手の位置を観て、決断を下すことが出来始めたのです。

簡単すぎるかもしれませんが、このグループはフットボールを始めて日が浅いのです。

選手は、DFが前に立つだけで、過度のプレッシャーを感じるほどです。

ですから、寄せてくるDFを観て、コントロール出来た!のは、大きな進歩なのです。



 
 実は、このトレーニングには、1つ工夫をしていました。

縦方向に、ゴールを置いておいたのです。

相手を観てのボールコントロール、そして縦パスを通すのが、メニューの目的でした。

ゴールは、直接、必要とはしていないのです。

それでも、意味があって、わざわざゴールを設定しました。





--------------------------------------------------------------------------------


 トレーニングが、選手を改善・向上させるための主たる方法になります。

質の高いトレーニングの積み重ねこそが、選手を導いてくれるはず。




 コーチは考えなければならない。

目の前の選手たちに、どんなトレーニングが必要なのかを。

同じトレーニングをし続けていても、選手の成長には限りがあるでしょう。

だから、選手を観ることから、全てが始まるはずです。




 フットボールには、ありとあらゆる無数の状況が起こりうる。

選手たちに不足している部分、身に付けさせたい部分を切り取って、メニューを考案する。

もちろん、全く同じ状況は起こらないでしょう。

しかしながら、試合を分析し、一部分を切り取る。

そして、必要な部分を読み取って、トレーニングメニューを組み立てる。






--------------------------------------------------------------------------------


 メニューを考える時には、たくさんのことを考慮に入れるようにしています。

ピッチのサイズ・種類、用具、天候などの環境要因。

待ち時間が出来るだけ起こらないようにするためには?

選手のレベルと、トレーニングのレベルのマッチングは?

考え始めると、際限がありません。
 



 その中でも、強く意識していることがあります。

「試合をいかにイメージしながら、トレーニングを行うことが出来るかどうか?」

トレーニングに、いかにリアリティを持たせることが出来るのかどうか?

このように言いかえることもできるのかもしれません。







--------------------------------------------------------------------------------


 最もリアリティのあるトレーニングは、試合です。

クラマーさんが、「試合は最良の師である」と言葉を残しています。

ただし、最良の師であるはずの試合にも、欠点がいくつかあります。




 チームによっては、試合をする人数を揃えれない、グラウンドを用意できないでしょう。

また、再現性、連続性の観点から言っても、少なくなってしまいます。

仮に、浮き球のボールコントロールを課題にしているとします。

1試合に、何回そんなシーンが出てくるでしょうか?

ポジション、試合の展開によって、かなりむらがありますよね。



 だからこそ、その状況をコーチが「切り取る」必要があるのです。

ある状況を切り取って、トレーニングメニューを組むことで、繰り返し再現されるでしょう。

数分で、何十回もボールコントロールのトレーニングをすることが出来るはずです。

課題も、明確に(Clarity)なりますよね。




 注意すべき点は、場面を切り取ることの弊害です。

明確になるのですが、リアリティが無くなってしまう。

ゲームの状況をイメージしづらい点です。

向かい合ってパス交換する絵(対面パス)思い浮かべてください。

ここから、試合をイメージすることは、難しいでしょう。

再現性は、抜群なのですが・・・。




 リアリティを失っても、反復させるのか?

それとも、再現性・連続性が低くても、リアリティを追求するのか?

どうにかして、同時に達成する方法は無いのか?

私の、毎日の悩みの1つでもあります。






--------------------------------------------------------------------------------


 最初に紹介した、トレーニングメニューがあります。

ここで、ゴールを設定した理由を、分かっていただけましたよね。

単調に、数をこなすことだけが目的にすり替わってしまうのを避けるためでした。





「試合を想定するように!」選手に言うだけではなく。

トレーニングしながら、試合の状況を少しでもイメージしやすいように。

そのために、ゴールを設定をしたのです。





 さて、選手の頭に、心に、どれだけ響いたのか?

また、観察しなくてはなりません。
posted by プロコーチ at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月17日

壁との協力

 味方陣地深い位置からのフリーキックは、失点の危険が高まります。

相手に、いいキッカーがいれば、その危険性は、ますます高まってしまう。

どうすれば、失点のリスクを、少しでも抑えることが出来るのか?

GKとDFとが、いい準備をすばやく終わらせておくことが、肝だといえます。

--------------------------------------------------------------------------------


 深い位置まで侵入されてのフリーキックは、守備陣の脅威となる。

チームのレベルが上がれば、必ずすごい精度を持ったスペシャルキッカーがいるでしょう。

頭で合わせるようなボールに、飛び込んで決める選手を、何人も抱えているでしょう。

さらには、ボールが進化して、守備側は手に負えない。



 前日本代表のジーコ監督は、「脅威となりうる場所ではファールをしないように」

そもそも、FKを与えて困る場所では、反則をしてはならない。

繰り返し、この指示を出していました。

ジーコは現役当時、魔法のようなキックで、何度も得点・アシストを決めていましたよね。

それだけに、FKの怖さを知っているのです。





--------------------------------------------------------------------------------



 それでも、守備側としても指をくわえて見ている訳には行かない。

最善の準備をして、相手の脅威を跳ね返さなくては!

GKとDFとが、いい準備をしなくてはならない。



 ポイントとなるのは、壁の作り方です。

何のために、壁を立たせるのか?

GKが取れない、反応が難しい場所へのシュートを防ぐためです。

それは、ゴールに近い、二アサイドへの低くて速いボールを許さない。

そのために、壁を立たせるのです。





--------------------------------------------------------------------------------


 
 だから、壁が崩れてはならない。

壁になった選手が、ボールにプレッシャーを掛けに行くシーンを目にします。

特に、チョンと、相手が横にボールを出してきたら、行きたくなります。



 壁の中から、飛び出すとどうなるでしょう。

これでは、壁が崩れてしまってます。

崩れた壁の間を、パスやシュートを通されると、GKは反応できません。

ボールにプレッシャーを掛けたいなら、それ専用の選手を別に用意すべき。

もちろん、早くに飛び出してしまうと、警告の対象になってしまいますが・・・。

行きたくなっても、壁役は壁のままで我慢しているほうが、守りやすいはずです。





--------------------------------------------------------------------------------


 いい壁を作る(ゾーンマーキング)。

飛び込んでくる選手をマークする。

そして、プレッシャーを掛ける選手を配置する。

この動作、素早く、的確にしなくてはならない。

ちんたらしていると、クイックリスタートにやられてしまうこともありますからね。

声を掛け合いながら、準備を終わらせ、相手を待ち構える。

 

 ここまでが出来れば、後はGKがいかにセーブするか?!

DFがいかに跳ね返すか?!

守備陣の能力の見せ所、見せ場です。

収集しているデータから、プレーのパターンをイメージしておければ、さらに良いですよね。





--------------------------------------------------------------------------------


 このいい準備が出来なかったために、FKで失点してしまう。

それもトップトップのゲームで、そのシーンが1試合に2度もありました。

UEFAチャンピオンズリーグのベスト8の2NDレグ、チェルシー対リバプール戦での失点シーン。


 一つ目は、チェルシー守備陣のミスです。

ゴールまで約35M、角度がついた右サイドからのFKです。

ニアに、低くて、速いシュートを決められてしまった。



 守備陣は、ゴール前にボールを合わせてくると、決め付けてしまっていたようです。

その前に、同じような場所から、中に合わせてきたので、余計にイメージが強かった?!

前半10分の時は、質の高いボールで、リバプール側は、中に合わせる選択をしました。



 ところが、前半18分のシーンでは、同じような場所から、直接狙っていきました。

すると、キックの瞬間、一人で作っていた壁の選手が、ゴールを空けてしまった。

しかも、GKの名手ツェフも、ゴール前を意識したポジションをとっていた。

さらに、一瞬、ゴール前のスペースに対して、ステップを踏んでしまった。

 

 その結果、ニアへの速いボールに対する反応が遅れてしまったのです。

普通なら、難なく守りきったでしょう。

ところが、壁もいなければ、GKもいない。

そこを狙った、そしてきっちり決めた、攻撃側は賞賛に値します。

アイデアも素晴らしいですよね。



 それにしても、チェルシーにしてみれば、悔いが残る失点であることは間違いない。

あのゴールで、次のステージへの進出を逃していたら、悔やんでも悔やみきれない。

おそらく、反省会が開かれているでしょうね。





--------------------------------------------------------------------------------


 もう1つは、リバプール守備陣のミスです。

後半56分に、ゴールのほぼ正面でのフリーキックを与えてしまった。

蹴ったのは、チェルシーのアレックス選手です。

距離は、およそ25Mで、充分に狙える距離でした。

矢のような、鋭く強烈なシュートを、突き刺したのです。



 後半55分でも同じような場所からのFKがありました。

この時のリバプール守備陣は、良い準備をして臨みました。

結果は、ドログバ選手のキックがわずかにそれて、事なきを得ました。

良い準備をされると、攻撃側からしてみれば、少なからずプレッシャーを受ける。

穴が小さければ、求められる技術も高まってしまいますよね。


 
 この失点の時には、壁を作るのに手間取ってしまいました。

と言うよりも、DF陣は、壁を素早く作ったのです。

その壁に、邪魔をしょうと、チェルシーの選手が入ってきたのです。

GKのレイナ選手は、壁から相手選手を押し出す指示を与えていました。

観ていると、バタバタしている印象がありました。

 

 レイナ選手は、少しポジションをずらして、壁の出来具合を確認に行きます。

正しい、ポジションに戻るか戻らないかの瞬間に、シュートを打たれてしまった。

GKとしてみたら、自分のリズムでシュートを待つことが出来なかった。 


 このシュートも素晴らしいものなのです。

ただし、このシュートもまた、悔いが残るでしょうね。

充分に待ち構えて、想像や反応を超えられたのなら、気持ちも切り替えられる。

バタバタした状態で、シュートを打たれたのでは、相当悔しいでしょう。





--------------------------------------------------------------------------------


 セットプレーが、ゴールの約3割を占めている。

大舞台になれば、その傾向は顕著です。

攻守共に、トレーニングを積んでおく必要があります。

心理的な駆け引きが起こる、ゴール近辺でのセットプレー。

準備を怠っていては、それどころではありませんよね。



 チャンピオンズリーグのセミファイナルを争うチームが、トレーニングを積んでいない。

そんなことは、有り得ない。

充分と思われる、トレーニングを繰り返して、試合に臨んだはずです。

その彼らでさえ、初歩的とも思えるミスを犯してしまうのですから。


 
 セットプレーが武器となるのか?

それとも、失点の原因としてしまうのか?

今回の二つのシーンは、いい教材でしょう。

これを他山の石として、さらにいい準備を。
posted by プロコーチ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月31日

試合で使える技術のために。

 ワールドカップアジア最終予選も半分が終わりました。

先日の、対バーレン戦では何とか勝ち点3を獲得できました。

これで、本大会出場が、かなり現実のものになって、見えてきました。



 ただし、前回のオーストラリア戦と同じ課題が、浮かんできました。

攻めてる割に、シュートが少ない。

特に、引いた相手を崩すためには、ミドルシュートが必要だ。

そんな論調になっていますよね。

もっと、トライして欲しいのです。



--------------------------------------------------------------------------------


 引いた相手を崩すには、ミドルシュートも重要な手段だ。

そんなことは、フットボールの常識中の常識とされていること。

プレーしている彼らが、知らないわけはありません。

それなのに、なぜ?!日本代表はミドルシュートを打たないのか?



 グループとして、チームとして、戦術的な行動もいくらかは必要だとは思います。

例えば、シュートコースをブロックして作る。

少ないタッチでパスを回して、相手を意図的に押し込んでいく。

そして、さらには、打ちやすいボールをどこに落とすのか。



 こういったミドルシュートを打ちやすい場面を作ってあげるのは、戦術的な取り組みとして考えられます。

それよりも、今の代表チームに足りないのは、個人の資質の部分なのではないでしょうか。





--------------------------------------------------------------------------------



 個人が、ミドルシュートを決めるために、何が必要なのでしょう。

まずは、技術的な側面が考えられます。

GKが届かない場所に、押さえの利いたシュートを打つ能力。

キックのパワーと、精度を高める。



 ただし彼らは、もちろんプロ選手。

しかも一国の代表選手ですから、そこは問題ないはずです。

30M先だろうが、40M先だろうが、フリーならばかなりのレベルでのキックは可能でしょう。

ただ距離を稼ぐだけでいいなら、プロなら70Mは届くでしょうから。



 せいぜい、少ないステップで、コントロールからシュートまでを速くする。

低く、ふかさない弾道でシュートを打つことくらいでしょうか。






--------------------------------------------------------------------------------



 もう1つ、求められるのが、気持ちの側面です。

「シュートを自分で決めてやる!」

誰かに決めてもらうのではなく、自分が決めると言う強い意思を発揮すること。

こちらの側面に、明らかな足らずを感じてしまいます。



 我々日本人は、ムラ社会で育ったせいか、目立つことやミスを恐れがちです。

「外したらどうしよう」

「シュートを選択して、(俺になんで出さない!?)と言われたらどうしよう」

マイナスのことが知らず、知らず思い浮かべるのでしょうかね。



 そこまでマイナスに思い浮かべなくても、こんなセリフを耳にします。

「パスコースが見えたから…」

この現象は、指導の現場では、本当に多いのです。



「ここで決めたら、ヒーローになれる。」

「今この瞬間、たくさんの人間が自分を見てる、決めたらかっこいいだろう」

「シュートなんて、外れて当たり前、言いたいやつには言わせておく」

強気で積極的な考えを持てる人間は、まだまだ多数派ではないでしょう。

シュートを決める人間は、エゴイストであってもいいのに。

味方を思いやれる、味方の気持ちを汲めるけど、その瞬間にはエゴイストになれれば、グッドですよね。






--------------------------------------------------------------------------------



 この強気で、積極的な考えを助けるものがあります。

それは、そのプレーに対して、いいイメージを持っておくこと。

分かりやすいのは、成功体験を得ることでしょう。

そうすれば、選択肢の中に、高い優先度を持って表れてくるのです。



 始めは偶然かもしれない。

それでも、一度決まれば自信になる。

この距離なら、打てば、入るのでは?

そうなれば、ミドルシュートが選択肢の一つになり得る。

この「始めの1回」さえ出れば、後は繰り返すだけでいいのです。






--------------------------------------------------------------------------------



 「まず最初の1回を出してあげる、その手助けをする」

これは、コーチの大きな大きな仕事だと考えています。


 そのためには、トレーニングメニューでの工夫があります。

今回であれば、ミドルシュートが効果的になる、ゴールの意識を強くせざるを得ない。

そんな場の設定をしてあげる。



 そのトレーニングでは、コーチングでの働きかけが武器になります。

その場面が出てくれば、大げさに褒めるのもいいでしょう。

シュートを選択しないのならば、一度流れを止めてしまうのも大切でしょう。



 ミーティングを活用するのもいいですよね。

選手の考えを聞く。

コーチが、自分の思いを伝える。

そこでは、キーとなる場面がたくさん出て来る、映像を見せるのも効果的です。





--------------------------------------------------------------------------------



 これらの取り組みを、繰り返し、繰り返し行なっていく。

徐々に成果は出てきます。

ただし、試合で使えるかどうか?となると、時間が掛かります。

DFがいない場面では出来ても、実戦形式だと難しい。

トレーニングでは出来ても、試合となると厳しい。

紅白戦では出来ても、対外試合だと及び腰になる。

そう、なかなか、最初の一回が出てこないのです。

オープンスキルを獲得できないのです。

 

 始めの一回が出るまでは、かなりの時間を要するでしょう。

それでも、あきらめる訳にはいかない。

トレーニングを数回行なったから、出来るはず。

そんな勘違いを起こしてもならない。

試合で、最初の1回が出る、その瞬間までは。

選手とコーチとが手を取り合って、取り組み続ける必要があります。






--------------------------------------------------------------------------------



 本当に、チームとしてそのプレーが大切だとするならば、ここまでの指導をするでしょう。

代表チームではなく、所属しているチームなら、当たり前の指導ですから。

ただし、時間がそれほど無い代表チームで、取り組めているのかは分かりません。


 ワンプレーに、そこまで時間を割けることができないのでしょうか。

今の段階では、まだ難しいのでしょうかね。

メンバーが固定されてきた。

お互いのコミュニケーションが充分に取れている。

チームとしてのコンセプトが、徹底されてきている。

そこまでチームが熟成して行って、ようやく取り組める内容と考えているかもしれません。






--------------------------------------------------------------------------------



 次の2つのプレーは、重要だと私は思っています。

・タイミングよくゴール前に人数を掛けること。

・ミドルシュートを武器にすること。

今の日本代表のスタイルを突き詰めるならば、必須でしょう。



 オープンプレーでのゴールを増やしていかないと、チームとして行き詰る時がやって来ます。

日本代表チームにとっての、優先度の高いプレーには、ならないのでしょうか?

予選突破が見えてきたのなら、次に目指すは本大会での活躍でしょう。

現状のままで、いいのでしょうか?

新たなトライをしなければ、何も生まれないはずですよね
posted by プロコーチ at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月06日

当代一のクラッキはどのように育ったか。

 遠藤選手も、ロナウジーニョ選手も、驚くほど似た環境で育った。
その環境さえ作ることが出来れば、第二の遠藤、ロナウジーニョを!?

--------------------------------------------------------------------------------

 フットボールの世界には、たくさんスターと呼ばれる選手がいます。
その中でも、クラッキ(名手)と呼ぶにふさわしい選手は、限られてくる。
ただ巧いだけでも、有名なだけでも、名前に負けてしまう。
試合に、大きな影響を変えてしまう。
存在だけでも、相手を畏怖させてしまう。
クラッキとは、そんな選手ですからね。

 彼ら二人なら、クラッキと呼ぶにふさわしいでしょう。
ACミラン所属ロナウジーニョ選手は文句の無いところ。
2回も、世界一の栄誉を受けています。
何よりも、ボールを持った時の創造性は圧倒的ですよね。

 もう一人は、ガンバ大阪所属の遠藤保仁選手です。
まだ、アジアの中でのローカルスターに止まるのが、残念ですよね。
昨年のアジアNO,1選手に選ばれました。
ACL、クラブワールドカップでも、活躍しましたよね。
2010年では、遅まきながらの世界デビューでしょうかね。

--------------------------------------------------------------------------------

 彼ら二人の育った過程を比べると、驚くほどに共通点があったのです。


・技術(ボールコントロール)の習得に重きをおいたこと。
 
二人とも、他の選手のビデオをや実際のプレーを観て研究。
まねをすることで、自分の引き出しを増やしていったようです。
それは、少年のころから、「おたく」のように没頭していくのです。
じっくり観ることで、明確なイメージを作る。
そして、それを実践していき、技術の引き出しを増やしていったのでしょう。


・スモールサイドゲームをしていたこと

ロナウジーニョが、フットサルをして、テクニックや動きを学んだ。
これは、彼自身が断言していることです。
遠藤は、兄弟3人と仲間とで、3対2のミニゲームをしていたようです。
しかも、ほぼ毎朝のように。
「ここで、サッカーのセンスを吸収して言った」と語っています。
小さいスペースでのキープや、判断力などはここで身につけたのでしょう。


・プロ選手の兄を持つ。

遠藤の二人の兄は、いずれも有名。
長男はプロにはなっていないのですが、高校時代はカ鹿児島のスター。
今の時代なら、絶対にトッププロの実力だったそうです。
次男は、マリノスやヴィッセルなどで活躍したので有名ですよね。
ロナウジーニョの兄もブラジルの名門グレミオでプレーしたプロ選手です。
コンサドーレでもプレーしたようです。
生まれた時から、最高のお手本が間近にいるのです。
そこから受ける刺激たるや、うらやましい限りです。


・フィジカル重視のユース年代を過ごした
ロナウジーニョの育った、リオ・グランデ・スル州などの南部地域。
このエリアは、守備も重視する、激しいプレースタイルだそうです。
カウボーイが多くいた歴史もあり、ブラジルでは珍しく身体のぶつかり合いが求められる。
遠藤の育った、鹿児島実業高校サッカー部も、同じようなスタイルですよね。
走る、蹴る、ぶつかり合う。
あのチームが、走り負けたり、フィジカルコンタクトで後手に回るのは想像つきにくい。
それほど、鍛え上げるチームですよね。
ここで、彼ら二人は、テクニックとフィジカルとが巧くミックスされたのでしょう。
どちらかだけに偏らせること無く、良さを奪ってしまうのでもなく。
ユース時代の指導者は、相当苦心したと、想像がつきますよね。


--------------------------------------------------------------------------------

 環境が、人を育てるとは言いますが、二人は奇跡的な幸運に恵まれたのかもしれません。
ここまでの環境は、望んでも得られるものではないでしょうから。
それでは、環境さえ作ることが出来れば、第二の遠藤、ロナウジーニョを!?

 環境がいいだけでは、ここまでのレベルには到達できなかったはずです。
たくさんの壁にもぶつかったでしょう。
それを乗り越えてきたからこそ、我々を魅了する、現在のプレーがある。

 二人共に、その環境で、熱く真剣にフットボールに取り組んだ。
フットボールが好き!この気持ちを常に抱きながら。

posted by プロコーチ at 23:33| Comment(1) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月11日

いつ成果が現れるのか?

プレーヤーとしての能力を向上させるために必要なこと。

「試合は最良の師」
…デッドマール・クラマー

「M−T−Mメソッド」
(試合をして、足りない部分を見つける。…M
 →トレーニングをしてそれを改善させる。…T
 →さらに試合を行い、試してみる。…M
この繰り返しが、重要である。

「フットボールは、フットボールをすることでのみ上達する」
…JFAで最近盛んに発信している言葉です。
(フットボールは、フットボールをトレーニングすることでのみ上達する)
…トレーニングを挟んで表現する場合もあるようです。


 
 では、どれだけトレーニングをすれば上達するのか?
どれだけ試合を重ねれば、上達するのか?

 今、自分がピッチや、コートの上で表現できていることは、過去の成果です。
真剣に取り組んだ成果が、ようやく現れているのですよね。

 「三年先の稽古」
相撲界に古くから伝わる、格言だそうです。
朝青龍がここ2年ほど、低迷している。
入幕したての、2001年くらいには死ぬ気で稽古に取り組んだのでしょう。
その結果が、2003年から2006年の化け物じみた強さにつながった。

 ピンチに気づいた時には、遅いでしょう。
あわててトレーニングしても、すぐには成果は出るものではない。
だからこそ、今のために、3年先のためにトレーニングを続けなければならない。
そのたるんだ身体は、数年間のサボりが作り上げてしまったもの。

 
 いつ成果が現れるのか?
そう、3年先を信じて、トレーニング!
posted by プロコーチ at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする