2008年12月02日

鬼ごっこの効果

 フットボールのトレーニングに、鬼ごっこを取り入れています。
導入して、8年以上になります。
ウォーミングアップに行なうことが多いですよね。
単純なルールで、心身共に燃えることが出来る。
アップメニューには向いているのです。

 対人プレーの繰り返し。
これが、鬼ごっこを構成する大きな要素。
「目の前の選手に負けたくない!」
そんな対抗心が、熱くなってくる要因ですよね。

 ただ、あきらめてしまう選手が意外と多いのです。
逃げられて、追いかけれない。
追い込まれて、逃げることをあきらめる。

 これでは、鬼ごっこをしている意味が半減してしまう。
そういうギリギリの状況を何度も生み出す。
コーチとしては、そのために大きさや人数などのルールを設定しているのに。


 そういった、捕まえれるか、逃げれるか、ギリギリの状況。
そこで、個人技術と、個人戦術とが求められる。

 まずは、個人技術。
前後左右のステップワーク、上体や目のフェイント。
さらには、急激なスピードの変化を伴う方向転換。 
全身を自分の思うようにコントロールする能力ですよね。
案外、自分の身体を思ったように動かすのは難しいものです。
慣性の法則、重力を考えれば、当たり前なのですが。

 そして、個人戦術。
どちらに逃げればいいのか?
もしくは、どちらに追いかければいいのか?
そこで必要になるのが、相手の意図を見抜くということ。
その意図の逆を、そのまた逆を狙う。
流行り言葉で言うと、「駆け引き」です。


 鬼ごっこ。 
ボールを足で持たずに行なうことも多々あります。
つまり、試合の状況とは、似ているけども異なっている。
そんな矛盾は、常に考えておかなければならない。

機敏な動きに、駆け引き。
その融合をするためのトレーニングの1つ。
子供時代に、自然に身につけたプレーヤーもいます。
残念ながら、昔に比べると、今の子供は、あまり鬼ごっこをしていないようです。


 鬼ごっこの奥は深い。
個人の部分に留まらないのです。

 守備の組織化を促すために、メインのトレーニングとして行なうこともあります。 
さらには、グループ攻撃の導入部分としても効果的でしょう。

 そうなると、ルールが複雑になってきます。
ルールを把握するだけで精一杯のプレーヤーも出てきたりしますよね。

 そこを乗り越えれば、観える世界が変わってきます。
「局面でどう頑張るのか?!」
これは、個人技術・戦術の部分ですよね。
「大局的にどうなっているのか?」
試合の流れをつかむことが出来る。
展開を鳥の目で見ることが出来る。

 鬼ごっこが上手な選手が、フットボールで活躍できる保証は無い。
その逆の保証もありません。
鬼ごっこで獲得できる、要素。
グッドプレーヤーになる、幾つかの武器であることは保証しますよ。


posted by プロコーチ at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月11日

もしかして特殊な考え方?

 メディアで、フットボールが取り上げられる回数は、野球、相撲に次いだあたりでしょうか。
ワールドカップ前後に比べると、残念ながら減少しています。
それでも、新聞や雑誌、テレビで全く目にしない日はありませんよね。

 各メディアの取り上げ方。
これが、世論に大きく影響を及ぼします。
あの有名人が・・・と言っているから。
元選手の〜〜が、解説の〜〜さんが・・・。
それがそのまま、世の中の価値観になってしまう。
全てがそうだとは言いませんが、多大なる影響はあるはずですよね。


 先日、深夜のスポーツ番組を観ていました。
内容は、横浜Fマリノスの中澤選手。
日本代表の守りの中核を成す、日本でもトップレベルのディフェンダーです。
海外に通用する、数少ない選手。

 そんな彼のすごさを特集するコーナーでした。
テーマは「つなぐ守備」
しっかりとボールを止めて、次の攻撃につながる守備だそうです。

 ワールドカップ最終予選のウズベキスタン戦。
DFラインの裏にボールが出ました。
相手FWと競り合いながらも、ボールを奪った中澤選手。
そのまま、ボールを蹴りだしてクリアに逃げませんでした。
相手のプレッシャーもあり、厳しい体勢にもかかわらず、味方につなげたのです。

 このプレーは、ディフェンダーのお手本になる、素晴らしいプレーです。
「ぎりぎりの場面でも、点を取りたい時には、味方につなぐ」

 私が気になったのは、そのプレーを賞賛していたことです。
中澤選手が、経験を積んだからこそ、このつなぐプレーが出来た。
普通のディフェンダーは、こういったプレーが出来ない。
そうとさえ受け取れる番組内容なのです。

 中澤選手は、こうも語っていました
「勝っていたら、クリアでもOK」


 ディフェンダーのプレーの選択肢を決定するときには、次のような基準があるようです。
「セーフティーファースト」
少しでもリスクを犯すぐらいなら、ボールを蹴っ飛ばしておけばいい。
奪ったボールをつないで奪われるぐらいなら、クリアすればいいのではないか。

 であれば、ボールの奪い方も変わってきます。
つなぐ守備なら、身体をしっかり相手との間に入れてボールを奪う。
蹴り飛ばす守備なら、足先でボールを外に出すだけでOK。
つなぐ守備なら、味方の位置を予め確認しておいて、そこに向けてクリア(パス)をする。
蹴り飛ばす守備なら、とりあえず外などのアウエイに、クリアをする。


 こういったプレーは、日本代表のトップレベルで無いと出来ない方法なのでしょうか?!
日本のトップトップの選手にしかたどり着けない境地なのでしょうか。
中澤選手を賞賛するのはいいのですが、本当にそう考えているのでしょうか。

 欧州や南米のリーグ戦、さらにはユーロにワールドカップにチャンピオンズリーグ。
今や、ボールを簡単にクリアしないのは常識となっています。
1試合に数回くらいしか、蹴っ飛ばすようなクリアをするシーンは無いのではないでしょうか。
一生を左右するようなタイトルの試合でも同じです。

 トップレベルになればなるほど、一度ボールを相手に保持されると、取り返すのが難しい。
ボールを奪えるチャンスならば、簡単にクリアしない。
私も、何度もここで取り上げている鉄則です。

 つなぐ守備。
トレーニングマッチで、簡単に取り組むことが出来るはずです。
「クリア禁止」という、ローカルルールを採用するだけでいいのです。
相手CK・FKのクロスボールでさえ、クリアをしてはならない。
ボールの出し手も、受け手もものすごく頭を使って、プレーを始めます。
ポジショニングにも、工夫をしだすでしょう。
そうでなければ、上手くいきませんからね。

 サッカーを始めて、数年のプレーヤーでも、このルールで試合に臨んでいます。
ものすごく苦心していますが、試合にならない訳ではありません。
つなぐ守備=守備の常識。
この考え方は、トッププレーヤーだけに許される、特殊な守備なのでしょうか・・・。
posted by プロコーチ at 18:14| Comment(1) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月24日

シュート(2人のDFと相対して)

 何を考えますか?
前を向いて、ペナルティエリアに侵入。
角度は約30度。
ただし、DFが目の前に1枚。
遅れて、さらにもう1枚がカバーリングに入ってきている。

 もちろん、いかにしてゴールを目指すのか?
まずは、自分の力でやり切る。
誰かの助けを借りて、味方のサポートを待って・・・。
こんなプレーはその次の選択肢。
シュートを打つためにはどうすればいいのか?

 この強いメンタルが、一番の武器ですよね。
この武器を持って初めて、技術を正当に発揮するチャンスが生まれる。

 ACLの準決勝、浦和レッズ対ガンバ大阪。
ここでの高原選手。
身体がキレてましたよね。
他の選手が、もう少し上手く絡むことが出来れば!?

 そんな彼が、ゴール前・右30度でチャンスを迎えました。
前を向いて、パワーを持ってペナルティエリアに侵入。
シュートを打ち、ゴールを獲得することこそ、自分の使命。
ドイツでそんな強いメンタルを育んだ、高原選手。
迷い無く、相手DFに向かって仕掛けていきました。

 右斜め前にボールを大きめに出しました。
そのまま、右足でシュート!と見せかけて、鋭い切り返し。
キックフェイントから、右足のインサイドで、左側にボールを切り返す。
体勢を立て直して、すかさず左足でシュート。
残念ながら、カバーリングに入っていた、二人目のDFにブロックされてしまいました。

 とは言え、迫力のあるゴールへの仕掛けは、味方に勢いをもたらします。
DFをものともしない、ドリブルからの鋭いキックフェイントです。
「ナイスプレー」
「ナイストライ」
そんな声や、拍手が起こりそうなシーンでした。


 全く同じようなシーンを、数日前に観ていました。
フットサルのワールドカップ、日本対ブラジル戦でのことでした。
ブラジル代表マルキーニョ選手。
彼もまた、ゴール前・右30度にボールを持ちこみました。
DFとの関係も同じです。

 右斜め前にボールを少し大きく出して、右足でシュート!
と見せかけて、鋭いキックフェイント。
ここまでも全く同じなのです。

 ところが、ここからが違いました。
右足で切り返した後、左足ですぐさまシュート。
二人目のDFのカバーリングが来る前に、打たれたシュートはゴールを揺さぶりました。

 マルキーニョ選手のシュートフェイントからの切り返しは、足の裏でのタッチでした。
足の裏で巻きこむようにボールの方向を変えました。
身体から離すことなく、左足の前にボールを置く。
間髪入れずそのまま、左足を振り抜くことが出来たのです。

 もしここで、インサイドで切り返していたら、身体から離れてしまっていたでしょう。
この2つの差は、ほんの数10センチから1m。
離れたといっても、たったこれだけなのです。

 ただし、それだけの差でも、余計なステップが増えるのです。
そして、その分時間が掛かってしまった。
だから、2人目のDFのカバーリングが間に合ってしまった。
もし、2人がそれぞれ違うボールタッチをしていたら、結果は変わっていたでしょう。
それぐらい、ゴール前では時間の浪費が許されないのです。

 では、どうすればマルキーニョ選手の感覚を手に入れることが出来るのでしょうか?
どうすれば、フェイントなどのボールコントロールからのシュートまでのスピードを上げれるのか?

 ゴール前で、2人のDFを相手にするトレーニングはどうでしょう。
攻撃は1人。
守備は、2人+GK。
数的不利な状況でも、積極的にゴールを目指し、シュートを打つ。
そのためにはどうすればいいのか?
工夫が生まれてくるはずです。

 ここでは、ゆっくりとした、ボールコントロールを許されない環境です。
少しでものんびりしていたら、1人目のDFが寄せてくる。
気をとられていたら、もう1人も詰めてきて、囲まれるかもしれない。

 1人目のDFと駆け引きをしながらも、2人目のDFの位置を意識する。
シュートまでのコントロール。
シュートコースの作り方。
どこにボールを運ぶのか? 

 マルキーニョ選手はそんな時間も空間もないのが当たり前のなのでしょう。
だから、自然に足裏での切り返しを身に付けている。
そして、そのフェイントからシュートまでが、異様に速いのでしょう。
全ては、環境(場)。
そこでの個々の工夫。
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2008年10月21日

スペースの感覚。

 より激しいプレッシャーの中でのプレー。
その中でこそ生まれてくるものがある。


 人間には、素晴らしい能力があります。
暑い所で生活すれば、暑い所で生きていくために自然に汗をかきやすい身体に。
標高の高い場所で暮らしていく。
つまり空気の薄いところならば、酸素を身体が取り入れる能力が向上していく。
そう、環境に適応する能力がありますよね。

 
 これは、フットボールの世界でも同じです。
きちんとフットサルをやり続ければ、足元の技術は間違いなく向上します。
これがないと、狭いスペースしか与えられないフットサルが楽しめないですからね。
試合でもトレーニングでも、繰り返し繰り返しボールを触ります。
単純計算でも、少なくともサッカーの2倍。
これだけ多くの回数、ボールに触る計算になりますよね。

 ボールはたくさん触る機会がある。
それなのに、フリーでボールを触れることなどほとんど無い。
DFがすぐ目の前に!
守備意識が強い相手ならば、強烈なプレッシャーをあっという間にうけてしまう。
そんな中でプレーをし続ければ、そのプレッシャーにも慣れることが出来るでしょう。
ビビルことなく、ボールを止める、運ぶ、パスを出す。


 ただし、デメリットもあります。
スペースを使う感覚が、欠如してしまうのです。
DFライン?
最後尾のDFとGKとの間にはスペースなどありません。
せいぜい、カウンターの際に多少生まれる程度ですよね。

 DFラインの裏に、スルーパスを出す。
スペースに飛び出してボールを受ける。
このスペースを使う感覚は、全く身につきません。
さらに、オフサイドにならないように、タイミングを合わせる。
パスの瞬間、飛び出す瞬間。
フットサルには無い感覚なのです。


 日本のJリーグ鹿島アントラーズ、東京ベルディなどで活躍した、ビスマルク選手。
ブラジル代表でもプレーした名選手。
彼も、少年時代にはフットサルで、技術を磨いたそうです。
あの正確なパス、ボールコントロールの原点は、やはりフットサル。

 ブラジルでは、幼い頃からフットサルに親しむ。
そして、15歳頃を境に、フットサルを続けていく。
それとも、サッカー選手を目指すのか?のどちらかを選ぶようです。

 そんな彼も、サッカー選手としての道を選ぶ時が来ました。
そこで、一番苦労したのが、スペースを使う感覚の欠如だそうです。
どうしても、パスが足元になってしまう。
ボールを受ける場所も、相手DFの前になってしまう。
フットサルをプレーして行くということは、このスペースの感覚が鈍ってしまう。

 さらに、観るべき世界も、狭くなっていたのでしょう。
50M先の奥行きを観る必要は無い。
横幅はもっと極端で、20M以上を観る必要が無いのです。
その先に何かがある、そんな発想すら失っているのかもしれません。
サッカーのピッチだとどうでしょうか。


 もし、サッカーもフットサルも楽しみたい。
サッカーの技術・戦術向上のために、フットサルを取り入れたい。
フットサルだけでは、イヤだ。
そう思うのなら、このスペースの感覚を忘れてはならないのです。
スペースを観て、走りこみ、飛び出して、パスを出していく。
スペースを使う感覚、発想です。
 
 フットサルでなくても、ミニゲームを取り入れるサッカーチームはたくさんあるでしょう。
11対11のサッカーと5対5、4対4のゲーム。
どちらが、個人の技術向上に役に立つのか?

 1対1の機会はどちらが多いか?
どちらがたくさんボールに触る回数が多いのか?
間違いなく、スモールサイドゲーム(ミニゲーム)ですよね。
完成されていない選手ならば、絶好のトレーニングの「場」と言えます。
フットサルも同じ理屈が当てはまるでしょう。

 ただし、それはサッカーではありません。
サッカーの全てでは無いと言ったほうが、合っているでしょう。
スペースを使う感覚。
これを忘れず、意識し続けること。
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2008年10月03日

技術を育てるもの

 フットサルワールドカップ。
日本対ブラジル戦。
1対12と言うスコアでの敗戦。

 ブラジル代表のプレーを観ていて、感嘆したこと。

・相手DFを外すボールタッチ、上半身のゆれ。
・その後間髪を入れずにシュートにドリブル。

・さらにはボールの持っていないところの動き。
・スペースを作る。
・タイミング良く、スペースに入りこんでいく。

・ボールキープの時の身体の使い方。
・そして、手の使い方。
これらの助けで余裕が生まれる。
そこからの、魔法のようなプレー。


 圧倒的な差がありました。
それは、やはり守備。

 日本のDFは、ボールを持っている選手に対して忠実に寄せます(アプローチ)。
相手がボールをトラップする瞬間まで距離を詰める。
そう、ファーストタッチの瞬間に両足を地面に着けてストップ。
相手選手との距離は、1〜2Mほどまで詰めています。
そして、ボールをしっかり観て、応対しようとしています。

 まさにアプローチはこうするんだよ。
教科書通りのDFです。


 ところが、ブラジル代表の面々は全く意に介していない。
DFがまるでいないかのように、落ち着いています。
彼らにとって、プレッシャーになっていないのです。
最後まで、自由にプレーをしていましたよね。

 特に、ゴールが近づけば近づくほど。
シュートレンジに入れば入るほど、プレッシャーを厳しくしなければならない。
まずは、相手がシュートを打てないように。
自由に縦方向にプレーできないように、しなければならない。
はずなのです。

 残念ながら、寄せてお終いなのです。
相手の余裕を奪う、守備側の仕掛けが無い。
もう一歩、もう数センチ。
相手のスキを見て、プレッシャーを強めたい。
付いて行くだけが守備ではないはずなのに・・・。
 
 一方のブラジル代表。
彼らは、寄せるべき瞬間と、寄せないところをはっきりと分けています。
寄せないと決めれば、適当に守備をしているかのように、見えました。

 いざ、寄せると決めたその瞬間!
距離を0にするところまで、寄せ続けます。
相手に触っても、さらにさらにプレッシャーを弱めません。
細かいステップで、ドンドン、ガシガシ、寄せつづけるのです。

 日本選手は、そのプレッシャーでミスを連発しました。
ミスはしないまでも、横や後に逃げざるを得ない。


 おそらく、ブラジル代表の選手たちは、猛烈なプレッシャーの中でのプレーが普通なのです。
相手が、身体をぶつけてくる。
腕や手をも使ってプレッシャーを強めてくる。

 その中で、何が出来るのか!?
文句など言っている余裕など無い。
そのプレッシャーはブラジルでも、スペインでも当たり前。
フットサルだからと言って、許してはくれないのです。

 彼らの技術とは、強烈なプレッシャーがかかる中で、発揮するもの。
この中で出来ない技術は、ただのサーカスと変わらない。


 いい守備、いいアプローチの習慣。
その厳しい中で何が出来るのかを追求していく。
そこで身につけたものが、本当の技術。
そして、さらに守備のプレッシャーを強めていく。

 日本とブラジルとの差。
このサイクルの差こそが、個人・チームの力となって現れたいたようです。
いいアプローチが選手を育てる。
激しいプレッシャーが選手を育てる。
当たり前のことですが、改めて重要性を教えられました。
posted by プロコーチ at 16:32| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月26日

試合中のミーティング

試合が始まると、とたんに余裕が無くなってしまう。
ボールが飛び交う。
人が、自分が走り回る。
攻撃でも、守備でも、セットプレーでも息つく暇がほとんどありませんよね。

試合時間が経てば経つほど、余裕はさらに失われていく。
体力の低下と共に、考える力も低下。
次のプレーを予測して、あらかじめ動き出すことなど・・・。
流行の言葉を借りると、察知力など、どこへ行ってしまったのか?!
今のプレーを追いかけるのに精一杯。

低いレベルでの試合だけがこれに当てはまりません。
プロの世界でも、世界のトップ中のトップのでも同じです。
だからこそ、試合終盤にゲームが動く。
終了間際に、たくさんのゴールが決まる。

そうかといって、ただ試合中に走り回っていればそれでいいのか?
「ゲームは最良の師」
この言葉は、そんな試合経験には当てはまりにくいでしょう。


 数日前に、私が何年も前から所属しているチームの公式戦がありました。
東京23区のある区の社会人1部リーグです。
おじさんも若者も入り混じっての試合。
とは言え、部活経験者がほとんどなので、試合のレベルはそれなりのもの。

 我々のチームの活動は、ほぼ月に数回のゲームのみ。
残念ながら、集まってトレーニングというのは出来ていないのが現状。
他のチームも、そういった活動のスタイルが多いのではないでしょうか。
どうしても、社会人チームには限界がありますよね。

 試合展開も、行き当たりばったりのものになりがちです。
意図した、コンビネーションなど皆無。
何となく上手にかみ合えば、パスも回るし、シュートまで持ち込める。
逆に、何となく悪い時間帯が続いて、気づけばゴールを許してしまう。
もっと、何か出来ないのものか?!


 名手が集まれば、放っておいてもコンビネーション、ハーモニーが生まれてきます。
それを、私たちは簡単に片付けがちです。
「巧いよな!」
「速い!」
果たして、それだけなのでしょうか?

 彼らには明確なプレーのビジョンがある。
ボールがここにある、スペースがあって、味方のポジションは。
さらに、相手DFがここまで寄せている、カバーはある、無い。
「だから、こうしよう」
一人一人が、はっきりとプレーのイメージを持っている。


 さらには、局面だけでも物事を考えていない。
大局的に物事を見ようとしている。
だからこそ、選択肢も複数持っている。
プレーのイメージが予測と違う。
これをとっさに、差し替えることが出来る。

 この作業の繰り返し。
とっさのコンビネーションや、ハーモニーの正体です。

 
 では、われわれ凡人はどうするのか?
決して名手ではない私たちは?

 私が、試合で行なうのは、ピッチ上でのミーティングです。
これを常に心がけています。
プレーが途切れたその瞬間、素早く声をかけるのです。
「あれでよかった?」
「こうして欲しかった」
ほんの、一言二言で、このミーティングは終了。

 フットボールの試合は、次に全く同じ局面は出てこないかもしれない。
それなのに、こんな短いミーティングが効果があるのか?

 ここで行なっているのは、ビジョンのすり合わせ。
イメージの確認です。
「あなたはどうしたかったの?」
「俺は、こう考えていたよ。」
「こうして欲しかったんだよ。」

 この短いミーティングは意外なほどに有効なのです。
分かっているつもりでも、思い込みにしか過ぎない。
もしくは、見えている世界が違った。
だからこそ、すり合わせの必要性があるのです。

 さらに、プレーの直後ならば、記憶も鮮明ですよね。
鮮明なうちに、味方に働きかける。
この小さな積み重ねが、凡人同士にもハーモニーを生んでいくのです。


 事実、その試合でも、短いミーティングの成果は出ていました。
今までの積み重ねもあり、徐々にコンビネーションが生まれてきていたのです。
「ここに居てくれるよな」
「あそこに走って欲しいな」
イメージと実際が、シンクロし始めていました。

 体力はどんどん失われていく終盤。
お互いのプレーは、スムーズになっていきました。
次節も同じようなメンバーで試合が出来れば、もっとスムーズなはずです。


 では、この作業を行なわないチームはどうなるのか?
チームに数人の上手い選手が引っ張る。
悪く言うと、数人のみが好きなプレーをして、周りはそれに合わせるのみ。
上手い選手が輝けば、点も取れるし、ゴールも生まれる。
多くの社会人チームは、これに当てはまる部分が少なからずあるはずです。

 なので、コンビネーションもごく限られたもの。
上手い選手の閃き、それ頼み。
得点も失点も、チームの勝敗すら、左右する。

 それで、楽しいのでしょうか?
私はいつも思ってしまいます。
数人のアーティストと、残り多数の労働者。
労働者は、ただ頑張り続ければいいのでしょうか?
心臓と足だけ疲れる試合。


 例え、技術レベルが劣っていても、試合で貢献できることはまだまだあるはず。
そのきっかけとなるのは、試合中の短いミーティングかも知れません。
まずは、思い込みを捨てること。
コンビネーションは、ほんの一言の確認から始まります。

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2008年09月12日

矢印を感じ、読み取る。

 池袋駅の中央改札前で待ち合わせをしました。
同じ会社の後輩2人とです。
思ったよりも少し、早くついてしまったのです。
ただ、本を取り出すほどの時間でもなく。

 私は、人間観察をすることにしました。
最初は、どんな人が通るのかな?
ああいった服装で、どこに行くのかな?
あの2人は、友達かな?親子かな?
それぞれの人そのものに興味を向けて、観察をしてたのです。

 すると、次の行動が徐々に見えてきたのです。
つまり、その人がどこに行くのか?が。
改札を通って、中に入っていくのか。
それとも、足早に通り過ぎていくのか?
待ち合わせをするのか?

 目線や、歩くスピード。
さらには、服装や持ち物に仕草。
これらを観察すると、次の行動が見えてきたのです。

 
 私は、何を感じていたのでしょうか。
小さい情報の積み重ねから、1つのことを読み取っていたのです。
それは、「方向性を持った、力」
簡単に言うと、一人一人の持つベクトル。
矢印なのです。

 それに気づいたら、私はひそかな遊びを始めました。
とても単純で、迷惑もかけないものです。
「あの人が、次、どうするのか?」
これを推理する遊びです。

 当たる時もあり、外れる時もありました。
繰り返していくうちに、徐々にではありますが精度が上がってきました。
そこへ、後輩が登場。
私のひそかな遊びは、終了しました。


 試合中、全ての選手はたくさんの矢印を出し続けています。
まずは、分かりやすい矢印。
走っている、動いているボールなど、本当に目に見えるもの。

 もう少し分かりにくいものは、身体の向き、顔の向き。
どこを観ているのか?
視野の矢印。

 さらには、ゲームの流れの矢印。
ボールの今までの動き。
それに対するDFの対応。


私たちは、この矢印を知らず知らずのうちに、読み取っている。
意識して、矢印を感じようとすらしているかもしれません。
これを読み取れることが出来れば、試合の流れを的確につかむことが出来るでしょう。

 よく、経験を多く、深く積んだ選手は落ち着いていると言われますよね。
彼らは、過去の矢印、現在の矢印を必要に応じて読み取る。
さらには、未来の矢印さえも理解してしまう。
これには、たくさんのデータベースが必要。
たくさんの良い失敗を繰り返しているからこそ、未来すらも理解できる。

 だからこそ、当たり前のように正しいポジションを取ることが出来る。
そんな選手たちは、とても簡単にプレーをしている。
少なくとも周りからは、そのように見えるはずです。

 試合で、自分の力を常に発揮する。
そのためには、矢印を的確に感じ、読み取る。
この能力を高めることも、1つの大きな要素。

 試合。
対人のトレーニング。
駅の改札。
ここで観察してみてください。
どんな矢印が出ていますか?
posted by プロコーチ at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月08日

視野と技術とコミュニケーション

 明日、元日本代表の小倉選手とサッカーをする予定です。
実は先月も、対戦しました。
私の教室の受講生にお呼ばれで、私も同僚と参加。

 往年の鋭い動きは、残念ながら消えていました。
ただ、ボールを止める・蹴るの技術は抜群。
左足から繰り出すボールは、圧巻。
1タッチ、2タッチで狙った先にピンポイントのパス。
30〜40M先に、正確なミドルパスを何本も通していくのです。

 しかも、キックの種類が豊富。
ストレート、アウトスイング、インスイング、ロブにバックスピン。
全て、左足。
面白いように、狙った先に飛んでいきます。

 対戦していて、「ここ狙われたらイヤだなぁ」と思う場所。
GKとDFラインの間。
DFブロックの外側。
ここに、40M先からピンポイントのパスを出されたら、対処に苦労します。
マンツーマンDFを付けて、いわば「小倉番」でも任命しない限り厳しいですよね。


 40M先へのピンポイントのパス。
誰もが、出せるわけではないですよね。
40Mキックが飛ばすだけでも、選手によっては厳しいかもしれない。
ましてや、パスを通すのはさらに難しくなります。

 パスを通すには、出し手側から言うと、2つの要素が大きくなります
まず1つには、観えていること。
もう1つには、キック力。
もちろん、プレーのイメージ、受け手とのコミュニケーション、相手との駆け引き・・・。
もっともっと様々な要素が絡んでくるのは、分かった上であえて2つに絞ります。


 視野と技術。
これについて、こんな説があります。
「キック力の範囲しか、視野に入らない」
もちろん、目には見えてはいるのです。
パスコースとしては、認識しなくなる。
どうせ、蹴っても届かないのだから、遠くを観る必要性を感じなくなる。
「見えている」と「観る(判断を伴う)」の違う、という意味合いでしょうか。

 この説が正しいならば、こうなります。
50Mのパスを通せる選手は、50M先まで視野に収めている。
その一方で、10M先にしか正確なパスを出せない選手。
それならば、10M半径しか観れなくなっていく。
「25M先にパス出したい!あぁ〜出せない!!」
この繰り返しが、視野を狭めていってしまう。
私自身は、この説には一理あると思っています。

 ただし、それが全てではないとも思っています。
30M先に正確なキックができなくても、30M先まで観ることはできる。
決してそこまでボールが届かないとしてもです。
ここで必要となってくるのは、プレーのイメージでしょう。
「次どうするのか?」
「次の次はどうするのか?」
「さらに、その次は?」

 30M先までの、さらにその先までのプレーのイメージも作ることが出来る。
では、そこまでボールを運ぶためにはどうすれば良いのか?
答えは簡単。
1人でのパスで届かないなら、2人ならばどうでしょう。
簡単に届きますよね。
50M先ならどうするか。
2人でも無理なら、3人・4人でつなげればいい。

 1人で頑張って、ロングキック。
無理して不正確なパスを出すくらいなら、複数人で短く正確にパスをつなげればいい。

 もちろん、一人一人の動作は素早く。
そして、50M先へのイメージも全員が共有すること。
例えば、サイドチェンジ。
1人で68M先へパスを出すことは難しい。
高く、滞空時間の長いボールでのパス。
たとえ、狙ったところに飛んだとしても、トラップが難しくなる。
さらには、相手DFだって、追いついてくる。

 一方で、数人でサイドチェンジをすればどうなるのか?
中継役に入ってもらい、サイドを変える。
アングルを工夫すれば、グラウンダーのパスだけで、サイドを変えることも出来るでしょう。
もし、ゴール方向に穴が見つかれば、針路変更すら可能かもしれない。


 イメージを共有すると簡単に書きましたが、なかなか上手くはいかない。
全員が高いレベルで、フットボールを理解していないとならない。
そして、言葉や動きに声、ボールの質をメッセージにして、意思を伝えなくてはならない。


 トライする価値はあります。
いきなり、個人のキック力を高めることは難しいでしょう。
キックは、努力の結晶によるもの。
様々な種類のキックを、自在に操れることは、努力を積み重ねてきたことのイコール。
一朝一夕には、身につかない。

 50M先、100M先までのプレーのイメージを共有した瞬間。
そして、そのプレーが成功を収めた。
言葉に表しずらい、喜びにあふれるでしょう。

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2008年01月18日

アイコンタクトとは何。

 アイコンタクト
他人とコミュニケーションを取るための手段は、例えば2種類に分けることが出来ます。
言葉を使うのか、言葉を使わないのか。
バーバルコミュニケーションなのか、ノンバーバルコミュニケーションなのか。
フットボールの試合の中でも、この2つのコミュニケーションが盛んに使われる。
レベルの高い試合になればなるほど、豊富なコミュニケーションが求められるはず。

 レベルが高くなればなるほど、試合中には余裕が無い。
その瞬間には、しゃべっている余裕は無いかもしれない。
時間的な余裕、空間的な余裕。
もちろん、相手のプレッシャーを受けての精神的余裕の欠如。
そんな中でこそ、コミュニケーションの重要性が増してくる。
今、何がおきているのか?
次、何が起きようとしているのか?
分かっていなければ、一つ一つのプレーがままならない。
苦しいからこそ、情報を共有化する。


 アイコンタクト
「コミュニケーションの手段の一つ。
 目と目の合図でお互いの意思疎通を図る際に用いられる。
 パスを出すタイミングをとるときに非常に重要になる」
・・・・JFAの用語集にはこうあります。
アイコンタクトを上手く活用できれば、コミュニケーションを素早く取ることが出来ます。
言葉を交し合う必要がありませんからね。
その時間は、一瞬。


 このアイコンタクトを、日本に広げたのが、90年前半当時のオフト日本代表監督。
オランダでは、育成年代に指導すべき内容だそうです。
当時の日本では、トップチームでさえままならない。
そう考えたオフト元監督は、日本代表にこのアイコンタクトの徹底を図らせたのは有名な話。
当時は、テレビや雑誌でもたくさん取り上げられ、一種の流行語にもなった記憶があります。

 ところが、選手の強烈な反発があったそうです。
その筆頭が、ラモス(前東京ベルディ監督)。
「見ている方にパスを出したら、相手DFに読まれるではないか!!」
ブラジルの環境で育った、彼には相容れない指導だったようです。

 ブラジル人が大切にするのは、駆け引き。
いかに相手DFの逆を取るのか?!
相手をだますのか?!
彼の頭の中では、こちらが優先していたようです。
見ているところに出すのは、駆け引きの出来ない下手くそのすることだ。
予め見ていれば、そんなものは必要ない。

果たして本当なのでしょうか。
だからといって、アイコンタクトは必要ないものなのでしょうか。


 私の指導しているサッカー教室。
この1月からのテーマのひとつが「パス」
その中でも、今取り組んでいるのが「アイコンタクト」なのです。
改めて、アイコンタクトがなぜに必要なのか?
ただ、「ルックアップ」して周りを見ておくだけではダメなのか。
味方を信じてスペースに走りこむだけではパスは来ないのか。
アイコンタクトが無かったとからといって、パスは通らないのか。

そんなことはないでしょう。
おそらく、これらの組み合わせでパスはある程度は通るでしょう。
では、「アイコンタクト」の必要性は何?


 逆の言い方をすれば、「アイコンタクト」にはどこまでのレベルが求めれているのか。
目を見れば、あいつの考えていることが分かる。
しゃべらなくても、自分の考えが伝わる。
そのレベルまで、コンビネーションを高めなければならない。
アイコンタクトは、そこまでのレベルを求めているのか?


 これだけは言えます。
アイコンタクトは、お互いの行動を承認し合っている。
見ることによって、自分の意思を伝え、相手の意思を受け取る。
ノックをして、入室の許可を得て、部屋に入っていく。
これに似ているのかもしれません。

ただ、パスを出し続けるのはしんどい。
相手のパスを信じて走り続けるのは、もっと疲れる。
本当に出してくれるか分からない。
いつ、どこに走ってくれるか、感じ取れない。
アイコンタクトをとることで、この不具合を解消してくれる。

本当に出して良いの?
今、そのスペースに走りこむよ!
この行動の承認し合う作業。
自信を持って、そのプレーを遂行することが出来る。
アイコンタクトの1つの重要な効果。
選択肢が増え、世界が広がる効果。



 改めて突き詰めていくと、理解が浅く、整理できていないことだらけ。
指導をすることで、自分を成長させてもらっている。
考えるたびに、そう思えます。
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2007年12月27日

やって見せる効果。

 Jヴィレッジで開催されている、2007年ナショナルトレセン女子U−15。
日本中の15歳以下の優れたプレーヤーが一堂に会して、トレーニングを行なっています。
その数165人。
彼女たちを18人ずつのグループにわけ、4日間の合宿。
トレーニングにゲーム、座学による講義に、ミーティング。
将来のなでしこ(日本女子代表)が、その準備に励んでいるのです。
このナショナルトレセンと同時に開催されている、指導者講習会。
私も研修のために参加させてもらっています。

 毎日の、自分のコーチング。
おかげさまで、場には慣れることが出来、経験も積ませてもらってます。
1回1回が勝負だと思っていますので、日々の経験は他に得がたいものなのです。
とは言え、狭い世界に閉じこもっていては、見えなくなってしまう風景がある。

自分の世界に追われているその間にも、世界のフットボールは進化して行っている。
それに追いつこうとする、日本サッカー界も先に進んでいく。
そこから目を背けてしまっては、取り残される。
日本の最先端で何が行なわれようとしているのか?
それを自分の目や耳で確認しておく必要がある。
たとえ、自分がトップクラスのチームを指導していないとしても。

そして何よりも、自分自身への刺激のために。

 2007年ナショナルトレセンの最初のトレーニングが始まりました。
我々講習会に参加しているメンバーは、ピッチサイドで観察。
どうしても硬い表情の選手たち。
まだ、顔を合わせたばかりで、名前と一致しない。
コーチ陣は、選手の固まった心をほぐす仕掛けを施していきます。
わざと失敗させて、歓声をあげさせる。
または、目や声を使ってコミュニケーションを取らざるを得ないメニューを組み込む。
コーチの仕掛けで選手たちが元気に動き始めました。

 そんな中、スライディングのトレーニングが行なわれました。
前年度までは、女子にプレーヤーの是非!伸ばすべきポイントということで、一斉に取り組んでいた内容。
今回は、そこからは外れましたが、取り組み続けなくてはならない大切なポイントです。
整備された天然芝。
ここなら、気持ちよく滑ることが出来るだろう。
数年間の取り組みの中で、上達したスライディングが見られるだろう。
そんな思いで、観察していました。

が、残念なことにあまり進化が見られない。
それどころか、スライディングをほとんどしたことが無い。
そんな選手まで見受けられるのです。
怪我をするのではないか?こわごわと滑る選手。
ボールのすぐ近くまで走って行って、しゃがみこむ様にスライディングのような形をとる選手。
やはり、女子プレーヤーにとっては、まだまだ苦手な技術であるようです。

 ある1つのグループを担当していたのが、全日空や浦和レッズで活躍した元Jリーガーの田口禎則コーチ。
コーチとしては、さいたまレイナス(元浦和レッズレディース)を率い、数々のタイトルをもたらしています。
そんな田口コーチがコーチングします。
「もっと遠くからスライディングして」
「ボールに届かないからスライディングするんだよ」
このコーチングをきっかけに、何人かが遠くからスライディングをトライし始めました。
その選手たちは、少しずつコツをつかんだようでした。

ただ、まだまだ、多くの選手が上手く滑れていません。
他のコーチたちも働きかけますが、大きな変化は見られませんでした。
そこで田口コーチが動き出しました。
ダイナミックで、きれいなフォームのスライディング。
ボールの遠くから思い切って滑り、なおかつ確実にボールを捉えています。
我々も声をあげるくらい、見事なスライディングでした。
DFとして活躍していた、現役時代を思い出させる、そんな瞬間です。

そこから、彼女たちは大きな変化を見せ始めました。
遠くから、思い切ってスライディング。
まだまだ、フォームは完成されていません。
それでも、次々に遠くからスライディングにトライしていくのです。
そして、飲み込みの早い年代の彼女たちは、あっという間にコツを我が物にしていきます。
もちろん、たった1回のトレーニングで習得することは出来ないでしょう。
ただ、素晴らしくいいきっかけになったことは間違いありません。

 元プロ選手がコーチする時に、一番の武器になるのがこのデモンストレーション能力。
100の言葉を重ねるよりも、1回の目の前で実践。
この視覚に訴えることで、より理論や言葉での働きかけが生きてくる。
その効果をまざまざと見せつけられました。
私自身も、技術の一つ一つを準備しておく必要がある。
強く再認識しました。
もちろんプロ選手の様には行かない。
それでも、選手の助けになり、自分のコーチングの武器とするために。

「言って聞かせて させて見せ ほめてやらねば 人は動かじ」
                   山本五十六
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2007年11月30日

自分で自分をコーチする(技術の習得編)

先週の話になりますが、私のサッカー教室の受講生とともに秋合宿を開催してきました。
合宿でのトレーニングは普段の数倍の効果があるように感じます。
全く科学的根拠は知らず、経験則のみなのですが・・。
環境は人を育てるということでしょうか。

サッカー・フットサルで飯を食っている人間を除きます。
アマチュアのプレーヤーは、なかなか意識を高く持ってトレーニングに臨むことが難しい。
仕事や学業もあり、それだけに集中することが難しいことに他ならない。

ただし、合宿となると話は変わってきます。
周りとは遮断された環境を作る。
24時間、朝起きて夜寝るまで、フットボールのことだけを考えて時間を過ごす。
プロと同じような環境に入るのです。

アマチュアプレーヤーも、こうすることによって、高い集中力、モチベーションを持つことが出来る。
実際に合宿でのトレーニング効果は高いものがありました。
明らかに、いい変化が見られたのです。
環境は人を育ててくれる、改めてそう感じました。


今回の合宿で取り組んだのは、グラウンダーの強く長いキック。
インサイドキックとインステップキックの良い所取り。
足に当てる面はインサイド。
足の振りは、ほぼインステップ。
インサイドの正確性と、インステップのパワー。
この2つを同時に達成させるキック。

このキックをマスター出来れば、パスの範囲が広がるのです。
せいぜい10〜20Mの飛距離のインサイドキック。
ところが、20〜30Mを楽に蹴ることが出来る。
プロのプレーヤーなら、40Mの距離でもこのキックを使ってしまいます。
ただ、ボールに斜めの回転が掛かってしまうのは、残念ながら避けがたいのです。


1日2泊の合宿を通して、このキックの習得に取り組みました。
いかに高いモチベーションを持っているといっても、習得度にはどうしても差が出てきてしまいます。
もちろん、若いプレーヤーの方が、習得は早いです。
では若さだけが、習得の度合いを決めるポイントなのでしょうか?

若さや筋力といった、どうしようもない条件で優劣をつけるわけではありません。
じっと受講生を観察していると、あることに気がつきました。
教わったとおりの方法でキックのトレーニングに取り組むグループ。
あくまで自己流が出てきてしまい、教わったことも遂行すらおろそかなグループ。


 もう1つのグループは、この2つをうまくミックスさせたグループ。
教わったことをまずは、忠実に遂行していく。
それだけに留まらないのがこのグループ。
一回ボールを蹴るごとに、それが出来ていたのかどうかを自己評価していくのです。
そして、その評価をフィードバックし、修正していく。

まるで、自分の身体と話をしながら、トレーニングを行なう。
ボールと対話しながら、トレーニングを行なう。
一方的にコーチしてもらうだけでない。
プレーしながらも、自分で自分をコーチしていく。

技術を習得するのに近道はありません。
正しいフォームで、繰り返す。
よく「どれだけボールに触っていたかがキーポイントになる」と言われています。
ここにもう1つプラスしたい。
自分で自分を評価し、フィードバックすることが出来れば、さらに習得が早くなる。

多くの人が、コーチとマンツーマンのトレーニングをし続けることは難しいでしょう。
それならば、自分がコーチ役を務めながら、トレーニングを行なう。
自分の身体から発する内なる声を聞いてあげる。
ボールから聞こえてくる声に耳を傾ける。
1つの上達への道。
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2007年11月16日

トレーニングについて考える

素走りと呼ばれるトレーニング。
いわゆる走りこみ。
持久走であったり、ダッシュであったり、シャトルランであったり形はさまざまです。
走りこみを行うことによって、試合を戦い抜く体力を身につける。
スピードアップを目的とした、スプリントトレーニング。
細かく巧みな動き得るための、ステップワーク。
様々な素走りがあるでしょうが、一番多いのはを全身持久力を身につけるための長距離走でしょうか。
これらの基礎体力トレーニング。
現在の流れとしては、こういったトレーニングはあまり行なうべきではないとされています。

フットボールをプレーすることによって体力を身につける。
例えば、技術トレーニングをしながら、基礎体力トレーニングを兼ねる。
パスをどんどん回しながらのトレーニング。
待ち時間を極力減らす工夫をします。
人数調整やサイズを調整し、数秒間に1回ボールを触れるように。
そうすることによって、高い心拍数をキープすることが出来る。
単純に対面で立ち止まってボールを蹴り合うトレーニングはしない。
動きの中での技術を身につけながら、体力アップを図る目的。
高いレベルなら、一回りするまでほんの数10秒。
たくさんボールを触りながら、体を動かすことが出来るでしょう。
こういった、実戦的トレーニング、総合トレーニングの組み合わせが,個人やチームの力を高める。

 その考え自体には、賛同できます。
ただし、それさえ出来ないレベルのチームならどうするのか?
パス&コントロールのトレーニングを行なう。
選手はボールを止めるのが精一杯。
止まっているボール、しっかり狙いを定めてやっとパスを出せる。
それでミスが出てしまう。
このレベルなら、いくら人数やサイズ,ボールの数を調整したとしても限度がある。
ミスは頻発し、1つ1つの動作も速くは無いでしょう。
もちろん1タッチでのパス回しなど願うべくもありません。
結果、数分に一回しかボールに触れないかもしれない。
JFAの発信するメニューを形だけこなしても得るものは少ないでしょう。

時代に逆行するかもしれませんが、基礎的トレーニングをメインにする考え方もあるのではないか。
ボールを使わずに、基礎体力トレーニングを行なう。
さらには、より単純で基礎的な技術トレーニングを。
実践的な応用トレーニングは残った3分の1の時間で行なう。
種目は違いますが、このやり方で日本一になったのが、佐賀県立佐賀北高校野球部です。
http://futebol.seesaa.net/article/52610864.html
野球留学生や,特待生などいない地元の高校生の集団。
1日のトレーンング時間は3時間と、強豪と呼ばれる高校野球部の平均以下しかとれません。
それでも、全国制覇を成し遂げることが出来ました。
走りこみにキャッチボール、捕球。
実戦的でない、地味な基礎的トレーニングの積み重ね。
夏の甲子園を制することは、サッカーの高校選手権を制する事よりも難しいかもしれない。
野球にはプロの下部組織などありませんから、高校野球だけがただ1つの目標。

この事実はトレーニングをどう捉えればいいのかを、考えさせられます。
新しいトレーニングの理論を導入。
流行りのメニューを取り入れる。
そうするだけでは、自分のチームの改善にはつながらない。
今や,誰もがオシム監督の影響を受けています。
そうすることで、満足してしまっているわけではないのでしょうが、影響を受けているのは間違いありません。
オシム監督は、日本代表チームという1つのチームを作っているに過ぎません。

彼は素晴らしい指導者ですが、彼が代表チームで行なっていることが、全ての場所で通用するわけではない。
彼の持つ思考を導入することが必要なのでは?
そうしないと、オシム監督がこけたら、日本サッカー全てがこけてしまいます。
結果が出ないこともあるでしょうし、高齢による健康不安もあります。
オシム監督がどんな思考や理論に基づいて、現象を起こしているのか?
そこを日本サッカーの財産や蓄積にすべきです。

我々がすることは、代表やトレセンという、トップクラスの模倣ではなく。
コーチ1人1人が、目の前の自分のチームを観察。
そこから始めないと、話がおかしくなってきます。
この観察によって、どんなトレーニングをさせるべきかを考える。
そうすれば、素走りが必要になってくるのかもしれない。
対面でのパス交換が必要になるのかもしれない。
まずは、自分のチームをじっくりと観ることから。


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2007年11月06日

自分をコーチングできる選手。

ある指導者講習会でのインストラクターの講演を紹介します。

「秋田はワールドカップの時、1日1時間ヘディングのトレーニングをしていた」
なぜか?
秋田選手曰く、「僕のプレーで世界に通用するのはヘディングだけだからです。」

「カズは代表合宿のとき、ゴンを誘って毎日シュート練習をしていた」
「***や***はしていなかった(名前は伏せておきますが、30前後と若くして現役を引退した選手)」
「その結果が、今出ているよ」
「***や***はもう引退している。現役で未だに活躍しているのはカズやゴンだ。

そのインストラクターであるコーチは、中山選手に聞いたそうです。
「若いやつらは、『なんでゴンさんはあんなにやるんですかね』て言ってるぞ」
中山選手は、当たり前のように答えたそうです。
「若いやつは、ウマイと思っているからやらないんですよ。」
「俺は下手だから、やってるんです。」
若くウマイはずの選手も、すでに現役を退いた選手。

今、紹介した3人は、37〜40歳になっても現役の選手として活躍しています。
彼らは、自分に何が足りないのかを分析していた。
世界で戦うためには?
これからもプロの世界で戦っていくためには?
そして、自分で自分にトレーニングを課していた。
これが、自分をコーチングできる選手。
コーチは、グループや個人を分析して、足りない部分を改善していく処方箋を出していきます。
ただ、長く現役でトップとして活躍する選手は、それを受け取るだけではない。
言われた通りにするだけではなく、自分で自分をコーチングしている。

 先日、ご紹介したゴルフの青木功プロ。
http://futebol.seesaa.net/article/59864581.html
十月末に見事、シニアツアーの最年長記録で、日本シニア選手権優勝。
なおかつ、ゴルファーの大きな夢とされる「エージシュート」
18ホールを自分の年齢以下で回るものでもあり、国内のメジャー大会では初めての快挙だそうです。
彼も、自分で自分をコーチング出来る選手のようです。
睡眠、食事、日々のトレーニングからその他の生活習慣まで。
全てが、勝つためのトレーニング。
それを聞くと、堅苦しいものを感じます。
青木プロが、あるインタビューに答えていました。
「健康管理というのは積み重ね、俺は50年間の継続が力となっている」
彼は、毎朝40分間のストレッチ、さらに1時間のランニング。
さらに独自のトレーニングを行なっている。
そんなもの、プロだから出来るのではないか?!
一般人には不可能に違いない。

そのインタビューにこうも答えていました。
この考え方こそが、50年間続いた源に感じました。
「自分が一番可愛いと思わなければダメ。」
「自分が可愛いから、より自分に適したものを考える。」
「最初は物真似でも、その次には自分の体調、生活パターンに合ったものを見付けないと」
可愛い自分のために、自分をコーチングしてあげてください。
そうすれば、必ず数年後、数10年後に笑えるはずです。
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2007年10月05日

3冠王者。

 全日本ユース選手権がいよいよ佳境を迎えています。
唯一、高校サッカー部とJクラブユースチームとの対戦が見れる大会。
今年度もベスト4までが出揃いました。
明日が、ベスト4.
10月8日の月曜日に決勝が行なわれます。
高体連のチームが1つ、Jクラブユースチームが3つ。
この数字は何を表すのでしょうか?
Jクラブユースチームに、良い人材が集まっている。
なおかつ、育成にも成功している。
高校サッカー部の時代は終わった、ということなのでしょうか?

時の流れは、移り変わっていくものですね。
10年ほど前は、全日本ユース選手権は地味な扱いでした。
決して最強王者を決めるような大会ではありませんでした。
当時のサッカー界では、夏のインターハイ・秋の国体・冬の選手権、この3つのタイトルを争うのが主たる大会。
この3つを制すると、3冠王者の称号を手にすることが出来ました。
ところが今や、3冠王者を目指すとなると、この全日本ユース選手権が入ってきます。
ちなみに、インターハイと選手権は高体連のもの。
高校サッカー部しか出場できません。
クラブユースチームにとっては、3大タイトルは別にあります。
クラブユースサッカー選手権、JユースサハラカップJリーグユース選手権、そして全日本ユース選手権です。
世界を相手にしないとならないのがフットボール。
それなのに、未だに狭い縄張り意識を持っているのでしょうか?

 それはさておき、全日本ユース選手権。
プレ大会の1989年から10年間高校サッカー部が優勝しつづけていました。
Jクラブユースが上位に進出してきたのは、ここ数年の話です。
ここ3年のファイナリストは6チーム中5チームがJクラブユース。
今年も、その流れは変わらないようです。
Jクラブユースと高校サッカー部が唯一真剣にぶつかり合う大会。
ここでの優位性は何を表すのでしょうか?
そのまま高校年代のサッカー界の趨勢を表しているのでしょうか。
まだまだ、高校サッカー部にとっての主となる大会は冬の選手権。
全日本ユース選手権はまだ、チームの発展途上の段階。
夏を乗り越えた、残り数ヶ月でグンと成長するのが高校生の特長です。
もし、真にNO1を決めるのなら、時期を冬にずらした方が良いかもしれません。

そして、何よりも高校サッカー部にはその年代に身につけておかなければならない大切のものが残っています。
上(プロ)に行きたいから、そのためだけにサッカーをしている。
Jクラブユースでは当たり前かもしれない。
自らを鍛えぬき、向上を図りつづける。
あまりにそこばかりをフォーカスしてしまうとどうなるのでしょうか?
足技ばかりウマイ、小器用な選手を乱造しているだけかもしれない。
最後まで戦いつづける。
味方のために、カバーする、フォローする、ムダかもしれない走りをする。
ベンチの選手、ベンチにも入れない仲間達。
そんな彼らのためにユニフォームに誇りを抱き、全力を尽くす。

教育する現場だからこそ出来うる部分。
高校サッカー部のコーチは、主に先生。
教育の一環としての活動。
そこには、何十年にも渡る蓄積があります。
古い考えだと一蹴するのは簡単です。
人間形成の場としての部活。
この部分の育成は、まだまだ高校サッカー部の方が優れていると考えています。
大人未満の世代には、必要な部分のはずです。
Jユースクラブのコーチは、日本でもトップクラスの知識や環境を有しているでしょう。
人生を語り、人格を形成していく。
その部分はまだ、足りていないのではないか?
私が口に出すのもおこがましいですが、コーチの大事な仕事の1つだと感じています。


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2007年09月04日

足を使ってプレーする。

 先日まで開かれていた、U−16ナショナルトレーニングキャンプ。
2年後の18歳以下の代表チームを目指しての活動です。
さらには、U−20ワールドカップに続いていく流れ。
東日本における、16歳以下のトップレベルが集まって開催されました。
未来のスター候補生とも言えるメンバーが招集されているようです。
参加42名の内訳は、今のこの年代の状況を表しています。
高校サッカー部所属10名。
残り32名は全て、Jリーグのユース組織に所属しています。
小学生、中学生の進路として、まずは、Jクラブの下部組織を目指す。
有望な人材は、Jクラブに集まっていく流れは、今後も続きそうですね。
今回のU−17日本代表チームがそうであったように。

 私は、このキャンプと並行して開催されていた、指導者講習会に参加していました。
彼ら16歳の未来の日本代表へのトレーニング、ゲームの見学。
U−20代表監督であった吉田コーチ、市立船橋高校の前監督であった布コーチ。
トップクラスのコーチングを間近で見られるいい機会。
さらには我々指導者にたいしての、講義や実技講習会。
盛りだくさんで充実した内容でした。
講義では、U−17、20日本代表の成り立ちや裏話まで飛び出します。
テレビで観ているだけでは伝わってこない現場の空気を感じ取れました。
私は、年に数回ほど、仕事に穴を空けてまで参加させて頂いてます。
が、その価値は充分に感じてます。
何よりも、互いに奮闘している指導者の方々との出会いや話す機会。
この熱い刺激が、これからの自分へのエネルギーとして満ちあふれる。
その力を得るだけでも、参加する価値に値するのです。

 さて、この数日間から、たくさんお伝えしたいことがあります。
まずは、GKについて。
近年の特徴として、総合的なフットボーラーとしての能力が求められています。
ゴール前を守るだけでは、認められない。
要求は守備者としての枠を超えています。
積極的に攻撃へ関わっていくことを要求されるのです。
守れるのは当たり前。
それに加えて、いかに攻撃陣の一員としてプレーできるのか?
ちなみに、サイズは世界基準に近づいているようです。
16歳にして190センチを超えるプレーヤーが二人。
そのうち1人は、197センチ!!
180センチ台の選手が小さく見えるほどでした。

ボールを遠くに蹴り飛ばして陣地を稼ぐ。
これは、優先順位としてはかなり低い。
手や足を使って、正確にパスをつないでいく。
バックパスを当たり前のように受け取り、組み立てに参加する。
ただ、苦し紛れに力任せに蹴り返すのでは無く。
ゴールキックになった瞬間には、味方の位置を把握しておき、有効で正確なパスを出す。
ただ、距離を稼ぐゴールキックではなく。
こうすることで、ボールを失わずに主導権を握れる時間を増やす。
そんな意図があるようです。

このプレーを成功させるためには、少なくとも次の2つが求められる。
1つには、周りの選手の準備。
パスを受け取れるポジションにつけていること。
GKがいざパスを出そうと思った時にパスを受け取れるポジションについていない。
そこからポジショニングするよう指示を出しても、間に合わない。
周りのプレイヤー全員が、攻撃の第一歩はGKから。
このイメージを持てないことには、成功しない。
DFの選手も守って終わりではない。
守備から攻撃への早い切り替え。
この切り替えが早ければ早いほど、主導権を握った攻撃を可能にする。
ただし、早い切り替えを!!と焦ってしまい、ボールを失うシーンも多く見られました。
その辺のバランスはまだまだ課題のようです。

もう1つは、GKの技術。
特に、止める・蹴る・観る。
フィールドプレーヤーならば、小学生が身につけておくべき内容。
ボールを止めることが苦手。
それなら、ボールをもらうだけでストレスになってしまう。
正確なキックが出来ない。
パスをつなぐ発想は浮かんでこないでしょう。
そして、パスコースを探しておくこと。
理想は、複数の選択肢からよりよいものを瞬時に選び出す。
それを可能にする目。

残念ながら、この技術がまだまだ低いことがよく分かりました。
それはGKに課せられたトレーニングからも明らかでした。
とてもシンプルなメニュー。
二人で向かい合って足でボールをつなぐ。
その距離わずか、15Mほど。
二人の真ん中には、コーンで作られた3M幅のゲート。

         △
GK1●           GK2
         △
たったこれだけのシンプルなメニューです。
正面で蹴りあっているだけのときは、さすがに失敗はありません。
ただ、最初のコントロールを横に出して角度を少し付ける。
そういった制限が加わるだけで、とたんに失敗が続出します。
ゲートを通らない、コーンにぶつけてしまう。

コーチからは、
「受け手がもらう角度を工夫してあげると、簡単になるよ」
という指示が出ました。
すると、失敗は減るのですが、それでもミスは無くなりません。
(角度が変わり、パスのコースが広がるため)
それから、幾つかボールを蹴るメニューが続きました。
置いたボールを蹴る。
ここまでのメニューは、本当に小学生でも当たり前のように出来ていなければならない内容です。
さらには、ボールをキャッチして、パントキック・ドロップキック。
これらのメニューでも、ミスが本当に数多く見られました。
これが本当に、この年代最高の選手たちなのか!?

 昨年、ブラジルにフットサルのコーチ研修に行ったときの事を思い出しました。
「ブラジルのGKは足でプレーするんだ」
「日本のGKはまだまだ手でしかプレーできない」
「GKが足でプレーできれば、必ず数的有利を作れる」
サッカーもフットサルも同じ課題を日本は抱えているようです。
ゴールを守ることでしかチームに貢献できない。
攻撃の組み立ての第一歩となりえているGKはどれだけいるのか。
それは、ナショナルトレセンのGKコーチのこの言葉からも明らかです。
「お前ら、ファンデルサールは、当たり前のようにパスをつないでいるんだよ」
最近なら、アルゼンチンのアボンダンシエリ選手の方がいいのになぁと思いながら聞いてはいましたが・・。
つまり、ここでパッと日本人GKの名前が出てこないのです。
10年前から、同じオランダ人GKの名前ばかりが出て来るのです。
何とも寂しいのですが、それが現実なのでしょう。

嘆いてばかりいてもしょうがない。
この取り組みを続けていき、足でのプレーが得意なGKを量産しないと。
フィールドプレーヤーがGKを使う意識を強く持たないと。
試合でGKを使ってパスをつなげれたら、なんとも選択肢の増えることか。
何度でも再チャレンジが可能になる。
そのために、GKにフィールドプレーヤーの経験を持たせる。
フィールドプレーヤーにも、GKの経験を持たせる。
簡単なことですが、ここからが第一歩。
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2007年08月31日

当たり前のことですが、改めて。

 プレイヤーが上達するためには、トレーニングが欠かせない。
地味で単調なトレーニングの繰り返し。
試合の状況を常にイメージしながらのトレーニング。
今自分自身の課題は何なのか?
これを考えながら出来るプレーヤーは最高ですよね。

 指導者も同じ覚悟を持って。
選手に求めるのであれば、指導者も実践しないと。
責任を果たすからこそ、人前で指導させて頂ける。
きれいごとでなく、本当にそう思います。

 指導者は勉強するのを止めた時は、指導者を辞めなければならない。
よく言われる言葉です。
その言葉を、実践するために、福島にて研修中です。
JFAの主催する指導者講習会にて、自分自身の足らない部分を探しています。
足りない事は、分かっています。
具体的に、何が、どのように、どれだけ足りないのか?!
足らずを知って、これからのコーチングを充実させたい!

また後日、詳細ご紹介します。




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2007年05月29日

個人のレベルをアップさせるためには。

「観て・判断して・技術を発揮する」
2007年現在の日本サッカー協会が目指している、選手像です。
この要素を獲得させるためには、「基本を習慣化」させるまで徹底させなければならない。
こういった方向を日本全国に向けて発信しているようです。
何一つ新しいことなどありません。
ただし、いつでも出来るのか?本当に出来ているのかと?いえば、疑問です。
徹底できていないのが、現状なのではないでしょうか。
特に、動きながら行うことが出来るのか?
DFが付いた状態で出来るのか?
精神的重圧が掛かった状態で出来るのか?
つまり、試合で「観て・判断して・技術を発揮する」出来ているのかどうか?

 日本サッカーの父と呼ばれる、デットマール・クラマー氏(82歳)が来日されていました。
60年代に代表コーチに就任。
東京オリンピックベスト8、メキシコオリンピック銅メダルを獲得させた、日本サッカー界の大恩人です。
クラマー氏は、基本技術を徹底的に身につけさせました。
繰り返し繰り返し、反復させることによってのみ身につけることが出来る技術。
今なお日本サッカー最高のFW釜本氏らの数々の名選手を育てたのは、この反復トレーニング。
飽きることなく続けられた反復トレーニングでのみ、技術や判断力は身についていく。

 足先の技術や華麗なプレー。
フットボールの楽しい部分かもしれません。
果たして、試合に必要な技術を、適したタイミングで使えているのか。
そういったことばかりに目が向いてしまってはいないか?
選手の受けがいいトレーニングに走ってはいないか?
UEFAチャンピオンズリーグの決勝戦やACLフットサル選手権。
これらを観ても、試合に必要なのは、見掛けが派手なプレーではありませんでした。
結局大切なことは、何年たっても変わっていない。
40年の歳月が経っても、フットボールに必要なことは同じ。

そんな彼が残していった言葉があります。
「look before, think before, meet the ball, pass and go]
「あらかじめ観る、あらかじめ考える、ボールに寄る、パスを出したら動く」
現在も、日本の抱える課題であります。
この課題に少しずつでも取り組んでいけば、個人のレベルはアップしていくでしょう。
もし壁にぶつかっているのなら、この言葉を頭に浮かべてみてください。
何が出来ていませんか?
壁を突き抜けていくヒントは、ここにあるはずです。
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2007年05月18日

試合直前の準備

 AFCフットサル選手権ベスト8、日本代表対タイ代表を観戦してきました。
結果は9対6での勝利。
試合内容は、幾つかのサイトで紹介されているようなので簡単に。
技術、戦術、体力、モチベーション、全ての面で日本代表が上回っていました。
タイ代表に先制されたものの、慌てる必要はありませんでした。
むしろ、真剣な日本代表の試合が初めて見えると、内心スタンドで喜んだくらいです。
時間が経つにつれて、その差が浮かび上がってきました。

ただ、先制点を失った原因となったセットプレー。
後半、ばたついた原因となった、GKを前掛りにさせるタイのパワープレー。
「昨日の練習でセットプレーとパワープレーの対策を行なった」
とサッポ日本代表監督が試合後の会見で語っていました。
その成果には、かなりの疑問符がついてしまいます。
これがサッポ監督のメディア向けのリップサービスならいいのですが。
本気なら、準決勝・決勝で痛い思いをするかもしれません。

 さて本題。
2チームの試合前のウォーミングアップから見ることが出来ました。
タイ代表のそれは、とても動きの変化に富んだものでした。
多くの人数(約10人)が自由なパス回しをしながら、ボールコントロールの確認。
続いて、横並びでパスを出してダッシュの繰り返し。
この2種類のメニューに共通するのは一切待ち時間の無いこと。
さらに、先発のフィールドプレーヤーが4人組を作り、パス&コントロール。
ボールの動きも、人の動きも制限は無く、流動的なものでした。
最後に、ピヴォ当てからのシュート。
ブラジルスタイルの、華麗なパス回し。
個人技だけに頼らない、観るものも楽しめるフットサルが行なわれる。
そんな期待を抱くものでした。
開始、1分もたたないうちに、それが違っていたことが分かるのですが・・・。

一方、日本代表のウォーミングアップ。
とても計算され、統制の取れたものでした。
2人組で対面でのパス&コントロール。
2人組で前後に動きながら、グラウンダーのパスやボールコントロール、そして浮球のパス。
一般向けのスクールでも行なわれているような内容でした。
選手によってはステップやボールタッチ。周囲の確認などの工夫をしていました。
その後には、ピヴォ当てからのシュート。
しかも3種類ものヴァリエーションで休み無く繰り返されていました。
スタンドから観ていても、今日の試合の狙いをはっきりと感じ取れました。

 試合直前のウォーミングアップには、重要な意味があります。
身体を徐々に温めていく。
そしてコンディションを、試合に向けてフィットさせていく。
ここにはボールコントロールも含まれますよね。
それだけに留まらず、気持ちを集中させていき、試合にスムーズに入っていく。
テンションを適度な状態まで高めるということですよね。
ここまでは、個人個人のレベルでも出来ることです。

心身のレベルを試合に向けていい状態に持っていくことに加えてもう1つの仕事があるでしょう。
ここから先はコーチの仕事です。
今日の試合で、気をつけたいこと。
戦略上必要な要素を意識させていくのです。
心・技・体のレベルを高め、さらには戦略レベルを高める。
選手が同じイメージを持って、試合に臨むために。
試合で起こるシチュエーションに対して、全ての選手が同じ考えの元に行動を起こせるために。
これら4つの要素を総合的に高めていけるのが、試合直前のいい準備と言えるのではないでしょうか。

タイ代表は、しっかり守ってカウンター。
カウンターになった時の飛び出していくスピードは、日本をはるかに上回っていました。
さらにはセットプレーでチャンスを狙う。
セットプレーの集中力は格段でした。
こぼれ球への反応の速さから生まれた先取点は、これを物語ります。
この2つを戦略として、はっきり狙っていました。
実際にその戦略は的を得ていました。
前半の日本は、タイ代表に差をつけることは出来ませんでした。
ただ残念なのは、試合前のウォーミングアップからはその戦略が見られなかったこと。
流動的なパス回しはほとんど見れませんでした。
彼らのウォーミングアップは、心・技・体に留まっているようでした。

一方の日本代表。
立ち上がりは、先制点を開始2分で奪われたこともあり、落ち着かないものでした。
そこで、流れをつかんだのが、ピヴォ当てからのシュート。
試合開始後初めて出来たいい形。
まさにウォーミングアップで見せた形。
続けざまに得点にはならなかったものの、決定機を作りました。
これまた、違うパターンでのピヴォ当てからのシュート。
流れるような攻撃がはまっていき、日本代表は試合の主導権を奪い返しました。
もちろん、要素はこれだけではありません。
途中から出てきた金山選手。
彼のフリーランニングと守備への切り替えの速さは、チームの血液となっていました。
さらには、同じく途中出場のリカルド比嘉選手。
彼の思いきりの良いシュート、その決定力はチームを救いました。
彼らの活躍が、他の選手の本来持つ力を思い出させていたようにも見えました。

 チームとして狙っていた形でのゴールはチームに勢いと自信、信頼感を産み出します。
日本代表とタイ代表。
試合開始前から、すでに勝負はついていたのかもしれません。
順番待ちが長いだけのウォーミングアップ。
どの試合でも、同じ内容のウォーミングアップ。
それでは、試合直前の準備には物足りませんよね。
心・技・体、そしてチーム戦略を高める総合的で効率的なものを。
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2007年05月08日

トレーニングメニューで用いるものとは。

 フットサル雑誌の原稿を依頼(既に4回目に)をありがたくもお受けしました。
執筆にあたって、身の回りの資料を整理。
そんな中で、昨夏参加した、ブラジル研修のメモが出てきました。
改めて目を通すと、新たな発見があるものですね。
おそらく、その当時の自分の頭の中身。
さらには、自分が求めているもの。
ここの違いが、全く同じものを見ても、得る感想が違ってくるのでしょうか。
やはり、指導者にもフットボールノートを作成する必要性がありますね。
過去の自分を見直すことで、新たな発見を得られるかもしれません。
同じ失敗を繰り返さなくなるかもしれません。

 さて、ブラジルメモの中身。
ニコリーノコーチ(体育大学で講義をするほどのインテリ派)のメニュー。
内容はフィジカルトレーニング。
彼は、コートの中に、コーンやマーカー、ラダーも並べない。
走る方向や距離を、各選手たちに任せる。
彼の仕事は、時間を計り、指示を出すこと。
ゆっくりなジョックのペースと、速いダッシュのペースとの繰り返し。
私達が呼ぶところの、いわゆる「インターバルトレーニング」。
こうやって全力で走る→休む、を繰り返す練習を「インターバルトレーニング」と言います。
ニコリーノコーチ曰く、
「フットサルの試合中に、コーンやマーカーは無いだろう」
「だから、トレーニングでも使わないのだよ」

別のメモには、ヴァウミールコーチ(サンパウロFCの監督)のメニュー。
ここでは、テクニックとフィジカルとを同じにトレーニングするメニューがメモされていました。
ところが、このメニューでは、マーカーが整然と並べられているのです。
ニコリーノコーチの理論だと、コートの中にはマーカーは無いはずなのですが・・。
ヴァウミールコーチのトレーニングは、日本でもよく見るタイプのメニュー。
個人の技術・体力を向上させるには、ピッタリの内容です。
2人のブラジル人コーチにおける理論の違い。
これは、どのように理解すればいいのでしょうか?

 日本でも、次のようなことがありました。
Jリーグの育成年代のコーチが、次のような話をしてくれました。
「サッカーのピッチは長方形(105M×68M)、だからトレーニングするグリッドも長方形ですべき」
「よく正方形のグリッドを見かけるけど、正方形のピッチなど無いでしょう」
ちなみにグリッドとは、トレーニングを行なうのに、マーカーやコーンを並べて設定する四角のことです。

これもまた、違った場面がありました。
先日参加した、指導者講習会。
ナショナルトレセンU−14と並行開催された、コーチのスキルアップを目的とされた講習会です。
ここで紹介されているメニューでは、堂々と正方形のグリッドが用いられているのです。
前出のJユースコーチの理論なら、ありえない設定。

コーチはそれぞれ、自分の考え方や理論を持っていて然るべきです。
信念にしたがってコーチングを進めていくことはとても大切です。
マーカーやコーンを用いること。
グリッドが正方形であること。
確かに、リアリティに欠ける側面もあるかもしれません。
だからと言って、これらのメニューが意味をなさないのでしょうか?
我々コーチが追求しなければならないことは、もっと他にあります。
「何のために、トレーニングを行なうのか?!」
この部分を外して考えるわけには行かないのです。

 コーチは、よく観察するのが、大きな仕事の1つです。
チームやプレイヤーにどういった現象が起きているのか?
今の問題点は何なのか?
目標に達するためには何が足りないのか?
そして、これらを解決させるための行動を取っていくのです。
つまり、1つのトレーニングを終えた時、選手の中で変化が起こらなければならない。
問題点が解決されなければならない。
そうでなければ、そのトレーニングはあまり意味をなさない。

つまり、必要であれば、正方形でも長方形でも構わない。
マーカーやコーンを用いても、用いなくても構わない。
私はそう考えています。
それよりも、観察を広く深く行うこと。
トレーニングの途中でも、メニューをそのものを変化させていく必要すらあるかもしれない。
それだけ、選手の起こす行動、現象を注意深く観察して行きたい。
たった一回のトレーニングであっても、いい変化を何か起こしてあげたい。

そうなると、コーチがトレーニングメニューで一番用いるものは、アンテナなのかもしれませんね。
私のアンテナはまだまだ感度が低い。
もっともっと、性能を高めていかなくては。

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2007年02月02日

ファミレスにて。

 私事で失礼します。
疲れがたまっていました。
寒気までは行かないのですが、冷えを感じてました。
こういう時に、大きな風邪ひくものかな、と考えてました。

仕事の合間に、腹ごしらえ。
中華のチェーン店に入りました。
ファミレスと呼んだ方が適当でしょうか。
頼みたい料理は決まってます。
アッサリと油が控えめで、消化の良いもの。
辛いもの、酸味があるもの、そして香辛料が効いているもの。
理由は、油控えめで、胃腸に負担をかけない。
辛いもので体を中から温める。
酸味と、香辛料で食欲を増進させる。
もちろん、栄養バランスの取れていることは最低条件ですよね。
おかゆ、スーラータン、水餃子を注文しました。
食べ終わる前には、体が温まってきました。
気づけば、完食。

中華料理では、医食同源という言葉を良く聞きます。
これを身をもって体現できたのです。
冬至にかぼちゃを食べる。
これも、同じ考えからきています。
先人の知恵は、いまだに参考になるものが多く含まれていますよね。

一番いい食事は、家族と共に、家庭で食卓を囲むこと。
母親の愛情に勝る食事は、難しい。
とはいえ、現代人は理想通りいかない方が多いですよね。
そんな時、外食や中食で何を選ぶのか?
栄養学の知識が問われます。
何よりも、食事への関心が問われます。
お腹が膨らみさえすればいいのですか?
高級なものを選べと言っているのではありません。
自分のカラダを考えてあげて欲しいのです。
食に興味をもたせるための「食育」。
「食育」の必要性が言われています。

かなり昔、「窓際のトットちゃん」を読みました。
黒柳徹子さんの、自伝的小説です。
20年以上前の大ベストセラー。
覚えておられる方も多いのではないですか?
その中に、記憶に残る、次の一節がありました。
「お弁当に海のものと山のものを、必ず一つ入れてください」
新しく編入する学園の先生が、トットちゃんのお母さんに言ったのです。
そして、お弁当の時間に、トットちゃんたちは学ぶのです。
どの食材が海のもので、何が山のものなのかを。
自然に食べることに興味をもたせる工夫だったのでしょう。

栄養学の細かい知識は、難しい。
体にいいと聞いて、そればかりを食べる。
結局、食事全体のバランスを崩してしまう。
偏りは、良くないのです。
まず大切なことは、食べることに興味をもつこと。
ピッチ上だけ真剣にプレーしても、上達には限りがあります。
運動→栄養→休息→運動…のいいサイクルを作っていく。
これもグッドプレーヤーに大切なこと。
トッププロは当たり前にしています。
ファミレスでも、注文時の工夫次第でバランスのとれた食事は可能です。
美味しく食べて、いいコンディションを!
フットボールプレーヤーへの第一歩。
posted by プロコーチ at 18:24| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする