2006年03月28日

指導プログラムの功罪

前回お伝えしました、指導者講習会。
私は、昨年度の指導者講習会に出席しました。
今年度は、同僚のコーチが、リフレッシュ研修に向かいました。
終了後、
「本当にリフレッシュできた。」
「是非、こういった機会を持ちつづけたい。」
との、充実感溢れる感想を教えてもらいました。

今回のU−14ナショナルトレセン。
それに付随した指導者講習会を通して,毎回いくつかのテーマがあります。
今回のテーマの一つに「個の強化」
各ナショナルトレセンコーチが強く、意識して発信していたそうです。
個人戦術やグループ戦術。
そして、チームとしての約束事を高めていく。
とても重要な事です。
サッカーなら11対11、
フットサルなら5対5のチームスポーツですからね。

ただ、最終的には目の前の相手に打ち克つことが出来るか?
逃げずに勝負する事が出来るか?
攻撃にしろ守備にしろ、勝負を仕掛けてこない相手は怖くありませんよね。
フットボールの究極は、1対1にこそある!
という持論を持った、指導者・ライターも少なくありません。
中田英寿選手も、ワールドカップの最終予選中に、
1対1の重要性に、改めて触れていたのは、記憶に新しいところです。

 さて、指導実践のテーマの1つに、ボールコントロールがありました。
ただ、止めるだけではなく、実戦の中で生きるボールコントロール。
DFの動きを見て、どこにボールコントロールをするのか?
次のプレーを意識したボールコントロールの重要性。
これに焦点を当てたトレーニングです。
同僚のコーチの指導実践のテーマでもありました。

割り当てられたメニューは、3対1でのボールポゼッション。
俗称「鬼回し」とも「鳥かご」とも呼ばれる、あれです。
5〜10M程度の正方形の中で行ないます。
真ん中にDF役。(鬼、鳥役です)
それを取り囲むように、攻撃役を配置。
DFに奪われないように、パスをつないでいきます。
ちなみに、このトレーニングは、便利なトレーニングです。
様々な目的・意味を持たせて、行なう事が出来るからです。

この指導実践での焦点は、ボールコントロール。
JFAの方針としては、
DFの動きを見て、判断を加えたボールコントロールの習得が目標です。
DFが、左から来てるのであれば、右にボールコントロール。
このボールコントロールによるスムーズなパス回し。
確かに、このボールコントロールには、効果があります。
DFに先んじたパス回しを助けるからです。

確かに左からボールを奪いに来たのなら、
右側にスペースはあるのでしょう。
DFの動きを確認して、右側へボールを置くという判断。
これが、トレーニングのツボでした。
でもそれだけで良いのか?
言われた通りのボールコントロールだけでいいのか?

 視点(役割)を変えて見てみましょう。
全く違った状況も浮かんできます。
DFにしてみれば、左側からボールを奪いに行った。
そこで、右にコントロールをされてしまった。
ボールをDFの足が届かないところに置かれた!
と思う時もあるでしょう。

ところが、そうではない時も実際の試合ではたくさんあります。
DFからして見れば、意図して攻撃方向を右に限定している。
左からボールに寄って行くということは、右にドリブルさせよう。
右にパスを出させよう、と限定させている事もあるのです。
その意図にはまってしまえば、ボールは詰まってしまいます。
この瞬間には奪われないでしょう。
が、次、その次では、DF有利の局面が出ては来ないですか?

そこで、同僚のコーチは、
「一度足元にコントロールしてみよう。」
「右サイドへの展開と決めつけず、
どちらへもいける準備、そのボールコントトール。」
「そこで、DFと駆け引きをしてみよう。」
同僚は、一段階上の要求をしたのです。
DFの意図の逆を取るプレー。
まさに、個の強化を意識したコーチングでした。

指導実践の後には、ミーティングが待っています。
そこで、足元へのボールコントロールが取り上げられました。
指導教官の槍玉に上がったのです。
「足元へのコントロールだと、DFに寄せられる。」
展開が遅くなるから、好ましくないとの理由からです。
ちなみに指導教官は、一昨年までJ1チームの監督をされていたコーチです。

 その話を聞いた私は、とても考えさせられました。
JFAの取り組みを優先させるべきなのか、
コーチのこだわりを大事にするべきなのか。
もちろん、JFAの取り組みは、尊重しなければなりません。
世界のトップと、日本のトップとの比較。
日本のトップと、若年層との比較。
ワールドカップや、各年代別世界大会での潮流。
そこでの日本代表の取り組み。
これらをフィードバックさせての、現場への落としこみ。
これらの努力は、見聞きすればするほど、頭が下がります。

たとえば、右を向けと言われているのに、右を向かない。
ましてや、左を向こうとしたいのではありません。
右の向き方は、一つではないですよね。
みんなが同じ向き方をする必要はあるのでしょうか?
ここに、コーチの価値観があり、こだわりがあるはずです。
様々なコーチの、様々に工夫されたコーチングが、
個性あふれる選手を生むのでは?

もし、JFAの指導内容だけが素晴らしい。
JFAの指導指針から外れるものは、おかしい。
だとすれば、日本全国同じような選手の集まりになってしまいます。
もちろん、基本技術、戦術の習得は欠かせません。
確固たるベースがあって、その上に個性豊かな花が咲く。
大きな土台の上に、様々な建物が立つ。
この軸はぶらすことができない。
同僚ともども、思い直すいい機会となりました。
posted by プロコーチ at 18:16| Comment(0) | TrackBack(1) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月24日

緊張の中で

 Uー14ナショナルトレセンが、Jヴィレッジで開催されました。
この年代の、日本を代表するプレーヤー140名余りが集結。
高いレベルのプレーヤーを集め、さらに磨いていこうとするのです。
さらには、ナショナルトレセンの内容を全国に普及していこう、
という狙いもあります。

普及の一環として、指導者講習会が開催されました。
全国から、120人もの指導者を一同に集め、開催されます。
ナショナルトレセンで指導している内容を、指導者に持ち帰ってもらおう。
そして、日々のチーム指導に役立てて欲しい、との意図からです。

この講習会では、指導者のスキルアップも目標としています。
普段は、指導する立場にあるコーチ。
そのコーチが、指導される側のプレーヤーとなります。
ナショナルトレセンコーチの指導を、実際に肌で確かめるのです。
先日、私が受講した講習会では、
日本女子代表監督、U−20女子代表監督の指導を受けました。

 昨年のU−14ナショナルトレセンでの指導者講習会から、
新しい試みがスタートしています。
「指導実践」といいます。
指導実践とは、指導者講習会の受講生が、コーチ役を順番に受け持ちます。
プレーヤー役は、同じく受講生が、順番に務めます。
指導する内容は、U−14ナショナルトレセンで行われたものと、
全く同じメニュー。
このメニューで、何を、どのように伝えていくのか!?
コーチ役にとっては、腕の見せ所ですね。
コーチ役の受講生は、ランダムにあてがわれたメニューを、
指導していくのです。

コーチ役の受講生の表情は、緊張そのもの。
さらに、時間が1人の指導実践に7〜10分弱しか、与えられません。
緊張感はさらに増していきます。
普段の力を発揮できずに終わるコーチも少なくありません。
それもそのはず、指導対象は、同業者であるコーチ。
多くの知識経験を有するコーチに指導しなくてはなりません。

さらに、そのコーチらの比較対象は、ナショナルトレセンコーチ。
先ほどまで目の前で指導していた、ナショトレコーチなのです。
日本トップレベルとされているコーチ陣と比較。
ちなみ今回のU−14ナショナルトレセンコーチは、
元市立船橋高校監督、布啓一郎氏。
ヴェルディユース監督、菊原志郎氏などです。

 私も、昨年の指導者講習会で、指導実践を行いました。
冗談を言って、場を和ませる余裕など、微塵もありませんでした。
さらなるプレッシャーとなるのは、自分の持ち時間の終了後です。
プレーヤー役の受講生が、気付いた点をディスカッションするのです。
それまでは、仲間だと思っていた受講生。
彼らの言葉や視線が厳しく感じてきます。
ディスカッション終了後は、指導教官からの、総括が待っています。
裁判で被告人となったら、こんな心境になるものかと、
想像してしまうほどの緊張でした。

 普段は、自分のチームの指導に忙しい、各指導者。
そんな指導者も、1受講生となって、講習を受けていく。
そして、自分の指導を専門家に見られる。
まさに、非日常の講習会です。
この講習会は、リフレッシュ研修会とも呼ばれます。
Jヴィレッジでリフレッシュし、何かを持ち帰った指導者。
もっと良い指導を!との意欲に燃えて、日々の指導に戻ります。
posted by プロコーチ at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月09日

サッカー教室での授業内容(2月7日)

 私がヘッドコーチを務める、
サッカー教室でのひとコマを紹介します。

先月から、トラップがテーマ。
まずは、きっちり足元にコントロール出来るようにしたい。
ボールの勢いを完全に殺したコントロール。
ただ、足元と言っても、両足の間はダメ。
つまり、身体の真下は、ダメ。
両足の間だと、ボールキープやドリブルしか出来ない。
そこから、パスを出そうとすると、
不必要なタッチ・不必要なステップが入ってしまう…。
パスを左右に出せる。
ドリブルも前後左右に行ける。
言わば、良い持ち方。そこへのコントロール。
両足の真下から、もう30cm〜1M前方が目安になります。

 トラップがテーマになって1ヶ月が経過。
繰り返し参加してくれるメンバーは、徐々に上達している。
今日から、発展的内容に入った!
どこでも・何でも出来る場所へのコントロール。
今日からは、前のスペースへ飛び込んで行く、トラップ。
トラップと言うよりも、
ワンタッチコントロールと呼んだ方がしっくり来るかも知れない。
自分が飛び込んで行く、前方にスペースがあるのを確認。
そして、ボールを前方に押し出して行くイメージを。
この、押し出して行くイメージが、とても重要!

ただし、トラップの基本である、
・ボールの正面に入る。
・いい体勢からトラップの面を作る。
という、基本は変わらない。
どんなプレーでも、基本があってこそ。
基本があってこその実戦的プレーだな、
と皆に伝えていて改めて認識しました。
そんな2時間のトレーニングでした。

 この文章を書きながら考えたことは、
「試合の中で如何に使えるように持っていくか?」
「基本のトラップと使い分けていく判断とは?」
ここです。
メニュー、つまり場の設定での働きかけ。
そして、コーチングの内容。
みんなを変えていくことが出来るのか?
私にも、新たな課題が生まれました。
posted by プロコーチ at 12:32| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月31日

日々研鑚、日々学ぶ。

 最近、新しいサッカーの専門書を入手し、勉強しています。
と言っても、本自体は、非常に古い本です。
「サッカーの戦術」・・・現代サッカーの理論とトレーニング
1972年発行。ヘネス=バイスバイラー著

故バイスバイラー氏は、その当時、欧州でもトップクラスのコーチ。
69〜70年、70〜71年シーズンに、
ボルシアMGをブンデスリーガ連覇に導く。
日本にとっては、奥寺康彦氏を、
当時率いていた、1FCケルンに引きぬいた事で有名です。

この本は、30年も前の本とは思えないほどの内容です。
色褪せることの無い、クオリティーの高さは、
氏の素晴らしさを象徴しています。
何年たっても、フットボールの本質は変わる事が無い。
と、読み進めています。

この本は、戦術論のみに終わりません。
技術・メンタル・チーム作り、そして日本サッカー界への忠告と
多岐に渡っていきます。
登場してくる名前は、ベッケンバウアー・ミューラー・ネッツアー・・。
オールドファンには、たまらない内容なのかなと勝手に想像しています。

 中に、こういった記述がありました。
「余計な水分を取らない」
人間の身体に水分は必要であるが、水分のとり方が問題である。
ふつうの状態なら、練習時間中に、水を飲みにいく必要はないし、
練習のあとも、うがいをしてのどをうるおすていどでよい。
……中略
ふつうは、食物にも相当の水分が含まれているで、
食事のときにとる水分でじゅうぶんである。
ヨーロッパの選手の中には、
食事のときのスープさえ飲まない者がいる。

 ところがです。
ご存知のように、上記の記述は、近年では覆されています。
現在では、こまめな水分補給は、常識にさえなっています。
こまめな水分補給が、体温の急激な上昇を押さえます。
身体への負担を減らす事が出来るのです。

ただ、この一部分を持ち出して、この本の評価を下げる事は出来ません。
もちろん、バイスバイラー氏をおとしめる事など、出来るわけもありません。
今日の常識が、明日には非常識になる可能性するもある。
日々の研鑚、日々学ぶ事が大切だな。
と、改めて認識しました。

さらに付け加えますと、ルールの変更があります。
・オフサイドルールの変更
・GKへのバックパス禁止
この2つは、サッカーのプレーそのものに関わってくる大きな変更でした。
また、ボール、ウェア等用具の進歩も見られます。

「学ぶことをやめたら、
 教えることをやめなければならない」
ロジェ=ルメール(前フランス代表監督)
JFA一押しの言葉です。
今の自分は、学ぶ事が出来ているのか?
今の自分に、教える資格があるのか?
posted by プロコーチ at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月13日

作り上げていく

高校選手権について、もう少し記述を。

優勝した野洲高校の素晴らしさは、
技術力に裏打ちされた、
芸術性・娯楽性の高いフットボールのスタイル。
と思われがちです。
もちろん、何人に囲まれても堂々とドリブルをする選手。
華麗なヒールキックに、軸足を通すトリッキーなパス。
見る我々を、わくわくさせてくれます。
ただ、皆さんだって、私だって、それほど難しいことをやっているわけではありません。
ほんの少しの勇気が、思い切りがあれば、出来るプレーです。
対戦相手の鹿児島実業も、同じようなプレーを若干見せていましたしね。

一番の武器は、お互いが何をするのかを考えながらプレーしている。
「この場所で、このタイミングなら、あいつはヒールキックを狙っている。」
と、周りが信じて走っていることです。
そして、ボール保持者もそのフリーランニングを見て、
「あいつは走ってくれているはず、そこに出そう」
つまり、お互い個人個人が判断し合っているからこそ、
一見トリッキーなプレーがいとも簡単に成功しているのです。
決められたプレーでなく、その場で個人が判断しているのでしょう。

ただし、その場その瞬間の判断には、ブレが生まれてしまいます。
決勝の舞台でも、判断の違いからか、
誰もいないスペースへ、見当違いなパスが何本も出てしまっていました。

ある雑誌のインタビューで、元日本代表の選手がこんなことを言っていました。
「今の選手は確かにうまくなっている
 今の選手は、プライベートとサッカーを分けている」
「俺たちの時代の方が、たくさんサッカーについて語り合っていた
 今ほど立派な戦術論は無かったけども、僕たちはサッカーを語り合っていた」
「今の選手は、言い合わなければならない事も言わない。
 だから、分かってもいないのに分かったフリをしてプレーをしてしまい、
 ボロを出す」

野洲高校の選手には、この話は当てはまらないのでしょう。
お互いの判断がずれたときには、
「俺は、ここに行くふりをして、そっちに出したいんだよ」
「OK、分かったよ。そっちに行くふりをしてても、出ると思って走るよ」
といった話を、毎日毎日しているのでしょう。
この気の遠くなるような作業を繰り返し、
一つ一つのプレーを作り上げていったのが、最後の最後に実りました。
まさに、決勝ゴールは、分かり合ったもの同士のプレーですよね。

華麗なプレーの裏側には、
・繰り返し繰り返しの技術トレーニング。
・個人の判断
・チーム内での共同作業
後は、大舞台でも変わら無いプレーを発揮できる、勇気があったのでしょう。
野洲高校の素晴らしさを、「いいな」と言うのは簡単です。
それでは、野洲高校の努力に対する評価が余りにも足りませんよ。
posted by プロコーチ at 18:26| Comment(1) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月27日

いつでも、どこでも発揮できる能力を

 東北は、寒いです。
寒風吹き荒れる、Jビレッジでの指導者講習会に出席しています。
女子を指導するコーチにフォーカスした、講習会です。
タクシーの運転手さんが、「風が強いから、今日は寒いよー」
と脅す中でのトレーニング見学。

ピッチでプレーするのは15歳以下の女子ナショナルトレセンのメンバー達です。
全国9つの地域から各14名ずつ、
選ばれし計126名がトレーニングに励んでいました。
せっかく、全国から集まったのに、こんな寒い中でプレーさせるのは可哀想。
と正直思いました。
寒さ、強風の影響で、普段は見せないようなミスも目立ちました。
そして何よりも、自分の所属チームとは違うコーチ、
違うメンバーとプレーをするプレッシャー。
これを一番に感じているのでしょう。

そんな中でも、ハツラツとしたプレーを見せていた選手もいました。
思い切った突破、粘り強い守備。
シンプルなトレーニングの中にも、求められる高い要求。
コーチの要求に精一杯応えて、どんどん良い変化を見せていく何人かの選手。
悪コンディションにも、物ともせずに、トレーニングに打ち込んでいました。

 トレーニングの終了後に、レクチャーを受けました。
現日本女子代表(なでしこ)監督大橋浩司氏の講演です。
その中での、興味深い話をご紹介します。

「サッカーは屋内でやるスポーツではない」
「海外だろうが、雪が降ろうが、スコールが降ろうが、プレーしなければならない」
なでしこのメンバー達のエピソードも交えながら、話は進んでいきました。

オーストラリア遠征でのエピソードです。
大雨のためメインの球技場が使えなくなってしまった。
急遽用意されたサブのグラウンド。
ピッチは狭く、しかもぼこぼこ。
大雨は降り続く。
さすがのなでしこメンバーさえも、
モチベーションを下げる選手たちが出てきてしまったそうです。

大橋氏は、
「もし、今から北朝鮮と、中国と、ここで試合をするとしたら、お前らどうする!?」
選手たちは、目の色を変えて、トレーニングを始めたそうです。
ところが、さらに大橋氏は言いました。
「それでは、遅すぎるのです。」
「モチベーションがなくなったその時に、相手がいいプレーをしたらどうする?
 それでやられてしまうよな!?」

 さらには、雪の中での代表合宿です。
選手たちにスライディングタックルのトレーニングをさせたそうです。
雪の中で、スライディングタックルをするというだけで、
モチベーションを下げる選手も出てきたそうですが・・。
雪の積もった中でのスライディングタックル。
当然、普段より良く滑ります。(摩擦が少ないためですよね)
なでしこの選手たちでも、1回目は勢い良く滑りすぎて、
目標のボールを追い越してしまうほど、滑りすぎてしまう選手もいたとか。
さすがに、2回目、3回目だと、修正はできたそうです。
滑りすぎることなく、スライディングを成功させていきました。

またまた、大橋氏は
「それもまた、遅いのです」
「試合中に、スコールや雪が降ってきた。
 1回目のスライディングで、滑りすぎて失敗してしまった。
 そこで、相手のシュートが決まったらもう1点だ!」
「スコールや雪が降ったら、良く滑ることを計算できないとダメだ」

選手たちには、応用力と柔軟性を身につけて欲しいそうです。
個々が、試合で使える技術、いわゆるスキルを獲得して欲しい。
どんな状況かを判断する、個人戦術を身につけて欲しい。
コーチに言われたからでは無く。
仲間に言われたからでは無く。
相手にされたからでは無く。
良く見て、今、何が必要なのかを、自分で考える能力。
この能力の有無が、自分の力を発揮できるかの一つのポイントかもしれませんね。


posted by プロコーチ at 00:49| Comment(1) | TrackBack(1) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月16日

自転車に乗れますか?

 自転車に乗れるようになったのは、何歳のときですか?
早い子供で幼稚園に通っているころか。
遅くとも、小学校の中学年には乗れるようになっていたのではないでしょうか。
補助輪を取るときには、後ろを父母や大きな兄弟が持ってくれ、
支えてもらいながら、自転車をこいでいる様子が目に浮かびます。
幼い時に乗れるようになった自転車。
10数年乗っていなかったといえ、乗れなくなる人は殆ど居ないはずです。
不思議なことに、昔に習得した事は、大人になっても出来るものなのです。
一方、大人になってから、自転車に初めて乗ろうとしても、大変です。
3日やそこいらで習得できるものでは無いでしょう。
大人になって、様々な知識、体の動かし方が身に付いているというのにです。
これもまた不思議なことですね。

 しばしば、フットボールの技術の習得は、自転車の運転に例えられます。
技術の習得には、最適な時期があるのです。
それは、神経系が発達していく時期です。
5・6歳から12歳くらいの間がベストだと言われています。
この時期に、成人の90%までに、神経系が発達していくのです。
ここで、体に様々な刺激を与えてあげることで、技術を習得していくのです。
 
特に、9・10歳から12歳までの間は「ゴールデンエイジ」と呼ばれます。
ここでは、たった一度やってみるだけで身に付く事があるくらい、
技術の習得に適した時期です。
これを「即座の習得」と呼んでいます。
ちなみに、「ゴールデンエイジ」を充実したものにするためには、準備が必要です。
5・6歳から8・9歳までは「プレゴールデンエイジ」と呼ばれるます。
「プレゴールデンエイジ」の時期に、様々な体の動かし方を身につけておくのです。

そして、この時期に身につける事の出来た技術は、一生のものです。
セルジオ越後氏の言葉にもあるように
「技術は衰えない」
http://futebol.seesaa.net/article/9209172.html
残念なことに、フットボールを始めた時期が、ゴールデンエイジを過ぎていたら?
技術は一生身につかないのでしょうか?
特に、大人になってから始めたプレーヤーは、走り回ることしか出来ないのでしょうか?

 ある1DAYのサッカー教室での1コマです。
関東のJチームが主催したサッカー教室。
コーチは、上級のライセンスを有した、Jクラブのプロコーチです。
「大人になったら、たいした技術は身に付かないのだから、
 今日はサッカーを楽しみましょう!」
そんな開会の挨拶と共に、サッカー教室は始まったそうです。

確かに、大人になってから新しい技術、
普段とは異なる体の動かし方を憶えて行くことは
非常に難しいものです。
「即座の習得」なんてあり得ません。
ただ、習得のスピードはかなりゆっくりにはなりますが、
間違いなく技術は習得できるのです。
そのためには、コツがあります。
・技術の仕組み、使いどころを頭・体の両方で理解していくこと。
・繰り返し繰り返し、反復トレーニングをすること。
・コーチを信頼し、出来ると信じてプレーすること。

 実際に、私が指導する成人のサッカー教室では、素晴らしいことが起きています。
5ヶ月前、彼(彼女)らのリフティングの回数は1回から10回。
たったこれだけしか出来なかったグループがあります。
ところが、3つのコツに気をつけながら、5ヶ月間トレーニングを続けました。
今では、数十回出来たプレーヤーから、200回出来たプレーヤーまで現れました。
彼(彼女)らは、週に1・2度のトレーニングでここまでたどり着いたのです。
その努力には頭が下がる思いです。

おそらく、身に付いた技術で、劇的にプレーが変わった訳ではありません。
ただし、浮き球のコントロールの技術は一生の財産になるでしょう。
技術を身につける間の過程、実際の技術。
これが新たな技術を戦術を習得していく際の大きな自信となります。
「俺たちは(私たちは)、リフティングを*+<回出来る!」
「リフティング出来るまで、あきらめずにトレーニングを続けれたんだ!」
この自信が、実は一番の財産かも知れませんね。
posted by プロコーチ at 18:05| Comment(0) | TrackBack(1) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月22日

素晴らしいパフォーマンスの為には

 先日行われた、ナビスコカップ決勝。
そこで、キックの名手ガンバ大阪の遠藤選手がPKでキックミスをしてしまいました。
さかのぼると、94年ワールドカップ決勝戦では、
あのロベルト=バッジョ選手の放ったPKは、11M先の枠にすら飛びませんでした。
なぜこのようなことが起こるのか、不思議だとは思いませんか?
彼ら技術力ならば、たとえ倍の距離(22M)だとしても、
練習中に枠を外す事は無いでしょう。
なのに、なぜ?

先日、スポーツと人材育成に関するセミナーに参加しました。
そこで、素晴らしく興味深い話を伺いました。
結論から言ってしまうと
試合で見せるパフォーマンスは、
専門的スキル+心(メンタル)で決まるのだと。
書いてしまえば、当たり前の話なのです。

ただ、この心、メンタルの部分の重要性についてです。
メンタルの部分の一つに、セルフイメージと言うものがあります。
このセルフイメージとは、
身の回りの環境、今までの経験、他人によって大きく左右されます。

例えば、それをいいときのセルフイメージをプラスの感情。
悪いときのセルフイメージをマイナスの感情だとしましょう。
プラスの感情だと、セルフイメージが大きくなり、
素晴らしいパフォーマンスを発揮できるでしょう。
一方、マイナスの感情だと、セルフイメージは小さくなり、散々なパフォーマンスに・・・。

具体的に言うと、朝起きて、天気が良かった(プラスの感情)。
家を出て会社に向かったら定期入れを持っていないのに気付いた(マイナスの感情)。
駅員さんに事情を話すと、改札を通してくれた(プラスの感情)。
電車が混んでいて、服がぐちゃぐちゃに(マイナスの感情)
会社に着いたら、いい案件の予感(プラスの感情)。
そこに、上司からお小言をくらう(マイナスの感情)。
でも・・・・・・・・。
と、セルフイメージは様々な要因から、影響を受け
プラスにもマイナスにもなっているのです。

そんな事で、とお思いかもしれませんが、
このような単純なことからも、人の心は左右されてしまうのです。
ただ、その自分の心に影響お及ぼすものの一つには、自分自身も含まれるのです。
周りの環境、今までの経験、他人はコントロール出来ませんよね。
唯一コントロール可能なのが、自分自身なのです。

 色んな事を言い訳にして、出来ない理由を探していては、
いいパフォーマンスなど望めません。
つまり、どんな「不快」な状況だろうと、
自分で「快」を創出できれば、プラスの感情を生み出すことが出来、
セルフイメージは大きくなるのです。
様々なプレッシャー「不快」の途中に、「快」を作り、
ビッグパフォーマンスを生み出す。
素晴らしいプレーをする。
ここに、スポーツの真髄はあるのではないでしょうか?

「自分の機嫌は自分で取る」
こんな名言を教えていただきました。
自分のセルフイメージ(心)を他人任せにしていませんか?
自分で自分の機嫌を取れてますか?


 
posted by プロコーチ at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月11日

サッカー・フットサルにおける技術の向上

「技術は衰えない。」
セルジオ越後氏の有名な言葉です。
氏は既に65歳。
ご存知の通り、立派なお腹の持ち主です。

以前、フットサル場で一緒にプレーをする機会に恵まれました。
身体のキレは全く感じないものの、
ボールコントロール、ボールキープは輝いていました。
さらに、豪快なシュート。
ゆっくりな動きから、一転。
物凄く速いシュートモーションから、
飛び出していくボールのスピード、正確性は、
ピッチ内の誰よりも輝いていました。
これを間近で見たときに、
「技術は衰えない」
私の頭には自然と浮かんできました。

 最近のトレンドとして、リフティングやフェイントを中心とした、
技術解説の本・DVDが人気を集めています。
このような、リフティングやフェイントは1人でトレーニングできます。
また、上達の度合いが目に見えて分かりやすいです。
そんな手軽さ、分かりやすさが受けて、大きなトレンドになっているようです。

ただ、一つだけ!気をつけなければならない事があります。
身につけた技術をいつ使うのか?と言う事です。
サッカー・フットサルの試合では、決して1人でプレーしません。
ゴールがあり、味方がいて、相手プレーヤーが居て、審判が居ます。
その事が、意識されない技術、
意識されないトレーニングは、試合で活きてこないのです。
この技術は、このトレーニングは試合の場面で、
いつ?どこで?どのように?活かすのかと考える。

 そのような、試合で活きる技術をオープンスキル。
トレーニングでしか、ピッチ外でしか活きない技術を
クローズドスキル、(昔はテクニックとも)と呼んでいます。
フットボールは、サーカスや曲芸ではないのです。
ボール扱いが上手くても、使い所を間違っていたら・・・。

セルジオ越後氏が言う「技術」というのも、
もちろん、このオープンスキルのことでしょう。
高い技術、そして状況を判断する能力。
この2つを揃えて、初めて技術の高い選手となり得るのです。
試合を楽しみ、試合で活躍し、試合で勝つためには、
トレーニングによって、本当の技術、オープンスキルを身につける事です。
ゴールを意識し、DFをイメージし、味方の位置をイメージするトレーニング。
そんなリアリティのあるトレーニング。
こういったトレーニングを積み重ねて、衰えない技術を身につけたいですね。

「よい準備がなければ、よい試合はできない」
「フットボールの上達に近道はない。不断の努力があるだけだ」
・・・デットマール=クラマー氏
近代日本サッカーの父、
教え子に、フランツ=ベッケンバウアー・カールハインツ=ルンメニゲ・釜本邦茂らを持つ
posted by プロコーチ at 13:45| Comment(0) | TrackBack(1) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月26日

勝負にこだわり過ぎない?

 Jリーグが再開されて、熱い戦いが続いています。
ヨーロッパ各国もリーグ戦が徐々に開幕され、
その動向から目を離せない、日が続きます。
日本人選手が、どれだけの活躍をしてくれるのかは、
誰もが気になるところです。

ところが、日本の育成年代(ユース・ジュニアユース・ジュニア)では、
リーグ戦の方が、少ない現状があります。
ここ数年でこそ、ユース年代を中心にプリンスリーグなるものが生まれ、
新しい流れになりつつはある物の、依然としてトーナメント戦が主流です。
トーナメント戦だと、一回負ければ終わってしまうため、
・真剣勝負の回数が少ない、
・手堅い戦術のみが採用されやすい
・出場選手の固定化
といった弊害が言われていました。
こう言った事から、徐々にリーグ戦方式を導入していこうと言う流れが起こっています。

 そして、JFAからの発信を始めとして、
「育成年代は、そこでの勝負にこだわり過ぎない」
「その選手が、大人になった時、様々な者を身につけて置けるように」
「今の年代の結果が目標でなく、通過点に過ぎない」
と言う、フレーズが広がっています。

今、育成の現場では、
「選手を育てていく事が1番大事」
と言う、環境で指導が行なわれている事が多いと聞きます。
選手にしても、指導者にしても、勝敗へのこだわりが薄いように感じます。
良かったプレーを取り上げて、
「負けたけど、良いゲームだ」
これだけで片付けて、本当にいいのでしょうか?

・負けて、悔しくない選手。
・試合中に諦めてしまう選手。
・自分に言い訳をしてしまう選手。
なぜ、負けたのか?
なぜ、勝つ事が出来たのか?
この事を突き詰めていく必要があるのではないでしょうか。
私は、負けず嫌いは、1つの能力だと思っています。
その能力を伸ばしていく事で、選手の技術・戦術眼をさらに伸ばしていく事が出来る。
そう考えています。

たとえ、今、出来ないから負けてしまったとしても、
数ヶ月後にはトレーニングして、出来る様にしよう!
次の試合では、同じミスを犯さないために、しっかりと理解しよう!
このような考え方を持てるようにしたいですね。
その瞬間、その瞬間には勝ち負けには、ものすごくこだわって
そして、試合が終われば、次の試合の準備をする
このサイクルが、良い選手になる、1つの鍵ではないでしょうか?

「勝ちたいという気持ちはどんな試合でもある。
  楽しければ負けてもいいとは思わない」
     
     アレッサンドロ・デルピエロ・・・イタリア代表・ユベントスで活躍している、
                     素晴らしいテクニックと決定力を併せ持つ名選手
              
「試合終了のホイッスルは、次の試合のキックオフの合図である」   
     ゼップ・ヘルベルガー・・・1954WCで優勝に導いた、西ドイツ代表監督
                   「近代ドイツサッカーの父」と呼ばれる
ちなみに、日本サッカーの父である、デッドマール・クラマー氏は、
彼を師と仰いでおり、全く同じ言葉を、日本サッカー界にも残しています。

posted by プロコーチ at 15:45| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月05日

適応能力・・・競技規則改定を受けて

 7月1日から、競技規則が改定されました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
競技者の人数、スローイン、PKと若干の変更が見られました。
トピックスは何と言っても、
・オフサイドの運用 
・反則・得点時のボールの扱い
この2つでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
頭では、理解していても、戸惑ってしまうのが正直なところです。
特に選手は、今までに染みついた癖というものがあるので、
いきなり「改定します」と言われても、ツライですよね。

 ただ、いつでも整理された環境でプレーしている選手ほど
アジャストしていくのが、難しいでしょう。
たとえば、整ったグラウンド、メニュー、用具に囲まれている。
さらには、倒れれば、審判が反則を吹いてくれる試合を繰り返す。
まさに、純粋に培養された選手達には、適応能力が身に付きづらい。

指導者もわざと整っていない環境を用意する勇気も必要でしょう。
頻繁にサッカーの指導書に記事を寄稿している団体が以下の記述をされてました。
「用具は予めコーン等で決めておいたエリアに用具を置いておくこと
 それが、怪我や事故を防ぐ指導者の配慮・・・。」
確かに、おっしゃる通り。
指導者は安全に配慮する義務があります。
お預かりしている、大切な選手ですから!
でも、もし選手達が整っていない環境に放り込まれたら?
自発的に、環境を整う行動に移れるのでしょうか?

 1つの実験として、少しぐらいならタッチラインを割ったとしても、
笛を吹かずにそのままプレーを続けさせてはどうでしょうか?

実際、試合でも審判が見過ごしてしまうケースは多々あります。
そこで、プレーをあきらめてしまうのか、続行できるのか、
この差はとてつもなく大きいと思いませんか?

 ルール改定にしても同じ事です。
どのようにルールが改定されたとしても、
笛が鳴るまでは、プレーを続ける。
この当たり前のことが出来れば、どんな状況にも適応する事が出来るのです。
そして、指導者は普段のトレーニングから、意識させる事が出来ているのかどうか?

posted by プロコーチ at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月31日

決定力を上げるためにB(サッカー・フットサルのシュートを考える)

 実際に、どのようなシュートが決まっているのでしょうか?
試合では,見事な個人技からDF,果てはGKまでもかわしてのゴール!!
このようなプレーが印象に残っており、憧れてまねをする方も多いでしょう。
それも,大切なプレーではありますが,もっと必要なプレーがあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しつこいですが、いいトレーニングは,チーム・個人の課題をクリアする事が出来ます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 次の統計を見てください。
86年ワールドカップから、98年ワールドカップの統計です。
得点になった時のシュートのボールタッチの回数
1タッチ(ダイレクト)
   52〜64%
2タッチ
   14〜21%
・3タッチ以上
   16〜27%

つまり、パスを止めずに,そのままシュート。
もしくは、ボールを止めて、次ですぐシュート。
この2つのプレーで、得点の7割から8割は決まっているのです。
どのようなトレーニングが必要か,もう分かりましたよね。

1タッチでゴールを狙う技術
・ヘディング
・ボレーシュート
・前・後ろ・横から来るグラウンダーに合わせるシュート


2タッチでゴールを狙う技術
・一発でシュートが打てる場所へコントロール
・かつ、DFの届かない場所へコントロール
・1トラップで、DFの逆を取るフェイント(目・身体)

これらの技術を繰り返しトレーニングすることが、ゴールへの近道です。
派手なフェイントも楽しいですが、2割と8割どちらを選びますか?

「10本の平凡なゴールと、
 9本のスーパーなゴール。
 どちらかを選べと言われれば、
 俺は、迷わず
 10本の平凡なゴールを選ぶ!」

マルコ・ファン・バステン(現オランダ代表監督)
80年代から90年代にかけて、オランダ代表、ACMILANでゴールを量産し、
今もなお、オランダ・MILANのファン選手の間で、語り草になる伝説的ストライカー。
posted by プロコーチ at 00:24| Comment(2) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月29日

決定力が無いと言われるサッカー日本代表ですがA

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いいトレーニングは,チーム・個人の課題をクリアする事が出来ます。
決定力を上げる為のシュートトレーニングとしては
・技術
・対人プレー
・ポジショニングの要素が複合的にリンクしてきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前回の記事では、上記の技術,対人プレーについてお話しました。
では,ポジショニングについて。

 ポジショニングと言っても,立つ位置の事だけを示しているのではないです。
・正しい位置に
・正しいタイミングで
入ってくる必要があります。
今までは,ポジショニングの良い選手をゴールへの嗅覚があると言った,
あいまいな表現をとっていました。
確かに、説明が付かないほど、嗅覚が異様にある選手はいますが。

 まずは,正しい位置に。
以下の統計を良く読んでください。
膨大な数の国際試合での統計からだそうです。

全得点における、ペナルティエリア内での得点
「80〜90%」
さらに,ペナルティエリア内でも
さらにゴールエリア幅(18.32M)に限っても
「70〜80%」
そして、10本以上枠内シュートを打った
チームの勝率、
「勝率85%以上」
つまり、ペナルティエリア内でもさらに、ゴール幅にポジションを取り
そこで,10本以上の枠内シュートを打つこと。


 さらに,正しいタイミング。現在、JFAでは、こう言い表します。
「パワーがある状態で入ってくるように」
つまり、FWが立ち止まった状態でゴール前にいてもDFのマークを容易にしてしまう。
FWはスペースに飛び込んでいく事。(パワーがある状態)
ボールの流れ、DFの位置・スペースを観察する。
そして、ボールが入ってくるその瞬間にスペースに入らなければ,得点にはつながらないです。

最後に。
その正しい位置へ正しいタイミング
多くの人数
が入ってくる事。
最低でも,3人。
出来れば,チャンスと見れば、4人・5人と入ってくる事。
後ろのポジションから、入っていく事は、正直大変な作業です。
それでも,このチャンス
勝負所を見極める戦術眼、
味方を信じて飛び込んでいく,
勝負のフリーランニング。

これが合わさらないチームの得点力は低いです。

 チーム内で,たくさんのミーティングを開く事が大事です。
いつ,どのタイミングで、ポジショニングを誰がどのように取るのか?
そして、どのようなボールを送るのか?
この共通認識が、勝負のフリーランニングを産み出す
パワーの源になるでしょう。

posted by プロコーチ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月27日

シュートトレーニングについて 決定力が無いといわれるサッカー日本代表ですが・・?

 残念な結果に終わってしまった、サッカー日本代表キリンカップ,対ペルー戦。
相変わらず、決定力不足が叫ばれてますが実際のところはどうなのでしょうか。
ジーコ監督の談話からは
「ゴール前の落ち着きが足りない」
「ゴール前のポジショニングに問題が」
「シュートの時、身体のバランスを崩している」

と言ったものが聞こえています。

近年、日本代表に選ばれるような選手は抜群の技術を持っています。
・シュートが枠にすら入らないFW
・パスの出し所をみつけれないMF
・トラップミスをするDF
彼らも,所属チームではもっといいプレーをしているでしょうし、
遊びのサッカーやアップの時には、すさまじい技術を見せつけています。
では、なぜ・・?

 いいトレーニングは,チーム・個人の課題をクリアする事が出来ます。
決定力を上げる為のシュートトレーニングとしては
・技術
・対人プレー
・ポジショニング
の要素が複合的にリンクしてきます。

 シュートの際のボールは、
止まっているボールのキック(ex.トラップしたボール、PK・FK)
前方へ転がっていくボール(ex.ドリブルしているボール、パスを追いかけて)
横から入ってくるボール(ex.クロスに合わせて、横パスを受けて)
前から入ってくるボール(ex.こぼれ球に合わせて、ポストシュート)
とに分類する事が出来ます。

さらに、
グラウンダー
・浮球
・バウンドボール

があります。

 そして,シュートトレーニングの段階としては、
・フリーの状態で(GK・DFを付けずに)
・制限付きのプレッシャーで(GK・DFはシャドー・軽く付く程度で)
・フルプレッシャーで(GK・DFは真剣に)
・試合形式で

と、上から徐々に難しくなっていきます。
チーム・個人のレベルがどの段階なのかを考えて、
日々のトレーニングを組みたてていかなくてはなりません。

今,どの段階ならプレーできるのか?という事です。
そして,どのようなボールに対して問題・課題を持っているのか?
これを組み合わせると,かなり明確にメニューのイメージが膨らんできます。

ただし,このような考え方もあります。
横浜マリノスに在籍した,元スペイン代表のフリオ・サリナスは
「日本人はいつも、フリーでシュートトレーニングをする。
  私は常に、DFを付けてシュートトレーニングをする。
  ゴール前でフリーになる事は,なかなか無いからね」

FCバルセロナで活躍し,3度もワールドカップに出場した選手の言葉なので、
一面の真理はあるのでしょう。

 大切な事は、何か一つの事を鵜呑みにするので無く、
個人・チームの状態を観察し,
トレーニングを組みたて、
変化を敏感に察知し,
トレーニングを発展させていく事です。

トップの選手・チームのしている事は,理想の1つです。
しかし、自分達にもそのまま当てはまる事は無いです。
まずは,よく観察する事。
そして,課題・問題を一つずつクリアしていく事です。

次回は、さらに掘り下げていきましょう。
posted by プロコーチ at 15:21| Comment(1) | TrackBack(1) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする