2018年02月03日

ひざをトントン

 指導者が、選手に向かって働きかける。

「コーチング」

その目的は、何なのでしょうか。








 声をかける。

話を聞く。

体を使ったアクション。

体罰は、もちろん含まない。

どのような働きかけをするのか。

常に選手の状態を見なければならない。

難しいです。

こちらが、一方的に、情熱をぶつけるだけでは上手く行かない。

コーチが何もしなくても、選手が自ら動いてくれるのが、一つの理想かもしれない。

そのためには、仕掛け、仕組み作りが求められる。









 どのような声かけをするのか?

そのためには、コーチングの目的をいつも頭に入れておくこと。

「コーチングすることによって、対象の選手の行動を変化させること。」

その結果、目標を達成したり、成りたかった自分に近づいていく。

チームで言えば、勝利をすることであり、自分たちのスタイルを作り上げていくこと。

だからこそ、行動そのものを変化させなくては、これらは達成されない。










 フットボールの現場で、どのような声が出ているのか?

コーチが、思い付きで声をかける。

家でケンカをしてきて、虫の居所が悪いのか、汚い声かけをする。

失敗する度に、ダメ出しをする。

そして、人格を否定する。

「だからお前は、ダメなんだ。」

もしくは、目の前の現象とは関係ない声かけ。

それでは、言われた選手は混乱してしまいます。









 先日、幼児(2歳〜3歳の未就園児)向けの、運動教室を見学しました。

いつもお世話になっているフットサル場で開催されていたのです。

そこで、面白い声かけがありました。

親と、幼児がパートナーでストレッチを始めました。

コーチが言いました。

「コーチと同じように座ってね。」

足を投げ出して、お尻を地面につけます。

「手で、ひざをトントン叩いて」

「行けるなら、そのまま、靴までトントン叩こう」

ひざをトントン叩くことで、ひざを伸ばさせる。

そして、そのまま靴に向かって叩くことで、腿裏からお尻にかけてのストレッチ。

これが、自然に出来ているのです。








 
「次は、お母さん、お父さんの背中に回って。」

「そのまま、背中にピッタリ引っ付いて〜。」

「そうしたら、乗っかっちゃおう。」

パートナーを後ろから押して、さらに前屈させるための声かけです。

自然に子供たちは、親御さんの背中に乗っかって行きます。

次は、子供たちが伸ばされる番です。

「じゃあ、今度はお母さんが、後ろに行こう。」










 一連の声かけは、おそらく、マニュアルだと思われます。

よく考えられていますよね。

子供たちが、自然に、動き出せるようになっている。

しかも、強制ではなく、楽しい気持ちを持ちながら。

直接的な声かけばかりでは、選手が理解できないかもしれない。

理解は出来ても、動く気持ちを持てないかもしれない。









 これは、選手同士の声かけをする時にこそ、有効だと思います。

コーチから選手なら、前提条件が異なってきます。

信頼関係に基づいている。

多少、キツイ言い方であっても、選手側も理解しようと頑張るはずです。

でも、選手同士なら、違います。

「なんで、お前に言われなくてはならないの?」

そうなった途端、その声かけは、むなしく響くだけです。

せっかく、チームのために、仲間のために、声を出しているのに、、、。









 コーチングの目的を、考えていれば、声かけが変わってくるでしょう。

目の前の相手に、どのような行動を取って欲しいのですか?

声を出すのは目的ではなく、手段のはずですよ。

ひざをトントンです。
posted by プロコーチ at 01:26| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月13日

燃えていいのか?!

 現役時代は、燃える男として、真っ向から勝負。

巨人に振られた反骨心から、巨人戦になるとさらに燃え上がる。

当時の大スターである、ONを相手にも全く引かない。

それどころか、厳しいコースでグイグイ攻める。

巨人戦、阪神戦を中心に勝利を積み重ねて行きました。

まさに、燃える男。

故星野仙一氏です。




 監督時代、特に中日の監督時代。

闘将と呼ばれていたようです。

ミスを許さず、甘い考えや、ぬるい判断を許さない。

鉄拳制裁、選手を殴る・蹴ると、指導のためには暴力を用いていました。

選手を怒鳴りまくり、暴力で支配しする。

星野曰く「俺のプレッシャーに負けるような奴が、ここぞの時に踏ん張れるか、そんな奴は要らねぇ」

さらに、「私が怒る時は、常に本気で怒る。叱るときは全身で叱る。自らの本心を隠したり抑えたりできないのは、私の長所であり、また、短所でもあるが、少なくともスポーツマンの世界で発揚する理想だと考えている。時には怒鳴り上げ、壁を蹴り、灰皿を投げ付けて怒る。私くらい怒っていることが周囲に丸分かりの監督もいないだろう」

セパ両リーグでリーグ優勝。

中日、阪神、楽天と、買いに低迷している時に、監督を引き受ける。

そして、全てのチームで優勝に導いています。

弱小チームであった楽天を、初の日本一に導いたのは、記憶に新しいところ。








 選手を暴力で支配し、自分の言うことを聞かせる。

体罰を用いるコーチは、どうなのでしょうか?

プロ選手を相手にしているから許される?

もし、これが、育成世代なら許されていない?

昔のことだから許されていた?

いや、楽天が優勝したのは2013年。

彼を、どのように評価すれば、いいのでしょうか?









 もし、暴力だけで、選手を動かそうとしていたならば、長くは続かないはずです。

17年も監督を続けています。

そして、1000勝を超える勝利を積み重ねました。

代表を合わせ、4チームで指揮をふるっています。

選手や、フロントの評価がある程度高くないと、これはあり得ないはず。

伝え聞く話だと、選手の心をつかむ人心掌握術には定評があったようです。

若手を育て、主軸を活躍させました。

もちろん、彼の振る舞いを恐れていた選手も、たくさんいたとは思います。 

それ以上に、愛され、信頼されていたのでしょう。










 指導者として、最も求められる能力の一つ。

私は、人間的な魅力だと思います。

その人が醸し出す、オーラのようなものと言ってもいいかもしれません。

星野監督には、その魅力が溢れていたのではないか。

細やかな配慮を欠かさなかったエピソードも、聞こえてきます。

あの一気に笑う笑顔も魅力的です。







 もう一つ、私が大切にしている能力。

それは、そのスポーツを、心から愛していること。

野球なら野球。

フットボールなら、フットボール。

「ずっと野球と恋愛してきて良かった。もっともっと野球に恋をしたい。」

70歳で野球殿堂入りした時の、スピーチです。

そのスポーツを心から愛しているから、真剣に向き合える。

誰よりも、野球が好きだ!と胸を張って言える。

指導者として、必ず求められる資質だと、私は考えています。









 星野監督は、尊敬する指導者の一人です。

そうは言っても、私自身は、暴力を肯定できません。

そのプレーが許せないといっても、殴る、蹴ることは、今後もしないと思います。

ですが、殴られても、蹴られても、監督共に歩み、力を発揮した選手やコーチたち。

彼らは、星野監督の魅力に、引き込まれていたのでしょう。

今、暴力、鉄拳制裁を用いて、指導することは、許されない時代です。

もし、星野さんが、今!若手として監督に就いたら、どのような指導をするのでしょうか?

全身全霊で、選手と、向き合うことは間違いないでしょうね。





星野監督への想いが強くて、まとまらない文章になってしまいました、すみません。



故人のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。




 
posted by プロコーチ at 02:08| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月28日

12年目の定点観測

 定点観測

…変化のある事象について、一定期間、観察や調査を続けること

            出典…大辞泉(小学館)





 私が定点観測を意識して続けていることが、幾つかあります。

その一つが、ナショナルトレセン女子U-14(2014年まではU15)

同時開催される指導者講習会。

こちらに、初年度から欠かさずに参加させていただいています。

当時の資料を見ると、懐かしいですね。

フル代表の監督は、大橋監督。

なでしこジャパンと名付けられて、まだ2年目!

澤、宮間、永里、大野、丸山といった、7年後に世界一になるメンバーがいますね。










 そして、何より、開催場所が、Jヴィレッジだということ。

広野町に、車で行ってたなぁ。

日が暮れた後、急に気温が下がり、震えながら研修を受けていた。

本当に懐かしく感じます。

東日本、西日本とがまとめられ、1か所で開催されていました。

選手、コーチ、父兄と、多くの人間が集まり、盛大に開催されていました。

今は、地震、原発事故の影響で使えなくなっているのが、本当に寂しいです。

福島の心優しい方々に、優しくもてなして頂いたのが、いい思い出です。

もちろん、現在の鹿島ハイツも素晴らしい環境ですよ。









 女子の活動の大きな特徴は、上から下までがつながっていること。

例えば、初回の2005年度。

現場には、当時の上田女子委員長、フル代表の大橋監督、U20の今泉監督、U15の佐々木監督。

一堂に会して、実技講習をしてくださいました。

「今、我々は、こういうことに取り組んでいる!」

この取り組みを、日本中に広げて欲しい。

見ているだけでなく、熱く指導に、デモンストレーション。

女子サッカーを向上させるんだ!という熱い思いが、感じられる。

スライディングのデモンストレーションを、何度も何度も見せてくれました。

もちろんピッチ上は、とても盛り上がっていました。

初回だから、特別でしょ!?そんなツッコミが聞こえて来そうです。

そんなことは、ありません。

昨年は、高倉監督が、講義に見えられていました。

取り組みは、今も脈々と続いています。











 私が当時感じた、取り組みがつながっているな、という感想。

それは、間違っていませんでした。

その証拠が、幾つかあります。

当時の参加した選手の名簿を見ると、驚きます。

熊谷、高瀬、菅澤、中島依美、山根、国澤と、代表選手だけでこれだけいます。

2005年度のたった1回のナショトレU15が、これだけの選手を輩出しているのです。

なでしこリーグに入った選手は、さらに何人も。

本当に、驚きです。

目の前で見ていた選手が、10年後には、フル代表で活躍している。

コーチたちも、指導のモチベーションが、さらに高まるでしょうね。











 男子のナショトレメンバーは、ここまで、代表入りは出来ていませんよね。

残念なことです。

何よりも、トップの監督の人選が、男子と女子とでは、大きく異なります。

佐々木前監督も、高倉監督も、世代別の代表監督を経験し、フル代表の監督へ。

男子の監督は、オフト監督、加茂監督、岡田監督、ファルカン監督、トルシエ監督、ジーコ監督、オシム監督、岡田監督、ザッケローニ監督、アギーレ監督に、今のハリルホジッチ監督。

横のつながりも、上下のつながりも、ありません。

せっかく、育成に力をいれて、未来を明るくしようとしているのに。

女子に比べると、男子はそのベクトルが、合わさっていないですね。
posted by プロコーチ at 22:21| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月08日

キャッチボール(対面パス)

 トランプ大統領が来日しました。

相手の懐に飛び込んだ安倍首相は、良い関係を築いているそうですね。

日本では、大統領をどのように、歓待するのか?

多くの興味が集まりました。

和食に、ゴルフ。

2人は、仲良さそうですね。

それをベースに、国同士も、良い方向に進んでほしいものです。









 そして、過去のやり取りも、思い出されました。

私が気になるのが、小泉首相時代の、ブッシュ大統領とのエピソードです。

グローブとボールとを送られた、小泉首相。

予定になかった、キャッチボールを始めました。

実は、予測できないアクシデントが恐れて、キャッチボールはさせないようにしよう。

事務方同士では、そのような取り決めがあったそうなのです。

でも、2人がキャッチボールを成功させた。

これがきっかけになって、良い関係が築かれていったとのことです。










 キャッチボール。

仮に自分から始めるとして、相手に向かってボールを投げる。

相手がボールを受け取る。

そして、自分に向かってボールを投げてくる。

自分が受け取る。

これで、1度、キャッチボールが完了します。

キャッチボールと一言で言っても、最低限、これだけのアクションがあります。

ボールが行ったり来たりすることだけを、意味していませんよね。

キャッチボールを成功させるには、2人の間に、成功させようとする明確な意思が必要なのです。

何をいまさら?!とお思いでしょうか。

キャッチボールは、簡単ではないのです。

これを、2人組の対面パスに置き換えても同じことです。






 全く、相手のキャッチボールの能力が分かっていない。

まず、どのような距離でするのか?

小さい子供なら、ほんの数M。

大人ならもっと長い距離ですし、熟練者ならさらに長い距離になるでしょう。

そして、相手の身長に合わせて、受け取りやすいであろう、胸を目掛けて投げる。

その時の強さは、どれくらいの強さなのか?

自分の力を誇示したいなら、強い威力のボールを投げるでしょう。

とは言え、あまりに弱々しいボールを投げるのは、相手を馬鹿にする結果にもなり得ます。

お互いが、心地よい強さで、ボールを投げ合いたいですね。

受け取ったボールを、どのタイミングで投げ返すのか?

相手が投げ終わって、受け取る準備が出来ているのかを確認しなければならない。

お互いが、このように、相手の事を尊重し、想像力を働かせ続けること。

キャッチボールを成功させると言うことは、コミュニケーションを成功させることなのです。









 終わるタイミングも簡単ではありません。

キャッチボールを始めておいて、勝手に終わるわけにはいかない。

せっかく、コミュニケーションが円滑に取れている。

それなのに、突然、キャッチボールを一方的に終わらせる。

それは、コミュニケーションを断絶してしまうことを意味します。

ボールを受け取った側は、何とも言えない、モヤモヤを抱いたままでしょうね。

お互いに、終わりにしよう、と言う共通理解も必要になるのです。

対面パスも同じですね。











 どうでしょうか?

今まで、相手のこと、自分の事、お互いの事を考えて、パス交換をしていましたか?

いいパス交換が出来るなら、それは、いいコミュニケーションが取れている証拠でしょう。

もし、2人との間に、信頼関係が無いのなら。

例えば、新しくチームに入って来た選手と。

自分が、新たな環境に飛び込んだ時。

もしくは、ちょっとしたボタンの掛け違えをしてしまった相手と。

対面パスをしながら、話をしてみてはどうですか?

ボールを通じたコミュニケーションを、まず成功させてみてください。

新たな信頼関係を構築する、スタート地点には立てるはずですよ。

posted by プロコーチ at 18:57| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

変化を恐れるひな鳥。

 ブラジルに研修、引率で来ています。

サッカーキャンプの優秀選手に、留学希望者。

中学生2人、小学生が8人。

彼らともに、クルゼイロの育成施設「toca1」でお世話になります。

それにしても、うらやましい。

その年代から、ブラジルを体験できる。

自分も、16歳の時に、初めてブラジルにサッカー留学に行きました。

夏休みの1.5か月弱という、短い期間。

それでも、その後の人生が、大きく変わるような衝撃を受けました。

挑戦している小学生や中学生にとっては、チャンスですよね。











 このチャンスを生かすか、無駄にするかの違いは、何か?

自分が連れて行って思うのは、本人そのものにあるのではないか。

最も無駄にする可能性が高いのは、環境の変化を受け入れない子ども。

「家のご飯が食べたい。」

「言葉が通じない。」

「普段とは、コーチに言われることが違う。」

今までに自分が育った環境と比べ、違いになげく。

いつもだったら、もっと上手く行くのに?!

やっぱり、日本が、自分の住んでいる環境が良かった。

ブラジルに行った意味が、これでは薄れてしまいます。

自分から、変化するチャンスをつぶしてしまっている。











 もう一つは、大事に育てられすぎている子供。

普段から、手をかけられすぎているのでしょうか。

最近は、6ポケットとか言う言葉もありますね。

我々の子供時代に比べて、子供一人に投下する手間やお金が大きくなっている。

傾向として、そのような子供は、自分で何もしなくなっています。

まるで、ひな鳥が口を開けて餌を待っているように。

口を開けていれば、親鳥が、せっせ、せっせと餌を運んで来てくれる。

「コーチ、時間。」

「コーチ、スパイク忘れた。」

そのような子供は、最小限の単語で、物事を伝えてきます。

おそらく、その先は、常日頃、察してもらっているのでしょうね。

このような選手も、環境の変化や、アクシデントに弱いです。

転ばぬ先の杖が無くなると、転んだ後の対応に困ってしまうのです。













 短い期間とは言え、お預かりする子供たち。

少しでも有意義な時間を過ごしてもらいたい。

そして、少しでも、いい変化を起こしてもらいたい。

ブラジルの食事や、環境を受け入れる努力を、共にしていく。

わざと丁寧でない接し方、察してあげない行動を取る。

さて、今年の子供たち10人に、いい変化が起きるのでしょうか。

楽しみに、頑張ります。
posted by プロコーチ at 11:10| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月12日

本当は大好き。

 ブログの更新を怠っていました。

すみません。

ようやく、仕事がひと段落したので、書かせてもらいます。





 今年も、ブラジルの名門クラブ「クルゼイロEC」を日本に招待。

4年目となる、クルゼイロサッカーキャンプ。

育成のプロフェッショナルを日本に招いて、小学生向けにサッカーキャンプを開催。

東京、大阪、埼玉、山口。

多くの選手に対して、指導。

準備も、イベントも、自分たちで作り上げるので、本当にやりがいがあります。

しかも、世界基準の指導に触れれるのですから、ありがたい限りです。









 4回目となると、クラブ側も、日本に対する理解が深まってきました。

最初は、ブラジルの子供に向けた、そのままをトレーニングしようとしていました。

もちろん、良い内容なのですが、日本の子供たちには受け入れられにくいものも、、。

それを、こちらから、日本の現状を伝え、彼らも子供から感じ取り。

少しずつ、さらに良いものに変化していきました。

今では、「この部分が、日本では足りない!」スペシャルメニューを作成してきます。










 参加する子供たちは、本当に変化していきます。

初日にできていなかった事が、時間を重ねるごとに、上達していく。

知らなかったこと、勘違いしていたこと。

そして、今まで、トレーニングしていなかったこと。

まるで、乾いたスポンジのように、吸収していく子供たち。

最終日には、初日とは、ガラッと変わった姿になっています。

ほんの、2時間×4日の8時間。

今まで、子供たちがトレーニングしていた時間に比べると、ごくわずか。

その何百倍も、トレーニングして来ていたことでしょう。

今までの努力が下地になっているのは、間違いありません。

良い刺激を与えると、良い方向に変化する。

毎年、プラスの変化を目にして、うれしい気持ちに感じています。









 これは、南米の指導者の特質なのでしょうか?

参加した子供たちは、笑顔にあふれています。

厳しいことを求める瞬間、キツイ言葉を投げかける瞬間もあります。

それでも、全体から、いい雰囲気が消えません。

子供たちは、サッカーを自らプレーしていました。

やらされている選手は、いませんでした。









 大人も、子供も、大好きだから、プレーしているのですよね。

それなのに、つらく苦しいものに耐えるような顔でだけプレーしている。

プロ選手、プロの手前にいる選手は、それが仕事・職業ですから。

当然、引き締まった表情になる。
 
その彼らでさえ、根っこの部分では、子供のころは、どうでしょうか?

誰よりも、フットボールが大好きだから、真剣に取り組んでいたはずです。









 子供のころに感じていた、とにかく大好き、だから上達したい!

ブラジル人指導者は、その部分を忘れてはならないと、改めて気づかせてくれました。





好きこそ物の上手なれ。

「どんなことであっても、
 人は好きなものに対しては熱心に努力するので、上達が早いということ。」

                 引用…故事ことわざ辞典




 
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2017年07月07日

ミスリードの原因は?

 少し前に、都道府県のトレセンのトレーニングを見てきました。

U15ですね。

間違いなく、日本でも有数のレベルの高さ。

ここから将来の代表選手が出てもおかしくない。

選手たちは、礼儀正しい子ばかり。

あいさつ、片付け、瞬間瞬間のふるまい。

いい意味で、よく躾けられた選手の集団でした。








 選手は、コーチの言葉を懸命に消化しようとしていました。

何か言われると、それを漏らさずに聞く。

コーチが求めているプレーを、いち早く表現しよう。

自分のしたいプレーよりも、コーチの求めるであろうプレーを。

やる気がみなぎって、いい空気を作っていました。

コーチとしては、あれだけ規律のある集団は、指導しやすいでしょうね。










 ただしそこから、少し残念な流れになりました。

守備についてです。

コーチはとにかく、球際を厳しく。

ボールに厳しく行くことを求め続けました。

「状況を見て、予測して」とは言いますが、この状況とはなにか?

コーチの頭の中は違ったかもしれませんが、選手たちはボールに行けるかどうか。

それが、最優先事項として、頭にあったでしょう。

なぜなら、ボールに寄せて奪えたらOK、ボールに行けなかったらダメ、という空気ですから。

すると、マンツーマンで、初めからマークをし続けるのです。

2対2でも、3対3になっても。










 そして、最後の締めくくりは、ゲームです。

5対5(4対4プラスGK)をハーフコートより、少し狭めの設定で行います。

この流れでゲームをすると、もちろん。

全ての局面でボールにプレッシャーをかけようとします。

DFが深い位置で持っても、GKに返しても。

全てのボールに、全選手が食いつき続けます。

1枚はがされると、カバーする選手は、間に合いません。

人についていくので、中央のスペースを明け渡しても、気が付いていません。

何度も、簡単な縦パスを通されてしまいます。









 コーチは、「人だけでなく、スペースも見ないと!」

大きい声でコーチングしますが、一度壊れた組織は、再構築されません。

それまでの1時間強をかけて、マンツーマンをベースとした守備をしていた選手。

もちろん、マンツーマンと言えども、危険なスペースを抑えておくのは、当然。

それを理解できていない選手たちは、未熟だったかもしれません。

人に行け!と言われても、危険なスペースを察知する。

ゴールを守るためには、当然なはずですが、、、。










 コーチは、選手の頭の中をのぞいているのか?

自分が伝えたいことばかりを、一方通行で伝えている指導はどうでしょう。

そのコーチのトレーニングセッションは、当たり外れが激しいはずです。

選手の共感を得られない可能性が、出てきます。

選手は、思うでしょう。

「言ってることは分かるけど、今はちょっと違うかも?!」

「それはそうだけど、何か違和感があるなあ。」

コーチングの最中、プレーをしているとき、そして、トレーニング終了後に振り返りながら。

選手の信頼を得ることは、難しい。











 選手をもっと見て、何が起きて、何を感じているのかを、理解したい。

頭の中までのぞけるくらいの、観察眼。

そうすれば、ミスリードは起こらないのではないでしょうか。
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2017年06月16日

シュート決めろよ!

「シュート決めろよ!」

試合やトレーニングで、選手がシュートを外しました。

すると、その選手に向かって、コーチが大声で怒鳴ります。

失敗したプレーをあげつらって、声を出す。

これで、いったい何が変わるというのでしょうかね。









 コーチの指導の失敗例の、最たるもの。

目の前の現象に対して、結果に対して、コーチングする。

それは、もはや、コーチングと呼べるものではない。

我々は、その結果がなぜ起きたのか?

プレーを一つ、二つ、三つとさかのぼって、考える必要がある。

そうすると、そこに、原因が浮かび上がってくる。

失敗には、理由がある。

目の前の現象を追いかけるだけでは、深い理解につながらないのです。

当然ですよね。









 イランで開催された、アジア最終予選。

イラク戦での失点シーン。

吉田、川島が、一部で戦犯扱いされています。

二人のミスで、、

特に、吉田でしょうか?!

「クリアしろよ!」









 その考えは、先ほどのコーチの失敗と同じ。

今野、遠藤、本田、長友、庄司、吉田、酒井、川島。

少なくとも、これだけの選手がミスをしています。

何度も、この失点シーンを確認してみてください。

特に、プレーを、いくつも、さかのぼって!

そうすることで、そこに、いくつもの原因が浮かび上がってくる。








 このように考えることが出来るかどうかで、フットボールの理解が深まるかどうかが決まります。


クリアしろよ、それだけではね、、、、。







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2017年01月31日

うれしい瞬間

 どのような選手を育てたいか?

フットボールには、様々な要素がある。

技術がある。

味方のためにファイトできる。

賢い。

足が止まらずに、走り続けれる。

好みはあるでしょうが、これら全てを持っていて欲しい。








 その中でも、私が重要だと思っている要素があります。

自分で考えることができる選手。

自分で状況を考え、解決策を探していく能力をもつ選手。

この力を持っている選手が多ければ多いほど、チーム力は高まる。

そして、仮に、この力を持った選手が移籍したとしても、違う場所でもポジションを確保できる。

私は、常に、そう考えてきました。










 そのためには、教えすぎてはならない。

放置でもならない。

どのような刺激を、いつ与えればいいのか?

そのバランスが難しい。

私も、言い過ぎたかな?教えすぎたかな?

または、あのタイミングは、声掛けをしてあげたほうがよかったかな?

指導を振り返りながら、自問自答の毎日です。









 先週土日で、指導チームの遠征に出かけていました。

もう、17年指導を続けているチーム。

1泊2日での大会に参加。

この大会も、選手たちが話し合って、この大会に出場することを決めています。

大会に出場するとなったら、様々な整備が必要ですよね。

申し込み、宿、持ち物、参加者、配車、用具などなど。

それら、すべてを自分たちで行っている。

しかも、当然のように、スムーズに。

それだけでも、素晴らしいことです。










 今回、残念ながら、日程の全てに帯同することが出来ませんでした。

初日、都内で指導をしてから、遠征に駆け付けました。

午前の試合は、監督不在。

午後の2試合目から、合流しました。

初戦は、残念ながら、敗戦。

2試合目は、格上の相手に、快勝。

内容も素晴らしく、個々が躍動する、見ていて気持ちのいい試合でした。










 夜のミーティング。

2試合目について、素晴らしかったことを伝えました。

ただし、課題も伝えました。

チームとしては、リーグ戦開幕前。

オフ明けで、チーム戦術には、手を付けれていない状態。

多少のブランク、試合勘の無さが、選手たちにはあるようです。

試合中に起きてしまうズレや、感覚の違いや、連係ミスについてです。

「それを、試合中に話し合って欲しい。」

「お互いのことを気にしていれば、もっと目が合うはずだ。」

「試合中のコミュニケーションの量と質を高めてほしい。」

そのように、選手たちに伝えました。

話を聞いている選手たちは、目に力をこめて聞いてくれていました。

うなずきながら、消化している選手も多数。










 そんな中、一人の選手が発言してくれました。

「監督が来る前の試合。確かに敗れたけど、私たちはたくさん試合中に会話をした。」

「点を取られるたびに、何人かが集まって改善しようとした。すぐには上手くいかなかったけど、、。」

「2試合目は、監督が来て、安心したのかもしれない。」

「でも、私たちだけでも、何とかしようとたくさんコミュニケーション取ったことは、伝えておきたい。」

それに同意するような声も、いくつか挙がりました。







 私はその発言を聞いて、嬉しくなりました。

自分たちで考える力を持っている。

問題解決しようとし、コミュニケーション取れる力が育っている。

今までの指導は間違っていない!その証明ともいえる瞬間でした。

本当にうれしい瞬間でした。

これからも、一緒に頑張ろう!
posted by プロコーチ at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月05日

バッタの運動会

「おい、バッタの運動会を知っているか?」

私が20年前以上に、塾の講師をしていた時に、先輩から問いかけられました。

知らなかった私は、教えてもらいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・
バッタに、コップを被せてしまう。

バッタは、ピョンピョン飛ぶが、コップにぶつかってしまう。

被せられたコップにぶつからないように、ジャンプをするようになる。

しばらくして、コップを外して、バッタを自由にしてあげる。

それでもバッタは、コップにぶつからない高さでしかジャンプしないようになってしまう。

コップが無くなったにもかかわらず。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 この訓話から、いくつかのことを学ぶことが出来ます。

・自分で自分の限界を決めてしまうと、それ以上にはなれない。

・諦めてしまうと、それ以上を求めて、行動をしないようになる。

・抑圧してしまうと管理しやすいが、成長を止めてしまう。
(本当は、もっと成長していたのかもしれないのに。)






 聖和学園の試合を見ていて、バッタの運動会が思い出しました。

プラスの面。

ボールを蹴飛ばすことばかりを求められた選手は、ボールを持てなくなるのだろう。

だから、ボールを止める、運ぶ勇気を持たせることは、指導者に求められている。

ボールを扱うことができる選手は、年を重ねて、走れなくなってもフットボールを楽しめるのでしょう。



マイナスの面。

ボールを運ぶ、ドリブルとショートパスばかりを求めていくと失うものがある。

ボールをバシッと蹴れる選手がいない。

ヘディングをたたけない。

もっとも気になったのは、フリーランニングしなくなること。

スルーパスが欲しくて裏に走ってもボールが出てこない。

クロスを信じて飛び込んでもクロスが上がらない。

すると、選手はフリーランニングをしなくなる。

ボールを足元で受けるためのフリーランニングばかりで、ゴールに向かうスプリントが無い。






 我々は、選手に、コップをかぶせてしまってはならない。

もし選手が、見えないコップをかぶってしまっていたら?

そこから解放してあげるのも、指導者の仕事。
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2016年10月27日

ご冥福をお祈り申し上げます。

 スーパースターが、この世を去りました。

平尾誠二さん。

50代での早すぎる死。

サッカーにも詳しく、その著書の中でも、しばしば登場します。

グラウンドの上でも、現役を退いても、スマートな印象がありました。

私は、ラグビーは詳しくありません。

テレビで観戦する程度。

ようやくルールが分かるかな?くらいの関わりしかありません。

それでも、平尾誠二さんの偉大さは、感じていました。








 私の少年時代、世の中は、ラグビーが熱く盛り上がっていました。

寒い時期になると、テレビでは、ラグビーがしばしば放映されていました。

当時は、サッカーよりも、ラグビーの方が、メジャースポーツだったと記憶しています。

ここ数年、ワールドカップでの日本代表の活躍もあり、また注目されています。

今だと、五郎丸選手でしょうか。

私の世代だと、圧倒的に、平尾誠二さんでしたね。

タックルはもちろん、スクラムや、ラックなど、見るからに痛そう。

相撲取りのような人たちが、体をぶつけ合う競技。

勝手に、思い込んでいました。

でも、神戸製鋼の試合は違いました。

パスがつながり、知識が浅い人間が観戦しても楽しい、神戸製鋼の試合。

その中心にいたのが、平尾誠二さん、その人。

華麗なステップを踏み、相手陣内を切り裂いていくプレー。

30人の中で、誰よりも、キラキラしていました。












 高校、大学、社会人と、あらゆるカテゴリーで全国優勝をし続けた。

そして、チームの中心として、グラウンド上の監督のようにプレーし続けていました。

引退後、指導者の道を歩まれたのは、当然の流れでしょう。

そして、現場の指導に留まらず、多くの発信もされていました。

その内容から、素晴らしい人柄が感じ取れます。

そして、ラグビー関係者だけでなく、種目の違う我々も、大いに学ぶことがあります。

私も、何冊かの書籍を読み、勉強させてもらいました。

その中から、いくつかの言葉を紹介させていただきます。






「パスは借金するみたいなものだ。」

借金を返せないやつは、借金してはならない。

ちゃんと返せるというイメージがないとだめ。

パスを受けた選手が、(前に)抜けるという可能性があれば、パスをすればいい。

パスは一種の投資である。

儲かる見込みがあるから、投資する。

単純にAからBにボールを渡すことがパスの目的ではない。

AからBにボールが渡ることによって、現在より有利な状況を作る。

その行為がパスの本質である。







「メンタルタフネス。」

日本人に足らないもの。

世界のトップと、日本人選手の一番の違いであり、日本人に足らないもの。

ここぞ!という時に、頑張れるか否か。

きつくなると、なんだかんだ言い訳をして逃げてしまっている。

自分探しなどと言って逃げ回らず、困難に立ち向かう意思の強さ。









「コーチの立ち位置」

トレーニング中は、選手の視界に入るか入らないか微妙なところに立つのが、

選手にとって、いい緊張感を生むのではないか?

パス練習の時は、意識して選手の前に立つようにしていた。

腕組みでもしながら見ていると、選手はイヤでもコーチの視線を気にする。

でも、選手の視線は、ボールと、パスの受け手に行っていなくてはならない。

この状況は、ゲームの状況そのままじゃないですか。

ラグビーでは、どんな時も、意識を前に置いてプレーするのが基本。

選手はそれを習慣にしなくてはならない。

パス練習の時、監督が前に立つだけで、この習慣が身につくのです。






「情報収集能力」

試合中、目から入ってくる情報が、圧倒的に多い。

試合中の体の向きを見れば、その選手が優れているかが、すぐ分かる。

近いところしか見ていない選手は、容易に判断を間違える。

逆に、常にグラウンド全体に視野を広げていると、たくさんの情報を持っている。

ですから、瞬時に的確な判断をできる可能性が高くなる。









「情報を集め判断する力」

子供のころから、そういう訓練をしていたかどうかで、ずいぶん違う。

例えば、家族みんなで食べるショートケーキを買うときに、

なるべくバラエティに富んだ組み合わせにしておく。

まず子供に、好きなものを選ばせる。

もし、子供の口には合わないものであっても、「お前が選んだのだから食べなさい。」

すると、次からはもう少し注意するようになる。

それから食べ終わった後に、このケーキが幾らしたという値段の情報を与える。

そうすると、子供なりに「小さくて値が張るケーキはおいしいのではないか」

と予測を立てるようになる。

たかがケーキ選びですが、瞬時に判断しているのは、ラグビーのプレーと同じ。






「イメージ」

イメージをマネージメントし、マネージをイメージする。

イメージとマネージとをつなげる。

ラグビーには、静的なものと動的なものがある。

静的なマネージメントをしておき、それとは別にイメージは試合中に動き回る。

各プレーヤーがイマジネーションの中で、イメージを持つこと。

イメージは、マネージされた時に、加速する。







 経験と、深い洞察力とを積み重ねての、様々な知見。

改めて本を読み返すと、学ぶことばかりです。

まだまだ、日本のスポーツ界全体に、その能力を発揮してもらいたかったです。

平尾誠二さんのご冥福をお祈り申し上げます。



参考文献
型破りのコーチング、PHP新書

人は誰もがリーダーである、PHP新書

勝者のシステム、講談社

イメージとマネージ、集英社

いずれも平尾誠二著
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2016年10月06日

河川敷のグラウンドはどうですか?

U16日本代表が、アジアの予選を勝ち抜けました。

来年開かれる、U17ワールドカップに出場です。

この年代にとって、国際的な経験を繰り返すことは、何よりも重要。

しかも、ワールドカップという真剣舞台を踏めるかどうか。

このことは、彼らだけでなく、日本フットボール界全体の将来にとっても重要です。








 このチームを率いるのは、森山佳郎監督。

貴重な、育成のスペシャリストです。

特に、Jクラブにおいては、育成のスペシャリストと呼べるコーチは貴重です。

数年のサイクルで、コーチが変わってしまう。

育成のコーチを、通過点、ステップアップのための踏み台程度にとらえている!

そう言われても仕方がないのではないでしょうか。

高体連の名門校には、名将と呼ばれる監督さんがいますよね。

何十年もその世代を見続けている名物先生です。

その経験、生徒の人間を育てる情熱、生徒の心まで目を配る指導力。

その力は、代えがたい宝と言えます。

まさに、育成のスペシャリストです。












 森山監督は、その系譜を受け継ぐ、育成の最前線で戦い続けているコーチなのです。

だからこそ、選手に何を伝え、何を伝えないのか。

どのような振る舞いが、選手に影響を与えるのかを分かっている。

そして、その世代の子供たちにとって、何が必要か?

何が出来ていて、何が足りないのかも、身をもって知り尽くしている。

広島ユースでは、何人もの選手を育てていますよね。

柏木、高萩、槙野、森脇、野津田、等々。

「気持ちには引力がある。」

森山監督の名言です。

言葉の力も持っておられるのですね。









 彼は、子供達が、どこでつまづいてしまいそうなのか?

前もって、計算していたでしょうね。

だから、今大会の前に、開催地であるインドに遠征を行っています。

見たことのない環境に、選手たちが戸惑わないように。

トルシエ監督時代にも、同じことがありました。

アフリカ遠征で、ありえない体験をさせた。

その体験が、ワールドユースの躍進の力の一端になっているでしょう。

世代のエリートですから、対応能力も高いはず。

一度知っていると、さらに、その適応も上手く行きますよ。

今回、宿舎の環境が悪いことも分かっていた。

ピッチが悪いことも分かっていた。

天候が変わりやすいことも分かっていた。

もし、そのことを知らなければ、ベスト8の壁を突破することも出来なかったかも知れません。









 アジアでの戦い。

私がいつも気になっていることがあります。

大会が開催されるたびに、

「ピッチコンディションが悪く、コントロールが難しい」

「パスが走らず、自分たちの力を発揮することが出来なかった。」

定型文でもあるかのように、選手が口にします。

現在のA代表の中心である北京オリンピック世代。

西川、吉田、長友、森重、香川、本田、岡崎が、この世代ですね。

期待された彼らも、ピッチコンディションに苦しめられ、グループリーグ3連敗。

日本のスタイルを考えれば、きれいなピッチで試合をした方が、力を発揮しやすいのでしょう。











 でも、日本のように、短く、カーペットのように、きれいに揃った芝ばかりではありません。

見た目はきれいでも、下の土が粘着質で重たい。

または、ぼこぼこして、フラットではない。

芝が長く、あまり水をまいていないので、パスが走らない。

草なのか、芝なのか?

そんなピッチすらあります。

対戦相手も同じ芝の上で、同じ条件で戦うのですから、本来言い訳にはならないはずなのに。

子供のころから、人工芝のフラットなピッチで育っていると、ひ弱になるのでしょうかね。

対応能力の欠如?








 それならば、いっそのこと、河川敷のグラウンドでトレーニングをすればどうでしょうか。

「広島ユースを指導していた時は、わざと週に2回、土のピッチで練習していた」

と森山監督は話していたことがあります。

河川敷のピッチは土と草と、石とが混ざったような、最悪なコンデション。

雨が降ると、さらに、コンディション不良はひどくなります。

ピッチのサイズも、正規の105×68も無いかもしれない。

もちろん、更衣室などありませんよね。

そのような環境で、トレーニングやトレーニングマッチを重ねれば、いい経験を積めますよ。

たくましく、図太い選手が育ちそうです。

わざわざ整った環境で合宿しなくても、世界に近いのは、河川敷なのかもしれない。
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2016年03月18日

指導を受ける。

 靴ひもの結び方を教えてもらいました。

簡単で、すぐに出来る。

しかも、ほどけにくい。

靴ひもの種類によっては、表面がツルツル滑り、ほどけやすいものもあります。

後は、踏まれたり、自分で踏んで、ほどけてしまうこともありますね。

素早く出来て、ほどけづらいなら、実践してみたい。

この結び方は、卓球の世界では、有名だそうです。

なぜなら、福原愛が活用していることで有名だそうです。

しかも、この結び方を「愛ちゃん結び」呼ぶとのこと。









 何度も、説明してもらい、実践してもらいましたが、出来ない。

教えてくれる子供は、何とも素早く結んでしまいます。

テレビを観て覚えたらしく、軽々と実践してくれます。

頑張って、真似をしてみましたが、よく分かりません。

まぐれ?で出来ることもありました。

でも、正直、よく分かりませんでした。

悩むくらいなら、普通の蝶々結びをすればいいかな、くらいに思ってしまいます。

その子も私に、丁寧に、何度も説明してくれました。

手取り、足取り、教えてもくれました。

それでも、イマイチ理解することが出来ません。

教えてもらいながら、出来る時もあるのですが、成功率は低いまま。

丁寧に教えてもらっているのが、時間を取らせて、申し訳なく思ってしまいました。










 このやり取り。

家に帰って、思い出しました。

なぜ、自分は理解できなかったのだろうか?

丁寧に説明し、解説してくれたのと言うのに・・・。

一番の問題は、分かっている人間と、分かっていない人間の頭の中の違いではないか?

分かっている側の立場から、説明する。

すると、分かっていない人間が、どこで困っているのかに、気づけないのです。

受け取る側からすれば、「言われた通りにしている!」

ましてや、「何で出来ないの!」と言われても、こっちが聞きたいよ!

そう、伝える側は、受け取る側の頭の中を想像しながら、言葉を選ぶ必要があるのです。

相手の理解度を感じ取りながら、理解が深まるように、説明していく。

一方的な説明を繰り返すだけでは、理解は深まりづらい。

そして、理解できていないことは、当然、実行することは出来ません。

一方的な指導を受けただけでは、選手は向上できないのではないか。









 昨日、今日と、何度もこの結び方を練習してみました。

やっと、出来るようになってきました。

すると、ようやく、あの時の説明してもらった言葉の意味が分かってくるのです。

知らないことを知る。

知っているだけのことを、出来るようにする。

いい経験をさせてもらいました。

自分自身の指導が、一方的な押し付けになっていないか?

見つめ直さなくては!!

気づかせてくれて、ありがとう。

そして、便利な結び方を教えてくれたことも、ありがとう。 






 
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2015年12月16日

学び続ける重要性

「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない。」

元フランス代表監督、ロジェ・ルメール氏の有名な言葉があります。

改めてここで紹介する必要がないくらい、有名な言葉です。

きれいごとに聞こえるかもしれませんが、本当に大切な考えだと思っています。

そして、今回、その重要性を改めて実感しました。










 ナショナルトレセン女子U-14が関東と関西で行われました。

このナショトレと併設で開催された、指導者講習会。

毎年の恒例行事のように参加させてもらっています。

参加を続けて、もう10年が過ぎました。

それでも、毎回新たな発見があります。

今回の気づきは、大きなものでした。

蛇足となりますが、スタッフや選手の用具がナイキとモルテンに変更。

こんな小さなことでも、アディダスに見慣れた我々としては、驚きがありました。









 一番大きな気づきは、コーチングの留意点についてです。

トレーニングを通じて、選手をより良い方向に導いていく。

改善していく、というのは、もちろん変わりません。

変わったのは、その手法です。

インストラクターのコーチも、「大きく方向性が振れた」と語っていました。

それは、ポジティブな声掛けを増やそう!というものです。

イメージとしては、ポジティブ8:改善2だそうです。

ミスを改善し、失敗の原因を追究するのではなく。







 今までも、もちろん、ポジティブな声掛けはありました。

が、フリーズして止めた時でも、「今のは、これこれが、このように良かった」

と褒める。

従来は、ミスをしたときは、選手もしまった〜と思っている。

そのタイミングを逃さずに、コーチングをしよう。

改善8:ポジティブ2くらいですね。










 実際に、指導実践で試してみました。

雰囲気は、すごく良くなりますね

これを知れただけでも、今回の講習会に参加した価値がありました。

やはり、学び続けなくてはなりませんね。
posted by プロコーチ at 17:52| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月05日

後出し

「声を出そう!」

静かに試合を進めるのが、嫌いな選手、コーチがいます。

何か声を発して、活気のある感じが好きなのでしょうか。

試合中に発する声には、様々なものがありますね。

声を出すことも、一つの技術だと考えることが出来ます。

誰もが、必要なタイミングに、適切な声を出せる訳ではありません。

やはり、トレーニングが必要です。









 試合を観ていて、気になる声があります。

もちろん、相手を侮辱する内容は論外です。

「死ね」「殺すぞ」「##*(人種差別的な)」

スポーツマンとしても、人としても、あり得ない。








 私が伝えたいのは、後出しジャンケンのような声が多いこと。

その声かけに、何の意味があるのでしょうか?

失敗した、ミスをした選手に対して声を発しているシーンを思い浮かべてください。

励ましているのか、ダメ出しをしているのか。

例えば、、、

「先、触ろう」…ルーズボールの競り合いに負けて、

「体、入れろ」…相手に抜かれた、ボールを奪われた

「軽いよ」…簡単に抜き去られた

「もったいないよ」…ボールを蹴飛ばしてしまった

「早く出せよ」…ドリブルをし過ぎてボールを奪われた

「負けんな」…競り合いに敗れて

何か、失敗してしまった味方選手に対して、ダメのらく印を押すかのように聞こえてしまいます。

味方の失敗、ミスに対して、後付けで声を出す。

声を発している選手としては、どんな心境なのでしょうか。

味方にもっと頑張って欲しいと願って、発していると信じたい。









 味方に届くほどの声を出せるだけで、一つ進歩しています。

聞こえるほどの声を発することの出来ない選手も、多いですからね。

どうせ声を出すなら、もっと有益な声を出してほしい。

後から出すのではなく、先回りして声を出す。

ミスが起きないように、もっといいプレーにつながるように。

味方に声を出すのです。

先ほど挙げた声も、すべて言い換えることが出来ます。

もし「持ち過ぎだよ」と言いたいなら

「右空いてるよ」「こっちあるよ」「DF来てるぞ」「ヘイ!!」

これらの言葉を、持ちすぎるそのプレーの前に出すことが出来れば、変わった可能性は高い。

「軽いよ」と言いたいなら、

「遅らせろ」「腰落とせ」「足動かせ」「飛び込むな」「じっくり行け」「ディレイ」

などなど。









 先回りして声を出す。

そのためには、状況を把握しておくこと、プレーを予測することが必要です。

たくさん見えていなければ、精度高く、先回りすることは出来ません。

後出しをやめて、先回りの声に変えていく。

チームの雰囲気も、きっと良くなるでしょう。

そして、たくさんの目がプレーを予測し声を掛け合えば、プレーの成功率も高まるでしょう。

声を出す選手の、戦術眼、予測する力も付いていく。

今、出そうとしている、その声を変えてみてください。
posted by プロコーチ at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月16日

その声は伝わっていますか?

 「声を出す」

いいチームは、ピッチの内外から声が飛び交います。

声を出すことで、意思を表示できる。

声を出すことで、元気になる、勢いが出る。

声を出していますか?

簡単なようで、難しい。

誰でも出来ることのように思えるが、出来ていない。

出来たつもりになっている選手の、なんと多いことか。








 ブラインドサッカーのアジア予選が開催されました。

今回は、残念ながら、応援に行けませんでした。

同じく代々木で開かれたワールドカップに観戦に行き、魅力を知っただけに残念でした。

彼らは、見えないことを感じさせないほどの、一体感。

コーラーやGKの声掛けが、それをつなぐ大事な要素。

ボールから音が出ていますが、その感覚は、我々ではつかみきれない。

声を出す、声を聞き取ることの重要性を感じる場でした。



ブラインドサッカー協会のwebで、このようなページがあります。

ブラインドサッカーを、企業研修や、少年サッカーの指導に活用しませんか?

その一文を紹介すると、


「日頃、情報の8割を得ていると言われている視覚。
この企業研修では参加者はアイマスクをしその感覚をあえて奪うことで、新たな気づきを生み出します。
コミュニケーションスキル・チームビルディング・リーダーシップ・ボランティア精神・障がい者理解。」


面白い試みだと思います。

私も、体験ブースでアイマスクをつけて、プレーしてみました。

PK,ドリブル。

視界を奪われることは、なんとも、不安なことか。

当たり前に出来ていたことすら、おぼつかない。

不安な選手を、声の力で助けることが出来るのか?!

体験ブースでは、声掛けの達人が、私をサポートしてくれました。

おかげで、少しだけ、楽な気持ちでボールに親しむことが出来たのです。










 私が指導する、少年フットサルスクールでも取り組みました。

ブラインドサッカーです。

鉢巻を目隠しに用い、視界を奪います。

3・4人で1グループを作り、リレー形式。

ボールは用いず、指定するコーンを回って帰ってくるだけ。

誰もが出来る、ごく簡単な内容です。

ただし、目がいつも通り見えていればの話ですが。










 体験させて分かったことがあります。

何とも、自分本位な声掛けの多いこと。

見えている、分かっている自分が基準の声掛けです。


「もっと右だよ。、右だって言ってるのに!」

(もっと、とはどれくらい?)

「そっちじゃないよ、あっちだよ。」

(違うのは分かるけど、あっち?)

「ストップ!」…危ない!壁にぶつかりそうになりました。

(伝えたい相手が幼稚園の年長さん。
 そのため、「ストップ」という単語を知らない。当然、全く伝わらない)








 もう一つは、声を受け取る側の準備です。

情報として、声を受け取れていない。

夢中になりすぎて、声を聞き取れない。

選手は、いかにして、高性能のアンテナを立てるのか?を求められます。

アンテナを立て、声が耳に入るだけではダメです。

共通の言語がないため、声を理解できない。

ただの音として、仲間の声を受け取ってしまっている。

全体のビジョンがないため、想像力が働かない。

拾った声を、どのように活かすのか?を高性能に処理するコンピューターが欲しい。








 今回のブラインドサッカーの体験。

子供たちにとって、とてもいい時間になったと思います。

視界を奪われた時に、声に助けられた瞬間を実感できた。

声が伝わらないもどかしさを、体験することが出来た。

少しだけ、他人の立場に立つ努力を始めれたかもしれない。

視覚障がい者の気持ちを、理解するきっかけになったかもしれません。









「声を出せ!」

コーチが言うのは簡単です。

では、何のために声を出させるのか?

声を出せ!と言っているコーチ。

一度、このブラインドサッカーの世界を体験すべきです。

すると、コーチ自体が変われるはずです。
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posted by プロコーチ at 02:13| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月16日

転んだ先のクッション

「コーチ、のどが渇いた。」

「コーチ、ソックスが大きい。」

「コーチ、、、、、、。」








 子供を10人引率し、海外に遠征していました。

子供たちは、全員、とてもいい子でした。

素直で、コーチである私の話を、良く聞いてくれます。

子供ながらに空気を読んで、行動しようとします。

命の危険、盗難の危険など、海外では危険が潜んでいます。

パスポートの扱い、現金の扱い、デジカメにタブレット。

日本と同じ感覚で行動していると、危険を招いてしまう。

冒す必要のないリスクに関しては、我々で最大限に伝え続けました。

日本に帰るまで、大きな問題は起こりませんでした。

いい子で、引率者の話を守ってくれた、子供たちのおかげです。










 一方、苦労した部分もありました。

冒頭に紹介した、「コーチ、、、、。」の部分です。

ほとんどの子供が、コーチの顔色をうかがって行動していました。

そのため、何か些細なことでも報告に来てくれます。

まるで、必要のないことでも報告してくれます。

自分で解決できることもあります。

解決するために、このようにしたい。

そのような発言は皆無でした。

つまり、「コーチ、ソックスが大きい。」で終わりになります。

それを、「コーチ、ソックスが大きいので、小さいサイズはありませんか?」

というようには、話さない?話せない?のです。









 最初、この指示待ちと言える報告を受けた時、少し様子を見てみました。

この子だけかな?他の子、他の現象なら、変わるのかな?

そう思って、他の事例が起こるかを、待っていました。

すると、ほぼ同じ。

指示待ちの報告ばかりを、聞くことになったのです。

報告をすると、こちらの顔をのぞきながら、待っています。

「「コーチ、早く答えをください。」」

「「コーチ、私の問題を解決してくれますよね。」」

言わんばかりの表情に、感じました。

信頼はありがたいのですが、私は疑問を感じました。

慣れない環境、慣れない場所。

コーチや、大人に頼りたい気持ちは、とてもよく分かります。

私としても、さっと答えを出してあげた方が楽です。

問題を解決してあげた方が、スムーズに行動できたと思います。












 ここで、私は我慢しました。

「それは、困ったね。」

「そっか、どうしようか。」

予想外の答えだったのでしょう。

私の返事を聞いて、子供は、その場に固まります。

もう一度、同じ話をする子。

頭をポリポリとかきながら、うつむく子。

それでも、私は待ちました。

すると、「ソックスが大きいから、動きづらいです。小さいのありますか?」

時間はかかりましたが、自分がしたい事を、言葉にして伝えてくれました。

このやり取りを繰り返していくうちに、少しずつ早く伝えてくれるようになりました。

最後には、自分のしたい事を含めて、報告してくれるようになってきました。

小さなことではありますが、自分で問題を見つけ、自分で解決しようとし始めたのです。










 フットボールは、人生や、生活が見えてきます。

その人の日常の姿が、そのまま表れるものだとも言えます。

グラウンドでは、とても頑張っている。

ピッチを離れたら、他人任せ、大人に任せる。

その選手が、ピッチの中では、活躍できる。

普段は問題の解決を他人任せにしている。

ピッチの中では、問題を自分で見つけ、自ら解決している。

どう思いますか?

私は、それは難しいと思います。

ピッチの外、ピッチの周りでも、自ら考えて動く。

問題を自ら解決すべく、考える。

すると、当たり前のように、ピッチの中でも、同じように行動できるでしょう。











 もしかすると、我々、大人が転ばぬ先の杖になってしまっているかもしれない。

子供の困った姿を見ると、解決してあげているのかもしれない。

それに慣れてしまった子供は、自ら問題を解決する力を放棄してしまうかもしれない。

だって、その場に立ち尽くしていれば、大人やコーチがさっと駆け寄り、解決してくれるのですから。

自分で考えるのは、労力がかかりますよね。

自分で考えなくて済むのなら、楽ですから。

でも、コーチも大人も、こう願っているはずです。

「自ら考え、自ら行動する人間に育って欲しい。」












 子供は(もちろん大人も)転んで、痛い思いをする。

すると、覚えていく。

失敗して、悔しい思いや恥ずかしい思いをして、成長していく。

私は、そのように考えています。

転ばぬ先の杖を準備すると、転ばなくなってしまいます。

成長するチャンスを失ってしまうとも言えます。

せめて、転んだ先でケガをさせないように、転んだ先のクッションを準備してあげる。

もちろん、命の危険や、身体の危険は保証してあげる状態を作ってです。










 子供たちの、ピッチ外での良い変化が、日を重ねるごとに見えてきました。

私が、トレーニングの開始時間を伝えます。

すると、自分たちで、集合時間・集合場所を設定し、伝えあいます。

サイズの合わない短パンを渡されるので、自分で短パンを用意する。

自分で問題を解決し始めたのです。

ピッチの中でも、良い変化が見られました。

最初の試合では、得意なプレーも出せない、ただ目の前についていくだけ。

それが、2試合目、3試合目と、どんどん積極的なプレーが見られたのです。

自ら動き、自分のプレーを出そうと奮闘する姿!

成功も失敗もありますが、大きな大きな変化を見せてくれたのです。










 転ばぬ先の杖から、転んだ先のクッションに。

場合によっては、クッションすら準備しなくてもいい局面もあるでしょう。

選手が成長するために、何が必要なのか?

我々大人には、常に考えることが求められている。
posted by プロコーチ at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月31日

futbolistaを育てたい!

JugadorとFutbolistaとは、何が違うのか?





 昨日までの4日間、スペイン関係の仕事をさせていただいてました。

担当コーチが来日してから10数日間。

毎日のように、彼とFutbolの話をしていました。

とても優秀なコーチで、現場でもバリバリ働いています。

さらには、コーチの育成をもするコーチなので、知識の幅・奥行が圧倒的にすごい。

本来的には、選手や受講生の方のために来日しているはずなのです。

一番勉強させてもらったのは、我々スタッフだったかもしれません。








 彼がいくつも、印象的な話をしてくれました。

ビエルサ、モウリーニョ、グアルディオラ、シメオネ、デルボスケ、ベニテス。

誰と誰とが似ているか?

という話があります。

彼曰く、ビエルサとシメオネが似ている。

年間を通して、選手のコンディションを高いレベルで維持できる。

年間計画の立案、遂行の巧さが似ているポイントだそうです。

同じく、モウリーニョとグアルディオラが似ている。

その理由は、対戦相手の分析、対策に長けている点。

デルボスケとベニテスも似ている。

理由は、選手を尊重し、チームの一つの方向に向かわせる能力に長けているから。

どれも、面白い視点で参考になりました。








 受講会の最後、修了式で、いい訓話をいただきました。

実は、私が彼にリクエストした内容です。

最高にためになる話なので、皆さんにぜひ聞かせたい!

彼も、分かった!俺も話したい内容だ、と理解を示してくれたのです。

その内容とは、

「JugadorとFutbolistaとは何が違うのか?」という話です。

Jugador、ただの選手にしか過ぎない。

技術、戦術、体力が優れているだけの、プレーヤー。

一方のFutbolistaは、技術、戦術、体力に加え、精神的にも素晴らしい。

そしてピッチの外でも、素晴らしい振る舞いができる。

この二つは、全く異なるものである。

是非、Futbolistaを育てれるコーチになって欲しい!と話してくれたのです。






 我々指導者は、単に、選手のサッカー・フットサルのスキルを上達させるだけが仕事ではない。

戦術的に優れた選手を育てることが目的でもない。

ピッチを離れて、一人の人間として魅力ある選手を育てることに関われたら!

それは、なんと幸せなことでしょうか。

一年の最後に、素晴らしい話を聞かせてもらいました。

この言葉を常に胸に抱き、来年も!!!



posted by プロコーチ at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月07日

2つのNGワード

 人の前に立って話をする。

目の前の選手たちを、より良い方向に導く。

私たちコーチにとって武器はなんでしょうか?

ちなみに、最大の武器は、コーチが発するオーラではないかと考えています。

こればかりは、すぐに醸し出せるものではないので、長年にわたり積み重ねるしかありません。











 やはり、磨くべき武器は言葉でしょうか。

どのタイミングで、言葉を発するのか。

声の大きさ、抑揚はどうだろう。

言語レベルは通じるものか、簡単すぎないか。

何よりも、どの言葉を選ぶのか?!

クイック、シンプル、トゥーザポイントを目標に。

これ!グサッ!と、胸に刺さり、脳に刻まれる言葉。






 言葉のチョイスですが、選ばないように努力しているフレーズもあります。

その理由は、この言葉を聞いた選手が止まってしまう。

思考も、行動も止まってしまうのです。

「なんで、出来ないの?」

「〜〜するな!」

この2つの言葉は、ほかの言葉に言い換えて使うようにしています。










 「〜〜するな!」

あれも、してはならない。

これも、してはならない。

禁止事項が増えていくと、選手は身動きが取れなくなってしまう。

コーチに大声を出されるのを恐れて、安全第一のプレーを選択する選手。

ボールを奪われるのを恐れ、蹴っ飛ばしてしまう。

スコーンと抜き去られるのを恐れ、ボールホルダーに寄せない。

魅力も、怖さも無い選手が量産されてしまう。

私が発するのは、判断の無いクリアをするな!だけにしたい。









「なんで、〜〜するの?!」
「なんで、出来ないの?!」

出来ていないこと、失敗してしまったことは、選手自身が気づいていることが多い。

我々コーチは、その現象を指摘するのが仕事ではない。

それは、観客、サポーターに任せましょう。

その原因を探し出し、解決に向かいたい。








 この2つのNGワード。

違う言葉に言い換えて、発して行きたい。

思わず発してしまうのは、私の未熟さ故。

指導能力の無さだと。

選手に向上を求めるなら、私も!








 
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2014年10月11日

健全な競争

 4種(小学生年代)対象のフットサルスクール。

私が指導する、ある選手の話です。

・小学校では陸上部(期間限定)に所属していること。

・市町村の陸上記録会への出場を、100M走の選手で狙っていたこと。

フットボールのことではありませんが、心の中で応援していました。

足が速い彼なので、私も楽しみにしていたのですが、。








「陸上部どうなの?」

記録会が近いようなので、聞いてみました。

すると、いつも明るい彼ですが、沈んだ表情を浮かべます。

ポツポツと、暗い声で答えてくれました。

・選考に漏れ、補欠になった。

・先生に理由を聞いても「補欠だ」以上の答えを聞けなかった。

聞けば、ダントツで学年一番のタイム。

自分より明らかに遅い他の子が、選手として選ばれたらしいのです。








 私は彼に、真剣に伝えました。

「最高の補欠になれ!」

ショックを受けている彼には、少し厳しいかもしれません。

それでも、躊躇することなく、ハッキリと伝えました。

そして、発問しました。

「最高の補欠になるためには、何が必要だと思う?」

「サッカーやフットサルで、ベンチに入っている選手のことを考えてごらん。」










 辛そうな表情を浮かべながらも、彼は真剣に考えてくれました。

・仲間を声で応援すること?

悔しいでしょうが、応援する、と考えつきました。

「それは、とても大事なことだな。大きな声で応援してあげなさい。」

私は、もう一つ大事なことがあると思っていました。

「最高の補欠になるためには、もう一つ必要だと俺は思う。なんだと思う?」

「途中出場する選手は、試合中に何してる?」

・走ったり、ボール蹴って、アップをしてる。

彼は思い出したようです。

「そうだな、UPしてるよね。だから試合に出る選手よりも、真剣にUPをしてみよう。」

彼は分かってくれたようです。

「誰が見ても、「「最高の補欠だ!」」と言われるくらい、バッチリ全力を出してこい!」

私は、彼の背中を、ポンと叩いて押し出しました。









 おそらく彼は、選手で出れると考えていたはずです。

今回は残念な思いをしてしまいました。

少し理不尽な気がします。

でもこのような理不尽とも思える選考は、過去にも例がありますよね。

これが、社会に出て、初めて経験してしまうと、多大なるショックを受けてしまうでしょう。

スポーツでの経験だから、挽回することが出来ますよね。

補欠になって腐ることなく、最高の補欠になるための努力をした。

彼は、もしかすると、記録会に出場するよりも、貴重な経験をしたのかもしれません。









 スポーツを通しての健全な競争は、人を成長させてくれます。

・フットボールは子供を大人に、大人を紳士に育ててくれる。

クラマー氏の、有名な言葉です。

悔しい思いも、嬉しい思いも、全ては成長してくれる糧としたい。

来年の記録会では、きっと駆け抜ける姿を彼は見せてくれるでしょう。
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