2013年12月25日

大きなギャップ

 平成25年度全国学力・学習状況調査 クロス集計結果なるものが発表されました。

小6と中3を対象に行われた、学力調査です。

ある県では、成績の悪い学校の校長名を発表するしないで、ひと悶着ありました。

テストである以上は、点数が気になります。

点数だけに固執しているようでは、実力は伸びていきません。

テストは、受けて終わりでは、効果半減。

次の試験に向けて、どのように対策を施していくのか?

力をつけていくために、欠かすことができない作業のはず。

フットボールで言うところの、M-T-M(マッチ・トレーニング・マッチ)メソッドがこれです。







 
 
 授業の冒頭で目標(めあて・ねらい)を示す活動 ・ 授業の最後に学習したことを振り返る活動。

この活動を行った学校は、明らかに成績が良い傾向が見られました。

全く行っていないと答えた学校よりも8点も平均点が高いのです。

「上記の活動を積極的に行った学校ほど、
 国語B(活用)の記述式問題の平均正答率が高い傾向が見られる。」

このような調査結果が出ました。

トレーニング前に、コンセプトを説明し理解させる。

トレーニング終了後に、振り返り、今日何をしたかを再確認する。

つい、なあなあになってしまいがち?!な、目標を示し、振り返る作業。

改めて、教育の現場で、その価値が実証されました。








 この統計に面白い数字が紹介されていました。

それは、先生と生徒とのギャップです。

「私は、しっかり丁寧に説明しているのに、子供たちは分かろうとしない」

一方の生徒側は、

「先生は、熱心に授業をしてくれない、何を言っているのか正直分からないよ。」

このギャップは、指導の現場では、よく見られるものです。

授業冒頭の、狙いや目標の説明を「よく行った」と回答した学校の児童生徒のうち、
否定的な回答をした割合小学校15%、中学校24%。

授業の最後に学習したことを振り返る活動「よく行った」と回答した学校の児童生徒のうち、
否定的な回答をした割合小学校21%中学校43%。

先生側は、よく行ったと、胸を張っている。

ところが児童生徒側は、「そうでもないよ」と答えている子供が多いのです。

「よく行った」と言っている先生ですら、15%〜40%も否定されています。

これが「どちらかというとよく行った」と答えた先生は、21%〜50%も否定されています。

半分の生徒が、先生が否定されている。

その学級は、スムーズに運営されているのでしょうか?

かなり心配になってしまいます。











 先生の伝え方に問題があるのか?

それとも、児童生徒側の聞く姿勢そのものに、問題があるのか?

コーチの立場から言わせてもらえれば、コーチが改善すべきことが多分にあるように思えます。

話すだけで、満足している。

話している、自分に酔っている。

それでは、児童生徒は、否定的な反応を多く示すでしょう。

聞く側の反応、顔、姿勢、目線に気を配れているのか?

知識・言語レベルを合わせることが出来ているのか?

そして、時間通りにカリキュラムを進めることが目的になっていないか?

まるで、時間に合わせて働く、会社員のように。










 どのようにして、指導する側と、指導される側のギャップを埋めていくのか?

このギャップが大きければ大きいほど、毎回のトレーニングは成功しづらい。

成功というのは、指導される側が、いい方向に変化するということ。

いい変化を導いてあげる、真のコーチを目指したい。
posted by プロコーチ at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月11日

心が見える指導者

「今、ゴールに向かえなかったか?!」

15年ほど前に、リフレッシュ講習会で実技講習を受けたときです。

ゲームフリーズを、インストラクターのコーチから受けました。

その時の記憶は、15年経っても全く色あせません。

ゲームフリーズというのは、コーチング法の一種。

笛などでその場の全員の動きを止めて(フリーズ)、再現し、発問し、改善していく。

トレーニングの流れが途切れてしまうという欠点があります。

長所としては、その場にいる全員が、状況を理解する助けになることでしょう。

ゲームフリーズの善し悪しが、その日のトレーニングの成否を左右することも、多々ある。

コーチにとっては、必須のスキルです。










 ゲーム形式のトレーニング。

ボールを受けて、足元に止める。

そして、サイドのスペースにボールを展開した。

自分自身としては、周りを広く見えていて、なかなかいいプレーが出来たかな。

サイドから、いいボールが来れば、チャンスか?!

「ピッ!」サイドの選手が、ボールを失った瞬間でした。

…ボールを失った選手が、指導を受けるのかな?
…ファーストタッチのミスかな?

瞬時に様々な想像が膨らみます。

よし、これから始まるコーチングを聞き逃さないぞ!









 ところが、止められたのは私だったのです。

「サイドに展開したよね。」

「今、ゴールに向かえなかったかな?」

情熱的な大きな声が、ビシビシと私に向かってきました。

その時の私は、ゴールに向かう意思は、全くありませんでした。

サイドへ、いいパスを展開した!くらいに認識していました。

私は、(サイドの選手が、前を向いて受けれそうだったから)と答えました。

コーチは、「目の前にスペースがあった?」と発問を重ねてきます。

(見えてませんでした。)私は答えました。









 そして、デモンストレーションを交えたコーチングが始まります。

「いい体の向きを作っておいて、ゴール方向を見ておく」

「ゴールへの最短距離が空いているなら、グッと思い切って向かおう!」

大きな声を発しながら、ボールをゴール方向にコントロールし、そしてシュートを打ちました。

その一連のプレーがシンプルで、ダイナミックなこと。

私よりはるかに年上のコーチでしたが、若々しく、エネルギッシュなプレー!!

このプレーイメージは、私には、その時ありませんでした。

その私の心を見透かすかのような、フリーズコーチング。

大きく、情熱的で、やわらかさもある、コーチの声。

心の一番深い部分をグサッと突き破られた感覚を持ちました。









 今日、ある本を読んでいました。

「高校サッカーは頭脳が9割…東邦出版、著者篠幸彦」

すると、私が15年前にお世話になったコーチが登場してきたのです。

そして偶然にも、フリーズコーチングされたエピソード。

現在S級ライセンスを保持する、ある高校の監督さん。

まだ、B級を受講しているころのエピソードでした。









 生まれて初めて、自身がゲームフリーズを受けた。

フィニッシュの改善という、シュートのトレーニングです。

本によると、シュートを打とうと順番を待ちをしていた。

自分の番が回ってきて、(さあ、いよいよだ)と思った時に

「ピッ」と吹かれたのだそうです。

まだボールも触っていないし、なんのアクションも起こしていないのに。

するとインストラクターのコーチは、ニコニコしながら語りかけました。

「リラーックス」

ガチガチに緊張していた私は、心がスっと楽になった。

周りの受講生は大爆笑していた。

そのゲームフリーズは忘れられませんね。












 この「リラーックス」と微笑んだインストラクター。

彼こそが、15年前に私が指導を受けたコーチの方なのです。

私が尊敬し続ける、コーチは、心が読めるのでしょうか?

人が考えていることが、分かっているのでしょうか?

このような先読みしたような指導では、失敗すると、決めつけになってしまいかねない。

選手の気持ちが分からない、コーチの権力を振り回す指導になりかねない。

そのような指導を受け、さみしい、やるせないような気持ちになったこともあります。

その違いは?秘訣は?









 別の記事では、そのコーチが話されていました。

「365日指導者をするべき。その中で、色んなことを試していく。」

指導の現場に立ち続けることで、見えるものが増えてくるのでしょうか。

そして、心の中も、浮かび上がってくるのでしょうか。

私は、そのコーチの後ろ姿を、追いかけ続けています。

でも、そのままのマネをするのは、難しい。

まずは、常に指導者と有り続ける、365日指導者として。





 
posted by プロコーチ at 13:11| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月01日

試合の観方を変えてみると

 静観する
…静かにに観察すること。また、行動を起こさずに物事の成り行きを見守ること。

引用、大辞泉より





 この週末、大事な大事な試合がありました。

指導するチームが、降格してしまうか、留まれるかの公式戦。

いい準備をして、試合に臨む。

メンバーを決め、様々な状況に対応すべく、シミュレート。

W-UPも、チームコンセプトを想像させながら、体・心の準備ができるように。

いい雰囲気で、試合開始のホイッスルを聞くことができました。









 私は、試合が始まると、メリハリをつけながら、コーチングをするように心がけています。

熱くなってしまう性分なので、自分を抑える意味も込めて。

前までは、ジャッジに噛み付いて、注意を受けてしまうこともある始末。

選手と一緒に、ピッチの外からではあるけども、戦っていました。

局面に対する指示、試合の展開についての指示。

相手の穴を見つけ、それに対する戦略。

ベンチから大きな声を、ピッチに向かって発していました。

最近は、抑揚はつけれるようになったものの、まだまだ声を出していました。










 今回の試合、あることを決めて試合に臨みました。

試合を静観しよう。

声を出して、指示したり、鼓舞するのではなく。

辞書にあるように、静かに成り行きを見守ろう。

ベンチに腰を下ろしたまま、試合をジッと静観しました。

いつものように、自チーム・相手チームを分析し、メモを取ります。

メモを取りながら気づいたのですが、相手チームの分析が、スイスイ進みます。

相手の陣形、長所、その裏返しの隙、弱いポイント。

いつもよりもパッと頭に浮かんできます。

まるで、手に取るように分かるのです。

試合は残念ながら、1対2で敗れてしまい、降格が決まってしまいました。

ただ、分析を活かして、戦略を授けました。

その戦略が生きた展開が繰り返され、ゴールも生まれました。

選手の手助けに、少しはなれたのですが、私の力及ばず敗戦。









 この試合の後、家に帰って、調べてみました。

静観する、の意味には、静かに見守る以外にも、もう一つ意味があることが分かりました。

「事物の奥に隠された本質的なものを見極めること。」、、引用 大辞泉

静観したことで、試合の本質に少しは近づけたのではないでしょうか。

とは言っても、選手を鼓舞したい!

どうしても今すぐに修正したい!

そんな瞬間も、試合中には何度も出てきます。

メリハリが大事ということでしょうか。

これからも試合が始まります、まずは、静観で。





posted by プロコーチ at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月27日

ある特徴を知る

 選手にどのように働きかければいいのだろう。

俺の話を聞いてくれていたのだろうか。

聞いてくれていたように見えていたけど、??

自分の伝え方が悪かったのだろうか。

手法を変えて、伝える。

立ち位置や、口調、話す順番に、声の大きさ。

もちろん質問内容などの、話しかける言葉そのものも。











 指導をしていると、私が頭を抱えてしまいそうな選手がいます。

その選手と、私との間に溝は感じていません。

むしろ、信頼関係を築けていて、素直に、こちらの話に反応してくれている。

ように感じていますが、、、。

いざ、トレーニングが始まると、ルールの把握が難しいようです。

1対1などのシンプルなメニューは良いのです。

少し、複雑なルールが設定に含まれると、もうダメのようで。

特に苦手なものが、攻守の切り替えが含まれるもの。

さらには、複数の選択肢をもち、仲間とつながる設定は厳しい。

本人は、至って真剣なのですが、スムーズにトレーニングが進まないのです。










 もしや、発達に差があるせい?

時間を重ねると、少しずつ成長し、解消されると願っていました。

ところが、いくらトレーニングを重ねても、変わらない。

年月が経って、成長していっても、変わらないのです。

トレーニング中や、試合中は、良い変化の兆しが見られない。

不思議なこともあります。

ピッチの外では、周りと同じように成長しています。

会話は成り立ち、自分がすべきこともある程度理解出来ている。

それどころか、点数を獲ったり、ねちっこいマークを見せてくれるのです。

周囲の選手との関わりは、いつまで経っても苦手なようです。









 そんなある日、仲間との会話の中で、ある言葉が入ってきました。

「発達障害」

中でも「アスペルガー症候群」は知的障害の無い!発達障害の一種だそうです。

アスペルガーの人たちは、幾つかの特徴を持っていることも知りました。

・社会性の欠如

・コミュニケーションの欠如

・創造性の欠如

長所としては、まじめ、マニュアルのある作業に強く、集中力がある。

短所としては、暗黙のルールが分からない、周りの空気が読めない。

決まった形があるわけではないようなのですが、その人のバックボーンによって現れ方が違うようです。









 これは、子供のうちに発見されることが多いようです。

そして、大人になってから、この診断を受けることもあるようです。

調べていくと、様々なことがわかりました。


一つのことに集中することには優れている。

この長所がうまく出ると、ゴールだけを目指す、いい意味でのエゴイストな選手に育つ。

または、しつこいマークで、相手を消してしまう、ハードマーカーにも。

ただ、短所として出てしまうこともある。

すると、複数のことを同時にできない、となってしまうのです。

首を振って周りを確認し、味方との関係でポジショニングをとって、次のプレーを予測して、、

ボールをつなぎながら、組み立てて行くプレーは、難しいでしょうね。

また、長所として冒険心があり、リスクを恐れないというものもあります。

組み立てには参加できないが、得点をとるのは、このような長所がプラスに働いた瞬間でしょうか。

その裏側の短所は、未来の見通しが立てられないというもの。

危機感がなく、衝動的であるのです。

自陣でリスキーなプレーを平気でしてしまう、といったところでしょうか。










 このような障害を知ること。

正しく理解すること。

自分のコーチング能力を高めなくてはなりません。

その障害であることを見抜く目が、大切です。

そうかと言って、選手を色眼鏡で見てはならない。

勉強し、経験を踏む。

その選手に、周りの選手に、どのように働きかけるべきなのか。

選手ひとりひとり違う人間であるから、働きかけが違う。

コーチが自分の枠にはめようとするだけでは、指導は上手くいかない。

こんな当たり前のことですが、改めて。

posted by プロコーチ at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月09日

良い指導者の条件

 自分に経験は無いが、子供たちに指導をすることになる。

そして、何とか子供たちの前に立って、熱心に指導をしようとする。

身振り手振りを交え、説明もして。

子供たちは、指導者を真似て、何とか付いていこうとする。

でも目の目の子供たちは、上手くならない。

その表情には、明らかに困惑した色が伺えます。









 これは、フットボールの話ではありません。

グーグルのCMです。

ダンスを教えることになった、若い男の先生。

その先生が、子供たちにダンスを指導していく過程がドラマ仕立てになっています。

ダンスが、必修課程になりましたよね。

今まで、ダンスの経験もない先生が、突然、ダンスの指導を求められているのです。

情熱だけでは、指導が上手くいかない。

私たち、コーチにも強くメッセージを感じるCMとなっています。









 このCMでは、先生が、少しずつ成長していきます。



未経験者の先生が、自宅でレッスンを繰り返します。

大きな姿見の鏡を5枚も買って、自分の動きを確認。

さらには、先輩の先生にアドバイスをもらいます。

通勤中も、休みの時間も、トレーニングを繰り返します。

そして、少しずつ、自分自身が踊れるようになっていきました。

いつの頃か、先生の、踊っている表情が変わってきます。

教えるためにレッスンしていた先生。

ところが、踊る喜び、上達する楽しさを知ったのです。








 子供達にも、先生の変化が伝わりました。

先生のダンスが、上手くなっている。

何よりも、先生が楽しそうに踊っている。

先生に引き込まれるように、子供たちも体を自然に動かし始める。

そして、全員が一体となり、楽しみながら踊りだす。










 CMですので、少し上手く行き過ぎなのかもしれませんね。

実際に、選手を指導することは、そこまで簡単なことではありません。

何かをすれば劇的に変化する、魔法の特効薬やレシピがある。

それは、おそらく幻想にすぎない。

小さいことを少しずつ積み重ねては、崩れ、また積み上げる。

そんな地道な作業の繰り返しです。









 でも、このCMでは、大切なことを思い起こさせてくれています。

指導者が、その種目をする喜びを、全身で知っているということです。

その喜びを伝えることも、指導者の仕事。

それならば、指導者自身が、プレーする喜びを知っていなければならない。

昔は大好きだったはずなら、その気持ちを忘れてはならない。

頭でっかちなだけのコーチの話は、本当に興味深いものでしょうか。

プレーする選手の気持ちが見えない、理論ばかりが先行する指導者は?










 良い指導者の条件は、たくさんあると思います。

目の前の選手に対して、大きな責任がありますから。

選手よりも誰よりも、バカが付くほど、サッカー・フットサルが大好きなコーチ。

このことが、まず最初にあり、最後まで抱き続けていきたい。

そんな根源的なことを思い出させてくれる、素晴らしいCMでした。

posted by プロコーチ at 03:07| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月23日

スペインでは、怖くて痛いもの

「怖いから、出来なかった。」

10年ほど前になるでしょうか。

私の知人が、スペインに語学の短期留学から帰ってきました。

「スペインでサッカーしたの?」私は、興味津々に質問しました。

すると、フットサルを遊びでした程度だと、答えが帰ってきました。

理由は、スペインのサッカーは、本気すぎて怖い。

だから、、、。

私の知人は、高校まで部活でサッカーをしていました。

日本で草サッカーをプレーしても、何ら問題のないレベルのプレーヤーでした。

ですから、私は、彼の回答が、全く理解できませんでした。

せっかくスペインに行ったのに、もったいない。








 同じような話が、本でも紹介されていました。

・テクニックはあるが、「サッカー」が下手な日本人・・・村松尚登著

スペインサッカーは痛いという点です。

中略、テクニックを重視した華麗なパスサッカーをイメージする人が多いと思いますが

現実は違います。

中略、それは、彼らが常に勝負にこだわりながらプレーしているため、

ルールで許される範囲内で激しく肉体をぶつけ合うことが習慣化されているからです。

著者は、スペインサッカー最大の特徴が、痛いことだとも記しています。









 また、数々の指導書にも、日本の当たりは弱い。

プレーの強度が低い。

日本と強国の違いは、日常の当たりの強さ、強度の違いに現れている。

そのように書かれているものを、多々目にしていました。

私は、今回受講したスペイン指導者講習会で、この部分がどう求められるのか?

自分の中で、一つの大きな楽しみでした。

ところが、インストラクターは、その部分について、何も触れません。

彼ら自身が指導を見せてくれる、実技講習。

我々受講者が指導と選手役とを順番に行う、指導実践。

何回も、対人のメニューが行われました。

ところが、球際の強さを、プレーの激しさなどを求められたことは、一度もありませんでした。









 少し、モヤモヤしたまま、講習会が終わりに近づきます。

最後に、3回、指導実践が行われました。

希望者を募ります。(私も出しゃばって希望させてもらいました)

1つのメニューが、1対1からスタートする、対人のメニューでした。

インストラクターの2人、ホセとラウールが引っ張り出されました。

彼らが、対決するのです。

ホセは、スラムダンクの安西先生のような体格。

ボールを蹴ってるシーンを見ましたが、正直、普通。

スペシャルに上手い!という技術レベルではありません。

ラウールは、体はがっちりしているものの、ボールを蹴ってるシーンを一度も見せていません。

二人共、いつもニコニコ笑っており、少しほのぼのとした空気すら出しています。










 メニューが始まります。

すると、2人の空気が突然変わりました。

プレーが激しいのです。

ガチッ!!、バン!2人が音を立ててぶつかり合います。

華麗なテクニックが無いので、簡単に突破できない。

すると、ホセがボールキープの体勢に入ります。

ラウールがガシッと寄せて、ボールを奪いました。

次の瞬間、安西先生ことホセが、巨体を揺らして、スライディングタックル。

脚ごと刈り取るような、深い、深いスライディングタックルです。

この一連のやり取りを見て、受講生の我々は、正直驚きました。

それほど、激しい、2人の勝負でした。

ちなみに、ワンプレーで二人は肩で息をして、早々にリタイアしてしまいました・・・。









 でも、彼らにとっては、当たり前のプレーが、それでした。

スペインのフットボールは、やはり怖くて痛いもののようです。

もしかすると、プレーを見せることで、我々に伝えようとしてくれたのかもしれない。

コンセプトも大事。

グループコントロールも、説明の技術も大事。

でも、ここを忘れてはいけないよ。

そう、言わんばかりの、激しいプレーでした。

このプレーは、私の目に焼きついています。




posted by プロコーチ at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月20日

スペイン流!?トレーニングの始め方

 何か、特別な違いがあるはず!?

フットボール先進国に学ぼう!

日本とスペインのトレーニングの違いは何か?

スペインで実際に行われているトレーニングメニューとは?

一緒に受講したメンバーの多くが、具体的な何かを求めていました。

選手を向上させるために、チーム力を上げるために行う。

それは、日本もスペインも代わりがありません。








 とは言え、幾つかの、明確な違いもありました。

その一つに、トレーニングメニューの進め方があります。

日本では、どのように行うべきだ、とされているか。

@メニューの大枠を簡潔に伝える。

A細かいルールや発展内容は、トレーニングを進めながら伝えていく。

Bキーとなる現象が起こった時に、その原因を改善していく。

例えば、

@では、攻撃3対守備2にGKをつけて行うよ。

攻撃はコーチのボールを受けてゴールを目指そう。

守備は、ボールを奪って、コーチにパスして。

さあ、行こう!!

@にかける時間は、数10秒もあれば充分にしたい。










 日本では、最初の説明に時間をかけすぎることは、良くないとされています。

コーチがルールや、意図、留意点を長々と?丁寧に?説明はしません。

もしJFA主催の指導実践で説明が長いと、インストラクターのチェックが入ります。

「選手にプレーさせてください。」

「選手はあなたの演説を聞きに来たのではなく、サッカーをしに来たのですよ。」

厳しい指摘をいただいてしまうでしょう。









 ところが、スペイン人インストラクターの求める導入部分は、違いました。

@+A+(B)を最初の導入部分で丁寧に行うように、繰り返し伝えます。

指導実践の個人に対する振り返りが、行われます。

その時になされた、幾つかの確認がありました。

・コンセプト(正しく理解されたコンセプト)は伝えましたか?

・選手はルール・進め方を把握してましたか?

・トレーニングの時間を選手に伝えましたか?

・トレーニングの目的は伝えましたか?








 日本流とスペイン流では、トレーニングの始め方が違っていました。

一番の違いは、トレーニングを開始する時の選手の状態です。

それとも、プレーする中で、少しずつ掴んでいくのか?

今何をすべきかを、分かった状態でプレーするのか?









 









 実は、私は、指導実践で試してみたことがあります。

日本で今まで指導を受けた方法を試してみたのです。

最初の説明をシンプルに、プレーしていく中で、徐々に発展させていく。

ルールやキーとなるポイントも、随時、タイミングを見ながら伝えていく。

集合から、トレーニングを開始するまで、1分とかけなかったはずです。

すると、どうだったでしょうか?

「とても、良かった」

「グループコントロールをする力が優れていた」

実に良い評価を、インストラクターからいただきました。

彼らに求められた導入方法は、ほぼ使っていないのにも関わらずです。









 結局のところ、選手がどうなったか?ではないでしょうか。

選手が、気持ちよくプレーできる。

そして、トレーニングを始める前よりも、良い変化が起きている。

それは、そのトレーニングが成功したことを意味するでしょう。

その目的を達成するための手段として、その導入部分がある。

この手法の違いは、双方の民族性の違いから来ているのかもしれません。

目の前の選手を見ながら、良い方向に導いていく。

手法は違えども、指導の目的は、日本もスペインも同じのようです
posted by プロコーチ at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月16日

育成の目的

「この2つの違いは分かるか!?」

今回のスペイン指導者講習会で繰り返された、突然の質問。

ラウールインストラクターが、講義中に質問してきました。

・FUTBOLISTA

・JUGADOR FUTBOL

この2つの違いとは?

もちろん、雑誌のタイトルを聞いているわけではありません。








 何人かの受講生が、指名されます。

思い思いの意見をぶつけますが、ラウールは首を横に振ります。

もう一人のインストラクター、ホセと目を合わせ、言葉を交わします。

そして、我々に解説を始めてくれました。

JUGADOR FUTBOL、とは、フットボールにプレイする全ての人間だそうです。

直訳してみると、フットボール(サッカー)を競技する人。

一方、FUTBOLISTA。

こちらは、辞書を引いてると、フットボール(サッカー)選手と出てきました。

それほど、決定的な違いがあるようにも思えません。










 ラウールは、強い言葉で言います。

「全てのプロ選手が、FUTBOLISTAではない。」

「フットボールを知っている、本質を理解している。」

「それが、FUTBOLISTAである。」

ピッチの外でもコンディションを整える。

例えば、何か質問をされても、言葉で答えることができるとも。

これだけでは、よく分かりません。

意味が分かるような、分からないような。











 一方のJUGADOR FUTBOLは、全てのプレイする人間が含まれる。

アマチュアやシニアの選手も、子供たちも、もちろんプロの選手も。

つまり、ボール扱いが優れていたり、フィジカルがずば抜けている選手。

そこでの勝負にとどまって、フットボールそのものは理解が浅い。

全ての面において優れていても、自分を律して、コンディションを整えることが出来ない。

昔の天才が、大成してないことが、多々あります。

そのような選手はJUGADOR FUTBOLではあるけども、FUTBOLISTAではない。














 指導実践や、実技講習中にも、度々FUTBOLISTAの単語が出てきました。

自分で考え、問題を解決する選手。

フットボールの本質を理解している選手。

そのような選手を育成していかなくてはならない。

FUTBOLISTAを育成するんだ!!

そのためには、このような指導が必要だ!

JUGADOR FUTBOLを育てている場合ではない。









 ボール扱いが上手いだけの選手。

それは、いいJUGADOR FUTBOLには成れるでしょう。

ボールを思ったように扱えるのなら、プロの選手になれるかもしれない。

ボールコントロールや、ボールの持ち方、キックの精度。

それは、常に追求していくべきことでしょう。

ただ、そこに留まっていてはならない。

選手だけではなく、コーチも同じだ。

私は、コーチの我々に訴えかけて来たように感じました。









 FUTBOLISTAを育てるための取り組み。

日々の指導の目的は、ここにあるのかもしれない。

今回の講習会での、気づきの1つです。
posted by プロコーチ at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月09日

勉強を続ける

 講習会に参加。

一昨年に受講した、B級養成講習会以来の、講習会です。

今回は、5日間にわたって、スペインのコーチライセンスを取得する講習会です。

モニトールという資格の取得を目指します。

値段は、お高めです。

JFA主催のものに比べ、2倍強。

自分のコーチングスキルを高めるための投資!と割り切って、受講を決めました。








 この資格を、本国スペインで受講した人間に、内容を確認しました。

とても価値のある内容だ、と2人の人間がオススメしてくれました。

「ただし、通訳の質にかなり左右されるよ、」とも忠告はいただきました。

日本の数年?数十年?先を進んでいるスペイン。

彼らの何かを吸収したい!!

そして、それを日本人に持ち帰った時に、どのような化学変化が生まれるのか?

また、報告してきたいと思います。


posted by プロコーチ at 01:51| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月02日

努力は裏切らないは、不正確。

 「今でしょ!」

このフレーズが、言うのが恥ずかしいくらい、世の中に流布しています。

これで一躍有名になった、林先生。

東進ハイスクールの売れっ子講師から、世の中の誰もが知る有名人に。

たまたま時流に乗っただけの先生ではありません。

20年以上、受験の最前線で指導し続けている。

言葉選びの巧さ、抑揚の付け方、聞くがわを食いつかせる話題。

細かなテクニックは、その経験からくるものでした。

何よりも、その言葉には、力がありました。










 あるテレビで、林先生の特別授業がありました。

指導対象は、受験生ではなく、元不良、その次の回は主婦。

担当科目の現代文を指導するのではなく、人生や生き方を伝えている。

その中で、私の心を打ったのは、言葉があります。

曰く「努力は裏切らない」は不正確である。

「正しい場所で、正しい方向の、充分な努力は、裏切らない!!」

私が、今からジャニーズに入りたいと、真剣に努力してもダメでしょ。

分かりやすい例を明示してくれました。

ただ、間違った方向であっても努力すれば、少しは成果が出てしまうのが問題。

こうも語っていました。








 
 この話は、目標設定の重要性と、継続的で段階的なトレーニングの必要性を説いている。

我々コーチからすれば、当たり前のことです。

ですが、ここまで分かりやすく説明を受けたのは、初めてでした。

なぜ、行き当たりばったりのランダムコーチングではダメなのか。

哲学を持たないクラブやチームが、何故成長しないのか。

努力を怠った選手が、なぜ落ちていくのか。

それをこの言葉一つで、全て説明してくれています。









 もう一度、考え、見つめ直さねばならない。

我々コーチは、選手を預かる責任がある。

コーチが、間違った場所で、間違った方向に向かって馬車を走らせると、どうなるのか。

一生掛かっても、目的地にはたどり着かないでしょう。

目的地に近づくことはあったとしても、たどり着かない。

それは、立っている位置が違う、

努力の方向が違い、量が足りていない。








「正しい場所で、正しい方向の、充分な努力は、裏切らない!!」

ならばコーチは、どのような場を作り上げるのか?

どちらに選手を向かわせるのか?

そして、充分な努力ができるように、どのように促していくのか。

いい勉強をさせてもらいました。
posted by プロコーチ at 02:25| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月26日

スペインのお勉強、その2

「スペインは、もっと、論理的に、レベルの高いフットボール、フットサルをしてると思っていた。」



例えば、誰かが、自分に対してパスミスをしたとする。

「お前、何やってんだ!、ちゃんとコントロールしろ!」

そいつのミスであることが、誰の目から見ても明らかなのにも関わらずです。

自分のミスを認めない。

たとえ、誰かのせいにしてしまってでも。

そんな経験は、何度も何度もあったそうです。

これは言い換えれば、図太いメンタルをしている裏返しかもしれない。








 例に挙げてたのが、FCバルセロナのテージョ選手。

彼は、サイドで、果敢にドリブル突破「regate」を狙う。

相手DFに引っかかって、失敗することも多いのですが。

それでも、何度も繰り返し、仕掛けていく。

チャンピオンズリーグで、欧州の強豪ミランと対決した時には、全くと言って通用しなかった。

それでも、何度も、何度も仕掛けていく。

実は、バルサB時代、2部リーグでプレーしている時も、同じだったと言います。

2部のDFを相手にしても、突破できないことが多かったかもしれない。

2部リーグでも、1部に上がっても、チャンピオンズリーグの大舞台でも。

彼のプレーは、変わらずに、果敢に突破を目指すスタイルです。







 日本人選手なら、どうするでしょうか。

おそらく、ドリブル突破以外の、違う方法を模索するのではないでしょうか。

得意と言え、ドリブルが通用しないなら、思い悩んでしまうでしょう。

でも、テージョを始めとする、スペイン人選手は、そのような選択はしない。

常に、自分の得意な武器を前面に出して、勝負する。

これが、俺だ!と言わんばかりに。









 その一方で、スペインの指導者学校で勉強した内容は、細かく緻密に組み立てられている。

ボールを奪った瞬間、守備から攻撃への移り変わりの局面。

この局面も、一つでなく、さらに4つに分類していると話していました。

彼らは、南米、特にブラジルに対抗するためには、どうすればいいかを出発点にしている。

感性で、なんとなく、体が勝手に動いて成功してしまう。

それに頼っていては、いつまで経っても、ブラジルに勝つことは出来ない。


organizar

フットボールというのは、オーガナイズされていない、オーガナイズ。

指導者がトレーニングを全てをオーガナイズ出来るというのは、何か欠けているのではないか。

混沌・カオスの中にいるけども、オーガナイズしようとする。

選手というのは、常に同じポジションに立ち続けている訳ではない。

少しずつ動きながら、バランスを崩したり、バランスを取り戻したり。

様々なポジションに入っても、チーム全体のバランスを維持することが出来る。

そこで生きてくるのが、「memoria tactica」戦術の記憶。

少人数の局面でのプレーをたくさん身につけておけば、その瞬間に役に立つ。

そのような考え方も、示してくれました。








 スペインの考え方、理論が、全て優れている訳ではないと思います。

何よりも、日本人への適正という問題は、大いに考えなくてはならない。

それを差し引いても、とても興味深い話でした。

頭でっかちの理論ではなく、生身の人間が体験した話を聞かせてもらったからです。
posted by プロコーチ at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月23日

スペイン語のお勉強

 鈴木リュウジ君との会話の中で、幾つかのスペイン語が出てきました。

その中でも、特徴的なものを、印象的なものを書き記します。

日本語にすると、長ったらしい言い回しになってしまう。

スペインでは、当たり前のように用いられている言葉。

リュウジ君がスペインで、強く刻み込んできた言葉です。

日本に定着するようになれば、ピタッとハマる単語が見つかるかもしれませんが。









・depender

スペイン人と話して、生活していて、しっくりこないことが、何度もある。

言いたいことだけを、バーーーと言い放って終わることもしばしば。

話の集約することを、目指さない。

A  =  B  =  C

AとBとが友人で、BとCとが友人である。

Aは、Bに向かって、平気でCの悪口を言う。

別の場では、Cも、Bに向かって、Aの悪口を言う。

共通の友人である、Bの顔を立てることよりも、自分の主張をぶつける。

でも、最終的には、この言葉。

それは、フットボールの意見が異なる時も同じです。

自分の意見に、絶対的な自信を持っている。

議論は平行線をたどったまま。

そこで、「depender」

「まあ、それぞれだからね」のような意味だそうです。

この感覚に慣れるまでに、相当時間を費やしたとも話してくれました。











・fijar

あえて、相手に向かって、ドリブルで近づいていく。

スペースに逃げるのではなく。

そうすると、相手DFを「fijar」することが出来る。

「1st DFを、自分が引きつけ、固定する」ことが出来る。

相手を引き付けることで、周りの選手がフリーになるチャンスが生まれる。

目の前にDFがいると、そこから逃げてしまう。

fijarする意識を持つことで、数的有利の状況から、突破のチャンスにつなげていく。






・conduccion

スペインでは、ドリブルを2つに分けて理解するのが一般的。

1.regate レガテ…フェイントなどを交え、相手を突破するためのドリブル

2.conduccion コンドゥクシオン…ボールを運ぶためのドリブルです。

スペースをつなぐドリブル。

パスの前に、相手DFを引き付けるドリブル。

これらが、「conduccion」です。

この分け方は、ブラジルのフットサルでも同じでした。

また、先ほどの「fijar」するために、相手に向かうドリブルも、まさにこれです。

スピードを上げず、ルックアップしながら。

細かいタッチで、スピードを上げると、周りが見えなくなってしまう。

スピードを緩め、ボールタッチするを減らすことで、顔が上がりやすい。

そこから、パス、突破のドリブル、シュートに入っていく。








 言葉が違うだけで、日本でも同じような考えはもちろんあります。

ただし、言葉が持つ力は大きい。

一言で、それを表すことが出来る言葉があれば。

覚えやすいし、トレーニングや試合中でも、声はかけやすく、思い出しやすい。

ただ、いきなり、fijarしろ!と言ってもね、、。

表現に適した単語や言い回しを探してみなければ。
posted by プロコーチ at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月10日

うれしかった瞬間

 今日、とても嬉しかった瞬間がありました。

今までの取り組みが間違いでなかった!







 私が、指導を続けている、ジュニアフットサルチームがあります。

普段の活動に加えて、子供に対する指導にも取り組みたいとの思いから。

ここでも、度々紹介させていただいています。

チームを立ち上げ、2年と数カ月でしょうか。

最初は、年に数カ月の活動でした。

少しずつ回数が増え、今は週1回活動しています。

今のメンバーに固まって、約1年くらいでしょうか。

年齢も、住んでいる地域もバラバラ。

フットサルの経験や、スキルのレベルもバラバラの集団です。








 自分で言うのも恥ずかしいのですが、いい子供達です。

人懐っこい性格。

初めて参加するメンバーも、迎え入れるオープンマインド。

ボールに喰らいつく姿勢。

「次何するの?」

「この前の、あのメニューがしたい!」

自ら進んで、毎回のトレーニングに取り組んでいます。

決して、上手い集団ではないのですが、着実に成長している。








 今日、私が、一番最後に体育館に入りました。

選手を迎えに行って、荷物を担いで、体育館へ。

すると、素晴らしい光景が目に入ってきました。

全ての子ども達の靴が、整然と並べられていたのです。

左右の靴がピシッと。

靴の向きも、すぐ履けるように、カカトを揃えて。

今までも、大多数の靴は揃っていたのですが、全部!というのは初めてでした。









 子供達と、始まりの握手をしながら、このことについて話しかけました。

「今、すごく、嬉しいことがあった。」

「みんなの靴が、全部きれいに揃ってたぞ!」

少しうわづった声を出してしまったかもしれません。

すると、「当たり前じゃない。」の返答が。

もっと、もっと嬉しくなってしまいました。









 この行動が、ずっと続くように。

さらに、身の回りに対して気を配れるように。

生活態度や、行動を整えられるようになっていって欲しい。

ただ、ボール扱いが上手になるだけではなく。

ただ、試合で勝てるようになるだけでもなく。

人間としても、大きく成長して行って欲しい。

この取り組みが、フットボールを向上させるターボエンジンのように還って来てくれるはず。









 コーチの私も、何年指導しても、未熟な存在です。

子供達ともに、成長していきたい。

改めて心に刻んだ瞬間でもありました。

同時に、責任の重たさも感じた瞬間でもありました。

posted by プロコーチ at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月12日

コーチをして上達した

 コーチをすることで、プレーヤーとしても上達する。

これは、私自身が実感していることです。

ゴールデンエイジでもなんでもない。

一般的に言うと、中年に両足を突っ込んでいる年代です。

それなのに、自身で上達を感じることができます。

なぜか?

毎日の指導が、自分に返ってきてくれているから。

これが私のたどり着いた答えです。









 指導で伝えるたい、キーファクターがある。

その場の設定、コーチングで、選手に気づかせ、求めて行く。

メニューを組んで、場を設定する。

改善したいキーファークターが、繰り返し出現するように工夫。

選手に声をかけ、プレーを促します。

今!その瞬間を逃さず、フリーズ。

発問し、説明し、再現する。

選手に、キーファクターの重要性を理解させる。

プレーを繰り返させ、定着を図ります。

シンクロコーチングで声をかけ、選手がより強く刻まれるようにも促していきます。

そして、トレーニング終了後、ミーティングをするでしょう。

振り返りながら、念押しをするように、伝えて徹底します。










 我々コーチは、日々、このサイクルを繰り返していきます。

選手をいい方向に導いていきたい。

いい変化を起こしてあげたい。

そう願いながら、コーチングを続けています。

このサイクルが、自分自身のプレーをも向上させてくれている。









 先日、またもや、自分でボールを蹴りに行きました。

いつもの仲間と、平日の朝から、交流戦です。

対戦相手が、素晴らしいプレーを見せてくれました。

ペナルティエリアに、侵入されました。

シュートは、DFが体を張ってブロックしてくれたものの、こぼれ球が相手の足元に。

味方のボランチがプレッシャーを掛けるために近づいていきます。

相手がワンタッチコントロールで、前方のスペースにボールを持ち出しました。

DFと入れ替わるように、背後に抜け出しました。

そのまま、GKの脇を抜いて、ゴール!

相手の背後を狙う、ワンタッチ目から、意図を持ってボールを扱う。

実に理想的な、素晴らしいゴールシーン。

難しい技術は何一つ使っていませんが、判断、実行の正確さが抜群でした。










 休憩時間に、そのゴールを決めた相手選手に話しかけました。

何度も対戦しているので、顔見知りのサッカー仲間になっています。

…狙い通りの、いいゴールやったね。

「狙うのだけど、なかなか上手く行かないけど、今回はうまくいきました」

…教えてる選手に見せたかったんじゃないの?

「ゴールを常に狙うのは選手にも求めている部分だから、見せたかったかも」

実は、彼も、職業コーチです。

日常の指導で選手に求めているプレーを、自分で実行した。

選手を育てているつもりが、自分に返ってきてくれていたのです。









 やはり、フットボールは奥深いスポーツです。

やればやるほど、様々なことに気づかされます。

だからこそ、何歳になっても、向上するチャンスがある。

よし!まだまだ、プレーする喜びを感じるぞ。

実感できた、楽しい時間でした。
posted by プロコーチ at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月05日

春木屋理論に、顧客満足

 ふとテレビをつけると、ある言葉が耳に残りました。

「春木屋理論」

調べてみました。

東京の杉並に店を構える、老舗のラーメン屋「春木屋」。

昭和24年から続くこの店には、仙台から続く教えがあるそうです。

それが、「春木屋理論」。

「お客様は時代と共に舌が進化していく。
同じものを作っていても、お客様は満足しない。
それでは美味しくなくなったと言われてしまう。
分からないくらい、少しずつ進化させていくことで、変わらず美味しいと言ってもらえる」

というものだそうです。

例えば、季節やその日の湿度によって麺の太さを調整し、夏は細め、冬は太めにしているとのこと。

何とも、頭の下がる、老舗の取り組みです。










 昨年末に読んだ本でも、同じようなことが印象的でした。

「100円のコーラを1000円で売る方法」

その1節にある、顧客満足度についての項です。

ある公式が紹介されています。

顧客が感じた価値ー事前期待値=顧客満足

これによると、元々顧客が期待した通りのサービスを提供すると?

100ー100=0になってしまうのです。

顧客が事前に、これくらいのサービス・価値を享受すると思ったとおりなら、顧客満足はゼロ・・。

期待通りのサービスを提供しても、0点の評価しか得ることが出来ない。

事前に期待しているものを把握し、それを上回る価値を提供すること。

期待値を大きく上回る価値を創造するとも書いてありました。

感動を与えるサービスは、こういった経験を得た時に感じるものなのでしょうか。

これまた、難しい問題を突きつけれてしまいます。









 私の今年の目標を思い出す。

「1mm UPのコーチング」、昨日に比べ、1mmでもいいからUPさせたい。

毎日、1mmずつUPさせることwを目標に掲げました。

現場での指導を終え、自分の出来を振り返ります。

指導案を眺めながら、思い出す作業。

自分自身、出来が良かったなと思える指導した日がありました。

イマイチ、テンポがよくないなと思える日もあります。

毎日、1mmでも成長させることは、なんと難しいことなのでしょう。

今年2013年も、4分の1が早くも過ぎて行きました。

90mm、去年よりも高い位置に登ることが出来ているのか?!









 いつもいい指導ですね、満足するコーチングでした。

その言葉を聞くのは、簡単ではない。

残り9ヶ月の取り組みにかかっている!
posted by プロコーチ at 09:40| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月29日

伝える作業。

 フットボールは、選手が自分で判断をし続けることを求められる。

ベンチの指示がいかに的確で、リアルタイムであろうとしても。

すべての状況を、コーチがコントロールしてやろうなんて、おこがましいにも程がある。

コーチである私に出来ることは何なのか?

今日改めて、考えさせられる瞬間がありました。









 週に1度、多い時で2度、指導を続ける、小学生年代のフットサルスクール。

活動を始め、丸2年になりました。

少しずつ選手も入れ替わりましたが、ようやくコアメンバーが固まってきた様子。

子供たちは伸び伸びと、毎週フットサルに取り組んでいます。

私が彼らとともに(彼女)取り組んでいることは、フットボーラーとしての成長とでも言えばいいのか?

フットサルだけ、サッカーだけではない。

双方に共通して求められるはずの、根っこの部分を追求していきたい。

簡単ではないのですが、長い目で見守っています。









 特に伝えたいのが、高い集中力、心理的な高いテンションを維持し続けること。

フットサルの大きな特徴でもある、プレーへの関わりが連続して起こり続ける。

一人一人の持つべき、責任感が強さが自然と求められる。

ボールの後ろを引っ付いて追いかけている。

集団の陰に隠れて、時間をやりすごす。

このような積極的でない選手が一人でもいると、明らかに劣勢になってしまう。

11分の1よりも、8分の1よりも、5分の1。

単純比較で、11人制の2.2倍。

8人制だとしても1.6倍の関わり、責任の強さ。

フットサルにおける、一人の占める割合の、なんて大きなこと。











 それなのに、なかなか集中力が持続しない。

ボールを目で追いかけている(足は完全に止まって)

今あったプレーを頭で振り返っているのか、上の空で移動している。

小学1年生〜4年生の集団は、まだまだ発展途上。

常に働きかけ、いい躾をしていきたい。

「今、何すればよかった!?」

「次、何しようか!?」

「*+‘!!、今、どんなイメージを持ってる!?」

「他に、いい考えあるかなぁ?」

トレーニングの度に、オープンな問いかけを繰り返していました。

少しずつ、問いかけに、自分の声で、自らの行動で応えてくれる子ども達。

積極的なプレーを、トレーニングの度に見せてくれてました。








 今日の大会を振り返ると、トレーニングの成果が出た!とは大きな声では言えません。

小さな声で、やっと言えるくらいのパフォーマンス。

何よりも、試合中にテンションが持続していないのです。

余力を残して戦っているようにすら感じられる選手もいました。

(もしかすると、力の出し方がその瞬間に分かっていなかった?)

2チームとも、4試合戦いました。

後ろの2つの試合で、ようやく良さを見せてくれました。

最初の2試合は、トレーニングで見せてくれている、半分も良さが見えてこない・・。

出来が悪いのは、子供達も分かっている。

点を奪われ、思うようなプレーができない。









 それなのに、何一つ、積極的な働きかけが、選手たちから出てこない。

何か、変えることは出来ないか?!自らアクションを起こしてはいませんでした。

まだまだ、選手たちが、自分たちの頭で考えて行動出来なかった。

試合の流れを読む目であったり、仲間の心理状態を感じる感受性でしょうか。

難しいことをしなくてもいいと思っています。

凹んでいる隣の仲間に、「行こうぜ!、まだ行けるぞ!」

「ドリブルで攻めてくるから、足出すなよ。」ドリブルに対し軽い守備をしない声かけ。

これなら出来るし、気づいているはず。










 私が、言いにくい雰囲気を作ってしまっていないか?

選手同士、自ら動くことに対し、価値を感じれているのかどうか?

振り返り、反省をして。

選手から、その声が、ふと出てくる瞬間まで、我慢して待ちたい。

まずは、次回のトレーニングで。

コーチの大きな仕事は、選手にコンセプトや価値観を伝えることだと考えています。

パターンにはめて、ロボットを作ることではない。

コンセプトをブレることなく、隅々まで伝える。

選手に価値観を示し続ける努力をしていきたい。
posted by プロコーチ at 18:32| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月01日

説明する。

 ボルダリングに初挑戦しました。

フリークライミングやロッククライミングと言ったほうが、伝わるのでしょうか。

とにかく、壁にへばりついて上を目指す、あれです。

嵐の番組で(クリフクライム)、おなじみかもしれません。

以前から興味があったのですが、なかなか機会がなく。

車で20分ほどの所に、クライミングジムを見つけました。

オフを利用して、挑戦してみることにしました。








 このジムは、初めて訪れた人間に優しい場所でした。

靴のサイズの選び方、チョークの使い方、ルールにマナー。

初回は30分の講習をマンツーマンで施してくれるのです。

靴をキツそうにしていると、一言。

「隙間がないくらい、ピッチリしている方が登りやすいですよ。」

「血が止まらない限り、小さいものを選んでください」

なるほど、そうなのか。

新しいスポーツをすると、一つ一つ、様々なことに気づかされますね。









 インストラクターの方は、とても話が上手で、親切な方でした。

まず最初に3つのポイントを教えてもらいました。

・足を先に動かして、腕を後から。(脚が伸びきると力が出づらい)

・ホールド(手で掴んだり、足を乗せるカラフルな石?)を掴む時は指を揃えると力が出しやすい

・ホールドに足を乗せるときは縦に乗せると、膝を自由に動かせる。

ナンバリングもしてくれ、分かりやすい説明を心がけてくれている様子。

さらに、ホールドには掴む向きがあること。

横に移動するときには、主に3つの方法があること。

ホールドに座り込むようにすると、壁の上で休めること。

しゃがみこんでから一気に登ることで、ジャンプアップするように登れる、などなど。

このようにいくつものポイントを、教えてくれました。

とても話が上手で、立て板に水のごとく、一気に話が進んでいきます。

質問させる余裕を与えないほどの勢いです。










 ところが、なかなか話が、私の頭の中に入ってこないのです。

これほど丁寧に、しかも流暢に話してくれているにも関わらずです。

それはなぜでしょうか?

話の塊が大きいと、頭の中に入ってこなくなるのです。

大きすぎる肉を、飲み込めないかのように。

大きい肉は、ナイフで切るか、口で引きちぎるかして、小さな塊にする。

それで、初めて、喉を通るのです。

話も同じです。

話の塊をほぐして、小さくしてあげないと、相手は受け取ることができない。









 また、話が上手な人は、早口になりやすい傾向があるようです。

今回のインストラクターも、まさにそうでした。

すると、益々、話の理解を妨げてしまう。

早口で、一つの文章にボリュームがある。

しかも、初めて耳にする専門用語まで、織り交ぜられる。

私は、彼の話の何割を理解できたのでしょうか?!








 説明している本人は、何も感じていないかもしれません。

彼の思うところは、漏れることなく、間違えずに、話すことが目的になっているのではないか。

本来の目的は、ボルダリングを円滑に行うための情報を伝えること。

そして、講習会を受けた人間が、一人で壁にトライできるようにしてあげること。

講習を初めて受ける私、熟練者でもあり、説明を何度もしているインストラクター。

この立場の違いをどこまで理解して、説明を進めているのでしょうか?

話が上手だということと、説明が上手だということは、似ているようで異なります。

話が上手だと思っている人間の説明は、意外と分かりづらいことが多々あります。







 
 講習会の後、壁にトライしました。

全身を駆使して、一つずつ、コースをクリアしていきました。

説明されたことは、正直、3分の1程度しか理解出来ていませんでした。

ホールドにしがみついて、何とかしようとするのですが、何ともならない。

手をもう少し長ければ!!歯がゆい思いをしながら、失敗していきます。

数十分もすると、コツをつかめてきたのか、スムーズに登っていくことができました。

体を動かしていくことによって、スキルを身につけて行けたのでしょうか。

傍目で見ていたコーチは思っていたのかもしれない。

「説明通りにしてくれればなぁ。」

「なんで出来ないのだろう。」








 帰りのクルマで、ふと考えたことがあります。

コーチとプレーヤーの関係。

普段は、伝える、説明する側の役割に立っています。

昨日は、説明を受ける側の立場に回りました。

しかも、ほぼ初体験で、予備知識を持たないスポーツでした。

コーチの説明を理解できず、苦しみました。

ひるがえって、私の普段の説明は、どうだろうか?

独りよがりになってはいないか?

塊をほぐして、ゆっくりと、平易な言葉で説明することが出来ているか。

新たな挑戦をしたつもりが、普段の仕事の気づきにもなっていました。
posted by プロコーチ at 10:38| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月15日

熟成は時に100年にも

 レミー・マルタン・コニャック・ブラックパール・ルイXIII)
価格:$55,000(約4,510,000円)

100年前に製造されたコニャックとブレンドされている。

香りは花、フルーツ、スパイスが混ざり合った複雑なもの。

味もジンジャー、シナモン、そしてキューバ産の葉巻と独特である。

どちらかというと上級者向けなコニャック。









 庶民からは、手の届かない、知らない世界のお酒です。

コニャックは、ディナーをしめくくるにふさわしい食後のお酒。

フランスの食文化には欠かせないそうです。

中でも、最高級の一つとされる、この「ルイ13世」

1200種の原酒から選んで、ブレンドされている。

含まれている香りは250種類にものぼる。

その醸造長は女性のピエリット・トリシェさんだと、新聞で紹介されていました。

日本と同じように、お酒を作る世界は、男性中心の狭い社会。

その中で、苦労は絶えないようです。






 彼女が、発した言葉が、頭から離れません。

原酒の熟成には、100年もの時間がかかることもある。

今、自分が仕込んだお酒を自ら味わうことはない。

「残念だとは思いません。

 伝統の中で一時与えられた使命を果たすのが私の仕事。
 
 評価するのは次世代ですから」









 我々、フットボールの指導者が、心に刻んでおくべき言葉と重なります。

・育成の指導は「リレー」である。

子ども達のサッカー、ゲームは子ども達のものです。

主役は子ども達であり、指導者の「チェス」ではありません。

中略

明日、明後日、1年後、5年後、10年後・・・。

子ども達がサッカーを大好きで続けていくこと。

そして、素晴らしいサッカー選手に成長すること。

そのために今必要な働きかけをしていきましょう。

中略

若年層の各年代で勝利(結果)を求めようとしてしまうと、

あらゆる育成のポリシーが適切に実現されていかない原因となります。

育成の指導は「リレー」なのです。

ゴールはもっともっと先にあります。

引用・・・JFA2008指導指針より







 トップである、プロ選手の指導以外は、この考え方を外すわけにはいかないはずです。

選手は預かりものであり、次に受け渡していく存在である。

自分の子供であっても、誰かにリレーで受け渡す時が来る。

ましてや、選手は、言うまでもありません。

明日、数年先に、いいプレーをしてくれるの楽しみに、指導をする。

そのいいプレーを、直接目にすることが出来ないかもしれない。

それでも、いつか耳に入ってくるに違いない。

100年先のコニャックよりは、早く結果が出てくれるでしょう。
posted by プロコーチ at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月05日

目指すものがあれば。

 先日、私が指導しているクラスで、試合をしました。

そこで、ある事件(現象)が起こったのです。

1点リードして、試合終了間近。

味方CBが、自陣でボールを受けました。

なかなかパスを出せないでいると、相手のFWがプレッシャーをかけてきた。

CBの選手は、プレッシャーを外そうと、切り返しを試みる。

次の瞬間、ボールを奪われ、そのままGKと1対1。

難なくシュートを決められてしまったのです。

試合は、勝利が寸前に手からこぼれ落ち、引き分けに持ち込まれました。









 このクラスは、現在、自陣からのビルドアップをテーマに取り組んでいます。

全体のポジショニング。

攻撃の優先順位。

一つでも高い位置を取る。

サポートをする。

強いパスを蹴る、そしてコントロールする。

一つ一つ、これらのことに取り組んできています。

トレーニングでは、少しずつ成果が出てきたかな?

こう思っていた矢先の、出来事でした。







 何が悪かったのでしょうか?

自陣ゴール前(ディフェンディングサード)でリスクを背負ってしまったCB?

このような目立つ現象が起こってしまうと、そのCBに全部の責任が行ってしまいがちです。

本当にそうなのでしょうか。

彼は、深く深く落ち込んでしまっていました。

その位置で、ドリブルで相手を抜くプレーを選択したかったのではない。

ここで、リスクを負う必要がないことは、分かっていました。

ドリブルで局面を打開しようとしていたのではなく、苦し紛れのプレーに見えました。

確かに、ボールを奪われたのは彼ですし、これが失点の直接の原因です。








 では、どうすれば良かったのでしょうか?

CBがリスクを回避することだけで、良いのでしょうか。

私は、試合後のミーティングで、決してそうではない!と強く伝えました。

・ボールを持っていない周りの選手のポジショニングはどうだったのか?

・周りの選手が、他の関わりは出来なかったか?

・ベンチで見ていた選手が、できることはなかったか?

そのどれか一つでも行動に起こしていれば、回避できた可能性がありますよね。








 私がしてあげられることは、彼らに勇気を与えることでした。

「後ろから攻撃を組み立てようとしているのだから、このようなことは起こりうる」

実は、ビルドアップに取り組み始める、最初のミーティングでも同じことを伝えています。

「パスを狙われて失点するかもしれない、もしかすると、連敗するかもしれない」

「それでも、みんなが成長するために、必要な段階」

「だから、ビビらず、恐れず、後ろから組み立てていこう!」









 正直、目の前の試合で負けることは悔しいです。

私の心の中にある、負けず嫌いに火がついてしまいます。

それでも、それをグッと我慢して、成長を待ちたい。

目先の勝利のために、ぶれることはしたくない。

その先の、楽しい試合をするための、産みの苦しみだと思えれば!

一歩ずつゆっくりでも、一緒に取り組んで行きたい!

未来のビジョンを共有できていれば、また再び取り組んでいける。

私は、そう信じています。
posted by プロコーチ at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月22日

トレーニング見学(エスパニョール)

 バルセロナに滞在中、トレーニングの見学をしたい。

せっかく行くのですから、試合観戦と観光だけではもったいない。

と言っても、バルサのトレーニングは、通常のルートでは見学が難しい。

警備の厳しいトップチームは無理なら、育成世代では無理なのか?!

調べると、新しい場所に移動してからは、それすら出来ないことが分かりました。









 泊まっていたホテルは、カンプノウまで歩いて5分。

つまり、メシアまでも歩いて5分です。

すると、ありました。

本当に、カンプノウに向かって、建っています。

石造りの、風格がある建物です。

すでに使われていないので、人気もなく、さみしい感じがします。

よく見ると、門にバルサのエンブレムがデザインされていました。

目を閉じて想像すると、メッシやチャビの少年時代が思い浮かぶようです。








 バルサは無理でも、もう1チームあります。

同じ街の、エスパニョールのトレーニングを見れないか?

運良くB級の同期に、エスパニョールで働いていたコーチがいます。

彼に、連絡を取ると、親切に丁寧に、詳しく教えてくれたのです。

(ありがとう!!、おかげでいい時間を過ごすことができたよ。)

最寄駅、駅からの道順、トレーニング時間など。

「黄色い地下鉄のla pauを降りて、一つしかない階段を上がる。

 真っ直ぐ5分くらい進むと、橋があり渡ると、右手に見えてくる」

「16時くらいから、様々な年代をしている、通常は自由に見学できる」









 行き方だけでなく、トレーニングでの哲学のようなものも、レクチャーしてもらいました。

「育成年代であっても、日本のように、個人の技術に特化したものはやらない

 (1対1など)

 毎週のリーグ戦に向け、ゲームに勝つためのトレーニングをしている」

「グローバルな考え方に基づいて、行う」

「そのサイクルを通して、試合を理解する能力、試合を読む能力を高める」

単純にトレーニングを見ていると、物足りなさを感じるかもしれないよ、とも言われました。










「これは、日本では、同じようには出来ない。

 日本とは、そもそもの土台が違う。」

生まれた時から、フットボールに囲まれた環境のスペイン。

一方、多くの中の一つに過ぎない、日本。

その両国を単純に比較出来ない。

そして、スペインで行われているものを、そのまま日本に持ってきてもダメ。

このことを同時に意味しているのです。








 実際にトレーニングの見学をすることができました。

門番がドーンと構えているので、追い返されるのでは?!

ビクビクしながら入ろうとすると、笑顔で通してくれました。

練習場は、3面プラス、ハーフコートが1面。

そのうち、ロングパイルの人工芝のピッチもありました。

使っている用具も、ピッチも、日本と差はありません。

行われているメニューも、びっくりするくらい、ありきたりのもの。

日本のトレセンメニューの方が、よほど複雑で工夫されているかもしれない。









 一番の心に残ったのは、コーチの意思が明確に伝わってくることでした。

教えてもらったとおり、週末にあるゲームの準備を皆がしていました。

ある年代のチーム(フベニールB)は、サイドを大きく素早く変えて攻めることを狙っていました。

途中のトレーニングでは、ミニゴールをそれぞれのサイドに設定しハーフコートで7対7。

なかなかサイドチェンジがうまく行かないと見るや、コーチが中に入ります。

おそらく元選手なのでしょう。

ピッチ内の誰よりも綺麗な弾道のキックで、サイドをバシバシ変えて行きます。

その日最後のゲームでは、奥深くまで攻めても、一度戻してサイドチェンジ。

選手たちも、コーチの意図をくんで、狙いを明確に試合を進めていました。

まるで、トップチームのような一連の流れ。

育成年代から、このようなフットボールの関わり方が、ゲームの理解を育てるのでしょう。

様々な年代(女子も含む)のトレーニングを観るのは刺激的でした。






 
 一番学んだことは、選手やコーチに必要なものは、知性だということ。

ボール扱いや、フィジカルだけが優れた選手は、アマチュアにもたくさんいる。

トップと、それ以外との違いは、自分の持っているものをいかにして発揮するのか?

タイミング、チョイス、読み。

それらに関わってくるものが、フットボールそのものの理解であり、試合を読む目である。

つまり、知性である。








 ラパウの練習場に、3回通いました。

最後に行った、試合前日の土曜日。

さすがにダービー前日なので、門は締め切ったままで、見学ができなかったのです。

残念、、。
posted by プロコーチ at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする