2013年02月15日

熟成は時に100年にも

 レミー・マルタン・コニャック・ブラックパール・ルイXIII)
価格:$55,000(約4,510,000円)

100年前に製造されたコニャックとブレンドされている。

香りは花、フルーツ、スパイスが混ざり合った複雑なもの。

味もジンジャー、シナモン、そしてキューバ産の葉巻と独特である。

どちらかというと上級者向けなコニャック。









 庶民からは、手の届かない、知らない世界のお酒です。

コニャックは、ディナーをしめくくるにふさわしい食後のお酒。

フランスの食文化には欠かせないそうです。

中でも、最高級の一つとされる、この「ルイ13世」

1200種の原酒から選んで、ブレンドされている。

含まれている香りは250種類にものぼる。

その醸造長は女性のピエリット・トリシェさんだと、新聞で紹介されていました。

日本と同じように、お酒を作る世界は、男性中心の狭い社会。

その中で、苦労は絶えないようです。






 彼女が、発した言葉が、頭から離れません。

原酒の熟成には、100年もの時間がかかることもある。

今、自分が仕込んだお酒を自ら味わうことはない。

「残念だとは思いません。

 伝統の中で一時与えられた使命を果たすのが私の仕事。
 
 評価するのは次世代ですから」









 我々、フットボールの指導者が、心に刻んでおくべき言葉と重なります。

・育成の指導は「リレー」である。

子ども達のサッカー、ゲームは子ども達のものです。

主役は子ども達であり、指導者の「チェス」ではありません。

中略

明日、明後日、1年後、5年後、10年後・・・。

子ども達がサッカーを大好きで続けていくこと。

そして、素晴らしいサッカー選手に成長すること。

そのために今必要な働きかけをしていきましょう。

中略

若年層の各年代で勝利(結果)を求めようとしてしまうと、

あらゆる育成のポリシーが適切に実現されていかない原因となります。

育成の指導は「リレー」なのです。

ゴールはもっともっと先にあります。

引用・・・JFA2008指導指針より







 トップである、プロ選手の指導以外は、この考え方を外すわけにはいかないはずです。

選手は預かりものであり、次に受け渡していく存在である。

自分の子供であっても、誰かにリレーで受け渡す時が来る。

ましてや、選手は、言うまでもありません。

明日、数年先に、いいプレーをしてくれるの楽しみに、指導をする。

そのいいプレーを、直接目にすることが出来ないかもしれない。

それでも、いつか耳に入ってくるに違いない。

100年先のコニャックよりは、早く結果が出てくれるでしょう。
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2013年02月05日

目指すものがあれば。

 先日、私が指導しているクラスで、試合をしました。

そこで、ある事件(現象)が起こったのです。

1点リードして、試合終了間近。

味方CBが、自陣でボールを受けました。

なかなかパスを出せないでいると、相手のFWがプレッシャーをかけてきた。

CBの選手は、プレッシャーを外そうと、切り返しを試みる。

次の瞬間、ボールを奪われ、そのままGKと1対1。

難なくシュートを決められてしまったのです。

試合は、勝利が寸前に手からこぼれ落ち、引き分けに持ち込まれました。









 このクラスは、現在、自陣からのビルドアップをテーマに取り組んでいます。

全体のポジショニング。

攻撃の優先順位。

一つでも高い位置を取る。

サポートをする。

強いパスを蹴る、そしてコントロールする。

一つ一つ、これらのことに取り組んできています。

トレーニングでは、少しずつ成果が出てきたかな?

こう思っていた矢先の、出来事でした。







 何が悪かったのでしょうか?

自陣ゴール前(ディフェンディングサード)でリスクを背負ってしまったCB?

このような目立つ現象が起こってしまうと、そのCBに全部の責任が行ってしまいがちです。

本当にそうなのでしょうか。

彼は、深く深く落ち込んでしまっていました。

その位置で、ドリブルで相手を抜くプレーを選択したかったのではない。

ここで、リスクを負う必要がないことは、分かっていました。

ドリブルで局面を打開しようとしていたのではなく、苦し紛れのプレーに見えました。

確かに、ボールを奪われたのは彼ですし、これが失点の直接の原因です。








 では、どうすれば良かったのでしょうか?

CBがリスクを回避することだけで、良いのでしょうか。

私は、試合後のミーティングで、決してそうではない!と強く伝えました。

・ボールを持っていない周りの選手のポジショニングはどうだったのか?

・周りの選手が、他の関わりは出来なかったか?

・ベンチで見ていた選手が、できることはなかったか?

そのどれか一つでも行動に起こしていれば、回避できた可能性がありますよね。








 私がしてあげられることは、彼らに勇気を与えることでした。

「後ろから攻撃を組み立てようとしているのだから、このようなことは起こりうる」

実は、ビルドアップに取り組み始める、最初のミーティングでも同じことを伝えています。

「パスを狙われて失点するかもしれない、もしかすると、連敗するかもしれない」

「それでも、みんなが成長するために、必要な段階」

「だから、ビビらず、恐れず、後ろから組み立てていこう!」









 正直、目の前の試合で負けることは悔しいです。

私の心の中にある、負けず嫌いに火がついてしまいます。

それでも、それをグッと我慢して、成長を待ちたい。

目先の勝利のために、ぶれることはしたくない。

その先の、楽しい試合をするための、産みの苦しみだと思えれば!

一歩ずつゆっくりでも、一緒に取り組んで行きたい!

未来のビジョンを共有できていれば、また再び取り組んでいける。

私は、そう信じています。
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2013年01月22日

トレーニング見学(エスパニョール)

 バルセロナに滞在中、トレーニングの見学をしたい。

せっかく行くのですから、試合観戦と観光だけではもったいない。

と言っても、バルサのトレーニングは、通常のルートでは見学が難しい。

警備の厳しいトップチームは無理なら、育成世代では無理なのか?!

調べると、新しい場所に移動してからは、それすら出来ないことが分かりました。









 泊まっていたホテルは、カンプノウまで歩いて5分。

つまり、メシアまでも歩いて5分です。

すると、ありました。

本当に、カンプノウに向かって、建っています。

石造りの、風格がある建物です。

すでに使われていないので、人気もなく、さみしい感じがします。

よく見ると、門にバルサのエンブレムがデザインされていました。

目を閉じて想像すると、メッシやチャビの少年時代が思い浮かぶようです。








 バルサは無理でも、もう1チームあります。

同じ街の、エスパニョールのトレーニングを見れないか?

運良くB級の同期に、エスパニョールで働いていたコーチがいます。

彼に、連絡を取ると、親切に丁寧に、詳しく教えてくれたのです。

(ありがとう!!、おかげでいい時間を過ごすことができたよ。)

最寄駅、駅からの道順、トレーニング時間など。

「黄色い地下鉄のla pauを降りて、一つしかない階段を上がる。

 真っ直ぐ5分くらい進むと、橋があり渡ると、右手に見えてくる」

「16時くらいから、様々な年代をしている、通常は自由に見学できる」









 行き方だけでなく、トレーニングでの哲学のようなものも、レクチャーしてもらいました。

「育成年代であっても、日本のように、個人の技術に特化したものはやらない

 (1対1など)

 毎週のリーグ戦に向け、ゲームに勝つためのトレーニングをしている」

「グローバルな考え方に基づいて、行う」

「そのサイクルを通して、試合を理解する能力、試合を読む能力を高める」

単純にトレーニングを見ていると、物足りなさを感じるかもしれないよ、とも言われました。










「これは、日本では、同じようには出来ない。

 日本とは、そもそもの土台が違う。」

生まれた時から、フットボールに囲まれた環境のスペイン。

一方、多くの中の一つに過ぎない、日本。

その両国を単純に比較出来ない。

そして、スペインで行われているものを、そのまま日本に持ってきてもダメ。

このことを同時に意味しているのです。








 実際にトレーニングの見学をすることができました。

門番がドーンと構えているので、追い返されるのでは?!

ビクビクしながら入ろうとすると、笑顔で通してくれました。

練習場は、3面プラス、ハーフコートが1面。

そのうち、ロングパイルの人工芝のピッチもありました。

使っている用具も、ピッチも、日本と差はありません。

行われているメニューも、びっくりするくらい、ありきたりのもの。

日本のトレセンメニューの方が、よほど複雑で工夫されているかもしれない。









 一番の心に残ったのは、コーチの意思が明確に伝わってくることでした。

教えてもらったとおり、週末にあるゲームの準備を皆がしていました。

ある年代のチーム(フベニールB)は、サイドを大きく素早く変えて攻めることを狙っていました。

途中のトレーニングでは、ミニゴールをそれぞれのサイドに設定しハーフコートで7対7。

なかなかサイドチェンジがうまく行かないと見るや、コーチが中に入ります。

おそらく元選手なのでしょう。

ピッチ内の誰よりも綺麗な弾道のキックで、サイドをバシバシ変えて行きます。

その日最後のゲームでは、奥深くまで攻めても、一度戻してサイドチェンジ。

選手たちも、コーチの意図をくんで、狙いを明確に試合を進めていました。

まるで、トップチームのような一連の流れ。

育成年代から、このようなフットボールの関わり方が、ゲームの理解を育てるのでしょう。

様々な年代(女子も含む)のトレーニングを観るのは刺激的でした。






 
 一番学んだことは、選手やコーチに必要なものは、知性だということ。

ボール扱いや、フィジカルだけが優れた選手は、アマチュアにもたくさんいる。

トップと、それ以外との違いは、自分の持っているものをいかにして発揮するのか?

タイミング、チョイス、読み。

それらに関わってくるものが、フットボールそのものの理解であり、試合を読む目である。

つまり、知性である。








 ラパウの練習場に、3回通いました。

最後に行った、試合前日の土曜日。

さすがにダービー前日なので、門は締め切ったままで、見学ができなかったのです。

残念、、。
posted by プロコーチ at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月18日

スクールウォーズ、あのシーン。

 私が子供の頃、スクールウォーズがテレビ放映されていました。

伏見工業ラグビー部をモデルにした、熱血学園スポーツドラマ。

その後、何度も何度も再放送されました。

その度に、テレビ画面を食い入るように、夢中になりました。

泣き虫先生が、全力全霊で、生徒たちにぶつかって行く。

最初は、ラグビーどころでなかった不良生徒たちが、全国レベルにまで成長していく。

この主題歌も大好きになり、幼く「HERO」の意味も分からないのに、歌っていました。









 その忘れられないドラマの中でも、心に強く残るシーンが幾つかあります。

ラグビー大好きなイソップが死んでしまうシーン。

そのイソップがデザインしたユニフォームが、火事で燃えてしまったシーン。

足が悪く全力疾走できないはずの滝沢先生が、足を引きずりながらも勝負をするシーン。

100点以上も差をつけられて、惨敗してしまうシーン。

その一つ一つが、鮮明に思い出されます。

思い出す時のBGMは、もちろん、「HERO」です。










 そして、忘れられないのは、滝沢先生が、泣きながら生徒一人一人を殴っていくシーン。

大敗した試合の後。

おそらく、部室の中だったでしょうか?

「今から、お前たちを殴る!」

生徒のひとりひとりを、殴っていきました。

殴られた生徒が、吹き飛ばされるほど、本気のパンチ。

その行為自体がどうなのか、私には正直良く分かりませんでした。

幼心に、先生と生徒の両方が、熱いな!真剣なんだ!と感じたことが思い出されます。









 
 体罰の問題が、取り上げられています。

大阪の高校で、不幸な事件が起きてしまいました。

殴る行為は、指導の現場に必要なのでしょうか?

逃げ場の無い、一方的支配下にある者に対して、暴力をふるうことは問題?

指導者は、選手に対して、気づかせるべき?

体罰という名の暴力ではなく、必要性を分からせることで指導をしていく?

本気で殴るくらい、選手のことを思えるのは、素晴らしい指導者?

体罰を受けたくらいで、死を選ぶ子供が弱いだけ?

体罰には弊害があると、新聞の記事。

これをするな!と体罰を受ける。

プレーが縮こまって、さらにミスを犯してしまう。

そして、また体罰を受ける、負のスパイラル。

新聞のある記事に紹介されていました。










 もう一つ、スクールウォーズで忘れられないシーンがあります。

確か、全国大会、決勝戦のハーフタイムのミーティングのシーンです。

滝沢先生が、選手に対して指示を出そうとします。

「お前たち、相手の攻撃を・・」

すると、先生が言い終える前に、全員が制止するように口を開きます。

「分かっています!」

「お前たち、、」

「分かっています!」

そして、ナレーションが流れます。

先生に言われて直すようではダメだ、自分たちで、自ら行動しないと。

そのような内容だったはずです。

カッコイイ!

強いチームは、こうなんだ!!

自分たちで考えて動ける集団が、真の強いチームなんだ。

感動したシーンの一つになりました。









 私は、体罰容認派というわけではありません。

人を殴って指導するタイプでも、ありません。

スクールウォーズは大好きなドラマですが、それに影響を受けてと私も、とは行きませんでした。

だからといって、この問題から、目を背けることは出来ません。

指導者として、選手を良い方向に導きたい。

私に関わった選手を、良い方向に変える手助けをしたい。

その手段として、体罰はアリなのか、無しなのか。

どうも、文章がまとまりません。

私の頭の中が、まとまっていない証拠なのかもしれません。

もう一度、深く考えてみたいと思います。
posted by プロコーチ at 02:10| Comment(1) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月21日

選手起用について

 なぜ、川崎フロンターレの風間兄弟がスタメンで使われているのか?

SNSで、そんなやりとりがありました。

肯定的な意見もありましたが、否定的な意見が多かったです。

「分からない」「あり得ない」「ブラジル人の方が、、」「いらない」などです。

ここには、サポーターの人の意見も含まれていました。

もちろん、選手の能力を認めているから、起用されているわけであって。

決して、縁故採用されているわけではないはずです。

それなのに、起用に対して、疑問の声が上がる。









 なぜ、このような意見になってしまうのでしょうか。

川崎は、風間監督になって、ポジティブな変革が行われている。

勝利、という結果は、出ていない。

試合内容を見ていると、その変化は見て取れる。

ボールを大事にして、技術で勝負する。

得点シーンなどは、日本人の多くが好きなコンビネーションから生まれている。

他人事のように、うまく行っているのかな、と感じていました。

結果が出るのは、数年後。

今は、チームにコンセプトを浸透させている時期。

サポーターも、信頼を寄せ、長い目で見守っているものだと思っていました。

今、勝ちきれないことに対して、不満が溜まっているのでしょうか。








 話を少し変えます。

親子鷹という言葉があります。

私がこの言葉を初めて知ったのは、プロ野球巨人の原辰徳監督の親子関係からです。

原監督は、高校大学の学生時代に、7年間父の下で選手をしていた。

これは、野球好きなら、よく知られたことです。

私も、昔に本でこの二人の関係を読んだことを強く覚えています。








 原辰徳が父親のもとで野球をしたい!

そう願って、母親に相談します。

「父親が率いる東海大相模への進学をしたい」と。

母親は、こう答えたそうです。

「普通の選手がビンタを1発される所を、おまえは3、4発叩かれるでしょう。

 そうでないと回りは納得しない。それでもいいのなら行きなさい。」



父親の原貢氏も、息子に厳しく答えました。

「野球ならば、ほかに強いところはいくらでもあるぞ。

 5−5ならお前を使わない。6−4でも補欠だ。

 7−3でようやくレギュラーだ。

 しかしそれでも世間は親子だからと言うんだぞ。それでもいいのか?」








 実際に、貢氏は、なかなかレギュラーとして、起用しなかったようです。

高校1年生ながら、体も大きく、結果も出していたにも関わらず。

周りの人間が監督に、お願いをするくらい推薦して、ようやく起用したそうです。

それでも、息子辰徳氏に対する接し方は厳しいままです。

明らかにシゴかれ、厳しい言葉を投げつけられます。

まるで、見せつけのように。

その後の活躍は、誰もが知っている通り。

厳しくも愛のある指導をしたであろう父。

その指導に食らいついていった息子。

甲子園で活躍し、大学でさらに成長し、プロでも活躍する選手に成長しました。

私が読んだ本では、この2人の関係を、親子鷹と表していました。









 選手起用は、監督に許されている、最大の権限です。

誰を選ぶのかは、誰か他の者が決めれるものではなく、神聖なものです。

そして、監督というものは、自分の価値観や哲学を理解している選手を使いたい。

自分が思い描くプレーを、ピッチ上で表現してくれる。

自分の指示をスムーズにこなす、それどころか先回りして行っている。

こんな選手は、重宝されるでしょう。

ただし、血縁、利害関係がある選手を起用するならば、少し違ってきます。

明らかに他の選手より優れていないと、認められないでしょう。

原貢氏の教えです。
posted by プロコーチ at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月04日

逆サイドの視点。

 監督は、隅々まで、目を配り、気を配らなければならない。

ピッチの中だけでなく、ベンチに対しても、ピッチ周囲に対しても。

少しでも多くのことが見えていなければ!

時間、気温、天候、選手のコンディション、審判、もちろん対戦相手。

完璧に出来る日などは来ないのでしょうが、それに近づける努力を。










 私が座るベンチは、ピッチの脇、中央近くに設置されることがほとんどです。

選手の近くにいる分、選手の顔はよく見えます。

今、伸び伸び出来ている、落ち込んでいる、イライラしている、バテてきた、奮起している。。

顔つきや、仕草から、選手の心に触れたい。

それが、いい采配につながっていくでしょう。








 この位置には、大きな欠点があります。

水平レベルで見ているため、全体を見ることが難しいのです。

少し高い位置から、全体を俯瞰することができれば!

どれだけ楽でしょう。

細かいボールタッチや、1対1などの局面は目に飛び込んできます。

ところが、全体を見るには、全く適していないのです。

ついつい、目の前の選手が、強く目に入ってきます。

すると自然に、目の前の選手に対する、コーチングが増えてしまうでしょう。

本当は、それ以外で、重要なことが起きているかもしれないのに・・・。








 これを防ぐために、私が気を遣っていることがあります。

逆サイドの選手に対して、目を配ろうとすることです。

50〜70M先にいる選手が、何をしようとしているのか?

相手選手との駆け引きを制することが出来ているのか?

意識的に、逆サイドを強く見ようとします。

それで、ようやく、バランスが取れてくる。

近くを見て、遠くを見る、そこから全体図を想像していく。









 先日、ある試合を、指揮しました。

昨年は、大敗してしまった相手に対して、引き分け。

守り一辺倒ではなく、得点のチャンスも大いにあった。

もしかすると、勝ち点2を逃してしまった?!

それでも、暑い中ですが、選手は力を出し切りました。








 そして、数週間後、試合を撮影した、DVDを受け取りました。

選手の友人が撮影してくれたものを、好意で譲ってもらいました。

カメラは、ベンチの逆サイドに設置され、撮影されたものでした。

早速、テレビで見てみました。

全体的には、理解していた内容と、お大きな違いはありませんでした。

なのですが、やはり見えていなかった現象が、画面に出てきます。

自分が見ていたものとは、違う景色が広がっていました。

把握できていた部分、気付けていなかった部分。

自分の見えていた世界と、見えていなかった世界とを見ることができたのです。

それは、とても勉強になるものでした。








 逆サイドに対して、意識的に視野を持って行っても、まだ足りていない。

そのことを、気づかせてくれました。

たくさんの情報を仕入れて、全体図をイメージしていく作業を繰り返す。

試合中、鳥の目で、全体を俯瞰したい。

そのための努力をしよう。

この視点は、スタジアム観戦でも役立つものです。

是非、試してください。
posted by プロコーチ at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月21日

15秒以内に。

 「集合!」

コーチが選手を集める。

コーチは扇の要の位置に立ち、選手に説明を始める。

選手も、真剣な顔をして集まっている。

今から行うトレーニング、どのような設定なのか?








 ここで、我々コーチが気をつけなければならないこと。

それは、長々と演説をしないこと。


例えば、

「攻撃3人、守備2人+GK、の3対2+GKね。」

「コーチの配球で、プレーを始めるよ。」

このくらいの説明で始めれれば、いいでしょうか。

およそ、15秒もあれば、時間は足りるはずです。

細かい設定は、プレーを進めながら、説明していく。

まして、伝えたいキーファクターや、留意点は伝えない。

トレーニングを進める中で、伝えていく。










 ルールが複雑になれば、説明も増えるのでしょうが。

トレーニング前にくどくどと長い説明をしても、選手は聞きたいものではないはずです。

話しているうちに、コーチ自身が自分の言葉に酔ってしまうのか?

演説のように、話が長く長くなってしまう。

それでは、トレーニングにテンポやリズムといったものが出てこない。

選手も、気持ちよくプレーしづらいものです。










 この夏休み、海外の有名チームが、たくさん来日しています。

チームが試合をするためでなく、子供向けのサッカーキャンプをするために。

スペイン、ドイツ、イングランド、イタリア、アルゼンチン、ブラジル。

きら星のような、ビッグチームばかりです。

どんなことを、どのように指導をするのか?

今年から始まったチームもあれば、何年も実績があるチームも。

サッカーキャンプの売りは、そのチームのコーチが直接指導をしてくれること。

普段は受けれらない指導を受けることができる。

キャンプの参加費は、かなり高額なのですが、本場の指導を求めて!!お金を払うのでしょう。











 勉強のために、いくつかのサッカーキャンプを見学に行きました。

どうしようもないことかもしれませんが、気になることがありました。

トレーニングのテンポが上がってこないのです。

時間が進み、選手とコーチとは打ち解け始めているようなのですが。

それでも、一つ一つのメニューの進行がスムーズではないのです。

大きな原因の一つに、言葉の問題があります。

現地の言葉で話す、通訳が訳す。

さらに、子供たちの反応を見て、コーチがさらに話す

それを通訳が訳して、ようやくトレーニングが始まるのです。

毎回、トレーニングが始まるまで、数分以上掛かってしまう。







 
 参加者の子供たちが、現地の言葉を理解できない。

コーチが日本語を話せない。

すると、どうしても、通訳を挟まなければならない。

それは、トレーニング中のフリーズコーチングの時も同じです。

構造上仕方のないことかもしれません。

そして、参加者のレベルがまちまちなためか、説明も丁寧になりがちです。

すると、ますます、説明が長くなってしまう。









 クイック、シンプル、トゥーザポイント。

B級の講習会中に、繰り返し繰り返し耳にした言葉が思い出されます。

コーチの説明が長いことのメリットは、少ない。

このことを、改めて思い知らされた瞬間でした。
posted by プロコーチ at 09:18| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月13日

まさかに備えて

 救命技能認定証。

普通救命講習を修了し、救命技能を有することを認定します。

私の手元にある、認定証です。

昨年、平成23年11月2日に取得しました。

講習では、AEDの使用方法、止血、心肺の蘇生などについて学びました。

座学だけではなく、実際に人形などを用いて、実技も受けました。

指導者の講習会、運転免許の講習などで受けたこともありました。

改めて講習を受けると、あやふやな知識が明確になりました。

そして、練習と分かっていても、思うようには行動できないことも分かったのです。








 先日、私のスクールで、ケガ人が発生しました。

立つことも出来ないほどの大怪我でした。

W−up中のケガです。

しかも、本人がケガのショックで、意識を失ってしまいました。

ほんの10秒ほどだったでしょうか。

崩れ落ちるように、倒れていきました。

私がそばで、介抱しようとしていたので、どこかを打ってしまうことは無く。

(病院の先生が言うには、筋肉の断裂や、アキレス腱の断裂などの大きいケガの時、

 ケガのショックを受け、神経の反射で意識が飛ぶケースがあるらしいのです。)








 少しでも冷静に、素早く的確に振舞おうとしました。

本心は、かなり余裕無かったのですが、それを伝播させるわけにはいかない。

当人を安全な場所に寝かせ、気道を確保しました。

そして、周りにいた受講生の人が助けに寄ってくれました。

これが、とても助かりました。

私は、助けを呼ぶ指示、AEDを持ってくる指示、救急車を呼ぶ指示を出しました。

講習で受けたように、アイコンタクトをとりながら、手で示しながら。

そして、肩を叩きながら、何度も大きな声で呼びかけました。

すると、徐々に意識を取り戻し、自分でも呼吸を取り戻しました。

脈も、ハッキリととることが出来ました。

後は、救急車が到着し、病院に搬送されていきました。

私も、後を追って病院に向かいました。

後に残した、他の受講生には申し訳なかったのですが、、、。







 今回、ある程度落ち着いて、対処することが出来ました。

その中で、強く感じたことがあります。

このような状況においては、自分1人では、対処することは難しい。

周りの助けを借りながら、救命にあたることが大切だと実感しました。

何人か、専門知識を持っていた方もおられました。

それ以外のメンバーも、積極的に何か出来ることは?と動いてくれました。









 間違いなく、救命講習を受けていたことが、プラスに働きました。

本来は、この知識や経験が発揮されないことが、望ましいのです。

人が多くいる限り、今回のようなリスクは起こりえるでしょう。

フットボールのコーチをするためには、避けては通れない部分だと再認識しました。

もう一度、救命講習のテキストをめくり直してみます。
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2012年06月15日

伝えるために。

 「あほ。」

怒った表情で、怒鳴り散らすように言う。

これは、言われた相手は、萎縮し悲しい気持ちになるでしょう。

気の強い相手なら、怒り出し、ケンカになってしまう。







 「あほ。」

やさしい表情を浮かべ、少し甘い声で言う。

恋人同士でしょうか、親子でしょうか。

そこには、愛情か、信頼か、ふかいつながりを感じます。

言われても、嫌な気持ちではなく、うれしい気持ちになるかもしれない。









 同じ言葉を言っても、言い方一つ、表情一つで、伝え方が違ってくる。

言う側の、受け取る側の心持一つでも、それは変わってくるでしょうね。

先日、とても参考になる話を聞く機会がありました。

それは、言い方ではなく、言葉の選び方でも、伝わり方が違うと言うお話です。









 仮に、攻撃に力を発揮するボランチの選手がいます。

残念ながら、守備に対する意識が低く、その能力も高くない。

何とか守備能力を高めてくれれば、チームにもっと貢献できるのに。

守備力が弱いために、外さなくてはならない状況も生まれてしまう。

でも、その攻撃力は、魅力です。

さて、どのような声かけをするのか?








「お前は1対1が弱いな、1対1ちゃんとやれよ。」

「お前は攻撃いいよな、1対1の守備が出来ればもっといいのにな。」

言っている内容は同じなのです。

言葉が違うと、言われた側の伝わり方が、違うよね、というお話をしていただきました。








 どちらの言い方をしたら、より伝わるのか?

それは、選手によって違うはずです。

そして、同じ選手でも、状況によって違う時もあるでしょう。

そこを見極めて、声をかけなくてはならない。

私は、ここに対する配慮が足りているとは、残念ながら言えない・・・。








 選手に声を掛けるのは、何のために?

相手に変わってもらいたいから、声をかけるはず。

コミュニケーションの目的は、そこにある。

どのような言葉を選び、いつ、どのように伝えるのか?

コーチの大きな、大きな仕事です。
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2012年05月08日

想定外。

 試合中に、どれだけ相手を意識しているのか? 

自分の得意なプレーを出すことに全力を注ぐのか。

相手の状態を観察しながら、次のアクションを考えるのか。

その2つを組み合わせて行くのか。

相手の変化に気付けるのか。

あえて、見てみぬフリをするのか。







 例えば、じゃんけんをする。

グーを出して勝った。

次は?

グーを続けるのか、それともパー・チョキに変えて勝負するのか?

その時に何を考えているのか?

相手の立場に立って考えると、チョキを出して負けたことになる。

ならば、・・・。

じゃんけんなら、相手の出方を予測しながら次の一手を考える。

子供でも、当たり前のように、考えながら遊んでいます。







「とりわけ順調に行っているときこそ、何かが失敗した時の対処について考えていなければならない。

 カウンターシンキングとでもいうか。

 試合で間違いが起きてしまってから「想定外だった」という言い訳はプロとしては失格だ。」

オシム氏の書籍からの抜粋です。

カウンターシンキングとは、

…現状と反対のことを想定して、あらかじめ対処法を考えておく思考方法

まずは相手を観ろ!ということでしょうか。







 オシム氏は、コーチの心得についてこの思考法を取り上げています。

監督たるもの、常に準備を怠ってはならない。

明日のことを考え、、明日のことを、今準備しておかなければならない。

もちろん、準備をして、どのように現場で柔軟に対応することも説いています。

それも、いい準備があるからこそ、対応することが出来るのではないでしょうか。









 この思考法は、選手にも、求められている。

試合前に準備した、チーム戦術がハマって、相手は困っている。

ハーフタイムを迎え、チームはいい雰囲気。

トレーニングの成果をお互い噛み締め、自信を深めているのかもしれない。

もし、相手がそれに応対して、次なる一手を打ってきたら、どうするのか?

コーチの指示があるまで、やられ続けるのか。

それとも、相手の出方を観て、相手の変化に対応したプレーが出来るのか。







 GW中に、たくさんの試合をしてきました。

その後、落ち着いて、試合を振り返ってみました。

すると、オシム氏のこの一節が、思い浮かんだのです。

私にも、指導する選手にも、このカウンター思考がもっと必要である。

そのためにも、よりいい準備を進めねば。

そして、試合においては相手をもっと観察する。

まるで、じゃんけんや将棋、オセロの次の一手を考えるように。
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2012年04月20日

新たな一歩を。

 私の家の郵便受けに、待ちに待った知らせが届きました。

日本サッカー協会からの封筒です。

2011年度公益財団法人日本サッカー協会公認B級コーチ養成講習会判定結果

全課程修了者として認められましたことをご通知とあります。

つまり合格通知!







 準指導員を取得したのが、16年前。

それから指導の世界に、本格的に足を入れ、今に至ります。

ただ、草の根の活動ばかりをしてきました。

元プロ選手でなく、協会のお手伝いもできず。

日々の活動は素晴らしく充実していました。

それが逆に、B級を受講するところから離れていってる?

思いはあるものの、かなわない憧れのように感じる時期もありました。







 もう一度思い立ち、だめもとで都道府県協会のトライアルに申し込んだのが一昨年の秋。

一昨年の冬にトライアルを受け、翌春に合格通知。

7月に始まったB級養成講習会が12月に終了。

そして、やっとこの4月に合格通知を頂きました。

トライアルの申し込みから1年半が経っていました。

そして、準指導員(現C級)から数えると16年。








「意志のあるところに、道はある」

Where there is a will, there is a way.

私の好きな言葉です。

この言葉を信じていて、本当に良かった。

日々の指導・活動に関わってくれた方、みんなに感謝。








 それと同時に、満足してしまいそうな自分が嫌になりました。

私が勝手に心の師と仰いでいる方が、口癖にしている言葉があります。

これを今一度胸に、刻みつけたい。









「もう一息 もう一息と言ふ処でくたばっては何事もものにならない。
        
 もう一息 それにうちかってもう一息 それにも打ち克って もう一息。
        
 もう一息 もうだめだ それをもう一息 勝利は大へんだ だがもう一息。」

 武者小路実篤「もう一息」





 


 自分は、まだまだ満足するレベルではない。

勉強が足りない。

新たな一歩を歩まねば。

もう一息!です。
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2012年04月10日

こだわりを胸に。

「こだわりは、人に言わない、見せない。自分の中で分かっていればいい。」

「自分の好き嫌いにこだわるのではなく、物事の本質にこだわるべき。」

「自分を離れることで、物事の本質に近づける。」

各界の道の達人、いわゆるプロフェッショナルが、自分のこだわりについて話していました。

あるテレビ番組でのことです。





 
 いずれのプロフェッショナルも、こだわりを持っている。

ただし、頑なに、人の言うことに耳を貸さないわけではない。

ベースとなるものを身につけている。

誰もが、若く駆け出しの頃に、基本動作を身につけていた。

そのベースが大きいからこそ、自分のこだわりを活かすことが出来ている。

オレが、オレが、と自分の意見を振り回していないことも特徴的。







 そして、そのこだわりを高め、追求することで、進化を重ねている。

「自分の過去に作ったレシピは絶対ではない、よりよいものを求め改良を重ねる。」

「それなりに満足しない。変わり続ける、前に進み続けること。」

「今がそれでいいとは思わない、それもこだわり。」







 フットボールの指導者として、現場に立っている。

すると、今、自分の立場に満足して、守りに入ってしまう。

それは、過去の貯金で、今があるだけではないか。

日本の選手は、なかなかコーチにモノを申さない。

だから、ズルズルと甘えた関係になってしまうかもしれない。







 よりより指導を求めて、自分を成長させ続けること。

「クリエイティブな選手を育成するためには、

 指導者自身もクリエイティブにならなければならない。」

JFAの講習会で繰り返し提示されるこの言葉が、胸に染みます。

クリエイティブなコーチになるためには!?

成長し続ける努力をすることが、私のこだわりでしょうか。
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2012年03月30日

日本人に足りないもの。

 前回に続き、ボカジャパンが開催する、スキルアップクリニックのお話です。

http://futebol.seesaa.net/article/261354862.html

4日間のトレーニングが終了。

毎回、予定時間を過ぎるほど、熱いトレーニングが続きました。

ちなみに内容を紹介すると、

1日目…リズムチェンジ(早いだけではない)

2日目…イニシアチブを取れ

3日目…空中戦を支配せよ

4日目…相手ゴールをぶち破れ

最終日の今日は、試合メインのカリキュラムです。

今までの成果を確認する目的で、行われます。









 私は、昨夏、今回と2回にわたり、見学させてもらいました。

その2つの共通することがあります。

それは、参加している子供たちは全員ボールが大好き。

大好きすぎて、ボールに集まる。

大好きすぎて、プレーのファーストチョイスがドリブル、そしてドリブル。

目立っている子は、ドリブルをしている子です。









 それに対するボカのコーチの反応も同じでした。

コーチが思ったような試合展開にならないのでしょう。

「ボールにばかり寄るな」

「そこはドリブルをするところではない」

4日間のカリキュラムは、個人のスキルアップが主目的。

今回は、オフの動きも取り組みましたが、主はボールがあるところのプレー。

コーチとしては、その部分にフォーカスしたいはずなのに、フォーカスできない。

そもそも、試合が、球蹴りになってしまっている。







 コーチは、改善するためにコーチングしていました。

フリーズしたり、シンクロコーチングで声をかけさせたり。

今回は、設定そのものを変更することで、試合内容の改善を図りました。

ドリブルを制限、禁止するエリアを設けたのです。

他にも、シュートを促す設定、ヘディングシュートを促す設定。

次から次へと、子供たちに宿題を与えていきました。

子供たちのプレーも、自然と、いい方向に変わって行きました。

やはりコーチは、グッドオーガナイザーである必要がある。

そして、目の前の現象の原因を見つける目、が必要でありますね。









 全カリキュラム終了後、ボカのコーチと直接話すチャンスがありました。

通訳の方が協力してくださり、貴重な時間を得ることが出来たのです。

…今回のクリニックを終え、日本の子供に最も足りないと改めて感じた部分は?

「ヘディングです」

「1回のトレーニングでは習得できない」

「でも、刺激を加えることはできた」

「繰り返し取り組むことで、ヘディングが出来るようになる」







 少々意外な答えが返ってきました。

確かに、このテーマは、昨夏も取り上げられていました。

ボールを飛ばしたい場所に応じて、額の使う部分を変える。

腕を用いて、全身の力で強くボールを叩く!

アルゼンチンでは、オルカと言う器具を用いてトレーニングもするようです。

ペンデルボールともいう、ひも付きボールを高いところにぶら下げるアレです。

実戦を意識して、テクニック習得のために反復トレーニングをする。

古典的かもしれないが、単純なトレーニングも必要だということのようです。








 そして、団子サッカーについても、質問しました。

…昨夏も同じような試合になってしまいました。

「試合全体を観る目がない」

「試合の中でイニシアチブが取れていない」

…そのためには何が必要ですか?

「コンペテンシア(競争)」

「アルゼンチンは、U−10でもリーグ戦あり、真剣な競争がある。」

「競争の中で、試合を観る目や、イニシアチブを取ることが身に付いていく。」









 ちなみに、団子サッカーになることは想定どおりである。

その解決のための場の設定も、予め準備していたとのことでした。

子供たちの出来ることも、出来ないことも、彼の想定内。

我々が彼らから学ばなくてはならないことは、まだまだ多くあるようです。
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2012年02月24日

2~3プレー前が分かる

「目の前の現象にとらわれてはならない」

昨年、B級コーチ養成講習会で、さんざん耳にした言葉です。

例えば、ボールを失った。

このボールを失うというのは、現象にあたります。

では、なぜボールを失ったのか?

その起こった原因が分かるのかどうか?

なぜ?いつ?その原因が起こったのかを観えていたのか。

それが、B級コーチには求められるレベル。








 ボールを失った、その瞬間。

そこから、2~3プレー前までさかのぼって、観えていること。

AがBにパス。

ボールを受けたBがターンして、前方のCにパス。

Cがそのボールを失った。





        × × ×
         C○    





    
       B○

 
              ●ボール
              A○
       




 どうしても、ボールがある場所に、目がいってしまう。

ボールを中心に、フォーカスを絞り込むかのように。

ここで言うと、ボールを失ったCばかりに着目してしまう。

では、その原因はどこにあったのか?

出し手、受け手の2人称に留まってはならない。

複数の関わりが、3人称まで分かるようになること!!

Cで起こった現象だけを指導していては、B級のレベルには達していない・・・。








 大量得点が求められた、オリンピック最終予選マレーシア戦。

見事、4得点を奪い、本戦出場が見えてきました。

その口火を切った、酒井選手の先取点。

ニュースの映像では、シュートのその寸前くらいからしか映りません。

下の図で言うと、Cにあたる原口選手からボールがこぼれ、Dの酒井選手がゴール。

まさに、現象だけをとらえた映像です。

では、観ていた人間の頭には、どこまでが観えていたでしょうね?










 実際は、このようなプレーでした。

Aの斉藤選手が前を向いてボールを受け、(ヘディングのクリアを)

斜め前の、B・東選手にパス。

東選手はボールをすかすように前を向く。

そのまま、相手GKとDFの間のスペースにスルーパス。

走りこんだC・原口選手がボールを受けるも、ボールがこぼれた。

右後方から信じて走っていたD・酒井選手がボールをフォローして、シュート!




             D○
        
         C○    





    
       B○

 
              ●ボール
              A○
       




 この一連の流れを、あるニュース番組で「巻き戻して」解説していました。

A→B、B→Cの斜めのパスが、相手を攻略するのに効果的だったとの解説でした。

また、生中継の時にも、ピッチ解説で、A・斉藤選手のパスに触れていました。

ただ、視点が少し違っていました。

右サイドにあえてパスを出さずに、中央に出したことが、右サイドをフリーにした。

と、違う視点からの解説でした。

いずれも共通しているのが、2つ3つ前のプレーから、追いかけれているところです。

ちなみに、かたやS級ライセンス保持、かたや今年S級ライセンス取得予定です。

2つ3つ前のプレーを観るのは、当たり前の作業のレベルでしょう。



 



 どんどん、状況が、めまぐるしく変化していくのが、フットボールです。

ボールも動けば、人も動く。

タイムアウトもなければ、息つく暇すらなく、攻撃と守備が入れ替わる。

その中で、ついつい、ボールの周りだけを、今その瞬間だけを観てしまう。

2~3プレー前のプレーから観えていたのか?

現象が起こった、その原因が分かっているのか?

コーチだけでなく、選手も、サポーターもこの視点を持てれていれば、理解が深まる。

ゴール!!その瞬間の前には、なにか原因があったはず。
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2012年02月10日

対応力を高め、引き出しを増やす。

「理想論を掲げて、負けてもこういうサッカーをする。」

「スタイルに拘り、相手がどうであろうと、うちのサッカーをしましょう。」

こういった考え方は、今のところ僕にはないし、認められない。

今年の選手権を制した、市立船橋の朝岡監督の言葉です。

発売された雑誌をめくっていると、記事が載っていました。

選手権の劇的な決勝を観戦したので、興味深く、ページを読み進めていきました。

指導の熱い信念が伝わってくる記事でした。









 パスをつなぎ、ボールをポゼッションし、試合を進めていく。

バルサのようの試合運びを目指したチームが、増えている。

それは、簡単なことではないが、素晴らしいことだと思います。

でも、それだけ!でいいのでしょうか?

上手いけど、いい試合をしたけど、それだけでいいのか?

「スタイルばかりが先行している風潮は怖いです」







 もし、育成が成功し、プロ選手になった時、どうなるのか?

理想ばかりを追求していった選手。

プロになれば、目先の結果を求められる試合も多くあるはず。

理想を追求したいが、どの相手に対しても、ポゼッションで上回ることは不可能。

それが出来るのは、唯一、本物のFCバルセロナだけです。

その他の、バルサを目標にしているチームは、理想を捨て去る試合が出てきます。









「サッカーの原理原則はしっかり守りますが、」

「その先は相手との力関係や、ゲームの状況を意識することが大切。」

「対応力を上げることや、引き出しを増やすことを考えてトレーニングしている。」

それはなぜか?

イチフナと言えども、全ての試合で、相手を上回ることは出来ない。

全国レベルでなく、県内でも、無敵の存在ではなくなってしまっている。

「どんな相手にも同じサッカーをするには、圧倒的な個の力が必要。」

「そうでない以上は、常に相手のとの対比のなかで、変化させられるチームが強いチーム。」






 レアルマドリーや、ACミランは、自国の国内リーグでは、強者です。

相手を圧倒する攻撃力を武器に、主導権を握って試合を運びます。

ボールをポゼッションしながら、相手の羽をもぎ取るように、攻撃していきます。

ところが、バルサを相手にした瞬間に、ガラッと切り替わります。

相手の強さを認め、カウンター主体の試合運びをするチームに変貌するのです。

自陣に人数を割き、攻撃をジッと耐える。

セットプレーとカウンターに、反撃の糸口を見つけようとする。

普段とは正反対の、弱者としての振る舞いを当然のようにするのです。

まるで、それが、チームの得意なスタイルかのように。

レアルやミランにそれを強いるバルサは、もちろんすごい!

一方で、バルサ相手に、普段とは全く違う振る舞いで勝機を狙う。

レアルやミランもまた、その引き出しの多さや、対応力は優れていますよね。








 この記事を読んで、もう一度、選手権の決勝を観てみました。

11人全員で守備をし、攻撃は、3~4人で攻めきってしまう。

まるで、イタリアのプロビンチアの戦い方そのものです。

相手と対等に戦うことは出来ないことを、認めた戦い方です。

「現実的に勝負を考えたときには、それが必要だった。」








 育成の世代には、このようなことも、身につけておきたいものです。

試合が始まれば、何が起こるか分からない。

想定してなかったことが、いくらでも起こりうる。

「勝つ姿勢とか、精神的な部分まで含めて育成だと考えれば、

 理想やスタイルばかりにこだわることが正しいとは思えない。」

そして記事は、こう締めくくられました。

「勝つことに、プラスアルファを求めていかなきゃいけない」

さて、次の新チームや、いかに。
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2012年01月17日

私も1歳

 元々、本を読むことは幼い頃から好きだった記憶があります。

図書館に通ったり、新聞を読んだり。

コーチを天職に定めてからは、さらに知識収集欲が高まりました。

何か気になる分野があれば、深く物事を知りたい。

その思いは、幼い頃からずっーと継続しています。

欲張りなのでしょうか。

今は、フットボール、コーチング、教育、栄養・料理あたりにその興味が向いています。








 本を読むと、自分の経験していない世界を見ることが出来る。

字を読んで、想像を膨らませる。

子供の頃、一番好きだったのは、シャーロックホームズのシリーズでした。

はるか遠いロンドン、しかも百年以上も前のお話。

なぜか、ホームズの活躍に憧れを抱きました。

ドキドキしながらページをめくっていたのが、懐かしい記憶です。

これが、本を好きになった大きな理由かもしれないです。







 そして本は、特別な言葉との出会いがあります。

高みに達した多くの偉人や、トップレベルで活躍する著名人。

その方々が掴み、得た体験。

だからこそ、発することが出来る考え、そして言葉。

普通に生きているだけでは、気付けないような内容が溢れています。

それらの本にある言葉の一つ一つが、私の血となり、肉となっています。








 私が強く印象に残っている言葉があります。

「母親としては、1歳」

これは、テニスで活躍した杉山愛さんの母、杉山芙沙子さんの言葉です。

大人の目線で、大人の価値観をそのまま子供にぶつけてしまいがち。

子供のためにしようとしていたことなのに、大人の基準で考えて、イライラをぶつけてしまう。

(なぜ、こんなことも出来ないのか!?)

杉山愛さんは、芙沙子さんが26歳の時の子供です。

でも、26歳として接するのではなく、新米ママとして接することを心がけていたそうです。

子供(愛)が1歳なら、自分も母親1歳。

自分も、母親としては1年しか経験が無いのだから、偉そうに出来るわけではない。








 この考え方。

口で言うのは簡単ですが、実行することは、とても、とても難しいことです。

プライドや、立場が邪魔をしてしまうのでしょう。

私はこの言葉を、プロとしてのコーチを始めて数年の時に、知りました。

例え、10年、20年フットボールをプレーしていたとしても、コーチとしては新米に過ぎない。

コーチの資格を取って、7・8年は経っていたが、プロとしてはまだ数年。

もっと、もっと、することがあるのではないか。

自分のお尻を叩いてくれた、貴重な言葉でした。







 最近、彼女の本が発売されました。

すると、そこには、その考えが記されていました。

しかも、グレードアップして!

・・・長女の愛の時も、次女の舞の時も、私はこのように考えて子育てをしていました。

「愛が1歳の時に私は『愛の母親』として1歳ですし、

 舞が1歳の時にはやはり『舞の母親』として1歳なのだと思っていた。」

過去の経験や成功を押し付けるのではなく、今の対象を観ていた。

そして、2人を比べるのではなく、それぞれ一人一人の特性に合わせていた。






 この言葉は、さらに強く、私の胸に刻まれました。

自分が何年の経験を積み重ねたしても、目の前の新しい選手に対しては、新米コーチ。

経験や、実績を自慢しても、その選手には関係ない話。

今、出会った、この選手と、どのように接していくことが出来るのか?

常にフレッシュであり続ける心を、忘れずに。
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2012年01月06日

トーナメントはデメリットばかりでなく

選手権。

日本人でサッカーに興味があるなら、ほぼ全ての人間が興味をもつはず。

サッカーに興味はなくても、選手権だけは気になる。

選手権ファンともいう層が、多くいるでしょう。

我々の心をつかんで離さない選手権。

3年間の全てを、ピッチに捧げる姿に、共感や郷愁を覚えるのでしょうか。

選手や監督、スタンドの仲間が見せる、汗や涙に感動しているのかもしれませんね。





ところが、この選手権が、最近はやり玉にあげられています。

18歳以下という育成年代に、一発勝負のトーナメントは必要なのか?

勝負にこだわりすぎるあまり、守備を固めること、ロングボールを多用する。

得点といえば、ミスがらみか、セットプレーが多数を占める。








しかも、全国レベルの大会を短期間でする弊害も言われている。

中1日、中2日、での連戦が続くため、体が壊れてしまう。

勝負にこだわりすぎ、怪我を抱えていても、強行出場させてしまう。

そして、高校3年間が終わると、燃え尽きてしまう選手も少なくない。

バーンアウト症候群と呼ばれ、超高校級と呼ばれた選手の多くが消えていった。

そんな高校選手権は、時代遅れなのではないか?というのが、最近の論調です。







ところが、選手権が中心にある、高体連のサッカーが再評価されるべきではないか?

時代遅れのはずの、高校サッカーには、未だに大きな価値があるのです。

何度か、ここでも取り上げていることですが、改めて。

2010年の南アフリカワールドカップで、日本代表は、初めてアウェイの地で勝利をあげ、ベスト16にも進出しました。

その時のメンバーを思い出します。

GK川島、DF内田・中澤・トゥーリオ・長友、MF遠藤・長谷部・大久保・松井、FW本田

彼らは、選手権に身を捧げ、選手権を目指し、選手権で活躍し、選手権で涙した高校時代を過ごしています。

レギュラークラスで、Jリーグの下部組織育ちの選手は、駒野・阿部だけなのです。

世代のトップクラスの人材は、高体連だけに集まったわけではないはずなのに。

統計的に、明らかに、偏りが見られますね。







その秘訣は、いくつかあるでしょう。

人間教育に優れた指導者の多くが、高校サッカー界に多く活躍していること。

100人を越える部員数の中での競争が、3年間の大いなる成長につながっていること。

そして、選手権の存在があります。

全国の注目を集める、負けたら最後の一発勝負。

試合の展開も、腰が引けた、ロングボール頼りになることも、いまだに多い。

それでも、デメリットばかりでなく、メリットもある!?

もちろん、育成年代における、リーグ戦文化の日常が、選手の育成・強化を図るには適しているでしょう。








選手権では、負けたら、即引退。

高校サッカーの引退を賭けて、試合に臨んでいます。

負けたら、同じ仲間とは、2度と本気のサッカーをすることは出来ない。

勝てば、憧れが現実になる。

試合に勝てば、夢の舞台(選手権・国立競技場)に立つことが出来る。

多くの人間の期待を背負ってピッチに立つ選手。

試合に出れない仲間、戦ってきた他校の選手、学校や大人の思惑。








Uー18の選手が背負うには、あまりに大きなものがある。

それでも、仲間と共に、自分の全てを出して戦おうとする、選手。

大きく、人間的に成長したはずです。

ここで育まれた強さこそが、ワールドカップの本番で力を発揮することにつながったのは、間違いないでしょう。

選手権。

まだまだ、存在意義があるでしょうね。





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2011年12月27日

2度目の講習会

場の設定は、シンプルな方が良いのではないか。

トレーニングを通して、何を選手に獲得させたいか?

どんな刺激を選手に与えたいのか?

その目的に応じて、トレーニングを組み立てていく。

トレーニングを実施する際の、人数、ゴール、サイズ、時間、ルールなどを設定する。

これが、我々コーチの腕の見せ所でもあるのです。





「ボールが2つあって、ゴールが4つあって、フリーマンがいて、さらに・・・。」

ルールが複雑になればなるほど、選手が混乱してしまう。

プレーしている選手は、ルールそのものにとらわれてしまう。

そして、ルールを遵守することが、目的化されてしまう。

トレーニングのためのトレーニングにすべきることを意味するのではないか。

フットボールから離れて行ってしまう。

フットボールプレーヤーを育成したいはずなのに、練習上手の選手を作ってしまう!?

サッカーをさせてあげよう!フットサルをさせてあげたい!







先日、川崎で開かれた指導者講習会に参加してきました。

フットサル日本代表、ミゲル・ロドリゴ監督が指導にあたってくれます。

数年前にも参加したのですが、目からウロコが落ちるほどの衝撃を受けるものでした。

今まで、自分が見たことも、体験したこともない内容だったからです。

彼の理論は、インテグラルトレーニングというもの。

テクニック、タクティクス、フィジカル、そしてメンタルの全てに負荷を加えていく。

FCバルセロナのトレーニングなどで有名になっている、「グローバルトレーニング」

それをさらに絞り込んで凝縮させたものだそうです。

特に、メンタル面にもフォーカスさせていくのが、特徴の一つだと私は感じています。








ミゲルコーチの狙いなのか、講習会では、集まった指導者全員にトレーニングを体感させます。

しかも、全てのメニューを。

自分の理論を、味あわせることで、理解させたいのでしょう。

いくつものメニューが進んでいくにつれ、あることに気がつきました。

数年前の講習会と、メニューがほぼ同じなのです。

開催者に旧知のコーチがおられたので、その理由を質問してみました。

「これらのメニューが、ミゲルの狙いや意図が出やすいからではないか」

私が1度目に講習会を受けた時は、内容を咀嚼するのに、時間がかかりました。

場の設定があまりに複雑で、トレーニングについていくのが精一杯の状況に陥っていました。

攻める方向が、変わる。

ハーフウェーラインを超える方法が(浮き玉、ドリブルなど)指定される。

攻守の役割が、入れ替わる。

これらが同時に、いくつも降りかかって来る。

この理論に基づくトレーニングを初めてプレーしたら、フリーズしてしまっても不思議ではありません。

日本代表の選手たちですら、間違ってプレーをしていた!とミゲルが紹介するほど。

私は、同じメニューでの講習会を受けたことで、より深く彼の考え方に触れられたような気がします。








やはりというか、今回の講習会でも、多くの参加者が頭を抱えていました。

ルールそのものは、頭では分かっている。

はずなのだが、実際にプレーをするとなると、話は別のようで。

順番を間違える、ルールで許されていないプレーをする。

周りで見ていても、その間違いに気がつかない・・・。

ましてや、ルールを逆手にとって、自分が得をしよう!というプレーは少ない。

トレーニングの全ての時間、混乱状態が続いて行きました。







ただし、おそらくこの状態もミゲルコーチの思惑通り。

時間が・空間の余裕がないのがフットサルの大きな特徴です。

すると、メンタル的に追い込まれた状況になってしまう。

トレーニングの時から、体にも、精神にも大きな負荷を掛けていく。

そこで、何が出来るのか?

追い込まれた中で、観て、決断し、プレーを実行する。

このサイクルを、当たり前のように遂行していく選手を育てようとしている。









場の設定における、相反する2つの考え方。

どちらの方法をとっても、メリット、デメリットはあるのでしょう。

最終的には、コーチが何を獲得させたくて、そのトレーニングを実施しているのか?

そして、トレーニング中に、何が起こっているのか?

これを、常に見極めることが、コーチには求められているのでしょう。

トレーニングをさせることを目的にしてはならない。

メニューの家来、場の設定の家来になっている場合ではない。

年の最後に、改めて気づかされた時間でありました。
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2011年12月13日

B級講習会より

 約1年間におよぶ、B級ライセンスへの道がようやく終わりそうです。

(追試さえなければ・・・、今、結果待ちです。)

昨年12月に開催された講習会へのトライアル、そして今年7月からのB級養成講習会。

5泊6日の宿泊研修が3回(専門課程前期、共通科目課程、専門後期)。

それぞれのレポートに、準備。

振り返ってみると、久しぶりに、「勉強した!!」と実感しました。

仕事に穴を空けながら、講習会に参加。

快く送り出してくれた同僚や、お客さんに、感謝しなければ。








 後期の課題で、このようなものがありました。

「コーチとしてのあなたの長所と短所を答えなさい」

課題はさらに、このように続きます。

「またどのように伸ばし、改善するかを答えなさい」

出された課題で、一番考えこんだ内容だったかもしれません。

ナイフを突きつけられたように、ドキッとして、一瞬固まってしまったのです。







 我々コーチは、選手やチームの長所・短所を分析しようとし続けています。

そして、どのように改善し、伸ばそうとするのかをプランニングし、実践しています。

これが、自分自身のこととなると!?

このような機会でもない限り、見つめ直すことはありません。

頭を抱えながら、自分の立ち位置を変え、観察してみました。

そうすることで、長所も、短所も、浮かび上がってきたのです。

第三者的に自分を見つめなおしたとも、言い換えれます。







 また、修了式で、インストラクターのコーチが、このような話をしてくださりました。

「普段、コーチは、人から評価されることは無い。」

「私たちが、時には厳しいことを言ったかもしれないが、」

「チームに帰って、役立ててくれれば。」

「チームに帰った時に、我々と皆さんとのベースが合っていれば、それでいいのです。」









 インストラクターのコーチが言ってくださった内容、同期の受講生が言ってくださったこと。

そして、自分なりに感じたこと。

忘れないように、たくさんメモしました。

また、客観的に言ってもらえる機会は、しばらく無くなってしまいます。

自分に質問を、投げ掛けなくてはなりません。

「あなたの長所と短所は?」

「どのように伸ばし、改善しますか?」
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2011年11月01日

多面的に観る。

 公認B級コーチ養成講習会の共通科目では、多くの科目を勉強しました。

普段、フットボールのコーチをしている人間は、あまり触れていない部分が多かったかもしれない。

スポーツ医学、スポーツ心理学、スポーツ社会学、トレーニング科学。

体育大学や、専門学校で、トレーニング科学を修めているコーチは、自信満々で臨んでました。

スポーツ社会学や、スポーツ心理学の授業は、興味深い内容でした。

一方、医学は、聞いたことの無い単語、普段使わない漢字に苦しめられました。

全員が、全ての科目を、楽しく受講できたわけでは、正直無いはずです。









 今回、これら共通科目を受講することで、何を得たのでしょう。

知らないよりも、知っていたほうが良い知識や、考え方を教わりました。

これら全ての知識が、普段の指導やクラブ運営の役に立つか?

と聞かれれば、素直に「はい」とは言いがたい。

今回得た知識の中で、頭のフォルダから出て来る機会がないものも、あるでしょう。

特に、テストの前日の深夜に、必死でテスト対策していた時は、疑問も浮かびました。

この勉強は、何かの役に立つのだろうか・・・。











 5泊6日の集合講習を終え、今は、こう考えています。

「フットボールという像を、今までとは違う角度から観る視点をもらった」

例えば医学。

貧血の中でも、スポーツ貧血というものがある。

症状として、動悸、息切れ、めまいなど。

ところが、運動時にも症状が表れる。

最後の一踏ん張りがきかず、最後の余力がない。

スタミナ不足や、早くバテる。

このような症状が起こるのだそうです。



バテている選手を目にした時に、通常どう考えるか。

「コンディションが悪い、走り込みが足りない、無駄走りが多い」

このような考えを持つコーチや、選手が多いのではないでしょうか?!

なかなか、鉄分を多く含んだ食事を、ビタミンCと共にとらせる指示は出てこない。

そもそも、発想に無かった。

(コーヒーや紅茶に含まれるタンニンが吸収を阻害することも学びました。)
 
キレイ事や、優等生発言でなく、新しい視点を得れたのです。










 他にも、スポーツ心理学のところでも、様々な視点をもらいました。

「人は心で相手を見てしまう。」

私たちが見えているものや事柄は、そのままではないのです。

事象がゆがんで見えることは、よくあるそうです。

私の心に、グサッと刺さったフレーズがあります。

「人は自分が納得するように、見てしまう」

だから、ゆがんで物事を見てしまうのでしょう。

関心や願望、思い込みや価値観が、見え方に影響を与えている。

自分では正しい!と思っていても実際はずれている、見えていない。



 それを実証するようなゲームも体験しました。

映像を観ながら、指示に従うゲームです。

例えば、人間8人(白4人・黒4人)が入り乱れて、ハンドパスをしている。

そのパスの本数を数えるゲームです。

講師に、黒チームのパスの本数を数えろと指示され、必死で本数を数えます。

入り乱れているので、ボールの動きに集中し、本数を数えます。

終わって、講師が我々に問いかけます。

「何本ですか?」

皆、本数は数えれてました。



ところが、このゲームには仕掛けがあるのでした。

続けて質問されました、「何かが通ったのですが、見えましたか?」

首をかしげます。

もう一度、その部分を再生されると、驚きの映像が目に飛び込んできました。

ムーンウォークする熊が、何秒もはっきりと映っているのです。

60人ものコーチがいて、誰一人、熊に気づけなかった・・・。

ボールの動きに注意を向けて、フィルターが掛かってしまっていたのです。

まさに、関心が見え方に影響を与え、偏った見方をしてしまった。

まんまと、わなに掛かってしまったのでした。






 このゲームは、休憩明けのウォーミングアップのように、楽しく取り組ませてもらったものです。

その奥にあるのは、遊びではありませんでした。

普段、我々の心に、妙なフィルターが掛かっていないか!?

自分が納得するように、自分の都合がいいように、選手を見ていないか?!

背筋が寒くなる瞬間でした。









 このような新たな視点、気づきは、トレーニング科学でも、社会学でもありました。

機会があれば、また紹介したいと思います。

講習を受けた、その領域の全てを学んだわけでは、もちろんありません。

学びを深めるきっかけをもらったというのが、正しい表現なのでしょう。

入り口に立っただけですが、そこからの視点は新鮮なものでした。

少しでも、コーチとしての幅が広がればいいのですが。

後は、実践あるのみです。
posted by プロコーチ at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする