2018年04月27日

戦術的記憶

 賢い選手は、チームを助けてくれるし、相手を窮地に追いやることが出来る。

選手を賢くする。

そのためには、このサイクルをどんどん回していけるようにしてあげること。

見て、判断して、決断して、実行(プレー)。










 一方、思い付きでプレーしている選手。

行き当たりばったりを繰り返す選手。

成功もあれば、失敗もあります。

コーチの側からすれば、困ってしまいます。

相手DFがどうなっているか?

スペースは?

味方は?

ボールは?

ゴールは、どこ?

見ているのか、思い込みで決断を下してしまっているのか。











 メモリア タクティカ。

戦術的記憶と呼ばれる、スペイン語です。

そして、戦術コンセプト。

このような局面では、このような解決法がある。

マークを外すアクション、警戒、前進、ポゼッション、継続的サポート、スペースの管理など。

一つ一つのプレーについて、明確な論理がある。

行動が全て説明できる状態とも言えます。

長年の経験や、勘によるものではありません。

コンセプトを知り、試合の状況を記憶していく。

この記憶がたくさん学習していき、選手の頭の中に蓄積させる。

そして、トレーニング。

記憶を自由に引き出し、使えるようにしていくために。

















 フットサル。

昔から、様々なパターンを、頭に覚えこませ、体で表現できるようにしています。

一人のアクション、二人での動き、チーム全体での動き。

まさに、戦術的記憶を大切にしてきています。

弾まない、小さいボールを使う競技という特性を上手く活かしている。

バスケットボールや、ハンドボールにより近いスポーツだと思います。

11人制のサッカーが、ハンドボールやバスケットボールに近づいてきていると言われています。

つまり、ある意味では、一歩先を進んでいるのがフットサルと言えるのかもしれません。













 先日、サッカーの試合をしてきました。

私が毎週のようにお世話になっている、草サッカーです。

草サッカーとは言え、レベルの高い選手が、ゴロゴロしています。

元プロや、クラブユース出身、強豪高校サッカー部出身ななど。

そこに、フットサルの現役選手が参加しました。

かなりの強豪チームのレギュラーの2人。

しかも1人は、現日本代表選手。

若くて、キレのある、しかも賢い選手。













 バイタルエリアで、その1人が前を向いてボールを持ちました。

攻撃選手は3人。

ボールを持った1人に、左前方に1人、右前方に1人。

ゴールを守る選手は、中央に3人。

同数です。

ボールを持った選手に、1人、プレッシャーをかけに来ました。

残る守備の選手は、ボールホルダーをマークする選手をカバーしながら、中央に絞りました。

そこで、面白いフリーランニングを、左前方の選手が仕掛けたのです。

中央に斜めに走りこもうとします、スルーパスをもらうかのように。

このフリーランニングで、DFのブロックは、さらに中央を固めようと絞りを強くしました。

その瞬間に、斜め外に向かって、高速でバックステップを踏みます。

一気に中央のブロックから離れて、斜め前のスペース目掛けて走り出しました。

ボールホルダーは、その瞬間を待ち構えていたかのように、パス。

フリーで受けた選手は、簡単にゴールを決めていました。













 このように書くと長くなるのですが、簡単です。

ジャゴナウ(ポルトガル語でダイアゴナル)を仕掛けた。

相手DFの動き、ボールホルダーへのプレッシャー、ゴールまでのスペース。

状況を見て、ジャゴナウが適切である。

戦術的記憶から引っ張り出したのです。

あまりに見事なジャゴナウだったので、私は2人駆け寄りました。

ゴールを称え、すぐに確認しました。

すると、出し手も受け手も、同じ絵を描いていたことが分かりました。














 戦術的記憶。

選手を賢くする鍵になっています。

フットサルでも、サッカーでもいいのですが、知ることは大切です。

そしてその知識を、適切に引っ張り出し、実行することが出来る。

賢く、試合でチームのためになる選手になり得るでしょうね。
posted by プロコーチ at 03:02| Comment(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月20日

種目が違う?

 今年、大リーグから日本球界に復帰した、上原浩治。

世界最高峰である大リーグでの生存競争を10年間、勝ち抜いてきました。

そして、世界一であるワールドシリーズ制覇も果たしました。

世界を知る選手。

残念ながら今年は契約を取ることが出来ず、日本球界に復帰。

どのような活躍を見せてくれるのでしょうか?











 その彼が、インタビューに答えていました。

フットボールのテレビでしたので、ご覧になった方も多いのではないかと思います。

「野球とベースボールとは違うスポーツである」

何となく聞いたことのある言葉ですが、肌で感じていた経験者が語る言葉には重みがあります。

「アメリカのベースボールは、一人一人がどんどん振ってくる。」

「日本は、バントなどを駆使して全員で緻密にプレーしている。」

話を聞いていて、野球とベースボールとは、ルールこそ同じですが、価値観が違う。

その価値観の違う選手が集まってプレーをしているので、まるで違う試合が進んでいくことになる。

まるで、種目が違うスポーツであるかのように。













 バリバリのメジャーリーグが助っ人として来日しても、活躍できずに帰っていく選手がいる。

その一方、無名で、大して実績の無い助っ人外国人が、日本では大活躍して歴史に名を残すこともある。

日本の投手は、ある程度の実績を残す可能性が高い。

ところが、日本のトップクラスの野手がアメリカに挑戦しても、鳴かず飛ばずで帰ってくることが多々あります。

ベースボールで活躍するための能力と、野球で活躍するための能力。

同じ部分、似通っている部分もあれば、全く異なる部分もあるのでしょう。

日本では武器になっていたものが、アメリカでは通用しない。

日本でそれほど長所でなかった部分が、実はアメリカでは、物凄く強みになっていることも。

違う種目と見紛うほど、野球とベースボールとは、違いが大きいようです。













 それと同じことは、サッカーとfootballでも言えるようです。

日本で大活躍していた選手が、ヨーロッパに挑戦。

ところが、全く通用せずに、1シーズンも持たずに、日本に帰ってきてしまう。

さほど、日本では活躍していなかった選手が、海外クラブで確固たる地位を築いている。

ブラジルでもヨーロッパでも実績のある選手が、なぜか日本でさほど目立たない。

逆に、日本でだけ活躍できた、無名のブラジル人選手も、たくさんたくさんいます。

ブラジルでは、フットボールではなく、フッチボウですが、、。














 ハリルホジッチ監督は、フットボールの世界の人だったようです。

そして、その価値観の中で、物事を考え続けていたと思われます。

日本のサッカーがどのようなものかには、あまり興味がなかったのでしょう。

彼の考えるフットボールとは?

一人一人が、責任を持って戦う、ボールを奪い、ゴールを目指す。

そのためには、高い強度で、目の前の選手に何としても勝つ!という能力とメンタル。

コースを切って、追い込んで奪うことよりも、自分の力で相手からボールを奪い取る。

コンビネーションに頼るだけでなく、自分がゴールを目指し、相手の背後を狙う。

戦える個人が集まって、それから集団の力を高めていこう。

集団ありきでなく、まず、戦える個人がいなくてはフットボールの世界で結果を残すことは出来ない。

日本的な全員でち密に、犠牲心を持って戦う。

その良さを分かってくれていたのかどうかは、今になっては分かりませんね。

もう少し、サッカーを理解しようという姿勢を見せてくれれば、選手たちの受け取り方も違ったものになったのかもしれない。

フットボールのレベルの高さは分かっていますが、日本サッカーにも良いところもありますよね。











 とは言え、ハリルホジッチ監督の追求していた部分は、我々が、分かっていて目を逸らしていた部分ではないか?

日本らしさ、日本の良さ、日本独自の。

その言葉に、甘えてしまっていた部分に、ハリルホジッチ監督は気づいていた。

日本人選手も、もちろん成長を続けています。

それ以上のスピードで、世界最前線は成長している。

結果として、差が広がっている。

もっと、戦える選手が欲しい!いつも思っていたはずです。

ワールドカップ本大会では、ハリルホジッチ監督の下に、戦える選手が集う。

その選手たちが、犠牲心を持って、ち密に戦術を遂行していく。

私は、そのような空想を、ずっとしていました。















 違う種目ほど、求められることが異なる、サッカーとフットボール。

現代のフットボールの世界で通用する選手とは、どのような選手なのか?

チャンピオンズリーグの準決勝、決勝。

6月から開幕するロシアワールドカップ。

ここを観察すれば、見えてくるものがたくさんあるでしょう。
posted by プロコーチ at 03:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月13日

行け!日本代表

 UEFAチャンピオンズリーグには1人、ヨーロッパリーグには4人。

今シーズンの日本人選手の出場している人数です。

その選手たちは、本当に、戦っていると思います。

世界のトップを目指すクラブにおいて、日々競争を繰り返している。

そこでポジションを勝ち取り、試合に出場する。

簡単なことではありませんよね。

身も心も削るような思いもしながら、その舞台に身を置いている。

その、経験は、選手個人を必ず成長させてくれる。

そして、その力を、代表チームに大いに還元し続けているでしょう。








 この人数。

それは、日本サッカーの現在の実力を、如実に表している。

残念なことに、この人数は、ここ10年以上、大して増えていません。

若干減る傾向にあるかもしれない。

一方、ワールドカップで強豪と言われる代表国。

チャンピオンズリーグに出場している選手だけで、多数を占めることでしょう。

ヨーロッパの強豪はもちろん、ブラジル、アルゼンチンもそうですね。

つまり、この人数の差が、世界における日本の評価であり、実力を表している。











 ハリルホジッチ監督、元監督と書かなければならないですね。

ヨーロッパで戦い、ワールドカップで戦ったコーチ。

そして、チームを分析して、丸裸にするのが武器の一つ。

日本代表は、弱者である。

弱者である我々が、ワールドカップで勝利を勝ち取るためにはどうすべきか?!

日本代表監督に就任した時から、青写真は描いていたに違いない。










 考えていたことは、2つ。

・日本人選手の個の能力を高める。

・高い位置にボールを送り込み、奪われても奪い返してショートカウンターを。


ボール扱いや、集団で行動することに対しては、ある程度の評価はしていたでしょう。

変えたかったのは、外国人選手と戦うために足りない部分。

デュエルと表現した、プレーの強度。

これを表現するためには、フィジカルコンディションも、気持ちの強さも必要になる。

プレーの強度は、かなり高まったと思います。

ヨーロッパで戦う選手だけではありません。

Jリーグも、かなり、バチバチ行くようになってきています。

守備の寄せ、ルーズボールの球際、ボールへの執着心。

ハリルホジッチ監督就任以前と以後では、見るからに違います。

実際にJリーガーの何人の選手も、その旨のコメントを出しています。










 ボールを蹴れ!

この指示は、高校サッカーを見ていると、よくありますよね。

負けたくないチーム、そして力の劣るチームがよく使っています。

中盤を作りながら試合を進めようとすると、ミス。

ミスでなくてもボールを引っかけられて、失って、大ピンチを作ってしまう。

そのミスを回避するために、中盤を省略する。

長いボールを前線のターゲットマン目掛けて、蹴飛ばす。

マイボールにならなくても、そこからカウンターを喰らう危険性は低い。

高い位置に相手を押し込んで、ショートカウンターを狙って、前からプレス。

このコンセプトを続けた恩恵を受けたのが、大迫や原口でしょうね。

ポストプレーに、運動量。

この二人は、輝いていましたし、さらに育てられたでしょう。











 国見、長崎総合の小嶺監督。

もし彼を監督に選んだら、どんなサッカーをするか、分かるでしょうに。

ハリルホジッチを監督に選んだ時点で、分かっていたはず。

優雅に中盤を作りながら試合を進めることは、決してないと。

それぞれの監督には、それぞれの得意なやり方がある。

グアルディオラ、モウリーニョ、クロップ。

どんなチームを作るのか、どんな試合を目指すのか、大枠は、分かりますよね。









 ハリルホジッチ監督の大きな功績の一つに、アンタッチャブルな存在を作らなかったことが言えます。

本田、香川、岡崎、長友、川島。

今まで、代表を支えていた功労者であり、スター選手。

それでも、試合に出ていないなら、代表に呼ばない。

自分の代表で貢献していても、それは同じ。

浅野も井手口も、ポジションを勝ち取った!と誰もが思っていた。

でも、所属クラブで出れなくなると、途端に招集されない。

同じ価値基準を持って、選手を選考する。

23人に入るための競争をしろ!分かりやすくメッセージを発していた。

本田や長友が移籍までして、復活しました。

イタリアの名門クラブ在籍というブランドを捨てても、試合に出るために移籍した。

彼らのパフォーマンスも、明らかに戻ってきていた。

競争とは、協会に直訴することでも、スポンサーを動かすことでもないはずでした。

健全な競争を促して、選手の力を高めることが、ワールドカップでの躍進に欠かせない!

ハリルホジッチ監督の信念だったはずです。









 見たかった。

対戦相手を丸裸にして、相手の長所をつぶし続ける日本代表を。

そして、相手の弱い部分を徹底的に突いて、ゴールを陥れる日本代表を。

選び抜かれた23人。

それは、試合に明確な役割を持った集団だったでしょう。

GKは別にして、毎試合スタメンは異なっていたはず。

そして、ほとんどの選手が試合に出ることになったでしょう。

もしかしたら、例えばポーランド戦の1試合のためだけの選手もいたでしょう。

親善試合やアジア最終予選とは、全く違う戦いを見せてくれただろうに。

前回ブラジル大会で言う、コスタリカやアルジェリア!です。









 自分たちのサッカー、とは全く反対のサッカー。

それを展開して、どうなるかの結末を見たかったです。

通用する可能性もあったでしょうし、全く通用しない可能性もあった。

もし通用しないのなら、育成からやり直す。

20年かかったとしても、新たな日本の戦いを作り上げる。

その見極めをするチャンスを失ってしまった。





 西野新監督は、いい指導者だと思います。

3年間西野監督で、最後だけハリルホジッチ監督の方が、順番的には良さげですがね。

西野監督と言えば、ガンバ大阪。

後ろから中盤を遠藤、宮本、日本人中心に作る。

最後の20Mは、ブラジル人のタレントを存分に活かす。

マグノアウベス、アラウージョ、フェルナンジーニョ。

良かったころのガンバ大阪。

その再現は、難しそうです。

日本代表には、ブラジル人アタッカーがいない。。

それだけで、西野監督の良さが表現される可能性が減ってしまう。










 それでも、日本代表には頑張って欲しい。

納得行かないことも多いですが、少しでもいい試合を見せてほしい。

行け!日本代表。

posted by プロコーチ at 02:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月30日

いい見本

 ウクライナ代表、いいチームでしたね。

超有名選手がいるわけではない。

顔と名前と、プレーが一致する選手が、何人いたことか?







 好チームであったウクライナ代表。

彼らのベースとなるのが、個々の高い能力。

派手なプレーは少ないのですが、とにかく技術が高い。

まるでシュートのようなパススピード。

これは、欧州では当たり前の基準ですね。

速いパスが、仲間をフリーにしてあげることが出来る。

この速いパスが、仲間をフリーにしてあげることが出来る。










 ここに、あえての緩いパスを織り交ぜていけば、もっと、組み立ては面白くなる。

でも、速いパスを通すためのキックが出来ないなら、緩いパスは、ただの殺人パス。

昔、教えてもらった言葉に、ホスピタルパスと言うものがありました。

出しどころが分かっている緩いパス。

このパスは、ボールを受けた味方のところには、相手DFが奪いに来ている。

下手をすれば、乱暴なタックルを受けて、大けがをして、病院送りになってしまうかもしれない。

だから、ホスピタルパス。

ウクライナ代表のパスは、この真逆。

敗れたとは言え、チャンピオンズリーグのベスト16に出ていたシャフタール・ドネツクの選手たち。

世界基準のパスを、身に付けていました。











 そして、その速く強いパスを、ピタッピタッとコントロール。

本当に、止める蹴るが素晴らしい。

ボールをピタッと止められるから、速いパスを出せる。

速いパスを出すから、ボールを止める時間が生まれる。

良い循環です。









 

 だからと言って、パスに逃げる訳ではない。

寄せられても、むやみに蹴らない。

体や腕を上手く使いながら、ボールをキープ。

スペースに上手くボールを運び、持ち出す。

数的優位を作りながら、相手守備組織にほころびを作っていく。

アタッキングサードでは、相手の背後に向かって仕掛けていく。

突破のドリブル、ボール運び、ボールキープ。

これらは、場所、局面に合わせ、間違いのない判断をベースとしています。

柔らかさや、繊細さは、あまり感じられない。

どちらかというと、ボールタッチに硬さすら感じてしまう選手もいました。

ボール扱いだけで言うと、日本人選手の方が、相対的には上ではないでしょうか。

でも、どちらが試合で有効だったかというと、ウクライナ代表ですね。









 サーカスのようなボールコントロールや、見世物のようなリフティング。

そう言ったボール遊びも、出来たら楽しいですよね。

でも、まずは、ウクライナ代表が見せてくれた技術を高めたいものです。

彼らは、フットボールをプレーしていました。

世界で戦うためには何が必要なのかを、身をもって知っている集団。

この集団に、一人の怪物、一人のスーパースターが出てくれば?!

グンと突き抜けて、ワールドカップや、他の国際大会で結果を残すでしょうね。

イブラヒモビッチのいるスウェーデンや、ベイルのいるウェールズを想像してください。

今回、ウクライナがワールドカップに出れなかった。

でも、監督シェフチェンコが選手として活躍していたら、違った結果だったでしょう。

本大会でも決勝トーナメントに出るかもしれません。









 我々は、まず、ウクライナのようなレベルになることが、目標ではないか。

ベースを、コツコツと、育成から積み上げて行く。

そのベースが無い今は、しんどいですね。

ワールドカップで、ベスト16の壁を破り、さらに上に行く可能性は低い。

まずは、あのレベルでの、止める、蹴る、運ぶを身に付けたい。

posted by プロコーチ at 23:07| Comment(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月22日

健全な競争

 健全な組織は、健全な競争が無くてはならない。

競争の無い組織は停滞し、それ以上の成長は望めない。






 ワールドカップを振り返ると、それは分かりやすい。

2002年大会トルシエ監督。

彼は「ラボ」と言って、常に選手を入れ替え、ポジションをいじった。

2010年大会岡田監督。

それまで主軸だった中村俊輔、楢崎を外し、戦い方も変えた。

この2大会は、見事ベスト16に進出。






 2006年大会ジーコ監督。

選手に序列があるように見えた。

海外組が優先された。

2014年大会ザッケローニ監督。

スタメンが決まっており、固定化されていました。

どのチームも、サポーターでもスタメンが分かったのではないでしょうか。

見ている側は、いつものあの選手が出てくるので、分かりやすい。

つまり、チーム内の競争が少なかったと言えます。







 今回の、ハリルホジッチ監督。

ポジションが決まっている!そんな選手は数人しかいませんね。

アンタッチャブルな存在と思えた、本田、岡崎、香川。

彼らでさえも、試合に出れないどころか、メンバーに呼ばれないことも。

一方、調子が良ければ、サッと呼んでもらえる。

当落上の選手や、チャンスを狙っている選手は、やる気がでるでしょうね。

チームに、モチベーションの高い選手がたくさんいる状態になります。

モチベーションの高い選手は、周りに良い影響を与えてくれます。








 中島、原口、森岡、宇佐美、昌司、中村。

彼らの出番が訪れるかもしれない。

モチベーションの高い選手たちが、躍動するのか?

そして、良い化学変化を与えてくれるのか?

楽しみな2試合が始まります。
posted by プロコーチ at 18:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月10日

私の活力

 私の活力となっているもの。

それは、心の中で師と仰ぐ方に少しでも近づこうとすること。

実力も経験も足りない私が、どのようにすれば近づくことが出来るのか?

それは日々の努力でしかないのですが。

その努力が報われない時は、思わず心が折れそうになることも当然あります。







 
 3月8日。

私の尊敬する指導者のお一人である、黒田和生先生の誕生日でした。

1949年生まれの69歳。

皆さんご存知、元滝川第二高校サッカー部監督。

ヴィッセル神戸でも働き、ここ数年は新たなチャレンジとして海も渡っていました。

台湾で、育成のリーダーとなり、さらには代表監督にまで!

生まれ故郷、出身中学、高校が、なんと同じ!

だからと言って、私もいい指導者になれるという訳ではないですね。










 黒田先生の著書「トモニイコウ。」を再読しました。

その中から抜粋して、ご紹介します。


…日本一より優先すべきことがあるという思いで、選手一人ひとりと向かい合ってきたからだ。

 決して負け惜しみではない。高校生に限らず若い世代を指導するうえで最も大事なのは
 
 「サッカーをもっと好きにさせること」である。





…理想とするサッカーは、(中略)「選手がいきいきと躍動するサッカー」


…滝川第二時代、モットーとして「怯まず、驕らず、溌剌と」を掲げた


…勝ち負けよりも大切なことがある。もちろん私も負けてもいいとは一言も言っていない。

 やるからには全力を尽くして勝ちに行く。でなければ試合相手に対して失礼になる。

 (中略)勝利と育成を両立させるためにはどうすればいいか。

 私なりの結論は「グッドゲームの追求」である。

 グッドゲームとは美しく勝つことであり、6つの要素がある。

 意志の力、体調体力、運、技術、戦術、フェアプレー。



…ファーストネームは「人は石垣 人は城」

 セカンドネームは「誰もやっていないことをやりなさい」

 ラストネームは「心に太陽を 唇に太陽を」

 この3つが黒田和生の背骨を作っている




…選手の自主性を重んじる指導を。キャプテンや公式戦のスタメンを部員の投票で決めることにした


…コーチやチームメイトと挨拶はきちんとする。(握手ではじまり、拍手で終わる)

 ふだんの歩き方にも気を配るように。

 はきものを揃えることも厳しく指導する



…滝川第二の監督をしている時、進路問題では、まずBチームの3年生から大学への推薦などを

 優先して済ませ、彼らが後顧の憂いなく練習に取り組めるようにした



…集中力があるかないかを見るには、話をしている時に視線がブレないかをチェックすればいい。

 ふつうに会話していても目が動かない。じっと相手の目を見て話し続ける、そういう子は集中力がある。


…友情は最高の戦術である。


…嫌でもやらなければならないことは、笑顔で、楽しくやりなさい。


…「サッカーは一人ではできない」ということ。メンバーが力を合わさなければ勝利はつかめないし、

 助け合わなければグッドゲームにはならない。それは初回の生き方に通じる。


                   …引用 「トモニイコウ」 著者黒田和生 発行アートヴィレッジ


 書いていると、体の奥から力が湧き出してきました。

師への道をコツコツと、歩き続けよう。




             
posted by プロコーチ at 02:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月02日

意外な指摘

 平昌オリンピックが閉幕しました。

今回、日本勢が過去最高の成績を収めたましたね。

もちろん選手たちが、最高のパフォーマンスをした成果です。

選手が躍動している姿は、心が沸き立ちました。

本当に、おめでとうございます。









 そして、その立役者として、多くのコーチにもスポットライトが当たっています。

なんと、外国人コーチが多いことか!

世界のトップレベルを知っているコーチが、適切な指導をしてくれた。

その指導に、選手たちが見事に応えたのでしょう。

コーチの国籍にこだわっている場合ではないですね。

外国人だから優れているわけでも、日本人だから劣っているわけではない。

自分を違うステージに連れて行ってくれる!

メダリストの皆さんは、そう感じたから、飛び込んでいったのでしょう。










 選手を導けるコーチ。

COACH。

馬車。

あのブランドのマークも、馬車ですよね。

目的地である地点まで、お客さんを連れて行く。

コーチ。

トレーニングをさせるだけが、大声で叫ぶのがコーチではない。

語源通り、選手をさらなる高みまで連れて行かなくては。









 

 先日、指導者講習会を受講しました。

実は、トライアルも兼ねてまして。

テストでは、自分の今まで培ったものを、ぶつけてきました。

その評価は、まだ分かりません。

選手役を務めてくれた選手(ジュニアユース年代)たちが、伸び伸びとプレーしてくれた。

私のシンクロ、フリーズコーチングに対し、変わろうとしてくれた。

初対面とは思えないくらい分かり合えた、と感じました。

手応えは、あった?!のでしょうか、、。










 指導教官である、インストラクターのコーチが、感想を伝えてくれます。

良かったポイント、改善すべきポイント。

普段、評価されることがないので、とてもありがたいです。

良かったポイントとして、

「あなたのコーチとしての立ち居振る舞い、そのものが良かった。」

これは、嬉しい。

私は、コーチとしての求められる能力として、「オーラ」に重きを置いていました。

指導を始めて、20数年。

ようやく、人様に感じられるだけのオーラが、少しだけ出てきた!ようです。

そして、さらに続けられた良かったポイントに驚きました。

「シンクロ(声かけ)のタイミングや内容も良かったし、そもそも声も良かった。」










 声が良い。

これには、本当に驚きました。

私は、自分の声が大嫌いだからです。

中学生の頃に、録音された自分の声を初めて聞いて以来、嫌いです。

妙に音が高くて、鼻について、イライラします。

世の中で最も嫌いな声の一つ。

それが自分の声だからです。












 今後、自分の武器が一つ増えたようです。

大嫌いな自分の声ですが、それを良い、と言ってくれる人がいた。

一つコンプレックスが減少しました。

少しだけ自信を持って、今後の指導に向かうことが出来そうです。

声を武器に、選手を次のステージに、連れて行くお手伝いをしていきます。
posted by プロコーチ at 23:41| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月23日

高木枠と本橋枠

 平昌オリンピックで、激闘が繰り返されています。

冬季オリンピックも、見ていると楽しいものですね。

鍛え上げられた肉体や精神を、さらに限界を超えてまで戦う。

オリンピアンは、本当に超人ですね。

馴染みのない種目も多いのですが、つい気になります。

さらに今大会は日本人選手が活躍していますので、さらに熱が高まります。









 女子カーリング。

準決勝に進出。

残念ながら韓国に敗れてしまいましたが、まだメダルの可能性も残っています。

そのチームを陰で支えている、ベテラン選手がいます。

2006年、2010年大会では中心選手として活躍した、本橋選手です。

今回はキャプテンでありながら、試合には出場していません。

今までの経験を活かして、仲間たちをサポートしているのです。

試合に出ている選手たちにとっては、何とも心強い存在でしょう。









 女子アイススケート。

たくさんのメダルを獲得していますね。

小平選手の金メダルは、圧巻でした。

そしてさらに、高木選手。

メダルを金・銀・銅と3つ獲得。

ところが、前回出場した8年前の大会。

16歳で出場しましたが、成績はふるいませんでした。

最下位の35位と、23位。

でも、この時の経験や悔しい思いが、彼女の糧になっているはず。

ちなみに彼女は、サッカーでナショナルトレセンU15の経歴もあるそうです。










 ワールドカップでも、期待の若手に、経験を積ませることがありますね。

ブラジル代表。

1994年大会では、17歳のロナウド。

試合には出ていませんが、怪物と呼ばれていた選手に、本大会を経験させました。

2002年大会では、20歳のカカ。

彼は、ほんの少しだけ試合に出場しました。

日本も、1998年のフランス大会に、18歳の小野伸二を選んでいましたよね。

将来の主軸になる選手と見込み、本大会にメンバーとして連れていく。

これが、数年後の代表チームにとって、大きなメリットをもたらしています。









 日本が躍進した2002年日韓大会、2010年の南アフリカ大会。

ここでは、ベテラン選手が、陰でチームを支えていました。

2002年大会では、秋田豊に中山。

この二人が、チームの雰囲気を盛り上げ、サポートしていました。

2010年大会では、川口選手。

試合に出る確率は低いと分かっていても、チームに帯同。

日々の振る舞いや、声かけでチームを陰で支えていました。










 チームを作るには、今のベストの選手を選ぶだけでは上手く行かない。

そんなことを考えさせてくれる、平昌五輪ですね。
posted by プロコーチ at 08:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月16日

駆け引きで上回るための能力とは

 前人未踏の記録を成し遂げた二人に、賞が贈られました。

将棋の羽生善治竜王と、囲碁の井山裕太九段が国民栄誉賞を受賞されましたね。

お二人とも、長い歴史のある世界でも、過去に比する人物はいないのではないでしょうか。

囲碁も、将棋も、人間同士が向き合って戦います。

これは、我々のフットボールも同じです。

どのような一手を指すのか?

彼らのような神の領域までたどり着いたような名人だと、何手先まで読んでいるのでしょうか。

数100手先とも、1000手先とも言われます。








 まず、基本となるのが「3手の読み」です。

常に目先を読む「三手の読み」(こうやる、こう来る、そこでこう指す)

これは元々、原田泰夫元将棋連盟会長が提唱されたようです。

羽生竜王は、次のように著書で紹介しています。

「読みの基本となっているのは“三手の読み”という考え方です。
 一手目、自分にとって最善のベストの選択を探します。
 二手目、相手にとって最善のベストの選択を探します。
 つまり、自分にとってもっとも困る一手・選択を考えることです。
 それから、三手目に自分が何をするか事前に決めておくわけです。
             「40歳からの適応力」(羽生善治)







 試合の流れの全てを読むことは、不可能に近いです。

どれだけ準備をして、どれだけトレーニングしても。

そして、どんなに能力が高く、戦え走れる選手を揃えたとしても。

最後にボールがどちらに転がるかは、神様にも分かりません。

それならば、まず、3手の読みを考えてはどうでしょうか。

自分のアクションに対して、相手がどのような反応を示すのか。

そして、それに対する手を用意しておく。

自分たちがしたいプレーだけを続けようとするのではなく。









 例えば、左サイドの高い位置でボールを受ける。

相対する右サイドバックは、数M先で、待ち構えている。

ここで、自分の一手。

ボールをわざと、相手側に少しだけ動かし、さらしてみる。

相手はどのような手を返してくるのか。

ボールを奪うために、グッと食いついてくる。

そうしたら、自分はこう返す。

その瞬間スピードアップ。

ダブルタッチか、アウトで持ち出し抜き去る。










 ボールを受ける瞬間、どのようなファーストタッチをするのか?

すでにここから、自分がこうする。

1手目が始まっている。

さらにその前からも。

自分がボールを受ける前に、マークを外すアクションを入れて、相手を動かす。

相手の背後に走り出すアクションを入れることで、相手にバックステップさせる。

ボールを受ける前から、すでに2手が終わっている。

このような駆け引きは、攻撃でも守備でもありますね。

3手先を読んでも、その通りに行かないことも多々あるでしょうね。

繰り返していくことで、そして修正していくことで、その能力が高まるはずです。










 ボールコントロールを上達するために、たくさんボールを触ることは大切。

壁に向かって、止める・蹴るを繰り返す、パス&コントロールを繰り返すことも大切。

でも、このような読み、考え方を持ってているかどうか。

自分がしたいプレーをしているだけではないのか?

せっかく身に付けたボールを扱う力が、本当のテクニックとして活きているか。

よく、相手と駆け引き出来る選手、という表現をします。

「3手先の読み」を持ってプレーできているかどうか。

この能力を高めることが、駆け引きで相手を上回る、一つのカギになるのではないでしょうか。
posted by プロコーチ at 23:23| Comment(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月03日

ひざをトントン

 指導者が、選手に向かって働きかける。

「コーチング」

その目的は、何なのでしょうか。








 声をかける。

話を聞く。

体を使ったアクション。

体罰は、もちろん含まない。

どのような働きかけをするのか。

常に選手の状態を見なければならない。

難しいです。

こちらが、一方的に、情熱をぶつけるだけでは上手く行かない。

コーチが何もしなくても、選手が自ら動いてくれるのが、一つの理想かもしれない。

そのためには、仕掛け、仕組み作りが求められる。









 どのような声かけをするのか?

そのためには、コーチングの目的をいつも頭に入れておくこと。

「コーチングすることによって、対象の選手の行動を変化させること。」

その結果、目標を達成したり、成りたかった自分に近づいていく。

チームで言えば、勝利をすることであり、自分たちのスタイルを作り上げていくこと。

だからこそ、行動そのものを変化させなくては、これらは達成されない。










 フットボールの現場で、どのような声が出ているのか?

コーチが、思い付きで声をかける。

家でケンカをしてきて、虫の居所が悪いのか、汚い声かけをする。

失敗する度に、ダメ出しをする。

そして、人格を否定する。

「だからお前は、ダメなんだ。」

もしくは、目の前の現象とは関係ない声かけ。

それでは、言われた選手は混乱してしまいます。









 先日、幼児(2歳〜3歳の未就園児)向けの、運動教室を見学しました。

いつもお世話になっているフットサル場で開催されていたのです。

そこで、面白い声かけがありました。

親と、幼児がパートナーでストレッチを始めました。

コーチが言いました。

「コーチと同じように座ってね。」

足を投げ出して、お尻を地面につけます。

「手で、ひざをトントン叩いて」

「行けるなら、そのまま、靴までトントン叩こう」

ひざをトントン叩くことで、ひざを伸ばさせる。

そして、そのまま靴に向かって叩くことで、腿裏からお尻にかけてのストレッチ。

これが、自然に出来ているのです。








 
「次は、お母さん、お父さんの背中に回って。」

「そのまま、背中にピッタリ引っ付いて〜。」

「そうしたら、乗っかっちゃおう。」

パートナーを後ろから押して、さらに前屈させるための声かけです。

自然に子供たちは、親御さんの背中に乗っかって行きます。

次は、子供たちが伸ばされる番です。

「じゃあ、今度はお母さんが、後ろに行こう。」










 一連の声かけは、おそらく、マニュアルだと思われます。

よく考えられていますよね。

子供たちが、自然に、動き出せるようになっている。

しかも、強制ではなく、楽しい気持ちを持ちながら。

直接的な声かけばかりでは、選手が理解できないかもしれない。

理解は出来ても、動く気持ちを持てないかもしれない。









 これは、選手同士の声かけをする時にこそ、有効だと思います。

コーチから選手なら、前提条件が異なってきます。

信頼関係に基づいている。

多少、キツイ言い方であっても、選手側も理解しようと頑張るはずです。

でも、選手同士なら、違います。

「なんで、お前に言われなくてはならないの?」

そうなった途端、その声かけは、むなしく響くだけです。

せっかく、チームのために、仲間のために、声を出しているのに、、、。









 コーチングの目的を、考えていれば、声かけが変わってくるでしょう。

目の前の相手に、どのような行動を取って欲しいのですか?

声を出すのは目的ではなく、手段のはずですよ。

ひざをトントンです。
posted by プロコーチ at 01:26| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする