2019年01月18日

ボックス内の仕事人

 20年も日本のフットボールシーンで活躍した選手が、引退しました。

中澤佑二、楢崎正剛。

代表でもクラブでも、活躍し、周りにいい影響を与え続けたと思います。

彼らの活躍そのものが、日本フットボール界、躍進の歴史とも言えますね。










 2人が引退するのは、年齢、コンディションもあるでしょう。

でも、今すぐ引退しなければならない状態ではなかったようですね。

クラブから、来年の契約、他クラブからの打診もあったと、記事にありました。

それだけ、彼らのプレーや、存在意義は認められているのでしょう。

まだまだ、活躍する姿を観たかったのですが、残念です。










 引退理由の一つが、似ていました。

所属クラブでの活躍の場を失ってしまったこと。

今まで、試合に出続けていたのに、突然、ベンチ、ベンチ外を命じられた。

それは、フットボールそのものの進化が、原因でしょう。

「いいチームは、一番後ろ(GKやDF)から攻撃を始め、一番前(FW)から守備を始める。」

前線の選手は、点を奪うだけ。

後ろの選手は、ゴールを守り、ボールを奪うだけ。

それでは、昔のフットボールスタイルだよ。

チーム全員が、たくさんのタスクを持ち、攻撃も守備も、免除される選手はいない。

それが、近代フットボールの流れであることは、間違いありません。












 
 1990年前後に、バルセロナの監督を務めた、ヨハンクライフ。

スペインリーグを4連覇するなど、ドリームチームと呼ばれたチームを作り上げました。

今につながる、様々な革新をもたらしたことでも知られています。

グアルディオラがチームの中心で、ボールをさばき続けていた。

ボールを受けては出して、それを繰り返す。

全く目立たないので、ロマーリオやクーマン、ラウドルップにストイチコフにサリナスに目が行きます。

でも、ポゼッションなる言葉すら、ほぼ使われなかった、あの時代。

今でいう、ブスケッツや、アルトゥールの仕事の重要性を、見出していた。

さらに、GK。

代表のGKがいたのですが、違う選手を用いようとしていました。

ボールを足で受けて、配球する能力に長けた選手を試していたのです。

当時は、バックパスを、GKが手で拾い上げることすら許されていた時代。

それなのに、一番後ろに、パスの配球役を置こうとしていたのが、クライフ。

この試みは、あまりうまく行かなかったのですが、今思えば、先を見る目はまさに慧眼ですね。

オシム監督も、同じことを求めていましたね。

その時も、まだまだポピュラーではなかったと、覚えています。












 2019年の今では、GKが足でプレーするのは当然です。

ノイアー、テアシュテーゲン、クルトワ、日本なら西川。

足でのプレーで、チームに貢献するGK像が、定着してきましたね。

バックパスは、当然、手を使えない。

でも、後ろでプラス一枚を作るために、GKがビルドアップに積極的に関わる。

私がブラジルリーグの試合を観戦した際も、ロシアワールドカップを観戦した際も同じでした。

試合前のアップで、足を使うトレーニングの比重が高まっています。

足のプレーから始めるチームが、半数を超えている印象です。

いつもなら、体をほぐして、準備が出来たらキャッチボールでした。

今は、ボールを扱い始めるならば、まずは足から。

グラウンダーだけでなく、浮き球の処理、1タッチ、2タッチ。

正面、角度を変えて、さらには近い距離に遠い距離。

とにかく、足でのプレーをたくさん求められるのが、現代のGK像と言えますね。





 









 それは、センターバックも同じでしょう。

ボックス内で、ヘディングで弾き返す。

1対1で、相手を制圧する。

DFラインを統率、カバーリングもこなす。

これだけでは、足りないのが、現代のCB像でもありますね。

攻撃においては、ビルドアップの中核としてのプレーを求める。

バックバスを、ボカーンと蹴り返す。

とりあえず、長いボールを、FW目掛けて蹴り入れる。

このプレーだけでは、当然物足りない。

高い戦術眼と、左右の足での技術。

まるで、中盤の選手のような、組み立ての能力が求められるようになりました。















 中澤と楢崎。

彼らは、ボックス内の仕事人ともいえる存在ではないでしょうか。

シュートを止める、はじく。

1対1で相手をシャットアウトする。

ロングボールやクロスに対して、制空権を制圧する。

体を泥まみれにしても、味方のために体を張り続ける。

そうして、チームに勝利やタイトルをもたらしてきたのが、この二人です。

ところが、この能力は、必要のない過去のものとなった?

それは、違うと思います。

ボックスの中で、相手に勝つ!

ボックスの中で、違いを出す!

これは、ずっと求められる能力です。

我々のプレーする、このフットボール。

その勝利の条件が、相手より得点を奪い、相手よりも少ない失点であること。

これが変わらない限り、2人の有した能力は、求められ続けるものだと、私は考えます。

それをベースとして、組み立てに必要な能力を求める。

それが、未来のCB像であり、GK像になるのでしょう。















 ボックス内の仕事人は、今後も求められる。

素晴らしいお手本のお二人、長年ありがとうございました。











 
posted by プロコーチ at 18:19| Comment(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月04日

レジェンドの印象深いゴール

 また一人、偉大な選手がユニフォームを脱ぎます。

鹿島アントラーズ一筋、小笠原満。

代表でも、クラブでもチームに貢献し続けてきた、名選手。

当初は、技術の高い好選手のイメージでした。

イタリアセリエAに挑戦し、帰国してからは、激しさ、ボールを奪い取る能力に磨きがかかっていました。

賢い選手であっただけでなく、感受性も高かったのでしょう。

世界では、これくらい行かなければ、生き残っていけない!

彼の帰国後のプレーからは、そんな強い意思を感じました。









 引退会見で印象深いゴールは?と聞かれた、小笠原。

勝負強い彼。

印象的なゴールも、いくつもあります。

中でも、チャンピオンシップのジュビロ磐田戦で、延長にVゴールとなる直接FKからのゴール。

優勝を決めるゴールでした。


代表でも活躍しました。

親善試合とは言え、ハーフウェー付近から、50M強のロングシュートもありました。

2005年のアジア最終予選、苦しんだアウェイのバーレーン戦で決めたゴール。

素晴らしいコンビネーションから、落ち着いてゴールもありました。










 でも彼が選んだのは、そのいずれもでもありませんでしたね。


「ゴールではないんですが、一番残っているシーン。

ナビスコ杯決勝でのPK戦。

自分がキーパーに止められてしまって優勝を逃した。

「あのキックの感触は今も残っている。弱くて中途半端なキックになってしまった。

そのときのインサイドキックが印象深くて。

1つのキックで試合に勝つこともあれば、負けることもあると知ったし、

インサイドキックを狙ったところに蹴る大切さをすごく感じました」










 そして、直後にジーコ氏からかけられた言葉があったと明かした。

「PK戦っていうのは、運じゃなくて、

120分戦い抜いてボロボロの足の状態でも狙ったところに蹴らないといけない。

そのためにも練習でインサイドキック1つも真剣にやれ!」





PK戦は運だ。

コイントスのようなものだ。

PK戦など止めて、違う方式にすべきだ。

様々なネガティブな意見も聞かれます。

オシムさんは、PK戦を観たくないと言って、席を立ってしまうようですし、、。

でも、PK戦に対して、ここまで強く教えを伝えてくれる師の存在。

ジーコの教えが、小笠原の頭の、体の、心の奥底まで刻み込まれているのでしょう。



 小笠原は、なおも語りました。

「ジーコには

『このチームはつねにタイトルを取り続けなきゃいけない』と言われ続けた。

『24時間サッカーのことを考え、練習を100%でやり、それを試合につなげ、勝利を目指せ』と。

『勝負にこだわり、勝利から逆算してサッカーを考えることの重要性』を植え付けてくれた」












 彼が、得た全てを、次の世代に継承してほしいですね。

こういうリレーが、日本フットボールの歴史になっていくのでしょう。

指導者になり、現場に帰ってきてくれるのでしょうか?


でも、今は「長年お疲れさまでした。ありがとうございます」とお伝えしたいものです。

posted by プロコーチ at 12:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月01日

今年もよろしくお願いします。

 明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。











 初詣をしてきました。

氏神様ではなく、今、住んでいる近くの神社です。

手を清め、口をすすいで、お参り。

神社に行くことは、日本人として大切なことだな。

特に私は、家が神道なので、強く感じます。

と言っても、1年に、初詣を合わせても、数回しか行かないので、信心は弱いのですが、、。

そこで、おみくじを引きました。

とても気になる文言が。

「早くすれば、周りが助けてくれ、願い事が調う。」










 もう、やるしかありません。

目標をハッキリと定める。

より!指導の質を高める。

そして、目の前の選手を、毎回・毎回、良い変化を起こせるようにする。

周りの共に行動する仲間と、熱く行動していく。

とにかく、早く。

そのために、自分の24時間をコントロールする。












 昨年から始めた、新たな試みも続けます。

手帳を使って、毎週、1週間の行動目標を書き出していく。

そして、出来・不出来をチェックしていく。

これを、積み重ねていくことが、自分の行動を高めてくれるはず。

昨年、途切れそうになりながらも、何とか続けれました。

今年も、これを続けることで、サボって、後に回してしまいそうな自分を戒めることが出来るでしょう。











 今年も一年、よろしくお願いします。

目標の一つであった、ブログの更新はいまいちでしたね。

今年こそ!頻度を高めます!!
posted by プロコーチ at 23:59| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月22日

食べることは生きること

 人間は、自分の体の中に取り入れたもので出来ている。

だから、人間として成長していくには、成長を促すものを取り入れたい。

絵画や音楽といった芸術も、周りとの会話も。

目や、耳から入ってくる刺激ですね。

いいものを取り入れれば、いい人間として成長していくのでしょう。








 食事について、学ぶ機会がありました。

栄養フルコース型の食事を!

・主食(お米や麺)

・主菜(おかず)

・副菜(野菜)

・果物

・乳製品

これら全てが揃っているメニューを、栄養フルコース型の食事というそうで。

毎回、こんなに揃えられない!と思ったら、いいヒントを頂きました。

果物と、乳製品をプラスしようとすると、バランスを取りやすいそうですよ。

そして、野菜は色の濃いものを。










 いくつかのエピソードを紹介くださったので、忘れないように覚書をしておきます。

よければ、参考にしてください。

酒井宏樹。

彼は、レイソルのジュニアユースで育ちました。

15歳の時には、毎日、4000キロカロリーの食事を食べていました。

普段の生活+運動で消費する+成長に必要な分

これを足すと、4000キロカロリーは必要だそうです。

大型サイドバックとして海外でも通用するあの体は、子供のころからの食事が後押しをしてくれている。

ちなみに普通の成人男子なら、2500キロカロリーで十分です。












 プロ野球の大谷翔平。

彼は、体を大きく強くするためにタンパク質の摂取を改善したそうです。

目安は、体重×2g。(アスリートの場合)

93キログラムの体でしたら、186gのタンパク質を一日に取らなければならない。

しかも、出来れば、まとめてではなく、こまめに。

彼は、朝ご飯に1045キロカロリー食べていて、タンパク質は43g。

それを改善し、1350キロカロリー、タンパク質を76gまで増やしたそうです。

ご飯だけでなく、間食も活用。

トレーニング後30分以内、寝る前にもタンパク質を。

毎回の食事も、おかずである主菜を2人前を目安にしていたそうです。

これだけ食べると、世界で通用する、あれだけ立派な体になるのです。

193センチ、93キロ。











 一つの目標とする目安を書いておきます。


小学生、140センチ、30キロ。

3150キロカロリー、タンパク質125g摂取。


高1、175センチ、58キロ

3900キロカロリー、タンパク質160g摂取。


高3、178センチ、69キロ

4500キロカロリー、タンパク質210g摂取。

これくらい成長期には、たっぷり摂取して行こうという目安です。

体重×2gをはるかに超えた数字です。



そしてちなみに、ローソンの大きい焼き鳥。

レジ横で売っているあれです。

タンパク質は、1本約15g。

牛乳なら、コップ1杯で、約7g。

卵1個で、約7g。

なかなか、大変ですね。










 トレーニング、栄養摂取、休息。

このサイクルを上手に回し続けることが、やはり重要なようです。
posted by プロコーチ at 02:07| Comment(0) | 覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月07日

競技規則をもう一度

 指導者たるもの、ルールを正確に把握することが求められますね。





 つい先日、思い知らされる出来事が起こりました。

私が長年指導させてもらっているチーム。

大切な公式戦がありました。

昨年昇格したばかりのリーグでしたが、戦績が思わしくありません。

残念ながら降格争いの真っただ中。

どうしても勝ちたい試合でした。








 ところが、ミスからカウンターをくらって、先取点を与えてしまいました。

前半残り10分で0-1。

内容自体は悪くないので、少なくとも、このまま前半を終えたいところでした。

ここで、またもや失点の危機。

ゴール前までボールを運ばれ、シュート。

こぼれ球を詰められて、ゴール。

副審もゴールを認めるアクションを起こしました。

私は、その前のプレーで明らかなオフサイドがあったと認識していました。

副審にも、主審にも、大きな声でそれを伝えました。

2人が少し言葉を交わします。

すぐに、ゴールを認める判定が下りました。














 あり得ない。

なぜならば、私が認識している事象と、審判の2人が認識している事象が同じでした。

それなのに、ノットオフサイドとして、ゴールが認められてしまった。

私が、見間違い、見落としをしてしまっていたのなら、こちらに非があります。

お騒がせして、すみません。

見えているものが同じなのに、下す判定が異なっている。

いくら抗議しても、認められることはありませんでした。

我々のキックオフで試合が再開されました。

そして、試合は、後半の猛攻も実らず、我々敗北に終わりました。














 試合後、競技規則をめくり、確認しました。

そして、旧知の2級審判員の方に電話をして、ルールの確認をお願いしました。

するとやはり、あのプレーはオフサイドである。

試合後、再び、審判の下に話に行きました。

話していくと、レフェリーサイドの、ルールの理解が誤っていたことが判明したのです。

だからと言って、もう、判定は覆りません。

運営本部に訴えることも、しません。

私の話を、勇気を持って聞く耳を持ってくれた審判には、敬意を表したいと思います。














 私自身、オフサイドのこの解釈についての理解が、あやふやな部分があったのです。

理解はしていたのですが、8割ほどの自信しかなかったのです。

もし自分が、10割の自信を持って、講義することが出来ていたら。

あの失点は、無かったかもしれない。

オフサイドに関する競技規則が、毎年のように、少しずつとは言え変更されている。

指導の現場に立つのなら、ルールを正しく理解し、本質をつかんでおくこと。

自分の不勉強のせいで、頑張っている選手の力になれなかった。

本当に悔しい試合になってしまいました。

反省ですね。

競技規則スタンダードを見返さないと。
posted by プロコーチ at 18:15| Comment(0) | 覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月30日

上達するために。

 少し不思議に思っていることがあります。

野球の世界では、物凄く強調されていることがあります。

「道具を大切にすること。」

それは、我々フットボールの世界では、それほど強調されていない。

もちろん種目の違いはあるでしょう。

ボール一つあれば、成り立ってしまうフットボール。

一方、ボールに加えて、バットにグローブ。

他にも多くの道具がないと成り立たないスポーツであることもあるのかもしれない。












 イチローは、道具を大切にしている。

グローブ、スパイク、そしてバット。

三振したり、フォアボールを選んだ後、バットを地面に、そっと置く。

「作ってくれた人の気持ちを考えると、投げたりたたきつけることは出来ない」とのこと。

「プロとして道具を大切に扱うのは、当然のこと」だそうです。

上手くなりたいなら、これが一番とも言っています。








 ゴジラと呼ばれた松井。

彼も、道具を大切にしていた。

ニューヨークヤンキースの監督は、「彼ほど道具に対して敬意をはらっている選手はいない」

とも言っています。

野球教室で上達の秘訣を聞かれたら。

「道具を大切にすること、道具の手入れを自分ですること」と答えています。











 さて、我々はどうでしょうか?

道具を、大切に扱って、自分で丁寧に手入れをしているでしょうか?

そして、それをトッププレーヤーが、子供たちに強く伝えてようとしているでしょうか。

少なからずあるでしょうが、野球界ほどの強いインパクトを与えてはいない。

よく使いこまれたけど、ピカピカに磨かれているスパイク。

そんな子供や選手を見ると、嬉しくなります。

そして、「この選手は信頼できる。」そう思えます。





元日本代表の北澤氏。

彼が、子供たちの前で、次のようなエピソードを紹介したようです。

ロシアワールドカップ。
代表の練習を見にいったのですが、
練習後に必ずスパイクの裏まで洗ってきれいにしていた選手がひとりだけいました。
それはセレッソの山口蛍選手です。
Jリーガーになると、各クラブに用具係がいます。
その用具係に使用後のスパイクを渡す選手が大半です。
それでもスパイクを磨いていたので、彼に『どうして?』と聞いた。
『選手として一番大事なものはスパイクだと思いますし、ボールが接触する場所。そこに思いを込めることがすごく大事だと思います』
と教えてくれました。
いいプレーが出来るように。
ケガをしないように。
そういう思いを込めて、スパイクを手入れしていく。
それでもダメな時もあるけど、気持ちを入れていくことは大事なことだと思う。
そういうことは見習っていったほうがいいと思いますよ。

湘南の梅崎選手も、シューズの手入れの重要性を語っていました。











 30年前になりますが、ホペイロ(用具係)の存在、その意義、導入を訴えていた選手がいました。

ラモスと三浦カズ選手です。

ブラジルは、自分で洗濯や、用具の手入れはしない。

ホペイロと呼ばれる、プロの用具係がいる。

日本も、見習うべきだ。

ホペイロと言う言葉は、当時の私には新鮮でした。

ラモスがスパイクの手入れをしていて手をケガをして、試合に出れなかったことが。

やはり、ホペイロは必要なのではないか。

今も、ブラジルにはホペイロがいます。

育成施設にも、ホペイロがいて、用具管理を受け持っています。

彼らは、プライドを持って、用具の管理をしています。

クラブにとって、自分の仕事は、必要なのだ。

口にはしませんが、そのような強いプライドをいつも感じます。















 ホペイロや親に任せず、スパイクなどのシューズの手入れをする。

物を大切に使うという意識が育ちます。

人間として成長する、一つの要素になると言えます。

フットボール的に考えても、メリットがあります。

家に帰って手入れをする。

何度もしていると、それほど難しい作業ではありません。

すると、他のことを考える余裕が生まれます。

その日のプレーを思い出すでしょう。

あのプレーは良かった、あれはもっと違う方法、などなど。

1人反省会、1人祝勝会を開くことが出来ますよね。












 前回着たユニフォームを洗わずに、汚れたままで、もう一度使う。

汗をかいたままのインナーをもう一度着用する。

中々、見ない光景です。

そんなことはなくても、汚れたままのシューズでプレーしている選手はたくさん見ます。

でも、シャツやパンツは、キレイなのにね。

上達したいなら、自分でシューズの手入れをすること。

道具に感謝し、自分の体に触れるものにもっと関心を持つこと。

こんなことを言う私は、古い人間なのでしょうね。
posted by プロコーチ at 23:31| Comment(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月10日

誰に話しているのか?

 私は、サッカー・フットサルを始めたばかりの人間に指導をする機会が、とても多いです。

それは、子供の場合もあれば、大人の場合も。










 まず、大人の場合で考えます。

フットボールのコーチ同士なら、分かって当然の用語が多数あります。

その言葉を用いることで、コーチ同士のスムーズなコミュニケーションを助けてくれます。

専門用語。

どんどん、新しい用語、流行言葉のような用語も、出てきますね。

勉強を怠ると、すぐに置いていかれてしまう。

専門用語の方が、端的に、言いたいことを伝えれる場合が多いのでしょうか。

用語を理解していれば、その周りの情景も浮かんできますよね。

その後の会話が、とんとんと運びます。

その用語に対する解釈や、支持不支持を知れば、サッカー感も知り得る助けになります。












 選手は、その言葉を知らないこともたくさんあるでしょう。

たとえ、何年もプレーしている選手であっても、知らない用語はたくさんあります。

それが、初心者ならどうでしょうか?

スムーズなコミュニケーションを助けるどころか、足かせになってしまう。

まるで、知らない国の単語を用いて話しかけられた時のように。

その単語を使われた側の脳みそは「???????」

会話の中で、「???」が生まれたら、それ以降の内容は、まるで入ってこないでしょうね。

私も、今年、ロシアに行って、本当に困りました。

英語を使える若者はまだしも、全く英語を使えない現地の方とは、会話が成り立ちません。

それは、しょうがないですよね。

お互い、何を話しているのかを、分からない者同士なのですから。

私の指導での大切なポイントは、選手の言葉のレベルを的確につかむことにあるのです。
















 大人と大人のコミュニケーションですら、こうなのです。

これが、大人対小学生ならどうでしょうか?

大人なら、今までの経験から、何となく類推することが出来る場合もあるかもしれません。

他の場所で、同じような言葉を聞いていたかもしれません。

語彙レベルが、大人に達していない子どもたち。

フットボールの専門用語はもちろん、日本語そのものの知識も浅いでしょう。

指導者なら当然理解している言葉。

大人なら分かるであろう言葉。

そのいずれも、子供たちにとっては、「???????」ですよね。















 もう、7・8年前になりますが、こんなことを目撃しました。

夏休みに、スペイン系のクラブが、サマーキャンプを開催しました。

本国からコーチが来日し、そのクラブのメソッドで、日本の小学生に指導をしてくれます。

もちろん、スペイン人コーチは、日本語を話せません。

日本人の通訳が、コーチの言葉を訳して伝えてくれていました。

私は、低学年のグループを見学していました。

暑さのせいか、子供たちが、コーチの指示通りのプレーに取り組んでいませんでした。

そして、単純なミスを、何度か繰り返してしまいました。

「集中できていないよ!」「集中しよう!」

通訳が大声で、コーチの指示を訳しました。

ところが、子供たちのプレーは、一向に変わりません。

コーチは、さらに大声で情熱的に指示を出します。

通訳も続きます。「集中だ!」

子供たちは、コーチの顔色をうかがって、こじんまりと、そつなくプレーして、そのセッションを終えました。
















 子供たちは、真面目に取り組んでいました。

憧れのクラブのコーチの指導ですから、必死に取り組もうとしていました。

残念なことに、彼らはスペイン語は分かりません。

ごくごく簡単な言葉を除いて。

そして、日本語であっても、大人の言葉は使えません。

彼らは、「集中」という日本語も知らなったのです。

6歳〜8歳の小学生ですから、知らない子どもがいても、おかしくありません。

でも、コーチも通訳も、そこに気が付いていませんでした。

大人の言葉で、いくら指示を繰り返しても、子供の耳には入ってこない。

いくらコーチや通訳が頑張っても、子供の心を動かすことは出来ません。














 では、どのような言葉が必要だったのでしょうか?

「コーチの話、聞こえた?」

「やってみよう!」

「失敗してもいいよ。」

(出来ている選手に)「そう!そのプレーだ!」

「集まろう、もう一度話すよ。」

「一度、水を飲もう。」

他にも、いい案は、もっとあると思います。

条件は、目の前の子供たちが、分かる言葉であること。















 コーチの大きな武器である、言葉。

いつ、何を、どのように用いるのか?

簡潔であること。

明確であること。

それだけでなく、対象である選手の言語レベルに合っていること。

ここを外してしまうと、その武器は、武器にもならない。

我々の、永遠の課題の一つですね。

「誰に話していますか?」
posted by プロコーチ at 02:33| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月27日

何を見るのか?

 学校の先生や、塾の講師。

そして、我々フットボールのコーチ。

共通しているのは、準備をして日々の指導に向かっていること。

年間のスケジュールから、中期の目標に落とし込む。

それをさらに、当日のトレーニングに落とし込む。

その日の獲得させるべきキーファクターを定め、メニューを選択する。

選手の能力、年齢などで、設定するサイズなどを調整していく。

もし、複数のコーチでトレーニングに臨むならば、ミーティングをして共有していく。

90分、120分のトレーニングでも、それ以上の準備をしているコーチや先生も多いでしょう。











 それは、指導案に現れます。

トレーニング内容を紙に書いて、準備をしています。

メニュー、進め方、キーファクター。

設定のサイズなどの詳細も書かれているでしょう。

紙そのものというよりも、書くという作業が大事だと思っています。

いわゆる、推敲です。

書く作業を進めながら、何度もシミュレーションする。

選手の姿を思い浮かべながら。













 トレーニングが始まると、どうしましょうか。

選手が、どのように反応するかは、やってみないと分かりません。

いくら付き合いの長い選手といっても。

用意した設定のサイズがちょうどいいか、大きいか、小さいか?

トレーニングのレベルは?

微調整が必要なこともよくあります。

そんな時は、こっそりとマーカーやコーンの位置を動かして、調整します。

一度止めて、説明をし直すべき?それともトレーニングをバッサリやめるべき?

それは、指導案をいくら見ても、答えは書いてません。

目の前の選手が、どう感じているか?どう反応しているか?











 準備を頑張れば、頑張るほど、予定通りに進めたくなってしまいます。

それは、本当に選手のためになっているのでしょうか?

選手がいい方向に変化することこそが、トレーニングの目的のはずです。

大切なのは、用意した紙ではなく、選手の向上。

準備した指導案を破り捨てる勇気が、我々には問われています。


posted by プロコーチ at 01:49| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月20日

ブラジルの教え...3(指導の秘訣)

平凡な教師は、ただ話す。

よい教師は、説明する。

優秀な教師は、自らやってみせる。

しかし偉大な教師は、子どもの心に火をつける。


ウィリアム・アーサー・ウォード(教育学者)





 教育の界隈では、有名な名言です。

コーチたるものも、常にこうありたいものです。

理想は良く、優秀で、偉大なコーチでしょうか。

デモを見せ、説明する。

声をかけ、ほめることも必要でしょう。

そして、選手の心に火をつけることが出来れば!

間違いなく、選手は成長するはずです。

しかも、劇的な変化を見せることすらあるでしょうね。













 クルゼイロのコーチ陣。

彼らの指導を、間近で見て感じます。

プレーする選手が、イキイキとしている。

でも、トレーニングの内容を見ていると、地味なものも多々あります。

基礎技術の重要性を伝えたい思い。

これが、彼らにはあるからです。

例えば、二人で向かい合ってボールを止める、蹴る、運ぶ。

日本でも昔から見られるトレーニングです。

最近の流行ではありませんよね。

でも、彼らは、実施します。

つまらない!と思われても仕方ないトレーニングです。












 もちろん、それだけでは終わりません。

内容は、次々変わり、テンポがいいです。

そこから、どんどん発展し、試合に近づいていく。

何よりも、競争を求めていく。

自分がうまく行けばOKだけではない。

試合で活躍するために、選手として勝ち残っていくためには?

競争が大事だと、彼らは考えています。

だから、日々のトレーニングの中でも、競争を求めます。

勝ち負けをハッキリ決めるのも、その一つです。

DFをつけてプレーをするのも、そうですよね。

とにかく、競争を促す。

でも、苦しく厳しい競争でなく、笑顔も出るような雰囲気での競争です。












 この空気を、言葉にお伝えするのは、少し難しいです。

子供たちは、イキイキと、はつらつとプレーします。

そうすると、たった2時間で変化を見せる選手が、たくさん出てきます。

今まで出来なかったこと、やろうとしなかったことにも、積極的に取り組みだす。














 普段、押さえつけられている選手。

自然と空気を読んでいる選手。

子供と言えども、現代の日本の子供たちは、なかなか大変みたいです。

心を開放し、心に火をつけてあげたい。

posted by プロコーチ at 23:55| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月13日

体育の日でした。

「最近の子供は...。」

「ちょっと転んだだけで、骨を折ったり、大けがに。」

よく耳にしますよね。

実際のところは、どうなのでしょうか?

ここ20年、子供の体力テストの平均点は上がり続けているのです。

走るのも、柔軟性も、反復横跳びも。

一方、ボール投げと、握力は苦手のようです。

野球離れの影響が、はっきりと出ていますが、体力全体は向上傾向にあるのです。

つまり、最近の子供は!と言うのは、体力テストの点数を見ると、妄想と言わざるを得ません。












 では、なぜ、「最近の子供は、、。」と嘆く大人が多いのでしょうか。

一つ考えられるのは、実際に事故が起きていること。

ただし、これは件数では測れないと思われます。

なぜならば、昔の親の方が寛容で、多少のケガは当たり前。

男の子なら、ひざや、ひじにカサブタの一つや二つは、常に。

いちいち、親も気にしないし、子供も報告していなかったケースも多いでしょう。

私や、私の周りは実際にそうでしたよ。

今は、子供の人数が減って、1人の子供に手をかけて育てているせいか、親のチェックが厳しい。

先生も、細かく報告することを求められています。

では、重症度はどうなのでしょう。

これは、データを持っていないので、不明です。

コケて手をつけない子供、転んだだけで骨を折ってしまった子供が増えているのでしょうか。

数十年前と比べて、骨折、ヒビ、脱臼といったケガは増えている印象はあります。

でも、あくまで印象です。











 間違いなく言えること。

それは、外で、友達と遊ぶ時間は、減っています。

私は小学校のすぐそばに住んでいます。

放課後に校庭で遊んでいる子供は、学童クラブの子供を時折見る程度。

ガランとして、シーンとした校庭は、私にとっては異様です。

公園、道路。

場所を変えて考えるどうでしょう。

これも、危ない、迷惑、近所の住民(老人が多いですね)のクレームのため、使えていない。

そして、習い事。

都市に行けば行くほど、習い事に行ってますよね。

しかも、複数。

たくさんの子供同士が一緒に遊ぶためには、スケジュール調整が難しいのです。

時間も、空間も、友達もいない。

ガランとした校庭や公園。

たまに見かけても、少人数の子供が、公園の片隅で、座り込んでゲーム機で遊んでいる。

「最近の子供は!」言いたくなるのではないでしょうか。












 習い事で身に付けた、技能。

フットボールなら、スクールで身に付けた技術や能力。

専門的な技能は高い。

でも、子供に身に付けて欲しい体力は、そこではないのです。

小学生のうちは、様々な動きをして、よりたくさんの神経を刺激して欲しい。

そうして、全ての運動のベースとなる力を身に付けて欲しい。

でもそれは、習い事の指導では、なかなか身に付かない。

出来れば、昔の遊びを通じて、体力を身に付ける方向に進んで欲しいです。

高いところから飛び降りる、木に登る、ドロケイ、ケンケンパ、馬飛び、缶蹴り、様々な鬼ごっこ。

お気に入りは在ったとしても、日替わりでこれらの遊びをしていく。

かなり複雑な動きを身に付けることが出来る。

その子供たちが、大きくになるにつれて専門的な技能を習得する、筋力をつけ力強さを身に付ける。

様々なスポーツで、いい選手に育ちそうです。















 ちなみに、小学校入学前の外遊びの回数と、10歳時の新体力テストの点数には明確に相関関係があるそうです。

1回60分以上を目安として、週に何回外遊びをしているかどうか。

その子供が10歳になった時の、新体力テストの点数との関係はどうなのか?

それによると、遊ぶ回数が多ければ多いほど、新体力テストの点数が高いということが分かっているのです。

この事実を、昨年スポーツ庁が発表していました。

幼児期の6歳までに、神経系の8割が発達している。

だからこそ、幼児期の外遊びが大切なのだと。














 そして、高齢者の体力が過去最高だそうです。

65歳、70歳と言っても、お若いですよね。

今の、その世代は昔の貯金が大きい。

子供の頃は、様々な外遊びを繰り返している。

これに加え、今、運動をする余裕がある。

仕事がひと段落して、時間が生まれました。

運動をする時間もあり、友人もいる。

スポーツの力を高める条件を、最も有しているのが、今の65歳以上の世代なのです。













 このことが、全て物語っていますよね。

体力の低下を防ぎ、スポーツを楽しむためには何が必要なのか。

・定期的に運動をする

・運動する場所を手に入れる

・仲間と共に運動する

いかにして、この3つの環境を整えるのかが大切と言えますね。

posted by プロコーチ at 01:44| Comment(0) | フィジカル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする