2017年01月19日

手段と目的

 トゥキック。

ちょっと蹴るだけなら、もっとも簡単なキック。

ただし、多用していると、ボール蹴れない?と思われてしまいかねない。

トゥは、速いボール、遠くに飛ばすことが出来ます。

ただし、とにかく不安定です。

なぜか?

キックの際にインパクトする面が小さい。

そして、普段の使用頻度が少ないからだと、想像されます。









 ブラジルの選手は、代表レベルでも、しばしばトゥでのシュートを見せてくれますね。

2002年日韓ワールドカップでのロナウド。

最近では、パウリーニョにオスカル。

予備動作が少ないので、突然強いボールを飛ばすことができる。

つまり、相手GK,DFのタイミングをずらせますよね。

ブラジルのプロ選手の多くは、育成年代でフットサルのプレー経験がある。

その時に身につけたプレーが、自然に出てくるのでしょうね。








 私が、フットサルC級を6年前に受講した時のことです。

インストラクターのコーチが教えてくれました。

「トゥも蹴り分けろ。」

グラウンダーのキック、浮かせて高さを出すキック。

足のスイング、ボールにインパクトする位置を変える。

そうすれば、高さも蹴り分けることができるということでした。

少し考えれば、当然ですよね。









 さらに、続きました。

「「トゥ」を蹴りこんでますか?」

左足が蹴れない、高低を蹴り分けれない。

それは、ただ単にトレーニング不足ではないか?

他の技術と同じく、蹴って蹴って、蹴りこんでいるのかどうか。

たくさんボールを触っていれば、ボールタッチが向上する。

それならば、キックも蹴りこんだなら、上達するはず。

右足のインステップ、インサイド。

なぜ蹴れるのか?

それは、日々蹴りこんだからに違いないはずです。









 試合で目的を達成するためには、選択肢が多いほうがいいはずです。

インサイドだから素晴らしい。

インステップだから、ゴールの可能性がある。

誰が決めたのでしょうか?

パスを通すために、シュートを決めるために、可能性が高い方法を選択する。

試合で目的を達成するためには、選択肢が多いほうがいいはずです。

選択肢を言い換えるならば、武器と言い換えられます。

どれだけ素晴らしい武器であっても、警戒されてしまえば、通用しないかもしれない。

相手が予測していない武器を、突然使う。

こういった駆け引きが、求められているのが、我々のフットボールという競技。
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2017年01月18日

個を高めるために

 FW,CB、右SB。

今日、色々なポジションをしました。

顔見知りはいるものの、ほぼ知らない者同士でのサッカー。

名前も分からず、もちろんプレースタイルや、価値観も分からない。






 うーん、難しい。

特に、後ろのポジションは準備が難しい。

声かけはしても、反応がイマイチ。

いい準備をして組織を作りたくても、組織にならない。

結局、1対1、2対2などの最小限のグループでの戦いの積み重ねになる。

個の勝負での勝ち負けが、試合での勝ち負けに大きくつながる。








 ふと考えてみる。

楽しくはないが、個の能力を高めるには、逆にいい環境かもしれない。

誰も助けてくれないのなら、自分が何とかしなくては!

海外での戦いは、このような状況が多いようですね。

特に1部リーグ以外などは、このような感じ。






 結局のところ、自分が何ができるのか。

それだけですね。

ドリブルや、ファーストタッチで目の前を一人外せば、大きなスペースが広がる。

対峙した選手からボールを奪うか、抜かれるかが勝負。

しんどいですが、修行の場ですね。
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2017年01月16日

振りを速くするためのポイント

「止まるところがないと、加速しない。」

日本球界最速、大谷翔平投手の球速UPのポイントの一つ。





 右足で立ち、左足を前に踏み出していく。

その、踏み込んだ左足を地面で固定させる。

足を踏み出すと、体が前に進もうとする。

軸足を動かさないことで、体の動きにブレーキをかける。

そうすることで腕が加速し、球速が上がる。








「止まる所がないと、加速しない。」

大谷投手は、コメントしています。

彼の投球フォームをじっくり観察してみました。

大きく踏み出した左足。

グッと、地面に刺さって動きません。








 さらに観察。

左膝は、深く曲がっています。

その角度は、110〜120°くらいでしょうか。

ただ、地面に踏み込んだその角度から、それ以上曲がることはありません。

バチッと、強く踏み込んでいる。

太ももと、お尻で体全体を受け止めるイメージなのでしょうか。

投球動作が進むにつれ、膝が伸びていきます。

そして、手からボールが離れ、腕が最も速く振られています。

左足のブレーキを使って、ここが加速されていく。

すると、左足が、軽く跳ね上がり、すぐ横に再着地。









 キックの動作でも、この左足の使い方は参考になります。

ブレーキの使い方。

膝の使い方。

右足のスイングスピードを加速させるのを助けてくれるでしょう。

以前、元プロの選手に、キックの際のイメージを聞きました。

その彼は、「軸足の5本の指で地面をギュッとつかむ。」

なるほど、やはり、

「止まるところがないと、加速しない。」
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2017年01月12日

高校選手権に出場するレベルになるための、一つの道が見える。

 11年前の夏、ドイツワールドカップがありましたね。

期待されていた日本代表が、惨敗してしまいました。

ユースの頃から世界で戦っていた黄金世代が、ちょうど活躍できそうな年齢。

そして、前回の日韓での躍進。

ジーコ監督率いる日本代表に、多くの期待が寄せられていたのが、懐かしい思い出です。



その時の敗因の一つに、空中戦、特にヘディングの弱さがクローズアップされました。

http://futebol.seesaa.net/article/19626485.html

列強と比べて、ボールを足元で扱っているうちは、勝負になっている。

ところが、空中にボールがあると、とたんに力の無さが浮き彫りになってしまう。

競り負ける。

競り勝ったとしても、ヘディングの距離が出ず、中途半端なクリアになる。









 今回の高校選手権。

全く同じ感想です。

足元の技術は、10年でびっくりするくらいに上達している。

10年前、20年前なら、一部の選手やチームでしか出来なかったようなボール扱いが、当たり前になっている。

当時、テクニシャンと呼ばれていた選手は、埋もれて、霞んでしまうかも?!









 ところが、ヘディングに関して言えば、改善点だらけ。

当てるだけのヘディング。

体を寄せているだけで、駆け引きのない空中戦。

もっと工夫ができるはず。

落下点をとらえておいて、わざと入らない。

地面や空中で、どのタイミングで体をぶつけるのか?

ファールにならない、腕、体の使い方。

そもそもの、空中での姿勢。

最後の最後で首を伸ばして、当てる位置を変えて、軌道をずらす。










 うーん、それも、これも、日々積み重ねていないと、出来ないですよね。

バルセロナが絶賛され、地面での試合ばかりになったせいなのか?

ヘディングを競り合う能力に関して言えば、この10年での進歩を感じることができなかった。

少なくともここ数年は、その傾向は続くでしょう。









 逆に言えば、試合に出たいなら、ヘディングマスターになり、空の王者になればいいのです。

今の小中,高校生はチャンスですね。

空間認知能力を高め、素早く落下点を把握する。

相手との駆け引きを覚え、空中戦を制する。

ヘディングの飛距離を伸ばし、ボールを遠くまで弾き飛ばす。

さらに、得点を奪うヘディングも身に着ければ、完璧ですね。

高校選手権、さらには高いレベルで活躍できる、大きな武器になり得ます。

日々のボールタッチのトレーニング時間を少し減らす。

その時間をヘディングに回してみてはどうでしょうか?







posted by プロコーチ at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月11日

再現性

 高梨沙羅。

小さな体で、ワールドカップ49勝(2017年1月現在)は歴代1位。

ソチオリンピックで金メダルこそ逃したものの、正真正銘のトップアスリートです。







 彼女のトレーニングの様子が、何度も紹介されています。

いわゆる、体幹トレーニングを取り入れています。

ただ、体を締めて固定させるのが目的ではないようです。

体の中心は、ギュッと固めている。

そこから、四肢を動かしている。

腕立て伏せの体勢から、体をひねって、片手で支える。

ハーフカットのストレッチポールを足元にかまして、スクワット。








 何でも、彼女は、体幹の捉え方が違うとのこと。

固定や、筋力のためでなく、軸を安定させるため。

体の軸、特に背骨を安定させて、動作を行う。

この説明の後、一つのトレーニングを紹介していました。

ストレッチポール(ハーフカット)の上で、四つん這いの反対の姿勢をとる。

手も、足も、全て宙に浮いている状態。

支えているのは、背骨だけ。

まさに、背骨が安定していないと、倒れてしまう。

簡単そうに見えて、難しい。

私もトライしてみましたが、すぐにバランスを崩して、落ちそうになります。









 そして、最大の特徴は、再現性が高いこと。

ある動作を習得すると、繰り返し、その動作を発揮できる。

何度でも、どのような状況でも。

世界のアスリートと比べても、際立っているそうです。

自然を相手にする競技において、変わらずに力を発揮するのは、ここに秘訣があるのでしょう。










 我々のフットボールも、背骨を軸に、四肢を自由に動かせること。

そして、再現性高くプレーする。

すると、当たりに強く、ピッチコンディションに左右されない。

戦える、技術の高い選手になれそうですよね。

彼女のトレーニングからは、学ぶことが多そうです。

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2017年01月09日

将来有望な、素晴らしいコーチ

子供たちのスポンジのような吸収力に驚きを感じた。

昨シーズンのMVP獲得した、中村憲剛。

小学生を対象にしたサッカークリニックを開催した感想。

「子供たちの飲み込みの早さと吸収力にはホントに驚きでした。」

「言われたことだけをただやるだけでなく、言われたことを自分で考えて理解したうえで、

 積極的にプレーすること、言われなくてもチームが勝つために自分で判断・選択してプレーする」

「止める、蹴るはないがしろにしてはいけない部分です。」






 彼は、将来、素晴らしい育成の指導者になりそうです。

なぜなら、指導のとても大切な部分に気づいているからです。

「それと同時に、子供たちが素直な分、教えすぎることの危うさも感じました。」

「自分が伝えたい内容をどこまで話すべきか、

 これ以上話したら情報が多すぎるのではないか

 さじ加減を考えることは、普段小学生を教える機会の少ない現役の自分にとって

 とても勉強になりましたし、考えさせられることでした。」








 ティーチングと、コーチングとのバランスは、我々指導者にとっての、永遠の課題。

少なくとも、私にとっては。

伝える部分と、感じつかみ取らせる部分とのバランス。

教え込む内容と、気づかせる内容とのバランス。

「考えろ!」だけでは、考える材料さえ持たない選手にとっては、意味をなさない。

1から10まで伝えてしまうと、受け身な優等生ばかりを増産してしまう。










 世界を知り、トップレベルで戦った素晴らしい経験、技術。

中学、高校の時には、サイズの問題で、苦労したそうです。

この経験も、フットボールプレーヤーとしての彼を形成する上で、大きく影響したでしょう。

そして、コーチングとティーチングとのバランスに気づき、工夫する感性。

何年先になるか分かりませんが、必ず、育成の現場に立ってほしいものです。

現役としての輝きがかすむほどの、偉大な指導者になるはずです。


posted by プロコーチ at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

風が吹けば桶屋が儲かる

 風が吹けば桶屋が儲かる。

南米で蝶がはばたけば、アメリカで竜巻が起こる。

そんなコーチングが出来るように、日々考える。

どれだけ、数手先を読みながら、コーチング出来るか?!




 風が吹けば、ほこりが舞って、目の病気が増える。

目の病気が増え、失明する人が増えれば、三味線で生計を立てようとする人が増える。

三味線を作るための材料である猫をつかまえると、天敵が減ったねずみが増える。

ネズミが増えると、桶をかじって、台無しにする。

そしてようやく、桶屋が儲かる。




 現象を見て、原因を追究する。

原因を改善するためには、どのようなコーチングが必要なのか?

数歩先を読みたい。

その仕掛けをするのが、大切な仕事です。


posted by プロコーチ at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ちょっと一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月06日

出し手と受け手に加えたい

 この年末、正月で、育成年代の試合、トレーニングを観ました。

U14ナショナルトレセン女子、全国少年サッカー大会、高校選手権、高校選手権女子。

昔に比べると、本当にレベルが上がりましたね。

適当にボールを蹴飛ばして、運を天に任せるプレーが減少しています。

観戦していて、純粋に楽しめる試合が増えました。







 その中で、気になる点がいくつかあります。

・ボールを蹴る力が落ちている。

グラウンダーのパススピードも弱い。

ミドルシュートの本数が少なく、精度も低い。

ボールを蹴る音そのものが、悪い。

・ヘディング

ボールの落下点に入れていないわけではない。

トレーニングはしていると思います。

ボールをバシッとたたけない。

競り合いながらヘディングは、もっと落ちてしまう。








 一番気になったのは、オフザボールの関わりです。

ボールホルダーがボールを持って、引き付けてパス。

もしくは、出し手と受け手との関係で、パス。

そして、それを繰り返すのみ。

パスはつながっているように見えます。

ただし、守備組織を固められると、途端にパスがつながらず、崩せない。

無理にボールを運んで、守備ブロックに引っかかる。








 3人目、4人目の関わりが弱い。

傍観者になっているのではないか?

ボールの動きに合わせて動いているように見えているけど、ただ動いているだけ。

ボールを、このようにボールホルダーが持っている。

あそこに(自分ではない違う場所に)ボールが出そうだ。

だから、次の場所に向けて、移動しよう。

この頭を持ちながら、プレーを連続させたい。






 ボールを受ける選手も足りていない。

次に、ここにプレーするために、ボールを受けているかどうか?

A → ? →C

AとCとをつなぐために、自分がボールを受けに行く。

だから、Bに入る。

何のためにボールを受けるのか?

これも、3人目の動きとして大切なポイント。








 ボールを扱う技術は、高い。

だからこそ、この頭の中身を磨いていきたい。




posted by プロコーチ at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月05日

バッタの運動会

「おい、バッタの運動会を知っているか?」

私が20年前以上に、塾の講師をしていた時に、先輩から問いかけられました。

知らなかった私は、教えてもらいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・
バッタに、コップを被せてしまう。

バッタは、ピョンピョン飛ぶが、コップにぶつかってしまう。

被せられたコップにぶつからないように、ジャンプをするようになる。

しばらくして、コップを外して、バッタを自由にしてあげる。

それでもバッタは、コップにぶつからない高さでしかジャンプしないようになってしまう。

コップが無くなったにもかかわらず。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 この訓話から、いくつかのことを学ぶことが出来ます。

・自分で自分の限界を決めてしまうと、それ以上にはなれない。

・諦めてしまうと、それ以上を求めて、行動をしないようになる。

・抑圧してしまうと管理しやすいが、成長を止めてしまう。
(本当は、もっと成長していたのかもしれないのに。)






 聖和学園の試合を見ていて、バッタの運動会が思い出しました。

プラスの面。

ボールを蹴飛ばすことばかりを求められた選手は、ボールを持てなくなるのだろう。

だから、ボールを止める、運ぶ勇気を持たせることは、指導者に求められている。

ボールを扱うことができる選手は、年を重ねて、走れなくなってもフットボールを楽しめるのでしょう。



マイナスの面。

ボールを運ぶ、ドリブルとショートパスばかりを求めていくと失うものがある。

ボールをバシッと蹴れる選手がいない。

ヘディングをたたけない。

もっとも気になったのは、フリーランニングしなくなること。

スルーパスが欲しくて裏に走ってもボールが出てこない。

クロスを信じて飛び込んでもクロスが上がらない。

すると、選手はフリーランニングをしなくなる。

ボールを足元で受けるためのフリーランニングばかりで、ゴールに向かうスプリントが無い。






 我々は、選手に、コップをかぶせてしまってはならない。

もし選手が、見えないコップをかぶってしまっていたら?

そこから解放してあげるのも、指導者の仕事。
posted by プロコーチ at 17:53| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月03日

高校選手権観戦記(1月3日)

 高校選手権は熱いですね。

根強い人気の、この選手権。

Jリーグレベルの注目度、集客力を持っています。

報道の量は、日常のJリーグを超えているように感じます。

創造学園対正智深谷

聖和学園対青森山田

この2試合を観戦してきました。

まだ3回戦だというのに、1万人近くいたのではないでしょうか。

そして、サッカー少年から、何十年も見続けているであろうご老人まで。

選手権は、日本における文化になっている。











 聖和学園対青森山田。

昨年話題になった、聖和学園。

ドリブルを中心に試合を組み立てる。

チームに、ドリブル好きが集まってきている。

中学年代の出身クラブを見ると、その傾向はハッキリ分かります。

ドリブルにこだわっていることで有名なクラブチームが、ずらりと並んでいます。

一緒に観戦した高体連の先生は、聖和学園の監督さんとは先輩後輩とのことでした。

それによると、呼んでもいないのに、向こうからドリブル好きが集まってきているらしいです。










 その人気は、スタンドでも感じられます。

ドリブル好きなファンが、ピッチを見つめます。

ボールを持って一人、二人かわすと、歓声が上がります。

奪われそうになっても、ボールを奪われないと、「うまいな〜」声が聞こえてきます。

ドリブル好きなファンは、ある一定数いるようですね。









 試合前、意外な光景を目にしました。

青森山田のイレブンが、なんともリラックスしていました。

観客席(私はそのすぐ上に座っていました。)に向かって挨拶。

同級生やチームメイトを見つけて、笑顔でコミュニケーションを取っているのです。

試合前だというのに、リラックス。

1万人近い観客だろうが、立派なスタジアムだろうが。

これくらいの環境は、慣れているのでしょうね。

一方の聖和学園からは、緊張感が伝わってきました。

やるぞ!という、よい緊張感でした。

先ほどの先生が言うには、聖和学園のトップチームは、青森山田の2軍に敗れてしまう。

先制点が何としても欲しい戦いです。












 聖和学園の戦い方は、お互いの距離を狭める。

ドリブルで狭いところに入っていく。

周りの選手は、狭い中でも顔を出し、局面をコンビネーションで抜けていく準備をする。

ボールを取られた瞬間に切り替えて、「ボール狩り」をする。

狭い局面にこだわって、試合を進める。

聖和学園がボールを持つと、どんどん、選手間の距離が狭まっていく。

ほんの20M四方の中に、選手全員が入っていくのです。



 ただ、そのサッカーでは、青森山田には通用しない。

昨年の選手権でも同じ対戦がありましたが、5対0で青森山田が完勝。

聖和学戦も、かなり青森山田対策をしてきたようです。

サイドの低い位置でのスローインは、相手の前からのプレッシャーを受ける。

ライン際の前方にターゲットを置いて、ロングスロー。

距離を稼いで、プレッシャーを回避する。

また、青森山田の両サイドバックが高い位置を取る。

ピッチをワイドに使いながら、崩しにくる。

それには、サイドの中盤の選手を下げさせて、スペースを埋めてしまう。

マイボールの時も、カウンター対策で、後ろに3枚の選手を残そうする。

これらの対策と、自分たちの戦い方が、前半30分までは上手くはまっていました。

対策しながらも、自らのスタイルを出そうとする。

昨年度よりも、明らかに進化している姿を見せてくれました。








 青森山田も、もちろん対策を立てていました。

ボールを持ったら、逆サイドに展開する。

狭い局面に集まっている相手を分散させ、外に走らせる。

狭い局面のままでプレーを続けると、相手のボール狩りに遭ってしまう。

相手の意図を外すために、ボールになったら、サイドを拡げる意識を持っていました。




守備においては、必ずボールホルダーの正面に立つ。

「正面に立て!」

何度も、ピッチの中の選手が、声を掛け合っていました。

突破されないように、まず正面に立つ。

正面に立つと、相手は横方向に進路を変えて、ドリブルを続ける。

そこを、一つ前の選手が戻ってきて、挟み込んでボールを奪う。

何度も、何度も、同じ形でボールを奪い続けていきました。




 そして、守備から攻撃の切り替わり。

あえて、前からプレッシャーをかけない。

DFラインには、プレッシャーをかけないのです。

ミドルサードまで、後退する。

わざと、ボールを持たして、相手をおびき寄せる。

すると、聖和学園の選手はボールにどんどん、集まってくる。

ボールを奪った時には、その周りに広大なスペース。

つまり、ボール好きな聖和学園がボールを持てば持つほど、青森山田のチャンスが大きくなる。

このプランを成功させるためには、狭い局面を突破されないことが絶対条件になります。

個々がグループが、守備において後手を踏まないこと。

その自信があるからこそ、この戦い方を選んだのでしょうね。










 試合は、完全に、青森山田のペースでした。

注目選手の一人である、青森山田のGK、廣末。

全くユニフォームが汚れていない。

聖和学園はボールは持つものの、全くゴールを脅かすことができない。

ただ、ボールを持って、狭い中に突っ込んでいくだけ。

相手のレベルが低ければ、突破できるのでしょうが、この日は通用しない。

サイドチェンジも無ければ、クロスも上げない。

裏への飛び出しも、カウンターもない。

かなり、相手が守りやすい状況を、自ら作ってしまっている。

それも含めて、聖和学園なのでしょうか。

一人ひとりのボールを運ぶ力、奪われない運び方、体の使い方。

素晴らしいものだと感じます。

ここまでボールを扱えるようになるには、かなりの時間、ボールを触っているからでしょう。

幼少期のころから、そして、高校になっても、ボールを触り続けている。

その努力の成果は、感じ取れます。












 試合は、5対0で青森山田が聖和学園を倒しました。

後半途中から、青森山田が安全運転に入りました。

次戦以降を見据えて、ケガや、ファールトラブルを避ける。

明らかに試合のペースを落としました。

聖和学園も、キックオフ当初の勢いが失われていきました。

オウンゴールで失点した後は、完全に心が折れてしまったように、スタンドから見えました。










 お正月から、こうやって試合観戦ができる。

安全なので、子供から大人、老人まで、本当に老若男女が観戦に来ている。

この伝統は、世界に誇れるものだと思います。

これだけの注目度があるから、その年代の選手たちも競争が激しくなる。

その競争が、選手を育ててくれる。

何年たっても、この正月の選手権を見ることが出来ますように。
posted by プロコーチ at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする