2018年07月14日

体格を比べてみると

 日本がベスト16の壁を超えるためには、何が必要なのでしょうか?

よく言われているのは、ハイレベルでの経験が足りない。

それは間違いない。

ベスト4、決勝に残っているチーム。

チャンピオンズリーグで活躍するようなクラブに在籍している選手が、多数います。

フランスなら、トッテナム、パリSG,マンチェスターシティ、

バルセロナ、レアルマドリー、アトレチコマドリー、チェルシー、ユベントス、、、。

クロアチアなら、バルセロナ、レアルマドリー、アトレチコマドリー、

インテル、ユベントス、リバプール、モナコ、。



日本代表も、海外組が増えています。

今回のレギュラー格なら、昌子以外は、全員が海外のクラブに所属。

ですが、チャンピオンズリーグと言うと、まだまだ少数派。

もう一つ、上位に位置するクラブにステップアップしていく。

そして、そこで活躍を続けることが、一つ重要かと思われます。












 まだまだ経験が足りない。

他には、何が足りないのか?

全部?

そう言ってしまうと、身も蓋もないので、少し仮説を立てて考えてみました。

日本の選手は、体重が軽いのではないか?

日本代表の選手を観ていると、あることに気が付きます。

選手一人一人が、スリムでシュッとしていることです。

身長が同じくらいでも、分厚さに違いを感じます。












 そこで、ベスト8に進出したチーム全ての身長と体重を計算。

そこから、BMIの値を算出してみました。

一応説明すると、肥満度を測る、体格の指数です。

体重(キログラム)を身長(メートル)×身長(メートル)で割る。

身長170センチ、体重60キロだとすると、

60÷(1.7×1.7)=20.7になります。

世界保健機構、WHOは、下記の様に分類します。

痩せぎみ 17.00以上、18.49以下
普通体重 18.50以上、24.99以下
前肥満 25.00以上、29.99以下


日本代表の体格と、ベスト8に進出したチームの体格とを比べてみました。

身長は、日本が最下位。(178.8センチ)

体重も、日本が最下位。(71.8キロ)

BMIの値も日本が最下位タイ。(BMI=22.4)





 ちなみに身長が高いのは、予想通りスウェーデン、ベルギー、そしてクロアチア。

体重が重いのは、フランス、クロアチア、ベルギー。

そして、BMIの値が大きかったのは、フランス(24.9で1番)、ブラジル。

日本とフランスの体重の差は、8キロ。

ボクシングの階級なら、ライトヘビーとミドル級と、2階級の違いがありました。

柔道なら、軽中量級と軽量級と、1階級の差です。

つまり、コンタクトして戦う部分で、最初からマイナスのハンデを背負って試合をしているのです。

ベスト8で一番軽いイングランドと日本を比べても、3キロ以上の体重差がありました。













 ハリルホジッチ前監督は、体脂肪について、繰り返し警鐘を鳴らしていたそうですね。

世界で戦う選手で、体脂肪が10%を超えることはあり得ない。

代表を招集するたびに、体脂肪をチェック。

それでも平気で10%を超えてくる選手が複数いたそうです。

国内組の方が、その割合が多かったとも、記事に出ていました。

体重を増やすだけなら、デブになればいい。

BMIの値は、簡単に大きくなりますよ。

つまり、体重を増やすだけでなく、脂肪を除いた体重を増やしたい。











 筋肉を増やして、走れて戦える体になること。

ぶつかり合いで、最低限の強さを持つこと。

ベスト16の壁を超えるための一つのカギになるのではないでしょうか。

170センチなら70〜72キロにしたい。(現状65キロ)…日本人の平均身長くらい。

178センチなら76〜78キロに。(現状72キロ)…日本代表の平均身長。

182センチあったら80〜82キロ。(現状は75キロ)

体脂肪10%以下をキープしながら、体重を増やせるかどうかですね。



posted by プロコーチ at 02:45| Comment(0) | フィジカル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月11日

なんとなくミシャが

 ロシアワールドカップも、準決勝に入ります。

この幸せなお祭りも、残り4試合。

もっともっと、観ていたいです。

これだけ連日、フットボールの試合を放映している。

そして、テレビや新聞でたっぷりと取り上げている。

ハイライト番組に、ニュースでの特集など、子供や一般な人の目に触れる。

大きなことです。

ここまでとは言わなくても、日常のリーグ戦も、もっと目に触れるようになれば。

日本のフットボールに対する価値や意識も変わるでしょうね。











 残った4チームで最も力があるのは、フランスだと考えています。

ヨリス、バラン、カンテ、グリーズマンにジルー。

センターラインが、バシッと決まっている。

これが大きいです。

その軸があるから、ポグバ、エムバペが活きてくる。

センターラインが崩れたチームは、敗退しています。

いくら世界トップトップのタレントを擁していてもです。

アルゼンチン、ブラジル、ポルトガル。

メッシ、ネイマール、ロナウドに頼って試合を進めるだけでは勝てない。

フランスは、センターラインが背骨のように、堅い。

エムバペが、今大会、大ブレイクしたのは、チーム状況の良さに助けられています。

すごい力も、チームがあってこそ。

個人の組織のバランスを高い位置で保っているのが、フランス。

優勝に一番近いチームなのでしょうね。












 でも、私が気になるのは、イングランドです。

これが、攻撃時の基本的な配置です。

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モスクワのスタジアムで、イングランドの試合を観ました。

興味深い戦術を採用していました。

日本の皆さんには、こう言えば伝わると思います。

「ミシャ、ペトロビッチ監督の戦い方に似ているよ。」

広島、浦和、そして札幌と結果を出し続けている、ミシャ。

オシムさんの元アシスタントコーチであることも、知られています。

彼は、守備時は5バック(3センターバックと両サイド)プラス、中盤4枚の9枚でブロックを形成。

攻撃時は、ボランチが1人最終ラインに落ちて、DFラインを4枚に。

中盤は1枚だけで、前線に5枚の選手を並べる。

こうやって、攻守でシステムを変えるように見えるので、可変式のシステムと呼ばれていますよね。












 イングランド、ちなみに登録上は、GK1−DF3−MF5−FW2。

最終ラインにセンターバックが3枚いるのは同じです。

が似ているのは、この可変式システムの部分ではありません。

枚数の問題でもありません。



似ているのは、前後をあえて分断させているところです。

GKのピックフォードと3枚のセンターバックで最終ラインを形成。

センターバックも大きく開いて、ビルドアップに積極的に関わります。

中盤は、ヘンダーソン一人だけ。

残る6枚は最前線に入ります。
(FW2、中央のMF2、サイドのMF2)

これは、上から観ると、本当によく分かります。

こんなに中盤の中央に人を配していないチームは、珍しいです。

日本なら最低でも2枚、3枚4枚と中盤の中央に、人が入ってきますよね。











 そして、イングランドの対戦チームは、毎回混乱しています。

最前線の選手をフリーにすることは出来ない。

ゾーンで守備システムを敷いて、試合をしていたとしても。

自陣ゴール前近くの中央で、放置しておくわけにはいかない。

ゾーンを崩して、最終ラインに人がたくさんいる状態になってしまう。

イングランドに合わせてしまっているのです。

後ろに人が多いということは、中盤に人がいないということ。

イングランドは、わざと中盤に人がいないように、選手を動かしている。











 この状況を作っておいて、前線の選手が中盤に下がって、ボールを受ける。

ケインが受けた時は、周りが信頼して動いているのも、良く伝わりました。

中盤で比較的楽に、ボールを受けて、展開している。

さらには、最終ラインの3枚が積極的にボールを前に持ち出す。

我慢できない相手選手が、プレッシャーに来ると、バシッと縦パス。

どこから組み立てるにしても、やりたいようにやっている。

イングランドが常に、先手先手で、ゲームを運んでいました。










 
 中盤を1人で任されているヘンダーソン。

カンテやカゼミロのようにボールを刈り取り続けるわけではない。

モドリッチのように、組み立ての中心に君臨しているわけでもない。

黙々と、バランスを取り続け、穴を埋め続けている。

最高の労働者と言えますね。

まさにイングランド躍進の陰の立役者と言えるでしょう。












 このイングランドのスタイルが、どうなるのか?

あえて前後分断させた、ミシャと似ています。

優勝できるかどうかは別にして、気になるチームです。


posted by プロコーチ at 00:35| Comment(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月07日

どちらから始めるか?

 WーUPの見どころは、たくさんあります。

どれくらいの長さするのか?

何に重きを置くのか?

限られた時間の中で、取捨選択。

この取捨選択こそが、監督の腕の見せ所。

実際には、現場に監督は出てこずに、コーチが担当していますが。

例えば、ブラジルは、あまりピッチでたっぷりするイメージはありません。

スタジアム内にある、室内のスペースで体を動かしておく。

狭くても、そのスペースでボールを使うメニューも実施します。

「試合に向けて真面目やってるの?」と思うかもしれませんが、実はこっそりと。











 例えば、21時キックオフなら、選手たちが出てくるのが、20時15分。

大体、どのチームもキックオフの45分前くらいですね。

それより前に出てくるのが、GKチーム。

GKコーチと、3人のGKが一番にピッチに入場します。

ペナルティエリア内を、ジョッグ。

腕を回したり、サイドステップ、バックステップなど、体をほぐします。











 その後、何を始めるのか?

ここで、2タイプに分かれます。

昔ながらのやり方は、軽いキャッチボール。

正しい構えから、キャッチング。

投げてもらったボールをキャッチ。

軽く蹴ってもらったボールをキャッチ。

キックするボールを徐々に強くしていく。。

そして、コースも狙ってシュートストップ、クロスボールの対応など。

GKとしてのスペシャルなトレーニングを続けていく。











 もう一つのやり方は、足でのプレーから始める。

対面で短いボールをコントロール、パス。

浮き球を足で処理する。

胸でコントロールして、パス。

など、手を使わずにボールを処理するトレーニングから始めるチームも増えてきています。

そして、その時間も、少しずつ長くなっている印象があります。









 イングランドのGKのアップ。

彼らが足でのトレーニングに割く時間が、一番長かったです。

イングランドは、長いボールを蹴飛ばす印象があるかと思いますが、それは一昔前。

GKコーチと、2人の控えGKが、トレーニングパートナーです。

彼らが取り組んでいたのが、コントロールして角度を変える。

そして、正確なパス。

10Mほどの距離から、少しずつ距離を伸ばしていきます。

最後は50Mまで距離を伸ばしました。

距離が長くなると、パスもブレていきます。

何度も繰り返すうちに、キックの精度が上がり、コントロールが正確になっていきます。

この時間で、彼らが上達しているのではありません。

元々持っているものを、チューニングして使える状態に持っていっているイメージ。












 試合でも、GKも活用しながら、後方からビルドアップ。

GK、3人のセンターバック、アンカーの1人。

5人が、ユニットを組んで、パスを回して、組み立てます。

そして特徴的なのが、センターバックがボールを保持した時に、センターバック同士が斜め後ろに入らないこと。

ほぼ、横一直線に並んだままで、組み立てます。

相手FWが前からプレッシャーをかけてきたら、危ないようにも感じます。

でも、ここで積極的にGKを使います。

後ろで待つGKをボールサーバーの様に使うのです。

センターバック同士の中途半端な横パスを奪われると、一気に失点の大ピンチ。

そうならないように、お互い斜め後ろに入って、助け合うのが、旧来のやり方。

でも彼らは、斜め後ろに入って助けようとしない。

後ろはGKに完全に任せる。

その分、一つ前で出て行ったり、サイドに開く。

前進するための、積極的なポジションを取るのです。











 試合でも、5人でのユニットが、機能していました。

その最後方でカギとなるのが、GKピックフォードでした。

相手をドリブルでかわすようなトリッキーなプレーをするわけではありません。

彼が、正確にコントロール、そして精度の高いキックを繰り返す。

この約束を遂行するための、イングランドGK陣のアップだったのです。

試合でも、何度もパス&サポート。

様々な正確なパスを、手堅く通していきます。

センターバックも、何度も後ろにパス。

彼らのピックフォードへの信頼を感じます。

GKを活用することで、数的有利を作る。

現代のGKに求められている、大切なプレーの一つですよね。












 私がブラジルで観たリーグ戦でも、同じ光景がありました。

クルゼイロのGKのW-UP。

とことん、足を使ったプレーを繰り返していました。

グラウンダーだけでなく、浮き球の処理も、確認。

本当に長い時間を、足でのプレーにあてていました。

アップに費やした時間は、手を使ったプレーよりも、足でのプレーの方が長かったのです。

パスをつないで試合を作るスタイルのクルゼイロ。

GKも、もちろんフィールドプレーヤーレベルの足元が求められる。












 このように、何を、どのように、どれだけ時間を使っているのか?

それは、フィールドプレーヤーはもちろん、GKもです。

チームとして、何をしていきたいのか?

各プレーヤーに、どのような役割を持たせるのか?

我々は、試合前のミーティングを聞くことが出来ません。

でも、アップに大きなヒントがあります。

試合1時間前から始まっている戦いにも、注目してください。

posted by プロコーチ at 01:14| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月04日

ファルカオに学びたい。

 コロンビア対イングランドを観戦。

試合前から、両サポーターが熱く盛り上げています。

イングランドサポーターは、今回少な目。

ドイツワールドカップで、街を占拠するかのような勢いは、全くありませんでした。

コロンビアは、人も多く、熱量も高い。

チームに期待しているからでしょうね。

コロンビア人は、どこから現れたのか?

ちょっと聞いたら、ヨーロッパに出稼ぎの人と、母国からはるばる来ている人とが混在でした。





 この試合、つい、コロンビアを見てしまう。

南米好きもあります。

そして、日本と同じグループだったことも気になります。

このチーム、ハメスロドリゲスがいないと、凡庸ですね。

怖さがない。

中盤がない。

意外性もない。

高さで圧倒的に負けている前線に、高いボールを入れる。

跳ね返される。

見てて、ガッカリするシーンが何度も繰り返されます。

サイドのモジカ、クアドラードの仕掛けからのクロス。

こちらの方が、可能性高そうです。

でも、中がファルカオ一人では、厳しい戦いです。











 そのファルカオ。

スタジアムで見ると、そのスゴさがよく分かります。

身長が、177センチとあるのですが、175もないくらい?

イングランドのセンターバックは、180後半に、190超え。

中盤の組み立てが出来ない、コロンビア。

ファルカオさんお願いします。

と言わんばかりの縦パスが入り続けます。

浮き玉は、さすがに厳しいファルカオ。

でも、グラウンダーのボールは、ほぼ収めてくれます。

1タッチで逃げず、足元でボールキープ。

仲間のために、時間を作ってあげます。

我らが大迫のあのポストプレー。

これを、さらに高めたと言えば、伝わりやすいでしょうか。







 しかもファルカオは、サイドや、中盤に逃げていかない。

背中からの圧力が強いと、それを嫌うように逃れて行きます。

ファルカオは、最もプレッシャーの厳しい、中央の高い位置。

ここで、ボールを収めてくれる。

周りの選手は、本当に助かっているでしょうね。

ここにハメスが絡んで、そしてサイドが駆け抜けて!

本当は、そういうイメージだったのでしょう。









 このポストプレー。

南米の選手が、得意としています。

日本だと、相手に触られる前に、動きながらボールを受ける。

相手DFから遠ざかりながら、ボールを受けようとするのではないでしょうか。

だから、サイドに流れたり、中盤に落ちてくる。

でも彼らは、相手DFにあえて近づいて、体を引っ付ける。

低い体勢で、当たり負けない準備。

そして、ボールを受ける寸前に、相手にわざと近づく。

近づくタイミングがいいですね。

相手がボールや、周りを見た瞬間。

相手DFの目線を、よく観察して動き出していました。

いいタイミングで、先に背中や、お尻をぶつけていく。

ボールにはあえて近づかずに、相手から離れない。

背中やお尻を押し付け続け、ボールをコントロール。









 体のぶつけ方も、技術である。

日本でも、コンタクトスキルと呼んでいます。

重要性が少しずつ浸透しているのでしょうか。

でも、あまり見ませんよね。

体で負ける外国人選手には、ぶつかる前に?

ファルカオは、身長、体重では、何階級も下ですよ。

日本にいても、体だと、目立たないサイズです。

ルカクやフェライニのような巨人ではありません。

それでも彼は、体を張り続けました。

空中戦も勝つことは少なかったですが、挑んでいました。

体を使うためには、あの精神力も必要でしょうね。









 日本人らしい技術は、もちろん大事。

いつも体をぶつけ合っていては、消耗してしまう。

でも、ファルカオが見せてくれた体の使い方。

コンタクトスキル。

人がいるなかで、どのように力を発揮するのか?

これも磨いていきたいです。
posted by プロコーチ at 18:41| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月03日

メキシコの意図、ブラジルの力

ロシアのサマラで、観戦してきました。

とにかく暑い。

日差しが強く、帽子を慌てて買いました。

乾燥しているため、日本ほど「暑いー!」たいう感じではないのですが。

イメージしているロシアとは違いましたね。

観戦したのは、メキシコ対ブラジル。

両チーム共に、私が追いかけ続けているチーム。

少し複雑な気持ちですね。

それでも、スタジアムで観戦出来る喜びを味わっていました。






メキシコは、周到な準備をしていたようです。

彼らのWUPは、常に注意深く見るべきです。

試合で何をしたいのか?

そこが、いつの大会でも、ハッキリと見えてくるからです。

今回、彼らが力を入れていたのは、2つ。

5対5のポゼッション。

控えメンバーにも、トレーニングをさせます。

多くのチームは、控えは、別メニュー。

実際、ブラジルは、ボールを回してリラックスムード。

でも、メキシコは、2ヶ所で、5対5。

20人でグループの守備と、パスの確認をしていました。

集団の一体感を出す狙いもあったと思われます。





もう一つ、長く時間をとっていたメニュー。

それは、中距離のパスです。

およそ、30数Mの距離で向かい合ってミドルパス。

他のキックは、すぐ終わるのですが、これだけは念入りに。

スタメンの10人全員が、何度も何度も蹴り込んでいました。

同時に、長いボールのコントロールも出来ますよね。

少し珍しい光景だな、と観ていました。

自由に動きながら、ボールを蹴る。

そのなかで、蹴りたい選手だけが、長いボールを。

これは、よく見る光景なのですよね。











試合が始まると、WUPの意図がすぐに分かりました。

メキシコは、得意のショートパスを使って組み立て。

を、ほとんど見せない。

低い位置から、サイド目掛けて長いボールを入れます。

いつもよりも、かなり早いタイミングです。

そして、ブラジルのサイドバックと1対1を仕掛けるためです。

しかも、カットインの回数が多かったです。









この作戦、ブラジルの弱点をつくため。

ブラジルの弱点は、中盤の守備にあります。

中央のカゼミロの両脇が、空きがち。

コウチーニョと、パウリーニョが前に出た背中ですね。

サイドの深い位置は、ブラジルの両ウイング、ウィリアンとネイマールが守備を助ける約束です。

でも、今、名前を挙げた4人は、攻撃の仕事があります。

そして、守備時には、前からボールを追う仕事もあります。

完全に押し込まれた時は、戻って、両脇を固めます。

ボールがハーフウエーラインを越えるまでは、カゼミロの両脇は、かなり空いています。





メキシコは、その両脇を使う手段を幾つか準備していました。

その一つが、これです。

早いタイミングで、ロングボール。

そして1対1の間に、ドリブルを仕掛けて行く。

何度も、同じ形からチャンスを作っていましたよね。

これがゴールにつながれば、違う結果になっていたかも知れません。





一方、ブラジルも、長いボールを使っていました。

サイドチェンジに使うためです。

ボールサイドを固められた。

後ろに戻して、センターバックか、ボランチがロングキック。

ところが、このキックが、あまり良くない。

味方のもとには届くのですが、質が低い。

回転も悪く、スピードが出ない。

サイドチェンジ終えたときには、メキシコの守備がスライドを終え、寄せてきている。

特に、前半の精度は低かった。

上から見ていると、球質がよく分かります。

ブラジル代表と言えども、アップが必要なのですね。






このメキシコの攻撃が効果的だったのも、最初だけ。

前半20分過ぎには、修正してきました。

チッチ監督が、選手を呼び寄せて指示。

それ以降は、抑えてきました。

おそらく、2つ。

逆サイドのサイドバックのポジショニング。

ロングボール、特にサイドチェンジに備えて、中央に絞り過ぎない。

もう一つは、中盤のポジショニング。

前から追いすぎないで、カゼミロの脇を固める。

結果、サイドでのスピードに乗った1対1が減りました。

サイドに長いボールを蹴られても、準備ができている。

すぐに、2対1の形になって、ドリブルを外側に追いやる。

この辺りの対応能力は、さすがブラジル。

監督の指示に、すぐさま反応し、相手を封じ込める。

技術の高さもスゴいですが、ブラジルの力は、この辺りにもありますよね。






書きたいことが止まりません。

また、続きを別の機会に。

posted by プロコーチ at 23:12| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月02日

これか!!

ロシア対スペインの試合、熱かったですね。

個々のボールを扱う能力や、所属するクラブ、それに伴う一人一人の市場価値。

恐ろしいほど差がありました。

でも、その差を埋める奮闘を開催国のロシアが見せてくれました。




 スペイン対策は、かなり練ってきたようです。

DFラインは、5枚にしてサイドのスペースを埋めてしまう。

中盤も、工夫していたように見えました。

前からボールを居っているときは、3枚で中央を分厚く。

深くまで侵入されたら4枚にして、サイドも中央もケアできるように。




 何よりも、スペインの代名詞でもある、エントレリネアスを警戒していました。

ラインとラインとの間でボールを受けるプレー。

「ここ誰が見るの?」と相手に思わせ、対応を後手に回させる。

それでは、相手は崩れないのですが、一歩先手を取ることで、相手が後追いになってしまう。

気がついたら、ドフリーの選手を作ってしまい、ズドン。

スペインの定番であり、得意なプレー。

そんな狭いところでも!間を取るのが、彼らのすごところです。

このエントレリネアスは、縦パスで入るものと、
横から間を取るものとがあります。

 



 ロシアは、とにかくエントレリネアスをさせない努力を続けました。
 
縦パスに対しては、常に責任をハッキリ決める。

縦パスが入った瞬間、身体ごと刈り取ってしまうくらいの激しさ。

そして、中盤の選手もプレスバックで挟む。

まるで、縦パスを待っていて、あえて縦パスを入れさせたのかというくらいの早さです。

横からのエントレリネアスに対しては、スライドを早くして、サイドでもフリーを作らない。

最終ラインが5枚なので、スライドもさらに早い。

中盤は、ボールラインよりも下がる意識が強かったです。

通常、横からは、エントレリネアスしやすいのですが、そのスペースすらないくらいのコンパクト。

これだけ守備を考えると、下がりすぎる危険性もあります。

ファールトラブルや、ミドルシュートが怖い。

そこも、スペインがボールを下げると、頑張ってラインアップ。









 文字に書くと簡単ですが、最後の最後まで、やりきりましたね。

スペインのポゼッションは、75%。

パスの本数は、1000本を超えました。

圧倒的に、攻めたのですが、結局FKでのオウンゴールのみ。

途中から入ったイニエスタが、違いを見せていました。

試合しながら、先生が授業をしていましたね。

ロシアの圧力にビビって、エントレリネアスをしなくなったスペイン。

イニエスタは、ボールの受け方、出し方、さらにはドリブルでの侵入。

プレーで見せ続けました。

途中、ピケに説教するシーンもありましたよね。

「ここは、間に入れろよ!安全に回すだけじゃないだろ!」

そう言ってたように、私には感じました。

その後、エントレリネアスを活用しながら、ゴールに迫り出しました。

ボールロストも増えたと思いますが、なにかを思い出したように見えました。








 それでも、最後は身体を張って、ゴールを死守したロシア。

常に、カウンターも狙いながら。

選手全員が、実直に走っていましたよね。

センターバックと左のウイングバックは、早々に足をつっていましたよね。

それでも監督は、そこは変えずに、前線にフレッシュな選手を入れました。

監督の無言の檄に、選手は応え続けます。

観客の声も後押ししてくれ、最後まで走り抜けたロシア。










 感動的な試合を見せてくれました。

何人もの日本人が思ったはずです。

前回ブラジル大会でのアルジェリアにも、もちろん近い雰囲気を感じましたよね!?

「ハリルホジッチ前監督が作りたかったのは、こういうロシアのようなチームだったに違いない」と。

本当に、いいものを見せてもらいました。

近くにいながら、カフェで観戦したのが、本当に残念でたまりません。
posted by プロコーチ at 04:30| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月30日

チャンスが来た!?

 決勝トーナメントの相手が、ベルギーに決まりました。

FIFAランクだと、優勝してもおかしくない!強豪ですね。

親善試合でも、かなりの強さを見せてくれました。

本大会が始まると、さらにその強さは加速したように思います。

毎試合得点を重ねます。

崩して、カウンター、ヘディングシュート、ドリブルシュート、裏に抜け出して。

バリエーション豊かに、ゴールを決めています。

誰もが知るビッグネームが躍動する、恐ろしい攻撃力ですよね。








 彼らの最大の力。

それは、1人1人の、ボールを扱う能力でしょう。

身長が190センチであっても、大きくて、ヘディングだけと言う選手はいません。

スピード豊かな選手も、スピードだけに頼りません。

全員が、ボールを止める、運ぶ能力が、抜群に高い。

それを大きな力に、ボールを保持し、相手を崩します。

中でも、アザールのボールタッチは、何なのでしょう。

足に吸い付いているとは、あのことですね。

育成世代では、ドリブルをかなり重要視しているとのこと。

とことん、ボールを運び続けることにこだわって、選手を育てあげる。

日本だと乾、香川でしょうね。

ベルギーには、大きて強くて速い、乾や香川が集まっていると思えば、イメージしやすいはずです。












 彼らには、大きな弱点があります。

その弱点を、2年前のユーロの準々決勝で見てきました。

彼らは、仲間のためにフリーランニングが出来ない。

出来ても、最初の10分〜20分。

そこの勢いはすごいのですが、、、。

ゲームが落ち着いたら、足が止まります。

ボール保持者と、ボールを受けようとする選手。

それ以外の選手は、眺めてボーっとしているようにも見えてしまいます。
 
http://futebol.seesaa.net/article/439671890.html






 


 ですので、日本は、前半の最初と、後半の立ち上がりを無失点で耐えること。

この猛攻を、なんとか耐える。

そして、大きい選手を活かした、セットプレーも失点しない。

この2つさえ達成すれば、ベスト8は見えてくる!

いくらでも、カウンターでチャンスは訪れるはずです。

私は、15チームの中でも、ベルギーは、かなり当たりの対戦相手だと思っています。

ベスト8に行く可能性は、低くない!?
posted by プロコーチ at 18:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月29日

トーナメントの文化ゆえ

 我々が大好きな大会があります。

夏の甲子園。

冬の高校選手権。

何十年も続く、日本の季節の風物詩になっていますよね。

もちろん、トーナメント方式で大会は開催されます。

私が学生の頃は、リーグ戦は、ほとんど無かったと思います。

そして、今と違って、学年毎のチーム編成は、年に1・2回。

試合は、一発勝負のトーナメント。

負けたら、お終い。

弱小チームに所属し、自分が最高学年の時だけ試合に出たとしたら?

中学3年間、高校3年間で、公式戦の出場は、ごくごくわずかしかありません。











 今は、ようやくリーグ戦が定着しつつありますね。

小学生でも、全小の予選がリーグ戦になって、4年目でしょうか。

それ以外でも、レベルごとのリーグ戦が開催されつつあります。

中学でも高校でも、大学でも、リーグ戦が多数開催されています。

昔に比べると、真剣勝負の公式戦の場が、本当に増えています。

リーグ戦になると、指導者や、協会、審判、関係者は、間違いなく負担が増えます。

それを全国で支える方がいて、リーグ戦が成り立っているということは、知っておいたほうがいいことです。











 リーグ戦が定着しているならば。

リーグ戦の考え方が、日本全体に定着しているならば。

今回の、ポーランド戦の、後半10分の戦い方について、疑問の声は拡がっていないかもしれません。

試合を0-1のままでの敗戦を選び、パスを後方で回し続けた。

この姿を見て、疑問の声が。

安全にパスをしてるだけ、時間稼ぎをして、ずるい。

パスを回しているだけで、ゴールに向かわない。

何がフェアプレイだ!

グループリーグは突破したけど、本当にそれでいいのか!?

などなど、多くの不満の声が聞こえてきます。

女子のアジアカップでも、つい最近、同じようなことがありました。










 リーグ戦では、各チームに、年間目標があるはずです。

リーグを制して、優勝する。

何とか上位(2位や、3位)に入って、昇格を目指す。

降格だけは避けるために、大量失点を避け、引き分けでもいいから勝ち点を拾いたい。

その目標は、チームによって異なりますよね。

そして、その年間目標を達成するために、目の前の試合を行います。

短期の目標がそこにはあります。

アウェイで、格上の相手。

それなら、勝ち点1が取れれば、最高!

リーグ内の絶対王者との対戦なら、最小失点での敗戦が目標になることすらあるでしょう。

この相手には、是が非でも、勝利して勝ち点3を取りたい!

これらの短期目標を達成するために、その日のゲームプランを立てていきます。











 では、ロシアワールドカップ、今回のグループリーグ!

日本代表の目標は、なんでしょうか?

2位以内に入り、決勝トーナメントに進出することだったはず。

1位になり、決勝トーナメントを楽に進めること、という目標ではなかったでしょう。

コロンビアに勝ち、セネガルに引き分けた。

ポーランドにも勝たなければ、評価されない?

批判する人は、日本代表の目標を忘れているのか、考えていないのか。

全ての試合で、ベストメンバーを出して、勝利だけを目指して戦う。

90分を通して、全力で走り続けなけらばならない。

それを求めているのでしょうか?

おそらく脳内が、トーナメント文化で構成されているのでしょう。













 今回の日本代表は、何となく、上手くいっているところも感じられます。

でもそれらは、最高の準備や努力をしているから、運を拾い上げて、幸運に恵まれている。

運が良くても、準備をしていないところに、素晴らしい結果はもたらされない。

とにもかくにも、次のステージに進むことが出来た。

これは、日本人にとって、喜ばしいことではないですか。

今、この瞬間、自国の次の試合の事を考えることができている。

それは、イタリア、オランダ、ドイツ、韓国など、195の国や地域の人々は、この幸せを持っていないのです。

完全同意することは出来ないのですが、あのパス回しも、リーグ戦を勝ち抜くための一つの戦略です。
posted by プロコーチ at 23:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月28日

策士

 グループリーグ突破をかけたポーランド戦の、メンバーが発表されました。

戦前の予想通り?大幅なメンバー変更がありました。

センターバック、ボランチ、両サイドハーフ、そしてツートップの2人。

計6人のフレッシュな選手が入りました。

勝っているチームは、変えない!

昔からの鉄則を無視。

この変更が、何をもたらすのでしょうか?







 私は、想像しました。

日本人のことを深く理解している、西野監督。

おそらく、最低でも、前半は引き分け以上で終えることが出来る。

その自信があったのではないでしょうか。

そして、勝負所は、後半。

後半の交代のカードが豊富にあります。

今までは、有効なカードは、本田しかありませんでした。

でも、このポーランド戦は、乾、原口、大迫、香川、攻撃的な切り札を抱えています。

状況によって、これだ!と言うカードを切ろうとしている。

これが、西野監督の策。

もちろん、イエローカードのファールトラブルも気にしているとは思いますが。











 どの選手を送り出すのかは、監督だけが決めることが出来ます。

それを信じて!!応援しましょう。


posted by プロコーチ at 23:28| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月27日

メッシは歩く

 苦しみながらも、アルゼンチンがグループリーグを突破しました。

最後の10分まで、敗退の危機。

厳しい戦いでしたが、勝負強さを見せました。

対戦したナイジェリアは、引き分けでもよかったのですが、痛恨の失点。

守備の組織は、あまり体を成していなかった。

人が、後方にいるだけのブロック。

ブロックと言うには、穴だらけの塊でした。

彼らにとっては、自分たちの時間帯で、追加点を奪えなかったのが、敗因でしょうね。











 この試合、メッシが先取点を決めました。

相手の裏に飛び出して、マークを外す。

ミドルパスを走りながら、太ももでコントロール。

落ち際をインステップで優しく触り、DFの足が届かない場所に置く。

苦手な右足で、逆サイドに突き刺しました。

トラップしてから、一度も、ゴールを見なかったメッシ。

感覚的に、ゴールの位置が分かっているのでしょうね。

その分、ボールをインパクトすることに集中。

利き足ではないのに、素晴らしいシュートでした。









 メッシの足元にボールが入ると、時間が生まれ、相手DFは集結。

周りの選手が楽になりますね。

この試合でも、メッシは変わらず、歩いていました。

走ったのは、ボールが欲しい瞬間。

そして、ボールが奪えそうな瞬間。

もう一つは、数少ないのですが、ボールを奪われた時。

ほとんど、歩いていました。

それでも、先取点を決めました。











 このスタイルが、非難されています。

「メッシが走らない分、ほかの選手の負担が大きい」

「メッシが走らないから、パスが出てこない」

などなど。

アルゼンチンが2試合終わっても、勝てていなかったせいでしょうね。

かなりの非難が集まっていました。

メッシにしてみれば、何をいまさら、と言う感じでしょうか。

メッシは、いつも歩いています。

何年も前から、変わっていません。

代表でも、所属クラブのバルセロナでも歩いています。






 私が小学生を指導していて、FWの選手に聞いたことがあります。

5年ほど前のことです。

「君は、あまり走らないね。」「今、何を考えていたの?」

問いかけました。

すると、面白い答えが返ってきました。

「メッシの真似をしているの、メッシもずっと歩いているから」

なるほど、その少年が歩いていたのは、サボっていたのでも、ノーアイデアだったのでもなく。

メッシの真似をしていたのです。

「メッシはボールが来そうになると、走ってるよ。」「そこもメッシの真似をしてごらん。」

私は答えました。

このやり取りは、何年たっても忘れられません。












 メッシが歩くことは、みんな知っています。

もちろん、チームメイトも監督も。

それでも彼を使うのは、彼が出ている方が、チームにとってプラスになるから。

他の選手と同じ動きを求めるなら、メッシを使う必要性はない。

メッシが、メッシであるためには、周りの選手がメッシのためにぷれーしなければならない。

それが嫌なら、チームを抜けること。

バルセロナでのネイマールのように。

メッシはこれからも歩き続けるでしょう。

チームが勝つためには、メッシ以外の選手の組織をいかに向上させるか?

この一点に尽きると思います。
posted by プロコーチ at 18:52| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする