2016年07月16日

ユーロ視察の雑感

 ユーロ2016、ポルトガルの優勝で幕を閉じました。

私は、決勝の結果予想は、見事に外してしまいました。

ピッチサイドに下がっても、選手と共に戦ったクリスティアーノロナウド。

彼の気持ちを引き継いだペペは、MVPの活躍を見せました。

やはり彼らの活躍が、ポルトガル優勝の鍵でしたね。










 今回のユーロは、集団の力が目立った大会でした。

イングランド、ベルギー、スペイン。

タレントの力なら、決勝に進んでもおかしくなかったかもしれません。

個の力の集積だけでは、勝ち上がれない。

そこに規律を植え付けても、結果は変わらない。

一つのクラブチームレベルの集団行動ができたチームが勝ち上がっていく。

そのことが、はっきりと現れた大会だった言えます。

ポルトガルの優勝、アイスランド、ウェールズの躍進、イタリアの踏ん張り。

しっかりと証明してくれた国々です。







 そうは言うものの、クラブチーム並みの連携、戦術的行動を求めるのは簡単ではありません。

そこで、近年重用されているアイデアが、国内クラブをそのまま移植する方法です。

この流れは、2010南アフリカ、2014ブラジルワールドカップと同じですね。

バイエルンミュンヘンを中心とした、ドイツ。

タレントの力に規律を植え付けて優勝を目指したブラジルを、打ち破りました。

クラブチームのようになるために、国内強豪クラブを移植してくる。

さらには、スペイン。

バルサの攻撃+レアルの守備。

それがスペインが世界を制していた力の源でした。

今回のスペインは、中盤よりも後ろは良かったのですが、前線が、、、。

その理由は、簡単ですね。

レアルの攻撃もバルサの攻撃もスペイン人はごくわずか。

ポルトガル、ウェールズ、フランス、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの彼らが、点を取っています。

スペイン代表が点を取れない理由は、クラブの現況を見れば、明らかです。









 今回、イギリスが、ユーロを離脱しました。

遠く離れたアジアにいると、想像力をもって、ユーロ離脱を考えていなかったかもしれません。

同じヨーロッパなんだから、仲良くすればいいのに。

その程度の認識でした。

実際に、フランスに行くと、そのような考えは吹き飛びました。

私は、フランスに行くのは今回で3回目。

ますます、多様な民族がフランス人?として生活していました。

そこに、ヨーロッパ中の人々、我々アジア人がフランスを訪問。

なんとも、多様性に富んだ景色。

考え方も違えば、見た目も、話す言葉も違う。

一つにまとまることは、奇跡です。










 そのように、多様性に富んだ社会で生きていくためには、何が必要か?

個人として、己を確かに持つこと。

自分の頭で考え、その考えを自らの意見として伝えること。

その意見をぶつけ合いながらも、なんとか良い方向に進めていく調整能力も必要でしょうか。

空気読んでよ〜、言わなくても分かるでしょ。

腹芸は、通用しませんね。

フランスを移動しながら、価値観の違いを味わっていました。

可愛い子には旅をさせよと言いますが、その理由が分かります。










 テロを恐れて?か、今回日本人の姿が、本当に少なかったです。

アジア人は、中国系の方ばかり。

日本人がここまで少ないとは!少し寂しい気持ちになりました。

世界トップクラスの戦いを、自分の目で確認して良かった。

このスピード感、犠牲心、集団行動などは、テレビにどこまで映っているのか?

守備から攻撃に入った時の、なんともダイナミックなスピード。

攻撃から守備に切り替わった瞬間の、プレッシャー+中央への絞りが速い。

両方の切り替わりのスピードは、本当に速い。


そして、ゴチャゴチャとも言える多様性が進んだ社会で生きている人々。

彼らが、目的のために一つにまとまる姿。

まとまらずに、崩壊していく組織。

成功した姿も、失敗した姿も、勉強になりました。

この体験が、私の血となり肉となってくれることでしょう









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2016年07月10日

勝ち方を知っているか

 いよいよ、ユーロも決勝戦。

ポルトガルが、ようやく悲願のビッグタイトルを手にするか?

それとも、フランスが開催国の威信にかけて、アンリドローネ杯を奪還するか・

熱い大会の最後を飾るにふさわしい戦いを見たいです。









 ポルトガルは、とてもまとまった、良いグループです。

守備に対して、全員が価値を持っている。

ボール扱いの天才たちが、必死に走っています。

試合中は、ほとんど見せてくれません。

びっくりするほどの、ボールハンドリングの能力。

ちょっとした遊びを、アップやハーフタイムで見せてくれます。

ボールが好きなんだろうな〜、その思いがスタンドまで伝わってきます。









 でも、彼らは、その思いを封印しています。

相手から奪って、ボールを持ったら、まず、最前線を見る。

主にクリスティアーノロナウドめがけて、ロングボールを入れてきます。

ボールが収まらなければ、そのまま守備の隊形に。

ボールが収まれば、初めてサポートしながら、攻撃にかかわってくる。

弱者の戦いとも言える、面白くないプレーを、求められているようです。

本当は、もっとボールに触りながら、試合を進めたいはずなのに。

その気持ちを封印して、チームの勝利のために!犠牲心をもって走り続けています。

ちなみに、ボール大好きの気持ちを封印できずに敗れ去ったチームもありました。

それは、ベルギーです。

ベスト8に残ったチームの中で、ボールを扱う能力はNO,1だったかもしれない。

でも、勝ち上がれないのは、この部分が、明らかに足りていませんでした。










 フランスは、観客の声を背中に受けて、順当に勝ち上がってきました。

ストロングポイントは、中盤の中央でしょう。

ポグバとマテュイディの、ダブルディフェンシブハーフ。

攻守にわたって、本当に効いています。

特にポグバ。

クラブでプレーしているよりも、低い位置。

DFラインの前で、こぼれ球を拾い、相手の攻撃を抑える。

ボールを持っても、自分の位置を離れて、前にスルスルと上がる回数が本当に少ない。

ボールをさばいて,受けて、さばいて、受けてを繰り返す。

本当に、よく我慢しています。

ポグバが上がっていくのは、後半途中から。

自分の後ろにカンテが入った時に限られています。

まずは、チームのために。

自分の望むプレーを抑える空気が、今のフランス代表のチーム内にあるのでしょうね。










 では、どちらが勝つのでしょうか?

予想は難しい。

勝ち方を知っているのは、どちらなのか?

フランス代表のデシャン監督。

彼は、選手として、自国開催のプレッシャーに打ち克つ方法を知っている。

そして、ユーロの決勝で勝つためには何をすべきかも、知っている。



ポルトガル代表は、グループとしては、勝ち方を知らない。

なにせ、歴史の中で、ビッグタイトルがありません。

2004年の自国開催の際も、圧倒的に有利だったはずの決勝戦でギリシャに敗れています。

頼みの綱は、攻守の要である、クリスティアーノロナウドとペペ。

彼らは、クラブレベルで、大きな大会の決勝戦を何度も体験しています。

その体験を、チームに還元することができるか?

彼らの活躍次第。





 では、結局のところ、、、。

「フランスが勝利して、無難に終わる。」

この予想が外れたら、笑ってください

とにかく、お互いに腰が引けたような戦いは、見たくないです。

好ゲームで終わって欲しいですが、難しいでしょうね。


posted by プロコーチ at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月07日

プラン変更

 今シーズンのチャンピオンズリーグ マンチェスターシティ対ユベントス。

グループリーグでの戦いですが、覚えてますか?

ホームのマンチェスターシティが先取点。

その後も、主導権を握るのは、シティ。

パスをつなぎながら、様々な角度から、ゴールを目指していきます。

シティでパスをたくさん出しているのは中盤の選手。

中盤を起点とし、攻撃を組み立てていることが、分かります。





 一方のユベントスの中盤は、組み立てへの関与が少ない。

ボヌッチ、キエッリーニ、センターバックの二人が一番ボールに触っている。

DFラインではボールは持てるものの、それより先に前進していくのには苦労している。

かなり、不利な状況でした。

イタリアのクラブらしく、ユベントスは動じません。

我慢して我慢して、チャンスをうかがう。

ポゼッションで上回れても、シュートをたくさん打たれても動じない。

終わってみれば、2対1で逆転勝利。

ゴールは、マンジュキッチに、モラタ。

試合終了のホイッスルが鳴った時、イタリアのクラブが勝っている。

これぞイタリア!ともいうべき、試合の一つでしょう。









 ユーロの準決勝。

イタリア対ドイツも、そのような試合でした。

先取点は、ドイツ。

ドイツも相手の良さを消すために、自らの形を捨てた試合。

どちらもが、失点をしたくない!試合での先制点は、大きな意味を持ちます。

その後も試合は、膠着状態が続きます。

何とか、イタリアが相手のミスからPKを決め、同点に追いつきます。

が粘りもここまで。

PK戦をドイツが制し、準決勝に進出を決めました。






 先ほどの試合と、何が違うのでしょうか?

違いは、単純に攻撃陣のタレントの違いでしょう。

イタリアのタレントは、中盤から後ろに偏っていました。

ブッフォン、ボヌッチ、キエッリーニ。

さらにユベントス勢が、バルザーリ(CB)ストゥラーロ(MF)。

コンテ監督の分身たちが、後ろを固めて失点を増やしません。

特にゴール前の中央は、アリの入る隙間もないのではないか?

とにかく、中央をがっしりと固めていました。

中央をがっしりと固め、カウンターとセットプレーでゴールを目指す。

ですが、先ほどの試合でゴールを挙げたユベントスの選手を思い出してください。

モラタ、マンジュキッチ。

スペイン代表に、クロアチア代表。

加えるなら、マンジュキッチにスーパーなのアシストを出したのが、ポクバ(フランス代表)。

イタリア代表には、違いを出せる選手も、一人で決めれる選手もいませんでした。

8人でブロックを組み、前の2人でコースを切りながら前進を阻む。

そして、2トップ+サイドの2枚でゴールを目指す。

当初のプランは予定通り遂行したのですが、勝つことは出来なかった。

つまりイタリア代表は、守り続けることしか、決め手となるプランとしては持っていなかった。

守り続けるだけといっても、かなり難易度の高いミッションです。

上下のラインコントロール、左右のスライド、ゾーンを離れて人をつぶすタイミング。

イタリアの守備は、守備の勉強にはもってこいの教材です。





 対戦相手、世界チャンピオンである、ドイツ代表。

彼らは、戦術的にも柔軟でした。

まずは、相手の良さを消すために、システムを変更。

得意の4バックから、3バックに変更。

これは、相手の2トップに対して、プラス1枚の形を残して守るため。

さらに両サイドのウイングバックにも、守備の役割を持たせます。

イタリアの両ワイドで攻撃に絡んでくるウイングバックを封じ込める。

彼らに攻めあがるスペースを与えません。

さらに3バックにすることで、攻撃から守備の切り替わりも意識していたはず。

中央に常に、一枚選手がいる。

いつもの4バックなら、2枚のCBがサイドに大きく開いて、ビルドアップを行います。

このことで、両サイドバックに高い位置取りをさせています。

ただし、ボールを奪われてすぐの瞬間に、ゴール前が手薄になってしまう。

そのリスクを排除するという意図もあった、と考えられます。








 何か手を打てば、何かが犠牲になります。

この3バックプランによって、攻撃にかける人数が少なくなりました。

特に、サイドでの崩し。

中央には人はいるのですが、サイドまでは手が回らなくなった。

ウイングバックが高い位置でボールを持っても、選択肢が少ない。

クロスを上げるか、後ろ、横に戻すか。

サイドからの崩しに、工夫が足りない。

クロスの質も高く、中で合わせる人もいるのですが。

中央で跳ね返すと決めているイタリアは、動じません。

ドイツの攻撃は、イタリアに対して脅威を感じさせることが、できていなかったのではないか。










 そこで、後半、ドイツは手を打ちました。

システムを変更し、ディフェンシブハーフの枚数を1枚削ります。

トニクロースとシュバインシュタイガー(ケディラ負傷交代により)の2枚で構成していた前半。

安定はしていましたが、横パスをつなぐだけで、怖くない存在に成り下がっていた。

監督は、ここに手を加えます。

シュバインシュタイガーを1列高い位置に上げ、エジルと二人でオフェンシブハーフに。

1トップを2トップに変更です。

オフェンシブハーフを2枚に増やすことで、飛び出していく選手を増やす。

2トップに変更することで、1枚がサイドに流れやすくなる。

ただし、人を並べ替えただけでは、絵に描いた餅です。









 ここで、攻撃の新たなオプションを授けました。

(実際に聞いてはいないので、私がスタンドから観た分析ですが)

サイドの高い位置で味方がボールを持った時に、1枚がボールに関わる。

横につくだけでなく、追い越す動きをいれること。

中から、ボールホルダーの前を走り抜けるインナーラップラン。

外からボールホルダーを追い越していくオーバーラップラン。

この動きを加えることで、サイドを崩す。

後半に入った途端、この追い越す動きが増えました。

これほど繰り返すということは、明確なチームとしての意図を感じます。




プランはさらにその続きがあります。

サイドを崩すのが目的というよりも、目的はさらにその先。

中央を固める、センターバックを引っ張り出したい。

サイドを崩された守備陣は、中央から選手がカバーに出てくるでしょう。

ここでようやく、分厚い守備の固まりに穴を開けることが出来るのです。

ゴールは、まさに、この形から生まれました。

イタリアのミスが絡んでいるので、そこが目についてしまいます。

ポイントは、そのミスでなく、ドイツの後半からの攻撃のオプションに目をつけるべきでしょう。










 ドイツ代表は、いきなりプランBからキックオフを迎えました。

イタリア対策です。

そして、試合の中で、プランCに変更してきました。

それを柔軟に対応できるチームとしての完成度の高さを感じます。

まるで、通年活動している、ひとつのクラブチームであるかのようです。

バイエルンミュンヘン勢(4人プラス前所属3人の7人)が中心になっていること。

育成世代から共に時間を過ごしていること。

分かり合っている者同士だからこそ、このプラン変更にスムーズに対応可能。

何とも完成度の高いチーム。










 少しだけ、アイスランド対フランスの試合にも触れておきます。

大旋風を起こしてくれた、アイスランド。

彼らの戦いを楽しみにしていました。

彼らも、プランAしか持っていなかった。

先制点を早い時間で奪われて、ずるずると失点を重ねる。

フランス戦は、かなり期待して観ていたのですが、少し残念な結果でした。

フランスに対して、尊敬しすぎたのか?

ベスト8に進出したことで、満足してしまったのか?

それとも、5試合目を戦うだけの、体力が無かったのか?

ボールにもっと厳しく行きたいのでしょうが、寄せきれない。

守備の形は綺麗に整っているのですが、そこまで。

グループリーグで見せた、あの鬼気迫るボールへの執着心が感じられませんでした。

綺麗な攻撃、整った守備で相手に立ち向かっては、力の差が出てきてしまう。

開始数分で、フランス代表は分かってしまっていた。

この試合は、余裕で行けると。

余裕を感じさせてしまうのは、今までのアイスランドでは無い。






 フランス代表。

かなり心配になりました。

体力的には、かなり楽になったはずです。

アイスランド戦の後半は、流しながらプレーしていました。

延長、PKまで戦ったドイツに比べると、疲労は蓄積していないはずです。

気持ちが切れていないかが、心配です。

90分を通して、リラックスして試合をこなしていました。

まるで、親善試合かのように、真剣度は感じられませんでした。

一度、緩まったチームの緊張感を、絞め直すことができるのがどうか?

緩んでいる証拠に、後半は2失点、得点は0。

ドイツ戦までの4日間をどのように過ごすのかで、彼らの運命が決まるでしょう。
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2016年07月03日

意思の統一を

1回目のランニングが、終わるとボールを使います。
ウェールズも、ベルギーも、パス&コントロール。
シンプルですが、素晴らしくレベルの高いものでした。
水分補給を挟んで、次のメニュー。
30分で、5つも6つもメニューを実施します。
短時間に、パッ!と集中する。
トレーニングも、アップも、時間の長さでは無いですね。






続いて、対人のメニュー。
ほぼ全てのチームがポゼッションを行います。
15〜20mほどの狭いグリッド。
このトレーニングを見れば、見えて来ます。
個人やチームの、技術レベルに、攻守・守攻の切り換わりの早さ。
そして、当日にどんな試合運びを意図しているのか?
いわばチームの戦略です。






ポルトガルは、4対4+2フリーマン。
15×25ほどの、縦長のグリッド。
フリーマンは、短い辺上を動く、サーバー役。
サーバーには、何度もリターンパスOKです。
(サーバー間のパスは、おそらく禁止)
すると、サーバーを軸に、低い位置でボールを動かします。
プラス1枚を使えますから、楽に回せます。
ここに、相手DFを引き付ける。
高い位置に残していた選手に、長い縦パスを通す。
素早く、他の選手がサポートに寄って、展開を続ける。

この形は、試合の中で、何度も出てきました。
低い位置から、クリスチアーノロナウドに、長いパスをいれる。
そこに、中盤がサポート。
縦パスが入るのが分かっているので、サポートが早いのです。
展開が詰まった時には、回避策としても使われていました。





ベルギーは、5対5の同数でした。
20mの正方形のグリッド。
狭いスペースて、攻守が同数なので、簡単に回りません。
ボールを持った選手が気を効かせる。
ボールをずらしたり、ほんの1・2秒ためたり。
ギリギリまで引き付けて、パッと角度を変えるパス。
見ていて、楽しいものです。
さらに重要なのが、オフザボールの動き。
ボールの移動中に、スッと顔を出します。
体、半分でも顔出し出来れば、ボールを受けれる。
継続的にサポートをする。
言うは易しですか、実際は心身ともに、疲れます。

試合中でも、ベルギーは、この動きが素晴らしかった。
ただし、限られた時間だけです。
前後半の、それぞれ開始5分10分。
そして、失点直後ですね。
すぐに、足が止まります。
ベルギーの指揮官は、自分達の弱点を分かっているのでしょう。
だからこそ、この意識付けを試みたのですが、、。






ウェールズは、4対4+2フリーマン。
フリーマンは、中に入ります。
実質、攻撃6人、守備は4人。
数的有利の状態なので、かなり攻撃有利です。
拡がりを作り、少ないタッチでボールを動かす。
難しいプレーは、ほとんど出てこない。

そして、もう1つの特徴。
グリッドの中央部分。
DFの間になるのですが、ここを使うのはフリーマンの役割。
試合でも、狭いところでボールを受けるラムジーとベイル。
彼らが、フリーマンだったかと。
つまり、他の選手は、楽な状態で落ち着いてプレー。
チャンスがあれば、厳しい場所にいる二人にボールをつける。

試合では、後ろの6人は、拡がりを作り、シンプルにパス。
ボールを横に横に動かします。
ギャップを見つけ、バシッと縦パス。
ここに、いい形でボールを入れれたら、チャンス!
意思の統一が、出来てました。







ウォーミングアップ。
体を温めるだけでは、ありませんね。
心も、頭も、試合に向けて高めていく。
アップを見ると、やはり試合が見えて来ますね。






余談
クリスチアーノロナウドは、キックが不調のようです。
全くシュートが、ミート出来ていません。



ドイツ人が、横の動きが鈍い。
ドリブルで揺さぶるのが効果的だ。
高原選手が、10年以上前に語ってました。
少なくとも、代表レベルでは当てはまりませんね。
今回見た6チームで、一番アジリティに優れていました。
アップで見せてくれたステップワークは、圧巻でした。


ポルトガル代表が、面白い遊びをしてました。
サブの選手が、ボールとたわむれてました。
5mの距離で、二人でリフティング。
必ず、2タッチ。
そして、パスはラボーナ。
(脚を後ろで交差させてキック…一応解説)
これが、続く続く。
胸トラップからラボーナ、股トラからラボーナなどなど。
10数回続いてました。

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2016年07月02日

ウォーミングアップ 1

スタジアム観戦の楽しみの1つに、アップがあります。
テレビに映ることもありますが、全容は教えてくれません。
今回のユーロ2016。
まだ、2試合しか観てませんが、幾つもの発見があります。





基本的な流れは、だいたい同じです。
キックオフ45分前に選手が登場してきます。
GKは、それよりも10分弱、早く出て始めています。
まず、ゆっくりとしたペースで、動きます。
この時は、選手の自主性に任せているようです。
ボールを持っている選手もいれば、持たない選手も。
軽くリフティング、ボール運びなど。
強いキックや、ダッシュはしないですね。
サブの選手は、すぐに分かります。
ボールで、楽しそうに遊んでいますから。





最近の流れが、あります。
それは、走り。
ランニング、ステップワークを2回するのです。
以前は、最後に様々なダッシュをして、終わる。
今の流れは、最初のフリーランニングの後に1回。
最後にも、もう一度走る。
そして、この距離が短い。
短いチームだとわずか5m。
長くても、10mほどしか走りません。





1度目のランニング。
この時には、ありとあらゆる動きを取り入れます。
前向き、後ろ向き、横向き、スキップにジャンプ。
そして、その合間にも、動きが入ります。
止まった状態の、スタテイックなストレッチ。
動きながら、ダイナミックなストレッチ。
その場でステップを踏んでから、片足でストップ。
軽い筋トレで、筋肉に刺激を入れているようです。






最近、やたら、試合前には静的なストレッチをしない。
と、アピールしている人がいます。
根拠は、あるようですが。
何でも、パフォーマンスに悪影響だからとのこと。
では、なぜ、世界最先端の人々がやっているのか?
害が無くても、意味合いが薄い、と言う人もいます。
では、なぜ、あの限られた時間の中に、取り入れているのか?
その答えは、シンプルです。
「試合前にも、必要だから」
それが、2016年現在の答えでしょう。





その後は、ボールを使ってアップを続けます。ウェールズと、ベルギー。
パス&コントロールを始めました。
どこかで、見たことがあるメニュー。
まるで、日本の小学生や中学生が取り組んでいる内容でした。
見ていると、世界トップの選手たちが、真面目にやっている。
1つ1つのプレーを大切に、スピーディーに。
当たり前なのですが、その姿に感心します。
ちなみに、ポルトガルもしていました。
設定は違いますが、大切にしているのは、同じでした。




設定は、4ヶ所に分かれ、隣に出して進む。
隣との距離は、10〜15m。
それを繰り返す。
ボールは、2つ同時に使います。
単純ですよね。
発展として、隣に出してリターンを受ける。
リターンを受けたら、1つ飛ばしに、パス。
同じく、これを繰り返します。
2つのパス&コントロールで、計7・8分です。






文章にすると、分かりにくいかも知れませんね。
見れば、1発で分かるでしょう。
特筆すべきは、その精度。
誰も、ミスをしません。
右回りでも、左回りでも、それは変わらない。
そして、パススピードが、ドンドン上がります。
結局、ここか!
パス&コントロールの重要性を、改めて確認しました。


ウォーミングアップは、まだ半分残ってます。
長くなったので、続きは次回に。







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2016年07月01日

ポルトガル対ポーランドから

   レナトサンチェス
まだまだムラがありますが、いい選手です。
昨年までは、母国のベンフィカでプレー。
まだ、18歳の青年です。
既に、チャンピオンズリーグでも大活躍。
個人的に、昨シーズンは、ベンフィカに注目してました。
ベスト8に進出したクラブを、中盤で支えていました。


見た目が派手なので、勘違いされるかもしれません。
実は、とても堅実で、真面目。
生まれ持った何かに頼る選手ではありません。よくトレーニングされた選手です。
ボールを止める、蹴る、運ぶの技術が高い。
ボールを受けるために、相手DFを確認。
スペースを探しながら、ボールを要求します。
止める技術が高いので、DF間の狭い場所でも問題無し。
ボールを出して、そのまま止まらずに走る。
スペースがあれば、グンと持ち出して行きます。




現地で見ると、彼が、トレーニングされた選手だと分かりました。
戦術理解度が高く、遂行能力も高い。
右足が利き足だと思います。
でも、相手との距離や、寄せ方に合わせて、使う足を変える。
右足でブロックしながら、左足でプレー。
利き足だけに頼っていると、選択肢を減らしてしまう。
先制点は、右足でトラップ。
相手が右足側からプレッシャーに来る。
ファーストタッチで、左足の前に置く。
そのまま、迷うことなく左足を振り抜き、ゴール。
両足を高いレベルで使いこなせ!
そのような指導を受けて育ったはずです。

ポルトガルは、前後半で、中盤を変えて来ていました。
前半は流動的に、ポジションを変えていました。
4人が、中央寄りでプレーし、サイドのスペースを空けていました。
ダイヤモンドのイメージでしょうか。
サイドのスペースは、オーバーラップしてくるサイドバックが使う。
レナトサンチェスは、右寄りでプレー。
ただ、この作戦が全く機能しない。
両サイドに、常に2枚の枚数をかけるポーランド。
ポルトガルは、サイドに人を配置していない。
サイドの攻防で、ポルトガルは常に後手に回ってしまった。
ポーランドの先取点は、ミスもありましたが、その典型。

ちなみに、ポーランド。
10番のクリホビアクがビルドアップの鍵。
味方のセンターバックの間に、落ちる。
センターバックを開かせます。
そして、両方のサイドバックを高い位置につかせる。
サイドを崩して、中央の二人に点を取らせる。
レバンドフスキーと、ミリク。
チームのストロングポイントを最大限に活かす。


後半、ポルトガルは、中盤の構成を変更。
戦い方も変更。
4人がフラットに並びました。
サイドバックとサイドハーフとの連携を高めました。
サイドの二人が、縦関係を強化しました。
この作戦変更が、大当たり。
サイドのスペースを埋め、バランスが良くなりました。

レナトサンチェスは、左にポジションを変えました。
流動的な動きはしません。
タッチラインいっぱいに開く。
開いてボールを受けて、攻撃の起点になる。
サイドバックと連携してサイドの攻防で有利に立つ。
前半とは全く違うタスクを平然とこなしていました。





彼、レナトサンチェスの気持ちの強さを感じるシーンが2つありました。
1つは、先制点のシーン。
その直前に、右サイドからクロスを上げています。
比較的、余裕があったのですが、精度が低く、クリアされました。
すると、中に走り込んでいた、キャプテン・クリスチャーノロナウド。
激しい形相で、叱責しました。
「なんだ!そのボールは!!」
「もっといいボールを上げろ!」
とでも、叫んでいたかのようです。

すると、さらに、ベンチからも叱責されるレナトサンチェス。
こちらもまた、強い口調で言われていました。
単なる指示を受けていた様子ではありません。

彼の気持ちの強さが見えたのは、この時です。
この後、すぐに、先制点が生まれます。
冷静に、豪快に、同点に追い付くシュートを叩き込みました。
すると、ベンチを指差しながら、叫んでいます。
「見たか!!」
そして、クリスチャーノロナウドとも、ガッチリとハグ。
その堂々とした態度。
18歳には、見えませんでした。

もう1つは、PK戦のシーン。
2番手のキッカーとして登場。
ポーランドサポーターが待ち構える、目の前。
サポーターが地面を踏みつけて、スタンドを揺らします。
ブーイングに口笛を、容赦なく浴びせます。
彼は、顔色1つ変えず、平然としていました。
左の上隅に、強烈に決め、サポーターを黙らせたのです。




彼は、18歳にして、プロの競争の場に、身を置いています。
世界で最もレベルが高いとされる、チャンピオンズリーグにも出ています。
もう、一人のプロ選手として、競争をしているのです。
周りの、大人たちも、あえて厳しく求めているのでしょう。
「もっと出来る」
「それではダメだ」
有望だからこそ、厳しく接する。
そして、彼自身も、それに応えていく。
こうして、成長していくのでしょう。
伝統ある国は、選手の育て方を知ってますね。
勘違いから、潰れてしまった選手など腐るほどいるでしょう。



レナトサンチェス。
今後、彼は、どのような選手に育って行くのでしょうか?
単な良い選手で終わるのか。
それとも、伝説的な選手に登り詰めるのか。
まずは、試合中に消える時間帯を減らさなくては。
とにかく、楽しみな選手の一人です。





posted by プロコーチ at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヒントを求めて

 アイスランド…人口33万人
ウェールズ…人口300万人
敗れましたが、アルバニア…人口280万人
ヨーロッパの中でも、か規模の小さい国々です。
さらに、人口はある程度いるものの、
大国の隣で、陰のようにひっそりとしていた国々。
ベルギー、やポーランド。



このような国々が、日本のヒントになるのではないか?
我々の代表は、世界に出れば、弱小国。
親善試合では頑張るものの、なかなか強国とは言い難い。
私たちの代表チームは、弱小国である。
自分達の置かれている立場を、冷静に見なければならない。






 目標を高くもつのは、大切なこと。
上を目指さない集団に、成長も、変化もありませんよね。
でも、それと、自分達の力を冷静に見極めるのとは、違う話し。
個人のパフォーマンスを最大限に高める。
それだけでは、試合に勝てない。
相手がある。
その相手次第で、求められる戦い方も違ってきます。







 今から、強国に立ち向かう国々の挑戦を観てきます。
そこには、必ずや、我々へのヒントがあるはずです。
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2016年06月25日

多様性

 コパアメリカとヨーロッパ選手権が同時に開催されています。

頑張って両方を追いかけていると、世界の広さを感じます。

情報化社会が進み、ネット環境が整った2016年。

世界のフットボールシーンが均質化していく?

南米もヨーロッパも、やっている試合は変わらないのではないか?

これは、私の杞憂のようです。

そんなことありませんね。

南米には南米の、ヨーロッパにはヨーロッパの独特のものがあります。









 条件によって、戦い方を変化させていく。

気候、対戦相手、勝ち点。

相手チームにボールポゼッションを取られるなら、低い位置にプレスラインを設定する。

得点を狙うなら、長いボールを積極的に使い、遠慮なくパワープレーに入る。

まるで、クラブチームのように、変化させていく。

そして、その流れをスムーズにするために、同じクラブから代表選手をピックアップする。

これは、今後の代表チームのトレンドになるのでしょうね。









 日本国内で、つい最近、このような話がありました。

試合を見ていないので、記事を見ての伝聞になってしまいますが、、、。

日本のトップリーグであるFリーグ。

あるチームの監督さんが、試合後に批判を展開しました。

「あのような試合をしていたら、日本のフットサルのためにならない。」

守備を固めて、長いボールを多用するチームに対して、強烈な批判です。

この監督さんの根底にあるのは、日本フットサルへの愛だと思われます。

ボールを大事にしながら、集団でプレーを行う。

プレーしている人間だけでなく、観客も引き込み、周りの人間も巻き込みたい。

日本フットサルを発展させるためには、これだ!

そのような熱い思い。

素晴らしい考え方だと思います。

自分のことだけでなく、フットサル界全体に対しても、思いをはせる。

そして、実行に移していく。

このような熱い思いを持ち、日々のチーム運営や指導に向かう。

素晴らしい指導者の下で、チームは強化されていくのでしょう。










 私は、違う考えを持っています。

日本らしい戦い方にこだわるあまり、多様性を失っているのではないか。

日本の選手たちは、サッカーもフットサルもボール扱いが巧み。

ボールを大切にしながら、相手を崩していく力は、相当のものだと思います。

アジアでは、間違いなくトップレベル。

世界にも、この部分は、迫っていく力を持っているでしょう。

ただし、少し違うことが起こると、対応できていない。

長いボールを、バンバン蹴り込まれる。

体のぶつけ合いに頼って、攻守にわたって1対1を仕掛けてくる。

サッカーなら、芝が悪い、天候が悪い。

すると、ガクンと落ちてしまう。

持っていたはずのチーム力を発揮できないのです。

まるで、温室のように恵まれた環境で育っている選手たち。

何度、アジアでの戦いで、後手に回っているのか?

日常、整った環境で、活動をしている。

対戦相手も、同じようなスタイルを指向している。

その中でのみ、力を発揮できる選手。









 世界に出ると、様々なことが起こります。

芝が悪い、ボールが悪い、レフェリングが悪い、対戦相手がボールをつながない。

力を発揮できず、敗れてしまう。

どこかに、言い訳にしている姿があるのではないか。

国内のトップレベルは、育成世代でもかなり良い環境でプレーをしている。

海外の劣悪な環境を、たくさん経験しておかなければならないのではないか。

環境の悪さに文句を言うのではなく、楽しむくらいの図太さや知性が欲しいですね。

そのためには、幼いころから、問題を解決する力を養わせるべきです。
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2016年06月17日

失点シーンを分析

 惜しくも1対2で敗れた、キリンカップ決勝戦。

ボスニアヘルツェゴビナは、良かったですね。

願っていた通りの、私の好みのチームでした。

ビッグネームは、欠けていたかもしれない。

やる気のない名前だけの選手よりも、やる気にあふれた選手。

目の前の相手に対して、ボールに対して執着心を出す。


勝負にこだわる対戦相手は、テストマッチにおいて、本当にありがたい存在でしょう。










 2失点ともに、ディフェンスラインの責任を問われています。

特に、吉田麻也。

現象だけを見ると、彼のプレーに問題があったように見えてしまいます。

例えば、1失点目。

彼が背後のヘディングに競り負けて、ヘディングシュートを打たれる。

こぼれ球を決められて、ゴール。

2失点目は、マークについていたジュリッチ選手にシュートを決められる。

先ほどとは違い、今度は地上戦で後手を踏んだ形です。









 吉田麻也の能力の低さ、試合勘の無さが失点につながった。

まるで、敗戦の責任者のような言われ方です。

こんなことを、語ったり、信じている限り、日本の守備力は上がらないでしょうね。

本当に、残念な論調です。

目の前の、目立つ現象だけを取り上げて、そこに責任を集約させる。

例えば、パスが通らなかったという現象。

すると、ボールを蹴った出し手が目立ちます。

「しっかりパスを出さないからだ!。」

まさか、それだけが、パスミスの原因だとは思いませんよね。

パスには出し手もいれば、受け手もいる。

そして、周りで動き出している選手がいる。

パスミスという現象の幾つか前に、ミスの原因が潜んでいる。

それと同じように、守備の場合も考えてほしい。

失点の原因は、守備が組織されていないこと。

組織が崩壊し、個人がさらされてしまった。

吉田が後手に回ったから、その理由だけで失点になったのではありません。








 例えば、1失点目。

失点シーンでは、たくさんの選手がミスを犯しています。

原因となる、直さなくてはならないプレーが、あちこちで見られました。

まず、長友選手。

ロングキックが出されそうになったら、半身の態勢を取り、DFラインを下げ始める。

それは、ボールホルダーのボールの持ち方や、フォームから予測します。

この時、受け手となる選手が、背後へのランニングを狙っているかも観察です。

長いボールを蹴られた時には、すでに自分たちの背後のスペースに向かったランニングをしている。

この個人戦術が、取れていなかった。

映像で確認しましたが、4人中、長友選手一人だけ、遅れてしまっています。

結果、日本の左サイドに、スペースを与えてしまいます。


 続いて、森重選手と長谷部選手。

二人が、ヘディングのこぼれ球に、同時に反応してしまっています。

ボールは、DFラインの前、中盤のラインが担当するスペースに落ちました。

正直、どちらがボールに向かっても、守り方はあったと思います。

でも、ここでは、二人がボールを拾ったジュリッチ選手に寄せています。

その結果、森重選手が元々いたスペースが、空いてしまった。

吉田選手と酒井選手との間にギャップ(裂け目)が生じてしまったのです。

二人でコミュニケーションを取り、どちらかが最終ラインに入れなかったのか?!




 酒井選手。

こうして、ギャップが生まれてしまったのに、無関心。

外の選手をマーク。

つまり、自分の目の前の選手のマークに、重きを置いてしまった。

そうすると、ギャップは解消されないままです。





 そして、問題のシーンになります。

ペナルティエリアの外、ゴール正面30Mから、ラストパス。

ふわりとコントロールされ、絶妙のボールが、最終ラインとGKとの間に入ります。

この瞬間、まさかの事態が起きています。

ゴール中央で、正しいポジションを取っているのが、吉田選手ただ一人。

長友、酒井選手の両サイドバック。

センターバックの相棒である森重選手。

誰一人、いないという、あり得ない状況なのです。




 そのためか、吉田選手はボールが蹴られる寸前に、ポジションを移動します。

中央寄りに、2歩ほどズレました。

これは、酒井選手とのギャップを埋めるため。

中央に絞るポジションを取ったのです。

結果として、この2歩が命取りになりました。

その裏にボールが出されたため、吉田選手はボールを触ることが出来ませんでした。

でも、この2歩は、DFなら当然の行動です。

仮に、もう一度このシーンが起きても、2歩絞ってポジションを修正すると思われます。




 最後のミスは、森重選手です。

自分のポジションから飛び出してまで、ジュリッチ選手にマークについた。

はずだったのですが、最後の瞬間では、マークについていません。

おそらく、自分のポジションに戻ることを優先したのだと思われます。

守備者としての嗅覚を存分に働かせて欲しかった。

ポジションに戻ることより、相手を抑えることを優先して欲しかった。

ゾーンのDFを知ってるだけに、森重選手は、このような行動をとりました。

このプレーもミスとは言い難いのですが、原則を破ってでも、最後までマークする選択肢はなかったのでしょうか。






 ちなみに、ラストパスが出た瞬間の枚数はどうなのでしょうか?

相手の攻撃のほうが枚数が多いのでしたら、エラーも起こりがちです。

日本の守備陣はフィールドが7人+GK。

一方のボスニアヘルツェゴビナの攻撃は、たったの5人。

これで、崩されてしまうのですから、問題は大きいですね。

試合後に、吉田選手が、言葉を選びながら、コメントしていました。

「最後のところでは競り勝たなきゃいけないけど」

「その回数を10回から8回、7回に減らすことによって確率も下がってくる。
また、そういうボールを出させないのも技術の1つ。
そういうところをやってかないとフィジカルだけでは僕らは難しいのかなと」

この言葉を、責任逃れからくる、言い訳ととってしまうか。

それとも、守備組織の向上を、守備への理解を求める、真の声だととるか?

どう思いますか?

一度、巻き戻して、この失点シーンを分析してみてください。

単純に競り負けたのが、悪い。

そのような分析結果を出してしまうのは、私は賛成できません






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2016年06月07日

落差

 今、熱い戦いが始まっています。

それは、キリンカップではありません。

キリンカップで来日したブルガリア。

メンバーは、揃えて来てくれたようですが、モチベーションが感じられない。

戦っていない。

目の前のボールや、相手に対する執着心を感じない。

特に、奪ってすぐの切り換わり。

奪われてすぐの切り替わり。

両方の切り替わりの局面で、走っていない。

その相手に、7点入れようが、何の価値があるのか?









 地球の裏側では、コパアメリカが始まっています。

今回は、100周年記念大会!ということで、アメリカでの開催。

盛り上がるのか?と心配していましたが、問題ありませんね。

移民の方でしょうか?彼らを中心に、スタジアムを盛り上げてくれています。

ピッチ上は、もっと熱い。

相手の骨ごと削り取るような、深いタックル。

相手の体を押し込みながら体を入れて、ボールをキープする。

毎試合のように、退場者が出ています。

決して褒められたことではありませんが、真剣度がすごいです。

観戦していない方も多いでしょうが、一度見るべきです。

キリンカップの戦いが、形だけのものだということが、バレてしまいます。










 キリンカップ決勝の相手、ボスニアヘルツェゴビナ。

私のお気に入りのチームの一つです。

敗れはしましたが、2014ブラジルワールドカップの戦い。

躍進したコスタリカや、アルジェリアに匹敵する力を見せてくれました。

まず、一人一人の技術レベル、戦術レベルが高さを感じました。

日本で育てば、テクニシャンとして、ちやほやされることでしょう。

でも、彼らが、技術レベルの高さに満足していません。

祖国、チームのために、気持ちをもって戦う。

戦術的行動をしっかり取る。

わがままにプレーしている選手は、ピッチ上に見当たらない。

いわゆる上手い選手が、チームのために走っている。

一番の価値観が、チームにある。

見ていて、気持ちいいチームでした。







 今回の試合が、あの時に見せてくれた、本物のボスニアヘルツェゴビナであることを願います。

すこしでも、地球の裏側での戦いとの差が縮まってくれますように。

観客の熱が伝わりやすい、吹田スタジアム。

ここで、テンション高い、本物の戦いを!
posted by プロコーチ at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする