2008年10月07日

ブラジルが持っているもの

 最近、南米のフットボールを見る機会が多々あります。
前にもご紹介した、テレビ解説。
次のお仕事も頂き、その準備も兼ねて、観る機会を増やしています。
さらには、フットサルのブラジルワールドカップも開催していますしね。

 最近観慣れていた、ヨーロッパの試合、Jリーグの試合。
これらが、私の頭の中での基準になっているようです。

 その基準からすると、南米、ブラジルの試合は明らかに異質のものですね。
画面に、グイグイと引きつけてくるものがあります。
もちろん、凡戦もあるのですが。

 
 その違いは、何なのか?
検証し、見比べてみました。
UEFAチャンピオンズリーグや、08ユーロの試合を引っ張り出しました。
特に、南米の選手が多数を占めないチームの試合をチェックです。

 スタジアムの雰囲気、ピッチの芝、審判の基準。
試合を取り巻くものも、違っています。

 
 試合内容でいうと、ヨーロッパが明らかに長けているものもありました。
サイドの使い方、DFの組織。
これらは、準備段階から、特に高めている部分なのでしょう。
チーム全体としての高い意識を感じました。
オフザボールの動き・・・ボールを持っていない選手の動き。

 
 一方、ブラジルが持っていて、ヨーロッパが持っていないもの。
ボールを持った時に発揮されます。
なぜか、DFが寄せきることが出来ない。
ボールを奪おうと、果敢にチャレンジすることが出来ないのです。

 よく観ると、細かいフェイントを、チョコチョコと入れています。
上半身を軽く揺する。
細かいステップを入れる。
ボールのタッチを微妙に変えて、ボールを出し入れする。
目を違う方向に向ける。
一目瞭然の、大きなフェイントを繰り返すわけではないのです。

 この細かいフェイントを入れながら、相手DFの出方をうかがっているのです。

 DFが寄って来なければ、縦方向に鋭いパスやドリブル突破。
意外な距離から、ミドルシュート。

 DFが食いついてくれば、無理をせずに後にスッと下げる。
横にさばく。
くいついて来た勢いを利用して、裏を狙う。

 ボールをコントロールしながら、相手DFの出方を観察しているのですよね。
そして、たくさんの引出しの中から、その場その場に合った適切なプレーを取り出す。
取りあえず、仕掛ける、行け行けではないのです。

 
 守備側にしてみれば、たまったものではないですよね。
行けば、外され。
待っていれば、決められ。
下手をすれば、攻撃側に完全に主導権を握られてしまうのです。

 攻撃側が主導権を握った試合。
その試合を観戦していると、おそらくこんな印象を持つはずです。
リラックスしてボールを、気持ちよく回しているな。
または、守備側が走り回らされているな。

 
 こういったプレーを観ていれば、あることを思い知らされます。
ボールを持っている選手は、王様。
絶対の自信を持って、ボールを扱う。
相手DFが来たからといって、びくびくしない。
だからこそ、周りのしもべ達も、王様を信じて走ることが出来るのです。

 ヨーロッパの選手たちも、自信を持ってプレーはしているはずです。
速いパス回しに、サイドを深くえぐるプレー。
ドリブルしながら、DFを変化させる。
これらは、間違い無く、王様達のなし得るプレー。

 ただし、そこには細かいフェイントは観られない。
大きいボールタッチの変化に、スピードの変化。
キレと勢いで勝負している印象が強いものです。

 その細かいフェイントが凝縮されているのが、フットサルのブラジル代表。
コートが小さく、試合時間が短かく走りきることができる。
その中で1対1の場面の繰り返し。

 ここでお互いの駆け引きが勝負を分ける。
そこでの大きな武器が、細かいフェイント。
相手の足を止め、ボールに食い付かせる。
そのやり取りが南米フットボールの一番の見所と言っていいでしょう。

 ボーっと観ていては、見過ごしてしまう。
大きなフェイントに目を奪われてしまう。
ボールを受ける前から始まっているこの駆け引き、細かい様々なフェイント。
それを探し出すのも観戦の楽しみかもしれません。


posted by プロコーチ at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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