5年ほど前から、お世話になっているグラウンドです。
日本によくある土の固めのピッチ。
管理の方から、連絡が入りました。
「芝生を育成中のため、スパイクは履かないで下さい」
フットサルシューズや、トレーニングシューズでプレーしてくださいとのこと。
養生中なら、しょうがない。
それほど期待せずに、当日を向かえました。
ところが、会場に着くと目を奪われました。
きれいな芝生が、広がっているのです。
さすがにこの季節なので、枯れた色をしていましたが・・・。
「このグラウンドに、きれいな芝が!」
正直、いい驚きがありました。
天気も良く、絶好のフットボール日和。
芝の上をボールが走る感覚も楽しめる。
寝転がっても、痛くないし、汚れない。
テンションも高くなりますよね。
いざ、トレーニング、試合を始めると問題がありました。
みんな、足を取られてしまうのです。
「ツルッ」
「ずるっ」
とっさの動きで、方向を変える瞬間。
ダッシュをしようと走り出した瞬間。
キックをしようと、踏み込んだ瞬間。
つまり、力を入れようとしたその時に、足を滑らせているのです。
結局、足を滑らせないように、こわごわとプレーしているように感じました。
私も、少しプレーしてみました。
走る、方向転換は大丈夫でした。
キックの時は、こわごわと・・・。
その姿を見て、思い出したことがあります。
2001年3月、日本代表のフランス遠征。
メンバーを揃え、本気のフランス代表と、親善試合がありました。
前年のモロッコで行なわれた試合で、2対2の引き分け。
その善戦があったため、ほのかな期待を抱いていましたよね。
日本代表も強くなっている。
もしかすると、今回もいい試合をしてくれるのではないか!?
その淡い期待は、もろくも打ち破られました。
0対5の敗戦。
圧倒的な力の差を見せつけられての敗北となってしまいました。
その当時に、盛んに言われたのが、フィジカルの差。
環境に適応する能力の差です。
試合当日のピッチは、大雨でグチャグチャ。
そんな厳しい環境の中でも、フランスの選手たちは平然とプレーをしている。
一方の日本代表は、足を滑らせたり、ボールを後ろにそらしたりしている。
唯一、中田英寿選手だけが、普段どおりのプレーが出来ていた。
日本のトップレベルの選手たちは、きれいな芝生のピッチでしかプレーしていない。
一方のヨーロッパの選手たちはどうなのか?
意外と、ぐちゃぐちゃのピッチでトレーニングや試合をしているのです。
ヨーロッパの冬は天候がよくない。
雨や、雪で、いたんだピッチ。
そこでのプレーが、当たり前になっているからです。
同じような現象は、今年の夏にも見られました。
北京オリンピックのサッカー日本代表です。
荒れたピッチに、戸惑う選手たち。
早過ぎる敗退は、ピッチの適応できなかったこともいくらかあるのでしょう。
先日参加した、指導者講習会。
そこでのお話した、大場コーチに教えていただいたエピソードが参考になります。
大場コーチが、ブラジルのフラメンゴに留学していた当時のことです。
「フラメンゴのトレーニングするピッチは、ぼこぼこ」
「多分、お金がなかったんだろうね」
「ただし、トレーニングする時には、全員イボシューだったよ」
(トレーニングシューズ・・・いわゆるトレシュー)
「紅白戦になって、初めてスパイクを履いてたよ」
「俺ら日本人は、足をよく取られて滑ってた。」
「ブラジル人は、普通!にプレーしてるんだよ。」
「あれで、筋力がつくのだろうね」
科学的に、計算されない部分なのかもしれない。
そもそも、そんなデータは誰もとっていないでしょう。
科学的に、理論的に、効率的に。
そんなトレーニングを追及しすぎると、ひ弱な選手が育ってしまう。
あえて、非効率な、非科学的なトレーニングをさせる。
大場コーチは、実際にJの下部組織で取り組んでいるそうです。
たくましい選手を育てるための工夫ですよね。
イボシューを履かせているかどうかまでは、聞きそびれてしまいました。
それでも、様々な工夫をトレーニングにちりばめて、メニューを組んでいる。
参考になる、貴重なエピソードを教えてくださった大場コーチに感謝。
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