2009年01月23日

守備の目的を

 守備の目的を忘れてはいないか?
何のために、守備をしているのか?
それを常に発揮できれば、最高の守備が出来るはずです。

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 フランクフルト所属の稲本潤一選手は、2001年から海外での経験を積み重ねています。
不遇の時期もありましたが、ここ2・3年は自分のポジションを獲得しているようです。

 彼のポジションは、守備的なミッドフィルダーです。
ミドルシュートに、30〜40M先への正確なフィード。
奪ったボールを持って、一気に攻め上がり、ゴールに絡んでいく。
攻撃の能力も併せ持ち、攻守両面に能力を発揮する、素晴らしい選手です。

 とはいえ、一番の勝負どころは、守備にあると思います。
特に、海外でも当たり負けない。
それどころか、相手を封殺する強さに速さ。
今や、中盤でのエースキラーとして、信頼を得ているようです。

 あの、ボールを奪いに行く局面は、特に素晴らしい!!
日本人でも、あそこまでボールを奪いきることが出来る。
足先のDFや、立ち止まっての様子見ではない。
彼の守備は、我々のよいお手本です。
 
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 彼の対峙する相手は、相手チームのエースクラス。
ポジション的に、相手のトップ下(オフェンシブハーフ)とのマッチアップ。
助っ人選手を始めとする、各国の代表選手たちを相手にしている。
何を考えながら守備をしているのか!?
気になる部分でありました。

 稲本選手が、インタビューに答えていました。
…相手をマークする時に、何に一番気をつけていますか?
「相手を振り向かせないこと」

 この答えを聞いて、個人的にビックリしました。
もっと、アグレッシブな答えを想像していたからです。
「振り向かせない」となると、相手の後ろにへばりつくだけ?
稲本選手は、決してそんな消極的なDFをしてはいないのですよ。
ボールを奪いに行かないの?

 その後、ドイツでの試合中の映像が流れました。
それを観て、私の誤解だということが、一目で分かりました。

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 簡単に解説します。
相手トップ下にボールが入る。
ここで前を向いたら、スルーパスにシュートにドリブル。
何でも自由に出来る、美味しいスペースです。
稲本選手は、あえて数M後ろ(自分のゴールサイド)で待機しています。
(もちろんインターセプトは出来ないタイミングだからです)

 相手のトップ下はこう思うのでしょう。
「俺をマークする稲本がすぐ近くにいない、ボールをトラップし、前を向くチャンス」
前を向くために、一瞬ボールをさらしてしまう。
マークがゆるいから、ボールを隠す(スクリーニング)する必要を感じないのです。

 その瞬間、稲本選手は、猛然とボールに寄せていくのです。
グンとスピードを上げて行きます。
襲い掛かっていくかのように、一気に距離を詰める。
そして、ボールと相手との間に足も身体もねじ込みます。
そのまま、攻撃に切り替えて行くのです。

 ボールを奪われた選手は、あぜんとなってしまいます。
もしくは、ちょっとしたパニック状態に陥ってしまっています。
いるはずが無い稲本選手が、なぜここに!?
気づいた時には、距離を0にされているのですから。

 稲本選手の言う「振り向かせない」という意味はこういうことなのです。
「振り向かせない」どころか、「振り向いた時は、すなわちボールを奪う時」
わざと、振り向かせる状況を仕向けて、ボールを奪ってしまう。

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「日本人はこれが出来ない。」
指導の現場で、よく話題に上る部分です。
ボールには寄せていくものの、距離を詰めきれない。
ボールを保持したその背中について、振り向かせない。
そこで止まってしまっているのです。

 寄せきる、距離を0にする、ボールを奪う。
こういったボールを奪いに行くためのプレーが少ないのです。

 だから、相手攻撃にとっては、怖くもなんとも無い。
守備組織は出来ている。
カバーもある。
ボールにも寄せている。
では、いつボールを奪うのか?
もう一歩、あと一歩はいつ距離を詰めるのか?

 攻撃の指導では、「相手との駆け引き」は盛んに言われだしました。
最近のはやり言葉にも感じられるほどです。
それにしても、ものすごく大事なことですよね。
相手あってのゲームですからね。

 では、守備の局面での駆け引きは、どうするのか?
抜かれることを恐れる、弊害が出ているのでしょう。
それは、指導者も選手も双方にです。

 確かにアプローチの原則では、相手がボールにファーストタッチをした瞬間に止まろう。
両足を地面につけ、対応できる状態にが正解です。
では、その先は?
どのようにすれば、稲本選手のようなボール奪取が出来るようになるのか?

 もちろん、選手の工夫、コーチの環境作りですよ。
ボールの奪い合いが無ければ、フットボールではない。
目の前の選手とのやっつけ合いが、このスポーツの原点ですよ。


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 ボールを奪い、ゴールを守ること。
そして、奪ったら、攻撃に向かうこと。
相手のミス待ちでは、良い攻撃につながらない。
ただ、寄せていくだけでは、簡単にかわされて、シュートを打たれてしまう。

 守備の目的を忘れてはいないか?
何のために、守備をしているのか?
それを常に理解し、表現できれば、最高の守備が出来るはずです。

posted by プロコーチ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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