2009年02月27日

一つのチームの中に、

 UEFAチャンピオンズリーグが再開されました。

決勝ラウンドに進んだ16チームのレベルは、高い。

世界最高峰のカップ戦とされるだけの、水準でした。

そうなると、自分たちのやりたい方法を押し付けるだけではすまないようです。


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 相手の長所(ストロングポイント)を消していく、試合運びがあります。

マークを徹底的にするか、スペースをつぶし続ける。

自分たちの良さ(ストロングポイント)を出すことは、二の次にしてです。


「作り上げることよりも、壊すことは簡単」

攻撃を組織するよりも、守備は簡単。

家を建てるのは難しいが、壊すのは一瞬。

オシムさんの言葉です。

他にも、何人もの指導者やプレーヤーが、同じような言葉を残しています。


 裏を返せば、守備的に試合を進めてリスクを排除していく。

一瞬のカウンターやフリーキックに掛けて行く。

0対0、もしくは1対0での勝利を目指す。

リアリストと呼ばれる人々の志向する、戦い方です。


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 ところが、最近はこういった考え方だけ!で試合を進めるチームが、減少傾向にあります。

攻撃側優位のルール変更が、何度も行われています。

そして、用具の進歩によって、GKやDFは対応が難しくなっています。

昔は、無回転のブレ球なんて、無かったですよ。

ミドルシュートのレンジも、明らかに広がっています。


 南米系、アフリカ系の選手の「個の力」は圧倒的ですらあります。

ボスマン判決以降、その人数は増すばかり。

11人中、自国選手は1人、2人というのも珍しくありません。

 守ろうと思っても、守りきれないのが現状なのではないでしょうか。

イタリア勢に、ドイツ勢が優勝できていません。

セミファイナルに残るチーム数も少ないですよね。



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 改めて、何が起こっているのか?

これを確認するために、8試合全てをテレビ観戦しました。

次のような傾向があったように思います。


 
 ゲーム序盤の立ち上がりは、ガンガンにプレッシャーを掛け合う。

これが、前半の15分から30分あたりまでは続くのです。

その時間帯の傾向として、選手がヘタに見えてしまいます。

トラップミスや、パスミス、適当なロングフォワードパスが増えているからです。

おそらく、テレビで観るよりも、速く強烈なプレッシングがあるのでしょう。


 特に、攻撃から守備への切り替え(トランジション)は速い!

誰もが、奪われた瞬間に、守備を開始します。

下がらずに、その場から。

甘えの許されないフットボールとは、このことなのか。

思い知らされる時間帯であります。

この時間帯のコンセプトは、相手の良さをつぶす、壊すことでしょう。
 


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 その時間帯を過ぎると、ようやく試合が落ち着いてきます。

意図のある展開や崩しが、数多く見えるようになってくるのです。

スピードに乗った、サイドの崩し。

中盤の選手がボールに触りながらの展開。

3人目、4人目がボールに係わってくる。

オッ、オッと画面に引き込まれる回数が増えるのもこの時間帯です。

攻守共に、バランスの取れている、安定している時間帯ともいえるのでしょうか。



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 そして、後半も15分20分を過ぎると、お互いの疲れがピークになる。

全体的に間延びしてくる。

前半から飛ばしたツケが回ってくる時間帯です。
 

 ここで、各選手の個人技が輝いてきます。

選手同士のコンビネーションも、さらに見られます。

彼らは、プレッシャーがゆるくなると、本当に巧い、すごい。

これを出させたくない、気持ちがよく分かります。


 監督が、交代のカードを積極的に切る時間帯でもあります。

大きく試合が動く、もしくは動かしたい。

調子の出ない、足の止まった選手を外に出す。

取っておいた、攻撃的な選手を投入する。

もしくは、守備的に進めるための、新たなプレッシャー役の選手の投入。

勝ってるチームは、徐々に試合を終わらせようと、テンポを落とすこともあるでしょう。


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 その幾つもある、時間帯に合わせた戦い方を、平然と行う。

我慢すべきは、我慢する。

ガンガン行く時は、遠慮なく行く。

時間をゆっくり使う時は、ゆっくり行く。


 一つのチームなのに、複数の戦い方を試合の中で変化させていく。

これが、トップトップのチームの、最大の特徴に感じました。

もちろん、様々な展開はあります。

今回挙げたのは、一例にしか過ぎないでしょう。

ポイントは、自分たちで戦い方を変化させることが出来る!そのことです。

一つの戦い方しか出来ないチームは、これ以上の進出は、厳しいとも言えます。

 良くあるのは、ホームとアウェイとで、戦い方を変える。

試合の中で変えるとしたら、前後半のところ。

せいぜい、選手交代をきっかけにするやり方。

フォーメーションを変え、戦い方もシフトチェンジする。


 それが、全く違うチームに見えるほど、戦い方を変化させていく。

フォーメーションも変わっていないのにもかかわらず、システムを変更させていく。

チームの熟成度もあるでしょう。

私はそれに加えて、一人一人の試合を読む目。

この能力の素晴らしさを感じました。



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 フットボールが巧い、レベルが高いとは、この部分かもしれない。

我々には、大局的にゲームを読む力が足りていないのではないか。


 ではどうすれば、その能力を育てることが出来るのか? 

自分がそれをつかめたところで、それをどのように伝えることが出来るのか?

自分のチームの試合を観ていて「嫌な感じがする」

その逆に、「今、いい流れが来そう」

長年指導していると、それは感じれるようになってくるのです。

毎回感じれれば、勝負師と呼ばれる名将なのでしょう。


 自分が感じれれるのと、伝えるのは、話が大きく違ってきます。

答えは、霧の中でボンヤリとしか見えません。

新たな課題を、抱えてしまいました。

posted by プロコーチ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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