2010年04月23日

間合いで勝負。

 誰も止めることが出来ない!

それほどキレキレだった、FCバルセロナのメッシ。

ドリブル突破に、決定的なパスで、チームにチャンスをもたらす。

さらに今シーズンは、ゴールを量産。

1試合に2得点、3得点、4得点。

まさに、手をつけれない状態、のはずでした。

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 UEFAチャンピオンズリーグのセミファイナル、インテル対バルセロナの1stレグ。

この試合では、大した見せ場を作ることすら、出来ませんでした。

ゴールも、アシストも無し。

さらには、ドリブルで相手をぶっちぎる、お得意のプレーすら数えるほど。





 サイドの高い位置で、前を向いて1対1!

そんな、最もドリブルが生きるであろう局面でも、相手DFを突破することが出来なかった。

特に、インテルのサイドバック、サネッティには、やられ続けていました。

なぜ、サネッティは、メッシを止めることが出来たのか?

同郷だから!それだけの理由で、あのメッシを封じ込めれるものではありません。






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 メッシのドリブルの特徴は、いくつかあります。

・カラダのすぐ近くにボールを置いたまま、たくさんボールタッチをする。

・しかも、トップスピードに乗ったまま、ボールタッチ数を減らさない。

・足首だけで、方向を急激に変えることが出来る。

・顔を上げたままドリブルするので、相手DFの状態(重心や間合い)を観察できる。





 もう1つ、大きな特徴があります。

相手DFの間合いを理解しながら、ドリブル突破を仕掛けている。

言い換えると、相手DFの足が届く範囲、対応可能な距離を認識している。

そして、相手が足が届くか届かないかの、ギリギリのところで、ボールを出し入れする。






 まるで、鮎の友釣りのようなものです。

鮎には、自分の縄張りがあり、その縄張りを守る習性がある。

自分の縄張りに入ってきた鮎を攻撃に行くと、まんまと釣られてしまう。

鮎の習性を利用した、友釣りです。

メッシのドリブルは、DFの習性を利用したものと言えるのではないか。






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 メッシのドリブルを止めるために、よく見られるのがダブルマークです。

サイドバックが、前に立ちふさがり、バックステップを踏みながら、時間を稼ぐ。

その間に、中盤の選手(守備的MF、もしくはサイドハーフ)が挟み込むように近付く。

1対2の状況を作る。

そうして、チャンスがあればボールを2人掛かりで奪いに行く。

最低でも、メッシにドリブルをあきらめさせる。

このダブルマークが、メッシ封じの定番でした。






 そうでもしなければ、止められない。

DFが下がれば、方向を変え、中央に切り込んで、シュートを決める。

DFが奪いに来れば、待ってましたとスピードアップして、抜き去ってしまう。

こうなれば、カラダごとぶつかって、止めるしか方法は無い!?

トップレベルのDFでさえ、反則覚悟の対応をしていました。
 
だから、2人掛かりで、3人がかりで止める姿を、何度も目にしました。





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 サネッティの対応は違いました。

ダブルマークに持ち込むのではなく、1人で止めてしまいました。

不用意に間合いを詰め、飛び込むことはしない。

もちろん、可能性の低い、一か八かのスライディングタックルに頼ることもなく。





 まず、メッシを自分の間合いまで誘い込みます。

半身の姿勢で腰を落とし、ステップを踏みながら、じっくりと対応しています。

このあたりの対応は、同郷であるから、メッシのドリブルの特徴は、充分に理解してのことでしょう。




 
 ここからが、見事な駆け引きでした。

メッシが、仕掛けようとする寸前に、自分の足をグッと前に差し込む。

ボールタッチと、ボールタッチの僅かな間に、足を差し込むようにスタンティングタックルです。

コンマ何秒しか無い、その瞬間を逃さない。

ボールはメッシの足元を離れ、サネッティの側に残りました。





 メッシにしてみれば、相手DFサネッティの足は届きそうで届かない。

絶妙な間合いで、いざ勝負。

そんな自分が主導権を握った駆け引きをしているはずなのです。

ところが、実際は、すでにサネッティの間合いに入ってしまっていた。

抜き去っているイメージなのでしょうが、実際は奪われしまっている。





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 サネッティは、ベテランらしい工夫を加えていました。

ただ足を前に差し込んでいるわけではない。

必ず、半身で構えた、前側の足を差し込んで、スタンティングタックルをしています。

利き足ではなく、前側の足。

これが大きなポイントです。




 ついつい、得意な足(右利きならば右足)でタックルしてしまう。

半身で構えた時に、右足が前にあれば、そのままでいいのです。

ところが、右足が後ろにあった場合だと、それでは困ってしまう。

後ろ側の足だと、足を出すまでに時間が掛かってしまう。

何よりも、ゴールを背にして守り続けるためには、後ろ側の足を軸足に残しておきたい。

後ろ足でタックルして、外された場合、不必要なステップを強いられてしまう。





 前側の足で、間合いを詰める。

前側の足で、突っつく。

後ろ側の足を、軸足にすべく残しておく。

この細かいサネッティの配慮。

ドリブルに対する応対の、お手本と言えるパフォーマンスでした。







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 試合の後半には、同僚マイコンの負傷退場もあり、左サイドバックから右サイドバックに。

何事もなかったかのように、右サイドで仕事をしていました。

改めて、彼の能力の高さを思い知らされました。

インテルというビッグクラブで500試合も出続けているのは、名前だけではありませんでした。





 メッシも、同じやられ方はしない!そう誓っているでしょう。

カンプノウでの2ndレグ。

ボールを挟んでの間合い。

そして、そこでの駆け引きは見ものです。
posted by プロコーチ at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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