2010年05月25日

健全な競争

 風薫る5月です。

体育の秋とは言いますが、この季節の方が気持ちいいのでは?

湿度が少なく、爽やかな気候だと、カラダを動かしたくなります。

私の時代、運動会と言えば、秋!だったのですが。

最近では、学校の運動会も春に開催することも多いようです。


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 ある小学校の運動会を見学してきました。

校庭の中央にあるトラックで、陸上競技が行われます。

他にも、創作ダンスや、組体操、応援合戦なども披露されます。

その周りに、待機の児童が声をあげて応援しています。

先生や父兄、近隣住民なども、温かく見守っています。

その光景は、我々のころとなんら変わらないものです。






 心配していたことがあります。

運動会であっても、競争を重視しない。

ゆとり教育は終わりを迎えるものの、子供同士の間に差が生まれないように配慮する。

カラダを動かすことが大好きなはずの子供たちが輝く場所では、無くなっている。

報道などで、耳にしていたからです。

国際競争力が低下した原因を、このようなところに求める声も。








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 私が実際に目にした光景は、そうではありませんでした。

ゴール前でビリの子供を待って、手をつないでゴールする。

そんな予定調和など、一切ありません。

小さなカラダを振り絞って、パワーや情熱を、運動会に注ぐ。

当たり前のようで、少しほっとする、子供たちの姿でした。





 徒競走で1番になれば、1番の待機場所に誘導されます。

2番なら2番、ビリならビリの待機場所です。

1番になった子供たち。

誘導係に、金色の1番シールを貼ってもらう。

誇らしげで、晴れがましい表情。

こんなところからも、生きていく自信が生まれてくるのでしょう。

この自信が、自分を肯定するパワーに変わって行く。





 悔しい思いをしたら、それをバネに強くなる。

リバウンドメンタリティを手に入れるチャンス!

周りのサポートが必要かどうか、見極めたい。

一緒になって、悔しがるだけでいい時もありますから。

励ましたり、なぐさめるだけが、フォローではない。







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 クラス対抗のリレーも行われていました。

クラスで数人の選ばれたメンバーだけが、出場するようです。

午前の部最後、午後の部最後に行われ、盛り上がる種目のようでした。

選手たちは、もちろん一番を目指して、必死にバトンをつないでいきました。





 私は、少し気になることがあったので、学校の方に質問してみました。

「リレーの選手は、どのように決めているのですか?」

我々の頃は、クラスで一番速い人間が、当然のようにリレーの選手になっていました。

決定戦をしてメンバーを決めることもあれば、50M走のタイムで決めることもありました。

さて、現在は?






 「クラスによって違いますが、」の前置きの後、丁寧に答えてくれました。

「全員が一列になって競争して決めたクラスもあれば、50M走のタイムで決めたクラスもある」

「とにかく、速い子を選抜してます」

「そして、昼休みにリレーの練習を何度もさせて、本番に臨んでいます」

そう、本気も本気なのです。

心の底から安心しました。

見せ掛けだけ、競争させているわけではなかったからです。

純粋に、子供たちが能力を発揮しようとしている。

先生方も、そのサポートをしている。

そこには、まっとうな競争がありました。







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 運動が、苦手な子は、つらい一日を過ごしたかもしれません。

その子供には、大人のフォローが必要なこともあります。

出来なくても、真剣に取り組むことの素晴らしさ。

自分たちの代表を応援する意義。

最後まで駆け抜ける重要さ。

1番になることだけが、運動会の全てではないことを伝えてあげたい。






 そして、ビリになった子でも違うステージで輝ける可能性があります。

勉強や文化祭、係活動、委員会など、学校生活は、運動会で無い日の方が多い。

決して、卑屈になることなどない、と気づかせてあげる。






 小さな事件がありました。

リレーの時に、転んで順位を落としてしまった子供がいました。

しかも、1位になりそうなその瞬間に、すっ転んでしまった。

リレーの待機場所で、沈んだような、悔しそうな顔で、リレーの続きをボーと見ていました。

すると、そこに近付く影があるのです。

チームも、学年も、性別も違う、何の接点も無い子供です。

(後で、確認してみました)

その子は、肩をたたきながら、何か言葉を掛けて、励ましているようでした。

次の瞬間、沈んでいた子供は、前を向いて応援を始めたのです。

これ以上、何一つ説明のない、小さくほほえましい事件でした。






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 スポーツでの競走は、健全な競争である。

健全で真剣な競争を通してのみ、得られる体験があるのでしょう。

我々大人は、変にびくびくする必要はないかもしれない。

子供たちは、強い。

子供たちだけの環境なら、自然に役割分担も生まれて行く。

大きく踏み外しそうな時に、助けになれれば。






 フットボールの世界ではどうか。

健全で、真剣な競争が行われているのか。

コーチは、その環境を整備しているのか。

競争の中でも、子供たちを温かく見守り、励まし、働きかけれているのか。

競技を教えるだけではなく、人生に関わっていることを忘れてはならない。

この文章に自戒を込めて。
 
posted by プロコーチ at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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