2011年02月22日

遠藤がすごい、

「ガンバ大阪。」 

Jリーグで一番良いチームは?と聞かれた、山形の小林監督の答えです。

攻守に渡って、今、一番良いチームである、と小林監督は考えているそうです。






 スカパーで、Jリーグの情報番組を観ていました。

MCの野々村さんと、モンテディオ山形の小林監督が、 対談していました。

2人の信頼関係があるのか、ざっくばらんに対談が行われ、面白い話が聞けました。

その中で、冒頭のやり取りが出てきました。

一番良いチームは、ガンバ大阪。

さらに、遠藤がやはり、中心になっているとのこと。






 小林監督が、ガンバ遠藤のすごさを、語ります。

「縦パスが違う」

「1つ横パスを出してる間に、FWが変なところに走っている。」

「DFの壁の後ろをぐるーっと回って、普通、そんなところに走らんやろ。」

「何でそんなところに、そこに縦パスが出る。」

常に、広い視野を保ちながら、プレーを行っている、遠藤。

だからこそ、様々なアイデアを出せる。

そのアイデアを実行する、高い技術を兼ね備え、チームの中心的な役割を担っているのです。






 そして、遠藤のキックについて、触れていました。

「遠藤は、キックの時に下を向かない。」

「PKの時も、ショートコーナーの時も。」

キックの瞬間は、ボールを見て、インパクトしようとするものなのですが。

「遠藤は、顔を上げたまま、フイッと。」

「じいさん走り、ばあさん走りで、」

肩をいからせ、背中を丸めたポーズを取りながら、ユーモラスに説明していました。

冗談交じりではあるのですが、遠藤の技術力の高さに感服している様子でした。

J1チームの現役の監督が口にするくらいなのですから、別次元の高いレベルにあるのでしょう。









 私は、7・8年ほど前に、この技術を目の当たりにしたことがあります。

芸能人、サッカー関係者が多く集まる私設リーグが、横浜で行われていました。

縁あって、その中のあるチームに呼ばれて、私も参加していたのです。

そして、対戦相手に、すごく有名な元プロ選手がいました。

現役当時は、日本代表(10番を背負っていました)で、誰もが憧れた、あの選手です。

運動量こそ落ちているものの、ボールコントロール、広い視野、キックの精度はすごい。

足元にボールが入れば、中盤の将軍として、周りとの違いを見せつけてくれます。







 私は、対戦相手のセンターバック。

ものすごい、緊張感を持って、その試合に臨んでいたのを、今でも憶えています。

対戦相手は、中盤の将軍だけではなく、何人も元プロ選手や、フットサルのトップ選手が活躍。

気を抜いた瞬間に、あっという間にやられてしまうからです。

劣勢に進む試合で、あるシーンが訪れました。

私の左側にいるべきサイドバックが戻りきれておらず、相手にスペースを与えてしまっていました。

ピンチの予感がします。




 相手がそれを見逃さず、選手の1人が左のスペースに走りこみます。

中盤の将軍が、右のアウトフロントでパスをしようとしました。

ボールを蹴ろうとしている面が、アウトフロントで作られているのを確認したのです。

私は、一連の動きを観て、スッと左のスペースをカバーリングしようと先読みしました。

内心、「読み勝った!獲れる!」と確信していました。

なにせ、中盤の将軍は、キックの体勢に入って、足を後ろに振り下ろし始めていた。

もう、左のスペースにしか蹴れない!はずでした。






 ところが、次の瞬間、将軍が動きを変えたのです。

右のアウトサイドから、右のインフロントにとっさに変え、正面への縦パスに切り替えたのです。

そう、私の動きを20〜30M向こうから察知し、左から、正面にパスの出し先を変更。

私は逆を取られ、一番出させてはならない中央へのパスを許してしまったのです。







 あまりのことに、私は何が起こったのか、最初は理解できませんでした。

将軍は、キックのフォームに入って、バックスイングを終え、振り下ろし始めていました。

普通なら、完全に、ボールを注視している段階のはず、でした。

それなのに、キックの行き先を変更してきた。

つまり、ボールを見ずに、DFの動きや、味方の動きを、まだ観ていた!

10M先へのインサイドキックならまだしも、20〜30M先へ、浮かしてボールを蹴る。

その瞬間に、ボールを見ていない!!

そして、アウトフロントでもインフロントでも、キックのフォームが変わらない。

ボールの置き所が変わらないことも、同時に意味しています。

同じフォームで、違うキックを蹴り分けることも、高い技術が無いと、簡単ではありません。

中盤の将軍の技術力の高さ、現役を引退して10年を過ぎていても、健在でした。






 「やられた!さすが!」

失点してしまったのですが、良い経験をさせてもらった。

私は、相当の負けず嫌いなのですが、その時ばかりは、悔しさよりも、楽しくなってしまいました。

未だに、良い思い出として、私の頭に残っています。

世の中には、ボールをほとんど観ずに、正確なミドルパスを通してしまう選手がいる。

同じフォーム、同じボールの置き場所で、様々なキックを蹴り分けられる選手がいる。

もしこのことが可能なら、かなり、試合で有利に振舞えますよね。

ボールから、自由になる技術力の高さは、大きな武器です。
posted by プロコーチ at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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