「ガンバ大阪。」
Jリーグで一番良いチームは?と聞かれた、山形の小林監督の答えです。
攻守に渡って、今、一番良いチームである、と小林監督は考えているそうです。
スカパーで、Jリーグの情報番組を観ていました。
MCの野々村さんと、モンテディオ山形の小林監督が、 対談していました。
2人の信頼関係があるのか、ざっくばらんに対談が行われ、面白い話が聞けました。
その中で、冒頭のやり取りが出てきました。
一番良いチームは、ガンバ大阪。
さらに、遠藤がやはり、中心になっているとのこと。
小林監督が、ガンバ遠藤のすごさを、語ります。
「縦パスが違う」
「1つ横パスを出してる間に、FWが変なところに走っている。」
「DFの壁の後ろをぐるーっと回って、普通、そんなところに走らんやろ。」
「何でそんなところに、そこに縦パスが出る。」
常に、広い視野を保ちながら、プレーを行っている、遠藤。
だからこそ、様々なアイデアを出せる。
そのアイデアを実行する、高い技術を兼ね備え、チームの中心的な役割を担っているのです。
そして、遠藤のキックについて、触れていました。
「遠藤は、キックの時に下を向かない。」
「PKの時も、ショートコーナーの時も。」
キックの瞬間は、ボールを見て、インパクトしようとするものなのですが。
「遠藤は、顔を上げたまま、フイッと。」
「じいさん走り、ばあさん走りで、」
肩をいからせ、背中を丸めたポーズを取りながら、ユーモラスに説明していました。
冗談交じりではあるのですが、遠藤の技術力の高さに感服している様子でした。
J1チームの現役の監督が口にするくらいなのですから、別次元の高いレベルにあるのでしょう。
私は、7・8年ほど前に、この技術を目の当たりにしたことがあります。
芸能人、サッカー関係者が多く集まる私設リーグが、横浜で行われていました。
縁あって、その中のあるチームに呼ばれて、私も参加していたのです。
そして、対戦相手に、すごく有名な元プロ選手がいました。
現役当時は、日本代表(10番を背負っていました)で、誰もが憧れた、あの選手です。
運動量こそ落ちているものの、ボールコントロール、広い視野、キックの精度はすごい。
足元にボールが入れば、中盤の将軍として、周りとの違いを見せつけてくれます。
私は、対戦相手のセンターバック。
ものすごい、緊張感を持って、その試合に臨んでいたのを、今でも憶えています。
対戦相手は、中盤の将軍だけではなく、何人も元プロ選手や、フットサルのトップ選手が活躍。
気を抜いた瞬間に、あっという間にやられてしまうからです。
劣勢に進む試合で、あるシーンが訪れました。
私の左側にいるべきサイドバックが戻りきれておらず、相手にスペースを与えてしまっていました。
ピンチの予感がします。
相手がそれを見逃さず、選手の1人が左のスペースに走りこみます。
中盤の将軍が、右のアウトフロントでパスをしようとしました。
ボールを蹴ろうとしている面が、アウトフロントで作られているのを確認したのです。
私は、一連の動きを観て、スッと左のスペースをカバーリングしようと先読みしました。
内心、「読み勝った!獲れる!」と確信していました。
なにせ、中盤の将軍は、キックの体勢に入って、足を後ろに振り下ろし始めていた。
もう、左のスペースにしか蹴れない!はずでした。
ところが、次の瞬間、将軍が動きを変えたのです。
右のアウトサイドから、右のインフロントにとっさに変え、正面への縦パスに切り替えたのです。
そう、私の動きを20〜30M向こうから察知し、左から、正面にパスの出し先を変更。
私は逆を取られ、一番出させてはならない中央へのパスを許してしまったのです。
あまりのことに、私は何が起こったのか、最初は理解できませんでした。
将軍は、キックのフォームに入って、バックスイングを終え、振り下ろし始めていました。
普通なら、完全に、ボールを注視している段階のはず、でした。
それなのに、キックの行き先を変更してきた。
つまり、ボールを見ずに、DFの動きや、味方の動きを、まだ観ていた!
10M先へのインサイドキックならまだしも、20〜30M先へ、浮かしてボールを蹴る。
その瞬間に、ボールを見ていない!!
そして、アウトフロントでもインフロントでも、キックのフォームが変わらない。
ボールの置き所が変わらないことも、同時に意味しています。
同じフォームで、違うキックを蹴り分けることも、高い技術が無いと、簡単ではありません。
中盤の将軍の技術力の高さ、現役を引退して10年を過ぎていても、健在でした。
「やられた!さすが!」
失点してしまったのですが、良い経験をさせてもらった。
私は、相当の負けず嫌いなのですが、その時ばかりは、悔しさよりも、楽しくなってしまいました。
未だに、良い思い出として、私の頭に残っています。
世の中には、ボールをほとんど観ずに、正確なミドルパスを通してしまう選手がいる。
同じフォーム、同じボールの置き場所で、様々なキックを蹴り分けられる選手がいる。
もしこのことが可能なら、かなり、試合で有利に振舞えますよね。
ボールから、自由になる技術力の高さは、大きな武器です。
2011年02月22日
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