攻撃の目的は?
これに対する答えは、もう既知の通り。
「ゴールを奪うため。」
「シュートを打つため。」
この2つが、模範解答といえます。
どちら?と言われても、それはコーチの主義主張によって、割れるところではあります。
試合終了のとき、相手よりも点数が多いチームが勝利するのが、フットボール。
攻撃の目的も、そこに向かっていくのです。
先日、紅白戦のハーフタイム、唐突に質問を受けました。
「どうすれば、シュートは決まるのですか?」
私に質問した彼は、シュートが決まらずに、悩んでいるのだそうです。
なおも続きます。
「強いボールを蹴るために、練習しているのだけど、なかなか上手くいかない。」
「インステップに当てて、バシーンと・・・。」
話を聞く限り、ゴールネットを揺さぶるような、シュートを打ちたい。
強いシュートを打てないから、ゴールが決まらない。
そのように考えているようでした。
『考え方を変えたら?』
私が、返事をしました。
『強いシュートが、必ずしも求められるわけではないよ。』
すると、彼も答えます。
「ジーコが言ってたけど、ゴールにパスをしろ!ていうやつ?」
ブラジル出身のジーコや、トニーニョセレーゾは、しばしば、シュートをパスに例えていました。
シュートは強さだけではなく、パスのイメージを持ちなさい、と。
彼の意見は、とても良い考え方だと思います。
ゴールの枠に飛ばないシュートは、どんなに惜しくても、得点の可能性は限りなく0です。
弱いシュートでも、枠の中に飛びさえすれば、ゴールの可能性は生まれるものですから。
他のブラジル人指導者も、面白いことを言っていました。
「シュートは、GKの手の届かないところに打つべきだ。」
この考え方も、「シュートはパス」に通ずるところがありますよね。
私は、彼の質問に次のように答えました。
『シュートを、スルーパスだと思って。』
『ゴールの枠と、GKの間のスペースに、スルーパスを通す意識でシュートを打つ』
彼は、質問で返してきました。
「強いシュートは必要ない、ということ?」
『そうではなく、距離が遠かったり、相手のGKが優れていたら、弱いスルーパスは通らない。』
『スルーパスを通すために必要なら、強いキックだよね。』
『それよりも、GKの届かないコースに。』
彼と共に、ピッチに向かいながら、このやり取りをしていました。
私も、質問してきた彼の、対戦相手のGKとして出場するからです。
試合で、劇的な瞬間が訪れました。
その彼が、ペナルティエリア内で、ボールを受けました。
左45度くらいの角度だったでしょうか。
ボールをコントロールして、ルックアップ。
GKとして対峙していた私も、ポジションをとり、構えます。
さあ、どんなシュートが来るのか?
彼は、インサイドとインフロントの間くらいで、回転を掛け、ファーサイドにシュート!
サイドネットぎりぎりに、外側から、巻いてくるようにボールが飛んできます。
私も反応しますが、届きません。
見事なシュートが、ゴール右隅に入りました。
次の瞬間、うれしそうな彼が、話しかけてきました。
「コース!!」
突き刺さったという感じではなく、まさにゴールにスルーパスを通した!
強烈な成功体験は、自らの自信へと変わるはずです。
彼は、これからも、ゴールへのスルーパスを狙い続けるのでしょう。
シュートの瞬間は、どうしても、テンションが上がりすぎるものです。
ゴールの枠と、GKとの間にあるスペースを見ようとする。
そうすると、精神的な駆け引きにも、負けないメンタルを持てるかもしれません。
1つの考え方に過ぎませんが、シュートをスルーパスとしてイメージしてみては?
2011年03月01日
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