2011年03月01日

スルーパスとしてイメージ

 攻撃の目的は?

これに対する答えは、もう既知の通り。

「ゴールを奪うため。」

「シュートを打つため。」

この2つが、模範解答といえます。

どちら?と言われても、それはコーチの主義主張によって、割れるところではあります。

試合終了のとき、相手よりも点数が多いチームが勝利するのが、フットボール。

攻撃の目的も、そこに向かっていくのです。








 先日、紅白戦のハーフタイム、唐突に質問を受けました。

「どうすれば、シュートは決まるのですか?」

私に質問した彼は、シュートが決まらずに、悩んでいるのだそうです。

なおも続きます。

「強いボールを蹴るために、練習しているのだけど、なかなか上手くいかない。」

「インステップに当てて、バシーンと・・・。」

話を聞く限り、ゴールネットを揺さぶるような、シュートを打ちたい。

強いシュートを打てないから、ゴールが決まらない。

そのように考えているようでした。








 『考え方を変えたら?』

私が、返事をしました。

『強いシュートが、必ずしも求められるわけではないよ。』

すると、彼も答えます。

「ジーコが言ってたけど、ゴールにパスをしろ!ていうやつ?」

ブラジル出身のジーコや、トニーニョセレーゾは、しばしば、シュートをパスに例えていました。

シュートは強さだけではなく、パスのイメージを持ちなさい、と。








 彼の意見は、とても良い考え方だと思います。

ゴールの枠に飛ばないシュートは、どんなに惜しくても、得点の可能性は限りなく0です。

弱いシュートでも、枠の中に飛びさえすれば、ゴールの可能性は生まれるものですから。

他のブラジル人指導者も、面白いことを言っていました。

「シュートは、GKの手の届かないところに打つべきだ。」

この考え方も、「シュートはパス」に通ずるところがありますよね。







 私は、彼の質問に次のように答えました。

『シュートを、スルーパスだと思って。』

『ゴールの枠と、GKの間のスペースに、スルーパスを通す意識でシュートを打つ』

彼は、質問で返してきました。

「強いシュートは必要ない、ということ?」

『そうではなく、距離が遠かったり、相手のGKが優れていたら、弱いスルーパスは通らない。』

『スルーパスを通すために必要なら、強いキックだよね。』

『それよりも、GKの届かないコースに。』

彼と共に、ピッチに向かいながら、このやり取りをしていました。

私も、質問してきた彼の、対戦相手のGKとして出場するからです。






 試合で、劇的な瞬間が訪れました。

その彼が、ペナルティエリア内で、ボールを受けました。

左45度くらいの角度だったでしょうか。

ボールをコントロールして、ルックアップ。

GKとして対峙していた私も、ポジションをとり、構えます。

さあ、どんなシュートが来るのか?





 彼は、インサイドとインフロントの間くらいで、回転を掛け、ファーサイドにシュート!

サイドネットぎりぎりに、外側から、巻いてくるようにボールが飛んできます。

私も反応しますが、届きません。

見事なシュートが、ゴール右隅に入りました。

次の瞬間、うれしそうな彼が、話しかけてきました。

「コース!!」





 突き刺さったという感じではなく、まさにゴールにスルーパスを通した!

強烈な成功体験は、自らの自信へと変わるはずです。

彼は、これからも、ゴールへのスルーパスを狙い続けるのでしょう。

シュートの瞬間は、どうしても、テンションが上がりすぎるものです。

ゴールの枠と、GKとの間にあるスペースを見ようとする。

そうすると、精神的な駆け引きにも、負けないメンタルを持てるかもしれません。

1つの考え方に過ぎませんが、シュートをスルーパスとしてイメージしてみては?
posted by プロコーチ at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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